JP2021181514A - 洗浄液組成物および洗浄方法 - Google Patents

洗浄液組成物および洗浄方法 Download PDF

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【課題】水系においてスライムとスケールをともに洗浄することができる洗浄液組成物、およびその洗浄液組成物を用いる水系の洗浄方法を提供する。【解決手段】塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、キレート剤と、を含有する洗浄液組成物、およびその洗浄液組成物を用いる水系の洗浄方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、水系においてスライムやスケールの洗浄に用いる洗浄液組成物、およびその洗浄液組成物を用いる水系の洗浄方法に関する。
各種工場のプラント冷却水系、紙パルプ水系、廃水処理水系、鉄鋼水系、切削油水系等の水系流路内に付着したスライムを剥離、洗浄する方法として、次亜塩素酸ナトリウムや、塩素系酸化剤とスルファミン酸とを含有する組成物を用いる方法が開示されている(特許文献1,2参照)。また、ボイラや冷却水系等の配管を含む水系においてスケールを洗浄する洗浄方法として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含むキレート剤を用いる方法が開示されている(特許文献3参照)。
また、耐アルカリ性のポリアミド系逆浸透膜に対して、EDTAを含むキレート剤が膜の洗浄剤として有効であることが開示されている(非特許文献1)。
食品工場等において安全性が重視される場合、水系の洗浄剤に限らず、水処理薬剤には、処理対象となる水系の安全性向上等の観点から、スルファミン酸等の工業用薬剤を使用するのではなく、食品添加物として用いられる化合物を薬剤として使用する等、安全性の高い薬剤が求められている。
また、次亜塩素酸ナトリウムやEDTA塩等は食品添加物リストに記載されている化合物であるが、これらを組み合わせて水系のスライムとスケールの洗浄をともに実施しようとする場合、両薬剤が互いに反応して洗浄効果が低減してしまう。各薬剤を用いて水系のスライムとスケールの洗浄を別個に実施しようとすると、洗浄に要する時間や水量が増えてしまうため、スライムとスケールの洗浄をともに実施することができる安全性の高い洗浄液組成物および洗浄方法の確立が望まれていた。
特開2013−198454号公報 特開2003−267811号公報 特開2008−209126号公報
「膜の劣化とファウリング対策 膜汚染防止、洗浄法からトラブルシューティングまで」(NTS発行)p.142 2008
本発明の目的は、水系においてスライムとスケールをともに洗浄することができる洗浄液組成物、およびその洗浄液組成物を用いる水系の洗浄方法を提供することにある。
本発明は、塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、キレート剤と、を含有する洗浄液組成物である。
前記洗浄液組成物において、前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸およびその塩のうち少なくとも1つであることが好ましい。
前記洗浄液組成物において、前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸およびその塩のうち少なくとも1つであることが好ましい。
本発明は、前記洗浄液組成物を水系に添加する洗浄方法である。
本発明によって、水系においてスライムとスケールをともに洗浄することができる洗浄液組成物、およびその洗浄液組成物を用いる水系の洗浄方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<洗浄液組成物>
本発明の実施形態に係る洗浄液組成物は、塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、キレート剤と、を含有する組成物である。洗浄液組成物は、塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つとを含む結合塩素製剤と;キレート剤を含むキレート剤含有製剤と;からなる2剤構成であってもよい。
本実施形態に係る洗浄液組成物を用いることによって、スライムおよびスケールの洗浄をともに実施することができる。塩素系酸化剤と、安定化剤であるサッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つとが混合されることによって結合塩素が生成するため、結合塩素とキレート剤とが混合されても、両薬剤が互いに反応することはほとんどなく、スライムおよびスケールのそれぞれの洗浄効果が十分に発揮される。したがって、洗浄に要する時間や水量を節約することができる。
塩素系酸化剤としては、次亜塩素酸およびその塩、塩素ガス、二酸化塩素、亜塩素酸またはその塩、塩素酸またはその塩、過塩素酸またはその塩、塩素化イソシアヌル酸またはその塩等が挙げられる。これらのうち、取り扱い性等の点から、次亜塩素酸およびその塩が好ましい。次亜塩素酸の塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム等の次亜塩素酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。次亜塩素酸の塩としては、食品添加物リストに記載されている化合物である点、取り扱い性等の点から、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。
