JP2021180536A - モータ - Google Patents

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JP2021180536A JP2020083114A JP2020083114A JP2021180536A JP 2021180536 A JP2021180536 A JP 2021180536A JP 2020083114 A JP2020083114 A JP 2020083114A JP 2020083114 A JP2020083114 A JP 2020083114A JP 2021180536 A JP2021180536 A JP 2021180536A
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Daisuke Higuchi
健司 草間
Kenji Kusama
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Abstract

【課題】回転軸にイナーシャリングが固定されていても、回転軸の軸方向で小型化することが可能なモータを提供する。【解決手段】モータ1は、回転軸2を有するロータ4と、筒状に形成されロータ4の外周側に配置されるステータ6と、回転軸2の外周面に固定されるイナーシャリング9とを備えている。イナーシャリング9は、回転軸2の外周面に固定される被固定部9aを備えている。被固定部9aの少なくとも一部分は、筒状に形成されるステータ6の内周側に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータの回転軸に固定されるイナーシャリングを備えるモータに関する。
従来、ロータと、ロータの外周側に配置される筒状のステータとを備えるインナーロータ型のモータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のモータでは、ロータは、回転軸と、回転軸の外周面に固定されるロータコアと、ロータコアの外周面に固定されるロータ磁石とを備えている。ステータは、ステータコアと、絶縁部材を介してステータコアに巻回されるステータコイルとを備えている。ステータコアは、円環部と、円環部から径方向の内側に突出する複数の突極とを備えている。ステータコイルは、絶縁部材を介して複数の突極のそれぞれに巻回されている。絶縁部材は、ステータコアの軸線方向で分割される第1絶縁部材と第2絶縁部材とによって構成されている。
特開2016−208782号公報
特許文献1に記載されたモータ等においては、ロータの慣性モーメントを大きくしてロータの回転ムラや振動を抑制するために、ロータの一部を構成する回転軸にイナーシャリングが固定されることがある。本願発明者は、特許文献1に記載のモータにおいて、回転軸にイナーシャリングを固定することを検討している。しかしながら、イナーシャリングを回転軸に単純に固定したのでは、イナーシャリングの分だけ回転軸が長くなるため、回転軸の軸方向でモータが大型化する。
そこで、本発明の課題は、回転軸にイナーシャリングが固定されていても、回転軸の軸方向で小型化することが可能なモータを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のモータは、回転軸を有するロータと、筒状に形成されロータの外周側に配置されるステータと、回転軸の外周面に固定されるイナーシャリングとを備え、イナーシャリングは、回転軸の外周面に固定される被固定部を備え、被固定部の少なくとも一部分は、筒状に形成されるステータの内周側に配置されていることを特徴とする。
本発明のモータでは、イナーシャリングの被固定部の少なくとも一部分は、筒状に形成されるステータの内周側に配置されている。すなわち、本発明では、イナーシャリングの被固定部の少なくとも一部分が、ロータの径方向においてステータの一部分と重なっており、回転軸の軸方向においてステータの内部に入り込んでいる。そのため、本発明では、回転軸の軸方向においてイナーシャリングの被固定部の全体がステータからずれた位置に配置されている場合と比較して、回転軸の長さを短くすることが可能になる。したがって、本発明では、回転軸にイナーシャリングが固定されていても、回転軸の軸方向でモータを小型化することが可能になる。
