JP2021186698A - 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法 - Google Patents

医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021186698A
JP2021186698A JP2020090752A JP2020090752A JP2021186698A JP 2021186698 A JP2021186698 A JP 2021186698A JP 2020090752 A JP2020090752 A JP 2020090752A JP 2020090752 A JP2020090752 A JP 2020090752A JP 2021186698 A JP2021186698 A JP 2021186698A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
treated
free chlorine
exchange resin
purified water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020090752A
Other languages
English (en)
Inventor
之重 佐藤
Yukishige Sato
実 酒井
Minoru Sakai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Aqua Solutions Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Aqua Solutions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Aqua Solutions Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Aqua Solutions Co Ltd
Priority to JP2020090752A priority Critical patent/JP2021186698A/ja
Publication of JP2021186698A publication Critical patent/JP2021186698A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

【課題】軟水化部での菌繁殖を抑制し、医薬精製水の水質が向上しやすい医薬精製水製造装置等を提供する。【解決手段】被処理水を精製し、精製水を製造する精製水製造ユニット1であって、架橋度が7%以上11%以下の陽イオン交換樹脂を用いて、被処理水を軟水化する軟水器10と、軟水器10により軟水化された被処理水に含まれる遊離塩素を除去する活性炭塔40と、活性炭塔40により遊離塩素が除去された被処理水を濾過するユニット60と、を備えることを特徴とする精製水製造ユニット1。【選択図】図1

Description

本発明は、医薬精製水の製造装置等に関し、より詳しくは、被処理水を軟水化する軟水化部を備える医薬精製水の製造装置等に関する。
例えば、医薬品の製造を行うには、製薬用の水である精製水を用いることが決められている。この医薬精製水は、水道水等の被処理水に含まれる遊離塩素を除去し、さらにイオン交換樹脂等を使用した軟水化部で軟水化を行った後、逆浸透膜等の濾過膜を利用した濾過部により精製することで製造されることがある。この方法によれば、被処理水に含まれる遊離塩素を除去した後に軟水化を行うため、軟水化を行うためのイオン交換樹脂等が遊離塩素により劣化することが生じにくいという利点がある。
特許文献1には、原水を昇圧する第1の昇圧手段と、第1の昇圧手段によって昇圧された原水を活性炭で濾過して残留塩素を除去する残留塩素除去手段と、残留塩素が除去された原水を昇圧する、第1の昇圧手段とは異なる第2の昇圧手段と、第2の昇圧手段によって昇圧された原水をナノ濾過膜によって軟水化する軟水化手段と、軟水化された原水を逆浸透膜で濾過して精製水を得る精製手段とを具備することを特徴とする精製水製造装置が開示されている。
特開2009−39696号公報
しかしながら、遊離塩素を除去した後に軟水化を行った場合、殺菌作用を有する遊離塩素が除去されているため菌繁殖の可能性が高くなる。また軟水化部にはイオン交換樹脂等が充填されており、配管部に比べて流速が低下するため、菌繁殖の可能性がより高くなる。その結果、医薬精製水の水質を満たすことができない場合が生じるという問題がある。また軟水化部が、例えば、2基のイオン交換樹脂塔からなる場合は、そのうち1基でイオン交換樹脂を再生しているときに、残りの1基を使用して医薬精製水を製造する。しかしこの場合、軟水化部の前段に遊離塩素を除去する機器があると、この機器が大きくなるという問題がある。
