JP2021185140A - 4’−デスフェリチオシン類似体の使用 - Google Patents

4’−デスフェリチオシン類似体の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】黄斑変性症、脳卒中、過敏性腸疾患、閉鎖性頭部損傷、および再灌流損傷を含めた疾患に対する処置方法を提供する。【解決手段】例えば、下記構造式のデスフェリチオシン類似体を対象に投与することを含む、処置するための方法および医薬組成物を提供する。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、35U.S.C.§119(e)のもと2011年12月16日に出願された米国仮出願U.S.S.N.61/576,920に対し優先権を主張し、参照によりこれを本明細書に組み込む。
政府支援
本発明は、米国立衛生研究所の糖尿病および消化器および腎臓疾患の国立研究所によって授与された承認番号R37DK049108のもと米国政府の支援を受けて行われた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
霊長類における鉄代謝は、高効率なリサイクルプロセスを特徴としている。Brittenham, “Disorders of Iron Metabolism: Iron Deficiency and Overload”。Hematologyにおける: Basic Principles and Practice; 3rd ed.; Hoffman et al., Eds.; Churchill Livingstone: New York, 2000; 397-428。それ故に、この遷移金属を排除するための具体的なメカニズムはない。鉄クリアランスメカニズムの欠如のため、この閉鎖代謝ループへの「過剰な鉄」の導入は、多くの場合、慢性的な鉄過剰負荷(iron overload)につながり、最終的には生物学的傷害(例えば、過酸化組織傷害)につながり得る。高鉄食、急性鉄摂取または該金属の吸収不良を含め、過剰の鉄が導入される多数の経路がある。Conrad et al. “Iron Absorption and Transport” Am. J. Med. Sci. 1999, 318:213-229; Lieu et al。“The Roles of Iron in Health and Disease” Mol. Aspects Med. 2001, 22:1-87。これらの各々の状況において、対象は、鉄レベルを減少させるために瀉血によって治療することができる。しかしながら、慢性的な輸血療法に起因する鉄過剰負荷症候群、例えば、再生不良性貧血およびサラセミア(Olivieri et al. “Iron-chelating Therapy and the Treatment of Thalassemia” Blood 1997, 89:739-761; Vichinsky, “Current Issues with Blood Transfusions in Sickle Cell Disease” Semin. Hematol. 2001, 38:14-22; Kersten et al. “Long-Term Treatment of Transfusional Iron Overload with the Oral Iron Chelator Deferiprone (Ll): A Dutch Multicenter Trial” Ann. Hematol. 1996, 73:247-252)に対して、瀉血は選択肢ではない。これらの二次的鉄過剰負荷症候群において、過剰な鉄の起源は輸血赤血球である。鉄過剰を改善するために、赤血球を除去することは逆効果になるため、鉄を除去する代替方法は、キレート化治療である。
サラセミアに起因する鉄過剰負荷を管理するための新しい治療、特に経口投与できる治療の開発に多大な努力が注がれてきたが、Streptomyces pilosusによって産生されるデスフェリオキサミンB、6配位ヒドロキサム酸塩鉄キレート剤(hexacoordinate hydroxamate iron chelator)が依然として第一選択薬である。しかしながら、デスフェリオキサミンBは、鉄を低効率で除去するため、キレート化治療には適していない。また、デスフェリオキサミンBの経口活性はわずかであり、これにより非経口投与を必要とし、患者のコンプライアンス、特に長期のキレート化治療を必要とする患者のためのコンプライアンスの低下をもたらし得る。
近年、例えば、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラゾン(PIH)、ヒドロキシピリドンおよびN,N’−ビス−(2−ヒドロキシベンジルエチレンジアミン)−N,N’−二酢酸(HBED)などの多大な数の合成金属キレート剤が、可能性がある経口活性治療薬として研究されてきた;しかしながら、これらの合成キレート剤は、理想的な金属キレート剤治療に対する所望の特性(例えば、効果的なキレート化、適切な経口活性、および許容される毒性)をまだ実証していない。エンテロバクチンおよびロドトルリン酸を含め、シデロフォアもまた研究されてきた。しかしながら、エンテロバクチンおよびロドトルリン酸の両方が許容できない毒性を示し、かつ測定可能な経口活性も実証していない。一般的に、多数のシデロフォアおよび合成鉄キレート剤が多数開発されてきたが、大部分はそれらの特性が慢性鉄過剰負荷の治療の使用に適していないため放棄されている。
ストレプトマイセスアンチビオチクス(Streptomyces antibioticus)から分離したチアゾリンベースのシデロフォアであるデスフェリチオシンもまた研究されてきた。デスアザデスフェリチオシンおよびデスフェリチオシンポリエーテル類似体を含め、デスフェリチオシン類似体は、鉄過剰負荷のための経口活性治療剤として調査されてきた。かかる類似体における研究はPCT国際出願、1999年8月31日に出願されたPCT/US99/19691;2003年9月9日に出願されたPCT/US2003/028304;2006年3月22日に出願されたPCT/US2006/010945;および2008年3月14日に出願されたPCT/US2008/003433に記載され、これらの各々を参照により本明細書に組み込む。これらの類似体は、例えばサラセミアおよび他の輸血依存性貧血を治療するために使用される慢性的な輸血療法に起因するものなどの鉄過剰負荷全般に関連する疾患の治療に有用であることが見出された。鉄過剰負荷患者におけるデスフェリチオシン類似体の安全性および有効性を検討する第2相臨床試験が進行中である。
鉄過剰と典型的には関連していないが、黄斑変性症、脳卒中、過敏性腸疾患、閉鎖性頭部損傷、および再灌流損傷を含めた疾患は全て、有意な罹患率および死亡率に関連した疾患である。例えば、黄斑変性症は中心視力の低下をもたらし、高齢者の失明および視力障害の主な原因である。黄斑変性症の対象は、彼らの視覚障害のため、しばしば読んだり、顔を認識したりすることができない。脳卒中は、脳の領域への血流の不足によって引き起こされ、影響を受けた脳の領域に依存して、身体の片側に手足を移動するのを不能にさせるか、発話または視力に影響を与え得る。再灌流損傷は、血流が回復した後の虚血組織における酸化ストレスによるものである。過敏性腸疾患(IBD)は、任意の検出可能な原因の非存在下で、腹痛および不快感、膨満感、下痢、および/または便秘によって特徴付けられる機能性腸疾患である。IBDは、ほとんどの患者でより深刻な問題につながるものではないが、この状態を患う患者にとって慢性的な痛みおよび疲労のもとである。そして最後に閉鎖性頭部損傷は、4歳未満の子供の死亡の主要な原因であり、また若者における身体障害や認知障害の最も一般的な原因である。これらの全ての疾患が、これらの治療に対する新しいアプローチを含め、より良い治療法を必要としている。
本発明は、黄斑変性症、閉鎖性頭部損傷、過敏性腸疾患(IBD)、脳卒中、再灌流損傷、および他の疾患および状態を含め、種々の疾患の病因は、遊離鉄、ならびにスーパーオキシドアニオン、過酸化水素、次亜塩素酸およびヒドロキシルラジカルおよび他の長寿命フリーラジカルを含めた活性酸素種(ROS)の生成を伴うという認識に端を発する。かかるラジカルは、黄斑変性症、頭部損傷、IBD、脳卒中および再灌流損傷を含めた多くの疾患にとって重要な寄与因子であることが今日見出された。当技術分野で理解されるように、遊離鉄は、活性酸素種の形成に寄与する。例えば、生物システム中のFe+2イオンは、フェントン反応を介して酸素種と反応し、反応性の高いヒドロキシルラジカルを生じる(下記スキーム参照)。ヒドロキシルラジカルは、極めて効果的な酸化剤であり、例えば、核酸、タンパク質、および脂質などの大部分の有機種と拡散制御された速度で反応する。さらに、スーパーオキシドアニオンまたは生物学的還元剤(例えば、アスコルビン酸)は、生じたFe+3イオンを継続的な過酸化物還元のためにFe+2に還元することができるため、問題となるサイクルである。
Figure 2021185140

したがって、出血および/または炎症性応答につながる疾患または状態は、活性酸素種がFe+2イオンと接触し、反応性が高いヒドロキシルラジカル傷害が生じる可能性を伴う。すなわち、赤血球から放出された鉄は、好中球などの炎症細胞によって生じた活性酸素種と反応して、細胞および組織損傷を引き起こすヒドロキシルラジカルを生じる。したがって、解決策は、局所的な鉄過剰負荷(例えば、閉鎖性頭部損傷、出血性脳卒中、IBD)の状態に対してと、鉄過剰負荷全般に対してとで同じであり、つまり管理されていない鉄のキレート化および除去である。
デスフェリチオシンポリエーテル類似体を含め、様々なデスフェリチオシン類似体が生物システムから鉄を効果的にキレート化し、取り除くよう開発されてきた。PCT国際出願参照、1999年8月31日に出願されたPCT/US99/19691;2003年9月9日に出願されたPCT/US2003/028304;2006年3月22日に出願されたPCT/US2006/010945;および2008年3月14日に出願されたPCT/US2008/003433;2010年8月25日に出願されたPCT/US2010/002336;これらの各々を参照により本明細書に組み込む。したがって、本発明は、鉄過剰負荷全般の処置における使用についてのみ以前は示唆されてきたこれらの類似体の使用を、例えば黄斑変性症、脳卒中、IBD、閉鎖性頭部損傷、および再灌流損傷などの、局所的な鉄過剰負荷に関連する疾患および状態に適用する。ある態様において、本発明に有用なデスフェリチオシン類似体は、式(I)で表されるものである。
Figure 2021185140

式中、R〜Rは本明細書で定義されるとおりである。ある態様において、フェニル環の4’位にポリエーテル部分を有するデスフェリチオシン類似体が本発明において使用される(すなわち、Rがポリエーテル部分である)。かかる類似体は、例えば出血によってまたは炎症反応を介して鉄が器官、組織、または空間内に導入される局所的な鉄過剰負荷に関連する疾患または状態を処置するのに有用であることが見出された。ある態様において、かかる類似体は、脳脊髄液(CSF)中に見出されており、したがって閉鎖性頭部損傷または脳卒中などの神経疾患を処置するのに有用であり得る。ある態様において、かかる類似体は、眼に浸透することが見出されており、黄斑変性症などの眼科疾患の処置に有用であり得る。これらの疾患はすべて、それぞれの組織または器官における管理されていない、または遊離の鉄に起因するフリーラジカル傷害と関連している。したがって、これらの組織および器官における遊離鉄のキレート化および除去は、これらの疾患の各々を予防または処置するのに有効であろう。
この認識に基づき、本発明は、局所的な鉄過剰負荷に関連する疾患および状態を処置および予防する方法、ならびにかかる疾患および状態を処置するのに使用するための医薬組成物を提供する。本発明は、局所的な鉄過剰負荷に関連する疾患および状態の治療に、以前から知られている化合物について、新規の用途を提供する。本発明はまた、かかる疾患および状態の処置に有用であることが見出された化合物および組成物を含めたキットを提供する。
一側面において、本発明は、対象に、黄斑変性症を予防または治療するために式(I)で表される化合物の有効量を投与することによって、黄斑変性症を予防または治療する方法を提供する。式(I)で表される化合物は、眼に入り、眼において生物学的損傷を引き起こす活性酸素種の生成に寄与すると考えられている鉄をキレート化し、除去することが見出された。かかる活性酸素種は、眼の網膜に特に有害である。本発明はまた、黄斑変性症を処置するための、点眼に好適な医薬組成物ならびに式(I)で表される化合物それらの組成物の使用を提供する。ある態様において、点眼のための医薬組成物は点眼剤の形態である。式(I)で表される化合物またはその組成物はまた、黄斑変性症の治療のために全身的に投与してもよい。
別の側面において、本発明は、出血したか、そうでなければ局所的な鉄過剰負荷を有する組織または器官から鉄を除去する方法を提供する。例えば、閉鎖性頭部損傷を含めた頭部損傷の処置のための方法を提供する。本発明の方法および組成物により治療することができる閉鎖性頭部損傷は、転倒(falls)、強打(blast)、スポーツ傷害、車両事故を含めた事故、および暴行を含めたあらゆる原因に起因し得る。ある態様において、本発明の方法は、頭部における出血または血管損傷(vascular compromise)に起因する鉄を隔離するために、対象に式(I)で表される化合物の有効量を投与することを含む。ある態様において、対象は、閉鎖性頭部損傷を患う。他の態様において、対象は、脳卒中(例えば、出血性脳卒中)を患うか、または患う危険性がある。本発明はまた、頭部損傷の処置のための医薬組成物ならびに式(I)で表される化合物およびこれらの組成物の頭部損傷の処置のための使用を提供する。頭部損傷の処置のためのある態様において、式(I)で表される化合物またはこれらの組成物は、全身的に(例えば、経口的または非経口的に)投与される。
別の側面において、本発明は、脳卒中、特に出血性脳卒中の処置のための方法を提供する。かかる方法は、脳卒中を起こす危険性があるか、または脳卒中を起こした対象に式(I)で表される化合物を投与することを含む。ある態様において、本方法は脳卒中を起こしたかまたは起こす危険性がある対象に、式(I)で表される化合物の有効量を投与することを含む。特定の理論に縛られることを望むものではないが、投与された化合物は、出血または血管損傷に起因する鉄を隔離し、したがって活性酸素種によって引き起こされる組織損傷を抑制するかまたは少なくとも軽減すると考えられている。かかる活性酸素種は、脳における出血に起因する遊離鉄イオンによって生成され得る。ある態様において、対象は、出血性脳卒中を患う。他の態様において、対象は、出血性脳卒中を起こす危険性がある。本発明はまた、脳卒中の処置のための医薬組成物ならびに脳卒中の処置のための式(I)で表される化合物およびこれらの組成物の使用を提供する。脳卒中の処置のためのある態様において、式(I)で表される化合物またはこれらの組成物は、全身的に(例えば、経口的または非経口的に)投与される。
別の態様において、本発明は再灌流損傷を予防または軽減するための方法を提供する。再灌流損傷は、虚血の期間の後に、血液供給が組織に戻るときに生成される活性酸素種によって引き起こされる。式(I)で表される化合物またはこれらの組成物は、活性酸素種の形成を防止するために、またはフリーラジカル種を不活性化するために、再灌流損傷の危険性がある対象に投与される。虚血は、脳卒中、心筋梗塞、他の組織や臓器の梗塞、手技(例えば、心臓手術)、ならびに臓器提供および移植を含めた多くの原因に起因し得る。本発明はまた、再灌流損傷の予防および処置のための医薬組成物、ならびに、再灌流損傷の予防および処置のための式(I)で表される化合物およびこれらの組成物の使用を提供する。式(I)で表される化合物またはこれらの組成物は、再灌流損傷の予防または処置において、局所的または全身的に投与されてもよい。
さらに別の側面において、本発明は、過敏性腸疾患(IBD)を処置する方法を提供する。活性酸素種は、IBDの病因において重要であることが見出されており;したがって、再灌流損傷の処置について上記したように、鉄をキレート化し、除去するおよび/またはフリーラジカルを消失させる任意の化合物、組成物または処置が、IBDの治療に有用であろう。ある態様において、本方法は、IBDを処置するために、式(I)で表される化合物またはこの組成物の有効量を対象に投与することを含む。本発明はまた、IBDの処置のための医薬組成物、ならびにIBDの処置のための式(I)で表される化合物およびこれらの組成物の使用を提供する。式(I)で表される化合物またはこれらの組成物は、IBDの処置において、局所的に(例えば、直腸)または全身的に投与されてもよい。
本発明はまた、黄斑変性症、頭部損傷(例えば、閉鎖性頭部損傷)、脳卒中(例えば、出血性脳卒中)、再灌流損傷、およびIBDの処置に使用するための、式(I)で表される化合物またはこれらの組成物を有するキットを提供する。かかるキットは、対象に投与されるべき化合物または組成物の1または2以上の単位投与剤形を含んでもよい。ある態様において、キットは、一連の治療のため、または特定の期間(例えば、1週、10日、14日、1月)のための十分な単位投与剤形を含んでもよい。キットはまた、対象または医療専門家のために、使用を記述した、または処方情報を記述した包装情報(packaging information)を含んでもよい。かかる情報は、米国食品医薬品局(FDA)などの規制機関によって要求され得る。キットはまた、任意に、化合物または組成物の投与のための装置、例えば、点眼のためのドロッパーまたは非経口投与のためのシリンジを含んでもよい。
本発明の1または2以上の態様の詳細は、付随の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲、および図面に記載されている。他の特徴、目的、および本発明の利点は、該記載および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本出願に引用した参考文献、ウェブページ、科学雑誌の論文、特許出願、および特許は、参照により本明細書に組み込む。
定義