また、本発明では、イナーシャリングの被固定部の少なくとも一部分が、回転軸の軸方向においてステータの内部に入り込んでいるため、回転軸の軸方向でモータを小型化しつつ、回転軸の軸方向における被固定部の長さを確保することが可能になる。したがって、本発明では、回転軸の軸方向でモータを小型化しつつ、回転軸に対するイナーシャリングの固定強度を確保することが可能になる。
本発明において、ロータは、駆動用磁石を備え、ステータは、駆動用コイルと、絶縁部材と、絶縁部材を介して駆動用コイルが巻回される複数の突極部を有するステータコアとを備え、突極部の先端部は、駆動用磁石の外周面に対向配置される突極先端部となっており、絶縁部材は、突極先端部を回転軸の軸方向の一方側から覆う先端覆部を備え、複数の先端覆部は、回転軸の軸心を中心にして環状に配列され、被固定部の少なくとも一部分は、環状に配列される複数の先端覆部の内周側に配置されていることが好ましい。環状に配列される複数の先端覆部の内周側は、デッドスペースになりやすいため、このように構成すると、被固定部の少なくとも一部分を、ステータの内周側に配置しやすくなる。
本発明において、イナーシャリングは、円筒状に形成される被固定部と、被固定部の一端部から鍔状に広がる鍔部とを備える鍔付きの円筒状に形成され、被固定部の一部分がステータの内周側に配置され、鍔部は、回転軸の軸方向においてステータからずれた位置に配置されていることが好ましい。このように構成すると、鍔部とステータとの干渉を防止しつつ、鍔部の外径を大きくすることが可能になる。したがって、回転軸の軸方向におけるイナーシャリングの長さを短くしても、鍔部の作用によって、回転軸に固定されるイナーシャリングの慣性モーメントを確保することが可能になる。そのため、回転軸にイナーシャリングが固定されていても、回転軸をより短くすることが可能になり、その結果、回転軸の軸方向でモータをより小型化することが可能になる。
本発明において、円筒状に形成される被固定部の径方向の肉厚は、回転軸の軸方向における鍔部の厚さよりも厚くなっていることが好ましい。このように構成すると、被固定部の径方向の肉厚を厚くすることが可能になるため、回転軸の軸方向における鍔部の厚さを薄くしても、回転軸に固定されるイナーシャリングの慣性モーメントを確保することが可能になる。したがって、回転軸の軸方向における鍔部の厚さを薄くして、回転軸の軸方向におけるイナーシャリングの長さをより短くすることが可能になる。そのため、回転軸にイナーシャリングが固定されていても、回転軸をより一層短くすることが可能になり、その結果、回転軸の軸方向でモータを効果的に小型化することが可能になる。
本発明において、イナーシャリングは、円筒状に形成される被固定部と、被固定部の一端部から鍔状に広がる鍔部と、鍔部の外周端部分から回転軸の軸方向に突出する円筒状の突出部とを備え、被固定部の一部分がステータの内周側に配置され、鍔部は、回転軸の軸方向においてステータからずれた位置に配置されていていても良い。この場合であっても、鍔部とステータとの干渉を防止しつつ、鍔部の外径を大きくすることが可能になる。
本発明において、ステータは、駆動用コイルが電気的に接続される基板を備え、基板は、回転軸の軸方向においてステータコアよりもモータの反出力側に配置され、イナーシャリングは、回転軸の軸方向においてステータコアよりもモータの出力側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、基板が配置されるステータコアよりもモータの反出力側にイナーシャリングが配置されている場合と比較して、イナーシャリングを配置しやすくなる。したがって、モータの設計の自由度を高めることが可能になるとともに、モータを容易に組み立てることが可能になる。
以上のように、本発明のモータでは、回転軸にイナーシャリングが固定されていても、回転軸の軸方向でモータを小型化することが可能になる。
本発明の実施の形態にかかるモータの断面図である。 図1に示すステータおよびケース本体の前端部の斜視図である。 図1に示すステータの分解斜視図である。 図3に示すステータコアの斜視図である。 図3に示す第1インシュレータの斜視図である。 図3に示す第2インシュレータの斜視図である。 (A)は、図1に示すイナーシャリングの側面図であり、(B)は、(A)に示すイナーシャリングの断面図である。 本発明の他の実施の形態にかかるイナーシャリングの断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(モータの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるモータ1の断面図である。図2は、図1に示すステータ6およびケース本体19の前端部の斜視図である。
