JP2021182079A - 吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材 - Google Patents

吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材 Download PDF

Info

Publication number
JP2021182079A
JP2021182079A JP2020087583A JP2020087583A JP2021182079A JP 2021182079 A JP2021182079 A JP 2021182079A JP 2020087583 A JP2020087583 A JP 2020087583A JP 2020087583 A JP2020087583 A JP 2020087583A JP 2021182079 A JP2021182079 A JP 2021182079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin material
sound
sound absorption
less
absorbing skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020087583A
Other languages
English (en)
Inventor
康夫 中西
Yasuo Nakanishi
信也 山室
Shinya Yamamuro
隆志 小松
Takashi Komatsu
英治 塩田
Eiji Shioda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2020087583A priority Critical patent/JP2021182079A/ja
Publication of JP2021182079A publication Critical patent/JP2021182079A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】軽量であり、かつ、ホットプレス成型加工時に金型への貼り付きや金型汚染が少ない吸音表皮材、及び該吸音表皮材を含む複合吸音材の提供。【解決手段】少なくとも1層の平均繊維径0.3μm以上7μm以下の極細繊維層を有する不織布から構成される吸音表皮材であって、該極細繊維層の空隙に合成樹脂を含む充填材が充填されており、かつ、該吸音表皮材の通気抵抗が0.2〜3kPa・s/mであることを特徴とする、吸音表皮材及びその製法、並びに該吸音表皮材と吸音基材とが一体化された複合吸音表皮材。【選択図】なし

Description

本発明は、吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材に関する。
車両等が走行する際には、車両に搭載されるエンジン及び駆動系からの騒音や走行中のロードノイズ、風切り音などの、種々の騒音が発生する。このような騒音が搭乗員に不快感を与えないように、特にエンジン周辺のエンジンフード、ダッシュパネル等の壁面には、騒音対策として吸音材が適用されている。吸音材(吸音基材)には、フェルトや発泡体などがよく使用されており、外観の向上や表面保護を目的とした吸音表皮材(以下、「表皮材」ともいう)と複合されて、複合吸音材としてよく使用されている。更に近年は表皮材の通気抵抗を制御することで、複合吸音材全体の吸音性能を高める方策を用いられることが増えている。また、表皮材には、黒色であること、難燃性、撥水性を有することが求められる。
例えば、以下の特許文献1には、表皮材として不織布の片面に多孔質なシラスバルーン分散ポリビニルアルコール塗膜を流拡塗布によって形成して、通気抵抗を0.2kPa・s/m〜3.0kPa・s/mの範囲に調節した通気性調節シートが提案されている。しかし、記載された通気性調節シートにおいては、所望の通気抵抗を得るために多量の塗膜を行う必要があるため、自動車部材の軽量化の観点では好ましくなく、かつホットプレス成型時に吸音材表面への樹脂塗膜のしみ出しなどで成型金型を汚染してしまう。
以下の特許文献2には、スパンボンド不織布と、該スパンボンド不織布の一面を被覆する半硬化状態の熱硬化性樹脂製の樹脂膜を有し、粉体からなるフィラーが分散された吸音性表皮材が提案されているが、特許文献1の表皮材と同様の欠点がある。
これらの問題を解決すべく以下の特許文献3では、水溶性高分子が含侵された不織布と、該不織布の一面を被覆する熱硬化性樹脂による樹脂膜を有し、通気制御した吸音性表皮材が提案されている。しかし、記載された吸音性表皮材では、依然として樹脂膜の目付は高く、ホットプレス成型時に樹脂塗膜のしみ出しなどによる成型金型の汚染は抑制されていないことが予想される。
特開2016−155370号公報 国際公開第2018/066169号 国際公開第2018/212002号
前記した従来技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、軽量であり、かつ、ホットプレス成型加工時に金型への貼り付きや金型汚染が少ない吸音表皮材、及び該吸音表皮材を含む複合吸音材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、少なくとも1層の極細繊維層を持つ不織布の空隙に、合成樹脂を含有する充填材が充填された表皮材が、軽量であり、かつ、ホットプレス成型加工時に金型への貼り付きや金型汚染が少ないことを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]少なくとも1層の平均繊維径0.3μm以上7μm以下の極細繊維層を有する不織布から構成される吸音表皮材であって、該極細繊維層の空隙に合成樹脂を含む充填材が充填されており、かつ、該吸音表皮材の通気抵抗が0.2〜3kPa・s/mであることを特徴とする、吸音表皮材。
