<第1実施形態>
図1は、本発明の紙幣収納装置(キャッシュボックス10)が採用される紙幣取扱システムSの各構成を説明するための図である。図1に示す通り、紙幣取扱システムSの各構成は、遊技場Xに設置される各構成(キャッシュボックス10など)および警送会社Yに設置される各構成(管理コンピュータ80など)を含む。詳細には後述するが、遊技者が遊技場Xで使用した紙幣(遊技用装置40に挿入された紙幣)は、移送担当者Kにより警送会社Yへ移送(警送)される。
図1に示す通り、遊技場Xには、各遊技用装置40、紙幣搬送装置30、金庫ユニットUおよびホールコンピュータ50が設置される。また、遊技場Xには複数の遊技機が設置される。図1には、遊技場Xに設置された複数の遊技機の一部が示される。遊技場Xには複数の遊技島Iが設けられる。各遊技機は遊技島Iの各々に設置される。なお、遊技機としては、パチスロ機、パチンコ機、および、カジノに設置されるスロットマシン等が想定される。
図1に示す通り、遊技場Xの遊技島Iには各遊技用装置40が設置される。本実施形態では、遊技機毎に遊技用装置40が設けられる。図1の具体例では、遊技用装置40は、当該遊技用装置40に対応する遊技機の左側に隣接して設けられる。
遊技用装置40は、当該遊技用装置40に対応する遊技機と通信可能に接続される。また、遊技用装置40には、紙幣挿入口41が設けられる。遊技用装置40は、紙幣挿入口41に挿入された複数種類の紙幣を受付け可能に構成される。紙幣挿入口41に紙幣が挿入されると、遊技用装置40が遊技媒体(遊技球、遊技メダル、ポイント)を遊技者に貸出可能になる。遊技者は、遊技用装置40から貸出された遊技媒体を用いて遊技する。
図1に示す通り、遊技島Iは、紙幣搬送装置30および金庫ユニットUを含んで構成される。遊技用装置40(紙幣挿入口41)に挿入された紙幣は、紙幣搬送装置30により金庫ユニットUへ自動で搬送される。具体的には、遊技用装置40に挿入された紙幣は、当該遊技用装置40の裏側(遊技島Iの内部側)へ排出される。また、紙幣搬送装置30は、遊技用装置40から排出された紙幣を自動で内部に取込む。その後、紙幣搬送装置30は、遊技用装置40から取込んだ紙幣を金庫ユニットUまで自動で搬送する。
以上の紙幣搬送装置30としては、例えば、特開2009−101171号公報に記載の紙幣搬送装置が採用され得る。以上の紙幣搬送装置では、ベルトコンベアにより紙幣が搬送される。ただし、紙幣搬送装置30として、空気流により紙幣が搬送される紙幣搬送装置を採用してもよい(例えば、特許第6339732号参照)。
空気流により紙幣が搬送される紙幣搬送装置30では、ベルトコンベアにより紙幣が搬送される紙幣搬送装置30と比較して、高速で紙幣が搬送される。すなわち、紙幣搬送装置30から金庫ユニットUまで紙幣を移動するのに要する時間が短縮される。したがって、空気流により紙幣が搬送される紙幣搬送装置30によれば、紙幣搬送装置30から金庫ユニットUまで移動する期間に紙幣が不正に抜き取られるリスクを低減できる利点がある。
図1に示す通り、金庫ユニットUは、遊技島Iの一端(妻板)に設けられる。紙幣搬送装置30により搬送された紙幣は、金庫ユニットUで受付られる。以上の金庫ユニットUは、遊技島Iに設けられた全ての遊技用装置40からの紙幣を受付ける。なお、本実施形態では、1個の遊技島Iに対して1個の金庫ユニットUが設けられる構成を想定する。ただし、複数個の遊技島Iに対して1個の金庫ユニットUが設けられる構成としてもよい。以上の金庫ユニットUは、複数個の遊技島Iの各遊技用装置40から搬送されてきた紙幣を受付可能である。
金庫ユニットUは、キャッシュボックス10(後述の紙幣収納装置100)および制御ユニット20(後述の紙幣管理装置200)を含んで構成される。キャッシュボックス10は、持運び可能(可搬型)であり、金庫ユニットUの内部に着脱可能に設けられる。具体的には、金庫ユニットUは施錠可能な扉部を具備する。扉部が解錠(開放)された場合、金庫ユニットU内部のキャッシュボックス10が着脱可能になる。
図1には、キャッシュボックス10の外観斜視図が示される。図1に示す通り、キャッシュボックス10は、RFタグ11、箱部材12、蓋部材13、施錠装置14および紙幣取込口15を含んで構成される。金庫ユニットUで受付けられた紙幣は、紙幣取込口15からキャッシュボックス10の内部に自動で取込まれる。箱部材12は、略直方体の部材であり、キャッシュボックス10の内部と連通する開口が左側面に設けられる。
キャッシュボックス10の蓋部材13は、箱部材12の開口側の側面に着脱可能である。箱部材12に蓋部材13を装着することにより、箱部材12の開口が塞がれる。また、箱部材12に蓋部材13を装着した状態で、施錠装置14を施錠すると、箱部材12から蓋部材13が取外せなくなる。施錠装置14を解錠すると、箱部材12から蓋部材13が取外し可能になる。以上の構成では、キャッシュボックス10の施錠装置14を解錠することにより、開口からキャッシュボックス10に収納された紙幣を取出し可能になる。
上述した通り、本実施形態では、遊技場Xで使用された紙幣が警送会社Yへ移送される。具体的には、各遊技用装置400に挿入された紙幣は、キャッシュボックス10へ自動で収納される。移送担当者Kは、キャッシュボックス10を遊技場Xから警送会社Yへ移送する。
本実施形態では、遊技場Xにおいてキャッシュボックス10(施錠装置14)は原則解錠されず、キャッシュボックス10は施錠された状態で警送会社Yへ移送される。すなわち、キャッシュボックス10に収納された紙幣(遊技用装置40に挿入された紙幣)は、遊技場Xでは取出されない。警送会社Yにおいて、キャッシュボックス10から紙幣が取出される。
キャッシュボックス10のRFタグ11は、当該キャッシュボックス10を移送する際に確認すべき各種の情報を記憶する。例えば、RFタグ11は、キャッシュボックス10に収納された合計金額が特定される紙幣情報Daを記憶する。以上の紙幣情報Daは、遊技島Iの各遊技用装置40に挿入された合計金額が特定される情報であるとも換言される。
RFタグ11は、リーダライタ装置60と無線通信可能である。リーダライタ装置60から読出し信号をRFタグ11が受信すると、RFタグ11から各種の情報(例えば、紙幣情報Da)が送信される。また、リーダライタ装置60から書込み信号をRFタグ11が受信すると、RFタグ11に各種の情報(例えば、後述の担当者識別子Di)が書込まれる。
本実施形態のRFタグ11は、パッシブ型のRFタグが採用される。ただし、RFタグ11として、アクティブ型のRFタグを採用してもよいし、セミアクティブ型のRFタグを採用してもよい。また、RFタグ11と他の装置とで送受信される各信号(電波)の周波数は適宜に変更できる。さらに、キャッシュボックス10にGPS(Global Positioning System)装置を設けてもよい。以上の構成では、仮にキャッシュボックス10が紛失された(盗難された)場合であっても、キャッシュボックス10の現在地を特定できる。