特定の官能基および化学用語の定義は、より詳細に以下に記載する。本発明の目的のために、化学元素は、元素の周期表、CAS version、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の内表紙に従って同定し、特定の官能基はその中に記載されているとおり一般的に定義する。また、有機化学、ならびに特定の官能部分および反応性の一般的な原理は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999; Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001; Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989; Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
本発明の化合物は、特に幾何異性体または立体異性体の形態で存在してもよい。本発明は、それらのシス−およびトランス−異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物を含めすべてのかかる化合物が本願の発明の範囲内に属することを意図する。
異性体/エナンチオマーが好まれる場合、それは、いくつかの態様において、対応するエナンチオマーを実質的に含まず、提供されてもよく、また「光学的に富んだ(optically enriched)」または「エナンチオマー的に富んだ(enantiomerically enriched)」と称してもよい。本明細書において使用する「光学的に富んだ」および「エナンチオマー的に富んだ」は、提供される化合物が有意に高い割合の1つのエナンチオマーで構成されていることを意味する。ある態様において、本発明の化合物は、少なくとも約70重量%の好ましいエナンチオマーで構成されている。ある態様において、本発明の化合物は、少なくとも約80重量%の好ましいエナンチオマーで構成されている。ある態様において、本発明の化合物は、少なくとも約90重量%の好ましいエナンチオマーで構成されている。他の態様において、化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%または99重量%の好ましいエナンチオマーで構成されている。好ましいエナンチオマーは、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、キラル塩の形成および結晶化を含めた、当業者に知られている任意の方法によってラセミ混合物から単離してもよく、または不斉合成によって調製されてもよい。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981); Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962); Wilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照。
特に明記しない限り、本明細書に示される構造はまた、1または2以上の同位体的に富んだ原子の存在の点においてのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置き換えの点、または13Cまたは14Cによる炭素の置き換えの点でのみ異なる、表された構造を有する化合物は本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、本発明に従って、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または治療薬として有用である。
値の範囲が列挙されている場合、その範囲内の各値およびサブ範囲を包含することが意図される。例えば、「C1-6」はC、C、C、C、C、C、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5およびC5-6を包含することを意味する。
本明細書で使用する用語「精製された」、「実質的に精製された」および「単離された」は、通常、その自然状態で、付随している他の異種の化合物がない、本発明に有用な化合物を意味し、よって化合物は所与の試料または組成物の量の少なくとも0.5重量%、1重量%、5重量%、10重量%、20重量%、50重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%を含む。一態様において、これらの用語は、所与の試料または組成物の量の少なくとも95重量%、98重量%、99重量%または99.9重量%を含む。
本明細書で使用する用語「アシル」は、一般式−C(=O)RX1、−C(=O)ORX1、−C(=O)−O−C(=O)RX1、−C(=O)SRX1、−C(=O)N(RX1、−C(=S)RX1、−C(=S)N(RX1、および−C(=S)S(RX1)、−C(=NRX1)RX1、−C(=NRX1)ORX1、−C(=NRX1)SRX1、および−C(=NRX1)N(RX1、式中RX1は、水素;ハロゲン;置換されたもしくは非置換のヒドロキシル;置換されたもしくは非置換のチオール;置換されたもしくは非置換のアミノ;置換されたもしくは非置換のアシル、環式もしくは非環式、置換されたもしくは非置換の、分枝もしくは非分枝の脂肪族;環式もしくは非環式、置換されたもしくは非置換の、分枝もしくは非分枝のヘテロ脂肪族;環式もしくは非環式、置換されたもしくは非置換の、分枝もしくは非分枝のアルキル;環式もしくは非環式、置換されたもしくは非置換の、分枝もしくは非分枝のアルケニル;置換されたもしくは非置換のアルキニル;置換されたもしくは非置換のアリール、置換されたもしくは非置換のヘテロアリール、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノ−もしくはジ−脂肪族アミノ、モノ−もしくはジ−ヘテロ脂肪族アミノ、モノ−もしくはジ−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−ヘテロアルキルアミノ、モノ−もしくはジ−アリールアミノまたはモノ−もしくはジ−ヘテロアリールアミノ;あるいは2個のRX1基が一緒になって5−〜6−員ヘテロ環式環を形成する。例示のアシル基は、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(-COH)、ケトン、ハロゲン化アシル、エステル、アミド、イミン、カーボネート、カルバマートおよび尿素を含む。アシルの置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを含む(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
用語「アシルオキシ」は、式(-OR)で表される「置換されたヒドロキシル」を意味し、式中Rは、本明細書で定義される、任意に置換されていてもよいアシル基であり、および酸素部分は、親分子に直接結合している。
本明細書で使用する用語「脂肪族」は、飽和および不飽和両方の、非芳香族の、直鎖(すなわち、非分枝)、分枝、非環式、および環式(すなわち、カルボシクリル)炭化水素を包含し、これらは1または2以上の官能基で置換されていてもよい。当業者によって理解されるように、「脂肪族」は、本明細書において、限定するものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を包含することを意図する。よって、本明細書で使用する用語「アルキル」は直鎖、分枝および環式アルキル基を包含する。類似の規則を、「アルケニル」、「アルキニル」などの他の一般用語に適用する。さらに、本明細書において使用する用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などは、置換されたおよび非置換の基の両方を包含する。ある態様において、本明細書で使用する「脂肪族」は、1〜20個の炭素原子を有するそれらの脂肪族基(環式、非環式、置換された、非置換の、分枝または非分枝)を示すために使用される。脂肪族基の置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを包含する(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
本明細書で使用する用語「アルキル」は、1つの水素原子の除去による、1〜20個の炭素原子を含有する炭化水素部位由来の飽和、直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。いくつかの態様において、本発明において用いられるアルキル基は1〜20個の炭素原子を含有する。別の態様において、用いられるアルキル基は1〜15個の炭素原子を含有する。別の態様において、用いられるアルキル基は1〜10個の炭素原子を含有する。別の態様において、用いられるアルキル基は1〜8個の炭素原子を含有する。別の態様において、用いられるアルキル基は1〜5個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルの例は、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシルなどを包含し、これは1または2以上の置換基をもっていてもよい。アルキル基の置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを包含する(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、1つの水素原子の除去による、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素部位由来の一価の基を示す。ある態様において、本発明において用いられるアルケニル基は2〜20個の炭素原子を含有する。いくつかの態様において、本発明に用いられるアルケニル基は2〜15個の炭素原子を含有する。別の態様において、用いられるアルケニル基は2〜10個の炭素原子を含有する。また他の態様において、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を含有する。さらに他の態様において、アルケニル基は2〜5個の炭素原子を含有する。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどを含み、これは1または2以上の置換基をもっていてもよい。アルケニル基の置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを含む(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、1つの水素原子の除去による、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素由来の一価の基を指す。ある態様において、本発明において用いられるアルキニル基は2〜20個の炭素原子を含有する。いくつかの態様において、本発明において用いられるアルキニル基は2〜15個の炭素原子を含有する。別の態様において、用いられるアルキニル基は2〜10個の炭素原子を含有する。また他の態様において、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を含有する。また他の態様において、アルキニル基は2〜5個の炭素原子を含有する。例示のアルキニル基は、限定するものではないが、エチニル、2-プロピニル(プロパルギル)、1-プロピニルなどを包含し、これは1または2以上の置換基をもっていてもよい。アルキニル基の置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを含む(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
典型的な炭素原子の置換基としては、限定するものではないが、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb 、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)aa、−OP(=O)aa、−P(=O)(Raa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、−OP(=O)N(Rbb、−P(=O)(NRbb、−OP(=O)(NRbb、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(NRbb、−P(Rcc、−P(Rcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1−10アルキル、C1−10ハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリールおよび5〜14員のヘテロアリールを含み、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換され;
または1つの炭素上の2つのジェミナル水素は、=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbまたは=NORccで置き換えられ;
各Raaの例は、独立して、C1−10アルキル、C1−10パーハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリールおよび5〜14員のヘテロアリールから選択され、または2つのRaa基は結合して3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換され;
bbの各例は、独立して、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1−10アルキル、C1−10パ−ハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリ−ルおよび5〜14員のヘテロアリ−ルから選択されるか、または2つのRbb基は3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成するために結合し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換され;
ccの各例は、独立して、水素、C1−10アルキル、C1−10パーハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリールおよび5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基は3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成するために結合し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換され;
ddの各例は、独立して、水素、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff 、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff,−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)ee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1−6アルキル、C1−6パーハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員のヘテロシクリル、C6−10アリールおよび5〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されるか、または2つのジェミナルRdd置換基は、=Oまたは=Sを形成するために結合することができ;
eeの各例は、独立して、C1−6アルキル、C1−6パーハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、および3〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換され;
ffの各例は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6パーハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールから選択されるか、または2つの2Rff基は3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成するために結合し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換され;および
ggの各例は、独立して、水素、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1−6アルキル、−ON(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル) 、−NH(C1−6アルキル) 、−NH(C1−6アルキル)、−NH 、−N(OC1−6アルキル)(C1−6アルキル)、−N(OH)(C1−6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1−6アルキル、−SS(C1−6アルキル)、−C(=O)(C1−6アルキル)、−COH、−CO(C1−6アルキル)、−OC(=O)(C1−6アルキル)、−OCO(C1−6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1−6アルキル)、−OC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)C(=O)(C1−6アルキル)、−NHCO(C1−6アルキル)、−NHC(=O)N(C1−6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1−6アルキル),−OC(=NH)(C1−6アルキル)、−OC(=NH)OC1−6、アルキル、−C(=NH)N(C1−6アルキル)、−C(=NH)NH(C1−6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1−6アルキル)、−OC(NH)NH(C1−6アルキル)、−OC(NH)NH、−NHC(NH)N(C1−6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1−6アルキル)、−SON(C1−6アルキル)、−SONH(C1−6アルキル)、−SONH,−SO1−6アルキル、−SOOC1−6アルキル、−OSO1−6アルキル、−SOC1−6アルキル、−Si(C1−6アルキル)、−OSi(C1−6アルキル)−C(=S)N(C1−6アルキル)、C(=S)NH(C1−6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1−6アルキル)、−C(=S)SC1−6アルキル、−SC(=S)SC1−6アルキル、−P(=O)(C1−6アルキル)、−P(=O)(C1−6アルキル)、−OP(=O)(C1−6アルキル)、−OP(=O)(OC1−6アルキル)、C1−6アルキル、C1−6パーハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールであるか;または2つのジェミナルRgg置換基は、=Oまたは=Sを形成するために結合することができ;式中Xは対イオンである。