[2]前記充填材中にフィラーを含む、前記[1]に記載の吸音表皮材。
[3]充填材の含有量が2g/m以上10g/m未満である、前記[1]又は[2]に記載の吸音表皮材。
[4]前記吸音表皮材の目付けが20〜50g/mである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の吸音表皮材。
[5]前記不織布が、少なくとも1層の平均繊維径0.3μm以上7μm以下の極細繊維層と、少なくとも1層の平均繊維径10μm以上30μm以下の太径繊維層とが一体化された不織布である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の吸音表皮材。
[6]前記合成樹脂が熱硬化性樹脂である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の吸音表皮材。
[7]前記熱硬化性樹脂がフェノール系樹脂又はエステル結合形成硬化性アクリル樹脂である、前記[6]に記載の吸音表皮材。
[8]前記合成樹脂が熱可塑性樹脂である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の吸音表皮材。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載の吸音表皮材と、吸音基材とが一体化された、複合吸音材。
[10]前記合成樹脂をディップニップ法により不織布に充填する工程を含む、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の吸音表皮材の製造方法。
本発明に係る吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材は、軽量であり、かつ、ホットプレス成型時に金型への貼り付きや金型汚染が少ない。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の吸音表皮材は、少なくとも1層の平均繊維径0.3μm以上7μm以下の極細繊維層(以下、「極細繊維層(M)」ともいう。)を持つ不織布の空隙に、合成樹脂を含む充填材(以下、単に「充填材」ともいう。)が充填され、該吸音表皮材の通気抵抗が0.2〜3kPa・s/mであることを特徴とする。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布としては、少なくとも1層の極細繊維層(M)を含んでいればよく、極細繊維層(M)1層以上から構成されるが(M、MM)、平均繊維径10μm以上30μm以下の太径繊維層(以下、「太径繊維層(S)」ともいう。)と極細繊維層(M)を複合体化したものでもよい。複合体としては、例えば、SM、SMS、SMM、SMMS、SMSMS、SMSSMS等といった層構成のものが挙げられる。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布は、少なくとも1層の極細繊維層(M)を含むため、該極細繊維層(M)の空隙に合成樹脂を含む充填材が充填されやすく、ごく少量の充填材の含有により、吸音効果発現に十分な通気抵抗を得やすい。尚、「極細繊維層(M)の空隙に合成樹脂を含む充填材が充填される」とは、極細繊維層(M)を構成する極細繊維中に合成樹脂を含む充填材が充填されている状態であり、該空隙に充填材が入り込まず、又は僅かに入り込んで、極細繊維層(M)の層上に充填材の膜が形成されているような状態は含まない。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布の極細繊維層(M)を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、不織布化の手段も特には限定されないが、メルトブロー法によって作製することが好ましい。
極細繊維層(M)の平均繊維径は0.3μm以上7μm以下、好ましくは0.4μm以上5μm以下、より好ましくは0.6μm以上2μm以下である。0.3μm以上の繊維径であれば、メルトブロー法によって穏やかな条件で紡糸することができ、安定した繊維が得られる。他方、平均繊維径が7μm以下であれば、吸音効果が得やすく、また不織布が太径繊維層(S)と極細繊維層(M)の複合から構成される場合には、太径繊維層(S)の隙間に微細繊維として入り込んで該隙間を埋める作用が得られ、緻密な構造となるため、さらに吸音効果が高まる。尚、本実施形態の吸音表皮材が極細繊維層(M)のみからなる場合、取り扱い性向上の観点からは、3〜7μmの繊維径とすることが好ましい。
音源側に配置される表皮層はより緻密であることが求められるが、該表皮材を構成する不織布は、過剰な全面接合等で密度を上げるよりも、より細繊維径とすることにより緻密化を行うことが好ましい。
極細繊維層(M)の目付は、低目付で十分な吸音性を得る点から、好ましくは1g/m以上40g/m以下、より好ましくは2g/m以上25g/m以下、さらに好ましくは3g/m以上20g/m以下である。