金庫ユニットUの制御ユニット20は、紙幣搬送装置30を制御する。具体的には、制御ユニット20は、紙幣搬送装置30の駆動部(モータ等)を駆動させる制御を実行する。以上の制御により、遊技用装置40に挿入された紙幣が金庫ユニットUまで搬送される。
金庫ユニットUに紙幣が搬送されると、制御ユニット20は、金庫ユニットUの内部に設けられた駆動部を駆動させる制御を実行する。以上の制御により、遊技用装置40から金庫ユニットUへ搬送された紙幣が、キャッシュボックス10の紙幣取込口15へ移動する。その後、制御ユニット20は、キャッシュボックス10のローラ等を適宜に回転させて、紙幣取込口15へ移動した紙幣をキャッシュボックス10の内部に取込む。
また、制御ユニット20は、金庫ユニットUにキャッシュボックス10が装着された状態で、当該キャッシュボックス10のRFタグ11と電気的に(有線通信可能に)接続される。例えば、キャッシュボックス10に紙幣が取込まれると、制御ユニット20は、紙幣情報Daを書き換える信号をRFタグ11へ送信する。ただし、制御ユニット20とRFタグ11とが無線通信可能な構成としてもよい。以上の構成では、制御ユニット20からRFタグ11へ書込み信号および読出し信号が無線通信により送信される。
以上の通り本実施形態では、制御ユニット20からの信号に応じてRFタグ11の各情報が書き換えられる構成を採用した。なお、制御ユニット20とは別の制御装置がRFタグ11の各情報を書き換える構成を採用してもよい。また、キャッシュボックス10に処理装置(CPU)を設け、キャッシュボックス10の処理装置がRFタグ11の各情報を書き換える構成としてもよい。
リーダライタ装置60は、移送担当者Kにより携帯される。上述した通り、リーダライタ装置60は、RFタグ11から各種の情報を無線通信により読出すとともに、各種の情報を無線通信によりRFタグ11に書込む。また、リーダライタ装置60は、ディスプレイ61を具備する。以上のディスプレイ61は、例えば、RFタグ11から読み出された情報に応じた画像を表示する。
ホールコンピュータ50は、上述の遊技用装置40と通信可能である。なお、ホールコンピュータ50が中継装置を介して遊技用装置40と通信可能な構成としてもよい。遊技用装置40からホールコンピュータ50へ各種の情報が送信される。例えば、遊技用装置40へ紙幣が挿入されると、当該紙幣の金種を示す情報(以下「入金情報」という)がホールコンピュータ50へ送信される。
ホールコンピュータ50は、入金情報を受信すると、当該入金情報から特定される金種に応じて紙幣情報Dxを更新する。具体的には、ホールコンピュータ50は、遊技島I毎に紙幣情報Dxを記憶する。以上の構成は、金庫ユニットU(キャッシュボックス10)毎に紙幣情報Dxが記憶されるとも換言される。遊技島Iの遊技用装置40から入金情報を受信すると、当該遊技用装置40に挿入した紙幣を収納するキャッシュボックス10に対応する紙幣情報Dxが更新される。
ホールコンピュータ50の紙幣情報Dxは、上述したキャッシュボックス10(RFタグ11)の紙幣情報Daと同様に、遊技島Iの各遊技用装置40に挿入された合計金額が特定可能な情報である。したがって、キャッシュボックス10の紙幣情報Daから特定される合計金額とホールコンピュータ50の紙幣情報Dxから特定される合計金額とは、一致するのが通常である。詳細には後述するが、キャッシュボックス10を警送会社Yへ移送する際に、キャッシュボックス10の紙幣情報Daとホールコンピュータ50の紙幣情報Dxとが照合される。
図1に示す通り、警送会社Yには、計数装置70および管理コンピュータ80が設けられる。上述した通り、遊技場Xから警送会社Yへキャッシュボックス10が移送される。警送会社Yにおいて、キャッシュボックス10から紙幣が取り出され、計数装置70により計数される。
警送会社Yの管理コンピュータ80は、遊技場Xから移送されたキャッシュボックス10と通信可能に接続される。また、管理コンピュータ80は、キャッシュボックス10のRFタグ11から紙幣情報Daを読み出す。警送会社Yでは、管理コンピュータ80が読み出した紙幣情報Daから特定される合計金額と、計数装置70により実際に計数された合計金額とが照合される。
なお、遊技場Xで遊技用装置40に挿入された金額の全てを使用する前に、遊技者が遊技を中止する場合がある。以上の場合、残金が記憶されるICカードが遊技用装置40から排出される。遊技者は、残金が記憶されるICカードを、遊技場Xに設置された精算機に挿入することで、残金(清算金)を受取ることができる。
ただし、遊技用装置40に挿入された紙幣は、当該紙幣の金額を遊技者が使用する前に紙幣収納装置100へ搬送され収納される。したがって、遊技者が遊技用装置40に挿入した紙幣とは別に、清算金用の金銭を精算機に収納する必要がある。以上の構成において、精算機に補充される金銭が準備金として遊技場Xから警送会社Yへ預けられる構成としてもよい。例えば、警送会社Yの従業員は、必要に応じて、準備金を遊技場Xまで警送し精算機に補充する。
図2は、遊技場Xで使用された紙幣が警送されるまでの具体例を説明するための図である。なお、図2において、紙幣が移動する経路を矢印で示す。具体的には、紙幣が移動する経路のうち、キャッシュボックス10までの経路を黒色の実線または破線の矢印で示す。また、紙幣が収納されたキャッシュボックス10が移動する経路を白色の矢印で示す。
図2に示す通り、遊技機で遊技する際に、遊技者は遊技用装置40(紙幣挿入口41)に紙幣を挿入する(図2の矢印(A))。各遊技用装置40に挿入された紙幣は、図2に示す通り、紙幣搬送装置30の内部を通り金庫ユニットUまで搬送され、キャッシュボックス10に自動で収納される(図2の矢印(B))。なお、図2の矢印(B)に示す経路は、遊技島I(紙幣搬送装置30、金庫ユニットU)の内部に位置する。したがって、当該経路を移動する紙幣に人が触れることは原則できない。
各遊技用装置40からの紙幣が収納されたキャッシュボックス10は、金庫ユニットUから回収(取外)される(図2の矢印(C))。具体的には、遊技場Xの営業期間において、キャッシュボックス10は金庫ユニットUに収納され、金庫ユニットUは施錠される。また、キャッシュボックス10を回収する作業は、遊技場Xの営業期間が終了した後に実施される。キャッシュボックス10を回収する際に、金庫ユニットUが解錠される。なお、金庫ユニットUの鍵は、例えば、遊技場Xの管理者により保管される。ただし、金庫ユニットUの鍵を移送担当者Kが所持する構成としてもよい。
