JP2021182905A - 切断装置 - Google Patents

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JP2021182905A
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昭二 河原
Shoji Kawahara
盛次 妹尾
Moritsugu Senoo
良太郎 川口
Ryotaro Kawaguchi
侑季 横田
Yuki Yokota
輝明 佐藤
Teruaki Sato
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Abstract

【課題】細い紐を含む植物の茎、根、または枝等の束を効率よく切断することができる切断装置を提供する。【解決手段】この切断装置1は、切断部3を有する。切断部3は、互いに重なり合うように配置される2枚の切断刃31と、2枚の切断刃31を長手方向に相対的に往復スライド移動させる動力源とを有する。切断刃31はそれぞれ、長手方向に延びる軸部と、軸部から短手方向に突出する複数の刃部とを含む。このように、バリカン状の切断刃31を使用することで、細い紐も茎等と一緒に切断できる。これにより、切断作業を効率よく行うことができる。また、ハンドルに連動して切断刃31を回動させるので、軽い力で操作できる。さらに、載置ローラ222を切断刃31の近傍に配置したため、切断刃31から離れる方向に切断対象物が撓むことが抑制され、切断作業を効率よく行える。その上、切断刃は収納位置においてガード23に収納されるので、安全性も高い。【選択図】図1

Description

本発明は、農産物収穫後の産業廃棄処理のために、植物の茎、枝、根等を切断する切断装置に関する。
従来、野菜などの植物を栽培した場合に、収穫後の植物の茎、根、および枝を廃棄するために、これらの束を切断する必要が生じる。植物の茎等を切断する装置については、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1には、ノコギリ状のブレードを往復駆動するレシプロ式の切断部を用いて、大豆の主茎を切断することが記載されている。
特許第5748516号公報
しかしながら、紐で支えられて栽培されたトマトの茎を切断する場合など、ポリプロピレン等の細い紐が巻き付いた植物の茎、根、および枝等の束を切断する必要が生じることがある。このとき、細い紐は、2枚の切断刃が隙間なく接した状態でないと切断しにくいという問題がある。
このため、単にノコギリ状のブレードを往復駆動するレシプロ式の切断装置では、植物自体は切断できるものの、植物に巻き付いた紐が上手く切断できない場合がある。また、チェーンソーや回転刃等の回転式の切断装置では、紐を巻き込んで絡まる恐れがある。従来、このような細い紐が巻き付いた植物を切断する場合には、作業者が裁断鋏で少量ずつ切断を行っており、作業効率が低かった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、細い紐を含む植物の茎、根、または枝等の束を効率よく切断することができる切断装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、切断対象物である植物を切断するための切断装置であって、切断部を有し、前記切断部は、互いに重なり合うように配置される2枚の切断刃と、2枚の前記切断刃を、前記切断刃の長手方向に相対的に往復スライド移動させる動力源と、を有し、前記切断刃は、それぞれ、前記長手方向に延びる軸部と、前記軸部から短手方向に突出する複数の刃部と、を含み、前記切断刃が、前記切断対象物の長手方向と交差する向きに配置される。
本願の第2発明は、第1発明の切断装置であって、前記切断部を回転軸を中心として回転させる回転機構と、前記切断部および前記回転機構を支持する枠体と、をさらに有する。
本願の第3発明は、第2発明の切断装置であって、前記枠体の下部に取り付けられた複数の車輪をさらに有する。
本願の第4発明は、第2発明または第3発明の切断装置であって、前記枠体は、前記切断対象物を前記回転軸に沿う方向に沿って載置する載置部を有する。
本願の第5発明は、第4発明の切断装置であって、前記載置部は、前後に間隔をあけて配置された2つの載置ローラを有し、切断作業時に、前記切断対象物を切断することにより生じる短い切断片の重心よりも、前記載置ローラの方が、前記切断刃に近い位置となる。
