JP2021187168A - 車両構造 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、車幅方向の全体にわたって所定の曲率で上方に膨出するように湾曲するルーフが考えられる。このようなルーフを備える車両構造は、ルーフの曲率が統一されることで、従来の車両構造(例えば、特許文献1参照)と比べてルーフの成形工程が簡素化される。
本実施形態の車両構造は、ルーフの前後方向に延びる複数のビード間に、所定曲率で上方に膨出する湾曲形状部が形成されていることを主な特徴としている。
本実施形態では、ボックスシェイプのいわゆるミニバンに適用した車両構造を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の説明における前後左右上下の方向は、図1に示す前後左右上下の方向を基準とする。
そして、このようなルーフ2の外形を主に構成するルーフパネル3は、平面視で略矩形に形成されている。
また、本実施形態に係る車両構造1は、このルーフパネル3の左右両側のそれぞれで前後方向に延びて車両側面部を形成するサイドパネル4を備えている。
そして、一対の第一ビード5a同士は、ルーフパネル3の車幅方向の中央で所定の間隔を開けて並ぶように配置されている。
また、一対の第二ビード5bのそれぞれは、一対の第一ビード5aを車幅方向外側から所定の間隔を開けて挟むようにルーフパネル3に形成されている。
なお、図1中、符号7は、後に説明する溝部であり、符号9は、後に説明するカバーである。
図2に示すように、第一ビード5aと第二ビード5bとは、下方に開くコ字状断面を有している。
本実施形態でのルーフパネル3は、一対の第一ビード5a同士の間に第一湾曲形状部6aを有するとともに、第一ビード5aと第二ビード5bとの間に第二湾曲形状部6bを有している。
このような第一湾曲形状部6aと第二湾曲形状部6bとは、ルーフパネル3の車幅方向の端部よりも中央部寄りに形成されている。
この第一湾曲形状部6aは、ルーフパネル3の車幅方向中央にあってルーフ2の前後方向に延びている。
また、第一湾曲形状部6aは、所定の曲率で湾曲しており、その曲率中心C1は、ルーフパネル3における車幅方向(図2の左右方向)の中心、つまり第一湾曲形状部6aにおける車幅方向の中心点P1の真下に形成されている。
そして、第一湾曲形状部6aの曲率は、本実施形態の車両構造1におけるルーフ2の後記する要求曲率Rに略等しくなるように設定されている。これにより第一湾曲形状部6aおける曲率半径r1は、この要求曲率Rの曲率半径rと略同じ値になっている。
なお、図2中、符号Cは、要求曲率Rの曲率中心である。
この第二湾曲形状部6bは、第一湾曲形状部6aと並行するように前後方向に延びている。
また、第一湾曲形状部6aは、所定の曲率で湾曲しており、その曲率中心C2は、第二湾曲形状部6bにおける車幅方向の中心点P2の真下に形成されている。
そして、第二湾曲形状部6bの曲率は、後記する要求曲率Rに略等しくなるように設定されている。これにより第二湾曲形状部6bおける曲率半径r2は、この要求曲率Rの曲率半径rと略同じ値になっている。
そして、本実施形態の車両構造1においては、第一湾曲形状部6aの曲率中心C1と、二つの第二湾曲形状部6bの曲率中心C2とが、車幅方向に互いに離れた位置に設定されている。具体的には、第一湾曲形状部6aの曲率中心C1と、二つの第二湾曲形状部6bの曲率中心C2とが、図2に示す車両後面視で、車幅方向に一列に並ぶように設定されている。
図2中、要求曲率Rは、仮想線(二点鎖線)で示している。
この要求曲率Rは、第一及び第二ビード5a,5bなどのビードがないルーフパネル(図示省略)を想定した場合に、CAE(computer aided engineering)に基づく設計上要求されるルーフの車幅方向の全体にわたる曲率である。
これら一対の溝部7は、ルーフパネル3が部分的に下方に窪むことで形成され、上方に開くコ字状断面を有している。
そして、溝部7は、第二ビード5bと並行するように前後方向に延びている。溝部7は、雨水などを前後方向に流す排水溝としての機能を有する。
そして、このモヒカン溝8には、カバー9が嵌め入れられている。
なお、本実施形態でのカバー9は、合成樹脂で形成され、図2示す車両後面視で、下方に開くコ字状断面を有している。そして、カバー9は、図1に示すように、溝部7と並行するように前後方向に延びている。
このような車両構造1においては、図3に示すように、第二ビード5bと第二ビード5bに隣接する第二湾曲形状部6bとの高低差Dh1よりも、第二ビード5bと第二ビード5bに隣接する溝部7の底部との高低差Dh2の方が大きくなるように設定されている。
また、ルーフパネル3の一般部とカバー9の表面部との高低差Dh3は、ルーフパネル3の一般部と溝部7の底部との高低差Dh4よりも小さくなるように設定されている。
