JP2021184089A - 調光部材及び調光装置 - Google Patents

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孝夫 池澤
Takao Ikezawa
憲一 坂本
Kenichi Sakamoto
博志 久保田
Hiroshi Kubota
弘毅 渡
Hiroki Wataru
朋也 川島
Tomoya Kawashima
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Abstract

【課題】外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりできる調光部材を提供すること。【解決手段】透過率を制御可能な調光部材1であって、第1基材6を有する第1積層体5Aと、第2基材15を有する第2積層体5Bと、第1積層体5A及び第2積層体5Bにより挟持される液晶層8と、を備え、第1積層体5Aは、第1基材6の液晶層8側に第1の電極パターンで分割された第1電極11を備え、第2積層体5Bは、第2基材15の液晶層8側に第2の電極パターンで分割された第2電極16を備え、平面視において、前記第1の電極パターンの平面形状と前記第2の電極パターンの平面形状とが異なる。【選択図】図1

Description

本発明は、調光部材及び調光装置に関する。
従来、例えば、車両のサイドガラス等に用いられる遮光手段として、共通の透明電極を備える透明基材と、複数に分割された透明電極を備える透明基材の間に液晶層を挟持した調光部材が知られている。この調光部材によれば、液晶に印加する電圧を変化させて液晶の配向を制御することにより、外光を遮光したり、透過させたりできる(特許文献1参照)。
特開2018−130981号公報
上記従来例の調光部材では、帯形状に分割された透明電極が縦方向に配列されているため、外光を透過させたり、遮光したりする方向は、ブラインドを開閉するような縦方向に限られていた。仮に、帯形状に分割された透明電極を横方向に配列させたとしても、外光を透過させたり、遮光したりする方向は、カーテンを開閉するような横方向に限られることになる。
本発明の目的は、外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりできる調光部材及び調光装置を提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜に改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、透過率を制御可能な調光部材(1)であって、第1基材(6)を有する第1積層体(5A)と、第2基材(15)を有する第2積層体(5B)と、前記第1積層体及び第2積層体により挟持される液晶層(8)と、を備え、前記第1積層体は、前記第1基材の前記液晶層側に第1の電極パターンで分割された第1電極(11)を備え、前記第2積層体は、前記第2基材の前記液晶層側に第2の電極パターンで分割された第2電極(16)を備え、平面視において、前記第1の電極パターンの平面形状と前記第2の電極パターンの平面形状とが異なる。
第2の発明は、第1の発明に係る調光部材であって、前記第1の電極パターン及び前記第2の電極パターンは、それぞれ縞状の電極パターンであり、前記第1電極と前記第2電極は、それぞれの前記縞状の電極パターンが交差している。
第3の発明は、第2の発明に係る調光部材であって、前記縞状の電極パターンは、直線状又は非直線状である。
第4の発明は、透過率を制御可能な調光部材(1A)であって、第1基材(6)を有する第1積層体(5A)と、第2基材(15)を有する第2積層体(5B)と、第3基材(20)を有する第3積層体(5C)と、前記第1積層体及び第3積層体により挟持される第1液晶層(9)と、前記第2積層体及び第3積層体により挟持される第2液晶層(10)と、を備え、前記第1積層体は、前記第1基材の前記第1液晶層側に、分割されていない第1共通電極(14)を備え、前記第2積層体は、前記第2基材の前記第2液晶層側に、分割されていない第2共通電極(23)を備え、前記第3積層体は、前記第3基材の前記第1液晶層側に、第1の電極パターンで分割された第1電極(18)を備えると共に、前記第3基材の前記第2液晶層側に、第2の電極パターンで分割された第2電極(21)を備える。
第5の発明は、透過率を制御可能な調光部材(1B)であって、第1基材(6)を有する第1積層体(5A)と、第2基材(15)を有する第2積層体(5B)と、第3基材(20)を有する第3積層体(5C)と、前記第1積層体及び第3積層体により挟持される第1液晶層(9)と、前記第2積層体及び第3積層体により挟持される第2液晶層(10)と、を備え、前記第1積層体は、前記第1基材の前記第1液晶層側に、第1の電極パターンで分割された第1電極(24)を備え、前記第2積層体は、前記第2基材の前記第2液晶層側に、第2の電極パターンで分割された第2電極(27)を備え、前記第3積層体は、前記第3基材の前記第1液晶層側に、分割されていない第1共通電極(25)を備えると共に、前記第3基材の前記第2液晶層側に、分割されていない第2共通電極(26)を備える。
第6の発明は、透過率を制御可能な調光部材(1C)であって、第1基材(6)を有する第1積層体(5A)と、第2基材(15)を有する第2積層体(5B)と、第3基材(20)を有する第3積層体(5C)と、前記第1積層体及び第3積層体により挟持される第1液晶層(9)と、前記第2積層体及び第3積層体により挟持される第2液晶層(10)と、を備え、前記第1積層体は、前記第1基材の前記第1液晶層側に、分割されていない第1共通電極(28)を備え、前記第2積層体は、前記第2基材の前記第2液晶層側に、第2の電極パターンで分割された第2電極(32)を備え、前記第3積層体は、前記第3基材の前記第1液晶層側に、第1の電極パターンで分割された第1電極(29)を備えると共に、前記第3基材の前記第2液晶層側に、分割されていない第2共通電極(31)を備える。
第7の発明は、第4〜第6までのいずれかの発明に係る調光部材であって、前記第1の電極パターン及び前記第2の電極パターンは、それぞれ縞状の電極パターンであり、前記第1電極と前記第2電極は、それぞれの前記縞状の電極パターンが交差している。
第8の発明は、第7の発明に係る調光部材であって、前記縞状の電極パターンは、直線状又は非直線状である。
第9の発明は、第1〜8までのいずれの発明に係る調光部材であって、前記調光部材は、乗り物(40)のサイドウィンドウ(41)、リアウィンドウ及びルーフウィンドウの少なくとも1つに設けられる。
第10の発明は、第1透明基板と、前記第1透明基板と対向して配置される第2透明基板と、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に設けられる、上記第1〜8までのいずれかの発明に係る前記調光部材と、を備える調光装置に関する。
本発明に係る調光部材及び調光装置によれば、外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりすることができる。
第1実施形態の調光フィルム1の概略構成を示す断面図である。 調光フィルム1の構成を説明する図である。 (A)、(B)は、調光フィルム1の構成を説明する図である。 調光フィルム1が配置される車両40と調光フィルム1の駆動装置を説明する図である。 (A)〜(C)は、調光フィルム1の使用例を説明する図である。 第2実施形態の調光フィルム1Aの概略構成を示す断面図である。 第3実施形態の調光フィルム1Bの概略構成を示す断面図である。 第4実施形態の調光フィルム1Cの概略構成を示す断面図である。 (A)〜(D)は、第2実施形態における第3積層体5Cの第1の製造方法を説明する図である。 (E)〜(H)は、第2実施形態における第3積層体5Cの第1の製造方法を説明する図である。 (A)〜(D)は、第2実施形態における第3積層体5Cの第2の製造方法を説明する図である。 (A)、(B)は、第1変形形態の調光フィルム1Dの構成を説明する図である。 (A)、(B)は、第2変形形態の調光フィルム1Eの構成を説明する図である。
以下、本開示の実施形態について説明する。なお、本明細書に添付した図面は、いずれも模式図、概念図等であり、理解しやすさ等を考慮して、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更又は誇張している。