キャッシュボックス10が取外された後に、移送担当者Kは、リーダライタ装置60によりRFタグ11に書込み信号を送信する(図2の(D))。以上の書込み信号によりRFタグ11に担当者識別子Diが書込まれる。担当者識別子Diは、移送担当者Kを識別するための情報である。以上の構成によれば、RFタグ11の担当者識別子Diを読み出すことで、キャッシュボックス10を移送した移送担当者Kが事後的に把握できるという利点がある。
RFタグ11は、リーダライタ装置60からの読出し信号に応じて、紙幣情報Daを送信する(図2の(E))。リーダライタ装置60は、紙幣情報Daを受信すると、当該紙幣情報Daから特定されるキャッシュボックス10に収納されている合計金額をディスプレイ61に表示する。
本実施形態では、遊技場Xにおいて、移送担当者Kの認証が実施される。具体的には、遊技場Xに専用の認証装置が設けられる。以上の認証装置では、生体情報(指紋など)により移送担当者Kが認証される。ただし、移送担当者Kを認証するための構成は適宜に変更できる。
例えば、パスワードによる認証、または、顔写真付きの身分証(IDカード)により移送担当者Kを認証してもよい。また、キャッシュボックス10において、移送担当者Kを認証するための処理が実行される構成を採用してもよい。以上の構成では、移送担当者Kが認証されたことを条件に、紙幣情報Daを含む各情報がRFタグ11から読出し可能な構成を採用してもよい。
移送担当者Kは、キャッシュボックス10から紙幣情報Daが読み出された後に、当該紙幣情報Daから特定される合計金額とホールコンピュータ50の紙幣情報Dxから特定される合計金額とを照合する(図2の(F))。以上の照合作業は、遊技場Xに設置された他のキャッシュボックス10についても実施される。なお、以上の照合作業を遊技場Xの管理者が実施してもよいし、遊技場Xの管理者および移送担当者Kの双方が実施してもよい。
遊技場Xにおける照合作業は、適宜な方法で実施される。例えば、紙幣情報Daから特定される合計金額がリーダライタ装置60のディスプレイ61に表示され、紙幣情報Dxから特定される合計金額がホールコンピュータ50に接続されたディスプレイに表示される構成を想定する。以上の構成では、各ディスプレイに表示された合計金額を照合してもよい。
また、紙幣情報Daから特定される合計金額を印刷した紙を出力可能なリーダライタ装置60を採用し、印刷された合計金額を用いて照合作業を実施してもよい。同様に、紙幣情報Dxから特定される合計金額を紙に印刷して、印刷された合計金額を用いて照合作業を実施してもよい。照合の結果、各合計金額が一致することが確認されると、移送担当者Kは、遊技場Xから警送会社Yへキャッシュボックス10を移送(警送)する(図2の矢印(G))。
以上の本実施形態によれば、遊技場Xにおいて、遊技用装置40に挿入された紙幣は、原則、人の手に直接触れることが無い。したがって、本実施形態によれば、遊技場Xにおいて遊技者が使用した紙幣が不正に抜き取られる不都合が抑制される。
図3は、警送会社Yにおける紙幣の取扱の具体例を説明するための図である。上述した通り、遊技場Xから警送会社Yへキャッシュボックス10が移送される。また、キャッシュボックス10は施錠装置14により施錠される。
本実施形態では、キャッシュボックス10を解錠する鍵が警送会社Yに保管され、警送会社Yにおいてキャッシュボックス10が解錠される。その後、キャッシュボックスに収納された合計金額が計数装置70により計数される(図3の(H))。なお、警送会社Yに複数のキャッシュボックス10が移送された場合、キャッシュボックス10毎に(別々に)合計金額が計数される。
図3に示す通り、警送会社Yにおいて、キャッシュボックス10と管理コンピュータ80とが通信可能に接続される。上述した通り、管理コンピュータ80は、キャッシュボックス10から各種の情報を読み出す。例えば、管理コンピュータ80は、紙幣情報Daをキャッシュボックス10(RFタグ11)から読み出す。警送会社Yにおいて、管理コンピュータ80がRFタグ11から読出した紙幣情報Daにより特定される合計金額と計数装置70により計数された実際の合計金額とが照合される(図3の(I))。
以上の説明から理解される通り、本実施形態では、RFタグ11に記憶される紙幣情報Daから特定される合計金額は、遊技場Xにおいて紙幣情報Dxから特定される合計金額と照合されるとともに、警送会社Yにおいて実際に計数された合計金額と照合される。以上の構成によれば、例えば遊技場Xおよび警送会社Yの何れか一方のみで照合作業が実施される構成と比較して、RFタグ11に記憶される紙幣情報Daの信頼性が向上するという効果は格別に顕著である。
なお、警送会社Yにおいて、キャッシュボックス10のRFタグ11から無線通信により紙幣情報Daが読み出される構成としてもよい。また、警送会社Yにおいて紙幣情報Daが読み出された場合、ログ情報がRFタグ11に自動で記憶される構成としてもよい。以上のログ情報からは、例えば、紙幣情報Daが読み出された時刻が特定される。同様に、キャッシュボックス10が管理コンピュータ80に接続された場合、ログ情報がRFタグ11に自動で記憶される構成としてもよい。以上のログ情報からは、例えば、キャッシュボックス10が管理コンピュータ80に接続された時刻が特定される。
図4は、本実施形態の紙幣取扱システムSの機能ブロック図である。具体的には、図4には、紙幣取扱システムSの各構成のうち、遊技場Xで用いられる各構成が抜粋して示される。なお、図4において、紙幣の移動経路が実線の矢印で示され、データの通信経路が破線の矢印で示される。
図4に示す通り、本実施形態の紙幣取扱システムSは、紙幣収納装置100、紙幣管理装置200、紙幣搬送装置300、遊技用装置400、ホール管理装置500および携帯装置600を含んで構成される。なお、紙幣取扱システムSは、実際には複数の遊技用装置400を含む。図4では、複数の遊技用装置400のうちの1個が抜粋して表示される。
例えば、図1に示した金庫ユニットUの制御ユニット20のCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを実行することにより、紙幣管理装置200として機能する。また、図1に示したキャッシュボックス10は紙幣収納装置100として機能する。また、例えばリーダライタ装置60のCPUがプログラムを実行することにより、携帯装置600として機能する。同様に、紙幣搬送装置30が紙幣搬送装置300として機能し、遊技用装置40が遊技用装置400として機能し、ホールコンピュータ50がホール管理装置500として機能する。
紙幣収納装置100は、持運び可能であるとともに、紙幣収納部101およびRFタグ102を含んで構成される。紙幣収納部101は、遊技用装置400に挿入された紙幣が収納される。具体的には、図4に示す通り、遊技用装置400に挿入された紙幣は、紙幣搬送装置300により金庫ユニットUに搬送され、その後、紙幣収納部101に収納される。