本願の第6発明は、第2発明から第5発明までのいずれか1発明の切断装置であって、前記切断部は、収納位置と下限位置との間で回動し、前記枠体は、前記切断部が前記収納位置に配置された場合に、前記切断刃を収容するガードを有する。
本願の第7発明は、第6発明の切断装置であって、前記切断部が前記ガード内に配置されている場合にのみ第1信号を出力する切断刃センサと、作業者がボタンを押下した場合にのみ第2信号を出力する安全スイッチと、前記第1信号および前記第2信号に基づいて前記動力源の駆動を制御する制御部と、をさらに備える、切断装置。
本願の第8発明は、第7発明の切断装置であって、前記安全スイッチは、2つの前記ボタンを有し、作業者が2つの前記ボタンを同時に押下した場合にのみ、前記第2信号を出力する。
本願の第9発明は、第7発明または第8発明の切断装置であって、前記制御部は、前記第1信号および前記第2信号の少なくともいずれか一方を受信している場合、前記動力源の駆動を許可し、前記第1信号および前記第2信号の両方を受信しない場合、前記動力源の駆動を禁止する。
本願の第1発明から第9発明によれば、バリカン状の切断刃を使用することで、細い紐も茎等と一緒に切断できる。これにより、切断作業を効率よく行うことができる。
特に、本願の第2発明によれば、切断刃を含む切断部を回転軸で支持しながら回転させることにより、切断作業をより効率よく行うことができる。
特に、本願の第5発明によれば、切断対象物自体の重さによって、切断対象物の切り口が上方へ跳ね上がる。その結果、切断対象物をより良好に切断できる。
特に、本願の第7発明によれば、切断刃の位置と、作業者によるボタンの押下状態とに基づいて、動力源の駆動を制御できる。
特に、本願の第8発明によれば、作業者が2つのボタンを同時に押下しているか否かに基づいて、動力源の駆動を制御できる。
特に、本願の第9発明によれば、切断刃がガードに覆われることなく露出し、かつ、作業者がボタンを押下していない場合に、動力源の駆動を禁止する。これにより、作業者の安全性を高めることができる。
切断装置の正面図である。 切断装置の正面図である。 切断装置の側面図である。 切断刃の重なり方の変化を示した図である。 切断装置の背面概略図である。 切断装置の背面概略図である。 変形例に係る切断装置の正面図である。 安全機能を付加した切断装置1の背面概略図である。 安全機能に関する制御ブロック図である。 第1信号および第2信号の有無と、エンジンの駆動状態との関係を示した図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、回転軸の延びる方向を「前後方向」と称する。ただし、この方向の定義は、切断装置の使用時の姿勢を限定するものではない。
<1.実施形態>
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る切断装置1を前方から見た正面図である。図3は、切断装置1を左側から見た側面図である。この切断装置1は、植物の茎、根または枝等の束をまとめて切断するための装置である。切断装置1の切断対象物Tとしては、例えば、ポリプロピレン等の細い紐が巻き付けられたトマトの茎が挙げられる。
図1〜図3に示すように、切断装置1は、枠体2と、切断部3と、回転機構4とを有する。なお、図1および図2では、回転機構4の表示を省略している。また、図3では、切断部3のうち、後述する本体部32のみを四角で簡略化して表示している。
枠体2は、切断部3および回転機構4を支持する。枠体2は、4つの車輪21と、載置部22とを有する。
車輪21は、枠体2の下部に設けられる。本実施形態では、枠体2の前方に左右2つの車輪21が設けられ、枠体2の後方に左右2つの車輪21が設けられている。本実施形態の切断装置1は、圃場等に設けられた2本のレール100上を走行することができる。このため、切断装置1の使用時には、各車輪21がレール100上に載せられる。ただし、切断装置1は、切断処理を行わないときや移動時には、車輪21を接地させて、レール100のない通路も走行することができる。
載置部22は、切断対象物Tである植物の茎等を載置するための部分である。載置部22は、前後左右に配置された4つの柱部221と、前後に間隔をあけて配置された2つの載置ローラ222とを有する。
柱部221は、いずれも上下方向に延びる柱状の部材である。4つの柱部221は、いずれも、切断部3の後述する本体部32よりも右側に配置される。4つの柱部221のうちの2つは、切断部3の後述する切断刃31よりも前方において、左右に間隔を空けて配置される。また、4つの柱部221のうちの残りの2つは、切断刃31よりも後方において、左右に間隔を空けて配置される。
