JP6916625B2 - 水処理システム及びその運転方法並びに保護装置 - Google Patents

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本発明は、電気式脱イオン水製造装置(EDI(Electro Deionization)装置)を備える水処理システムとその運転方法と水処理システムで用いる保護装置とに関する。
イオン交換樹脂の再生を別途に行うことなく脱イオン水を生成できる装置として、電気式脱イオン水製造装置が知られている。電気式脱イオン水製造装置では、カチオン(陽イオン)のみを透過させるカチオン交換膜とアニオン(陰イオン)のみを透過させるアニオン交換膜との間にイオン交換樹脂などからなるイオン交換体(アニオン交換体及び/またはカチオン交換体)を充填して脱塩室を構成し、カチオン交換膜及びアニオン交換膜の外側に濃縮室を配置し、脱塩室とその両側の濃縮室とからなるものを基本構成としてこれを陽極と陰極との間に配置している。このとき、脱塩室から見て、脱塩室と陽極との間にアニオン交換膜が配置され、脱塩室と陰極との間にカチオン交換膜が配置されるようにする。陽極と陰極との間に直流電圧を印加した状態で脱塩室に被処理水を通水すると、被処理水中のイオン成分は脱塩室内のイオン交換体に捕捉されて被処理水の脱塩処理が行われる。これと同時に、イオン交換膜とイオン交換体との界面あるいはイオン交換体とイオン交換体との界面において水の解離反応が進行して水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)が生成し水素イオンと水酸化物イオンによるイオン交換体の再生処理が進行することになる。先にイオン交換体に捕捉されていたイオン成分は再生処理によって遊離するが、遊離したイオン成分はイオン交換膜を介して濃縮室に移行するので、濃縮室に通水することにより装置外に排出することができる。電気式脱イオン水製造装置の一例が特許文献1に開示されている。
電気式脱イオン水製造装置は、純水を製造するためなどに用いられる水処理装置の一つであり、被処理水あるいは原水が供給される水処理システム内に組み込まれて使用される。水処理システムでは、それを含むシステム内の殺菌や洗浄のために酸化剤が用いられることが多い。洗浄用途で酸化剤を用いる場合には、実際に洗浄工程を行っているときのみ酸化剤が使用されるが、殺菌用途では酸化剤がシステム内に常時注入されることになるので、システムに組み込まれている装置も常に酸化剤にさらされることになる。被処理水として水道水を用いる場合、水道水には殺菌のために塩素が添加されているが、塩素は酸化剤でもあるので、装置内に酸化剤が持ち込まれることになる。
電気式脱イオン水製造装置を構成する主要な構成要素にはイオン交換膜やイオン交換体が含まれるが、これらのイオン交換体やイオン交換膜は酸化剤と触れることで劣化することがある。具体的にはスチレン−ジビニルベンゼンの架橋構造を母体構造とするイオン交換膜やイオン交換樹脂は、酸化剤と接触することで架橋構造が切断されるため、劣化が進行する。特に本発明者らの知見によれば、電気式脱イオン水製造装置内に設けられるイオン交換膜やイオン交換体は、上述した陽極と陰極との間に直流電圧が印加された状態で酸化剤と触れたときに、より顕著に劣化する傾向を示す。また、水処理システムにおいては、電気式脱イオン水製造装置の前段に、逆浸透膜を有する逆浸透膜装置を設けて逆浸透膜を透過した水を電気式脱イオン水製造装置に供給することが多いが、逆浸透膜として使用されるポリアミド系の膜も、酸化剤によって劣化が進行する傾向がある。
特許文献2には、逆浸透膜装置の後段に電気式脱イオン水製造装置が設けられた水処理システムにおいて、被処理水に亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を注入する装置と、還元剤を注入された被処理水が供給される活性炭濾過装置とを設け、活性炭濾過装置から流出する被処理水を逆浸透膜装置に供給することが開示されている。電気式脱イオン水製造装置ではなく通常のイオン交換装置に関するものであるが、特許文献3は、被処理水中の遊離塩素を除去するために活性炭による濾過を行い、濾過後の被処理水をイオン交換装置に供給することを開示している。特許文献4は、逆浸透膜装置による海水の淡水化に際し、前処理として、塩素を添加した上で亜硫酸水素ナトリウムによる還元処理を行って塩素の残留を防止することを開示している。
