JP2021186907A - フレキシブル生産システム - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送装置に対して加工装置を締結する際の安定性を高める。【解決手段】フレキシブル生産システム1は、ワークを搬送する搬送装置2に対して加工装置3が複数の電磁石11の電磁力により締結される。複数の電磁石は、搬送装置に対して加工装置が締結されるべき締結期間において少なくとも何れかが通電状態となるように通電状態と非通電状態とが切替えられる。【選択図】図8
Description
本発明は、フレキシブル生産システムに関する。
例えば自動車産業や電機産業等において、多品種少量生産や製品の短寿命化に伴うフレキシブルな生産計画に対応可能とするように、ワークを搬送する搬送装置と、ワークを加工する加工装置とが分離されたフレキシブル生産システムが供されている。高い精度が求められる精密な加工工程では、従来の視覚装置による補正や低精度の位置決めだけでは高い精度を実現することが困難であるので、搬送装置と加工装置とを機械的に締結する必要がある。搬送装置と加工装置とを機械的に締結する構成として、手動でボルト締めして締結する方法やピンを挿入して締結する方法等の幾つかの方法が挙げられるが、そのうちの一つとして、電磁石を用いて締結する方法が考えられる。加工装置側に電磁石を設けることで、搬送装置側に複雑な機構を設けることなく、短時間で且つ作業者の経験に依存せずに搬送装置に対して加工装置を締結することが可能となる。電磁石を用いて締結する方法として、例えば特許文献1には、加工装置同士を締結する構成が開示されている。
しかしながら、一般的に電磁石を長時間連続使用すると、抵抗により発熱して温度上昇することで、出力の低下、内部のコイルの焼損、発火といった危険が生じる。そのため、電磁石を用いる締結は、吸着チャック等の短時間の用途で使用されることが多い。一方、電磁石を用いて搬送装置に対して加工装置を締結する場合には、電磁石を長時間連続使用することが見込まれ、複数の電磁石を定格で連続使用すると、損失の増大が懸念される。又、複数の電磁石をパルス制御する場合に、締結力にばらつきが生じると、安定した締結を行えなくなることも懸念される。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送装置に対して加工装置を締結する際の安定性を高めることができるフレキシブル生産システムを提供することにある。
請求項1に記載した発明によれば、ワークを搬送する搬送装置(2)に対して加工装置(3)が複数の電磁石(11)の電磁力により締結される。複数の電磁石は、搬送装置に対して加工装置が締結されるべき締結期間において少なくとも何れかが通電状態となるように通電状態と非通電状態とが切替えられる。
搬送装置に対して加工装置を締結するための複数の電磁石が、搬送装置に対して加工装置が締結されるべき締結期間において少なくとも何れかが通電状態となるように通電状態と非通電状態とが切替えられる構成とした。締結期間において常時均等な締結力を確保することができる。これにより、搬送装置に対して加工装置を締結する際の安定性を高めることができる。
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。フレキシブル生産システムは、例えば自動車産業や電機産業等において、多品種少量生産や製品の短寿命化に伴うフレキシブルな生産計画に対応可能な生産システムである。図1に示すように、フレキシブル生産システム1は、ワークを搬送する搬送装置2と、搬送装置2において搬送されるワークを加工する複数の加工装置3とを備える。搬送装置2は、長尺状に形成されており、その長手方向(図1中矢印A方向)がワークの搬送方向となっている。