極細繊維層(M)を構成する繊維の素材としては特に限りはなく、セルロース等の天然素材や、溶融紡糸法で繊維化できる熱可塑性合成樹脂等が用いられ、製造の容易性からは熱可塑性合成樹脂が好ましい。熱可塑性合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなど)、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂(ポリD−乳酸、ポリL−乳酸、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、これらのブレンド体など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、共重合ポリアミドなど)、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。熱可塑性合成樹脂としては、特に、耐熱性、耐水性などに優れる芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。芳香族ポリエステル系樹脂としては、熱可塑性ポリエステルであって、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートが代表例として挙げられる。また、芳香族ポリエステル系樹脂は、エステルを形成する酸成分としてイソフタル酸やフタル酸等が重合又は共重合されたポリエステルであってもよい。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布が太径繊維層(S)と極細繊維層(M)の複合から構成される場合、前記の極細繊維層(M)の特性と、太径繊維層(S)の特性である高い強度を得ることができ、表皮材として吸音効果を発現できるだけでなく、ホットプレス成型性が向上するため、好ましい。また、SMS型のように太径繊維層(S)が表面側に存在する積層構造は、太径繊維層(S)表面上にはごく少量の樹脂の存在となり、金型汚染の少ないホットプレス成型加工時を行いやすいため好ましい。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布が太径繊維層(S)を含む場合、該太径繊維層(S)は短繊維でも長繊維でもよいが、強度の観点からは長繊維が好ましい。長繊維の場合の紡糸方法は、既知のスパンボンド法を適用することが好ましく、摩擦帯電やコロナ帯電などにより糸条を均一に分散させる条件下で作製することが好ましい。このような条件を用いれば、未結合状態のウェブを生成しやすく、かつ、経済性に優れる。また、連続長繊維層のウェブは単層でも複数を重ねた層でもよい。
太径繊維層(S)を構成する素材としては、前記した極細繊維層(M)に使用可能な素材を同様に用いることができる。
吸音表皮材の吸音基材と接する面を太径繊維層(S)とする場合、該太径繊維層(S)は、他層の繊維の融点より30℃以上低い融点を有する繊維を含んでもよい。すなわち、吸音表皮材と吸音基材の接着性を良好に保つために、吸音基材と接触する層を低融点の繊維構成にすることもできる。低融点の繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートにフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオールの1種又は2種以上の化合物を共重合した芳香族ポリエステル共重合体、脂肪族エステルなどのポリエステル系繊維などが挙げられる。これらの繊維は、単独でもよく、2種以上複合混繊してもよく、また、低融点繊維と高融点繊維とを複合混繊してもよい。更に、低融点成分を鞘部に有する、鞘芯構造の複合繊維を用いてもよい。鞘芯構造の複合繊維としては、例えば、芯が高融点成分であるポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、鞘が低融点成分である共重合ポリエステル、脂肪族エステルなどが挙げられる
太径繊維層(S)を構成する繊維の平均繊維径は、好ましくは10μm以上30μm以下であり、より好ましくは12μm以上30μm以下、さらに好ましくは12μm以上20μm以下、よりさらに好ましくは13μm以上20μm以下、最も好ましくは13μm以上18μm以下である。紡糸安定性の観点から10μm以上が好ましく、他方、強力や耐熱性の観点から30μm以下が好ましい。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布を構成する繊維の断面の形状は、特に制限されないが、強度の観点からは、丸断面が好ましく、微細空隙の形成の観点からは、偏平糸などの異型断面糸が好ましい。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布のKES−F8−AP1、カトーテック株式会社製の通気性試験機によって測定される充填材が充填される前の通気抵抗は、0.1kPa・s/m以上が好ましく、より好ましくは0.15kPa・s/m以上、さらに好ましくは0.18kPa・s/m以上であり、また、3kPa・s/m以下が好ましく、より好ましくは2kPa・s/m以下である。不織布の通気抵抗が0.1kPa・s/m以上2kPa・s/m以下であると、充填材を充填させた後も適正な通気抵抗の吸音表皮材を得ることができる。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布が熱可塑性樹脂を含み、該不織布の製造において熱圧着を行う場合、熱圧着は、公知のエンボスロールと平滑ロール(以下、フラットロールともいう)間での加熱圧着による接合、平滑ロールと平滑ロール間での加熱圧着による接合、熱平板間での加熱圧着による接合が可能である。最も好ましくは、公知のエンボスロールと平滑ロール間で加熱圧着して接合する手法であり、非(部分)熱圧着部(この方法においては、非エンボス部と同視される)において、緻密化が抑制できることで音の侵入を阻害しにくくなる。さらには、(部分)熱圧着部(この方法においては、エンボス部と同視される)での強固な一体化が行われるため、十分な強度を持ち取り扱い性が良く、ホットプレス成型が必要な部材への適用が可能となり、幅広く用いることができる。