本発明の目的は、軟水化部での菌繁殖を抑制し、医薬精製水の水質が向上しやすい医薬精製水製造装置等を提供しようとするものである。
かくして本発明によれば、被処理水を精製し、精製水を製造する医薬精製水製造装置であって、架橋度が7%以上11%以下の陽イオン交換樹脂を用いて、被処理水を軟水化する軟水化部と、軟水化部により軟水化された被処理水に含まれる遊離塩素を除去する遊離塩素除去部と、遊離塩素除去部により遊離塩素が除去された被処理水を濾過する濾過部と、を備える、医薬精製水製造装置が提供される。
ここで、軟水化部と遊離塩素除去部との間に軟水化部により軟水化された被処理水を貯留する貯留部をさらに備えることが好ましい。
また濾過部は、逆浸透膜を有するようにすることができる。
さらに本発明によれば、被処理水を精製し、精製水を製造する医薬精製水の製造方法であって、架橋度が7%以上11%以下の陽イオン交換樹脂を用いて、被処理水を軟水化する軟水化工程と、軟水化工程により軟水化された被処理水に含まれる遊離塩素を除去する遊離塩素除去工程と、遊離塩素除去工程により遊離塩素が除去された被処理水を濾過する濾過工程と、を含む、医薬精製水の製造方法が提供される。
本発明によれば、軟水化部での菌繁殖を抑制し、医薬精製水の水質が向上しやすい医薬精製水製造装置等を提供することができる。
本実施の形態が適用される医薬精製水製造装置について説明した図である。 精製水製造ユニットの動作について説明したフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
以下、図面に基づき、本実施の形態が適用される医薬精製水製造装置について説明を行う。
図1は、本実施の形態が適用される医薬精製水製造装置について説明した図である。
図示する医薬精製水製造装置の一例である精製水製造ユニット1は、被処理水を精製し、医薬精製水とする装置である。
本実施の形態では、被処理水は、例えば、日本薬局方の医薬品各条で規定されている常水である。この常水は、水道法第4条に基づく水質基準に適合することが求められている。より具体的には、水質基準として、平成15年厚生労働省令第101号により50項目が定められている。またこの基準と併せてアンモニウムが、「0.05mg/L以下」の規格に適合することが求められる。
常水としては、例えば、水道水や消毒処理を施した井水が用いられる。そのため常水には、消毒のために使用された塩素剤に起因する遊離塩素が含まれるのが通常である。塩素剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が用いられる。そしてこれに起因する遊離塩素としては、次亜塩素酸(HOCl)、次亜塩素酸イオン(OCl)等が挙げられる。
本実施の形態で医薬精製水は、製薬用の水であり、日本薬局方の医薬品各条で規定されている精製水である。この精製水は、有機体炭素が0.50mg/L以下であるとともに、導電率(25℃)が2.1μS/cm以下である基準を満たす水であることが必要である。精製水は、原薬の製造、製剤における溶解剤、製薬機器の洗浄、試薬試液の調整、医療器具の洗浄、コンタクトレンズの洗浄剤保存剤の調整等の用途に用いられる。
図示するように精製水製造ユニット1は、原水である被処理水を軟水化する軟水器10と、軟水となった被処理水を貯留する軟水タンク20と、被処理水に含まれる遊離塩素を除去する活性炭塔40と、被処理水を精製するRO(Reverse Osmosis Membrane:逆浸透膜)ユニット60と、被処理水からさらにイオンを除去するEDI(Electrodeionization:電気再生式純水装置)65と、精製された後の医薬精製水を貯留する貯留タンク70と、精製水製造ユニット1全体を制御する制御ユニット80とを備える。軟水器10、軟水タンク20、活性炭塔40、ROユニット60、EDI65、および貯留タンク70は、ステンレスや樹脂等からなる配管H1、H2、H4、H6、H7により直列に接続される。また貯留タンク70からは、貯留タンク70から医薬精製水を供給し、ユースポイントを経て、再び貯留タンク70に戻るループ配管Rが備えられる。そして配管H2および配管H4の途中には、それぞれポンプP1およびポンプP2が設けられ、ループ配管Rには、ポンプP3が設けられる。
本実施の形態では、被処理水として水道水を用いる。そのため所定の水圧を既に有しており、この水圧を利用して、被処理水は、まず軟水器10に入る。
軟水器10は、被処理水を軟水化する軟水化部の一例であり、例えば、イオン交換塔である。軟水器10としてイオン交換塔を使用する場合、内部には、陽イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂)が充填されている。そしてこの陽イオン交換樹脂に被処理水を通水すると、被処理水中のカルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウムイオン(Mg2+)を含む陽イオンが、陽イオン交換樹脂の対イオンと交換することで除去される。これにより被処理水を軟水化し、軟水とすることができる。