サッカリンは、o−安息香酸スルフィミドとも呼ばれる化合物であり、本実施形態に係る洗浄液組成物において塩素の安定化剤として作用する。サッカリンの塩としては、例えば、サッカリンナトリウム、サッカリンカリウム等のサッカリンアルカリ金属塩、サッカリンカルシウム等のサッカリンアルカリ土類金属塩等が挙げられる。サッカリンおよびその塩は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。サッカリンおよびその塩としては、食品添加物リストに記載されている化合物である等の点から、サッカリン、サッカリンナトリウムが好ましい。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、ニトリロ三酢酸(NTA)およびその塩、メチルグリシン二酢酸およびその塩、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸(HIDS)およびその塩、ジエチレントリアミン五酢酸およびその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸およびその塩、トリエチレンテトラミン六酢酸およびその塩、1,3−プロパンジアミン−N,N’−四酢酸およびその塩、1,3−ジアミノ−2−プロパノール―N,N,N’,N’−四酢酸およびその塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸およびその塩、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシンおよびその塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)およびその塩、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)およびその塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)およびその塩、2−ホスホノブタン−1,2,4,−トリカルボン酸(PBTC)およびその塩、アミノトリス(メチレンホスホン酸)およびその塩、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)およびその塩、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)およびその塩、ジエチレンテトラミンペンタキス(メチレンホスホン酸)およびその塩等が挙げられる。これらのうち、硬度スケール洗浄性能、安全性等の点から、エチレンジアミン四酢酸およびその塩が好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらのキレート剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エチレンジアミン四酢酸およびその塩としては、食品添加物リストに記載されている化合物である等の点から、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩が好ましい。
洗浄液組成物において、「塩素系酸化剤」の当量に対する「サッカリンおよびその塩」の当量の比は、1以上であることが好ましく、1〜2の範囲であることがより好ましい。「塩素系酸化剤」の当量に対する「サッカリンおよびその塩」の当量の比が1未満であると、組成物中の有効塩素の保存安定性が損なわれる場合があり、2を超えると、配合量に見合うほどの製剤安定化効果が得られず不経済になる場合がある。
洗浄液組成物において、「塩素系酸化剤」の当量に対する「キレート剤」の当量の比は、0.2以上であることが好ましく、0.5〜10の範囲であることがより好ましい。「塩素系酸化剤」の当量に対する「キレート剤」の当量の比が0.2未満であると、スケール洗浄性能が不十分になる場合があり、10を超えると、組成物中の有効塩素の保存安定性が損なわれる場合がある。
洗浄液組成物の全塩素濃度は、例えば、0.5〜7.0質量%の範囲であり、1.0〜5.0質量%の範囲であることが好ましい。洗浄液組成物の全塩素濃度が0.5質量%未満であると、洗浄効果が不十分となる場合があり、7.0質量%を超えると、沈殿や析出物の発生等、組成物の品質が損なわれる場合がある。
洗浄液組成物のpHは、例えば、12.0以上であり、13.0以上であることが好ましい。洗浄液組成物のpHが12.0未満であると、組成物中の有効塩素の保存安定性が損なわれる場合がある。
洗浄液組成物は、水等の溶媒を含み、さらにアルカリを含んでもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ等が挙げられる。
洗浄液組成物は、塩素系酸化剤、サッカリンおよびその塩、キレート剤、アルカリの他に、銅防食剤としてアゾール類、スケール分散剤としてカルボン酸ポリマ、ホスホン酸等の他の成分を含んでもよい。他の成分の含有量は、例えば、洗浄液組成物の全質量に対して0.1〜10質量%の範囲である。
<洗浄液組成物の製造方法>
本実施形態に係る洗浄液組成物は、塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、キレート剤とを混合することにより得られる。洗浄液組成物は、塩素系酸化剤とキレート剤との反応を抑制するために、例えば、水等に、塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、必要に応じてアルカリとを混合し、所定の温度(例えば、0〜40℃)で所定の時間(例えば、0.1〜180時間)、撹拌または静置して得られる結合塩素製剤に、水等に、キレート剤と、必要に応じてアルカリとを混合し、所定の温度(例えば、0〜40℃)で所定の時間(例えば、0.1〜1時間)、撹拌または静置して得られるキレート剤含有製剤を混合することにより得られる。塩素系酸化剤とサッカリンおよびその塩の添加順序はどちらでもよいが、ガス発生が少ない等の点から、水等に、サッカリンおよびその塩を添加した後、塩素系酸化剤を添加することが好ましい。
<水系の洗浄方法>