本明細書等において、形状、幾何学的条件、これらの程度を特定する用語、例えば、「方向」等の用語については、その用語の厳密な意味に加えて、概ねその方向とみなせる範囲を含む。
なお、調光フィルム1の左右方向、上下方向等は特に規定されないが、本明細書等においては、調光フィルム1の各方向をX、Y、Zの互いに直交する座標軸に基づいて説明する。具体的には、調光フィルム1を車両40(図4参照)のサイドウィンドウ41A〜41D(以下、単に「サイドウィンドウ」ともいう)に配置した状態を基準として、調光フィルム1のフィルム面に平行であり、互いに直交する2方向をX方向とY方向とする。このうち、図1〜3の左右方向をX(X1−X2)方向、X方向に直交する図2、3の上下方向をY(Y1−Y2)方向、フィルム面(X−Y面)と直交する厚み方向をZ(Z1−Z2)方向とする。また、調光フィルム1は、車両40(図4参照)のサイドウィンドウに適用される場合、Z方向のZ1側が車外側、Z2側が車内側となるように配置されるものとする。また、本明細書においては、「〜方向」を適宜に「〜側」ともいう。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の調光フィルム1の概略構成を示す断面図である。
図2及び図3(A)、(B)は、調光フィルム1の構成を説明する図である。図2は、調光フィルム1をZ1方向から見たときの平面図である。図3(A)は、第1積層体5AをZ1方向から見たときの平面図である。図3(B)は、第2積層体5BをZ1方向から見たときの平面図である。図2及び図3(A)、(B)では、電極同士が重なり合う箇所を除いて、各部材の輪郭を実線で示している。
なお、調光フィルム1を車両40に配置する場合、調光フィルム1は、サイドウィンドウ41A〜41D(図4参照)の形状に合うように作製される。したがって、調光フィルム1を車両40に適用した場合、断面視において平坦状でなく曲面状となったり、平面視において様々な形状となり得るが、ここでは、電極パターン等の形状を分かり易くするため、調光フィルム1を矩形状(正方形)とした例について説明する。なお、平面視とは、例えば、調光フィルム1をZ1方向から見たときをいう。また、図2及び図3(A)、(B)では、液晶層、配向層等の図示を省略する。
調光フィルム1は、透明電極11、16(後述)に印加する電圧により、液晶層8における液晶分子の配向を制御して、光の透過率を調整可能なフィルム状の部材である。図1に示すように、調光フィルム1は、第1積層体5A及び第2積層体5Bと、これらの積層体により挟持される液晶層8により構成される。
第1積層体5Aは、基材(第1基材)6に、透明電極(第1電極)11、配向層13を備える。透明電極11は、後述する第1の電極パターンに従って、図3(A)に示すように、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極11A〜11Fに分割されている。本実施形態において、第1の電極パターンは、X方向に沿って分割され、Y方向に沿って延在する縞状の電極パターンである。なお、本実施形態では、説明の都合上、透明電極11及び16をそれぞれ6分割した例について説明するが、透明電極11及び16の分割数は、6に限定されない。
第2積層体5Bは、基材(第2基材)15に、透明電極(第2電極)16、配向層17を備える。透明電極16は、後述する第2の電極パターンに従って、図3(B)に示すように、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極16A〜16Fに分割されている。本実施形態において、第2の電極パターンは、Y方向に沿って分割され、X方向に沿って延在する縞状の電極パターンである。
上述のように、平面視において、第1積層体5Aの透明電極11の第1の電極パターンの平面形状と、第2積層体5Bの透明電極16の第2の電極パターンの平面形状は、互いに異なる。すなわち、第1の電極パターンと第2の電極パターンは、それぞれ縞状の電極パターンではあるが、調光フィルム1を平面視した場合に、2つの電極パターンはXY軸上において90°で互いに交差するような平面形状となる。そのため、図2に示すように、調光フィルム1を平面視した場合に、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fと第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fは、互いに90°で交差する。
後述するように、調光フィルム1は、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fに対応する領域毎に透過率を制御することもできるし、第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fに対応する領域毎に透過率を制御することもできる。また、調光フィルム1は、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fと第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fとが互いに交差する領域(以下、「ブロック領域」ともいう)毎に透過率を選択的に制御することもできる。
基材6、15としては、種々の透明樹脂フィルムを用いることができるが、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。
透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PEF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテル(PE)、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂が挙げられる。
特に、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂が好ましい。
本実施形態において、基材6、15は、例えば、厚み125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)が適用されるが、種々の厚みの透明樹脂フィルムを適用することができる。
上述した透明電極11、16は、上記透明樹脂フィルムと透明樹脂フィルムに積層される透明導電膜から構成される。
透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO2)系としては、ネサ(酸化錫SnO2)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。
酸化インジウム(In2O3)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zic Oxide)が挙げられる。
酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
本実施形態では、ITO(Indium Tin Oxide)により透明導電膜を形成した例について説明する。上述のように、本実施形態の透明電極11及び16は、それぞれ複数の部分電極に分割されている。このような部分電極は、例えば、基材上の全面に透明導電膜を形成した後、前述した第1の電極パターンや第2の電極パターンに従って、透明導電膜をパターニングすることにより形成することができる。この場合、配向層13、17(後述)は、パターニングした透明導電膜の全面に形成される。このほか、基材上の全面に透明導電膜、配向層の順に各層を形成した後、配向層ごと不要な部分の透明導電膜をパターニングしてもよい。
スペーサ12は、液晶層8の厚みを規定するために設けられる部材である。スペーサ12としては、各種の樹脂材料を広く適用することができる。そのため、本実施形態では、スペーサ12として、球状スペーサ(以下、「ビーズスペーサ」ともいう)を用いる例について説明するが、スペーサ12は、例えば、柱状スペーサであってもよい。