軟水器10で使用する陽イオン交換樹脂は、特に限定されるものではなく、強酸性の陽イオン交換樹脂や、弱酸性の陽イオン交換樹脂を使用することができる。ただし、架橋度が7%以上11%以下の陽イオン交換樹脂であることが必要である。陽イオン交換樹脂は、例えば、ベンゼン環にビニル基が1つついたスチレンと、ビニル基が2つついたジビニルベンゼン(DVB)とを材料とする陽イオン交換樹脂がある。それらを水中で懸濁重合することで直鎖の高分子であるポリスチレン同士をジビニルベンゼン(DVB)が橋架けする。即ち、ジビニルベンゼン(DVB)は、架橋剤として機能する。そして、この架橋剤であるジビニルベンゼン(DVB)が全原料中に占める重量比率を、架橋度と言う。
詳しくは後述するが、陽イオン交換樹脂の架橋度が、7%未満であると、耐酸化性が良好でなくなる。また、陽イオン交換樹脂の架橋度が、11%を超えると、陽イオン交換樹脂の能力利用率が小さくなりすぎる。また、耐酸化性及び能力利用率を両立する観点から、陽イオン交換樹脂の架橋度は、8%以上10%以下が好ましい。
なお図1では、軟水器10として、イオン交換塔を2基図示している。このように本実施の形態では、イオン交換塔を複数とし、そのうちの1基を使用して軟水化を行う。この場合、陽イオン交換樹脂の再生の必要が生じた場合は、他のイオン交換塔に流路を変更して軟水化を行う。そして再生の必要が生じた陽イオン交換樹脂が充填されたイオン交換塔については、通水を停止して陽イオン交換樹脂の再生を行う作業を行うことができる。これにより精製水製造ユニット1の運転を停止することなく、陽イオン交換樹脂の再生作業を行うことができる。陽イオン交換樹脂を再生するには、例えば、イオン交換塔に食塩水を通水することで行うことができる。
軟水タンク20は、貯留部の一例であり、軟水器10により軟水化された被処理水を一時的に貯留する。軟水タンク20は、上述したイオン交換塔の切換えの際に、圧力変化が生じ、これが後段に設けられる各装置に及ぶのを抑制するために設けられる。そしてポンプP1を駆動することで軟水タンク20から後段の装置に被処理水を送出する。
活性炭塔40は、遊離塩素除去部の一例であり、内部に活性炭を充填する装置である。そして被処理水を活性炭に通水することで、被処理水に含まれる遊離塩素を除去する。活性炭塔40で使用する活性炭は、特に限定されるものではない。例えば、活性炭には、活性炭を製造するための原料により、石炭系活性炭とヤシガラ活性炭に大別されるが、何れも使用することができる。ただし、溶出するおそれがより少ないという点で活性炭に含まれる不純物はできるだけ少ない方が好ましい。
なお被処理水に含まれる遊離塩素を除去する機能を有する装置であれば、活性炭塔40ではなく他の装置であってもよい。例えば、亜硫酸ソーダを使用して被処理水中の遊離塩素を還元する装置や、紫外線の照射で遊離塩素を分解する装置であってもよい。
ROユニット60は、逆浸透膜(RO膜)を備える装置であり、濾過部の一例である。ROユニット60は、逆浸透膜により被処理水中に含まれる不純物を濾過し、被処理水の精製を行う。
逆浸透膜は、概ね1nm〜2nmの大きさの孔が多数形成された膜であり、水は透過するが、イオンは透過しない性質を有する。そのため被処理水から不純物である塩類やイオンを除去し、精製を行うことができる。逆浸透膜としては、例えば、ポリアミド膜が例示される。ROユニット60では、逆浸透膜による抵抗が生じるため、ポンプP2を設け、被処理水を昇圧した上でROユニット60に供給する。
EDI65は、陽イオンを通過させる陽イオン交換膜と陰イオンを通過させる陰イオン交換膜の間に陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を充填した構造を一単位とし、この単位を複数並べる構成を採る。そしてこれらが並ぶ方向の両側に陽電極と陰電極を設け、これらの電極間に直流電圧を印可する。
この場合、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂が充填された箇所(脱塩室)に被処理水を通水すると、この中に含まれる陽イオンと陰イオンが、それぞれ陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂により除去される。さらに陽イオン交換樹脂により除去された陽イオンは、直流電圧の作用により陰電極側に引きつけられ、陽イオン交換膜を通過して、上記単位間の空間(濃縮室)に染み出てくる。また陰イオンも同様に、直流電圧の作用により陽電極側に引きつけられ、陰イオン交換膜を通過して、濃縮室に染み出てくる。その結果、脱塩室からは、被処理水から陽イオンおよび陰イオンが除去された医薬精製水が得られる。一方、濃縮室からは、陽イオンおよび陰イオンを多く含む水が、排水として装置外に排出される。