RFタグ102は、記憶部103および無線通信部104を含んで構成される。例えば、図1に示したRFタグ11がRFタグ102として機能する。RFタグ102の記憶部103は、上述の紙幣情報Daおよび担当者識別子Diを含む各種の情報(以下、単に「紙幣収納装置100の情報」と記載する場合がある)を記憶可能である。なお、紙幣収納装置100の情報の詳細は、後述の図5(a)を用いて説明する。RFタグ102の無線通信部104は、携帯装置600(無線通信部601)との無線通信に用いられる。
図4に示す通り、紙幣管理装置200は、搬送制御部201、記憶部202および書込部203を含んで構成される。搬送制御部201は、紙幣搬送装置300を制御して、遊技用装置400に挿入された紙幣を金庫ユニットUまで自動で搬送させる。また、搬送制御部201は、金庫ユニットUに搬送された紙幣を、紙幣収納装置100の紙幣収納部101へ自動で収納する。
紙幣管理装置200の記憶部202は、上述の紙幣情報Daを含む各種の情報(以下、単に「紙幣管理装置200の情報」と記載する場合がある)を記憶する。本実施形態の紙幣情報Daは、上述の搬送制御部201により紙幣収納部101に紙幣が収納される毎に更新される。また、紙幣管理装置200の各情報うちの全てまたは一部は、紙幣収納装置100の記憶部103にも書込まれる。
携帯装置600は、無線通信部601、記憶部602、表示部603および制御部604を含んで構成される。携帯装置600の無線通信部601は、上述の紙幣収納装置100のRFタグ102と無線通信するのに用いられる。例えば、携帯装置600からRFタグ102へ上述の担当者識別子Diが送信され、RFタグ102から携帯装置600へ紙幣情報Daが送信される。
携帯装置600の記憶部602は、各種の情報(以下、単に「携帯装置600の情報」と記載する場合がある)を記憶する。例えば、携帯装置600を所持する移送担当者Kに対応する担当者識別子Diが記憶部602に予め記憶される。なお、担当者識別子Diは、移送担当者Kを識別可能であれば足り、他の情報が適宜に採用され得る。例えば、携帯装置600固有の情報(MACアドレス(Media Access Control address)など)を担当者識別子Diとして採用してもよい。
携帯装置600の表示部603は、各種の情報を表示する。例えば、記憶部602に記憶される紙幣情報Daから特定される合計金額を表示する。携帯装置600の制御部604は、各種の制御を実行する。例えば、携帯装置600に対する操作に応じて、書き込み信号または読み込み信号を無線通信部601に送信させるための制御を制御部604が実行する。
図4に示す通り、ホール管理装置500は、表示部501、記憶部502および制御部503を含んで構成される。ホール管理装置500の記憶部502は、上述の紙幣情報Dxを含む各種の情報(以下、単に「ホール管理装置500の情報」と記載する場合がある)を記憶する。
ホール管理装置500の表示部501は、各種の情報を表示する。例えば、記憶部502に記憶される紙幣情報Dxから特定される合計金額が表示部501に表示される。制御部503は、各種の制御を実行する。例えば、制御部503は、各遊技用装置400からの各種の信号を受信するための制御、および、ホール管理装置500の情報を当該信号に応じて更新するための処理を実行する。
図5(a)は、紙幣収納装置100(記憶部103)に記憶される各情報を説明するための図である。図5(a)に示す通り、紙幣収納装置100は、紙幣情報Da、識別情報Db、担当者識別子Diおよびイベント情報Dcを含む各情報を記憶する。
紙幣情報Daは、紙幣収納装置100(紙幣収納部101)に収納された合計金額を特定可能な情報である。具体的には、紙幣情報Daは、金額情報Da1および金種情報Da2を含んで構成される。金額情報Da1は、紙幣収納装置100に収納された合計金額を示す。例えば、紙幣収納装置100に100万円が収納される場合、金額情報Da1は数値「1000000」を示す。また、紙幣収納装置100に1万円札が新たに収納されると、金額情報Da1に数値「10000」が加算される。
金種情報Da2は、紙幣収納装置100に収納された紙幣の金種と当該紙幣の枚数との組合せを示す。例えば、100枚の1万円札および50枚の千円札が紙幣収納装置100に収納される旨を示す金種情報Da2を想定する。以上の金種情報Da2からは、紙幣収納装置100に収納された合計金額が1050000円である旨が特定される。
以上の説明から理解される通り、紙幣収納装置100に収納された合計金額は、金額情報Da1から特定可能であり、金種情報Da2からも特定可能である。したがって、各情報のうちの一方のみが紙幣情報Daとして記憶される構成としてもよい。なお、紙幣情報Daは、紙幣収納装置100に収納された合計金額が特定されれば足り、他の情報を紙幣情報Daとして採用してもよい。
識別情報Dbは、紙幣収納装置100を識別するための情報である。具体的には、識別情報Dbは、店識別子Db1、島識別子Db2および装置識別子Db3を含む。店識別子Db1は、紙幣収納装置100が設置される店舗(遊技場X)が識別される情報である。具体的には、店舗に固有の店識別子Db1が付与される。また、店舗に設置される各紙幣収納装置100には、当該店舗に付与された店識別子Db1が記憶される。
島識別子Db2は、紙幣収納装置100が設置される遊技島Iを識別する情報である。具体的には、遊技島I毎に固有の島識別子Db2が付与される。また、各遊技島Iに設置される各紙幣収納装置100には、当該遊技島Iに付与された島識別子Db2が記憶される。
以上の島識別子Db2は、1個の遊技島Iに1個の金庫ユニットUが設けられる構成においては、金庫ユニットUが識別される情報であるとも換言される。また、紙幣収納装置100が設置される遊技島Iが特定できれば、当該紙幣収納装置100の遊技場Xにおける設置場所が実質的に特定される場合がある。以上の場合、島識別子Db2は、遊技場Xのうち紙幣収納装置100が設置される場所を識別する情報であるとも換言される。
なお、仮に複数の遊技島Iからの紙幣を1個の金庫ユニットUが収納する構成では、紙幣収納装置100が収納される金庫ユニットUを識別できる情報を島識別子Db2に替えて当該紙幣収納装置100に記憶する。識別情報Dbのうち装置識別子Db3は、紙幣収納装置100固有の情報である。例えば、紙幣収納装置100の製造番号が装置識別子Db3として採用され得る。
以上の識別情報Dbは、適宜な時期において紙幣収納装置100に記憶される。例えば、金庫ユニットUの操作部を操作することにより、識別情報Dbが紙幣収納装置100に記憶される構成としてもよい。また、紙幣収納装置100が製造される際に、当該紙幣収納装置100に識別情報Dbが製造者により予め記憶される構成としてもよい。