特開2011−251266号公報 特開2012−206008号公報 特開平10−337563号公報 特開平7−308671号公報
酸化剤を除去する方法として、被処理水への還元剤の添加や被処理水に対する活性炭濾過処理が知られているが、還元剤の添加に用いるポンプの不具合などによる添加不良や活性炭での酸化剤除去能力の低下などを予測することが難しい。結果として、これらの方法を採用した場合に電気式脱イオン水製造装置に酸化剤が流入することがあり、電気式脱イオン水製造装置における多くの不具合の原因となっている。電気式脱イオン水製造装置に酸化剤が流入しイオン交換膜やイオン交換体が劣化した場合には、それらを交換する以外に対処方法がなく、イオン交換膜やイオン交換体の交換に要するコストや、交換に伴って水処理システム全体の稼働を停止しなければならないなどの問題点が発生する。電気式脱イオン水製造装置は、水処理システムを構成する機器の中でも高価な機器であるので、酸化剤の流入を特に防がなければならない。
酸化剤によるイオン交換膜やイオン交換体の劣化を防止するための対策として、日常的に被処理水中の酸化剤濃度を測定して管理することも挙げられるが、酸化剤濃度を常時監視するためには、オンライン計器による監視や、サンプリングした水を毎日測定するなどのことが必要であり、管理に係る労力とコストを無視することができない。
本発明の目的は、電気式脱イオン水製造装置への酸化剤の流入を簡単な構成で一定の期間にわたって防ぐことができ、電気式脱イオン水製造装置を酸化剤から確実に保護できる水処理システムとその運転方法とそこで用いる保護装置を提供することにある。
本発明の水処理システムは、逆浸透膜と電気式脱イオン水製造装置とを含む水処理システムにおいて、逆浸透膜を透過した被処理水が供給されて被処理水中の酸化剤を除去する充填材を備える保護装置を有し、充填材を通過した被処理水が前記電気式脱イオン水製造装置に供給されることを特徴とする。
本発明の水処理システムの運転方法は、電気式脱イオン水製造装置を備え、塩素を含む被処理水を処理する水処理システムの運転方法において、被処理水中の酸化剤を除去する充填材に対して被処理水を通水し、充填材を通過したのちの被処理水を電気式脱イオン水製造装置に供給することを特徴とする。
本発明では、塩素などの酸化剤を含む可能性がある被処理水を電気式脱イオン水製造装置に供給する前に、酸化剤を除去する充填材に被処理水を通水する。このとき、充填材の容積をV[L]とし充填材における被処理水の流量をQ[L/h]としたときにQ/Vで表される空間速度SV(Space Velocity)について、500h-1以上とすることが好ましく、500h-1以上4000h-1以下とすることがさらに好ましく、1000h-1以上4000h-1以下とすることがより好ましい。500h-1という空間速度は、1時間あたりで充填材の容積の500倍の被処理水を充填材に流すことを意味する。従来から一般的な水処理装置(例えばイオン交換装置)における充填材(例えばイオン交換樹脂層)での空間速度は大きくても50h-1程度であるが、本発明者らは、通常は使用されないような大きな空間速度で被処理水を充填材に通した場合であっても塩素などの酸化剤を被処理水から除去できることを見出し、本発明を完成させた。このような大きな空間速度で使用することにより、充填材を備える保護装置のサイズを小型化できるという利点も生じる。
本発明において充填材としては、少なくとも弱塩基性アニオン交換樹脂を含むものを用いることが好ましい。弱塩基性アニオン交換樹脂として、スチレン−ジビニルベンゼンによる3次元架橋構造によってもたらされ、吸水により樹脂層内に生じる膨潤細孔(ミクロポアと称する)のみを有するゲル型のものと、膨潤しない状態でも消滅しない物理的な細孔(マクロポアと称する)も有するマクロポーラス型のもの(巨大網状構造またはMR型ともいう)とがある。本発明では、弱塩基性アニオン交換樹脂として、マクロポーラス型のものを用いることがより好ましい。
本発明の保護装置は、電気式脱イオン水製造装置の前段に取り外し可能に設けられる保護装置であって、被処理水中の酸化剤を除去する充填材と、充填材を格納するカートリッジ式の容器とを有し、充填材に被処理水を通水するときの空間速度が500h-1以上であり、充填材を通過した被処理水を電気式脱イオン水製造装置に供給するように構成されている。