本形態のモータ1は、インナーロータ型のモータである。モータ1は、回転軸2および駆動用磁石3を有するロータ4と、駆動用コイル5(図2参照)を有するステータ6と、ロータ4の回転速度および回転位置を検出するための検出機構7とを備えている。また、モータ1は、ロータ4、ステータ6および検出機構7が収容されるモータケース8と、回転軸2の外周面に固定されるイナーシャリング9とを備えている。なお、図1では、駆動用コイル5の図示を省略している。
回転軸2の出力側の端部は、モータケース8の外部に突出している。駆動用磁石3は、円筒状に形成されている。駆動用磁石3は、回転軸2の外周面に固定されている。回転軸2の具体的な構成については後述する。なお、ロータ4は、円筒状に形成されるロータコアを備えていても良い。この場合には、回転軸2の外周面にロータコアが固定され、ロータコアの外周面に駆動用磁石3が固定される。
ステータ6は、筒状に形成されている。具体的には、ステータ6は、円筒状に形成されている。ステータ6は、ロータ4の外周側に配置されている。具体的には、ステータ6は、駆動用磁石3の外周側に配置されている。また、ステータ6は、円筒状に形成されるステータ6の軸心とロータ4の軸心(すなわち、回転軸2の軸心)とが一致するように配置されている。ステータ6の具体的な構成については後述する。
以下の説明では、回転軸2の軸方向(すなわち、ロータ4の軸方向、図1等のZ方向)を「前後方向」とする。また、前後方向(回転軸2の軸方向)のうちのモータ1の出力側(図1等のZ1方向側)を「前」側とし、前後方向のうちのモータ1の反出力側(図1等のZ2方向側)を「後(後ろ)」側とする。また、以下の説明では、ロータ4およびステータ6の径方向を「径方向」とし、ロータ4およびステータ6の周方向(円周方向)を「周方向」とする。
検出機構7は、磁気式のロータリーエンコーダである。検出機構7は、検出用磁石13と、検出用磁石13の後ろ側に配置される平板状の基板14とを備えている。基板14の前面には、磁気抵抗素子およびホール素子が実装されている。検出用磁石13は、磁石ホルダ15を介して回転軸2の後端部に固定されている。基板14は、基板ホルダ16を介して、モータケース8を構成する後述の軸受ホルダ21に固定されている。
モータケース8は、前後方向で開口する筒状のケース本体19と、ケース本体19の前端に固定される軸受ホルダ20と、ケース本体19の後端に固定される軸受ホルダ21と、検出機構7を覆うカバー22とを備えている。軸受ホルダ20には、回転軸2を回転可能に支持する軸受23が取り付けられている。軸受ホルダ21には、回転軸2を回転可能に支持する軸受24が取り付けられている。カバー22は、軸受ホルダ21の後面に固定されている。
(回転軸の構成)
回転軸2は、鋼鉄等の金属材料で形成されている。また、回転軸2は、段付きの円柱状に形成されている。回転軸2は、駆動用磁石3が固定される磁石固定部2aと、イナーシャリング9が固定されるリング固定部2bと、軸受23に支持される被支持部2cと、軸受24に支持される被支持部2dと、回転軸2の前端部を構成する出力部2eとを備えている。
被支持部2cの前端は、出力部2eの後端に繋がっている。リング固定部2bの前端は、被支持部2cの後端に繋がっている。磁石固定部2aは、リング固定部2bよりも後ろ側に配置されている。被支持部2dは、磁石固定部2aよりも後ろ側に配置されている。被支持部2cの外径は、出力部2eの外径よりも大きくなっている。リング固定部2bの外径は、被支持部2cの外径よりも大きくなっている。磁石固定部2aの外径は、リング固定部2bの外径よりも大きくなっている。
リング固定部2bと磁石固定部2aとの間には、イナーシャリング9を前後方向で位置決めするための位置決め部2fが形成されている。位置決め部2fの前端は、リング固定部2bの後端に繋がり、位置決め部2fの後端は、磁石固定部2aの前端に繋がっている。位置決め部2fの外径は、リング固定部2bの外径よりも大きくなっている。また、位置決め部2fの外径は、磁石固定部2aの外径よりも小さくなっている。
(ステータの構成)
図3は、図1に示すステータ6の分解斜視図である。図4は、図3に示すステータコア28の斜視図である。図5は、図3に示す第1インシュレータ30の斜視図である。図6は、図3に示す第2インシュレータ31の斜視図である。なお、図3では、駆動用コイル5および基板32の図示を省略している。