本実施形態の車両構造1は、一対の第一ビード5a同士の間に第一湾曲形状部6aを有するとともに、第一ビード5aと第二ビード5bとの間に第二湾曲形状部6bを有している。
このような車両構造1によれば、ビード5a,5a間、及びビード5a,5b間のそれぞれに湾曲形状部6a,6bを配置することによって、ルーフパネル3に十分な剛性を確保することができる。これにより車両構造1は、ルーフパネル3の板厚を低減することができ、ルーフ2自体の軽量化を達成することができる。
このような車両構造1によれば、ビードが無いと仮定したルーフパネルの要求曲率Rと同じ値となるように、湾曲形状部6a,6bのそれぞれの曲率半径r1,r2が設定されるので、ビードの有無に応じた曲率の設定が不要となって、設計工数が削減される。
このような車両構造1によれば、車両側面視で、湾曲形状部6a,6bは、ユーザーの視界から一番離れた場所に形成されるので、外観性に影響が少ない。
このような車両構造1によれば、排水機能が必要とされる車幅方向外側のルーフ2の縁部において、十分な排水機能を確保することができる。
このような車両構造1によれば、車幅方向外側に位置するモヒカン溝8(接続溝)を浅くすることができるので、車両側面視でのモヒカン溝8が目立たなくなってルーフ2の外観性(美観)が向上する。
このような車両構造1によれば、曲率中心C1,C2同士が重なるものと異なって、ルーフパネル3の車幅方向端部での高さが下方にシフトすることが避けられる。これにより車両構造1においては、ルーフパネル3に要求される所定の剛性を付与しつつも、車両全体の形状に与える影響が少ない。
前記実施形態では、第一湾曲形状部6aの曲率中心C1と、二つの第二湾曲形状部6bの曲率中心C2とが、水平方向に並ぶものを想定しているが、曲率中心C1と曲率中心C2とは、相対的に上下方向にシフトした構成とすることもできる。
また、前記実施形態では、第二湾曲形状部6bの曲率中心C2が、第二湾曲形状部6bにおける車幅方向の中心点P2の真下に形成されているが、曲率中心C2のそれぞれは、水平方向に多少シフトする構成でも構わない。
2 ルーフ
3 ルーフパネル
4 サイドパネル
5a 第一ビード(ビード)
5b 第二ビード(ビード)
6a 第一湾曲形状部(湾曲形状部)
6b 第二湾曲形状部(湾曲形状部)
7 溝部
8 モヒカン溝(接合溝)
9 カバー
C1 第一湾曲形状部の曲率中心
C2 第二湾曲形状部の曲率中心
Dh1 第二ビードと第二湾曲形状部との高低差
Dh2 第二ビードと溝部の底部との高低差
Dh3 ルーフパネルの一般部とカバーの表面部との高低差
Dh4 ルーフパネルの一般部と溝部の底部との高低差
r 要求曲率の曲率半径
r1 第一湾曲形状部の曲率半径
r2 第二湾曲形状部の曲率半径
R 要求曲率
Claims (6)
- ルーフの前後方向に延在するとともに車幅方向に複数並ぶ上方向に凸のビードと、
前記ビード間で車幅方向に湾曲して上方向に膨出する湾曲形状部と、
を有することを特徴とする車両構造。 - 前記湾曲形状部は複数設けられ、
それぞれの前記湾曲形状部における曲率半径は、前記ビードがないと仮定した場合に前記ルーフの車幅方向の全体にわたる要求曲率半径と略同じ値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両構造。 - 前記湾曲形状部は、前記ルーフの車幅方向の端部よりも前記ルーフの中央部寄りに形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両構造。
- 前記ルーフには、前記湾曲形状部よりも車幅方向外側で前後方法に延びる溝部が設けられ、
前記ビードと当該ビードに隣接する前記湾曲形状部との高低差よりも、当該ビードと当該ビードに隣接する前記溝部の底部との高低差のほうが大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両構造。 - 前記ルーフには、前記溝部よりも車幅方向外側で、ルーフパネルとサイドパネルとを接合する接合溝と、前記接合溝に嵌合するカバーと、が設けられ、
前記ルーフパネルと前記カバーとの高低差は、前記ルーフパネルと前記溝部の底部との高低差よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の車両構造。 - 前記湾曲形状部は複数設けられ、
それぞれの前記湾曲形状部における曲率半径の中心は、車幅方向に互いに離れた位置に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両構造。
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