この構成によれば、被処理水から陽イオンおよび陰イオンを除去して医薬精製水を得るとともに、除去された陽イオンおよび陰イオンは、濃縮されて装置外に排出される。即ち、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂に吸着された各種イオンを、イオン交換膜を使用した電気透析により、連続再生が行われる。その結果、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の再生処理を行う頻度が低減され、処理費用がより廉価となる。
貯留タンク70は、ROユニット60を透過して医薬精製水となった水を貯留する。そして医薬精製水は、ポンプP3を駆動することで、貯留タンク70からループ配管Rにより各ユースポイントに送られる。
上述した精製水製造ユニット1は、軟水器10により被処理水の軟水化を行った後に、活性炭塔40により遊離塩素を除去する。つまり被処理水に含まれる遊離塩素を除去せずに軟水器10に通水する。そのため軟水器10内においてイオン交換樹脂等を充填することで流速の低下が生じても菌繁殖の可能性がより低くなる。その結果、医薬精製水の水質を満たすことがより容易になる。
さらに上述した精製水製造ユニット1は、軟水化部の後段に遊離塩素を除去する活性炭塔40がある。この場合、軟水化部の前段にある場合に比較して活性炭塔40をより小さくしやすくなる。
次に精製水製造ユニット1の動作について説明を行う。
図2は、精製水製造ユニット1の動作について説明したフローチャートである。
以下、図1および図2に基づき、精製水製造ユニット1の動作について説明を行う。
まず被処理水を軟水器10に導入し、被処理水を軟水化する(ステップ101:軟水化工程)。このとき軟水器10であるイオン交換塔中の陽イオン交換樹脂が再生する必要があるか否かを判断する(ステップ102)。再生の時期は、通水時間や通水量により判断することができる。そして再生する必要がある場合(ステップ102でYes)、被処理水の流路を他のイオン交換塔に変更し、陽イオン交換樹脂を再生する(ステップ103)。
また再生する必要がない場合(ステップ102でNo)、引き続き通水を行い、次に軟水化された被処理水を軟水タンク20で一時的に貯留する(ステップ104)。
そして被処理水中の活性炭塔40で被処理水に含まれる遊離塩素を除去する(ステップ105:遊離塩素除去工程)。
次にROユニット60により被処理水を濾過し、精製を行う(ステップ106:濾過工程)。
さらにEDI65により被処理水からさらにイオンを除去する(ステップ107)。
EDI65を透過した水は、医薬精製水として、貯留タンク70に貯留される(ステップ108)。
以上説明した方法によって、精製水製造ユニット1により医薬精製水を製造することができる。
以上詳述した精製水製造ユニット1は、濾過手段として逆浸透膜を使用したRO装置を使用した例について説明したが、これに限られるものではなく、濾過機能を有するものであれば特に限られるものではない。例えば、限外濾過膜を使用したUF(Ultrafiltration Membrane)装置であってもよい。
また以上詳述した精製水製造ユニット1では、軟水タンク20やポンプP1を設けていたが、必ずしも設ける必要はない。さらに軟水器10として、イオン交換塔を2基設けていたが、1基であってもよい。
以下、本発明について、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
[陽イオン交換樹脂]
(実施例1)
実施例1では、陽イオン交換樹脂として、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンSK1Bを使用し、耐酸化性および能力利用率について試験を行った。ここで用いた陽イオン交換樹脂は、強酸性の陽イオン交換樹脂であり、架橋度は、8%である。
(実施例2)
実施例2では、陽イオン交換樹脂として、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンSK110を使用し、実施例1と同様に、耐酸化性および能力利用率について試験を行った。ここで用いた陽イオン交換樹脂は、強酸性の陽イオン交換樹脂であり、架橋度は、10%である。
(比較例1〜4)
比較例1〜4では、陽イオン交換樹脂として、それぞれ三菱ケミカル株式会社製の、ダイヤイオンSK104、ダイヤイオンSK106、ダイヤイオンSK112、ダイヤイオンSK116を使用し、実施例1と同様に、耐酸化性および能力利用率について試験を行った。ここで用いた陽イオン交換樹脂は、強酸性の陽イオン交換樹脂であり、架橋度は、それぞれ4%、6%、12%、16%である。
[試験方法]
耐酸化性の試験方法は、以下の通りである。
