JP2021179599A - 円偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた可撓性及び優れた耐屈曲性を有する円偏光板を提供すること。【解決手段】直線偏光層を含んで成る偏光層と、λ/4位相差層、位相差層貼合層及びポジティブC層を含んで成る位相差層とを、有する円偏光板であって、該位相差層貼合層は、1GPa以上の弾性率を有し、該円偏光板は、15%以上のクラックストレインを有し、該クラックストレインは、5cm長×10mm幅の円偏光板の両端を長さ方向に4mm/分の速度で引張り、該円偏光板にクラックが発生した時の伸び率(%)である、円偏光板。【選択図】図1

Description

本発明は、円偏光板に関し、特に薄型耐屈曲性円偏光板に関する。
外光反射や背景の映り込み等の問題を解消するため、有機ELディスプレイの視認面には円偏光板が設けられる。円偏光板は、一般に、直線偏光層にλ/4位相差層を積層することにより円偏光機能を出している。λ/4位相差層には、斜めから見たときの反射光の色付きを防ぐ等光学補償の目的で、ポジティブC層が貼合される。
近年では、屈曲可能な有機ELディスプレイに使用するために、薄型で耐屈曲性に優れた円偏光板が求められている。薄型円偏光板では、通常、λ/4位相差層及びポジティブC層等の位相差層として、液晶塗布型のものが使用される。液晶塗布型の位相差層とは、配向層上に位相差層形成用組成物を塗布し、その塗膜を硬化させて形成する位相差層をいう。
特許文献1には、偏光層、λ/4位相差層、垂直配向液晶硬化層、及び補強層を有する液晶塗布型楕円偏光板が記載されている。この楕円偏光板では、偏光層とλ/4位相差層との間に補強層を導入することで、機械的強度を向上させ、液晶硬化膜を切断した際に切断端面で波うち等の不具合が発生しない、優れた加工特性を得ている(実施例7〜9、比較例2)。
特許文献2には、基材、基材の一面に形成した偏光コーティング層、偏光コーティング層上に形成した第1接着層、第1接着層上に形成した第1位相差コーティング層、第1位相差コーティング層上に形成した第2接着層、第2接着層上に形成した第2位相差コーティング層及び第2位相差コーティング層上に形成したソフト層を含み、ソフト層が式:
Figure 2021179599
[式中、最大応力は応力−変形率グラフで破壊点での応力を示し、最大変形率は応力−変形率グラフで破壊点での変形率を示す。]
で定義した修正靭性が1,000ないし40,000MPa・%である偏光板、が記載されている。この円偏光板では、特許文献1での補強層に相当するソフト層の修正靭性を上記のように規定し、これを満たす適当なフィルムを選定することで、円偏光板に屈曲性を持たせている。
特開2019−20725号公報 韓国特許公開10−1933765号公報
液晶塗布型位相差層を備える円偏光板は、小さい屈曲半径(例えば、屈曲半径1mm)で屈曲(例えば、インフォールディング方式)した際には、屈曲部において位相差層が劣化し、破断し易いという問題がある。
特許文献1には、偏光板の耐屈曲性の向上に関し、言及されていない。また、特許文献2に記載の円偏光板では、補強層に相当するソフト層として、2官能ウレタンアクリレート、トリアセチルセルロース、又はポリエチレンテレフタレート等の比較的剛直な樹脂が用いられており、可撓性(フレキシビリティ)が不十分である。
本発明は、上記従来の円偏光板が抱える問題を解決するものであり、その目的とするところは、優れた可撓性及び優れた耐屈曲性を有する円偏光板を提供することである。
本発明は、
直線偏光層を含んで成る偏光層と、液晶塗布型位相差層を含んで成る位相差層とを、有する円偏光板であって、
該円偏光板は、15%以上のクラックストレインを有し、
該クラックストレインは、5cm長×10mm幅の円偏光板の両端を長さ方向に4mm/分の速度で引張り、該円偏光板にクラックが発生した時の伸び率(%)である、
円偏光板、を提供する。
ある一形態においては、前記位相差層は、λ/4位相差層、位相差層貼合層、及びポジティブC層を含んで成る。
ある一形態においては、前記位相差層貼合層は、1GPa以上の弾性率を有する。
ある一形態においては、前記位相差層貼合層は、1〜5μmの厚さを有する。
ある一形態においては、前記ポジティブC層は、液晶塗布型の位相差層である。
ある一形態においては、前記位相差層は、その少なくとも一方の面に補強層を有する。
ある一形態においては、前記補強層は、前記位相差層の上部に形成されている。
ある一形態においては、前記補強層は、前記位相差層の下部に形成されている。
ある一形態においては、前記補強層は、前記位相差層の上部及び下部に形成されている。
ある一形態においては、前記円偏光板は、5〜50μmの厚さを有する。
ある一形態においては、前記円偏光板は、偏光層を内側にして、屈曲半径1mmにて180°屈曲させては伸ばす操作を30万回繰り返し行った場合に、位相差層に割れ又は破断が生じない耐屈曲性を有する。
本発明によれば、優れた可撓性及び優れた耐屈曲性を有する円偏光板が提供される。本発明の円偏光板は、例えば、屈曲半径1mmという小さい屈曲半径で屈曲することができる。また、本発明の円偏光板は、偏光層を内側にして、屈曲半径1mmにて180°屈曲させては伸ばす操作を30万回繰り返し行った場合に、位相差層に割れ又は破断が生じない。