スペーサ12に用いられるビーズスペーサは、液晶表示装置やカラーフィルタ等に用いられる公知のビーズを適用することができる。具体的には、無機系成分ではガラス、シリカ、金属酸化物(MgO、Al2O3)等、有機系成分としてはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリルエステル共重合体、ジアクリルフタレート共重合体、アリルイソシアヌレート共重合体等の材料系の懸濁重合や乳化重合、乳化重合で得られたコア粒子を用いるシード重合法等の重合法によって得られた球状、円柱体、円筒状等の粒状体や、多孔質体、中空体等を使用することができる。
また、配向層上におけるビーズの分散性や、密着性を向上させる観点から、ビーズスペーサの表面に表面処理を行うようにしてもよい。表面の被覆材料としては、ビーズ表面への固定化や、液晶材料中への化学物質の流出が問題とならなければ、とくに限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリメチル(メタ)アクリレート重合体、SBS型スチレン/ブタジエンブロック共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等を用いることができる。
配向層13、17は、光配向層により形成されている。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができ、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。
本実施形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型の材料の具体例としては、例えば、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
なお、光配向層に代えてラビング処理により配向層を作製してもよく、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
液晶層8としては、例えば、ゲストホスト液晶組成物、二色性色素組成物を適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にカイラル剤を含有させることにより、液晶分子を水平配向させた場合に、液晶層8の厚み方向(Z方向)に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。
調光フィルム1は、電界印加時において、ゲストホスト液晶組成物の配向により遮光状態となるように、配向層13、17の配向規制力を設定した垂直配向層により構成される。これにより、調光フィルム1は、ノーマリークリアとして構成される。ノーマリークリアとは、無電界時に透過状態となり、電界印加時に遮光状態となる構造をいう。なお、電界印加時に遮光状態となるように、ノーマリーダークとして構成してもよい。ノーマリーダークとは、無電界時に遮光状態となり、電界印加時に透過状態となる構造をいう。
本実施形態では、液晶層8として、ゲストホスト液晶組成物を適用した例について説明したが、電界印加の有無により透過状態及び遮光状態を制御可能であれば、他の液晶組成物を適用してもよい。
調光フィルム1には、平面視で液晶層8を囲む枠状に、シール材7が配置される。シール材7により第2積層体5B、第1積層体5Aが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材7は、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
調光フィルム1は、透明電極11、16に、所定周期で極性が切り替わる矩形波の交流電圧が印加され、この交流電圧により液晶層8に電界が形成される。また、この電界により液晶層8に設けられた液晶分子の配向が制御され、透過光が制御される。
図4は、調光フィルム1が配置される車両40と調光フィルム1の駆動装置を説明する図である。図4では、車両40を側方から見たときの車両全体を示している。
本実施形態の調光フィルム1は、車両(乗り物)40の前席サイドウィンドウ41A、後席サイドウィンドウ41B、前席サイドウィンドウ41C、後席サイドウィンドウ41Dのほぼ全面にそれぞれ配置される。本実施形態の調光フィルム1は、上記サイドウィンドウを構成する2つのガラス板(不図示)に挟持される。すなわち、上記サイドウィンドウは、ガラス板からなる第1透明基板と、この第1透明基板と対向して配置されるガラス板からなる第2透明基板との間に調光フィルム1を設けた合わせガラス(調光装置)として構成されている。なお、前席サイドウィンドウ41C、後席サイドウィンドウ41Dについては、位置のみを矢印で示している。本実施形態の調光フィルム1は、可塑性を有するため、湾曲した形状のサイドウィンドウ等に配置することができる。
調光フィルム1は、各サイドウィンドウ41A〜41Dに対して、それぞれ個別に駆動のための電力を供給可能に構成される。そのため、各サイドウィンドウ41A〜41Dは、個別に透過率を制御することができる。すなわち、各サイドウィンドウ41A〜41Dに調光フィルム1を配置することにより、各サイドウィンドウ41A〜41Dにおいて、必要に応じて外光を透過させて車内に取り入れたり、車内に入射する外光を遮光したりすることができる。
車両40は、上述の各サイドウィンドウ41A〜41Dに配置された調光フィルム1の駆動装置として、操作情報取得部42、電源部43及び駆動制御部44を備えている。
操作情報取得部42は、運転者のほか、助手席、後部座席等に着座している乗員(以下、「運転者等」ともいう)がサイドウィンドウ41A〜41Dから入射する外光の光量を調節する際に操作する装置であり、例えば、タッチパネルにより構成される。運転者等は、ドアサイドに設けられたタッチパネルを操作して、サイドウィンドウ41A〜41Dから入射する外光の光量を同時に又は個別に調節することができる。
電源部43は、駆動制御部44に電力を供給する電源装置である。
駆動制御部44は、電源部43から供給される電力により、調光フィルム1に印加する交流電圧を制御して、調光フィルム1の透過率を制御する装置である。これにより、サイドウィンドウ41A〜41D(図4参照)のそれぞれにおいて、外光を遮光して車外から車内を視認されにくくしたり、外光を透過させて車内から車外を視認しやすくしたりできる。
図示していないが、駆動制御部44は、調光フィルム1の透明電極11及び16に矩形波の交流電圧を印加する駆動回路と、この駆動回路の動作を制御するプロセッサユニットとから構成される。プロセッサユニットは、プロセッサ、ROM、RAM等を備える制御装置である。プロセッサユニットにおいて、プロセッサ(CPU)は、ROMに格納された調光フィルム1の制御プログラムを読み出して実行することにより、上述した駆動回路の動作を制御する。
次に、上記のように構成された調光フィルム1の使用例について説明する。
図5(A)〜(C)は、調光フィルム1の使用例を説明する図である。前述したように、車両40に配置される調光フィルム1は、ウィンドウの形状に合うように作製されるが、図5(A)〜(C)では、説明を分かり易くするため、調光フィルム1を矩形状とした例について説明する。図5(A)〜(C)において、「斜線」の部分は、調光フィルム1において外光が遮光された部分を示している。「白色」の部分は、調光フィルム1において、外光が透過している部分を示している。また、図5(A)〜(C)では、部分電極により遮光及び透過される領域を模式的に示している。
図5(A)は、調光フィルム1の遮光及び透過を横方向に変化させる形態を説明する図である。例えば、調光フィルム1の全面が遮光(透過)状態である場合に、調光フィルム1をX1側からX2側に向けて順番に透過(遮光)状態とするには、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fにおいて、最もX1側の部分電極11Aから最もX2側の部分電極11Fに向けて順番に通電を制御する。これにより、図5(A)に示すように、調光フィルム1は、横方向のX1側からX2側に向けて順番に透過(遮光)状態となる。図5(A)では、調光フィルム1において、部分電極11A〜11Cに対応する領域までが遮光状態から透過状態に変化した様子を示している。一方、調光フィルム1を透過から遮光に変化させた場合、図5(A)において、部分電極11A〜11Cに対応する領域までが透過状態から遮光状態に変化する。なお、図5(A)では、第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fの図示を省略している。