ステータ6は、駆動用コイル5に加えて、絶縁部材としてのインシュレータ27と、インシュレータ27を介して駆動用コイル5が巻回されるステータコア28とを備えている。また、ステータ6は、駆動用コイル5の端部が絡げられて固定される複数の端子ピン29と、複数の端子ピン29に半田付けされて固定される基板32(図1参照)とを備えている。
ステータコア28は、磁性材料からなる薄い磁性板が積層されて形成された積層コアである。また、ステータコア28は、周方向に分割された複数の分割コアを組み合わせて一体化することで形成されている。本形態のステータコア28は、12個の分割コアによって構成されている。ステータコア28は、円環状に形成される外周環部28aと、外周環部28aから径方向の内側に向かって突出する複数の突極部28bとを備えている(図4参照)。外周環部28aは、ステータコア28の外周面を構成している。本形態のステータコア28は、12個の突極部28bを備えている。
複数の突極部28bは、等角度ピッチで形成されている。すなわち、複数の突極部28bは、周方向において一定の間隔で配置されている。突極部28bの先端部は、駆動用磁石3の外周面に対向配置される突極先端部28cとなっている。径方向における突極先端部28cの内側面は、前後方向から見たときに、ステータ6の軸心を曲率中心とする円弧状に形成されている。前後方向における突極部28bの幅は、駆動用磁石3の長さ(前後方向の長さ)よりも広くなっている。
インシュレータ27は、樹脂等の絶縁性材料で形成されている。インシュレータ27は、突極部28bごとに取り付けられており、ステータ6は、突極部28bと同数(すなわち、12個)のインシュレータ27を備えている。インシュレータ27は、前後方向に分かれる第1インシュレータ30と第2インシュレータ31とによって構成されており、第1インシュレータ30と第2インシュレータ31とを組み合わせることでインシュレータ27が形成される。本形態では、第1インシュレータ30が前側に配置され、第2インシュレータ31が後ろ側に配置されている。
第1インシュレータ30は、前側から突極部28bを覆う覆部30aを備えている(図5参照)。覆部30aは、突極先端部28cを前側から覆う先端覆部30bを備えている。すなわち、インシュレータ27は、突極先端部28cを前側から覆う先端覆部30bを備えている。複数の先端覆部30bは、回転軸2の軸心を中心にして環状に配列されている。具体的には、複数(12個)の先端覆部30bは、回転軸2の軸心を中心にして円環状に配列されている。すなわち、前後方向から見ると、複数の先端覆部30bは、回転軸2の軸心を中心とする円環状に配列されている。
第2インシュレータ31は、後ろ側から突極部28bを覆う覆部31aを備えている(図6参照)。覆部31aは、突極先端部28cを後ろ側から覆う先端覆部31bを備えている。すなわち、インシュレータ27は、突極先端部28cを後ろ側から覆う先端覆部31bを備えている。複数の先端覆部30bと同様に、複数の先端覆部31bは、回転軸2の軸心を中心にして環状に配列されている。具体的には、複数(12個)の先端覆部31bは、回転軸2の軸心を中心にして円環状に配列されている。すなわち、前後方向から見ると、複数の先端覆部31bは、回転軸2の軸心を中心とする円環状に配列されている。
端子ピン29は、第2インシュレータ31に固定されている。具体的には、2本の端子ピン29が1個の第2インシュレータ31に固定されている。端子ピン29は、後ろ側に向かって突出している。駆動用コイル5は、インシュレータ27を介して突極部28bに巻回されている。具体的には、駆動用コイル5は、覆部30a、31aを介して突極部28bに巻回されている。先端覆部30b、31bは、径方向の内側への駆動用コイル5の巻崩れを防止する機能を果たしている。駆動用コイル5の一端部は、第2インシュレータ31に固定される2本の端子ピン29の一方に絡げられて固定され、駆動用コイル5の他端部は、2本の端子ピン29の他方に絡げられて固定されている。
基板32は、平板状に形成されたリジッド基板である。基板32は、上述のように、複数の端子ピン29に半田付けされて固定されている。基板32には、端子ピン29を介して駆動用コイル5が電気的に接続されている。基板32は、基板32の厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。図1に示すように、基板32は、ステータコア28よりも後ろ側に配置されている。すなわち、基板32は、回転軸2の軸方向において、ステータコア28よりもモータ1の反出力側に配置されている。また、基板32は、駆動用磁石3よりも後ろ側に配置されている。