本発明の一実施形態である円偏光板の構造を示す断面図である。 本発明の他の実施形態である円偏光板の構造を示す断面図である。 本発明の他の実施形態である円偏光板の構造を示す断面図である。 本発明の他の実施形態である円偏光板の構造を示す断面図である。 本発明の円偏光板の静的屈曲耐久性試験(マンドレル屈曲試験)の方法を示す断面図である。(a)は試験の準備段階を示し、(b)は試験の最中を示す。
図1は、本発明による円偏光板100の構造の一例を示す断面図である。図1に示す円偏光板100は、偏光層10、粘接着剤層20、及び位相差層30を偏光層の側からこの順に備える。該偏光層10は直線偏光層12を含んで成る。該位相差層30は、λ/4位相差層31、位相差層貼合層32、及びポジティブC層33を、偏光層の側からこの順に含んで成る。円偏光板100における偏光層10側に、前面板をさらに積層してもよい。
〔偏光層10〕
図1の実施形態において、偏光層10は、保護層11、直線偏光層12及びオーバーコート層13を、視認される外側からこの順に備える。
(保護層11)
保護層11は直線偏光層に設けられて直線偏光層12を保護する機能を有する。保護層の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロースのような樹脂からなる酢酸セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような樹脂からなるポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等、当分野において公知の樹脂を挙げることができる。保護層の厚みは、屈曲性を高める観点から、通常100μm以下であり、80μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、また、通常5μm以上であり、20μm以上であることが好ましい。保護層は、フィルムあってもよく、フィルム状の保護層は、位相差を有していてもよい。保護層がフィルムである場合、直線偏光層と保護層とは、粘着剤層や接着剤層を介して積層することができる。
保護層11は、後述のオーバーコート層であってもよく、有機物層または無機物層であることができる。有機物層または無機物層は、コーティングにより形成される層であることができる。有機物層は、保護層形成用組成物、例えば(メタ)アクリル系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ポリイミド系樹脂組成物等を用いて形成することができる。保護層形成用組成物は、活性エネルギー線硬化型であってもよいし、熱硬化型であってもよい。
無機物層は、例えばシリコン酸化物等から形成することができる。保護層11が有機物層である場合、保護層はハードコート層と呼ばれるものであってもよい。
保護層11が有機物層である場合、例えば活性エネルギー線硬化型の保護層形成用組成物を基材フィルム上に塗布し、活性エネルギーを照射して硬化させることにより保護層を作製することができる。基材フィルムは、後述の前面板の樹脂製の板状体の説明が適用される。基材フィルムは通常、剥離して除去される。保護層形成用組成物を塗布する方法としては、例えばバーコート法、スピンコート法等が挙げられる。保護層11が無機物層である場合、例えばスパッタリング法、蒸着法等によって保護層を形成することができる。
保護層11が有機物層または無機物層である場合、保護層11の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下であってよく、好ましくは0.5μm以上5μm以下である。
(直線偏光層12)
直線偏光層12は、自然光等の非偏光な光線からある一方向の直線偏光を選択的に透過させる機能を有する層である。直線偏光層12は、例えば、重合性液晶化合物の硬化物及び二色性色素を含み、二色性色素は、重合性液晶化合物の硬化物中に分散し、配向している。かかる直線偏光層12は、ポリビニルアルコール系樹脂にヨウ素等の二色性色素を吸着配向させた直線偏光層と比較すると、湿熱試験における収縮量が小さいため寸法変化が小さい。そのため、湿熱耐久性が要求される環境下で使用される円偏光板に好適に用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性反応基を有し、かつ、液晶性を示す化合物である。重合性反応基は、重合反応に関与する基であり、光重合性反応基であることが好ましい。光重合性反応基は、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基をいう。光重合性官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。これらの中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物の種類は特に限定されず、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。重合性液晶化合物の液晶性は、サーモトロピック性液晶でもリオトロピック性液晶でもよく、相秩序構造としてはネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