公知のエンボスロールと平滑ロール間で加熱圧着して接合する手法の場合、不織布全面積に対して6%以上30%以下の範囲の圧着面積率で部分熱圧着が行われることが好ましく、より好ましくは7%以上25%以下である。熱圧着面積率が6%以上であると、毛羽立ちが少なく、30%以下であると不織布がペーパーライクになりにくく、破断伸度、引裂強力等の機械的物性が低下しにくい。圧着面積率がこの範囲内であれば、良好な繊維相互間の熱圧着処理を実施することができ、得られる不織布を、適度な機械的強度、剛性、寸法安定性を有するものとすることができる。
熱圧着の温度は、供給されるウェブの目付、速度等の条件によって適宜選択されるべきものであり、一概には定められないが、繊維を構成する樹脂の融点よりも30℃以上90℃以下低い温度であることが好ましく、より好ましくは40℃以上70℃以下低い温度である。また、エンボスロールと平滑ロール間で加熱、圧着して接合する場合であって、エンボスロール面に接する樹脂種とフラットロール面に接する樹脂種が同じ場合、エンボスロールとフラットロールの温度差は、10℃未満であることが好ましく、より好ましくは5℃未満、さらに好ましくは3℃未満である。但し、エンボスロール面に接する樹脂種とフラットロール面に接する樹脂種の融点等の物性が異なる場合は、この限りではない。エンボスロールとフラットロールの温度差が上記範囲内であれば、ロール温度が低い側の毛羽も立ちにくくなり、ホットプレス成型により毛羽立ちも抑制でき、ホットプレス成型時の延伸の際、毛羽立ちによって熱圧着部から糸が外れにくくなり、糸が外れた部分へ応力集中しにくくなり延伸斑を抑制でき、吸音基材の露出を抑えることができる。また、温度の差が過度に大きくなければ、片面側の熱量不足による耐熱性不足となりにくい。尚、ロール温度の差をつけた場合には、延伸時の応力を下げることができ、ホットプレス成型性が向上する。
熱圧着の圧力も、供給されるウェブの目付、速度等の条件によって適宜選択されるべきものであり、一概には定められないが、10N/mm以上100N/mm以下であることが好ましく、より好ましくは30N/mm以上70N/mm以下であり、この範囲内であれば、良好な繊維相互間の熱圧着処理を行うことができ、得られる不織布を適度な機械的強度、剛性、寸法安定性を有するものとすることができる。
熱圧着部の形状については、特には限定されないが、好ましくは織目柄、アイエル柄(長方形柄)、ピンポイント柄、ダイヤ柄、四角柄、亀甲柄、楕円柄、格子柄、水玉柄、丸柄などが例示できる。
平滑ロールと平滑ロール間で加熱圧着して接合する場合や、熱平板間加熱圧着して接合する場合は、不織布の全面に圧力がかかるため、面全体が過剰に緻密となり音の侵入を阻害しない様に、また層間剥離を引き起こさない程度に、低圧低温での加熱圧着とすることが好ましい。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布の各繊維層が溶融紡糸によって製造される場合、該溶融紡糸工程に、黒顔料や、燐系などの難燃剤、撥水剤を同時に混合し、フードインシュレーター等の表皮材に必要な、黒着色、難燃性、撥水性を付与することができる。
本実施形態の吸音表皮材の目付は、20〜50g/mが好ましく、より好ましくは、22〜40g/mである。20g/m以上であると、十分に表皮材の通気制御が可能である。また、基材層の摩耗等からの保護としての必要強度を達成しやすく、意匠性の観点から基材層の目隠しを行いやすい。50g/m以下であると、過剰な密な構造を抑制でき音の反射が少なく、基材まで音を侵入させやすく吸音材全体での吸音効果を得やすい。また表皮材の柔軟性、延伸性、追随性を得やすく、これらの特性が必要な、例えばフードインシュレーター等のホットプレス成型を要する部材においても使い勝手が良い。
本実施形態の充填材に含まれる合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができ、熱硬化性樹脂としては、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エステル結合型熱硬化性アクリル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリエステル系樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等が使用される。
前記熱硬化性樹脂として望ましいものの一つは、エステル結合型熱硬化性アクリル樹脂である。エステル結合型熱硬化性アクリル樹脂は、エチレン性不飽和ジカルボン酸からなるラジカル重合により得られたポリマーの酸と、ヒドロキシル基を有するアルカノールアミンに含まれる水酸基とのエステル化反応によって硬化を行う。架橋はエステル化反応によるから水のみが副成され、ホルムアルデヒド等の有害物質が副成されないという利点が、自動車内装材などに適している。
前記熱硬化性樹脂として望ましい他の一つは、フェノール系樹脂のフェノール−アルキルレゾルシン共縮合物である。フェノール−アルキルレゾルシン共縮合物は水溶液の安定性が良く、かつ、フェノールのみからなる縮合物に比較して、常温で長期間保存することができるという利点がある。また、アルキルレゾルシンはホルムアルデヒド類との反応性が高く、遊離アルデヒドを捕捉して反応するので、樹脂中の遊離アルデヒド量が少なくなるという利点がある。