また、調光フィルム1の全面が遮光(透過)状態である場合に、調光フィルム1をX2側からX1側に向けて順番に透過(遮光)状態とするには、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fにおいて、最もX2側の部分電極11Fから最もX1側の部分電極11Aに向けて順番に通電を制御すればよい。
本制御形態によれば、調光フィルム1において、カーテンを開閉するように横方向の外光の遮光及び透過を制御することができる。そのため、例えば、搭乗者が外の景色を少しだけ見たい場合には、上記のように調光フィルム1の遮光状態及び透過状態を横方向に沿って順番に変化させることにより、必要な範囲だけ外光の透過させることができる。
図5(B)は、調光フィルム1の遮光及び透過を縦方向に変化させる形態を説明する図である。例えば、調光フィルム1の全面が遮光(透過)状態である場合に、調光フィルム1をY2側からY1側に向けて順番に透過(遮光)状態とするには、第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fにおいて、最もY2側の部分電極16Aから最もY1側の部分電極16Fに向けて順番に通電を制御する。これにより、図5(B)に示すように、調光フィルム1は、縦方向のY2側からY1側に向けて順番に透過(遮光)状態となる。図5(B)では、調光フィルム1において、部分電極16A〜16Cに対応する領域までが遮光状態から透過状態に変化した様子を示している。一方、調光フィルム1を透過から遮光に変化させた場合、図5(B)において、部分電極16A〜16Cに対応する領域までが透過状態から遮光状態に変化する。なお、図5(B)では、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fの図示を省略している。
また、調光フィルム1の全面が遮光(透過)状態である場合に、調光フィルム1をY1側からY2側に向けて順番に透過(遮光)状態とするには、第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fにおいて、最もY1側の部分電極16Fから最もY2側の部分電極16Aに向けて順番に通電を制御すればよい。
本制御形態によれば、調光フィルム1において、ブラインドを開閉するように縦方向に外光の遮光及び透過を制御することができる。そのため、例えば、搭乗者が日差しを遮りつつ、外の景色を見たい場合には、上記のように調光フィルム1の遮光状態及び透過状態を縦方向に沿って順番に変化させることにより、日差しが当たる範囲を遮光しつつ、必要な範囲だけ外光を透過させることができる。
調光フィルム1は、上記制御形態のほか、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fと第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fとが互いに交差するブロック領域の透過率を、選択的に制御することもできる(但し、通電される部分電極が互いに交差する位置のブロック領域は、すべて制御の対象となる)。
図5(C)は、調光フィルム1の中央部分を透過させ、その周囲を遮光した形態を説明する図である。図5(C)に示すように、調光フィルム1は、複数のブロック領域を選択的に透過又は遮光した形態で使用することができる。図5(C)に示すような形態とするには、例えば、第1積層体5Aの部分電極11C及び11Dを通電可能状態とし、第2積層体5Bの部分電極16C及び16Dの通電を制御すればよい。これにより、図5(C)に示すように、調光フィルム1の中央部分が透過し、その周囲が遮光した形態とすることができる。
図5(C)において、透過した領域は、更に複数あってもよい。また、図5(C)に示す形態おいて、透過(又は遮光)した領域は、中央部分に限らず、どの位置にも形成することができる。更に、透過(又は遮光)した領域の形状は、矩形状に限らず、例えば、横方向又は縦方向に延びる帯状であってもよい。
上述したように、第1実施形態の調光フィルム1は、カーテンを開閉するように横方向に外光の遮光及び透過を制御したり、ブラインドを開閉するように縦方向に外光の遮光及び透過を制御したりすることができる。また、第1実施形態の調光フィルム1は、外光の遮光及び透過を選択的に制御することもできる。したがって、第1実施形態の調光フィルム1は、外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりすることができる。
なお、第1実施形態の調光フィルム1において、透明電極11の第1電極パターンの平面形状と透明電極16の第2電極パターンの平面形状は、逆であってもよい。すなわち、第1の電極パターンが、Y方向に沿って分割され、X方向に沿って延在する縞状の電極パターンであり、第2の電極パターンが、X方向に沿って分割され、Y方向に沿って延在する縞状の電極パターンであってもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態の調光フィルム1Aは、第3積層体5Cを備える点が第1実施形態と相違する。第2実施形態の調光フィルム1Aにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、図6においては、第2実施形態の特徴的な構成を示す断面図のみを図示し、その他の図示を省略する。また、第2実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同等の機能を果たす部材等については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、積層体については、一部の構成を除いて、第1実施形態と同一の符号を付している。
図6は、第2実施形態の調光フィルム1Aの概略構成を示す断面図である。
第2実施形態の調光フィルム1Aは、第1積層体5A、第2積層体5B及び第3積層体5Cと、第1液晶層9及び第2液晶層10により構成される。
第1積層体5Aは、基材(第1基材)6に、共通透明電極(第1共通電極)14、配向層13を備える。共通透明電極14は、基材6上の全面に形成された透明導電膜である。共通透明電極14は、例えば、ITOにより形成される。
第2積層体5Bは、基材(第2基材)15に、共通透明電極(第2共通電極)23、配向層17を備える。共通透明電極23は、基材15上の全面に形成された透明導電膜である。共通透明電極23は、例えば、ITOにより形成される。
第3積層体5Cは、第1積層体5Aと第2積層体5Bとの間に配置される積層体である。第3積層体5Cは、基材(第3基材)20のZ1側に、透明電極(第1電極)18、配向層19を備えると共に、基材20のZ2側に、透明電極(第2電極)21、配向層22を備える。
透明電極18は、第1実施形態と同じ第1の電極パターンに従って、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極18A〜18Fに分割されている。すなわち、図3(A)に示す部分電極11A〜11Fを、部分電極18A〜18Fに置き換えたものである。部分電極18A〜18Fは、部分電極11A〜11Fと同じく、X方向に沿って分割され、Y方向に沿って延在している。配向層19は、例えば、第1積層体5Aの配向層13と同じである。
透明電極21は、第1実施形態と同じ第2の電極パターンに従って、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極21A〜21Fに分割されている。すなわち、図3(B)に示す部分電極16A〜16Fを、部分電極21A〜21Fに置き換えたものである。部分電極21A〜21Fは、部分電極16A〜16Fと同じく、Y方向に沿って分割され、X方向に沿って延在している。配向層22は、例えば、第1積層体5Aの配向層13と同じである。
調光フィルム1Aの液晶セル4において、第1積層体5Aと第3積層体5Cとの間には、第1液晶層9が挟持される。第2積層体5Bと第3積層体5Cとの間には、第2液晶層10が挟持される。第1液晶層9及び第2液晶層10は、例えば、第1実施形態の液晶層8と同じである。
第2実施形態において、第3積層体5CのZ1側に設けられた透明電極18を部分電極18A〜18Fに分割する第1の電極パターンと、第3積層体5CのZ2側に設けられた透明電極21を部分電極21A〜21Fに分割する第2の電極パターンは、第1実施形態と同じ電極パターンであり、XY軸上において90°で互いに交差している。そのため、調光フィルム1Aにおいて、第3積層体5Cの部分電極18A〜18Fと第3積層体5Cの部分電極21A〜21Fは、例えば、図2に示す調光フィルム1と同じく、互いに90°で交差する。