30meshのふるいを通過した陽イオン交換樹脂を、塩酸(HCl)および水酸化ナトリウム(NaOH)で2回コンディショニングをした後に、Na形とした。そして、この陽イオン交換樹脂5mlを、100mLの30%過酸化水素(H)水に、室温で192時間浸漬し、酸化させた。
そして、酸化前の陽イオン交換樹脂と、酸化後の陽イオン交換樹脂について、交換容量を測定した。また、酸化前の陽イオン交換樹脂と、酸化後の陽イオン交換樹脂について、含有する水分について測定した。さらに、酸化前の陽イオン交換樹脂と、酸化後の陽イオン交換樹脂について、膨張度を測定した。
能力利用率の試験方法は、以下の通りである。
まず、陽イオン交換樹脂の貫流容量を測定した。貫流容量は、軟水処理と再生処理を繰り返す通水試験を行うことで測定することができる。
ここではまず、30mmφ×1000mmHのアクリル製のカラムを用意した。さらに、このカラム内にNa形とした陽イオン交換樹脂を、700mL充填した。そして、800ppmCaCl水溶液をカラム内に通水して軟水処理を行い、全硬度が、2ppm漏出したときを貫流点とした。その後、10%NaCl水により陽イオン交換樹脂の再生処理を行った。そして軟水処理と再生処理とを繰り返し行った。
そして、貫流容量を陽イオン交換樹脂の総交換容量で除した値を、能力利用率とした。貫流容量は、貫流点に達するまでの交換容量である。また、総交換容量は、水で膨潤した状態で、陽イオン交換樹脂のもつすべての交換基が作用した場合の交換容量である。貫流容量および総交換容量は、陽イオン交換樹脂の単位体積当たりのmeq当量(meq/ml)で表す。つまり、能力利用率は、陽イオン交換樹脂に含まれるイオン交換基の利用効率を表す。
[評価結果]
評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2021186698
耐酸化性の試験については、交換容量、水分、膨張度の何れも、酸化前に対する酸化後の変化率が1に近いほど耐酸化性に優れることを意味する。その結果、耐酸化性は、陽イオン交換樹脂の架橋度が8%、10%、12%、16%の場合に、良好であった。対して、陽イオン交換樹脂の架橋度が4%、6%の場合は、耐酸化性が良くない結果となった。
能力利用率の試験については、数値が大きいほど能力利用率が高く、良好であることを意味する。その結果、能力利用率は、陽イオン交換樹脂の架橋度が4%、6%、8%、10%の場合に、良好であった。対して、陽イオン交換樹脂の架橋度が、12%、16%の場合は、能力利用率が小さくなりすぎる結果となった。
以上の耐酸化性および能力利用率の試験の結果から、陽イオン交換樹脂の架橋度が、7%以上11%以下の場合に、双方の結果が良好となることがわかる。よって、本実施例の結果として、軟水器10で使用する陽イオン交換樹脂は、架橋度が7%以上11%以下のものが適することが確認された。
1…精製水製造ユニット、10…軟水器、20…軟水タンク、40…活性炭塔、60…ROユニット、65…EDI、70…貯留タンク、80…制御ユニット

Claims (4)

  1. 被処理水を精製し、精製水を製造する医薬精製水製造装置であって、
    架橋度が7%以上11%以下の陽イオン交換樹脂を用いて、被処理水を軟水化する軟水化部と、
    前記軟水化部により軟水化された被処理水に含まれる遊離塩素を除去する遊離塩素除去部と、
    前記遊離塩素除去部により遊離塩素が除去された被処理水を濾過する濾過部と、
    を備える、医薬精製水製造装置。
  2. 前記軟水化部と前記遊離塩素除去部との間に当該軟水化部により軟水化された被処理水を貯留する貯留部をさらに備える、請求項1に記載の医薬精製水製造装置。
  3. 前記濾過部は、逆浸透膜を有する、請求項1または2に記載の医薬精製水製造装置。
  4. 被処理水を精製し、精製水を製造する医薬精製水の製造方法であって、
    架橋度が7%以上11%以下の陽イオン交換樹脂を用いて、被処理水を軟水化する軟水化工程と、
    前記軟水化工程により軟水化された被処理水に含まれる遊離塩素を除去する遊離塩素除去工程と、
    前記遊離塩素除去工程により遊離塩素が除去された被処理水を濾過する濾過工程と、
    を含む、医薬精製水の製造方法。
JP2020090752A 2020-05-25 2020-05-25 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法 Pending JP2021186698A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020090752A JP2021186698A (ja) 2020-05-25 2020-05-25 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020090752A JP2021186698A (ja) 2020-05-25 2020-05-25 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021186698A true JP2021186698A (ja) 2021-12-13