前記熱可塑性樹脂として望ましいのは、ポリエステル系樹脂である。比較的Tgが高く、表皮材への充填後、低温での乾燥でもべたつきが少なく良好な肌触りを持ち、樹脂移りが少ないという利点がある。
本実施形態の充填材中に、表皮材を緻密にさせながらも、適度な通気性を持たせることを目的に、フィラーを混合してもよい。フィラーとしては、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、中空セラミックス等の中空流体、プラスチック発泡体や発泡粒、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ等の無機充填剤等が例示される。これらの中でもシラスバルーン等の中空粒体は、内部が中空であることから吸音性能の向上に寄与しやすく望ましい。
前記フィラーとしては、平均粒径が1〜100μmのものが使用でき、好ましくは10〜90μm、より好ましくは15〜70μmである。平均粒径が1μm以上であると、フィラー同士の隙間が形成されやすく、緻密性が高過ぎず、空隙が少なくなりすぎず、音の進入が十分となり吸音効果を高めやすい。また100μm以下であると、過度な大きな隙間の形成が抑制しやすく、表皮材を緻密にさせやすい。
充填材中のフィラーと合成樹脂の混合比は、固形分比で55:45〜70:30で使用できる。この範囲であれば、フィラーの表皮材への固着が十分であり、フィラー同士の隙間を樹脂で埋め尽くす可能性を低減させることができる。
充填材の不織布への充填方法としては、充填材を含む液(以下、「充填材液」ともいう。)をロールコーター、ナイフコーター、フローコーター等を用いて片面へコーティングする方法や、ディップニップ等の含侵による厚み方向全面へのコーティング方法が使用できる。不織布に充填材をディップニップにより含浸させると、表皮材の厚み方向全域に充填材を存在させることができ、極少量の充填材量で表皮材を緻密にさせやすいため好ましいが、他方で、表皮材の表面まで合成樹脂がにじみ出して、熱ホットプレス成型時の金型への合成樹脂の付着を起こしやすい。しかし、不織布が、例えば、SMSのような太径繊維層(S)と極細繊維層(M)の複合から構成される場合は、ディップニップを用いても充填材液が極細繊維層(M)表面に付着して表面張力を発生させ、太径繊維層(S)の表面まで合成樹脂がにじみ出しにくいため、熱ホットプレス成型時の金型への合成樹脂の付着を抑制し、ホットプレス成型体の金型への貼り付きを抑制することができる。また、充填材液としては、取り扱いが容易な点から、水溶液、水性エマルジョン、水性ディスパーションが好ましい。
コーティングの乾燥温度は、100〜130℃の範囲が好ましい。この範囲であると、充填材液の乾燥を十分に行うことができると共に、表皮材の熱での結晶化促進による柔軟性及びホットプレス成型性の低下を抑制でき、また、熱硬化性樹脂を用いる場合、熱ホットプレス成型前に硬化状態となることを抑制できる。乾燥後に硬化状態となっていなければ、熱ホットプレス成型時の熱により金型熱硬化が完了することで、優れたホットプレス成型性を発揮することができる。
充填材中に、黒顔料や、燐系などの難燃剤、撥水剤を同時に混合することで、フードインシュレーター等の表皮に必要な、黒着色、難燃性、撥水性を付与することができる。
本実施形態の吸音表皮材の充填材の含有量は、2g/m以上10g/m未満が好ましく、より好ましくは2.1g/m〜8g/m、さらに好ましくは2.2g/m〜7g/mである。充填材の含有量が2g/m以上10g/m未満であれば、十分に吸音表皮材の通気抵抗を制御することができ、かつホットプレス成型時の金型汚染を抑制することができる。
本実施形態の吸音表皮材を構成する不織布の嵩密度は、0.1g/cm以上0.7g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.15g/cm以上0.6g/cm以下、さらに好ましくは0.2g/cm以上0.55g/cm以下である。嵩密度が0.1g/cm以上であれば、不織布の緻密性が向上し、音の減少する効果が向上する。他方、嵩密度が0.7g/cm以下であれば、不織布の緻密性が高過ぎず、空隙が少なくなりすぎず、音の進入が十分となり、特に中周波数4000Hz付近の吸音率が下がりにくく、加工性も向上する。
本実施形態の吸音表皮材のKES−F8−AP1、カトーテック株式会社製の通気性試験機によって測定される通気抵抗は、0.2kPa・s/m〜3kPa・s/mが好ましく、より好ましくは0.25kPa・s/m〜2.5kPa・s/m、さらに好ましくは0.3kPa・s/m〜2kPa・s/mである。通気抵抗が0.2kPa・s/m〜3kPa・s/mであれば、進入する音の波長を小さくすることができ、音エネルギーの減少効果を得やすいため、吸音表皮材として十分に機能する。
本実施形態の吸音表皮材の180℃雰囲気下、10分間における乾熱収縮率は、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3.5%以下である。前記乾熱収縮率が5%以下であれば、成型加工時、収縮によりシワが顕著に発生しにくい。
本実施形態の吸音表皮材を吸音基材と一体化する方法としては、熱圧着による一体化や、カーディングを経たウェブを接着樹脂の塗布による一体化、ニードルパンチ、水流交絡等の機械交絡によって一体化する方法が挙げられるが、吸音性の観点や、軽量化の観点から熱圧着による一体化が望ましい。熱圧着により一体化された表皮層は、表皮材が面として適度に固定化されているため、膜振動吸音効果が発現しやすく、十分な強度を与えやすい為取り扱い性も良好となる。