加工装置3は、台車4と、台車4の前方側上部に固定設置されているロボット5とを備える。ロボット5は、例えば6軸の垂直多関節型ロボットであり、それぞれアームとして機能するベース、ショルダ、下アーム、第1上アーム、第2上アーム、手首及びフランジを備える。具体的には、ロボット5は、ベースにZ方向の軸心を持つ第1軸(J1)を介してショルダが水平方向に回転可能に連結され、ショルダにY方向の軸心を持つ第2軸(J2)を介して上方に延びる下アームの下端部が垂直方向に回転可能に連結され、下アームの先端部にY方向の軸心を持つ第3軸(J3)を介して第1上アームが垂直方向に回転可能に連結されている。第1上アームの先端部にX方向の軸心を持つ第4軸(J4)を介して第2上アームが捻り回転可能に連結され、第2上アームの先端部にY方向の軸心を持つ第5軸(J5)を介して手首が垂直方向に回転可能に連結され、手首にX方向の軸心を持つ第6軸(J6)を介してフランジが捻り回転可能に連結されている。アームの先端となるフランジには、図示は省略するが、エンドエフェクタとも呼ばれるハンドが接続される。ハンドは、例えばワークを保持して移送したり、ワークを加工する工具等が取付けられたりする。ロボット5に設けられている各軸J1〜J6には、それぞれに対応して駆動源となるモータが設けられている。
台車4の後方側上部にはハンドル6及び操作パネル7が設けられている。台車4の内部にはロボット5の動作を制御するコントローラが設けられている。台車の下部には車輪8が取付けられている。
図2及び図3に示すように、搬送装置2及び加工装置3には、それぞれ安全を確保するための安全カバー9,10が装着される。安全カバー9,10は、ロボット5の駆動範囲が危険源となり得るので、搬送装置2側から加工装置3側又は加工装置3側から搬送装置2側に例えば作業者の手等が侵入するのを防止するために装着される。搬送装置2に対して加工装置3が接続されていないと安全を確保することができないので、搬送装置2に対して加工装置3が接続されていることを確認するための安全確認センサが配置されている。安全確認センサは、例えばRFIDタイプのセンサである。
搬送装置2において加工装置3に対して対向する部位には、例えば鉄を材料とする金属板が設けられている。加工装置3において搬送装置2に対向する部位である台車4の前面部4aには、搬送装置2に締結するための電磁石11が設けられている。具体的に説明すると、図4に示すように、台車4の前面部4aには、加工装置3の重心Gを中心とする真円上に複数の電磁石11a,11b,11c,…が設けられている。図4では、台車4の前面部4aに4個の電磁石11a〜11dが設けられている構成を例示している。
電磁石11は、図5及び図6に示すように、非通電状態から通電状態に切替わると発熱して温度が上昇し、通電状態から非通電状態に切替わると放熱して温度が下降する。この場合、電磁石11の発熱冷却特性について説明すると、温度が上昇し始める温度を初期温度とし、温度が下降し始める温度を到達温度とし、初期温度から到達温度に上昇するまでの発熱時間とし、到達温度から初期温度に下降するまでの冷却時間とすると、図5に示す冷却時間が発熱時間よりも短い特性のタイプと、図6に示す冷却時間が発熱時間よりも長い特性のタイプとがある。そのため、加工装置3に設けられる電磁石11の個数や通電周期は、採用する電磁石11の発熱冷却特性に応じて決定される。尚、図5及び図6では、温度が直線的に上昇して下降する特性を例示しているが、温度が曲線的に上昇して下降する特性でも良い。
図5に示した冷却時間が発熱時間よりも短い特性のタイプの電磁石11を採用する場合であれば、例えば図7に示すように、加工装置3の重心Gを中心とする真円上に4個の電磁石11a〜11dが設けられ、図8に示すように、搬送装置2に対して加工装置3が締結されるべき締結期間において、それぞれ対角の関係にある電磁石11a,11cが同期し、電磁石11b,11dが同期するように通電状態と非通電状態とが切替えられる。
図6に示した冷却時間が発熱時間よりも長い特性のタイプの電磁石11を採用する場合であれば、例えば図9に示すように、加工装置3の重心Gを中心とする真円上に8個の電磁石11a〜11hが設けられ、図10に示すように、搬送装置2に対して加工装置3が締結されるべき締結期間において、それぞれ対角の関係にある電磁石11a,11eが同期し、電磁石11b,11fが同期し、電磁石11c,11gが同期し、電磁石11d,11hが同期するように通電状態と非通電状態とが切替えられる。