本明細書で使用する用語「アミノ」は、式(−NH)で表される基を指す。「置換されたアミノ」は、一置換アミン(−NHR)または二置換アミン(−NR )のいずれかを指し、ここでR置換基は安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した任意の置換基である(例えば、好適なアミノ保護基;脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。ある態様において、二置換アミン(−NR )基のR置換基は5−〜6−員のヘテロシクリル環を形成する。
用語「アルコキシ」は式(−OR)で表される「置換されたヒドロキシル」を指し、式中Rは、本明細書中で定義されているとおりの任意に置換されていてもよいアルキル基であり、および酸素部分が親分子に直接結合している。
用語「アルキルチオキシ」は式(−SR)で表される「置換されたチオール」を指し、式中Rは、本明細書中で定義されているとおりの任意に置換されていてもよいアルキル基であり、および硫黄部分が親分子に直接結合している。
用語「アルキルアミノ」は式(−NR )で表される「置換されたアミノ」を指し、式中Rは、独立して、本明細書中で定義されているとおりのハロゲンまたは任意に置換されていてもよいアルキル基であり、および窒素部分が親分子に直接結合している。
本明細書で使用する用語「アリール」は、全ての環原子が炭素である3〜20個の環原子を有する安定な芳香族単環式−または多環式環系を指し、これは置換されていても、非置換でもよい。本発明のある態様において、「アリール」は、1個、2個、または3個の芳香環を有する単環式、二環式または三環式C〜C20芳香環を指し、限定するものではないが、1または2以上の置換基をもっていてもよいフェニル、ビフェニル、ナフチルなどを含む。アリールの置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを含む(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
本明細書で使用する用語「アリールアルキル」は、アリール置換アルキル基を指し、ここで用語「アリール」および「アルキル」は本明細書に定義されており、およびここでアリール基は、次に親分子に結合するアルキル基に結合している。例示のアリールアルキルはベンジルである。
用語「アリールオキシ」は式(−OR)で表される「置換されたヒドロキシル」を指し、式中Rは、本明細書中で定義されているとおりの任意に置換されていてもよいアリール基であり、および酸素部分が親分子に直接結合している。
用語「アリールアミノ」は式(−NR )で表される「置換されたアミノ」を指し、式中Rは、独立して、水素または本明細書中で定義されているとおりの任意に置換されていてもよいアリール基であり、および窒素部分が親分子に直接結合している。
用語「アリールチオキシ」は式(−SR)で表される「置換されたチオール」を指し、式中Rは、本明細書中で定義されているとおりの任意に置換されていてもよいアリール基であり、および硫黄部分が親分子に直接結合している。
本明細書で使用する用語「アジド」は、式(−N)で表される基を指す。
本明細書で使用する用語「シアノ」は、式(−CN)で表される基を指す。
本明細書で使用する用語「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
本明細書で使用する用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書中で定義されているとおりの脂肪族部分を指し、これは任意に1または2以上の官能基で置換されていてもよい、飽和および不飽和の両方の、非芳香族の、直鎖(すなわち、非分枝)、分枝、非環式、環式(すなわち、ヘテロ環)または多環式炭化水素を包含し、これらは1または2以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子を、例えば炭素原子に代って、含有している。ある態様において、ヘテロ脂肪族部分は、その上の1または2以上の水素原子が1または2以上の置換基で独立して置き換えられることによって置換されている。当業者によって理解されるように、用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書において、限定するものではないが、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキニル部分を包含することを意図する。したがって、用語「ヘテロ脂肪族」は、用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などを包含する。さらに、本明細書で使用する、用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などは、置換された基および非置換の基の両方を包含する。ある態様において、本明細書で使用する「ヘテロ脂肪族」は、1〜20個の炭素原子を有するそれらのヘテロ脂肪族基(環式、非環式、置換された、非置換、分枝または非分枝)を示すために使用される。ヘテロ脂肪族基の置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを包含する(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
本明細書で使用する用語「ヘテロアルキル」は、例えば炭素原子の代わりに、1または2以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子などを含有する、本明細書で定義されるとおりのアルキル部分を指す。
本明細書で使用する用語「ヘテロアルケニル」は、例えば炭素原子の代わりに、1または2以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子などを含有する、本明細書で定義されるとおりのアルケニル部分を指す。
本明細書で使用する用語「ヘテロアルキニル」は、例えば炭素原子の代わりに、1または2以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子などを含有する、本明細書で定義されるとおりのアルキニル部分を指す。
用語「ヘテロアルキルアミノ」は、式(−NR )で表される「置換されたアミノ」を指し、式中Rは、独立して、水素または本明細書中で定義されるとおりの任意に置換されていてもよいヘテロアルキル基であり、および窒素部分が親分子に直接結合している。
用語「ヘテロアルキルオキシ」は、式(−OR)で表される「置換されたヒドロキシル」を指し、式中Rは、本明細書で定義される、任意に置換されていてもよいヘテロアルキル基、および酸素部分は、親分子に直接結合している。
用語「ヘテロアルキルチオキシ」は式(−SR)で表される「置換されたチオール」を指し、式中Rは、本明細書中で定義されるとおりの任意に置換されていてもよいヘテロアルキル基であり、および硫黄部分が親分子に直接結合している。
本明細書で使用する用語「ヘテロ環式」、「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」は、環式のヘテロ脂肪族基を指す。ヘテロ環式基は、非芳香族の、部分不飽和または完全に飽和の、3−〜12−員の環系を指し、これはサイズが3〜8個の原子の単環、および非芳香族環と縮合した芳香族の5−または6−員のアリールまたはヘテロアリール基を含んでいてもよい2−および3−環式環系を包含する。これらのヘテロ環式環は、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するものを包含し、ここで窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は四級化されていてもよい。ある態様において、用語ヘテロ環式は、非芳香族の5−、6−または7−員の環または多環式基を指し、ここで少なくとも1つの環原子は、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子であり(窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてもよい)、および残りの環原子炭素であり、ラジカルが環原子のいずれかを介して分子の残りに結合している。ヘテロシクリル基は、限定するものではないが、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、縮合した5、6または7−員の環を含む2−または3−環式基を包含し、ここで(i)各5員環は0〜2個の二重結合を有し、各6員環は0〜2個の二重結合を有し、および各7員環は0〜3個の二重結合を有し、(ii)窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてもよく、(iii)窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよく、および(iv)上記ヘテロ環式環のいずれかはアリールまたはヘテロアリール環に縮合していてもよい。例示のヘテロ環は、アザシクロプロパニル、アザシクロブタニル、1,3−ジアザチジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゾカニル、チアラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェニル、ジチオラニル、チアシクロヘキサニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロプラニル、ジオキサニル、オキサチオラニル、モルホリニル、チオキサニル、テトラヒドロナフチルなどを包含し、1または2以上の置換基をもっていてもよい。置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを包含する(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、その1つの環原子がS、OおよびNから選択される、3〜20個の環原子を有する安定な芳香族単−または多環式環系を指し;0、1または2個の環原子はS、OおよびNから独立して選択されるさらなるヘテロ原子であり;および残りの環原子は炭素であり、ラジカルは環原子のいずれかを介して分子の残りと結合している。例示のヘテロアリールは、限定するものではないが、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピイロリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、フタラジニル、ナフトリジニル、キノキサリニル、チオフェニル、チアナフテニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアジオリル、オキサジアジオリルなどを包含し、1または2以上の置換基をもっていてもよい。ヘテロアリールの置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを包含する(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
本明細書で使用する用語「ヘテロアリーレン」は、2個の水素原子を除去することによって、本明細書で定義されるヘテロアリール基から誘導されるビラジカルを指す。ヘテロアリーレン基は置換されていても、または非置換でもよい。さらに、ヘテロアリーレン基は、本明細書で定義されるアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンまたはヘテロアルキニレン基へのリンカー基として組み込まれてもよい。ヘテロアリーレン基の置換基は、限定するものではないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載した置換基のいずれかを包含する(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
用語「ヘテロアリールアミノ」は、式(−NR )で表される「置換されたアミノ」を指し、式中Rは、独立して、水素または本明細書中で定義されているとおりの任意に置換されていてもよいヘテロアリール基であり、および窒素部分が親分子に直接結合している。
用語「ヘテロアリールオキシ」は式(−OR)で表される「置換されたヒドロキシル」を指し、式中Rは、本明細書中で定義されているとおりの任意に置換されていてもよいヘテロアリール基であり、および酸素部分が親分子に直接結合している。
用語「ヘテロアリールチオキシ」は式(−SR)で表される「置換されたチオール」を指し、式中Rは、本明細書中で定義されているとおりの任意に置換されていてもよいヘテロアリール基であり、および硫黄部分が親分子に直接結合している。
本明細書で使用する用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、式(−OH)で表される基を指す。「置換されたヒドロキシル」は、式(−OR)で表される基を指し、式中Rは、安定な部分をもたらす任意の置換基であり得る(例えば、好適なヒドロキシル保護基;脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、ニトロ、アルキルアリール、アリールアルキルなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。
本明細書で使用する用語「イミノ」は、式(=NR)で表される基を指し、式中Rは、水素または本明細書に記載する安定な部分をもたらす任意の置換基に対応する(例えば、好適なアミノ保護基;脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、アミノ、ヒドロキシル、アルキルアリール、アリールアルキルなど、これらの各々はさらに置換されていても、いなくてもよい)。ある態様において、イミノは式中Rが水素である=NHを指す。
本明細書で使用する用語「イソシアノ」は、式(−NC)で表される基を指す。
本明細書で使用する用語「ニトロ」は、式(−NO)で表される基を指す。
本明細書で使用する用語「オキソ」は、式(=O)で表される基を指す。
本明細書で使用する用語「安定な部分」は、好ましくは、生産を可能にするのに十分な安定性をもつ部分を指し、本明細書に詳述する目的に有用である十分な時間その完全性を維持する。
本明細書で使用する用語「保護基」は当分野において周知であり、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, P. G. M. Wuts and T. W. Greene, 4th edition, Wiley-Interscience, 2006に詳細に記載されたものを包含し、この全体を参照により組み込む。好適なアミノ−保護基は、メチルカルバマート、エチルカルバマート、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバマート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバマート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバマート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバマート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバマート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバマート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバマート、t−ブチルカルバマート(BOC)、1−アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8−キノリルカルバマート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p−ニトベンジルカルバマート、p−ブロモベンジルカルバマート、p−クロロベンジルカルバマート、2,4−ジクロロベンジルカルバマート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9−アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2−メチルチオエチルカルバマート、2−メチルスルホニルエチルカルバマート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバマート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバマート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバマート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバマート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバマート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバマート、3,5−ジメトキシベンジルカルバマート、o−ニトロベンジルカルバマート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバマート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバマート、S−ベンジルチオカルバマート、p−シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート、シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p−デシルオキシベンジルカルバマート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバマート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1−ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバマート、2−フラニルメチルカルバマート、2−ヨードエチルカルバマート、イソボリンルカルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1−メチルシクロブチルカルバマート、1−メチルシクロヘキシルカルバマート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバマート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバマート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバマート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバマート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンアミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタンアッダクト(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロオリン−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロムまたはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミダート類、ジベンジルホスホルアミダート、ジフェニルホスホルアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドおよびフェナシルスルホンアミドを包含する。