本発明の実施形態に係る洗浄方法は、上記洗浄液組成物を水系に添加する方法である。すなわち、本実施形態に係る洗浄方法は、塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、キレート剤と、を水系に添加する方法である。または、本実施形態に係る洗浄方法は、塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つとを含む結合塩素製剤と;キレート剤を含むキレート剤含有製剤と;を水系に添加する方法である。例えば、塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、キレート剤と、を、スライムやスケールが付着した水系に添加して、スライム付着部位やスケール付着部位と接触させればよい。
本実施形態に係る洗浄方法では、水系の被処理水中に、例えば「塩素系酸化剤」と「サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つ」とを添加した後、「キレート剤」を添加する。これにより、被処理水中で、「塩素系酸化剤」と「サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つ」との反応生成物である結合塩素が生成すると考えられる。
また、本実施形態に係る洗浄方法では、水系の被処理水中に、例えば「塩素系酸化剤とサッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つとの反応生成物である結合塩素」と「キレート剤」との混合物を添加する。または、水系の被処理水中に、例えば「塩素系酸化剤とサッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つとの反応生成物である結合塩素」を添加した後、「キレート剤」を添加する。
本実施形態に係る洗浄方法は、水系の被処理水中に、薬注ポンプ等により、例えば、「塩素系酸化剤」と「サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つ」とを添加した後、「キレート剤」を添加すればよい。薬注ポンプ等により、「塩素系酸化剤」と「サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つ」とを別々に被処理水に添加した後に「キレート剤」を被処理水に添加してもよく、または、薬注ポンプ等により、「塩素系酸化剤」と「サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つ」とを原液同士で混合してから被処理水に添加した後に「キレート剤」を被処理水に添加してもよい。
水系として、各種工場の冷却水系、ボイラ水系、給水系等の水系流路内、逆浸透膜等の分離膜等に付着したスライムとスケールをともに洗浄することができる。
水系の被処理水への上記洗浄液組成物の添加量としては、洗浄対象に応じて決めればよく、特に制限はないが、例えば、水系の被処理水において全塩素濃度として0.5〜200mg/Lの範囲となるように添加すればよく、5〜100mg/Lの範囲となるように添加することが好ましい。添加量が全塩素濃度として0.5mg/L未満であると、スライムやスケールの洗浄効果が十分ではない場合があり、200mg/Lを超えると、系内の金属材質を腐食させる場合がある。
水系の被処理水のpHは、例えば、6〜14の範囲であり、8〜13の範囲であることが好ましい。被処理水のpHが6未満であると、系内の金属材質を腐食させる場合があり、14を超えると、逆浸透膜の洗浄においては逆浸透膜を劣化させる場合がある。
洗浄のときの水系の被処理水の温度としては、洗浄効果を発揮することができる温度であればよく、特に制限はないが、例えば、5〜60℃の範囲であり、10〜40℃の範囲であることが好ましい。
上記洗浄液組成物は、水系の被処理水に対して、連続的に添加してもよいし、間欠的に添加してもよい。また、別途、洗浄工程を設けて、洗浄水に対して、上記洗浄液組成物を連続的に添加してもよいし、間欠的に添加してもよい。
逆浸透膜等の分離膜の洗浄に用いる場合、上記洗浄液組成物は、分離膜の被処理水に対して、連続的に添加してもよいし、間欠的に添加してもよい。また、別途、洗浄工程を設けて、洗浄水に対して、上記洗浄液組成物を連続的に添加してもよいし、間欠的に添加してもよいし、上記洗浄液組成物を添加した洗浄水を膜に循環させて循環洗浄してもよいし、上記洗浄液組成物を含む洗浄液を含有する洗浄槽に分離膜を所定の時間、浸漬して浸漬洗浄してもよい。
分離膜としては、特に制限はないが、逆浸透膜(RO膜)、ナノろ過膜(NF膜)、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)等が挙げられる。これらのうち、特に分離膜として逆浸透膜(RO膜)を用いる場合に、本発明の実施形態に係る洗浄方法を好適に適用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[結合塩素製剤および遊離塩素製剤の調製]
結合塩素製剤1,2および遊離塩素製剤1を、表1に示す配合組成(質量%)になるように製剤化を行った。結合塩素製剤1は、水に、水酸化ナトリウム(NaOH)、サッカリン、12質量%次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の順で添加して溶解した後、室温(25℃)で96時間静置保管して、製剤化を行った。結合塩素製剤2は、水に、水酸化ナトリウム、12質量%次亜塩素酸ナトリウム、サッカリンの順で添加して溶解した後、室温(25℃)で96時間静置保管して、製剤化を行った。遊離塩素製剤1は、水に、水酸化ナトリウム、12質量%次亜塩素酸ナトリウムの順で添加して、製剤化を行った。製剤化は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の容器内で、室温以下(20℃)に冷却し、スターラで撹拌しながら各薬剤を添加して行った。