担当者識別子Diは、移送担当者Kを識別するための情報である。担当者識別子Diは、紙幣収納装置100を移送(回収)する際に、移送担当者Kの携帯装置600により書き込まれる。以上の担当者識別子Diによれば、上述した通り、紙幣収納装置100の移送担当者Kを事後的に特定できる。したがって、紙幣収納装置100を移送する際のセキュリティが向上する。なお、紙幣収納装置100および紙幣管理装置200の双方に識別情報Dbが記憶される構成としてもよい。
イベント情報Dcは、紙幣収納装置100に生じたイベントを事後的に特定可能な情報である。例えば、紙幣収納装置100の紙幣情報Daから特定される合計金額と、ホール管理装置500の紙幣情報Dxから特定される合計金額とが一致しない場合を想定する。以上の場合、各合計金額が一致しない原因をイベント情報Dcから特定(推測)する。イベント情報Dcは、例えば、ホール管理装置500または携帯装置600により読取可能である。
図5(a)に示す通り、イベント情報Dcは、起動時間Dc1、停止時間Dc2、収納ログDc4、装着情報Dc5、回収情報Dc6および開放情報Dc7を含む。起動時間Dc1は、紙幣収納装置100が収納された金庫ユニットUに電源が投入された時刻を示す。停止時間Dcは、金庫ユニットUへの電源の供給が停止した時刻を示す。
収納ログDc4は、紙幣収納装置100に紙幣が収納された時刻を示す。例えば、紙幣収納装置100に100枚の紙幣が収納されると、各紙幣が収納された時刻を示す100個の収納ログDc4が記憶される。装着情報Dc5は、金庫ユニットUに紙幣収納装置100が装着された時刻を示す。また、回収情報Dc6は、金庫ユニットUから紙幣収納装置100が取外された時刻を示す。以上の各情報は、各イベントの発生時点(直前または直後を含む)において、紙幣管理装置200により記憶される。なお、紙幣収納装置100および紙幣管理装置200の双方にイベント情報Dcが記憶される構成としてもよい。
イベント情報Dcの開放情報Dc7は、紙幣収納装置100の扉部材が開錠された時刻を示す。以上の開放情報Dc7は、例えば、警送会社Yにおいて、紙幣収納装置100に収納された紙幣を回収するために扉部材が開錠された際に、管理コンピュータ80により記憶される。
図5(b)は、ホール管理装置500が記憶する各情報を説明するための図である。紙幣収納装置100を移送する際に、当該紙幣収納装置100の各情報とホール管理装置500の各情報とが照合される。図5(b)に示す通り、ホール管理装置500は、紙幣情報Dx、識別情報Dyおよび担当者識別子Dkを記憶する。
ホール管理装置500の以上の各情報(Dx、Dy、Dk)は、遊技場Xに設置された紙幣収納装置100毎に記憶される。例えば、N(Nは正の整数)個の紙幣収納装置100が遊技場Xに設置される場合を想定する。以上の場合、紙幣情報Dx、識別情報Dyおよび担当者識別子Dkの組合せがホール管理装置500にN個記憶される。なお、遊技場Xにおける全ての紙幣収納装置100が共通の移送担当者Kにより移送される場合、当該移送担当者Kを識別する1個の担当者識別子Dkがホール管理装置500に記憶される構成としてもよい。
紙幣情報Dxは、紙幣収納装置100の紙幣情報Daと同様に、紙幣収納装置100に収納される合計金額が特定される情報である。以上の紙幣情報Dxは紙幣情報Daと照合される。具体的には、紙幣情報Dxは、金額情報Dx1および金種情報Dx2を含む。金額情報Dx1は、紙幣収納装置100に収納される合計金額を示す。以上のホール管理装置500の金額情報Dx1は、紙幣収納装置100の金額情報Da1と照合される。金種情報Dx2は、紙幣収納装置100に収納された紙幣の金種と当該紙幣の枚数との組合せを示す。以上のホール管理装置500の金種情報Dx2は、紙幣収納装置100の金種情報Da2と照合される。
ホール管理装置500の識別情報Dyは、紙幣収納装置100の識別情報Dbと同様に、紙幣収納装置100を識別するための情報である。以上の識別情報Dyは、紙幣収納装置100の識別情報Dbと照合される。具体的には、識別情報Dyは、店識別子Dy1および島識別子Dy2を含む。店識別子Dy1からは、紙幣収納装置100が設置される店舗が識別される。以上のホール管理装置500の店識別子Dy1は、紙幣収納装置100の店識別子Db1と照合される。
島識別子Dy2からは、紙幣収納装置100が設置される遊技島Iが識別される。以上のホール管理装置500の島識別子Dy2は紙幣収納装置100の島識別子Db2と照合される。装置識別子Dy3は、紙幣収納装置100固有の情報である。
装置識別子Dy3としては、例えば、紙幣収納装置100の製造番号が採用され得る。以上のホール管理装置500の装置識別子Dy3は紙幣収納装置100の装置識別子Db3と照合される。すなわち、本実施形態の具体例として、ホール管理装置500および紙幣収納装置100の双方に、当該紙幣収納装置100の製造番号を記憶し、各製造番号を照合するという構成が採用され得る。
ホール管理装置500の担当者識別子Dkは、移送担当者Kを識別するための情報である。以上の担当者識別子Dkは、紙幣収納装置100の担当者識別子Diと照合される。以上のホール管理装置500の各情報は、紙幣収納装置100が移送される前に予め記憶される。
なお、図5(b)に示す各情報の一部(例えば、識別情報Dy)がホール管理装置500以外の装置に記憶され、他の一部(例えば、紙幣情報Dx)がホール管理装置に記憶される構成としてもよい。また、図5(b)に示す各情報の全てがホール管理装置500以外の装置に記憶される構成としてもよい。さらに、識別情報Dyおよび担当者識別子Dkの双方または一方が紙媒体に記載され、紙幣収納装置100に記憶された情報(識別情報Db、担当者識別子Di)と照合される構成としてもよい。
図6は、紙幣収納装置100の紙幣情報Da、紙幣管理装置200の紙幣情報Daおよびホール管理装置500の紙幣情報Dxを更新する具体例を説明するための図である。なお、図6には、紙幣が移動する経路が実践の矢印で示され、各装置で送受信される信号が破線の矢印で示される。
図6に示す通り、遊技用装置400に紙幣が挿入されると(図6の(S1))、当該紙幣の金種を示す入金情報が、遊技用装置400からホール管理装置500へ送信される(図6の(S2))。入金情報を受信すると、ホール管理装置500は、記憶部502に記憶される紙幣情報Dxを更新する(図6の(S3))。紙幣情報Dxが更新されると、入金情報で特定される金種の金額が紙幣情報Dxから特定される合計金額に加算される。
遊技用装置400へ挿入された紙幣は、金庫ユニットUへ搬送される(図6の(S4))。金庫ユニットUへ搬送された紙幣は、紙幣管理装置200で金種が識別され、紙幣収納装置100の紙幣収納部101に収納される(図6の(S5))。なお、遊技用装置400へ挿入された紙幣の金種が紙幣搬送装置300により識別される構成としてもよい。以上の構成では、金種を示す情報が紙幣搬送装置300から紙幣管理装置200へ送信される。