本明細書で使用する「好適なヒドロキシル保護基」は、当分野において周知であり、Greene (1999)に詳細に記載されているものを包含する。好適なヒドロキシル保護基は、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルマート、ベンゾイルホルマート、アセタート、クロロアセタート、ジクロロアセタート、トリクロロアセタート、トリフルオロアセタート、メトキシアセタート、トリフェニルメトキシアセタート、フェノキシアセタート、p−クロロフェノキシアセタート、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノアート(レブリナート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロアート、アダマントアート、クロトナート、4−メトキシクロトナート、ベンゾアート、p−フェニルベンゾアート、2,4,6−トリメチルベンゾアート(メシトアート)、アルキルメチルカルボナート、9−フルオレニルメチルカルボナート(Fmoc)、アルキルエチルカルボナート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカルボナート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボナート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボナート(Peoc)、アルキルイソブチルカルボナート、アルキルビニルカルボナートアルキルアリルカルボナート、アルキルp−ニトロフェニルカルボナート、アルキルベンジルカルボナート、アルキルp−メトキシベンジルカルボナート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカルボナート、アルキルo−ニトロベンジルカルボナート、アルキルp−ニトロベンジルカルボナート、アルキルS−ベンジルチオカルボナート、4−エトキシ−1−ナプッチルカルボナート、メチルジチオカルボナート、2−ヨードベンゾアート、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)ベンゾアート、2−ホルミルベンゼンスルホナート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチラート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾアート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセタート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセタート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセタート、クロロジフェニルアセタート、イソブチラート、モノスクシノアート、(E)−2−メチル−2−ブテノアート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾアート、α−ナフトアート、ニトラート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバマート、ボラート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェナート、スルファート、メタンスルホナート(メシラート)、ベンジルスルホナートおよびトシラート(Ts)を包含する。1,2−または1,3−ジオールを保護するための保護基は、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチルイジンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデンデリバチブ、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環状カルボナート類、環状ボロナート類、エチルボロナートおよびフェニルボロナートを包含する。
本明細書で使用する用語「薬学的に許容される塩」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなくヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適した健全な医学的判断の範囲内にあり、かつ、妥当な利益/リスク比に見合っているものである。「薬学的に許容される塩」は、当業者に周知である。例えばBerge et al., describe pharmaceutically acceptable salts in detail in J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1−19は、参照により本明細書に組み込む。本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、好適な無機酸および有機酸および塩基由来のものを包含する。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸などの有機酸と形成される、あるいはイオン交換などの当分野で使用される他の方法を使用することによるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩は、アジパート、アルギナート、アスコルバート、アスパルタート、ベンゼンスルホナート、ベンゾアート、ビスルファート、ボラート、ブチラート、カンホラート、ショウノウスルホナート、シトラート、シクロペンタンプロピオナート、ジグルコナート、ドデシルスルファート、エタンスルホナート、ホルマート、フマラート、グルコヘプトナート、グリセロホスファート、グルコナート、ヘミスルファート、ヘプタノアート、ヘキサノアート、ヒドロヨージド、2−ヒドロキシ−エタンスルホナート、ラクトビオナート、ラクタート、ラウラート、ラウリルスルファート、マラート、マレアート、マロナート、メタンスルホナート、2−ナフタレンスルホナート、ニコチナート、ニトラート、オレアート、オキサラート、パルミタート、パモアート、ペクチナート、ペルスルファート、3−フェニルプロピオナート、ホスファート、ピクラート、ピバラート、プロピオナート、ステアラート、スクシナート、スルファート、タルトラート、チオシアナート、p−トルエンスルホナート、ウンデカノアート、バレラートの塩などを包含する。適切な塩基由来の塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1−4アルキル)の塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを包含する。さらなる薬学的に許容される塩は、適切な場合、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、ならびにハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成されたアミンカチオンを包含する。
本明細書で使用する用語「対象」は、任意の動物を指す。ある態様において、対象は哺乳動物である。ある態様において、用語「対象」はヒト(例えば、男性、女性または子供)を指す。ヒトは、男女のいずれでもよく、任意の発達段階にあってもよい。ある態様において、対象は処置されるべき状態または疾患(例えば、黄斑変性症、脳卒中、IBD、閉鎖性頭部損傷)と診断されている。他の態様において、対象はその状態または疾患を発症する危険性がある。ある態様において、対象は実験動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、霊長類)である。実験動物は、遺伝子操作されていてもよい。ある態様において、対象は、家畜(例えば、イヌ、ネコ、トリ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ)である。
本明細書で使用する用語「投与する」、「投与すること」または「投与」は、式(I)で表される化合物またはその医薬組成物を、インプラントすること、吸収すること、摂取すること、注入することまたは吸入することを指す。
本明細書で使用する用語「処置」、「処置する」および「処置すること」は、本明細書に記載の疾患または障害、またはそれらの1または2以上の兆候または症状を、逆転させること、軽減すること、発病を遅延させること、または進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、1または2以上の徴候または症状が発症した、または観察された後に処置を施してもよい。他の態様において、疾患または状態の兆候または症状がなくても処置を施してもよい。例えば、症状の発症前に感染しやすい個体に(例えば、症状の履歴に照らしておよび/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)、処置を施してもよい。処置はまた、症状が回復した後に、例えば再発を遅延または防止するために継続してもよい。
本明細書で使用する用語「有効量」および「治療有効量」は、対象に投与した場合に、対象が患っている状態(例えば、性炎症性疾患、自己免疫疾患、ドライアイ症候群、線維症、瘢痕形成、血管形成、ウイルス感染、マラリア、虚血性障害、移植およびインプラントの拒絶、神経変性疾患または化粧品適応症)を少なくとも部分的に処置する本発明の化合物の量または濃度を指す。
用語「局所的な鉄過剰負荷」は、組織または器官における管理されていない鉄の蓄積を伴う任意の疾患または状態を指す。局所的な鉄過剰負荷は、典型的には、対象の全身には満たないが、1または2以上の器官または組織に関与する。任意の組織または器官における管理されていない鉄は、典型的には望ましくなく、本発明の治療の焦点であり得る。処置は、組織または器官からできるだけ多くの鉄の除去を伴っても、または過剰な鉄のみの除去を伴ってもよい。局所的な鉄過剰負荷に関連する疾患および状態の例は、限定するものではないが、黄斑変性症、IBD、再灌流損傷、出血性脳卒中を含む脳卒中、および閉鎖性頭部損傷を包含する;しかしながら、任意の局所的な鉄過剰負荷の疾患または状態は、本明細書の記載のように処置し得る。ある態様において、用語「局所的な鉄過剰負荷」は、鉄過剰負荷全般(例えば、慢性的な輸血療法、遺伝性ヘモクロマトーシスなどに関連する鉄過剰負荷全般)に関連する疾患または状態を含まない。局所的な鉄過剰負荷の処置は、式(I)で表される化合物の有効量の全身または局所的投与であり得る。
用語「活性酸素種」または「ROS」は、酸素の不完全な還元によって形成された分子またはイオンを指す。活性酸素種は、スーパーオキシドアニオン(O ・−)、過酸化水素(H)などの過酸化物、ヒドロキシラジカル(HO)、および次亜塩素酸(HClO)が挙げられる。これらの分子は、典型的には化学的に活性である。活性酸素種は、任意の数の機構によって(例えば、酵素的に、電離放射線によって、酸素と金属との反応によって)形成され得る。ある態様において、活性酸素種はFe+2などの鉄イオンにより、酸素の還元によって形成される。
用語「閉鎖性頭部損傷」は、頭蓋骨を貫通しない頭部への任意の損傷を指す。閉鎖性頭部損傷は、転倒、強打、車両事故を含めた事故および暴行に起因し得る。閉鎖性頭部損傷は、出血または脳腫脹につながることがあり、これは頭蓋内圧亢進をもたらすことがあり、これは次に永続する脳障害または死にさえもつながり得る。様々な種類の閉鎖性頭部損傷は、脳震盪、脳挫傷、びまん性軸索損傷および血腫を包含する。
用語「互変異性体」は、水素および二重結合が分子の他の原子に対して位置を変更した化合物の特定の異性体を指す。存在する互変異性体の対に対して、相互変換のためのメカニズムが存在しなければならない。互変異性体の例は、ケト−エノール型、イミン−エナミン型、アミド−イミノアルコール型、アミジン−アミニジン型、ニトロソ−オキシム型、チオケトン−エンチオール型、N−ニトロソ−ヒドロキシアゾ型、ニトロ−aci−ニトロ型、ラクタム−ラクチム型、ケテン−イノール型、エナミン−エナミン型、およびピリドン−ヒドロキシピリジン型を包含する。
図1は、4%酢酸前の30分間、デスフェリオキサミン(DFO)(20mg/kg)IVおよび滅菌水(コントロール)で処理したラット由来の大腸を示す。各大腸は、盲腸が右にあり、直腸が左側になるように配置されている。
図2は、ラットに各化合物の300μmol/kg経口(po)投与後、様々な時点での血漿中のデフェリトリン、(S)−4’−(HO)−DADFT−PE(IV−A)および(S)−4’−(HO)−DADFT−norPE(III−A)の濃度を示す棒グラフである。
図3は、ラットに各化合物の300μmol/kg皮下(sc)投与後、様々な時点での血漿中のデフェリトリン、(S)−4’−(HO)−DADFT−PE(IV−A)および(S)−4’−(HO)−DADFT−norPE(III−A)の濃度を示す棒グラフである。
図4は、灌流ラットに300μmol/kg皮下(sc)投与された(S)−4’−(HO)−DADFT−norPE(III−A)についての血漿濃度と眼における濃度との間の相関を示す。
図5は、非灌流ラットに300μmol/kg皮下(sc)投与された(S)−4’−(HO)−DADFT−norPE(III−A)についての血漿濃度と眼における濃度との間の相関を示す。
本発明のある態様の詳細な説明
様々なデスフェリチオシン類似体は、輸血療法、高鉄食事療法、急性鉄摂取または吸収不良に起因する鉄過剰負荷全般の処置の使用のために記載された。今回、特定の組織または器官における鉄の局所濃度が病理過程に寄与する局所的な鉄過剰負荷に関連する疾患および状態を処置または予防するために、かかる類似体が有用であることを発見した。例えば、組織または器官における管理されていないFe+2イオンは、組織または細胞の損傷につながるヒドロキシルラジカルまたは他の活性酸素種の生成をもたらし得る。したがって、式(I)で表されるデスフェリチオシン類似体、特にフェニル環の4’位にポリエーテル部分を有するものは、黄斑変性、閉鎖性頭部損傷、再灌流損傷および脳卒中の処置に有用であることが期待される。いかなる特定の理論に縛られることを望まないが、式(I)で表される化合物は、鉄をキレートし、活性酸素種の生成に関与するのを防ぐと考えられる。式(I)で表される化合物はまた、それにより活性酸素種または他のラジカルの損傷を制限し、フリーラジカル除去剤として作用し得る。したがって、本発明は、局所的な鉄過剰負荷に関連する疾患および状態を処置および予防する方法、ならびに医薬組成物および本発明の方法において有用なキットを提供する。
有用な化合物
式(I)で表されるデスフェリチオシン類似体は、鉄過剰、特に局所的な鉄過剰負荷に関連する疾患および状態を予防および処置するのに有用であると期待される。かかる類似体は、以前にPCT国際出願、2006年3月22日に出願されたPCT/US2006/010945、WO2006/017626、およびWO2011/028255として公開され、2010年8月25日に出願されたPCT/US2010/002336、;およびUS2008/0214630として公開され、2007年8月4日に出願された米国特許出願U.S.S.N.11/973,001;に記載されており、これらの各々を参照により本明細書に組み込む。フェニル環の4’位にエーテル部分を有する化合物は、本発明の方法および組成物において特に有用であると期待される。
ある態様において、本発明において有用な化合物は、式(I)で表される:
Figure 2021185140

式中、
は、水素、アルキルまたはアシルであり;