第2実施形態の調光フィルム1Aは、第1実施形態と同じく、カーテンを開閉するように横方向の外光の遮光及び透過を制御したり、ブラインドを開閉するように縦方向に外光の遮光及び透過を制御したりすることができる。また、第2実施形態の調光フィルム1Aは、通電する部分電極を適宜に選択することにより、通電された部分電極同士が交差する領域において外光の遮光及び透過を制御することができる。したがって、第2実施形態の調光フィルム1Aは、外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりすることができる。
また、第2実施形態の調光フィルム1Aは、1つの第3積層体5Cの両面に部分電極18A〜18Fと部分電極21A〜21Fとをそれぞれ形成するため、調光フィルム1Aを組み立てる際の部分電極18A〜18Fと部分電極21A〜21Fとの位置合わせが不要となる。第2実施形態の第3積層体5C(調光フィルム1A)を、後述する第5実施形態の第1の製造方法又は第6実施形態の第2の製造方法で製造することにより、基材20上に部分電極18A〜18Fと部分電極21A〜21Fとを、より精度の良い位置関係となるよう、形成することができる。
なお、第2実施形態の調光フィルム1Aにおいて、透明電極18の第1電極パターンの平面形状と透明電極21の第2電極パターンの平面形状は、逆であってもよい。すなわち、第1の電極パターンが、Y方向に沿って分割され、X方向に沿って延在する縞状の電極パターンであり、第2の電極パターンが、X方向に沿って分割され、Y方向に沿って延在する縞状の電極パターンであってもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態の調光フィルム1Bは、分割された透明電極及び共通電極の配置が第2実施形態と相違する。第3実施形態の調光フィルム1Bにおいて、その他の構成は、第2実施形態と同じである。そのため、図7においては、第3実施形態の特徴的な構成を示す断面図のみを図示し、その他の図示を省略する。また、第3実施形態の説明及び図面において、第1及び第2実施形態と同等の機能を果たす部材等については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、積層体については、一部の構成を除いて、第1及び第2実施形態と同一の符号を付している。
図7は、第3実施形態の調光フィルム1Bの概略構成を示す断面図である。
第3実施形態の調光フィルム1Bは、第1積層体5A、第2積層体5B及び第3積層体5Cと、第1液晶層9及び第2液晶層10により構成される。
第1積層体5Aは、基材(第1基材)6に、透明電極(第1電極)24、配向層13を備える。透明電極24は、第1実施形態と同じ第1の電極パターンに従って、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極24A〜24Fに分割されている。すなわち、図3(A)に示す部分電極11A〜11Fを、部分電極24A〜24Fに置き換えたものである。部分電極24A〜24Fは、部分電極11A〜11Fと同じく、X方向に沿って分割され、Y方向に沿って延在している。透明電極24は、例えば、ITOにより形成される。
第2積層体5Bは、基材(第2基材)15に、透明電極(第2電極)27、配向層17を備える。透明電極27は、第1実施形態と同じ第2の電極パターンに従って、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極27A〜27Fに分割されている。すなわち、図3(B)に示す部分電極16A〜16Fを、部分電極27A〜27Fに置き換えたものである。部分電極27A〜27Fは、第1実施形態の部分電極16A〜16Fと同じく、Y方向に沿って分割され、X方向に沿って延在している。透明電極27は、例えば、ITOにより形成される。
第3積層体5Cは、基材(第3基材)20のZ1側に、共通透明電極(第1共通電極)25、配向層19を備えると共に、基材20のZ2側に、共通透明電極(第2共通電極)26、配向層22を備える。共通透明電極25は、基材20のZ1側の全面に形成された透明導電膜である。共通透明電極26は、基材20のZ2側の全面に形成された透明導電膜である。共通透明電極25及び26は、例えば、ITOにより形成される。
第3実施形態において、第1積層体5Aに設けられた透明電極24を部分電極24A〜24Fに分割する第1の電極パターンと、第2積層体5Bに設けられた透明電極27を部分電極27A〜27Fに分割する第2の電極パターンは、第1実施形態と同じ電極パターンであり、XY軸上において90°で互いに交差している。そのため、調光フィルム1Bにおいて、第1積層体5Aの部分電極24A〜24Fと第2積層体5Bの部分電極27A〜27Fは、例えば、図2に示す調光フィルム1と同じく、互いに90°で交差する。
第3実施形態の調光フィルム1Bは、第1実施形態と同じく、カーテンを開閉するように横方向の外光の遮光及び透過を制御したり、ブラインドを開閉するように縦方向に外光の遮光及び透過を制御したりすることができる。また、第3実施形態の調光フィルム1Bは、通電する部分電極を適宜に選択することにより、通電された部分電極同士が交差する領域において外光の遮光及び透過を制御することができる。したがって、第3実施形態の調光フィルム1Bは、外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりすることができる。
なお、第3実施形態の調光フィルム1Bにおいて、透明電極24の第1電極パターンの平面形状と透明電極27の第2電極パターンの平面形状は、逆であってもよい。すなわち、第1の電極パターンが、Y方向に沿って分割され、X方向に沿って延在する縞状の電極パターンであり、第2の電極パターンが、X方向に沿って分割され、Y方向に沿って延在する縞状の電極パターンであってもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態の調光フィルム1Cは、分割された透明電極及び共通電極の配置が第2実施形態と相違する。第4実施形態の調光フィルム1Cにおいて、その他の構成は、第2実施形態と同じである。そのため、図8においては、第4実施形態の特徴的な構成を示す断面図のみを図示し、その他の図示を省略する。また、第4実施形態の説明及び図面において、第1及び第2実施形態と同等の機能を果たす部材等については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、積層体については、一部の構成を除いて、第1及び第2実施形態と同一の符号を付している。
図8は、第4実施形態の調光フィルム1Cの概略構成を示す断面図である。
第3実施形態の調光フィルム1Cは、第1積層体5A、第2積層体5B及び第3積層体5Cと、第1液晶層9及び第2液晶層10により構成される。
第1積層体5Aは、基材(第1基材)6に、共通透明電極(第1共通電極)28、配向層13を備える。共通透明電極28は、基材6上の全面に形成された透明導電膜である。共通透明電極28は、例えば、ITOにより形成される。
第2積層体5Bは、基材(第2基材)15に、透明電極(第2電極)32、配向層17を備える。透明電極32は、第1実施形態と同じ第2の電極パターンに従って、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極32A〜32Fに分割されている。すなわち、図3(B)に示す部分電極16A〜16Fを、部分電極32A〜32Fに置き換えたものである。部分電極32A〜32Fは、第1実施形態の部分電極16A〜16Fと同じく、Y方向に沿って分割され、X方向に沿って延在している。透明電極32は、例えば、ITOにより形成される。
第3積層体5Cは、基材(第3基材)20のZ1側に、透明電極(第1電極)29、配向層19を備える。透明電極29は、第1実施形態と同じ第1の電極パターンに従って、それぞれ電気的に分割された複数の部分電極29A〜29Fに分割されている。すなわち、図3(A)に示す部分電極11A〜11Fを、部分電極29A〜29Fに置き換えたものである。部分電極29A〜29Fは、部分電極11A〜11Fと同じく、X方向に沿って分割され、Y方向に沿って延在している。透明電極29は、例えば、ITOにより形成される。また、第3積層体5Cは、基材20のZ2側に、共通透明電極(第2共通電極)31、配向層22を備える。共通透明電極31は、基材20のZ2側の全面に形成された透明導電膜である。共通透明電極31は、例えば、ITOにより形成される。