いずれも製剤化直後に全塩素濃度および遊離塩素濃度測定を実施した。全塩素濃度、遊離塩素濃度は、試料を適宜希釈し、HACH社の多項目水質分析DR/3900を用いて、DPD(ジエチル−p−フェニレンジアミン)法により測定した。なお、結合塩素濃度は、全塩素濃度から遊離塩素濃度を差し引いて求めた。また、製剤の性状を目視にて確認し、製剤のpHを測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021181514
[キレート剤含有製剤の調製]
キレート剤含有製剤1を、表2に示す配合組成(質量%)になるように製剤化を行った。キレート剤含有製剤1は、水に、水酸化ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩の順で添加して、室温(25℃)で30分間撹拌して、製剤化を行った。製剤の性状を目視にて確認し、製剤のpHを測定した。結果を表2に示す。
Figure 2021181514
<実施例1,2、比較例1>
[洗浄液組成物の調製]
実施例1,2および比較例1については、表3に示す配合組成(質量%)で、結合塩素製剤1,2または遊離塩素製剤1のそれぞれに、キレート剤含有製剤1を添加して、室温(25℃)で10分間撹拌して、製剤化を行った。製剤化直後に全塩素濃度測定を実施した。また、製剤のpHを測定した。結果を表3に示す。
Figure 2021181514
実施例1、2では、製剤化直後に特に異常は認められなかったが、比較例1では、製剤直後に製剤が発熱した。また、比較例1の全塩素濃度は、理論値よりも大きく低下した。
<実施例3,4、参考例1,2、比較例2>
[スケール除去性能評価]
スケール除去性能評価試験を次のように行った。表4に示す水質になるように、相模原井水の4倍濃縮水に、塩化カルシウムと重炭酸ナトリウムを添加してスケール付着溶液として調製し、ビーカ(SUS製、500mL)に入れ、75℃で48時間保管して、ビーカ内面にスケールを付着させた。スケール付着量は、容器1つあたり約340mgであった。
酸消費量は、JIS K 0101「酸消費量(pH4.8)」に記載の硫酸を用いた滴定法により測定した。硬度は、JIS K 0101「全硬度」または「カルシウム硬度」に記載のキレート滴定法により測定した。シリカ濃度は、HACH社の多項目水質分析DR/3900を用いて、モリブデン黄吸光光度法により測定した。塩化物イオン濃度は、イオンクロマトグラフ装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック製、DIONEX Integrion)を用いてイオンクロマトグラフ法により測定した。
Figure 2021181514
次に、水酸化ナトリウムでpH12に調整した純水に、各塩素製剤、キレート剤含有製剤1を、表5に示す所定の濃度になるように添加して洗浄試験液として調製した。添加後25℃で48時間、スターラーで撹拌しながら、試験液の全塩素濃度の経時変化(添加直後、1時間後、24時間後、48時間後)を測定した。結果を表5に示す。
また、スケール除去量の評価は、調製した洗浄試験液500mLを、スケールを付着させたビーカに入れて、マグネチックスターラの撹拌子により300rpmの速度で、25℃で2時間撹拌し、試験前後のスケール重量の減量を測定した。結果を表5に示す。
[殺菌性能評価]
殺菌性能評価試験を次のように行った。相模原井水に普通ブイヨンを添加して、インキュベーターで30℃、48時間培養し、一般細菌数が10CFU/mLとなるように模擬水を調製した。次に、結合塩素製剤1、結合塩素製剤2、キレート剤含有製剤1を、表5に示す所定の濃度になるようにそれぞれ添加して、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH11に調整した。薬剤を添加してから25℃で24時間静置した後、一般細菌数を、菌数測定キット(三愛石油製、バイオチェッカーTTC)を使用して測定した。結果を表5に示す。
Figure 2021181514
表5より、実施例3,4のように、結合塩素製剤1または結合塩素製剤2と、キレート剤含有製剤1とを併用した場合、48時間撹拌しても全塩素濃度がほとんど低下せず、キレート剤を共存させてスケール洗浄を行いながら、同時にスライム洗浄処理も実施することができることがわかった。
一方、比較例2のように、遊離塩素製剤1の場合は、キレート剤含有製剤1を併用すると、全塩素濃度が低下してしまい、キレート剤共存下ではスライム洗浄性能が低下するため、遊離塩素製剤とキレート剤含有製剤とを同時に使用することができないことがわかった。参考例1,2のように、キレート剤含有製剤1を併用せずに、結合塩素製剤1または遊離塩素製剤1を使用した場合は、全塩素濃度がほとんど低下しないが、スケール洗浄を行うことはできなかった。
このように、実施例の洗浄液組成物によって、水系においてスライムとスケールをともに洗浄することができた。

Claims (4)

  1. 塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、キレート剤と、を含有することを特徴とする洗浄液組成物。
  2. 請求項1に記載の洗浄液組成物であって、
    前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸およびその塩のうち少なくとも1つであることを特徴とする洗浄液組成物。
  3. 請求項1または2に記載の洗浄液組成物であって、
    前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸およびその塩のうち少なくとも1つであることを特徴とする洗浄液組成物。
  4. 塩素系酸化剤と、サッカリンおよびその塩のうちの少なくとも1つと、キレート剤と、を水系に添加することを特徴とする洗浄方法。
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