は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
、RおよびRは、各々独立して水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
、RおよびRは、各々独立して水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
は、−OR11または−SR11であり;
10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
11は、水素またはアルキルであり;
12は、水素またはアルキルであり;
R’は、アルキルであり;
各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
xは、1〜8の整数であり;および
yは、0〜8の整数である;
またはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、または多形である。
式(I)で表される化合物において、Rは水素、アルキルまたはアシルである。ある態様においてRは水素である。ある態様において、RはC〜Cアルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはアシルである。ある態様において、Rはアセチルである。
式(I)で表される化合物において、Rは水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’である。ある態様において、Rは水素である。ある態様において、RはC〜Cアルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’である。ある態様において、Rは−[(CH−O]−CHである。ある態様において、Rは−[(CH−O]−CHである。ある態様において、Rは−[(CH−O]−CHである。ある態様において、Rは−[(CH−O]−CHである。ある態様において、Rは−[(CH−O]−CHである。
式(I)で表される化合物において、nは1〜8の整数である。ある態様において、nは2である。ある態様において、nは3である。ある態様において、nは4である。ある態様において、nは5である。
式(I)で表される化合物において、xは1〜8の整数である。ある態様において、xは1である。ある態様において、xは2である。ある態様において、xは3である。ある態様において、xは4である。ある態様において、xは5である。
式(I)で表される化合物において、yは0〜8の整数である。ある態様において、yは0である。ある態様において、yは1である。ある態様において、ある態様において、yは2である。ある態様において、yは3である。ある態様において、yは4である。ある態様において、yは5である。
式(I)で表される化合物において、R’はアルキルである。ある態様において、R’はC〜Cアルキルである。ある態様において、R’はメチルである。ある態様において、R’はエチルである。ある態様において、R’はプロピルである。
式(I)で表される化合物において、Rは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10である。ある態様において、Rは水素である。ある態様において、RはC〜Cアルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rは−OHである。ある態様において、Rは−OCHである。
式(I)で表される化合物において、Rは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10である。ある態様において、Rは水素である。ある態様において、RはC〜Cアルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rは−OHである。ある態様において、Rは−OCHである。
式(I)で表される化合物において、Rは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10である。ある態様において、Rは水素である。ある態様において、RはC〜Cアルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rは−OHである。ある態様において、Rは−OCHである。
ある態様において、R、RおよびRは全て水素である。ある態様において、R、RおよびRの少なくとも1つは水素である。ある態様において、R、RおよびRの少なくとも2つは水素である。
式(I)で表される化合物において、Rは、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12である。ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rはハロゲンである。ある態様において、RはC〜Cアルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rは−OHである。ある態様において、Rは−OCHである。
式(I)で表される化合物において、Rは、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12である。ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rはハロゲンである。ある態様において、RはC〜Cアルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rは−OHである。ある態様において、Rは−OCHである。
ある態様において、RおよびRの両方が水素である。ある態様において、RおよびRの少なくとも1つが水素である。
式(I)で表される化合物において、Rは、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12である。ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rはハロゲンである。ある態様において、RはC〜Cアルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rは−OHである。ある態様において、Rは−OCHである。
式(I)で表される化合物において、Rは−OR11または−SR11であり、式中、R11は水素またはアルキルである。ある態様において、Rは−OHである。ある態様において、Rは−OCHである。ある態様において、Rは−OCHCHである。ある態様において、Rは−OCH(CHである。ある態様において、Rは−SCHである。ある態様において、Rは−SCHCHである。ある態様において、Rは−SCHCHCHである。ある態様において、Rは−SCH(CHである。ある態様において、Rは−SCHCH(CHである。ある態様において、R11は水素である。ある態様において、R11はC〜Cアルキルである。
ある態様において、Rは水素であり、Rは水素であり、およびRはメチルである。
ある態様において、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、およびRはメチルである。
ある態様において、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、およびRはメチルである。
ある態様において、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素であり、およびRはメチルであり、およびRは−OHである。
式(I)で表される化合物は様々な塩形態で提供され得る。ある態様において、Rが−OHの場合、化合物は正に帯電した対イオンを有するカルボキシラート塩として提供されてもよい。ある態様において、対イオンは、ベタイン、水酸化コリン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ヒドロキシエチルモルホリン、4−(2−ヒドロキシエチルモルホリン)、1−(2−ヒドロキシエチルピロリジン)、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン、1,2−EDSA、HCl、HSO、MSA、p−TSA、ヒドロキシエチルピロルジン、イミダゾン、リシン(例えばL−リシン)、アルギニン(例えばL−アルギニン)、ヒスチジン(例えばL−ヒスチジン)N−メチル−D−グルカミン(NMG)、N、N’−ジベンジル−エチレンジアミン、N、N’−ジエチル−エタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、カルシウム(例えばCa(OH))、マグネシウム(例えばMg(OH)、マグネシウムアセタート)、カリウム(例えばKOH、カリウム2−エチルヘキサノアート)、ナトリウム(例えばNaOH、ナトリウムアセタート、ナトリウム2−エチルヘキサノアート)、亜鉛(例えばZn(OH)、亜鉛アセタート)、Zn(OH)/Mg(OH)、EDAまたはピペラジンである。ある態様において、対イオンはリシンである。ある態様において、対イオンはN−メチル−D−グルカミン(NMG)である。ある態様において、対イオンはトロメタミンである。ある態様において、対イオンはカルシウムである。ある態様において、対イオンはマグネシウムである。ある態様において、対イオンはカリウムである。ある態様において、対イオンはナトリウムである。ある態様において、対イオンは亜鉛である。ある態様において、対イオンはピペラジンである。ある態様において、対イオンはMgOHである。ある態様において、対イオンはZnOHである。
ある態様において、式(I)で表される化合物の塩の多形を提供する。ある態様において、式(I)で表される化合物のマグネシウム塩の多形を提供する。ある態様において、式(I)で表される化合物のMgOH塩の多形を提供する。ある態様において、式(I)、式中Rが−OHである、で表される化合物のカルボキシラートの塩の多形を提供する。ある態様において、式(I)、式中Rが−OHである、で表されるカルボキシラート化合物のマグネシウム塩の多形を提供する。ある態様において、式(I)、式中Rが−OHである、で表されるカルボキシラート化合物のMgOH塩の多形を提供する。
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(III)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(III−A)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(III−A)で表される化合物の塩を提供する。ある態様において、式(III−A)で表される水酸化マグネシウム塩を式(III−A’)で示すとおり提供する。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(III−B)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(III−C)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(IV−A)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(IV−A)で表される化合物の塩を提供する。ある態様において、式(IV−A)で表される水酸化マグネシウム塩を式(IV−A’)で示すとおり提供する。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(IV−B)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(IV−C)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(V−A)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(V−B)で表されるものである。
Figure 2021185140
ある態様において、式(I)で表される化合物は式(V−C)で表されるものである。
Figure 2021185140
黄斑変性症の処置
一側面において、黄斑変性症の処置のための方法および医薬組成物を提供する。特定の理論に縛られることを望むものではないが、式(I)で表される化合物は図4および図5に示すとおり眼の中に入れることができる。式(I)で表される化合物は、その後鉄をキレート化し、除去することができ、これによりFe+2が活性酸素種を形成し、生成することから防止する。鉄の局所蓄積は、黄斑変性に寄与すると考えられている。したがって、(網膜を含め)眼からの鉄の除去は、黄斑変性症を予防し、処置することができる。
黄斑変性症の処置において、式(I)で表される化合物またはこれらの医薬組成物は、全身にまたは眼に投与してもよい。ある態様において、化合物または組成物を経口投与する。他の態様において、化合物または組成物を、点眼剤または眼投与に適した軟膏を用いて眼に投与する。
黄斑変性症の処置を受ける対象は、任意の種類の動物であってよい。ある態様において、動物は哺乳動物である。ある態様において、動物はヒトである。ある態様において、動物は家畜(例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ)である。ある態様において、動物は、研究動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、霊長類)である。
黄斑変性症を処置または予防するために必要な式(I)で表される化合物の正確な量は、対象の種、年齢、および全身状態、投与される特定の剤、その投与の様式などに依存して、対象ごとに異なるであろう。化合物は、好ましくは、投与を容易にするためにおよび投与量の均一性のために、投与単位形態で処方する。しかしながら、1日の総投与量は、健全な医学的判断の範囲内で医師によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象に対する具体的な治療有効用量レベルは、黄斑変性症の重症度;投与される特定の化合物;年齢、体重、一般的健康、性別、および対象の食事;投与時間、投与経路および投与される特定の化合物の排泄速度;処置の持続期間;投与される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤;および医学分野において周知の類似の要因を含め、種々の要因に依存するであろう。ある態様において、対象における黄斑変性症を処置するための式(I)で表される化合物の1日の投与量は、単位用量あたり0.01mg/kg〜200mg/kgの範囲であってもよい。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜100mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜20mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜10mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜1mg/kgの範囲である。ある態様において、化合物またはこれらの組成物は、1日に1回〜1日あたり複数回投与してもよい。ある態様において、1日量の分画を、1日に1回、2回、3回または4回投与する。他の態様において、その組成物の化合物を、1日おき、3日ごと、毎週、隔週、または毎月投与する。
頭部損傷の処置
式(I)で表される化合物およびこれらの組成物は、頭部損傷、特に脳または中枢神経系の他の部分への出血を伴うものの処置に有用であることが期待される。特定の理論に縛られることを望むものではないが、式(I)で表される化合物は、頭部損傷に起因する血液の赤血球から鉄をキレート化し、これにより鉄イオンが活性酸素種を生成することを防止すると考えられる。脈管構造が損なわれた中枢神経系への出血をもたらす頭部損傷の場合において、使用する化合物は、血液脳関門を通過する能力を有していても、いなくてもよい。ある態様において、対象の頭部損傷を処置するために使用する化合物は血液脳関門を通過することができる。ある態様において、化合物は血液脳関門を通過することができない。式(I)で表される化合物は、全身投与(経口および皮下)後のCSFにおいて認められた。
頭部損傷は、形態が様々であり、および様々な原因に起因する。ある態様において、損傷は頭蓋骨を貫通する頭部への損傷である。他の態様において、治療する頭部損傷は、頭蓋骨を貫通しない閉鎖性頭部損傷である。閉鎖性頭部損傷は、車両事故を含めた事故、転倒および暴行を含めた様々な原因に起因する。閉鎖性頭部損傷のタイプには、脳震盪、脳挫傷、びまん性軸索損傷、および血腫が挙げられる。ある態様において、本発明で処置される閉鎖性頭部損傷としては、脳の血管の外側に血液をもたらす閉鎖性頭部損傷が挙げられる。出血からの鉄の局所蓄積が閉鎖性頭部損傷の後遺症に寄与すると考えられている。脳からの鉄の浄化を促進することで出血の影響が最小限に抑えられる。
閉鎖性頭部損傷の処置において、式(I)で表される化合物またはこの塩は、全身的に、例えば非経口的にまたは経口的に投与してもよい。ある態様において、化合物または組成物は経口投与する。他の態様において、化合物または組成物は非経口的に(例えば、静脈内に)投与する。
頭部損傷の処置を受ける対象は、任意のタイプの動物であってよい。ある態様において、動物は哺乳動物である。ある態様において、動物はヒトである。ある態様において、動物は家畜(例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ)である。ある態様において、動物は研究動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、霊長類)である。