第4実施形態において、第3積層体5Cに設けられた透明電極29を部分電極29A〜29Fに分割する第1の電極パターンと、第2積層体5Bに設けられた透明電極32を部分電極32A〜32Fに分割する第2の電極パターンは、第1実施形態と同じ電極パターンであり、XY軸上において90°で互いに交差している。そのため、調光フィルム1Cにおいて、第3積層体5Cの部分電極29A〜29Fと第2積層体5Bの部分電極32A〜32Fは、例えば、図2に示す調光フィルム1と同じく、互いに90°で交差する。
第4実施形態の調光フィルム1Cは、第1実施形態と同じく、カーテンを開閉するように横方向の外光の遮光及び透過を制御したり、ブラインドを開閉するように縦方向に外光の遮光及び透過を制御したりすることができる。また、第4実施形態の調光フィルム1Cは、通電する部分電極を適宜に選択することにより、通電された部分電極同士が交差する領域において外光の遮光及び透過を制御することができる。したがって、第4実施形態の調光フィルム1Cは、外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりすることができる。
なお、第4実施形態の調光フィルム1Cにおいて、透明電極29の第1電極パターンの平面形状と透明電極32の第2電極パターンの平面形状は、逆であってもよい。すなわち、第1の電極パターンが、Y方向に沿って分割され、X方向に沿って延在する縞状の電極パターンであり、第2の電極パターンが、X方向に沿って分割され、Y方向に沿って延在する縞状の電極パターンであってもよい。
(第5実施形態)
次に、第2実施形態(調光フィルム1A)における第3積層体5Cの第1の製造方法について説明する。図9(A)〜(D)及び図10(E)〜(H)は、第2実施形態における第3積層体5Cの第1の製造方法を説明する図である。なお、第5実施形態の説明及び図面において、第2実施形態と同等の部材等には、第2実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を適宜に省略する。また、図9(A)〜(D)及び図10(E)〜(H)では、XYZの座標軸を図示していないが、図6に示す座標系と同様に、図の下側をZ1側、上側をZ2側として説明する。
まず、図9(A)に示すように、基材20のZ1側に第1透明導電膜180を形成し、Z2側に第2透明導電膜210を形成する。第1透明導電膜180は、部分電極18A〜18F(図6参照)となる透明導電膜である。第2透明導電膜210は、部分電極21A〜21F(図6参照)となる透明導電膜である。
次に、図9(B)に示すように、第1透明導電膜180の表面に第1レジスト膜181を形成し、第2透明導電膜210の表面に第2レジスト膜211を形成する。以下の説明では、図9(B)に示すように、第1透明導電膜180、第2透明導電膜210、第1レジスト膜181、第2レジスト膜211が形成された基材20を「中間積層体120」ともいう。
次に、図9(C)に示すように、第1フォトマスク51を中間積層体120の第1レジスト膜181の側に配置し、第2フォトマスク52を中間積層体120の第2レジスト膜211の側に配置する。第1フォトマスク51は、第1の電極パターンに対応した第1マスクパターンを有するフォトマスクである。第2フォトマスク52は、第2の電極パターンに対応した第2マスクパターンを有するフォトマスクである。第1フォトマスク51と第2フォトマスク52は、それぞれのマスクパターンが高精度に位置合わせされている。なお、第2実施形態の第3積層体5Cにおいて、部分電極18A〜18Fと部分電極21A〜21Fは、平面視において互いに90°交差しているが、図9(C)〜(H)では、パターニングされたレジストの形状を分かり易くするため、同じ方向に延在している形態で図示している。
次に、図9(C)に示すように、第1フォトマスク51の側から、中間積層体120の第1レジスト膜181に向けて紫外線UVaを照射する。同時に、第2フォトマスク52の側から、中間積層体120の第2レジスト膜211に向けて紫外線UVbを照射する。第1レジスト膜181において、第1フォトマスク51の透過部分(白地)に対応する領域は、紫外線UVaの照射により硬化する。一方、第1レジスト膜181において、第1フォトマスク51の遮光部分(黒地)に対応する領域は、紫外線UVaが照射されないために未硬化となる。同様に、第2レジスト膜211において、第2フォトマスク52の透過部分に対応する領域は、紫外線UVbの照射により硬化する。一方、第2レジスト膜211において、第2フォトマスク52の遮光部分に対応する領域は、紫外線UVbが照射されないために未硬化となる。
第3積層体5Cの第1の製造方法において、紫外線UVa、UVbの積算光量は、互いに反対側にあるレジスト膜を硬化させてしまわないように、レジスト膜の厚み、レジストの種類等に応じて適切な条件に設定される。
中間積層体120への紫外線の照射により、図9(D)に示すように、第1レジスト膜181には、第1マスクパターンに対応した硬化領域181aと未硬化領域181bとが形成される。また、第2レジスト膜211には、第2マスクパターンに対応した硬化領域211aと未硬化領域211bとが形成される。なお、図9(D)及び図10(E)、(F)では、それぞれのレジスト膜の硬化領域と未硬化領域とを模式的に示している。
次に、中間積層体120をレジスト剥離装置(不図示)にセットして、図10(E)に示すように、第1レジスト膜181の未硬化領域181bと第2レジスト膜211の未硬化領域211bとを除去する。図10(E)では、除去前の未硬化領域の位置に符号を付している。
次に、中間積層体120をエッチング装置(不図示)にセットして、図10(F)に示すように、第1レジスト膜181の硬化領域181aに覆われていない第1透明導電膜180の領域180aと、第2レジスト膜211の硬化領域211aに覆われていない第2透明導電膜210の領域210aを除去する。
次に、中間積層体120のZ1側の表層に残った第1レジスト膜181と、Z2側の表層に残った第2レジスト膜211とを除去する。これにより、図10(G)に示すように、基材20のZ1側に透明電極18(部分電極18A〜18F)が形成され、Z2側に透明電極21(部分電極21A〜21F)が形成される。
次に、図10(H)に示すように、基材20のZ1側に形成した透明電極18の上に配向層19を形成すると共に、基材20のZ2側に形成した透明電極21の上に配向層22を形成する。これにより、基材20のZ1側に透明電極18(部分電極18A〜18F)と配向層19とが形成され、Z2側に透明電極21(部分電極21A〜21F)と配向層22とが形成された第3積層体5C(図6参照)を得ることができる。
上述した第3積層体5C(調光フィルム1A)の第1の製造方法によれば、予め高精度に位置合わせされた第1フォトマスク51と第2フォトマスク52を介して、第1レジスト膜181及び第2レジスト膜211に同時に紫外線が照射されるため、部分電極18A〜18F(透明電極18)と部分電極21A〜21F(透明電極21)とを、より精度の良い位置関係となるよう、形成することができる。なお、第1の製造方法において、各レジスト膜への紫外線UVa及びUVbの照射は、同時であってもよいし、順番に照射してもよい(後述する第2の製造方法においても同じ)。
(第6実施形態)
次に、第2実施形態(調光フィルム1A)における第3積層体5Cの第2の製造方法について説明する。図11(A)〜(D)は、第2実施形態における第3積層体5Cの第2の製造方法を説明する図である。なお、第6実施形態の説明及び図面において、第2実施形態と同等の部材等には、第2実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を適宜に省略する。また、図11(A)〜(D)では、XYZの座標軸を図示していないが、図6に示す座標系と同様に、図の下側をZ1側、上側をZ2側として説明する。