本発明によれば、電気式脱イオン水製造装置への酸化剤の流入を簡単な構成で一定の期間にわたって確実に防ぐことができるようになる。
本発明の実施の一形態における水処理システムの構成を示す図である。 保護装置の構成の一例を示す図である。 本発明の別の実施形態における水処理システムの構成を示す図である。 保護装置の構成の別の例を示す図である。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示すグラフである。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に基づく運転方法が適用される水処理システムを示している。図示される水処理システムは、酸化剤を含む可能性のある被処理水に対して脱塩処理を行い、脱イオン水を生成するものである。酸化剤として代表的なものは塩素であり、酸化剤を含む可能性のある被処理水としては、例えば、殺菌用に塩素が添加された水道水に由来するものが挙げられる。
図1に示す水処理システムは、電気式脱イオン水製造装置(EDI)10を備えており、電気式脱イオン水製造装置10の前段には、酸化剤が電気式脱イオン水製造装置10に流入しないように、被処理水中の酸化剤を除去する充填材を有する保護装置20が設けられている。保護装置20は、被処理水に対して事前に還元剤添加や活性炭濾過などの酸化剤除去の定常的な処理が行われているとして、この処理における不具合などによって被処理水中の酸化剤濃度が突発的に上昇したときなどに、電気式脱イオン水製造装置10側への酸化剤の流入を阻止するものである。この例では、電気式脱イオン水製造装置10の入口に対して保護装置20の出口が接続するように保護装置20が設けられている。さらに保護装置20の前段には、充填材に被処理水を通水するときの空間速度が所定値となるように保護装置20に対して被処理水を供給するポンプ15が設けられており、保護装置20内の充填材を通過した被処理水が電気式脱イオン水製造装置10に供給される。
図2(a)は、保護装置20の構成を示している。保護装置20は、例えば、電気式脱イオン水製造装置10の前段に取り外し可能に設けられるものであって、被処理水中の酸化剤を除去する充填材21と、充填材21を格納する容器22とを備えている。保護装置20は、被処理水における突発的な酸化剤濃度の上昇に対して電気式脱イオン水製造装置10を保護するという機能を有するものであるから、一定の期間にわたってメンテナンスフリーの状態で使用しその期間の経過後は容易に交換できるような形態のものであることが好ましい。したがって、容器22としてはカートリッジ式のものを用いることが好ましい。充填材21としては、被処理水中の塩素などの酸化剤を除去できるものであれば任意のものを使用できる。しかしながら、保護装置20の小型化などの観点からは、塩素などの除去に関して従来から用いられている活性炭よりは酸化剤除去効率の高いものを充填材として用いることが好ましく、このような観点からは、後述の実施例から明らかになるように、弱塩基性アニオン交換樹脂を用いることが好ましい。
充填材における被処理水の空間速度SVについても、所望の酸化剤除去効率が得られるのであれば任意の範囲とすることができるが、保護装置20の小型化などの観点からは空間速度SVを高くすることが好ましく、例えば、500h-1以上であるようにすることが好ましい。実施例に示されるように、充填材21として弱塩基性アニオン交換樹脂を用いた場合には、空間速度が500h-1から4000h-1までの範囲において酸化剤除去効率の目立った低下は見られず、この点でも充填材21として弱塩基性アニオン交換樹脂を用いることが好ましい。
本実施形態ではこのような保護装置20を設けることにより、還元剤添加や活性炭濾過における不具合が発生して被処理水に酸化剤が含まれることとなっても、数週間程度は電気式脱イオン水製造装置への酸化剤の流入を防止することができる。これにより、これまでは日常的に行うことが必要とされていた酸化剤濃度の測定などを数週間に1回行えばよくなり、酸化剤濃度の管理に要する労力やコストを大幅に削減することが可能になる。