2つの載置ローラ222の一方は、前側の2つの柱部221の間に配置される。また、載置ローラ222の他方は、後ろ側の2つの柱部221の間に配置される。2つの載置ローラ222は、それぞれ、左右方向に延びる軸に沿って回転可能である。これにより、載置ローラ222上に載置された切断対象物Tを、前後方向に容易に移動させることができる。なお、載置ローラ222に代えて、回転しない棒状または板状の載置部材が用いられてもよい。
載置ローラ222の上方、かつ、左右の柱部221の間の空間が、切断対象物Tである植物の茎等を載置するための載置空間Sとなる。切断対象物Tである植物の茎等は、左右の柱部221の間において、2つの載置ローラ222の双方の上を通るように、前後方向に沿って積載される。
切断部3は、2枚の切断刃31と、本体部32とを有する。切断部3は、回転機構4によって、前後方向に延びる回転軸9を中心として、回転する。すなわち、切断部3は、回転軸9に対して垂直な平面に沿って、回転する。
具体的には、切断部3は、図1に示す収納位置P1と、図2に示す下限位置P2との間で、回転軸9を中心として回動する。枠体2には、切断部3が収納位置P1に配置された場合に切断刃31が収容されるガード23が設けられている。切断装置1を保管するときには、切断部3が、ガード23に収容された状態で係止される。
切断部3が収納位置P1と下限位置P2との間で回動すると、前後方向に見て、切断刃31が載置空間Sを通過する。このため、切断部3を駆動させて2枚の切断刃31を往復移動させながら、回転軸9を中心として切断部3を回動させることにより、載置空間Sに載置された切断対象物Tを切断することができる。
2枚の切断刃31は、載置空間Sに載置された切断対象物Tの長手方向と交差する向きに配置される。2枚の切断刃31は、互いに重なり合うように配置される。各切断刃31は、軸部311と、複数の刃部312とを有する。軸部311は、回転軸9に対して径方向に延びる。また、軸部311は、切断刃31の長手方向に延びる。
複数の刃部312は、軸部311から、刃部312の短手方向にV字形に突出する。各刃部312のV字状の縁部が片刃の刃になっている。2枚の切断刃31は、互いの刃裏同士が、隙間無く(すなわち、隙間の殆どない状態で)向かい合うように配置される。
本体部32には、動力源および往復移動機構が搭載されている。動力源は、2枚の切断刃31を相対的に移動させるための動力源である。本実施形態では、動力源としてエンジンが用いられるが、モータ等の他の動力源が用いられてもよい。往復移動機構は、動力源からの動力を2枚の切断刃31に伝達するための機構である。往復移動機構は、動力源から供給された動力を用いて、2枚の切断刃31を、長手方向に相対的に往復スライド移動させる。
図4は、2枚の切断刃31の重なり方の変化を示した図である。以下では、図4において手前側に示された切断刃31の刃部312を第1刃部312aと称し、奥側の切断刃31の刃部312を第2刃部312bと称する。なお、図4の例では、奥側の切断刃31の位置が固定され、手前側の切断刃31の位置を移動させている。
往復移動機構は、図4の第1段(最上段)および第5段(最下段)に示す第1位置と、図4の第3段(中段)に示す第2位置との間で、2枚の切断刃31を相対的に往復移動させる。このため、2枚の切断刃31は、図4に示す(a)第1位置、(b)中間位置、(c)第2位置、および(d)中間位置を経て、(e)第1位置へと戻る動作を繰り返す。
図4に示すように、第1位置では、2枚の切断刃31は、1つの第1刃部312aおよび1つの第2刃部312bを除いて、各刃部312が重なるように配置される。第2位置では、2枚の切断刃31は、すべての第1刃部312aと第2刃部312bとが重なるように配置される。そして、第1位置と第2位置との間の中間位置では、2枚の切断刃31のすべての刃部312の位置がずれる。
2枚の切断刃31が長手方向に互いに往復移動することにより、切断対象物Tが一方の切断刃31の第1刃部312aと、他方の切断刃31の第2刃部312bとの間に挟まれる。これにより、鋏と同様に、切断対象物Tを、隙間の殆ど無い2つの刃部312により挟んで切断することができる。