(イナーシャリングの構成)
図7(A)は、図1に示すイナーシャリング9の側面図であり、図7(B)は、図7(A)に示すイナーシャリング9の断面図である。
イナーシャリング9は、鋼鉄等の密度が高い金属材料で形成されている。また、イナーシャリング9は、回転軸2の外周面に固定される円筒状の被固定部9aと、被固定部9aの一端部から鍔状に広がる鍔部9bとを備える鍔付きの円筒状に形成されている。被固定部9aの内周側には、回転軸2のリング固定部2bが挿通されており、被固定部9aは、リング固定部2bの外周面に固定されている。被固定部9aの外径は、円筒状に形成されるステータ6の内径よりも小さくなっている。また、被固定部9aの外径は、駆動用磁石3の内径よりも大きく、かつ、駆動用磁石3の外径よりも小さくなっている。被固定部9aの長さ(前後方向の長さ)は、リング固定部2bの長さ(前後方向の長さ)よりも短くなっている。
円筒状に形成される被固定部9aの軸心は、回転軸2の軸心と一致している。鍔部9bは、被固定部9aの前端部から径方向の外側に広がっている。鍔部9bは、円環状に形成されるとともに平板状に形成されている。鍔部9bの外径は、ステータ6の内径よりも大きくなっている。また、鍔部9bの外径は、軸受23の外径よりも大きくなっている。さらに、鍔部9bの外径は、ステータ6の外径よりも小さくなっている。円筒状に形成される被固定部9aの径方向の肉厚t1(図5(B)参照)は、鍔部9bの前後方向の厚さt2(図5(B)参照)よりも厚くなっている。
本形態では、被固定部9aがリング固定部2bに焼き嵌めされることで、イナーシャリング9がリング固定部2bに固定されている。リング固定部2bに固定されるイナーシャリング9の後端面(すなわち、被固定部9aの後端面)は、リング固定部2bと位置決め部2fとの境界部分に形成される段差面に接触している。リング固定部2bは、磁石固定部2aよりも前側に配置されているため、イナーシャリング9は、駆動用磁石3よりも前側に配置されている。また、イナーシャリング9は、ステータコア28よりも前側に配置されている。すなわち、イナーシャリング9は、回転軸2の軸方向において、ステータコア28よりもモータ1の出力側に配置されている。
図1に示すように、被固定部9aの一部分は、筒状に形成されるステータ6の内周側(径方向におけるステータ6の内側)に配置されている。すなわち、被固定部9aの一部分は、径方向においてステータ6と重なっており、前後方向においてステータ6の内周側に入り込んでいる。具体的には、被固定部9aの一部分は、環状に配列される複数の先端覆部30bの内周側(径方向における複数の先端覆部30bの内側)に配置されている。すなわち、被固定部9aの一部分は、径方向において複数の先端覆部30bと重なっており、前後方向において複数の先端覆部30bの内周側に入り込んでいる。
より具体的には、被固定部9aの後端側の一部分が、環状に配列される複数の先端覆部30bの内周側に配置されている。被固定部9aの後端面は、先端覆部30bの後端(すなわち、突極先端部28cの前端面)よりも前側に配置されている。鍔部9bは、ステータ6よりも前側に配置されている。すなわち、鍔部9bは、前後方向においてステータ6からずれた位置に配置されている。鍔部9bは、前後方向において、ステータ6と軸受23との間に配置されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、イナーシャリング9の被固定部9aの一部分は、筒状に形成されるステータ6の内周側に配置されており、前後方向においてステータ6の内周側に入り込んでいる。そのため、本形態では、被固定部9aの全体がステータ6よりも前側に配置されている場合と比較して、回転軸2の長さを短くすることが可能になる。したがって、本形態では、回転軸2にイナーシャリング9が固定されていても、前後方向でモータ1を小型化することが可能になる。
また、本形態では、被固定部9aの一部分が前後方向においてステータ6の内部に入り込んでいるため、前後方向でモータ1を小型化しつつ、前後方向における被固定部9aの長さを確保することが可能になる。したがって、本形態では、前後方向でモータ1を小型化しつつ、回転軸2に焼き嵌めで固定されるイナーシャリング9の回転軸2に対する固定強度を確保することが可能になる。