二色性色素は、分子の長軸方向における吸光度と短軸方向における吸光度とが異なる性質を有する色素をいう。二色性色素としては、300〜700nmの範囲に吸収極大波長(λMAX)を有するものが好ましい。かかる二色性色素としては、例えば、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素、アゾ色素、及びアントラキノン色素等が挙げられるが、これらの中でもアゾ色素が好ましい。アゾ色素としては、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、及びスチルベンアゾ色素等が挙げられ、好ましくはビスアゾ色素、及びトリスアゾ色素である。二色性色素は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよいが、3種以上を組み合わせて使用することが好ましい。特に、3種以上のアゾ化合物を組み合わせることが好ましい。二色性色素の一部が反応性基を有していてもよく、また液晶性を有していてもよい。
直線偏光層12は、例えば、保護層11上に形成した配向層上に、重合性液晶化合物及び二色性色素を含む直線偏光層形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合して硬化させることにより形成することができる。あるいは、基材層上に、直線偏光層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を基材層とともに延伸することにより、直線偏光層12を形成してもよい。
配向層は、重合性液晶化合物を所望の方向に液晶配向させる、配向規制力を有する。配向層としては、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層、光配向ポリマーで形成された光配向性ポリマー層、層表面に凹凸パターンや複数のグルブ(溝)を有するグルブ配向層を挙げることができる。配向層の厚さは、通常10〜500nm、好ましくは10〜200nmである。
配向性ポリマー層は、配向性ポリマーを溶剤に溶解した組成物を、基材層や位相差層用基材層に塗布して溶剤を除去し、必要に応じてラビング処理をして形成することができる。この場合、配向規制力は、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層では、配向性ポリマーの表面状態やラビング条件によって任意に調整することが可能である。
光配向性ポリマー層は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む組成物を基材層や位相差層用基材層に塗布し、偏光を照射することにより形成することができる。この場合、配向規制力は、光配向性ポリマー層では、光配向性ポリマーに対する偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。
例えば、グルブ配向層は、感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光、現像等を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、活性エネルギー線硬化性樹脂の未硬化の層を形成し、この層を基材層や位相差層用基材層に転写して硬化する方法、基材層や位相差層用基材層に活性エネルギー線硬化性樹脂の未硬化の層を形成し、この層に、凹凸を有するロール状の原盤を押し当てる等により凹凸を形成して硬化させる方法等によって形成することができる。
重合性液晶化合物及び二色性色素を含む直線偏光層形成用組成物、及びこの組成物を用いた直線偏光層の製造方法としては、特開2013−37353号公報、特開2013−33249号公報、特開2017−83843号公報等に記載のものを挙げることができる。直線偏光層形成用組成物は、重合性液晶化合物及び二色性色素に加えて、溶媒、重合開始剤、架橋剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、増感剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、各々、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
直線偏光層12の厚さは、例えば、0.3〜10μm、好ましくは0.5〜8μm、より好ましくは1〜5μmである。
(オーバーコート層13)
オーバーコート層13は、直線偏光層12の保護、直線偏光層12中の二色性色素の移行の抑制、酸素や水分に対するバリア性の付与等を目的として設ける。オーバーコート層13は、直線偏光層12の両面に設けられていてもよい。オーバーコート層13は、例えば、直線偏光層12の表面にオーバーコート層13を形成するための材料(組成物)を塗布することによって形成することができる。
オーバーコート層13は、耐溶剤性、透明性、機械的強度、熱安定性、遮蔽性、及び等方性等に優れるものが好ましい。オーバーコート層13を構成する材料としては、例えば、光硬化性樹脂や水溶性ポリマー等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリルアミド系ポリマー;ポリビニルアルコール、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸又はその無水物−ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系ポリマー;カルボキシビニル系ポリマー;ポリビニルピロリドン;デンプン類;アルギン酸ナトリウム;ポリエチレンオキシド系ポリマー等が挙げられる。
オーバーコート層13の厚さは、例えば、0.1〜5μm、好ましくは0.3〜4μm、より好ましくは0.5〜3μmである。
〔粘接着剤層20〕