上述の通り、トマトの茎を切断する場合には、ポリプロピレン等の細い紐が巻き付いた茎、根、および枝を切断する必要がある。このとき、細い紐は、2枚の切断刃が隙間なく接した状態でないと切断しにくいという問題がある。このため、単にノコギリ状のブレードを往復駆動するレシプロ式の切断装置では、植物は切断できるものの、紐を切断できない場合がある。また、チェーンソーや回転刃等の回転式の切断装置では、紐が巻き込まれて絡まる恐れがある。したがって、従来、この種の植物の切断時には、裁断鋏で少量ずつ切断を行っており、作業効率が低かった。
これに対し、本実施形態の切断部3は、バリカン状の2つの切断刃31を使用することで、細い紐も、茎等と一緒に、良好に切断できる。したがって、切断作業を効率よく行うことができる。また、切断刃31を含む切断部3を、回転軸9で支持しながら回転させることにより、切断作業を、より効率よく行うことができる。
回転機構4は、切断部3を、回転軸9を中心として回転させる。図3に示すように、回転機構4は、ハンドル41と、回転シャフト42と、回転板43と、伝達棒44とを有する。
ハンドル41は、切断部3を回転させるための操作部である。ハンドル41は、真っ直ぐな柱状の部材である。ハンドル41の基端部は、左右方向に延びる回動軸8を中心として、枠体2に対して回動可能に取り付けられる。ハンドル41は、先端側を上下に動かすことにより、回動軸8に垂直な平面に沿って回動する。ハンドル41は、先端側が最も下方に配置された最下方位置Q1と、先端側が最も上方に配置された最上方位置Q2との間で回動する。
ハンドル41には、操作レバー411が設けられている。操作レバー411を操作すると、通信線412を介して切断部3の本体部32へ、指令信号が伝達される。これにより、切断部3における切断刃31の駆動の開始/停止や、切断刃31の移動速度の変更などを行うことができる。
回転シャフト42は、回転軸9に沿って前後方向に延びる柱状の部材である。回転シャフト42は、枠体2に対して、回転軸9を中心として回転可能に取り付けられる。回転シャフト42は、切断部3の本体部32の筐体と、回転板43とに対して固定されている。このため、回転シャフト42、回転板43および切断部3は、一体として回転軸9を中心として回転する。
図5および図6は、切断装置1の背面概略図である。図5および図6に示すように、回転板43は、回転軸9を中心として切断部3および回転シャフト42とともに回転する板状の部材である。回転板43は、回転軸9に対して垂直な平面に沿って配置される。回転板43は、第1孔431および第2孔432を有する。第1孔431と第2孔432とは、回転軸9を挟んで、互いに反対側に配置される。
第1孔431は、円形の孔である。第1孔431には、伝達棒44の下端部が接続される。第2孔432は、回転軸9を中心とした円弧状の孔である。第2孔432の内部には、枠体2に固定された突起433が挿入されている。これにより、回転板43の回転角度を規制することができる。
伝達棒44は、ハンドル41の動きを回転板43に伝達するための柱状の部材である。伝達棒44の上端部は、ハンドル41に対して角度可変に固定されている。また、伝達棒44の下端部は、回転板43の第1孔431に対して角度可変に固定されている。
このため、ハンドル41が下方へ回動すると、伝達棒44が下方へと動くため、回転板43の第1孔431が下方へ押し下げられ、図5中に破線矢印で示す方向に、回転板43が回転する。そして、ハンドル41が最下方位置Q1まで押し下げられると、切断部3が収納位置P1へと配置される。
一方、ハンドル41が上方へ回動すると、伝達棒44が上方へと動くため、回転板43の第1孔431が上方へ引き上げられ、図6中に破線矢印で示す方向に、回転板43が回転する。そして、ハンドル41が最上方位置Q2まで押し上げられると、切断部3は下限位置P2へと配置される。
このように、この切断装置1では、ハンドル41の操作によって、切断部3の回転位置を容易に変更することができる。
なお、切断対象物Tである植物の茎等の切断時には、切断対象物Tは、レール100の右側に、前後方向に延びる方向に積み上がっている。作業者は、まず、切断装置1をレール100に沿って移動させ、切断対象物Tの前方あるいは後方の端部付近に切断装置1を配置する。ここでは、最初に切断対象物Tの後方の端部付近に切断装置1を配置することとする。そして、作業者は、載置部22に切断対象物Tを載せ、切断部3を駆動させるとともに、ハンドル41を操作する。これにより、載置空間Sに配置された切断対象物Tを切断する。