本形態では、環状に配列される複数の先端覆部30bの内周側はデッドスペースになりやすいが、イナーシャリング9の被固定部9aの一部分は、環状に配列される複数の先端覆部30bの内周側に配置されている。そのため、本形態では、被固定部9aの一部分をステータ6の内周側に容易に配置することが可能になる。
本形態では、イナーシャリング9は、円筒状の被固定部9aと鍔部9bとを備える鍔付きの円筒状に形成されており、鍔部9bは、ステータ6よりも前側に配置されている。そのため、本形態では、鍔部9bとステータ6との干渉を防止しつつ、鍔部9bの外径を大きくすることが可能になる。したがって、本形態では、前後方向におけるイナーシャリング9の長さを短くしても、鍔部9bの作用によって、回転軸2に固定されるイナーシャリング9の慣性モーメントを確保することが可能になる。そのため、本形態では、回転軸2にイナーシャリング9が固定されていても、回転軸2をより短くすることが可能になり、その結果、前後方向でモータ1をより小型化することが可能になる。
本形態では、被固定部9aの径方向の肉厚t1は、前後方向における鍔部9bの厚さt2よりも厚くなっており、被固定部9aの径方向の肉厚t1が比較的厚くなっている。そのため、本形態では、鍔部9bの前後方向の厚さt2を薄くしても、回転軸2に固定されるイナーシャリング9の慣性モーメントを確保することが可能になる。したがって、本形態では、鍔部9bの厚さt2を薄くして、イナーシャリング9の前後方向の長さをより短くすることが可能になる。そのため、本形態では、回転軸2にイナーシャリング9が固定されていても、回転軸2をより一層短くすることが可能になり、その結果、前後方向でモータ1を効果的に小型化することが可能になる。
本形態では、イナーシャリング9は、ステータコア28よりも前側に配置されている。すなわち、本形態では、イナーシャリング9は、基板32が配置されるステータコア28よりも後ろ側ではなくて、基板32が配置されていないステータコア28よりも前側に配置されている。そのため、本形態では、イナーシャリング9がステータコア28よりも後ろ側に配置されている場合と比較して、イナーシャリング9を配置しやすくなる。したがって、本形態では、モータ1の設計の自由度を高めることが可能になるとともに、モータ1を容易に組み立てることが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態において、イナーシャリング9は、図8に示すように、鍔部9bの外周端部分から前後方向に突出する円筒状の突出部9cを備えていても良い。この場合には、突出部9cは、図8(A)に示すように、鍔部9bの外周端部分から前側に突出していても良いし、図8(B)に示すように、鍔部9bの外周端部分から後ろ側に突出していても良い。また、イナーシャリング9は、鍔部9bの外周端部分から前側に突出する突出部9cと、鍔部9bの外周端部分から後ろ側に突出する突出部9cとを備えていても良い。
この場合であっても、被固定部9aの後端部は、ステータ6の内周側に配置され、鍔部9bは、ステータ6よりも前側に配置されている。なお、突出部9cが鍔部9bの外周端部分から前側に突出している場合には、軸受ホルダ20と突出部9cとが干渉しないように、突出部9cの前後方向の長さが設定される。また、突出部9cが鍔部9bの外周端部分から後ろ側に突出している場合には、ステータ6と突出部9cとが干渉しないように、突出部9cの前後方向の長さが設定される。
上述した形態において、被固定部9aの後端面は、前後方向において、先端覆部30bの後端(すなわち、突極先端部28cの前端面)と同じ位置に配置されていても良い。また、上述した形態において、被固定部9aの後端面は、先端覆部30bの後端(すなわち、突極先端部28cの前端面)よりも後ろ側に配置されていても良い。すなわち、被固定部9aの後端側の一部分が、環状に配列される複数の先端覆部30bの内周側、および、環状に配列される複数の突極先端部28cの内周側に配置されていても良い。
上述した形態において、イナーシャリング9は、ステータコア28より後ろ側に配置されていても良い。この場合には、鍔部9bは、被固定部9aの後端部から径方向の外側に広がっている。この場合であっても、被固定部9aの一部分は、ステータ6の内周側に配置されている。たとえば、回転軸2の軸心を中心にして円環状に配列される複数の先端覆部31bの内周側に被固定部9aの前端部が配置されている。