本実施形態の吸音表皮材と吸音基材を組み合わせて、高い吸音性を有しながらも、薄く、軽量で、形態安定性に優れた複合吸音材とするためには、吸音基材の嵩密度は0.01g/cm以上0.1g/cm以下が好ましく、より好ましくは0.02g/cm以上0.08g/cm以下、さらに好ましくは0.03g/cm以上0.05g/cmである。吸音基材の嵩密度は、表皮材との組み合わせ前に公知の熱プレス機などで圧縮調整されていてもよく、自動車部材等に熱ホットプレス成型加工で合繊繊維不織布を積層した後、吸音基材と一体ホットプレス成型する際に圧縮調整されていてもよい。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、不織布製造における流れ方向(機械方向)をMD方向、その方向と直角方向で巾方向をCD方向という。
以下の実施例等における各物性は、下記方法により測定して得られたものである。尚、以下の実施例等では、各物性は、原則、下記方法により測定されるが、下記方法により測定できない事情がある場合は、適宜合理的な代替方法によって測定することが可能である。
(1)目付(g/m
表皮材の目付はJIS L 1913に準拠して測定する。また、不織布全体、不織布各層、充填材、及び吸音表皮材の目付は、本実施例では製造条件から計算される値とする。尚、製造条件が不明である場合、不織布及び充填材の目付は、充填材に含まれる合成樹脂のみ、又は、不織布のみを溶解する液体(熱水、酸又はアルカリ水溶液、有機溶剤等)に表皮材を曝し、残渣を洗浄・乾燥させ、溶解前後の質量差より測定できる。また、不織布の各層目付は、層間剥離できるものは剥がして単層としてからJIS L 1913に準拠して測定することができる。また、層間剥離ができない場合は、不織布のX線CT画像を撮り、X線CT画像から、観察範囲の面積、極細繊維層が占める体積と樹脂密度、厚みから計算することができる。
(2)平均繊維径(μm)
キーエンス社製のVHX−700Fマイクロスコープを用いて500倍の拡大写真を撮り、観察視野においてピントの合った繊維10本の平均値で求める。
(3)嵩密度(g/cm
(目付)/(厚み)から算出し、単位容積あたりの重量を求める。
(4)厚み(mm)
JIS L 1913 B法に準拠した。荷重0.02kPaの圧力の厚みを3カ所以上測定し、その平均値を求める。
(5)通気抵抗
KES−F8−AP1、カトーテック株式会社製の通気性試験機で測定する。
(6)金型の汚染
凹凸形状を有する金型を使用し、金型温度200℃でホットプレス成型を行った後、吸音表皮材に接触する金型への合成樹脂残渣を、以下の評価基準で目視判断する。
〇:金型への合成樹脂残渣は認められない。
△:金型へ合成樹脂残渣が少量付着している。
×:金型へ合成樹脂残渣が多量に付着している。
(7)金型への貼り付き
凹凸形状を有する金型を使用し、金型温度200℃でホットプレス成型を行い、金型に表皮材が貼り付いているかを、以下の評価基準で目視判断する。
〇:金型に吸音表皮材が貼り付いていない。
△:金型に吸音表皮材が貼り付いているが、手で簡単に剥がすことができる。
×:金型に吸音表皮材が貼り付いており、強い力をかけなければ剥がれない。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(オルソクロロフェノールを用いた1%、25℃法の溶液粘度ηsp/c 0.77、融点263℃)樹脂を、常用の溶融紡糸装置に供給して300℃で溶融し、円形断面の紡糸孔を有する紡糸口金から吐出し、エアジェットによる高速気流牽引装置を使用して延伸しながら、糸を冷却し太径繊維ウェブ(S1)(目付け9.3g/m、平均繊維径13μm)を捕集し、ネット上に形成した。得られた太径繊維ウェブ(S1)上に、ポリエチレンテレフタレート(同じく溶液粘度ηsp/c 0.50、融点260℃)をメルトブローノズルから、紡糸温度300℃、加熱空気320℃で1000Nm/hrの条件下で直接噴出させ、極細繊維ウェブ(M)(目付け6.4g/m、平均繊維径1.7μm)を形成した。この際、メルトブローノズルから太径繊維層までの距離を110mmとし、メルトブロウンノズル直下の捕集面における吸引風速を7m/secに設定した。更に得られた極細繊維ウェブ上に、太径繊維ウェブ(S1)と同様にポリエチレンテレフタレートの太径繊維ウェブ(S2)を形成した。次に得られた積層ウェブを、熱圧着時に圧着面積率15%である、織目柄エンボスロールとフラットロールを用いて、該エンボスロールの表面温度を220℃、該フラットロールの表面温度を220℃とし、カレンダ線圧30N/mmで熱圧着することにより、目付け25.0g/m、嵩密度0.25g/cmの不織布を得た。
その後、前記不織布を、水中に顔料(水中固形分2.1質量%)、難燃剤(水中固形分6.0質量%)、水溶性ポリエステル系樹脂(水中固形分1.0質量%)を混合させた充填材液を満たした槽中に通し、ゴムロール間でニップさせるディップニップ工程の後、100℃のピンテンターオーブンを用いて乾燥させ、充填材含有量2.5g/m、Total目付け27.5g/mの吸音表皮材を得た。その特性を以下の表1に示す。
また、ホットプレス成型時の状況を確認するため、前記吸音表皮材と、厚さ20mm、目付け1400g/cm、嵩密度:70kg/mのフェルト(寺田タカロン社製 レジンフェルト)を用いて、ホットプレス成型を行った。その際の金型汚染、金型への表皮の貼り付き(ホットプレス成型状況)を以下の表1に示す。
[実施例2]
充填材液として、水中に顔料(水中固形分2.1質量%)、難燃剤(水中固形分6.0質量%)、エステル結合形成熱硬化性アクリル樹脂(水中固形分1.0質量%)を混合させたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表1に示す。