このとき、切断対象物Tである植物の茎等は、2つの載置ローラ222により、下方から支持されている。本実施形態では、2つの載置ローラ222のうち、切断対象物Tが短い切断片に切断されて排出される側(後方)の載置ローラ222の位置を、切断直後の切断片の重心Gの位置よりも切断刃31に近くなるように、配置している。すなわち、切断作業時には、図3のように、切断対象物Tを切断することにより生じる短い切断片の重心Gよりも、載置ローラ222の方が、切断刃31に近い位置となる。そうすると、切断対象物T自体の重さによって、図3中の矢印ARのように、切断対象物Tの切り口が上方へ跳ね上がる。その結果、切断刃31による切断時に、載置ローラ222に支持された切断対象物Tが下方へ撓んで切断しにくくなることを抑制でき、切断対象物Tをより良好に切断できる。
切断後、切断部3を収納位置P1へ戻し、後方の切断対象物Tを、後ろ側の載置ローラ222から後方へ引っ張りながら降ろす。これにより、切断された切断対象物Tを、載置空間Sから除去する。このとき、後ろ側の載置ローラ222が回転することにより、切断対象物Tを、後方へ円滑に降ろすことができる。
続いて、作業者は、切断装置1を前方へ移動させる。このとき、前方へと長く延びる切断対象物Tは、前側の載置ローラ222が回転することにより、容易に後ろ側の載置ローラ222上へと載せることができる。
そして、再び、載置空間Sに配置された切断対象物Tを切断する。このように、切断部3による切断と、切断装置1の移動とを繰り返すことにより、前後方向に長く延びる切断対象物Tを、効率良く切断することができる。
また、本実施形態の切断装置1では、収納位置P1において、切断部3およびガード23が載置空間Sと上下方向に重ならない。このため、切断対象物Tである植物の茎等を載置ローラ222上に載置する際に、切断部3やガード23が作業の妨げとならない。これにより、作業効率の低下を抑制でき、かつ、作業の安全性を高めることができる。
<2.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
<2−1.第1変形例>
上記の実施形態の切断装置1は、枠体2の載置部22に載置された植物の茎等を切断するものであった。しかしながら、本発明はこれに限られない。図7は、変形例に係る切断装置1Aの正面図である。図7の切断装置1Aでは、枠体2Aが載置部を有していない。図7の例では、圃場に設けられた畝状の栽培ベッド70Aの横に、栽培ベッド70Aの延びる方向に間隔を空けて、フック状の複数の保持具71Aが設けられている。そして、複数の保持具71Aに保持された切断対象物Tが、隣り合う保持具71Aの間において、切断装置1Aにより切断される。
<2−2.第2変形例>
また、上記の実施形態の切断装置1に、切断刃31から作業者を保護するための安全機能を付加してもよい。図8は、安全機能を付加した切断装置1Bの背面概略図である。図9は、安全機能に関する制御ブロック図である。図8および図9に示すように、この切断装置1Bは、安全機能を構成する要素として、制御部50、切断刃センサ51、および安全スイッチ52を有する。
切断刃センサ51は、切断刃31が、ガード23内に配置されているか否かを検出するためのセンサである。切断刃センサ51には、例えば、接触式のスイッチセンサが使用される。ただし、切断刃センサ51は、非接触式のセンサであってもよい。図9に示すように、切断刃センサ51は、制御部50と電気的に接続されている。
切断刃31がガード23内に配置された状態では、切断刃31が切断刃センサ51に接触する。この場合、切断刃センサ51は、切断刃31がガード23内に配置されていることを示す第1信号を、制御部50へ出力する。一方、切断刃31がガード23の外に配置されている状態では、切断刃31が、切断刃センサ51から離れる。この場合、切断刃センサ51は、制御部50へ第1信号を出力しない。制御部50は、切断刃センサ51から出力される第1信号の有無に基づいて、切断刃センサ51が、ガード23内に配置されているか否かを認識する。
安全スイッチ52は、切断刃31による切断作業を行う際に、作業者が押下する2つのボタン521,522を有する。図9に示すように、安全スイッチ52は、制御部50と電気的に接続されている。作業者が2つのボタン521,522を同時に押下すると、安全スイッチ52は、2つのボタン521,522が同時に押下されたことを示す第2信号を、制御部50へ出力する。一方、2つのボタン521,522のいずれか一方または両方が押下されていない状態では、安全スイッチ52は、制御部50へ第2信号を出力しない。制御部50は、安全スイッチ52から出力される第2信号の有無に基づいて、作業者が2つのボタン521,522を同時に押下しているか否かを認識する。