頭部損傷を処置するために必要とされる式(I)で表される化合物の正確な量は、対象の種、年齢、および全身状態、投与される特定の剤、その投与の様式などに依存して、対象ごとに異なるであろう。化合物は、好ましくは、投与を容易にするためおよび投与量の均一性のために、投与単位形態で処方する。しかしながら、1日の総投与量は、健全な医学的判断を使用して医師によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象に対する具体的な治療有効用量レベルは、脳卒中の重症度;投与される特定の化合物;年齢、体重、一般的健康、性別、および対象の食事;投与時間、投与経路および投与される特定の化合物の排泄速度;処置の持続期間;投与される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤;および医学分野において周知の類似の要因を含め、種々の要因に依存するであろう。ある態様において、対象における頭部損傷を処置するための式(I)で表される化合物の1日の投与量は、単位用量あたり0.01mg/kg〜200mg/kgの範囲であってもよい。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜100mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜20mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜10mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜1mg/kgの範囲である。ある態様において、化合物またはこの組成物は、1日に1回〜1日あたり複数回投与してもよい。ある態様において、1日量の分画を、1日に1回、2回、3回または4回投与する。他の態様において、この組成物の化合物を、1日おき、3日ごと、毎週、隔週、または毎月投与する。ある態様において、頭部損傷が解消するか、または本発明の処置がもはや有益ではないだろうと考えられたら、本発明の処置を停止する。ある態様において、頭部損傷を有する対象において出血が解消したら処置を停止する。
脳卒中の処置
本発明はまた、脳卒中の処置を提供する。本発明の処置は、典型的には脳卒中からのより良好なおよび/またはより早い回復につながる。処置される脳卒中は、虚血性脳卒中または出血性脳卒中のいずれであってもよい。虚血性脳卒中の処置において、式(I)で表される化合物またはこの組成物を脳の対象に投与し、患部への血液供給の後の再灌流損傷による損傷を防止または最小限にする。化合物は、活性酸素種の生成を、それらが発生した場合に、かかる種の生成に関与する鉄をキレート化するか、および/またはかかるラジカル種をクエンチすることによって防止すると考えられる。出血性脳卒中において、脳内の血液からの鉄の封鎖は、おそらく本発明の処置が作用することによる優勢な機構であるが、化合物は類似の機構で作用すると考えられる。式(I)で表される化合物の作用機序は頭部損傷と類似している。
処置に使用する化合物は、血液脳関門を通過する能力を有していてもよい。ある態様において、化合物は、血液脳関門を通過する能力を有する。ある態様において、化合物は、血液脳関門を通過する能力を有しない。ある態様において、対象が虚血性脳卒中と診断された場合、処置で使用する化合物は血液脳関門を通過することができる。
本発明は、脳卒中と診断された対象、または脳卒中を有しやすい対象に式(I)で表される化合物またはこの組成物を投与した後の対象を処置し、脳卒中の影響を防止するまたは最小限に抑えるのに有用であり得る。ある態様において、化合物は対象が脳卒中を有すると診断された後、できるだけ速やかに投与される。ある態様において、化合物は脳卒中がまだ起こっている間に対象に投与する。ある態様において、化合物またはこの組成物は脳卒中の病歴を有するか、または対象の基礎疾患のために脳卒中を有しやすい対象に投与する。化合物またはこの組成物は脳卒中の処置において、1回または複数回投与してもよい。
脳卒中の処置において、式(I)で表される化合物またはこの医薬組成物は、全身的に、例えば非経口的にまたは経口的に投与してもよい。ある態様において、化合物または組成物は経口投与する。他の態様において、化合物または組成物は非経口的に(例えば、静脈内に)投与する。
脳卒中の処置を受ける対象は、任意のタイプの動物であってよい。ある態様において、動物は哺乳動物である。ある態様において、動物はヒトである。ある態様において、動物は家畜(例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ)である。ある態様において、動物は研究動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、霊長類)である。
脳卒中を処置するために必要とされる式(I)で表される化合物の正確な量は、対象の種、年齢、および全身状態、投与される特定の剤、その投与の様式などに依存して、対象ごとに異なるであろう。化合物は、好ましくは、投与を容易にするためにおよび投与量の均一性のために、投与単位形態で処方する。しかしながら、1日の総投与量は、健全な医学的判断を使用して医師によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象に対する具体的な治療有効用量レベルは、脳卒中の重症度;投与される特定の化合物;年齢、体重、一般的健康、性別、および対象の食事;投与時間、投与経路および投与される特定の化合物の排泄速度;処置の持続期間;投与される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤;および医学分野において周知の類似の要因を含め、種々の要因に依存するであろう。ある態様において、対象における脳卒中を処置するための式(I)で表される化合物の1日の投与量は、単位用量あたり0.01mg/kg〜200mg/kgの範囲であってもよい。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜100mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜20mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜10mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜1mg/kgの範囲である。ある態様において、化合物またはこの組成物は、1日に1回〜1日あたり複数回投与してもよい。ある態様において、1日量の分画を、1日に1回、2回、3回または4回投与する。他の態様において、この組成物の化合物を、1日おき、3日ごと、毎週、隔週、または毎月投与する。典型的には、化合物または組成物は、それがもはや有益ではないと考えられた後、例えば出血性脳卒中における全ての出血が解消したときは、投与されない。
過敏性腸疾患の処置
活性酸素種は、過敏性腸疾患(IBD)の病因に関与している。Grisham et al., “Neutophil-mediated mucosal injury. Role of reactive oxygen metabolites” Dig. Dis. Sci. 33:6S-15S, 1988;Allgayer “Clinical relevance of oxygen radicals in inflammatory bowel disease-facts and fashion” Klin. Wochenschr. 69:1001-1003, 1991;Ymamada et al. “Role of neutrophil-derived oxidants in the pathogenesis of intestinal inflammation” Klin. Wocheschr. 69:988-944, 1991;Babbs, “Oxygen radicals in ulcerative colitis” Free Radic. Biol. Med. 13:169-181, 1992。本発明は、IBDの処置を提供する。DFO、鉄キレート剤は、ラット、IBDの動物モデルにおいて酢酸誘発性大腸炎を防ぐことを見つけ出した。図1および図2を参照。また、Bergeron et al., “Prevention of Acetic Acid-Induced Colitis by Desferrithiocin Analogs in a Rat Model” Digestive Diseases and Sciences, 48(2):399-407, February 2003を参照。本発明の処置において使用する化合物は、IBDを有する対象に見られる組織の損傷および炎症に関与し得る、活性酸素種または他のより長寿命、より安定なラジカルの生成を防止または排除すると考えられる。本発明において有用な化合物の別の可能性のある作用機序は、細胞の損傷を引き起こすヒドロキシルラジカルおよび過酸化水素などの、活性酸素種の生成に寄与し得る鉄などの金属のキレート化である。
本発明は、IBDと診断された対象を処置するのに有用であり得る。処置は対象を長期間処置するために使用しても、または突発のIBDを有する対象を処置するために使用してもよい。式(I)で表される化合物またはこの組成物の治療有効量を、IBDの処置のためにこれらを必要とする対象に投与する。ある態様において、式(I)で表される化合物での処置は、腸内、具体的には腸粘膜の活性酸素種のレベルの低下をもたらす。化合物またはこの組成物は、IBDの処置において、1回または複数回対象に投与してもよい。
IBDの処置において、式(I)で表される化合物またはこの医薬組成物は、全身的に、例えば非経口的にまたは経口的に投与してもよい。ある態様において、化合物または組成物を経口的に投与する。他の態様において、化合物または組成物は非経口的に(例えば、静脈内に)投与する。ある態様において、化合物または組成物は、直腸内に投与する。
IBDの処置を受ける対象は、任意のタイプの動物であってよい。ある態様において、動物は哺乳動物である。ある態様において、動物はヒトである。ある態様において、動物は家畜(例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ)である。ある態様において、動物は研究動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、霊長類)である。ある態様において、動物はIBDの動物モデルに使用する(例えば、ラットにおける酢酸誘発性大腸炎;Fedorak et al., “Misoprostol provides a colonic mucosal protective effect during acetic acid-induced colitis in rats” Gastroenterology 98:615-625, 1990; MacPherson et al., “Experimental production of diffuse colitis in rats” Digestion 17:135-150, 1978)参照。
IBDを処置するために必要とされる式(I)で表される化合物の正確な量は、対象の種、年齢、および全身状態、投与される特定の剤、その投与の様式などに依存して、対象ごとに異なるであろう。化合物は、好ましくは、投与を容易にするためおよび投与量の均一性のために、投与単位形態で処方する。しかしながら、1日の総投与量は、健全な医学的判断を使用して医師によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象に対する具体的な治療有効用量レベルは、IBDの重症度;投与される特定の化合物;年齢、体重、一般的健康、性別、および対象の食事;投与時間、投与経路および投与される特定の化合物の排泄速度;処置の持続期間;投与される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤;および医学分野において周知の類似の要因を含め、種々の要因に依存するであろう。ある態様において、対象におけるIBDを処置するための式(I)で表される化合物の1日の投与量は、単位用量あたり0.01mg/kg〜200mg/kgの範囲であってもよい。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜100mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜20mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜10mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜1mg/kgの範囲である。ある態様において、化合物またはこの組成物は、1日に1回〜1日あたり複数回投与してもよい。ある態様において、1日量の分画を、1日に1回、2回、3回または4回投与する。他の態様において、この組成物の化合物を、1日おき、3日ごと、毎週、隔週、または毎月投与する。
再灌流損傷の処置
本発明はまた、再灌流損傷の処置を提供する。再灌流損傷は、血液供給が損なわれた身体の任意の領域において発生し得る。ある態様において、処置される再灌流損傷は心臓において発生する。他の態様において、例えば、脳卒中の文脈で上述したように再灌流損傷は、脳内で発生する。本発明の処置は、罹患器官または組織への血液供給が回復すると、再灌流損傷を最小限にする。再灌流損傷の処置または予防において、式(I)で表される化合物またはこの組成物を、組織または器官の虚血を患っている対象に投与する。式(I)で表される化合物は、活性酸素種の生成を、それらが発生した場合に、かかる種の生成に関与する鉄をキレート化するか、および/またはかかるラジカル種をクエンチすることによって防止すると考えられる。
本発明は、対象が特定の器官または組織の虚血と診断された後に対象を処置するのに有用であり得る。式(I)で表される化合物またはこの組成物の治療有効量を、再灌流損傷を防止または最小化するために対象に投与する。ある態様において、対象が虚血と診断された後、化合物をできる限り速やかに投与する。ある態様において、化合物は虚血の危険性がある対象に投与する。ある態様において、化合物またはこの組成物は、器官または組織の虚血につながり得る手技(例えば、心臓手術)を受けようとしている対象に投与する。ある態様において、化合物またはこの組成物は、移植臓器における再灌流損傷を防止するために使用する。ある態様において、化合物またはこの組成物は、提供のために調製した摘出された臓器を灌流するために使用する。化合物または組成物は、再灌流損傷の処置において、1回または複数回対象に投与してもよい。
再灌流損傷の予防または処置において、一般式(I)で表される化合物またはこの医薬組成物は、全身的に、例えば非経口的にまたは経口的に投与してもよい。ある態様において、化合物または組成物は経口的に投与する。他の態様において、化合物または組成物は非経口的に(例えば、静脈内に)投与する。ある態様において、化合物または組成物は、直腸内に投与する。ある態様において、化合物または組成物は、虚血を患っている器官または組織に局所的に投与する。
再灌流損傷の処置を受ける対象は、任意のタイプの動物であってよい。ある態様において、動物は哺乳動物である。ある態様において、動物はヒトである。ある態様において、動物は家畜(例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ)である。ある態様において、動物は研究動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、霊長類)である。
再灌流損傷を防止または処置するために必要とされる式(I)で表される化合物の正確な量は、対象の種、年齢、および全身状態、投与される特定の剤、その投与の様式などに依存して、対象ごとに異なるであろう。化合物は、好ましくは、投与を容易にするためおよび投与量の均一性のために、投与単位形態で処方する。しかしながら、1日の総投与量は、健全な医学的判断を使用して医師によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象に対する具体的な治療有効用量レベルは、再灌流損傷の重症度;投与される特定の化合物;年齢、体重、一般的健康、性別、および対象の食事;投与時間、投与経路および投与される特定の化合物の排泄速度;処置の持続期間;投与される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤;および医学分野において周知の類似の要因を含め、種々の要因に依存するであろう。ある態様において、対象における再灌流損傷を処置するための式(I)で表される化合物の1日の投与量は、単位用量あたり0.01mg/kg〜200mg/kgの範囲であってもよい。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜100mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜20mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜10mg/kgの範囲である。ある態様において、1日の投与量は、0.1mg/kg〜1mg/kgの範囲である。ある態様において、化合物またはこの組成物は、1日に1回〜1日あたり複数回投与してもよい。ある態様において、1日量の分画を、1日に1回、2回、3回または4回投与する。他の態様において、この組成物の化合物を、1日おき、3日ごと、毎週、隔週、または毎月投与する。典型的には、化合物またはこの組成物は、それがもはや有益ではないと考えられた後、例えば再灌流損傷におけるリスクが解消したときは、投与されない。
医薬組成物
本発明はまた、黄斑変性症、閉鎖性頭部損傷、脳卒中、IBD、および再灌流損傷の処置のための、式(I)で表される医薬組成物を提供する。所望の用量で適切な薬学的に許容される賦形剤との処方後、本発明の医薬組成物は、処置される疾患または状態に応じて、ヒトおよび他の動物に、経口的に、直腸に、非経口的に、大槽内に、腹腔内に、局所的に、口腔内に、眼などに投与することができる。ある態様において、本発明の薬剤は、所望の治療効果を得るために、対象の体重の約0.001mg/kg〜約200mg/kg、約0.001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約0.1mg/kg〜約40mg/kg、好ましくは約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、およびより好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgを送達するのに十分な用量レベルで経口的にまたは非経口的に投与してもよい。所望の用量は、1日3回、1日2回、1日1回、1日おき、3日ごと、毎週、2週間ごと、3週間ごとまたは4週間ごとに送達してもよい。ある態様において、所望の用量は、複数回の投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、またはそれ以上の投与)を用いて送達してもよい。ある態様において、式(I)で表される化合物は、薬剤が、非特異的効果を引き起こす用量未満である用量で投与する。ある態様において、式(I)で表される化合物は、対象における全身性免疫抑制(generalized immunosuppression)を引き起こさない用量で投与する。