[実施例3]
熱硬化性樹脂液であるレゾール型フェノール・アルキルレゾルシン初期共縮合樹脂(固形分45質量%の水溶液)用い、これにフィラーとしてシラスバルーン(平均粒径:45μm)、黒顔料、燐系難燃剤をフィラー/熱硬化性樹脂の混合比55/45になるよう添加し、更にアクリル系増粘剤を添加し、粘度が150Poiseで固形分20質量%の水溶液となるように調整して得た充填材液を、充填材の含有量が25g/mとなるようにロールコート法で実施例1の不織布に塗布した後、120℃の加熱温度で3分間の加熱乾燥を行い、前記熱硬化性樹脂を半硬化状態にして吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表1に示す。
[実施例4]
太径繊維ウェブ(S1)の紡糸時に、鞘芯型2成分紡糸口金を用いて、鞘成分を共重合ポリエステル樹脂(融点160℃)、かつ、芯成分をポリエチレンテレフタレート(融点263℃)としたこと以外は、実施例2と同様にして吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表1に示す。
[実施例5]
極細繊維ウェブ(M)の紡糸時に、紡糸温度300℃、加熱空気320℃で900Nm/hrの条件下で直接噴出させ、目付けを6.4g/mとしたこと以外は、実施例2と同様にして吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表1に示す。
[実施例6]
太径繊維ウェブ(S1,S2)の目付けをともに15.0g/m、極細繊維ウェブ(M)の目付けを10.0g/mとし、充填材含有量を6.1g/m、Total目付けを46.1g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表1に示す。
[実施例7]
太径繊維ウェブをS1のみとしたこと以外は、実施例2と同様にして吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表1に示す。
Figure 2021182079
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレート(オルソクロロフェノールを用いた1%、25℃法の溶液粘度ηsp/c 0.77、融点263℃)樹脂を、常用の溶融紡糸装置に供給して300℃で溶融し、円形断面の紡糸孔を有する紡糸口金から吐出し、エアジェットによる高速気流牽引装置を使用して延伸しながら、糸を冷却し太径繊維ウェブ(S1)(目付50.0g/m、平均繊維径13μm)を捕集し、ネット上に形成した。ウェブを、熱圧着時に圧着面積率15%である、織目柄エンボスロールとフラットロールを用いて、該エンボスロールの表面温度を220℃、該フラットロールの表面温度を220℃とし、カレンダ線圧30N/mmで熱圧着を実施して、不織布を得た。
その後、前記不織布を、シラスバルーン及びフェノール系熱硬化性樹脂を固形分で20質量%となるよう混合させた水溶液槽中に通し、ゴムロール間でニップさせるディップニップ工程の後、120℃のピンテンターオーブンを用いて乾燥させ、充填材含有量25g/m、Total目付け75g/mの吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表2に示す。
[比較例2]
含侵加工で、充填材含有量10g/m、Total目付け60g/mとしたこと以外は、比較例1と同様に吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表2に示す。
[比較例3]
含侵加工で、充填材中の合成樹脂として水溶性高分子とフェノール系熱硬化性樹脂を使用したこと以外は、比較例1と同様に吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表2に示す。
[比較例4]
ポリエステル繊維からなるメルトブローン法による目付け量75g/mの不織布の片面に、シラスバルーン(マールライトBA−15、丸中白土株式会社製、:粒径50〜70μm)8質量部、ポリビニルアルコールとしてクラレポバール117(商品名:クラレ株式会社製)の20%水溶液20質量部(PVAの固形分が4質量部)、カーボンブラック水分散液(固形分40%)1.0質量部、増粘剤としてプライマルASE−60(商品名、ローム・アンド・ハース社製)1.0質量部、25%アンモニア水1.0質量部、共重合ポリアミド系ホットメルト接着剤としてベスタメルト250(商品名、ダイセル・エボニック株式会社製、軟化点:135℃)0.5質量部、水68.5質量部からなる。溶液粘度が400ポイズに調製された混合塗液(質量比:シラスバルーン/ポリビニルアルコール=67/33、固形分:13.2質量%)をロールコーターによりシラスバルーン分散ポリビニルアルコールの固形換算で20g/mになるように塗布後、未乾燥状態を維持して直ちに160℃×3分加熱乾燥させ、Total目付け75g/mの吸音表皮材を得た。その特性、ホットプレス成型状況を以下の表2に示す。尚、本比較例の吸音表皮材は、不織布の空隙に塗膜が入り込んでいなかった。
Figure 2021182079
本発明に係る吸音表皮材は、軽量であり、かつ、ホットプレス成型加工時に金型への貼り付きや金型汚染が少ない吸音表皮材である。より詳しくは、具本発明に係る吸音表皮材は、ごく少量の樹脂塗布により、通気抵抗の向上を図ることができると共に、樹脂塗布がごく少量であり、金型の汚染が少ないため、吸音基材と組み合わせて、特に自動車用、住宅、家電製品、建設機械等の複合吸音材として好適に利用可能である。