まず、図11(A)に示すように、2枚の基材121及び122を、粘着層123を介して貼り合せて、一体化された基材20を作製する。基材121、122としては、例えば、第1実施形態の基材6、15と同じ透明樹脂フィルムを用いることができる。粘着層123は、基材121と122とを接合する層であり、紫外線吸収性を有する。紫外線吸収性を有する粘着層123としては、例えば、VUカット機能付きOCA等を用いることができる。
次に、図11(B)に示すように、基材20のZ1側に第1透明導電膜180を形成し、Z2側に第2透明導電膜210を形成する。第1透明導電膜180は、部分電極18A〜18F(図6参照)となる透明導電膜である。第2透明導電膜210は、部分電極21A〜21F(図6参照)となる透明導電膜である。
次に、図11(C)に示すように、第1透明導電膜180の表面に第1レジスト膜181を形成し、第2透明導電膜210の表面に第2レジスト膜211を形成する。本実施形態においても、第1透明導電膜180、第2透明導電膜210、第1レジスト膜181、第2レジスト膜211が形成された基材20を「中間積層体120」ともいう。
次に、図11(D)に示すように、第1フォトマスク51を中間積層体120の第1レジスト膜181の側に配置し、第2フォトマスク52を中間積層体120の第2レジスト膜211の側に配置する。第1フォトマスク51と第2フォトマスク52は、平面視において、それぞれのマスクパターンが高精度に位置合わせされている。
次に、図11(D)に示すように、第1フォトマスク51の側から、中間積層体120の第1レジスト膜181に向けて紫外線UVaを照射する。同時に、第2フォトマスク52の側から、中間積層体120の第2レジスト膜211に向けて紫外線UVbを照射する。第1レジスト膜181において、第1フォトマスク51の透過部分(白地)に対応する領域は、紫外線UVaの照射により硬化する。一方、第1フォトマスク51の遮光部分(黒地)に対応する領域は、紫外線UVaが照射されないために未硬化となる。同様に、第2レジスト膜211において、第2フォトマスク52の透過部分に対応する領域は、紫外線UVbの照射により硬化する。一方、第2フォトマスク52の遮光部分に対応する領域は、紫外線UVbが照射されないために未硬化となる。
第6実施形態の中間積層体120において、基材121と122との間には紫外線吸収性を有する粘着層123が設けられている。本構成によれば、紫外線UVaとUVbを同時に照射した場合、紫外線UVaとUVbは、それぞれ手前側にあるレジスト膜を硬化させた後、粘着層123で吸収(遮光)され、反対側にあるレジスト膜まで達することがない。このように、第3積層体5Cの第2の製造方法においては、紫外線UVaとUVbとを同時に照射しても、互いに反対側のレジスト膜を硬化させることがないため、紫外線UVa、UVbの照射量を標準的な照射量に設定することができる。
図11(D)以降は、第5実施形態で説明した図9(D)〜(H)と同じ処理を実施することにより、基材20のZ1側に透明電極18(部分電極18A〜18F)と配向層19とが形成され、Z2側に透明電極21(部分電極21A〜21F)と配向層22とが形成された第3積層体5C(図6参照)を得ることができる。
上述した第3積層体5C(調光フィルム1A)の第2の製造方法においても、予め高精度に位置合わせされた第1フォトマスク51と第2フォトマスク52を介して、第1レジスト膜181及び第2レジスト膜211に同時に紫外線が照射されるため、部分電極18A〜18F(透明電極18)と部分電極21A〜21F(透明電極21)とを、より精度の良い位置関係となるよう、形成することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の技術的範囲内に含まれる。また、実施形態に記載した効果は、本開示から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(第1変形形態)
第1変形形態では、第1の電極パターンと第2の電極パターンがXY軸に対して斜めに延在している例について説明する。
図12(A)、(B)は、第1変形形態の調光フィルム1Dの構成を説明する図である。図12(A)、(B)は、第1実施形態の図3(A)、(B)に対応する図である。第1変形形態では、第1実施形態と同等の機能を果たす部材等については、同一の符号を援用して説明する。また、第1変形形態では、調光フィルム1D全体の図示を省略する。
第1変形形態における第1の電極パターンは、図12(A)に示すように、直線aの方向に沿って分割され、直線bの方向に沿って延在する縞状の電極パターンである。また、第1変形形態における第2の電極パターンは、図12(B)に示すように、直線bの方向に沿って分割され、直線aの方向に沿って延在する縞状の電極パターンである。ここで、直線aは、XY軸の交点を通り、Y軸からX2側に45°傾いた直線である。また、直線bは、XY軸の交点を通り、Y軸からX1側に45°傾いた直線である。すなわち、調光フィルム1Dにおいて、直線aと直線bは、90°で交差する。
第1変形形態において、第1積層体5Aの透明電極11は、上述した第1の電極パターンに従って、図12(A)に示すように、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極11A〜11Fに分割されている。また、第2積層体5Bの透明電極16は、上述した第2の電極パターンに従って、図12(B)に示すように、それぞれ電気的に絶縁された複数の部分電極16A〜16Fに分割されている。第1変形形態における第1の電極パターンと第2の電極パターンは、直線a又は直線bと平行な軸線上において90°で互いに交差している。そのため、調光フィルム1Dにおいて、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fと第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fは、互いに90°で交差する。
第1変形形態の調光フィルム1Dは、第1実施形態と同様に、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fに対応する領域の遮光及び透過を制御することもできるし、第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fに対応する領域の遮光及び透過を制御することもできる。また、第1変形形態の調光フィルム1Dは、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fと第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fとが互いに交差するブロック領域の透過率を選択的に制御することもできる。したがって、第1変形形態の調光フィルム1Dは、外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりすることができる。
なお、第1変形形態において、第1の電極パターンと第2の電極パターンは、互いに90°以外の角度で交差してもよい。
(第2変形形態)
第2変形形態では、第1の電極パターンと第2の電極パターンが曲線状(非直線状)である例について説明する。
図13(A)、(B)は、第2変形形態の調光フィルム1Eの構成を説明する図である。図13(A)、(B)は、第1実施形態の図3(A)、(B)に対応する図である。第2変形形態では、第1実施形態と同等の機能を果たす部材等については、同一の符号を援用して説明する。また、第2変形形態では、調光フィルム1E全体の図示を省略する。
第2変形形態における第1の電極パターンは、図13(A)に示すように、基材6のX2側の端部、且つ、Y2側の端部に設定した基点c1を中心として、同心円状に分割された電極パターンである。また、第2変形形態における第2の電極パターンは、図13(B)に示すように、基材15のX1側の端部、且つ、Y2側の端部に設定した基点c2を中心として、同心円状に分割された電極パターンである。
第2変形形態において、第1積層体5Aの透明電極11の電極パターンは、上述した第1の電極パターンに従って、図13(A)に示すように、それぞれ電気的に絶縁された曲線状の部分電極11A〜11Fに分割されている。また、第2積層体5Bの透明電極16の電極パターンは、上述した第2の電極パターンに従って、図13(B)に示すように、それぞれ電気的に絶縁された曲線状の部分電極16A〜16Fに分割されている。