紙幣管理装置200は、紙幣収納装置100の紙幣収納部101に収納した紙幣の金種に応じて、記憶部202の紙幣情報Daを更新する(図6の(S6))。紙幣情報Daが更新されると、紙幣情報Daから特定される合計金額に、紙幣収納部101に収納された金種の金額が加算される。その後、紙幣管理装置200は、更新後の紙幣情報Daにより、紙幣収納装置100(記憶部103)の紙幣情報Daを上書きする(図6の(S7))。
以上の説明から理解される通り、本実施形態によれば、紙幣管理装置200の紙幣情報Daが更新される毎に、紙幣収納装置100の紙幣情報Daが上書きされる。なお、紙幣管理装置200の情報が、紙幣収納装置100の記憶部103に記憶(上書きを含む)される契機は適宜に変更できる。例えば、以上の契機に加え、紙幣収納装置100が金庫ユニットUから取り外される契機、および、金庫ユニットUへの電源の供給が停止する契機の双方または一方で、紙幣管理装置200の紙幣情報Daで紙幣収納装置100の紙幣情報Daが上書きされる構成としてもよい。
また、本実施形態によれば、紙幣収納装置100(紙幣管理装置200)の紙幣情報Daから特定される合計金額、および、ホール管理装置500の紙幣情報Dxから特定される合計金額は紙幣収納部101に実際に収納された合計金額と一致する。したがって、紙幣収納装置100の紙幣情報Daから特定される合計金額とホール管理装置500の紙幣情報Dxから特定される合計金額とを照合することで、紙幣収納装置100の紙幣情報Daから特定される合計金額の信頼性が向上する。
図7(a)から図7(d)は、紙幣収納装置100を移送する前に遊技場Xで実施される照合作業において、各装置に記憶される各情報の具体例を説明するための図である。なお、図7(a)から図7(c)の具体例では、金庫ユニットUから取外された紙幣収納装置100を想定する。
図7(a)は、照合作業を開始する前の期間において、紙幣収納装置100および携帯装置600に記憶される各情報を説明するための図である。図7(a)に示す通り、携帯装置600(記憶部602)には、移送担当者Kが識別される担当者識別子Diが予め記憶される。また、紙幣収納装置100(記憶部103)には、上述の紙幣情報Da(金額情報Da1、金種情報Da2)および識別情報Db(店識別子Db1、島識別子Db2、装置識別子Db3)が記憶される。
図7(b)は、携帯装置600から書込み信号を紙幣収納装置100(RFタグ102)が受信した直後の具体例である。携帯装置600から書込み信号を紙幣収納装置100が受信すると、図7(b)に示す通り、紙幣収納装置100に担当者識別子Diが記憶される。なお、紙幣収納装置100に記憶された担当者識別子Diは、適宜な時期に消去される。例えば、警送会社Yにおける照合作業が終了した後に、紙幣収納装置100に記憶された担当者識別子Diを消去してもよい。
図7(c)は、携帯装置600から読込み信号を紙幣収納装置100が受信した後の具体例である。携帯装置600から読込み信号を紙幣収納装置100が受信すると、図7(c)に示す通り、紙幣収納装置100が記憶する紙幣情報Daおよび識別情報Dbが携帯装置600に記憶される。
なお、携帯装置600に記憶された紙幣情報Daおよび識別情報Dbは、適宜な時期に消去される。例えば、紙幣情報Daおよび識別情報Dbが新たに読込まれた場合、前回読込まれた紙幣情報Daおよび識別情報Dbが上書きされる構成が考えられる。ただし、紙幣収納装置100から読込まれた紙幣情報Daおよび識別情報Dbを携帯装置600が蓄積して(履歴情報として)記憶可能な構成としてもよい。以上の構成では、紙幣収納装置100から紙幣情報Daおよび識別情報Dbが読込まれる毎に、以上の各情報に現時刻を示す情報を対応させて記憶する構成が好適である。
図7(d)は、遊技場Xにおける照合作業で照合される各情報を説明するための図である。上述した通り、携帯装置600の担当者識別子Diは、ホール管理装置500(記憶部502)の担当者識別子Dkと照合される。また、携帯装置600の紙幣情報Daは、ホール管理装置500の紙幣情報Dxと照合される。同様に、携帯装置600の識別情報Dbは、ホール管理装置500の識別情報Dyと照合される。
図8(a)は、紙幣取扱システムSの動作の具体例を説明するための図である。図8(a)に示す通り、移送担当者Kの操作に応じて、担当者識別子Diを含む書込み信号が携帯装置600から紙幣収納装置100へ送信される(S11)。紙幣収納装置100は、書込み信号を受信すると、記憶部103に担当者識別子Diを記憶する(S12)。
また、移送担当者Kの操作に応じて、読込み信号が携帯装置600から紙幣収納装置100へ送信される(S13)。紙幣収納装置100は、読込み信号を受信すると、記憶部103に記憶される紙幣情報Da(1、2)および識別情報Db(1〜3)を携帯装置600へ送信する(S14)。
携帯装置600は、紙幣収納装置100から受信した紙幣情報Daおよび識別情報Dbを記憶部602に記憶する(S15)。また、携帯装置600は、紙幣収納装置100から受信した担当者識別子Di、紙幣情報Daおよび識別情報Dbに応じた画像(後述の図8(b−1)参照)を表示部603に表示するための表示処理(S16)を実行する。
ホール管理装置500は、例えば遊技場Xの管理者の操作により、記憶部502に記憶される担当者識別子Dk、紙幣情報Dxおよび識別情報Dbに応じた画像(後述の図8(b−2)参照)を表示部に表示させるための表示処理(S17)を実行する。遊技場Xにおける照合作業では、上述のステップS16により表示された画像の各情報、および、ステップS17により表示された画像の各情報が照合される。
図8(b−1)は、図8(a)のステップS16により携帯装置600に表示される画像の模擬図である。上述した通り、携帯装置600には、紙幣収納装置100から読込まれた担当者識別子Di、紙幣情報Daおよび識別情報Dbに応じた画像が表示される。具体的には、担当者識別子Diに応じた「担当者ID」、識別情報Dbのうち店識別子Db1に応じた「店ID」、島識別子Db2に応じた「島ID」、装置識別子Db3に応じた「装置ID」が携帯装置600に表示される。また紙幣情報Daから特定される合計金額が携帯装置600に表示される。
図8(b−2)は、図8(a)のステップS17によりホール管理装置500に表示される画像の模擬図である。なお、図8(b−2)に示す画像に表示される「Nо.」は、紙幣収納装置100に付与された番号を意味する。ホール管理装置500により表示される各情報(担当IDなど)は、当該情報が記憶される紙幣収納装置100の番号に対応して表示される。