経口および非経口投与のための液体剤形としては、限定するものではないが、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤が挙げられる。活性薬剤に加えて、液体剤形は、当技術分野において通常使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルおよびそれらの混合物などを含有していてもよい。
不活性希釈剤以外に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤および芳香剤などのアジュバントも含むことができる。非経口投与についてのある態様において、本発明の剤は、例えばCREMOPHOR EL(登録商標)(ポリエトキシル化ヒマシ油)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの組み合わせなどの可溶化剤と混合する。
注射製剤、例えば滅菌注射水溶液または油性懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、公知の技術に従って処方してもよい。滅菌注射製剤はまた、例えば1,3−ブタンジオールの溶液のような、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒の滅菌注射溶液、懸濁液またはエマルジョンであってもよい。許容可能な媒体および溶媒の中で水、リンゲル液、USPおよび等張塩化ナトリウム溶液を用いてもよい。また、滅菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来用いられている。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリドを含め、任意の無味無臭(bland)の不揮発性油を使用することができる。また、オレイン酸などの脂肪酸は注射剤の調製に使用する。
注射製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通して、または、使用前に滅菌水または他の滅菌注射媒体に溶解または分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
直腸または膣投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物と、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、または周囲温度で固体であるが、体温で液体であり、したがって直腸もしくは膣腔で融解して活性薬剤を放出する坐剤ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤もしくは担体とを混合することによって調製することができる坐薬である。
経口投与のための固体剤形は、カプセル、錠剤、丸剤、粉末および顆粒を包含する。かかる固体剤形において、活性薬剤は、少なくとも1種の不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなど、および/またはa)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸など、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなど、c)保湿剤、例えばグリセロールなど、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなど、e)溶解遅延剤、例えばパラフィンなどf)吸収促進剤、例えば四級アンモニウム化合物など、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなど、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土など、ならびにi)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど、およびそれらの混合物と混合する。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形はまた緩衝剤を含んでもよい。
同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒の固体剤形は、例えば、腸溶コーティングおよび医薬製剤分野で公知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルで調製することができる。これらは、場合により不透明化剤を含有していてもよく、およびまた、それらが腸管の特定の部分においてのみ、または優先的に、場合により遅延された様式で有効成分を放出する組成物であり得る。使用することができる包埋組成物は、ポリマー物質およびワックスを包含する。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることもできる。
上述したとおり、活性薬剤はまた、1または2以上の賦形剤と共にマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬製剤分野で公知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。かかる固体剤形において、活性薬剤は、例えばスクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合してもよい。かかる剤形はまた、通常の慣行どおり、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例え錠剤化潤滑剤および他の錠剤助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなども含んでいてもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合において、剤形はまた緩衝剤を含んでいてもよい。それらは任意に不透明化剤を含んでいてもよく、および、それらはまた、有効成分のみを放出するか、または、場合により遅延された様式で、腸管の特定の部分において、優先的に活性成分を放出する組成物であり得る。使用できる包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。
局所投与に好適な製剤は、液体または半液体製剤、例えば、リニメント剤、ローション剤、ゲル剤、アプリカント剤(applicant)、クリームなどの水中油型もしくは油中水型エマルジョン、軟膏、またはペーストなど;または滴剤などの溶液もしくは懸濁液を包含する。皮膚表面への局所投与のための製剤は、薬物をローション、クリーム、軟膏、または石鹸などの皮膚科学的に許容される担体で分散させることによって調製することができる。有用な担体は、皮膚上に膜または層を形成することができ、適用を局在化し、および除去を阻害する。内部組織表面への局所投与のために、薬剤は、液体組織接着剤中、または組織表面への吸着を増強することで知られている他の物質中に分散させることができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノーゲン/トロンビン溶液を有利に使用することができる。あるいは、ペクチン含有製剤などの組織コーティング溶液を使用することができる。眼科用製剤、点耳剤、および点眼剤もまた本発明の範囲内であることを意図する。さらに、本発明は、身体への薬剤の制御送達を提供するというさらなる利点を有する経皮パッチの使用を意図する。かかる剤形は、適切な媒体に薬剤を溶解または配合することによって作製することができる。吸収促進剤もまた、皮膚を通過する薬剤の流れを増加させるために使用することができる。速度は、速度制御膜を提供すること、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散することのいずれかによって、制御することができる。
さらに、局所用製剤のための担体は、含水アルコール系(例えば、液体およびゲル)、無水油もしくはシリコーンベース系、または限定するものではないが、水中油型、油中水型、水中油中水型およびシリコーン中水中油型エマルジョンを包含するエマルジョン系の形態であることができる。エマルジョンは、薄いローション(これはまた、スプレーまたはエアゾール送達に好適であり得る)、クリーム状ローション、ライトクリーム、ヘビークリームなどを包含する広い範囲の一貫性のあるものに及び得る。エマルジョンはまた、マイクロエマルジョン系を含み得る。他の好適な局所用担体は、無水固体および半固体(ゲルおよびスティックなど);ならび水性ベースムース系を包含する。
また、式(I)で表される化合物およびこれらの医薬組成物は、併用療法において使用され得ることが理解されるであろう、すなわち、該化合物および医薬組成物は、1または2以上の他の所望の治療法または医学的手技と同時に、前に、または後に、投与することができる。併用のレジメンにおいて用いる治療(治療法または医学的手技)の特定の組み合わせは、所望の治療法および/または手技と、達成すべき所望の治療効果との適合性を考慮に入れるであろう。また、用いる療法は同じ障害に対して所望の効果を達成し得ること、またはそれらが異なる効果(例えば、任意の副作用の制御)を達成し得ることもまた、理解されるであろう。
さらに別の側面において、本発明はまた、1または2以上の本発明の医薬組成物の成分を充填した1または2以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供し、ある態様において、併用療法としての使用のための追加の承認された治療薬を含む。任意にかかる容器に関連するものは、通知がヒト投与のための製造、使用または販売の機関による承認を反映する、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形式の通知であり得る。

本明細書に記載の本発明がより完全に理解されるために、以下の例を示す。なお、これらの例は例示のみを目的としたものであり、いかなる方法でも本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
例1 サンプル溶液の調製
デスフェリチオシン(DFT)類似体の合成
本発明において有用なデスフェリチオシン(DFT)の類似体およびこれらの塩は、当技術分野で公知の方法を用いて、容易に入手可能な出発物質から調製することができる。例えば、(S)−4’−(HO)−DADFT−norPE(III−A)および(S)−4’−(HO)−DADFT−PE(IV−A)は、PCT国際出願、2006年3月22日に出願され、WO2006/107626として公開されたPCT/US2006/010945、2010年8月25日に出願され、WO2011/028255として公開されたPCT/US2010/002336、および2007年8月4日に出願された米国特許出願U.S.S.N.11/973,001に記載された方法を用いて合成してもよく、これらの各々を参照により全体として本明細書に組み込む。
DFT類似体のモノナトリウム塩を含有する試料溶液の調製
本発明の方法において有用なDFT類縁体は、遊離酸形態からモノナトリウム塩形態に変換した。水に続いて、1当量の水酸化ナトリウムを遊離酸としてのDFT類縁体に添加した。得られたスラリーをDFT類似体が溶液になるまでボルテックス(vortex)または超音波処理した。さらに水を加え、溶液を再びボルテックスまたは超音波処理した。約7のpHを有する、形成された黄色溶液を、以下の例における試料溶液として使用した。DFT類似体の新鮮な試料溶液は、アッセイに使用される直前に作製することが好ましい。
例2 ラットモデルにおけるデスフェリチオシン類似体による酢酸誘発性大腸炎の予防
大腸炎の誘発
Sprague-Dawley雄ラット(250〜350g)をペントバルビタールナトリウム55mg/kgで腹腔内麻酔した。腹部を剃毛し、手術のために準備した。正中切開を行い、盲腸および近位結腸を体外に出した。可逆縫合糸は、盲腸および近位結腸の接合部に配置した。結腸は生理食塩水(10ml)で洗浄し、流体および腸内容物を穏やかに直腸から絞り出した。ガムベースの直腸プラグを挿入した。目的の化合物、またはコントロール動物における蒸留水(2ml)は、結紮糸のすぐ末端に結腸内注入した。盲腸および近位結腸を腹腔に戻した;化合物を30分間消化管中に残存させた。その後、再び盲腸および近位結腸を体外に出した。直腸プラグを除去し、薬物を穏やかに結腸から絞り出した。酢酸(4%、2ml)を15〜20秒の時間をかけて、近位結腸に注入した。酸は、1分を経過するまで(すなわち、酸投与終了後40〜45秒)腸内に残留させた。酸がないコントロールのラットは蒸留水(2ml)を受け、これは酢酸と同様の方法で投与した。その後空気(10ml)を近位結腸に注入し、酸または水を排出した。盲腸/結腸近位結紮糸を除去し、腸を腹腔に戻し、切開部を閉じた。動物を一晩回復させ、24時間後に殺した。結腸の全長を除去し、濃度測定的および生化学的の両方で損傷がないかを評価した。
酢酸誘発性大腸炎の定量
総損傷はApple iMacコンピューター上のPhotoshopベース画像解析(version 5.0, Adobe Systems, Mountain View, California, USA)を用いて定量した。Photoshopの選択メニューの自動選択ツール(Magic Wand tool)を使用して、明らかな損傷の領域にカーソルを合わせた。自動選択ツールの許容レベルを30に設定した。損傷領域は、選択メニューのSimilar commandを使用することによって自動的に選択した。その後、スポイトツールを、強調表示されたエリア内の損傷の範囲を決定するために使用した。個々の結腸画像を、空白のPhotoshopのページにコピーした。許容レベルを100に設定した自動選択ツールを、結腸試料中の全ての画素を選択するために使用した。そして、各縦線が輝度レベルに関連付けられたピクセルの数を表すグラフを生成するヒストグラムツールを、画像メニューで選択した。その後、レッドチャンネルを選択した。より色が濃いほど(損傷領域)、ヒストグラムの左側に表示され、より色が薄いほど(正常)、右側にある。その後、カーソルをヒストグラムの上に置き、前の工程で決定した色範囲を選択し、その範囲を包含するピクセルの数とパーセント損傷を自動的に定量した。
げっ歯類からのキレート剤の組織分布サンプルの採取
Sprague-Dawley雄ラット(250〜350g)に、300μmol/kgの用量で、経口的にキレート剤を与えた。0.5、1、2、4および8時間の時間で、各時点につきラットに投与した後(n=3)、動物をCOガスへの暴露により安楽死させた。血液は、クエン酸ナトリウムを含有するバキュテナー(Vacutainer)に心臓穿刺を介して得た。血液は遠心分離し、血漿を分析のために分離した。肝臓、心臓、膵臓、および腎臓を動物から取り出し、凍結させた。
例3 PO(経口)およびSC(皮下)投与後のラット血漿中のDFT類似体の濃度
Sprague-Dawley雄ラット(250〜350g)に、デフェリトリンのモノナトリウム塩である、(S)−4’−(HO)−DADFT−norPE(III−A)または(S)−4’−(HO)−DADFT−PE(IV−A)を、300μmol/kgの用量で、皮下注射または経口投与した。0.5、1、2、4および8時間の時間で、各時点につきラットに投与した後(n=3)、動物をCOガスへの暴露により安楽死させた。血液をクエン酸ナトリウムを含有するバキュテナーに心臓穿刺を介して得た。血液を遠心分離し、血漿を分析のために分離した。図2および3を参照。
例4 PO(経口)またはSC(皮下)投与後のラット血漿中および脳脊髄液中のDFT類似体の濃度
Sprague-Dawley成体雄ラット(450〜500g)を使用した。ラットは絶食させなかった。(S)−4’−(HO)−DADFT−norPE(III−A)または(S)−4’−(HO)−DADFT−PE(IV−A)のモノナトリウム塩の試料溶液を、300μmol/kgの経口または皮下投与で、ラットに投与した。ラットの血漿および脳脊髄液中のDFT類似体の濃度は、投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、および8時間で測定した。
例5 皮下投与後のラットの血漿中および眼中のDFT類似体の濃度
ラットは灌流しなかった。
ラットは投与後、約50分、ケタミン/キシラジンで麻酔した。投与後1時間後に、ラットの血液を緩衝液で処理したクエン酸ナトリウムを含有するバキュテナーチューブに心臓穿刺を介して収集した。ラットの眼を除去した。余分な組織をトリミングし、廃棄した。眼を凍結した。眼の全体を、その後処理し、DFT類似体の濃度について評価した。全血を遠心分離し、血漿を分離し、DFT類似体の濃度を決定するまで凍結した。
ラットは生理食塩水で灌流した。
ラットは、投与後約50分後、ケタミン/キシラジンで麻酔した。投与後1時間後に、ラットの血液を緩衝液で処理したクエン酸ナトリウムを含有するバキュテナーチューブに心臓穿刺を介して収集した。ラットの腹部と胸部を開き、胸骨/リブの一部を除去した。19ゲージ針をラットの左心室に挿入し、右心房を切断した。約100mlの生理食塩水を5分間経心的に灌流した。灌流を停止し、ラットの眼を除去した。余分な組織をトリミングし、廃棄した。眼を凍結した。眼の全体を、その後処理し、DFT類似体の濃度について評価した。全血を遠心分離し、血漿を分離し、DFT類似体の濃度を決定するまで凍結した。
Figure 2021185140
Figure 2021185140