なお、安全スイッチ52の2つのボタン521,522は、作業者が片手で押せない程度の間隔を空けて、配置されていることが望ましい。具体的には、安全スイッチ52の2つのボタン521,522は、20cm以上の間隔を空けて配置されていることが望ましい。
制御部50は、本体部32に搭載された動力源であるエンジン33の駆動を制御するユニットである。制御部50は、例えば、電気回路基板により構成される。制御部50は、切断刃センサ51から出力される第1信号と、安全スイッチ52から出力される第2信号とに基づいて、エンジン33の駆動を制御する。
図10は、第1信号および第2信号の出力の有無と、エンジン33の駆動状態との関係を示した図である。図10中の○印は、制御部50が、エンジン33の駆動を許可することを示す。また、図10中の×印は、制御部50が、エンジン33の駆動を禁止することを示す。
制御部50は、第1信号を受信している場合、すなわち、切断刃31がガード23内に配置されている場合、第2信号の有無にかかわらず、エンジン33の駆動を許可する。これは、切断刃31がガード23内に配置されている状態では、切断刃31がガード23に覆われていることにより、作業者の安全が確保されているためである。この状態では、制御部50は、エンジン33を駆動させて、2枚の切断刃31を互いに往復移動させることができる。
また、制御部50は、第1信号を受信せず、第2信号のみを受信している場合、すなわち、切断刃31がガード23の外に配置され、かつ、作業者が、2つのボタン521,522を同時に押下している場合、エンジン33の駆動を許可する。これは、切断刃31を回動させて、切断対象物Tを切断するときの状態である。2つのボタン521,522が同時に押下されていることは、作業者の両手が切断刃31に接近していないことを意味する。これにより、作業者の安全が確保される。この状態では、制御部50は、エンジン33を駆動させて、2枚の切断刃31を互いに往復移動させることができる。
すなわち、制御部50は、第1信号および第2信号の少なくともいずれか一方を受信している場合、エンジン33の駆動を許可する。
ただし、制御部50は、第1信号および第2信号の両方を受信していない場合、すなわち、切断刃31がガード23の外に配置され、かつ、2つのボタン521,522の少なくともいずれか1つが押下されていない場合、エンジン33の駆動を禁止する。これは、切断刃31が、ガード23に覆われることなく露出し、かつ、作業者の両手が2つのボタン521,522の上にない可能性があるので、作業者の安全を確認できないためである。この状態では、制御部50は、エンジン33を駆動させない。したがって、2枚の切断刃31は互いに往復移動しない。
切断装置1Bによる切断対象物Tの切断作業を、2人の作業者で行う場合、1人の作業者(第1作業者)が、切断対象物Tのセットと、ハンドル41の操作とを担当し、もう1人の作業者(第2作業者)が、切断された切断片の載置部22からの除去と、切断装置1Bの移動とを担当することが望ましい。この場合、第1作業者がハンドル41を操作して切断刃31を回動させているときに、第2作業者の手を、切断刃31から遠ざけておく必要がある。
この点において、上記の安全機能を備えた切断装置1Bでは、切断作業を行うときに、まず、第2作業者が、2つのボタン521,522を同時に押下する。そして、2つのボタン521,522が押下された状態のまま、エンジン33の駆動を開始する。その後、第1作業者が、ハンドル41を操作して、切断刃31を回動させることにより、切断対象物Tを切断する。このとき、第2作業者の両手は、必ず2つのボタン521,522の上にある。したがって、回動する切断刃31に、第2作業者の手が接近することはない。
もし、切断刃31の回動中に、第2作業者がボタン521,522から手を離すと、安全スイッチ52から制御部50への第2信号の出力が停止する。したがって、制御部50は、エンジン33を停止させるため、2枚の切断刃31の往復移動が停止する。このため、往復移動する2枚の切断刃31により、第2作業者が負傷することを防止できる。
<2−3.他の変形例>
上記の実施形態の切断装置は、動力源である小型エンジンが、切断刃と一体に構成されていた。しかしながら、本発明はこれに限られない。動力源と切断刃とは、相対的に移動可能であってもよい。例えば、動力源は回転せず、動力源に対して切断刃が回転する構造であってもよい。