又、電磁石11は、加工装置3の重心Gを中心とする一つの真円上に配置されることに限らず、複数の真円上に配置されても良い。図5に示した冷却時間が発熱時間よりも短い特性のタイプの電磁石11を採用する場合であれば、例えば図11に示すように、加工装置3の重心Gを中心とする第1真円上に8個の電磁石11a〜11hが設けられると共に、第1真円よりも半径が短い第2真円上に4個の電磁石11i〜11lが設けられ、図12に示すように、それぞれ対角の関係にある電磁石11a,11eと、電磁石11b,11fと、電磁石11i,11kとが同期し、電磁石11c,11gと、電磁石11d,11hと、電磁石11j,11lとが同期するように通電状態と非通電状態とが切替えられる。
又、図6に示した冷却時間が発熱時間よりも長い特性のタイプの電磁石11を、第1真円上の8個の電磁石11a〜11hに採用し、図5に示した冷却時間が発熱時間よりも短い特性のタイプの電磁石11を、第2真円上の4個の電磁石11i〜11lに採用し、第1真円上の8個の電磁石11a〜11hの通電状態と非通電状態とが切替えられる周期と、第2真円上の4個の電磁石11i〜11lの通電状態と非通電状態とが切替えられる周期とが異なっても良い。
尚、採用される電磁石11のタイプや個数は、要求される締結力を考慮して決定されれば良く、例えば加工装置3のサイズ、加工装置3に実装されているロボット5の動作速度や動作条件等により決定されれば良い。例えばロボット5の動作速度が比較的速かったり台車4のサイズに対してロボット5のサイズが比較的小さかったりすれば、比較的大きな締結力が要求されるので、比較的大きな締結力を発揮するように電磁石11のタイプや個数が選定されれば良い。一方、例えばロボット5の動作速度が比較的遅かったり台車4のサイズに対してロボット5のサイズが比較的大きかったりすれば、比較的小さな締結力で済むので、比較的小さな締結力を発揮するように電磁石11のタイプや個数が選定されれば良い。
以上に説明したように本実施形態によれば、以下に示す作用効果を得ることができる。フレキシブル生産システム1において、搬送装置2に対して加工装置3を締結するための複数の電磁石11が通電状態と非通電状態とが切替えられる構成とした。締結期間において常時均等な締結力を確保することができる。これにより、搬送装置2に対して加工装置3を締結する際の安定性を高めることができる。
複数の電磁石11が加工装置3の重心Gを中心とする真円上に設けられ、対角の電磁石11同士が同期して切替えられる構成とした。回転方向の力を発生させることなく、搬送装置2に対して加工装置3を締結する際の安定性をより一層高めることができる。
複数の電磁石11が加工装置3の重心Gを中心とする半径が異なる複数の真円上に設けられ、対角の電磁石11同士が同期して切替えられる構成とした。締結力を高めることで、搬送装置2に対して加工装置3を締結する際の安定性をより一層高めることができる。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1はフレキシブル生産システム、2は搬送装置、3は加工装置、11は電磁石
である。
である。
Claims (3)
- ワークを搬送する搬送装置(2)に対して加工装置(3)が複数の電磁石(11)の電磁力により締結されるフレキシブル生産システム(1)であって、
前記複数の電磁石は、前記搬送装置に対して前記加工装置が締結されるべき締結期間において少なくとも何れかが通電状態となるように通電状態と非通電状態とが切替えられるフレキシブル生産システム。 - 前記複数の電磁石は、前記加工装置の重心を中心とする真円上に設けられ、対角の電磁石同士が同時に通電状態となるように切替えられる請求項1に記載したフレキシブル生産システム。
- 前記複数の電磁石は、前記加工装置の重心を中心とする半径が異なる複数の真円上に設けられ、対角の電磁石同士が同時に通電状態となるように切替えられる請求項2に記載したフレキシブル生産システム。
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