そのため、第2変形形態の調光フィルム1Eは、第1実施形態と同様に、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fに対応する領域の遮光及び透過を制御することもできるし、第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fに対応する領域の遮光及び透過を制御することもできる。また、第2変形形態の調光フィルム1Eは、第1積層体5Aの部分電極11A〜11Fと第2積層体5Bの部分電極16A〜16Fとが互いに交差するブロック領域の透過率を選択的に制御することもできる。したがって、第2変形形態の調光フィルム1Eは、外光を様々な形態で遮光したり、透過させたりすることができる。
なお、第2変形形態において、第1の電極パターンの基点c1を、基材6のX2側の端部、且つ、Y1側の端部に設定し、第2の電極パターンの基点c2を、基材15のX1側の端部、且つ、Y1側の端部に設定してもよい。
上記第2変形形態では、第1の電極パターンと第2の電極パターンを非直線状とした例として、第1の電極パターンと第2の電極パターンを曲線状とした例について説明したが、第1の電極パターンと第2の電極パターンは、波形、階段状、鋸状等であってもよい。すなわち、第1の電極パターンと第2の電極パターンは、直線状であってもよいし、非直線状であってもよい。
上記第1、第2変形形態で説明した第1の電極パターン及び第2の電極パターンは、第1実施形態の調光フィルム1だけでなく、第2〜第4実施形態の調光フィルム1A〜1Cにも適用することができる。
(その他の変形形態)
上記実施形態では、調光フィルムを車両40のサイドウィンドウに配置する例について説明したが、これに限定されない。調光フィルムを、車両のフロントウィンドウ、リアウィンドウ、ルーフウィンドウ等に配置した構成としてもよい。また、調光フィルムを車両40の内部を仕切るパーティーション(例えば、タクシー等の前席と後席との間を仕切るパーティーション)に配置した構成としてもよい。
上記実施形態では、調光部材として、可撓性を有する調光フィルムを車両のサイドウィンドウを構成する2つのガラス板(透明基板)に挟持する構成について説明したが、これに限定されない。例えば、上述の調光フィルムの基材をガラス板にして、可撓性を有さない調光部材を構成し、この調光部材を各サイドウィンドウの代わりに車両に配置してもよい。また、調光フィルムを、透明な樹脂板(透明基板)に挟持する構成としてもよい。すなわち、透明な樹脂板からなる第1透明基板と、この第1透明基板と対向して配置される透明な樹脂板からなる第2透明基板との間に調光フィルムを設けた構成としてもよい。更に、上述の調光フィルムをガラス板又は透明な樹脂板に貼り付け、このガラス板又は透明な樹脂板を車両のサイドウィンドウとして配置してもよい。なお、調光フィルムを2枚の透明な樹脂板に挟持したり、透明な樹脂板に貼り付けたりする構成は、一部の車両には適用できるが、より好ましい用途として、後述する窓ガラス等が挙げられる。
上記実施形態では、調光フィルムを設ける乗り物として、自動車を例として説明したが、これに限定されない。調光フィルムは、例えば、鉄道車両、船舶、航空機等のウィンドウにも適用することができる。また、調光フィルムは、乗り物に限らず、例えば、建物に設置される窓ガラス、パーティーション用の窓等にも適用することができる。
1,1A〜1E 調光フィルム(調光部材)
5A 第1積層体
5B 第2積層体
5C 第3積層体
6,15,20 基材
8 液晶層
9 第1液晶層
10 第2液晶層
11,16,18,21,24,27,29,32 透明電極
11A〜11F,16A〜16F,18A〜18F,21A〜21F,24A〜24F,27A〜27F,29A〜29F,32A〜32F 部分電極
14,23,25,26,28,31 共通透明電極
41A,41B,41C,41D サイドウィンドウ

Claims (10)

  1. 透過率を制御可能な調光部材であって、
    第1基材を有する第1積層体と、
    第2基材を有する第2積層体と、
    前記第1積層体及び第2積層体により挟持される液晶層と、
    を備え、
    前記第1積層体は、前記第1基材の前記液晶層側に第1の電極パターンで分割された第1電極を備え、
    前記第2積層体は、前記第2基材の前記液晶層側に第2の電極パターンで分割された第2電極を備え、
    平面視において、前記第1の電極パターンの平面形状と前記第2の電極パターンの平面形状とが異なる、調光部材。
  2. 請求項1に記載の調光部材であって、
    前記第1の電極パターン及び前記第2の電極パターンは、それぞれ縞状の電極パターンであり、
    前記第1電極と前記第2電極は、それぞれの前記縞状の電極パターンが交差している、調光部材。
  3. 請求項2に記載の調光部材であって、
    前記縞状の電極パターンは、直線状又は非直線状である、調光部材。
  4. 透過率を制御可能な調光部材であって、
    第1基材を有する第1積層体と、
    第2基材を有する第2積層体と、
    第3基材を有する第3積層体と、
    前記第1積層体及び第3積層体により挟持される第1液晶層と、
    前記第2積層体及び第3積層体により挟持される第2液晶層と、
    を備え、
    前記第1積層体は、前記第1基材の前記第1液晶層側に、分割されていない第1共通電極を備え、
    前記第2積層体は、前記第2基材の前記第2液晶層側に、分割されていない第2共通電極を備え、
    前記第3積層体は、前記第3基材の前記第1液晶層側に、第1の電極パターンで分割された第1電極を備えると共に、前記第3基材の前記第2液晶層側に、第2の電極パターンで分割された第2電極を備える、調光部材。
  5. 透過率を制御可能な調光部材であって、
    第1基材を有する第1積層体と、
    第2基材を有する第2積層体と、
    第3基材を有する第3積層体と、
    前記第1積層体及び第3積層体により挟持される第1液晶層と、
    前記第2積層体及び第3積層体により挟持される第2液晶層と、
    を備え、
    前記第1積層体は、前記第1基材の前記第1液晶層側に、第1の電極パターンで分割された第1電極を備え、
    前記第2積層体は、前記第2基材の前記第2液晶層側に、第2の電極パターンで分割された第2電極を備え、
    前記第3積層体は、前記第3基材の前記第1液晶層側に、分割されていない第1共通電極を備えると共に、前記第3基材の前記第2液晶層側に、分割されていない第2共通電極を備える、調光部材。
  6. 透過率を制御可能な調光部材であって、
    第1基材を有する第1積層体と、
    第2基材を有する第2積層体と、
    第3基材を有する第3積層体と、
    前記第1積層体及び第3積層体により挟持される第1液晶層と、
    前記第2積層体及び第3積層体により挟持される第2液晶層と、
    を備え、
    前記第1積層体は、前記第1基材の前記第1液晶層側に、分割されていない第1共通電極を備え、
    前記第2積層体は、前記第2基材の前記第2液晶層側に、第2の電極パターンで分割された第2電極を備え、
    前記第3積層体は、前記第3基材の前記第1液晶層側に、第1の電極パターンで分割された第1電極を備えると共に、前記第3基材の前記第2液晶層側に、分割されていない第2共通電極を備える、調光部材。
  7. 請求項4〜6までのいずれかに記載の調光部材であって、
    前記第1の電極パターン及び前記第2の電極パターンは、それぞれ縞状の電極パターンであり、
    前記第1電極と前記第2電極は、それぞれの前記縞状の電極パターンが交差している、調光部材。
  8. 請求項7に記載の調光部材であって、
    前記縞状の電極パターンは、直線状又は非直線状である、調光部材。
  9. 請求項1〜8までのいずれに記載の調光部材であって、
    前記調光部材は、乗り物のサイドウィンドウ、リアウィンドウ及びルーフウィンドウ、乗り物の内部を仕切るパーティーションの少なくとも1つに設けられる、調光部材。
  10. 第1透明基板と、
    前記第1透明基板と対向して配置される第2透明基板と、
    前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に設けられる、請求項1〜8までのいずれかに記載の前記調光部材と、を備える調光装置。
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