ところで塩素などの酸化剤を含む被処理水を充填材21に通水した場合、充填材21が例えば弱塩基性アニオン交換樹脂であれば、酸化剤に触れたことで弱塩基性アニオン交換樹脂が少しずつ劣化し、本来は粒状であるべき弱塩基性アニオン交換樹脂がゼリー状へと変質する。その結果、被処理水を通水したときに充填材21の両側での圧力の差が大きくなる傾向が生じる。そこで、図2(b)に示すように、保護装置20の入口と出口との間の圧力を計測する圧力計23をさらに設けて保護装置20の通水差圧を監視し、通水差圧を管理することで、例えばカートリッジ型とされている保護装置20の交換時期を見極めてもよい。
本実施形態において、水処理システム内において保護装置20を設ける位置は、電気式脱イオン水製造装置10の前段であればどの位置であってもよい。電気式脱イオン水製造装置の前段には逆浸透膜装置(RO;Reverse Osmosis)が設けられることが多いが、図3(a)に示すように、逆浸透膜装置30の出口と電気式脱イオン水製造装置10の入口との間の配管に保護装置20を配置し、ポンプ15、逆浸透膜装置30、保護装置20及び電気式脱イオン水製造装置10の順で配列するようにしてもよい。本明細書において、逆浸透膜装置30の出口とは、逆浸透膜を透過した水の出口のことをいう。図3(a)に示す水処理システムは、本発明にに基づく水処理システムの一例となるものである。あるいは、図3(b)に示すように逆浸透膜装置30の前段に保護装置20を設け、ポンプ15、保護装置20、逆浸透膜装置30及び電気式脱イオン水製造装置10の順で配列するようにしてもよい。逆浸透膜装置30に含まれる逆浸透膜は、イオン交換膜やイオン交換体と同様に酸化剤に対する耐性が低いが、図3(b)に示すものは、逆浸透膜装置も酸化剤から保護することができる。なお、逆浸透膜装置30では逆透過膜装置に供給された水の一部が逆浸透膜を透過し残りは濃縮水として排出されるので、電気式脱イオン水製造装置10への供給水量が一定であるとすると、図3(b)に示す構成では、図3(a)に示す構成よりも保護装置20への供給水量が大きくなる。したがって、保護装置20の小型化の観点からは、図3(b)に示す構成よりも図3(a)に示す構成のほうが好ましい。
図1、図3(a)及び図3(b)に示す水処理システムでは、いずれも、被処理水を保護装置20に通水するためのポンプ15が明示されているが、ポンプ15は必須のものではない。保護装置20が、所定の空間速度で充填材21に対して被処理水を通水できるように構成されていれば、ポンプ15は必ずしも設けなくてもよい。あるいは、既に被処理水の流れが形成されているときに、その被処理水の流れの流量に応じて所定の空間速度となる容積の充填材21をその流れの中に挿入できるような保護装置20とすることもできる。
次に、保護装置20の別の例について説明する。本発明者らの実験によれば、充填材として弱塩基性アニオン交換樹脂を使用する場合、酸化剤が充填材に流入したときに酸化剤の注入後に充填材の出口水におけるTOC(全有機炭素)濃度が若干上昇する傾向が認められた。これは、酸化剤が弱塩基性アニオン交換樹脂を劣化させ、その結果、弱塩基性アニオン交換樹脂の一部(正に荷電しているアニオン交換基を含む)が流出したためであると考えられる。そこで、保護装置20において、弱塩基性アニオン交換樹脂の後段に、TOC濃度の低減のためにカチオン交換樹脂(CER)を配置することが考えられる。カチオン交換樹脂は、強酸性カチオン交換樹脂であることが好ましい。図4は、弱塩基性アニオン交換樹脂21aの後段に強酸性カチオン交換樹脂21cを配置した保護装置20を示している。図4(a)に示す保護装置20では、弱塩基性アニオン交換樹脂21aと強酸性カチオン交換樹脂21cとがそれぞれ別個の容器22に格納されており、弱塩基性アニオン交換樹脂21aを通過した被処理水が次に強酸性カチオン交換樹脂21cを通過するように構成されている。図4(b)に示す保護装置20では、単一の容器22を使用し、容器22においてその入口側(流入側)に弱塩基性アニオン交換樹脂21aが充填され、出口側(流出側)に強酸性カチオン交換樹脂21cが充填されている。いずれの場合においても、弱塩基性アニオン交換樹脂の容積をVAとし、強酸性カチオン交換樹脂の容積をVCとして、VA:VCが5:2から5:5の範囲内にあるようにすることが好ましい。全体としての保護装置20のサイズを最小とするためには、VA:VCを5:2とすればよい。