上述した通り、ホール管理装置500には、予め記憶された担当者識別子Dk、紙幣情報Dxおよび識別情報Dyに応じた画像が表示される。具体的には、担当者識別子Dkに応じた「担当者ID」、識別情報Dyのうち店識別子Dy1に応じた「店ID」、島識別子Dy2に応じた「島ID」、装置識別子Dy3に応じた「装置ID」が携帯装置600に表示される。また紙幣情報Dxから特定される合計金額がホール管理装置500に接続する表示部に表示される。
例えば、上述の図6(b−1)に示す画像が携帯装置600に表示され、図6(b−2)に示す画像がホール管理装置500により表示された場合を想定する。以上の各画像から、ホール管理装置500により各情報が表示された番号「Nо.1」の紙幣収納装置100の装置IDが、携帯装置600に表示された装置IDと一致する旨が特定される。以上の場合、番号「Nо.1」の紙幣収納装置100の各情報が、携帯装置600に表示された各情報と照合される。
<第2実施形態>
本発明の他の実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9(a)は、第2実施形態における紙幣取扱システムSを説明するための図である。第2実施形態の紙幣取扱システムSは、第1実施形態の紙幣取扱システムSと同様に、紙幣収納装置100、紙幣管理装置200、紙幣搬送装置300および遊技用装置400を含んで構成される。
図9(a)には、遊技場Xに設けられた遊技島Iのうち遊技島Iaおよび遊技島Ibが示される。図9(a)には、説明のため、遊技島I(a、b)が破線で示され、遊技島Iに設けられた遊技用装置400および紙幣搬送装置300が実線で示される。また、図9(a)には、紙幣の移動経路が矢印で示される(後述の図9(b)についても同様)。なお、図9(a)および図9(b)の具体例では、空気流により紙幣が搬送される構成を想定する。
以下、説明のため、遊技島Iaの遊技用装置400を「遊技用装置400a」と記載し、遊技島Iaの紙幣搬送装置300を「紙幣搬送装置300a」と記載する場合がある。また、遊技島Ibの遊技用装置400を「遊技用装置400b」と記載し、遊技島Ibの紙幣搬送装置300を「紙幣搬送装置300b」と記載する場合がある。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、遊技島Iの各遊技用装置400に挿入された紙幣は、当該遊技島Iに対応する紙幣収納装置100に収納される。ただし、第1実施形態では紙幣収納装置100が遊技島I(妻板)に設けられたが、第2実施形態では、紙幣収納装置100が遊技島Iに設けられない。
具体的には、第2実施形態において、紙幣収納装置100が収納された金庫ユニットU(a、b)は、遊技島Iから離れた領域R1に設置される。領域R1は、例えば、遊技機(遊技島I)が設置されるフロア(以下「ホールH」と記載)に位置する。
第2実施形態の金庫ユニットUには、当該金庫ユニットUに収納された紙幣収納装置100(記憶部103)が記憶する各情報を更新する制御装置が設けられる。例えば、紙幣収納装置100に紙幣が収納されると、当該紙幣収納装置100が記憶する紙幣情報Daが当該制御装置により更新される。
図9(a)の具体例では、紙幣収納装置100aを内部に具備する金庫ユニットUaおよび紙幣収納装置100bを内部に具備する金庫ユニットUbが領域R1に設置される。紙幣収納装置100は、遊技島Iaの遊技用装置400aに挿入された紙幣が収納される。また、紙幣収納装置100bは、遊技島Ibの遊技用装置400bに挿入された紙幣が収納される。
図9(a)に示す通り、遊技島Iaの遊技用装置400aに挿入された紙幣は、紙幣搬送装置301aにより搬送され、搬送管301aの内部を移動し、紙幣収納装置100aに収納される。同様に、遊技島Ibの遊技用装置400bに挿入された紙幣は、紙幣搬送装置301bにより搬送され、搬送管301bの内部を移動し、紙幣収納装置100aに収納される。なお、紙幣搬送装置300aを制御する紙幣管理装置200aは、遊技島Iaの妻板に設けられる。同様に、紙幣搬送装置300bを制御する紙幣管理装置200bは、遊技島Ibの妻板に設けられる。
以上の説明から理解される通り、第2実施形態では、複数の紙幣収納装置100(a、b)が領域Rにまとめて設置される。以上の構成では、各紙幣収納装置100が別々の場所に設置される構成(例えば、第1実施形態)と比較して、各紙幣収納装置100を移送(回収)する作業が容易になるという利点がある。なお、各紙幣収納装置100がまとめて設置される場所は適宜に変更できる。例えば、1個の遊技島Iの妻板に複数個の紙幣収納装置100が設置される構成が考えられる。
図9(b)は、第2実施形態の変形例を説明するための図である。当該変形例では、紙幣管理装置200(a、b)に替えて紙幣中継装置302(a、b)を備える点で図9(a)に記載の第2実施形態と相違する。
紙幣中継装置302は、紙幣管理装置200と同様に、遊技島I毎に設けられ、当該遊技島Iにおける紙幣搬送装置300を制御する。また、遊技島Iの紙幣搬送装置300は、当該遊技島Iに設けられた紙幣中継装置302へ紙幣を搬送する。紙幣中継装置302は、紙幣搬送装置300により搬送された紙幣が一時的に収納される。
各紙幣中継装置302は、収納した紙幣を紙幣収納装置100へ搬送管301を介して自動で移動させる。すなわち、図9(b)の変形例では、各遊技島Iの各遊技用装置400に挿入された紙幣は、共通の紙幣収納装置100に収納される。以上の構成によれば、例えば遊技島I毎に紙幣収納装置100が設置される構成と比較して、移送すべき紙幣収納装置100の個数が削減されるという利点がある。
図9(b)に示す通り、当該変形例において、紙幣中継装置302を含む各構成がホールHに設置される。一方、当該変形例では、紙幣収納装置100を具備する金庫ユニットUがバックヤードBの領域R2に設置される。バックヤードBは、遊技場Xの部外者(遊技者など)の立入が原則禁止される領域である。図9(b)の変形例における金庫ユニットUには、紙幣収納装置100(記憶部103)に記憶される各情報を更新する制御装置が設けられる。
バックヤードBには、上述のホール管理装置500が設置される。すなわち、当該変形例では、ホール管理装置500と紙幣収納装置100との双方がバックヤードBに共通して設置される。以上の構成では、携帯装置600により紙幣収納装置100から読出した各情報と、ホール管理装置500のディスプレイに表示された各情報とを直ちに照合できるという利点がある。ただし、バックヤードBにホール管理装置500が設置されない構成としてもよい。また、当該変形例において、紙幣収納装置100がホールHに設置される構成としても良い。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)各形態において、遊技用装置400からの入金情報が、警送会社Yの管理コンピュータ80へ送信される構成としてもよい。当該変形例において、管理コンピュータ80までの通信経路において、入金情報が暗号化される構成が好適である。