図1の実施形態において、粘接着剤層20は偏光層10と位相差層30とを貼合する層である。粘接着剤層20は、粘着剤層または接着剤層である。尚、粘着剤とは感圧接着性を有する接着剤をいう。粘接着剤層20は、粘着剤層であることが好ましい。
粘接着剤層20が粘着剤層である場合、粘着剤層は、例えば、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成する。これらの中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好ましい。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステルのうちの1種又は2種以上をモノマーとする重合体又は共重合体が好ましく用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーが挙げられる。
粘着剤組成物は、前記ベースポリマー単独でなるものであってよいが、通常は架橋剤を更に含む。該架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの等が挙げられる。これらの中でも、ポリイソシアネート化合物が好適である。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、活性エネルギー線照射前においても粘接着性を有してフィルム等の被着体に密着させることができる。活性エネルギー線の照射により硬化して密着力の調整をすることができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、前記のようにベースポリマー、架橋剤に加えて、活性エネルギー線重合性化合物を含む。光重合開始剤や光増感剤等も適宜含む。
粘着剤組成物は、光散乱性を付与するための微粒子、ビーズ(樹脂ビーズ、ガラスビーズ等)、ガラス繊維、ベースポリマー以外の樹脂、粘接着性付与剤、充填剤(金属粉やその他の無機粉末等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、着色剤、消泡剤、腐食防止剤、光重合開始剤等の添加剤を更に含んでもよい。
粘着剤層は、粘着剤組成物の有機溶剤希釈液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いた場合は、形成された粘着剤層に、活性エネルギー線を照射することにより所望の硬化度を有する硬化物とすることができる。
粘着剤層の厚さは、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μmである。
粘接着剤層20が接着剤層である場合、接着剤層は、例えば、水系接着剤または活性エネルギー線硬化型接着剤から形成する。
水系接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤組成物などが挙げられ、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液であることが好ましい。
水系接着剤がポリビニルアルコール系樹脂を含む場合、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、水100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
水系接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などが添加剤として添加されていてもよい。
水系接着剤は、接着性を向上させるために、グリオキシル酸の金属塩、グリオキザール、水溶性エポキシ樹脂などの硬化性成分および/または架橋剤を含むことが好ましい。グリオキシル酸の金属塩としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であることが好ましく、例えば、グリオキシル酸ナトリウム、グリオキシル酸カリウム、グリオキシル酸マグネシウム、グリオキシル酸カルシウムなどが挙げられる。水溶性エポキシ樹脂としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸などのジカルボン酸との反応で得られるポリアミドアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を好適に用いることができる。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、活性エネルギー線硬化型の化合物を含む。活性エネルギー線硬化型の化合物としては、カチオン重合性化合物またはラジカル重合性化合物が挙げられる。カチオン重合性化合物またはラジカル重合性化合物を含む場合、接着剤層の硬度を高める効果が期待できる。
カチオン重合性化合物としては、例えばオキセタン化合物またはエポキシ化合物などが挙げられる。カチオン重合性化合物の含有量は、活性エネルギー線硬化性の接着剤組成物100質量部に対して、10質量部以上99質量部以下であることが好ましく、40質量部以上99質量部以下であることがより好ましい。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、オキセタン化合物を、1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。活性エネルギー線硬化型接着剤は、エポキシ化合物は、1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
ラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル化合物、(メタ)アクリルアミド化合物などを挙げることができる。
(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマーや、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリルアミド系化合物としては、N−置換(メタ)アクリルアミド化合物が挙げられる。N−置換(メタ)アクリルアミド化合物は、N−位に置換基を有する(メタ)アクリルアミド化合物である。その置換基の典型的な例は、アルキル基である。N−位の置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、この環を構成する−CH−は、酸素原子に置換されていてもよい。さらに、その環を構成する炭素原子には、アルキル基やオキソ基(=O)のような置換基が結合していてもよい。N−置換(メタ)アクリルアミドは一般に、(メタ)アクリル酸またはその塩化物と1級または2級アミンとの反応によって製造できる。
ラジカル重合性化合物の含有量は、活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対して1質量部以上70質量部以下であることが好ましく、10質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、ラジカル重合性化合物を、1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、さらにカチオン重合開始剤またはラジカル重合開始剤を含むことができる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、重合開始剤を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
(その他の添加剤)
活性エネルギー線硬化接着剤は、光増感剤、溶剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などを含んでもよい。
接着剤層の厚さは、例えば、0.1〜5μmであり、好ましくは0.5〜3μmである。
〔位相差層30〕
位相差層は、液晶塗布型位相差層を含んで成るものである。液晶塗布型位相差層は、薄いため、屈曲したときにクラックが生じやすい傾向にあるが、本発明によれば、屈曲時のクラックを防止し得る。図1の実施形態において、位相差層30は、λ/4位相差層31、位相差層貼合層32及びポジティブC層33を偏光層10側からこの順に備える。別の実施形態において、位相差層は、λ/2位相差層、位相差層貼合層及びλ/4位相差層を偏光層10側からこの順に備える。
(λ/4位相差層)
λ/4位相差層31は、入射光にλ/4の位相差を付与する機能を有するものである。λ/4位相差層31は、例えば、波長550nmの光に対する面内位相差値が100〜160nmであることができる。λ/4位相差層31は、重合性液晶化合物の硬化物を含む。λ/4位相差層31は、配向層を有してもよい。重合性液晶化合物としては、例えば、前記直線偏光層12に用いた重合性液晶化合物を用いることができる。直線偏光層12を形成する重合性液晶化合物と、λ/4位相差層31を形成する重合性液晶化合物とは、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
λ/4位相差層31は、薄型化の観点から、好ましくは、液晶塗布型位相差層である。液晶塗布型のλ/4位相差層は、位相差層用配向層上に、重合性液晶化合物を含む位相差層形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合して硬化させることにより形成することができる。
λ/4位相差層31の厚さは、例えば、0.3〜10μm、好ましくは0.5〜8μm、より好ましくは1〜5μmである。
(位相差層貼合層32)
位相差層貼合層32は、λ/4位相差層31とポジティブC層33とを貼合する層、またはλ/2位相差層とλ/4位相差層とを貼合する層である。位相差層貼合層32は粘接着剤層20と同様の材料から同様の方法により形成される。粘接着剤層20は、接着剤層であることが好ましく、活性エネルギー線硬化型接着剤から形成することがより好ましい。
位相差層貼合層32の厚さは、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μmであり、さらに好ましくは1〜5μm以下である。位相差層貼合層32の厚さが1μm未満であると得られる円偏光板の耐屈曲性が不十分になることがあり、30μmを超えると得られる円偏光板の可撓性が不十分になることがある。位相差層貼合層の弾性率は、後述の実施例に記載された方法で測定される。位相差層貼合層の弾性率は、温度25℃における値であることができる。
位相差層貼合層32の弾性率は1GPa以上、好ましくは1.5〜6GPa、より好ましくは2〜5GPaである。位相差層貼合層32の弾性率が1GPa未満であると得られる円偏光板の耐屈曲性が不十分になることがある。位相差層貼合層32の弾性率が大きすぎると円偏光板の可撓性が不十分になることがある。
(ポジティブC層33)