上述した形態において、被固定部9aの径方向の肉厚t1と鍔部9bの前後方向の厚さt2とが等しくても良いし、肉厚t1が厚さt2より薄くなっていても良い。また、上述した形態において、イナーシャリング9は、鍔部9bを備えていなくても良い。すなわち、イナーシャリング9は、単純な円筒形状に形成されていても良い。この場合には、環状に配列される複数の先端覆部30bの内周側に被固定部9aの全体が配置されていても良い。すなわち、ステータ6の内周側に被固定部9aの全体が配置されていても良い。また、被固定部9aは、円筒以外の形状に形成されていても良い。
上述した形態において、被固定部9aにリング固定部2bが圧入されることで、イナーシャリング9がリング固定部2bに固定されていても良いし、被固定部9aがリング固定部2bに接着されることで、イナーシャリング9がリング固定部2bに固定されていても良い。また、上述した形態において、複数(12個)の第1インシュレータ30は一体で形成されていても良い。同様に、複数(12個)の第2インシュレータ31は一体で形成されていても良い。さらに、上述した形態において、ロータ4が駆動用コイル5を備え、ステータ6が駆動用磁石3を備えていても良い。
1 モータ
2 回転軸
3 駆動用磁石
4 ロータ
5 駆動用コイル
6 ステータ
9 イナーシャリング
9a 被固定部
9b 鍔部
9c 突出部
27 インシュレータ(絶縁部材)
28 ステータコア
28b 突極部
28c 突極先端部
30b 先端覆部
32 基板
t1 被固定部の径方向の肉厚
t2 鍔部の厚さ
Z 回転軸の軸方向
Z1 出力側
Z2 反出力側

Claims (6)

  1. 回転軸を有するロータと、筒状に形成され前記ロータの外周側に配置されるステータと、前記回転軸の外周面に固定されるイナーシャリングとを備え、
    前記イナーシャリングは、前記回転軸の外周面に固定される被固定部を備え、
    前記被固定部の少なくとも一部分は、筒状に形成される前記ステータの内周側に配置されていることを特徴とするモータ。
  2. 前記ロータは、駆動用磁石を備え、
    前記ステータは、駆動用コイルと、絶縁部材と、前記絶縁部材を介して前記駆動用コイルが巻回される複数の突極部を有するステータコアとを備え、
    前記突極部の先端部は、前記駆動用磁石の外周面に対向配置される突極先端部となっており、
    前記絶縁部材は、前記突極先端部を前記回転軸の軸方向の一方側から覆う先端覆部を備え、
    複数の前記先端覆部は、前記回転軸の軸心を中心にして環状に配列され、
    前記被固定部の少なくとも一部分は、環状に配列される複数の前記先端覆部の内周側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のモータ。
  3. 前記イナーシャリングは、円筒状に形成される前記被固定部と、前記被固定部の一端部から鍔状に広がる鍔部とを備える鍔付きの円筒状に形成され、
    前記被固定部の一部分が前記ステータの内周側に配置され、
    前記鍔部は、前記回転軸の軸方向において前記ステータからずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のモータ。
  4. 円筒状に形成される前記被固定部の径方向の肉厚は、前記回転軸の軸方向における前記鍔部の厚さよりも厚くなっていることを特徴とする請求項3記載のモータ。
  5. 前記イナーシャリングは、円筒状に形成される前記被固定部と、前記被固定部の一端部から鍔状に広がる鍔部と、前記鍔部の外周端部分から前記回転軸の軸方向に突出する円筒状の突出部とを備え、
    前記被固定部の一部分が前記ステータの内周側に配置され、
    前記鍔部は、前記回転軸の軸方向において前記ステータからずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のモータ。
  6. 前記ステータは、前記駆動用コイルが電気的に接続される基板を備え、
    前記基板は、前記回転軸の軸方向において前記ステータコアよりも前記モータの反出力側に配置され、
    前記イナーシャリングは、前記回転軸の軸方向において前記ステータコアよりも前記モータの出力側に配置されていることを特徴とする請求項2記載のモータ。
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