また、当該変形例において、遊技用装置400から管理コンピュータ80へ、当該遊技用装置400を識別可能な情報が送信される構成が好適である。当該変形例では、例えば、管理コンピュータ80が遊技用装置400から受信した各情報から、紙幣収納装置100に収納された合計金額を算出できる。また、管理コンピュータ80が算出した合計金額と、計数装置70が実際に計数した合計金額とを照合できる。
(2)各形態において、紙幣収納装置100の構造は適宜に変更できる。例えば、移送担当者Kが握持可能な握持部を紙幣収納装置100に設けても良い。なお、紙幣収納装置100(箱部材12)の各面のうち、握持部が設けられる面にRFタグ11が設けられる構成が好適である。また、紙幣収納装置100には、紙幣を取込む取込み口が設けられる。金庫ユニットUから紙幣収納装置100が取外された状態で紙幣収納口100の取込み口を塞ぐシャッター部材を当該紙幣収納装置100に設けても良い。
(3)各形態において、RFタグ102と携帯装置600との間で送受信される情報が暗号化される構成としても良い。当該変形例によれば、RFタグ102と携帯装置600との間で送受信される情報が盗聴されたとしても、当該情報が悪用される不都合が抑制される。
当該変形例としては、携帯装置600およびRFタグ102が共通の鍵情報(秘密鍵)を記憶する構成が考えられる。当該構成において、携帯装置600は、情報(例えば、担当者識別子Di)を送信する際に、当該情報を鍵情報を用いて暗号化する。また、RFタグ102は、携帯装置600
また、当該変形例では、RFタグ102は、受信した情報を鍵情報を用いて復号し、当該情報が正当であるか否かを判断する。仮に、正当な情報ではない場合、RFタグ102は、当該情報を破棄し、記憶部103に記憶される情報を送信(返信)しない。以上の構成では、携帯装置600(移送担当者K)が実質的に認証される。携帯装置600は、受信した情報を鍵情報を用いて復号する。
(4)第1実施形態では、紙幣取扱システムSの各構成のうち紙幣収納装置100および紙幣管理装置200が共通の金庫ユニットUに設けられる構成を採用した。しかし、紙幣収納装置100および紙幣管理装置200が別々の装置に設けられる構成としてもよい。
(5)各形態では、紙幣収納装置100の移送担当者Kとして、警送会社Yの従業員を想定した。しかし、移送担当者Kは、警送会社Yの従業員に限定されない。例えば、移送担当者Kとして、遊技場Xの従業員を採用しても良い。
また、各形態では、紙幣収納装置100の移送先として警送会社Yを採用したが、他の移送先を採用しても良い。例えば、紙幣収納装置100が遊技場XのホールHからバックヤードBへ移送される構成としてもよい。以上の構成において、バックヤードBにおいて、紙幣収納装置100から紙幣が取出され計数される構成としてもよい。
(6)各形態では、本発明の「紙葉」の一例としての紙幣を収納する紙幣収納装置を示したが、紙幣に限らず、有価証券、チケット、投票用紙、封筒、その他種々の紙葉を収納する装置であってもよい。
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の紙葉取扱システム(S)は、紙葉が収納される紙葉収納装置(100)と、複数の遊技用装置(400)に挿入された紙葉を自動で紙葉収納装置に収納可能にする紙葉管理装置(紙葉管理装置200、紙葉中継装置302)とを具備する紙葉取扱システムであって、紙葉収納装置は、可搬型であり、収納した合計金額が特定される紙葉情報(金額情報Da1または金種情報Da2)を記憶する記憶部(103)を備える。以上の本態様によれば、紙葉が遊技用装置へ挿入されてから、紙葉を収納した紙葉収納装置が移送されるまで期間のセキュリティが向上可能になる。
<第2態様>
本態様の紙葉取扱システム(S)は、紙葉を挿入可能であり、挿入された紙葉に応じた入金情報を外部装置(ホール管理装置500または管理コンピュータ80)へ送信する複数の遊技用装置(400)と、紙葉が収納される紙葉収納装置(100)と、複数の遊技用装置に挿入された紙葉を自動で紙葉収納装置に収納可能にする紙葉管理装置(紙葉管理装置200、紙葉中継装置302)とを具備する紙葉取扱システムであって、紙葉収納装置は、可搬型であり、収納した合計金額が特定される紙葉情報(金額情報Da1または金種情報Da2)を記憶する記憶部(103)を備える。
本態様によれば、第1態様と同様な効果が奏せられる。また、本態様によれば、遊技用装置からの入金情報を用いて、紙葉収納装置に収納された合計金額を算出できる。例えば、入金情報から算出された合計金額と紙葉収納装置に記憶された合計金額とを照合することにより、紙葉収納装置に記憶された合計金額の信頼性が向上する。
<第3態様>
本態様の紙葉取扱システムは、遊技用装置に挿入された紙葉を空気流により搬送する紙葉搬送装置を具備する。以上の構成では、遊技用装置に紙葉が挿入されてから紙葉収納装置へ紙葉が収納されるまでの期間の時間長が短くなる。従って、当該期間において紙葉が不正に取得される不都合が抑制される。
<第4態様>
本態様の紙葉取扱システムは、複数の遊技用装置は、共通の遊技島(I)に設けられ、紙葉収納装置は、遊技島に設けられ、遊技用装置に挿入された紙葉は、遊技島の内部を搬送され、その後、紙葉収納装置に収納される。以上の構成によれば、例えば、遊技用装置に紙葉が挿入されてから紙葉収納装置に収納されるまでの期間において紙葉が島Iの外部を通る構成と比較して、当該期間において紙葉が不正に取得される不都合が抑制される。
<第5態様>
本態様の紙葉取扱システムは、記憶部は、遊技場における紙葉収納装置の設置場所を識別する識別情報(島識別子Db2、場所識別子)を記憶する。以上の構成によれば、紙葉収納装置が設置されていた遊技島を、当該紙葉収納装置の移送後(事後的)に確認することができるという利点がある。
以上の課題を解決するために、本発明の紙葉取扱システムは、紙葉を収納するとともに、収納した紙葉を取出し可能な開口部を備える紙葉収納装置と、紙葉収納装置が金庫ユニットに取付けられている期間において、複数の遊技用装置に挿入された紙葉を自動で紙葉収納装置に収納可能にする紙葉管理装置とを具備する紙葉取扱システムであって、紙葉収納装置は、金庫ユニットから取外し可能に形成されるとともに、持運び可能であり、施錠されると開口部から紙葉が取出し不可能となり、開錠されると開口部から紙葉が取出し可能になる施錠部と、収納した合計金額が特定される紙葉情報を記憶する記憶部と、紙葉情報を無線通信により携帯装置へ送信可能な無線通信部とを備え、施錠部は、金庫ユニットに紙葉収納装置が取付けられている期間、および、金庫ユニットから紙葉収納装置が取外された以降の期間を含む一連の期間にわたり施錠された状態で維持できる。