ポジティブC層33は、表面を斜め方向から見た場合に反射光が色付いて見えるのを防ぐ等、円偏光板による光学的機能を補償する層である。「ポジティブC」とは、ポジティブC層の層面に沿ったX軸方向の屈折率をn、層面に沿った方向でX軸に直交するY軸方向の屈折率をn、層厚方向の屈折率をnとしたと場合に、n>n≒n(光軸:n方向)の関係を満たす性質をいう。
ポジティブC層33は、重合性液晶化合物の硬化物を含む。ポジティブC層33は配向層を有してもよい。重合性液晶化合物としては、例えば、前記直線偏光層12に用いた重合性液晶化合物を用いることができる。直線偏光層12を形成する重合性液晶化合物と、ポジティブC層33を形成する重合性液晶化合物とは、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。該重合性液晶化合物としては、円盤状液晶材料(ディスコティック液晶材料)及び棒状液晶材料等が挙げられるが、主鎖と側鎖を変更することで分散性を制御することが可能であり、波長分散性の調整も容易であることから、棒状液晶材料を使用することがより好ましい。
ポジティブC層33は、薄型化の観点から、好ましくは、液晶塗布型位相差層である。液晶塗布型のポジティブC層は、位相差層用配向層上に、重合性液晶化合物を含む位相差層形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合して硬化させることにより形成することができる。
ポジティブC層33の厚さは、例えば、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜8μm、より好ましくは0.3〜5μmである。
(λ/2位相差層)
λ/2位相差層は、入射光にλ/2の位相差を付与する機能を有するものである。λ/2位相差層は、例えば、波長550nmの光に対する面内位相差値が200〜350nmであることができる。λ/2位相差層は、重合性液晶化合物の硬化物を含むことができる。λ/2位相差層は、配向層を有してもよい。重合性液晶化合物としては、例えば、前記λ/4位相差層に用いた重合性液晶化合物を用いることができる。λ/4位相差層を形成する重合性液晶化合物と、λ/2位相差層を形成する重合性液晶化合物とは、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
λ/2位相差層は、薄型化の観点から、好ましくは、液晶塗布型位相差層である。液晶塗布型のλ/2位相差層は、位相差層用配向層上に、重合性液晶化合物を含む位相差層形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合して硬化させることにより形成することができる。
λ/2位相差層の厚さは、例えば、0.3〜10μm、好ましくは0.5〜8μm、より好ましくは1〜5μmである。
〔円偏光板100の製造〕
図1の実施形態において、円偏光板100は、例えば、次の方法により製造することができる。即ち、保護層11の上に直線偏光層12及びオーバーコート層13を形成して、偏光層10を得る。別途準備した基材の上にλ/4位相差層31を形成し、別途準備した基材の上にポジティブC層33を形成する。次いで、位相差層貼合層32用粘接着剤を使用して、λ/4位相差層31とポジティブC層33とを貼合して、位相差層30を得る。
その後、λ/4位相差層31側の基材を除去し、粘接着剤層20用粘接着剤を使用して、偏光層10のオーバーコート層13と位相差層30のλ/4位相差層31とを貼合して、円偏光板100を得る。
〔その他の実施形態〕
図2〜4は本発明の他の実施形態である円偏光板の構造を示す断面図である。図2〜4の円偏光板は、位相差層30が、その少なくとも一方の面に補強層を有する。図2の円偏光板200では、第1補強層41が位相差層30の上部に形成されている。図3の円偏光板300では、第2補強層42が位相差層30の下部に形成されている。図4の円偏光板400では、第1補強層41が位相差層30の上部に、第2補強層42が位相差層30の下部に形成されている。図2〜4の円偏光板は、補強層を有することで、より優れた耐屈曲性を示すようになる。
補強層は粘接着剤層20と同様の材料から同様の方法により形成される。補強層は、前述の活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて形成することが好ましい。例えば、位相差層30を形成した後、偏光層10と貼合する前に、位相差層30の外側面、即ち、λ/4位相差層31の露出面に、第1補強層41用粘接着剤を塗布することで、第1補強層41を形成することができる。また、位相差層30を形成した後に、位相差層30の内側面、即ち、ポジティブC層33の露出面に、第2補強層42用粘接着剤を塗布することで、第2補強層42を形成することができる。必要に応じて、粘接着剤を加熱したり、粘接着剤に活性エネルギー線を照射したりして、粘接着剤を硬化させることができる。
補強層の厚さは、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmである。補強層の厚さが0.1μm未満であると得られる円偏光板の耐屈曲性が不十分になることがあり、30μmを超えると得られる円偏光板の可撓性が不十分になることがある。
補強層の弾性率は、例えば、1GPa以上、好ましくは1.5〜6GPa、より好ましくは2〜5GPaである。補強層の弾性率が1GPa未満であると得られる円偏光板の耐屈曲性が不十分になることがある。補強層の弾性率が大きすぎると円偏光板の可撓性が不十分になることがある。補強層の弾性率は、後述の実施例に記載された方法で測定される。補強層の弾性率は、温度25℃における値であることができる。