また、上記の実施形態の切断装置は、レール上を走行するものであった。しかしながら、本発明はこれに限られない。本発明の切断装置は、例えば、土等の圃場上を走行するためのタイヤその他の走行部を有していてもよい。また、本発明の切断装置は、走行部を有していなくてもよい。
また、上記の実施形態の切断装置では、ハンドル41を上方へ回動させることにより、切断部3が下方へ回動した。しかしながら、ハンドル41と切断部3の連動方向は逆であってもよい。すなわち、ハンドル41を下方へ回動させることにより、切断部3が下方へ回動するようにしてもよい。
また、切断装置の細部の構成については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に取捨選択してもよい。
1,1A,1B 切断装置
2,2A 枠体
3 切断部
4 回転機構
8 回動軸
9 回転軸
21 車輪
22 載置部
23 ガード
31 切断刃
32 本体部
33 エンジン
41 ハンドル
42 回転シャフト
43 回転板
44 伝達棒
50 制御部
51 切断刃センサ
52 安全スイッチ
70A 栽培ベッド
71A 保持具
100 レール
221 柱部
222 載置ローラ
311 軸部
312 刃部
312a 第1刃部
312b 第2刃部
411 操作レバー
412 通信線
431 第1孔
432 第2孔
433 突起
521 ボタン
522 ボタン
P1 収納位置
P2 下限位置
Q1 最下方位置
Q2 最上方位置
S 載置空間
T 切断対象物

Claims (9)

  1. 切断対象物である植物を切断するための切断装置であって、
    切断部を有し、
    前記切断部は、
    互いに重なり合うように配置される2枚の切断刃と、
    2枚の前記切断刃を、前記切断刃の長手方向に相対的に往復スライド移動させる動力源と、
    を有し、
    前記切断刃は、それぞれ、
    前記長手方向に延びる軸部と、
    前記軸部から短手方向に突出する複数の刃部と、
    を含み、
    前記切断刃が、前記切断対象物の長手方向と交差する向きに配置される、切断装置。
  2. 請求項1に記載の切断装置であって、
    前記切断部を回転軸を中心として回転させる回転機構と、
    前記切断部および前記回転機構を支持する枠体と、
    をさらに有する、切断装置。
  3. 請求項2に記載の切断装置であって、
    前記枠体の下部に取り付けられた複数の車輪
    をさらに有する、切断装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の切断装置であって、
    前記枠体は、
    前記切断対象物を前記回転軸に沿う方向に沿って載置する載置部
    有する、切断装置。
  5. 請求項4に記載の切断装置であって、
    前記載置部は、前後に間隔をあけて配置された2つの載置ローラを有し、
    切断作業時に、前記切断対象物を切断することにより生じる短い切断片の重心よりも、前記載置ローラの方が、前記切断刃に近い位置となる、切断装置。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の切断装置であって、
    前記切断部は、収納位置と下限位置との間で回動し、
    前記枠体は、前記切断部が前記収納位置に配置された場合に、前記切断刃を収容するガードを有する、切断装置。
  7. 請求項6に記載の切断装置であって、
    前記切断刃が前記ガード内に配置されている場合にのみ第1信号を出力する切断刃センサと、
    作業者がボタンを押下した場合にのみ第2信号を出力する安全スイッチと、
    前記第1信号および前記第2信号に基づいて前記動力源の駆動を制御する制御部と、
    をさらに備える、切断装置。
  8. 請求項7に記載の切断装置であって、
    前記安全スイッチは、2つの前記ボタンを有し、作業者が2つの前記ボタンを同時に押下した場合にのみ、前記第2信号を出力する、切断装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載の切断装置であって、
    前記制御部は、
    前記第1信号および前記第2信号の少なくともいずれか一方を受信している場合、前記動力源の駆動を許可し、
    前記第1信号および前記第2信号の両方を受信しない場合、前記動力源の駆動を禁止する、切断装置。
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