Claims (10)

  1. 少なくとも1層の平均繊維径0.3μm以上7μm以下の極細繊維層を有する不織布から構成される吸音表皮材であって、該極細繊維層の空隙に合成樹脂を含む充填材が充填されており、かつ、該吸音表皮材の通気抵抗が0.2〜3kPa・s/mであることを特徴とする、吸音表皮材。
  2. 前記充填材中にフィラーを含む、請求項1に記載の吸音表皮材。
  3. 充填材の含有量が2g/m以上10g/m未満である、請求項1又は2に記載の吸音表皮材。
  4. 前記吸音表皮材の目付けが20〜50g/mである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音表皮材。
  5. 前記不織布が、少なくとも1層の平均繊維径0.3μm以上7μm以下の極細繊維層と、少なくとも1層の平均繊維径10μm以上30μm以下の太径繊維層とが一体化された不織布である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音表皮材。
  6. 前記合成樹脂が熱硬化性樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸音表皮材。
  7. 前記熱硬化性樹脂がフェノール系樹脂又はエステル結合形成硬化性アクリル樹脂である、請求項6に記載の吸音表皮材。
  8. 前記合成樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸音表皮材。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸音表皮材と、吸音基材とが一体化された、複合吸音材。
  10. 前記合成樹脂をディップニップ法により不織布に充填する工程を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸音表皮材の製造方法。
JP2020087583A 2020-05-19 2020-05-19 吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材 Pending JP2021182079A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020087583A JP2021182079A (ja) 2020-05-19 2020-05-19 吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020087583A JP2021182079A (ja) 2020-05-19 2020-05-19 吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021182079A true JP2021182079A (ja) 2021-11-25

Family

ID=78606532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020087583A Pending JP2021182079A (ja) 2020-05-19 2020-05-19 吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021182079A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI382908B (zh) 具有不織布纖維構造之成形體
TWI586863B (zh) 不織纖維片及其製造方法與過濾器
KR102343534B1 (ko) 부직포, 및 이것을 표피재로서 이용한 복합 흡음재
JP6362400B2 (ja) 不織布ウェブ
JP6526922B2 (ja) 吸音性表皮材、吸音材
JP2010128005A (ja) 複合吸音材
KR20200102448A (ko) 적층 흡음재
JP6498454B2 (ja) 多層成形用シート及びシート成形体
JP2019045636A (ja) 複合吸音材
JP2021182079A (ja) 吸音表皮材及び該吸音表皮材を含む複合吸音材
JP6774042B2 (ja) 積層吸音材
JP2006098890A (ja) 吸音材およびその製造方法
JP7462748B2 (ja) 複合吸音材
JP5143110B2 (ja) 吸音材
JP2019043014A (ja) 複合吸音材
JP2022135554A (ja) 遮音シート及び防音シート
JP6240817B1 (ja) 吸音性表皮材、吸音材、及びそれらの製造方法
JP2023032679A (ja) 吸音表皮材、及びそれを含む吸音材
JP2010243831A (ja) 吸音性シート材料及び吸音性内装材料
JP2006028709A (ja) 吸音材およびその製造法
JP5726703B2 (ja) 天井材
JP2001018314A (ja) 不織布積層体及び自動車用内装材
CN113195819B (zh) 无纺布、该无纺布的层叠无纺布、及使用它们作为表皮材料而成的复合吸音材料
JP2022117661A (ja) 吸音表皮材
JP2022117628A (ja) 吸音材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230502

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20240109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240109