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳しく説明する。
[実施例1]
保護装置20に設けられる充填材21に関し、種々の充填材について空間速度SVに対する酸化剤除去能力の比較を行った。図1に示す水処理システムにおいて電気式脱イオン水製造装置10を取り除き、被処理水がポンプ15を介して保護装置20に供給されるようにした。被処理水として、遊離塩素濃度が0.5〜0.6mg/Lの水を使用し、保護装置20内の充填材21の種類と空間速度とを変えながら、保護装置20から排出される被処理水の塩素濃度を測定し、被処理水における塩素濃度の低減の度合いから酸化剤除去率を求めた。充填材としては、
[1−1]ゲル型の強塩基性アニオン交換樹脂(AER)、商品名:アンバーライト(登録商標)IRA402BL、
[1−2]ゲル型の強酸性カチオン交換樹脂(CER)、商品名:アンバーライト(登録商標)IR120B、
[1−3]混床のイオン交換樹脂として、ゲル型の強塩基性アニオン交換樹脂、商品名:アンバーライト(登録商標)IRA402BLとゲル型の強酸性カチオン交換樹脂、商品名:アンバーライト(登録商標)IR120Bとを容積比で1:1で混合したもの、
[1−4]MR型の強塩基性アニオン交換樹脂、商品名:アンバーライト(登録商標)IRA904、
[1−5]MR型の弱塩基性アニオン交換樹脂、商品名:アンバーライト(登録商標)XE583、
[1−6]ゲル型の弱塩基性アニオン交換樹脂、商品名:アンバーライト(登録商標)IRA67、及び、
[1−7]ヤシ殻を原料とする活性炭
を用いた。[1−1]〜[1−6]に示すイオン交換樹脂は、いずれもダウ・ケミカル社製のものである。結果を図5に示す。図においてゲル型を「(GEL)」と表記し、マクロポーラス型を「(MR)」と表記している。図から、弱塩基性アニオン交換樹脂は、活性炭よりも高い酸化剤除去能率を有し、しかもその高い酸化剤除去能力を空間速度が大きい領域でも維持することが分かる。
[実施例2]
実施例1と同じ装置を使用し、被処理水を長時間通水したときの酸化剤除去能力の時間変化を調べた。充填材として、
[2−1]実施例1の[1−5]で用いたMR型の弱塩基性アニオン交換樹脂、
[2−2]実施例1の[1−6]で用いたゲル型の弱塩基性アニオン交換樹脂、及び
[2−3]ヤシ殻を原料とする活性炭
を用い、空間速度を1000h-1としてそれぞれの充填材に約10日間、被処理水を通水した。被処理水としては、遊離塩素濃度が0.5〜0.6mg/Lの水を使用し、実施例1と同様の方法で酸化剤除去率を求めた。結果を図6に示す。弱塩基性アニオン交換樹脂は10日間(すなわち240時間)を超えても50%以上の酸化剤除去率を示すことが分かった。通水初期の酸化剤除去率はゲル型の弱塩基性アニオン交換樹脂の方が高いものの、マクロポアを有するMR型の弱塩基性アニオン交換樹脂の方が長期にわたって高い酸化剤除去率を示すことも分かった。保護装置20としては長期にわたって高い酸化剤除去率を有することが好ましいから、保護装置20に用いる弱塩基性アニオン交換樹脂としては、マクロポアを有するMR型の方がより好ましいことが分かる。
[実施例3]
前段に弱塩基性アニオン交換樹脂21aを備え後段に強酸性カチオン交換樹脂21cを備える図4(a)に示す保護装置20を作成し、イオン交換樹脂としての総体積は通水中一定であるという条件の下で、弱塩基性アニオン交換樹脂21aの容積VAと強酸性カチオン交換樹脂21cの容積VCとの比率を変え、被処理水を流しながら、保護装置20の入口、弱塩基性アニオン交換樹脂21aの出口及び強酸性カチオン交換樹脂21cの出口(すなわち保護装置20の出口)の各々の位置でのTOC濃度を測定した。TOC濃度の測定値から、保護装置20の入口でのTOC濃度を100%として各出口でのTOCの増減比率を求めた。被処理水としては、遊離塩素濃度が0.5〜0.6mg/Lである水を使用し、被処理水の流量は、弱塩基性アニオン交換樹脂21aの容積を基準とする空間体積が1000h-1となるようにした。弱塩基性アニオン交換樹脂21aとしては実施例1での[1−6]と同じものを使用し、強酸性カチオン交換樹脂21cとしては実施例1での[1−2]と同じものを用いた。結果を表1に示す。