Family

ID=78849923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020090752A Pending JP2021186698A (ja) 2020-05-25 2020-05-25 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021186698A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4827986A (ja) * 1971-08-13 1973-04-13
JPS61242687A (ja) * 1985-04-19 1986-10-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 精製水製造装置
JP2019188270A (ja) * 2018-04-18 2019-10-31 日本ウォーターシステム株式会社 水処理装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4827986A (ja) * 1971-08-13 1973-04-13
JPS61242687A (ja) * 1985-04-19 1986-10-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 精製水製造装置
JP2019188270A (ja) * 2018-04-18 2019-10-31 日本ウォーターシステム株式会社 水処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2576453B1 (en) Systems and methods for removing hydrogen peroxide from water purification systems
US8734645B2 (en) Media-free system for the production of high purity water and methods of use
EP0253287B1 (en) Combined membrane and sorption process for selective ion removal
US6398965B1 (en) Water treatment system and process
JP5733351B2 (ja) ホウ素含有水の処理方法及び装置
JP2002512883A (ja) 液体から強酸化剤を除去するための装置及び方法
GB2249307A (en) Process for purifying water by means of a combination of electrodialysis and reverse osmosis
JP2007237062A (ja) 人工透析用水の製造方法ならびにその製造装置
JP7197325B2 (ja) 純水製造装置および純水製造方法
JP6916625B2 (ja) 水処理システム及びその運転方法並びに保護装置
TWI756249B (zh) 再生式離子交換裝置及其運轉方法
JP2021186698A (ja) 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法
JP6437874B2 (ja) イオン交換樹脂の再生方法および再生装置
JPS6336890A (ja) 高純度水の製造装置
JP2021007927A (ja) 軟水器の再生方法及び脱塩水製造装置
CN212655605U (zh) 一种饮用水消毒装置
GB2197860A (en) Apparatus for and the method of water purification
JPS61242687A (ja) 精製水製造装置
JP6637320B2 (ja) 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造装置の殺菌方法
JP5670685B2 (ja) 飲料用水の製造工程における活性炭の脱塩素能力回復方法
JP3613376B2 (ja) 純水製造装置及び純水製造方法
JP6809775B2 (ja) 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法
CN220149403U (zh) 山梨糖醇生产用纯化水制备装置
CN212610069U (zh) 一种药用纯水系统
JP5670684B2 (ja) 飲料用水の製造工程における活性炭の脱塩素能力回復維持方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240625