前述の明細書は、当業者が本発明を実施するのを可能にするのに十分であると考えられる。実施例は、本発明の一側面の1つの例示を意図するものであって、他の機能的に等価な態様は本発明の範囲内にあるため、本発明は、提供した実施例による範囲に限定されるものではない。本明細書に示されたおよび記載されたものに加えて、本発明の様々な改変が、前述の記載から当業者に明らかになり、特許請求の範囲に含まれるであろう。本発明の利点および目的は、必ずしも本発明の各態様によって包含されてはいない。
本明細書で述べた全ての刊行物、特許出願および特許は、まるでそれぞれ個々の刊行物、特許出願、または特許が参照によって組み込まれることが具体的および個別に示されるかのように、本発明に関連する教示の開示のために全体を参照により組み込む。本明細書と、参照によって組み込まれる文献が矛盾する開示を含む場合には、本明細書が優先するものとする。

Claims (111)

  1. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、−[(CH−O]−[(CH−O]−R’またはアルキルであり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素またはアルキルであり;
    は、−OR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物または水和物の治療有効量を対象に投与することを含む、対象の黄斑変性症の処置方法。
  2. 化合物が、式(III):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  3. が−OR11である、請求項1に記載の方法。
  4. が−OHである、請求項1に記載の方法。
  5. が−CHである、請求項1に記載の方法。
  6. およびRがそれぞれ水素である、請求項1に記載の方法。
  7. 、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項1に記載の方法。
  8. 、R、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項1に記載の方法。
  9. が−[(CH−O]−R’であり;nが2〜4であり;およびxが1〜4である、請求項1に記載の方法。
  10. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが3であり;およびR’が−CHである、請求項1に記載の方法。
  11. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが2であり;およびR’が−CHである、請求項1に記載の方法。
  12. 化合物が、式(III−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  13. 化合物が、式(III−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  14. 化合物が、式(III−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  15. 化合物が、式(IV−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  16. 化合物が、式(IV−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  17. 化合物が、式(IV−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  18. 化合物が、式(V−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  19. 化合物が、式(V−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  20. 化合物が、式(V−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  21. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形の治療有効量を対象に投与することを含む、対象の閉鎖性頭部損傷の処置方法。
  22. 化合物が、式(III):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  23. が−OR11である、請求項21に記載の方法。
  24. が−OHである、請求項21に記載の方法。
  25. が−CHである、請求項21に記載の方法。
  26. およびRがそれぞれ水素である、請求項21に記載の方法。
  27. 、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項21に記載の方法。
  28. 、R、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項21に記載の方法。
  29. が−[(CH−O]−R’であり;nが2〜4であり;およびxが1〜4である、請求項21に記載の方法。
  30. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが3であり;およびR’が−CHである、請求項21に記載の方法。
  31. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが2であり;およびR’が−CHである、請求項21に記載の方法。
  32. 化合物が、式(III−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  33. 化合物が、式(III−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  34. 化合物が、式(III−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  35. 化合物が、式(IV−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  36. 化合物が、式(IV−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  37. 化合物が、式(IV−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  38. 化合物が、式(V−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  39. 化合物が、式(V−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  40. 化合物が、式(V−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項21に記載の方法。
  41. 閉鎖性頭部損傷が、脳震盪である、請求項21に記載の方法。
  42. 閉鎖性頭部損傷が、脳挫傷である、請求項21に記載の方法。
  43. 閉鎖性頭部損傷が、びまん性軸索損傷に関連している、請求項21に記載の方法。
  44. 閉鎖性頭部損傷が、頭蓋内血腫である、請求項21に記載の方法。
  45. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形の治療有効量を対象に投与することを含む、対象の脳卒中の処置方法。
  46. 化合物が、式(III):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  47. が−OR11である、請求項45に記載の方法。
  48. が−OHである、請求項45に記載の方法。
  49. が−CHである、請求項45に記載の方法。
  50. およびRがそれぞれ水素である、請求項45に記載の方法。
  51. 、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項45に記載の方法。
  52. 、R、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項45に記載の方法。
  53. が−[(CH−O]−R’であり;nが2〜4であり;およびxが1〜4である、請求項45に記載の方法。
  54. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが3であり;およびR’が−CHである、請求項45に記載の方法。
  55. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが2であり;およびR’が−CHである、請求項45に記載の方法。
  56. 化合物が、式(III−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  57. 化合物が、式(III−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  58. 化合物が、式(III−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  59. 化合物が、式(IV−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  60. 化合物が、式(IV−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  61. 化合物が、式(IV−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  62. 化合物が、式(V−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  63. 化合物が、式(V−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  64. 化合物が、式(V−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項45に記載の方法。
  65. 脳卒中が、出血性脳卒中である、請求項45に記載の方法。
  66. 脳卒中が、虚血性脳卒中である、請求項45に記載の方法。
  67. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形の治療有効量を対象に投与することを含む、対象の過敏性腸疾患の処置方法。
  68. 化合物が、式(III):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  69. が−OR11である、請求項67に記載の方法。
  70. が−OHである、請求項67に記載の方法。
  71. が−CHである、請求項67に記載の方法。
  72. およびRがそれぞれ水素である、請求項67に記載の方法。
  73. 、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項67に記載の方法。
  74. 、R、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項67に記載の方法。
  75. が−[(CH−O]−R’であり;nが2〜4であり;およびxが1〜4である、請求項67に記載の方法。
  76. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが3であり;およびR’が−CHである、請求項67に記載の方法。
  77. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが2であり;およびR’が−CHである、請求項67に記載の方法。
  78. 化合物が、式(III−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  79. 化合物が、式(III−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  80. 化合物が、式(III−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  81. 化合物が、式(IV−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  82. 化合物が、式(IV−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  83. 化合物が、式(IV−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  84. 化合物が、式(V−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  85. 化合物が、式(V−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  86. 化合物が、式(V−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項67に記載の方法。
  87. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形の治療有効量を対象に投与することを含む、対象の再灌流損傷の処置方法。
  88. 化合物が、式(III):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  89. が−OR11である、請求項87に記載の方法。
  90. が−OHである、請求項87に記載の方法。
  91. が−CHである、請求項87に記載の方法。
  92. およびRがそれぞれ水素である、請求項87に記載の方法。
  93. 、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項87に記載の方法。
  94. 、R、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項87に記載の方法。
  95. が−[(CH−O]−R’であり;nが2〜4であり;およびxが1〜4である、請求項87に記載の方法。
  96. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが3であり;およびR’が−CHである、請求項87に記載の方法。
  97. が−[(CH−O]−R’であり;nが2であり;xが2であり;およびR’が−CHである、請求項87に記載の方法。
  98. 化合物が、式(III−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  99. 化合物が、式(III−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  100. 化合物が、式(III−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  101. 化合物が、式(IV−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  102. 化合物が、式(IV−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  103. 化合物が、式(IV−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  104. 化合物が、式(V−A):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  105. 化合物が、式(V−B):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  106. 化合物が、式(V−C):
    Figure 2021185140

    で表されるものである、請求項87に記載の方法。
  107. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形、および任意に薬学的に許容される賦形剤を含む、黄斑変性症を処置することに使用するための医薬組成物。
  108. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形、および任意に薬学的に許容される賦形剤を含む、閉鎖性頭部損傷を処置することに使用するための医薬組成物。
  109. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形、および任意に薬学的に許容される賦形剤を含む、脳卒中を処置することに使用するための医薬組成物。
  110. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形、および任意に薬学的に許容される賦形剤を含む、過敏性腸疾患を処置することに使用するための医薬組成物。
  111. 式(I):
    Figure 2021185140

    式中、
    は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    は、水素、アルキルまたは−[(CH−O]−[(CH−O]−R’であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたは−OR10であり;
    、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキルまたは−OR12であり;
    は、−OR11または−SR11であり;
    10は、水素、アルキルまたはアシルであり;
    11は、水素またはアルキルであり;
    12は、水素またはアルキルであり;
    R’は、アルキルであり;
    各nの出現は、独立して1〜8の整数であり;
    xは、1〜8の整数であり;および
    yは、0〜8の整数である;
    で表される化合物、あるいはこの薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物または多形、および任意に薬学的に許容される賦形剤を含む、再灌流損傷を処置することに使用するための医薬組成物。
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