Figure 0006916625
酸化剤を含む被処理水を弱塩基性アニオン交換樹脂に通水するとTOC濃度が2割ほど増加するが、その後段に強酸性カチオン交換樹脂を配置することにより、VA:VCが5:2であるかそれよりも強酸性カチオン交換樹脂の比率が高い場合に、保護装置20の入口よりも出口の方がTOC濃度が低くなることが分かった。
10 電気式脱イオン水製造装置(EDI)
15 ポンプ
20 保護装置
21 充填剤
21a 弱塩基性アニオン交換樹脂(AER)
21c 強酸性カチオン交換樹脂(CER)
22 容器
23 圧力計
30 逆浸透膜装置(RO)

Claims (12)

  1. 逆浸透膜と電気式脱イオン水製造装置とを含む水処理システムにおいて、
    前記逆浸透膜を透過した被処理水が供給されて前記被処理水中の酸化剤を除去する充填材を備える保護装置と、
    前記充填材に前記被処理水を通水するときの空間速度が500h-1以上であるように前記保護装置に対して前記被処理水を供給する供給手段と、
    を有し、
    前記充填材を通過した被処理水が前記電気式脱イオン水製造装置に供給されることを特徴とする、水処理システム。
  2. 逆浸透膜と電気式脱イオン水製造装置とを含む水処理システムにおいて、
    前記逆浸透膜を透過した被処理水が供給されて前記被処理水中の酸化剤を除去する充填材を備える保護装置を有し、
    前記充填材を通過した被処理水が前記電気式脱イオン水製造装置に供給され、
    前記充填材は少なくとも弱塩基性アニオン交換樹脂を含むことを特徴とする、水処理システム。
  3. 前記弱塩基性アニオン交換樹脂は、マクロポアを有するマクロポーラス型の弱塩基性アニオン交換樹脂である、請求項2に記載の水処理システム。
  4. 前記保護装置は、前記充填材として、前記被処理水の流入側に配置された前記弱塩基性アニオン交換樹脂と前記被処理水の流出側に配置されたカチオン交換樹脂とを備える、請求項1または2に記載の水処理システム。
  5. 前記弱塩基性アニオン交換樹脂の容積をVAとし、強酸性カチオン交換樹脂の容積をVCとして、VA:VCが5:2から5:5の範囲内にある請求項4に記載の水処理システム。
  6. 前記保護装置の入口と出口との間の圧力を計測する圧力計をさらに備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水処理システム。
  7. 電気式脱イオン水製造装置を備え、塩素を含む被処理水を処理する水処理システムの運転方法において、
    被処理水中の酸化剤を除去する充填材に対して前記被処理水を通水し、前記充填材を通過したのちの前記被処理水を前記電気式脱イオン水製造装置に供給し、
    前記充填材に前記被処理水を通水するときの空間速度を500h-1以上とすることを特徴とする、水処理システムの運転方法。
  8. 前記充填剤を通過した被処理水を逆浸透膜に供給し、前記逆浸透膜を透過した被処理水を前記脱イオン水製造装置に供給する、請求項に記載の運転方法。
  9. 電気式脱イオン水製造装置を備え、塩素を含む被処理水を処理する水処理システムの運転方法において、
    被処理水中の酸化剤を除去する充填材に対して前記被処理水を通水し、前記充填材を通過したのちの前記被処理水を前記電気式脱イオン水製造装置に供給し、
    前記充填材は少なくとも弱塩基性アニオン交換樹脂を含むことを特徴とする、水処理システムの運転方法。
  10. 前記充填材の両側の圧力差を測定し、前記充填材の劣化の程度を判定することをさらに有する、請求項乃至のいずれか1項に記載の運転方法。
  11. 電気式脱イオン水製造装置の前段に取り外し可能に設けられる保護装置であって、
    被処理水中の酸化剤を除去する充填材と、
    前記充填材を格納するカートリッジ式の容器とを有し、
    前記充填材に被処理水を通水するときの空間速度が500h-1以上であり、前記充填剤を通過した被処理水を前記電気式脱イオン水製造装置に供給するように構成されている保護装置。
  12. 前記充填材は少なくとも弱塩基性アニオン交換樹脂を含む、請求項11に記載の保護装置。
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