〔円偏光板〕
本発明の円偏光板は、優れた可撓性を付与しやすくする観点から、100μm以下、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μmの厚さを有する。円偏光板の厚さが150μmを超えると可撓性が不十分になることがある。
本発明の円偏光板は、優れた耐屈曲性を有する観点から、15%以上、好ましくは18%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは26%以上のクラックストレインを有する。クラックストレインの上限は特に限定されないが、クラックストレインは、例えば50%以下であってもよいし、35%以下であってもよい。円偏光板のクラックストレインが15%未満であると耐屈曲性が不十分になることがある。ここで、クラックストレインとは、所定の条件下で材料を一方向に引っ張って伸ばした場合に、クラックが発生しない限界の伸び率(%)をいう。クラックストレインの測定条件は、実施例として記載した通りである。クラックストレインは、円偏光板を構成する層の材料や厚みなどで調製することが可能である。例えば、位相差層が補強層を備えたり、補強層の数が増えたりすることで、クラックストレインを増大させることができる。また、円偏光板を例えば50〜100℃で0.5〜24時間加熱処理をすることで、クラックストレインを増大させることもできる。
(前面板)
前面板(図面には非表示)は、一般に、保護層11の上部に配置され、偏光層10の最外側を構成する。前面板は、一体性及び透光性を有する板状の層である。前面板は2層以上から構成されてもよい。前面板の例としては、樹脂製の板状体(例えば、樹脂板、樹脂シート、樹脂フィルム)、ガラス製の板状体(例えば、ガラス板)、樹脂製の板状体とガラス製の板状体との積層体等が挙げられる。
前面板が樹脂製の板状体である場合、材料としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート及びポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン及びポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース及びアセチルプロピオニルセルロース等のセルロース系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール及びポリビニルアセタール等のポリビニル系樹脂;ポリスルホン及びポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ポリエーテルケトン及びポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリエーテルイミド;ポリカーボネート系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;及びポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの高分子は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも強度及び透明性向上の観点から、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、又はポリアミド系樹脂を用いることが好ましい。
前面板は、上記樹脂からできたフィルムであってよく、フィルムの少なくとも一方の面にハードコート層を有してもよい。ハードコート層は、フィルムの外側の面に形成されていても、両方の面に形成されていてもよい。ハードコート層を設けることにより、硬度及び耐スクラッチ性を向上させた樹脂フィルムとすることができる。ハードコート層は、例えば、紫外線硬化型樹脂の硬化層である。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。ハードコート層は、硬度を向上させるために、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は前面板の透光性を阻害するものでなければ、特に限定されることはなく、無機系微粒子、有機系微粒子、又はこれらの混合物を使用することができる。
円偏光板100がディスプレイパネルに用いられる場合、前面板は、ディスプレイパネルにおけるウィンドウフィルムとしての機能を有していてもよい。前面板は、さらにタッチセンサとしての機能、ブルーライトカット機能、視野角調整機能等を有するものであってもよい。
前面板の厚さは、例えば、1〜100μm、好ましくは10〜70μm、より好ましくは20〜60μmである。
(背面板)
位相差層30の下部には、粘着剤層を介して背面板(図面には非表示)が積層されることができる。背面板としては、光を透過可能な板状体、または通常の表示装置に用いられる構成要素等を用いることができる。
背面板の厚さは、例えば5μm〜2000μmであってよく、好ましくは10μm〜1000μmであり、より好ましくは15μm〜500μmである。
背面板に用いる板状体は、1層のみから構成されてよく、2層以上から構成されたものであってよく、前面板において述べた板状体について例示したものを用いることができる。
背面板に用いる通常の表示装置に用いられる構成要素としては、例えばセパレータ、タッチセンサパネル、有機EL表示素子等が挙げられる。表示装置における構成要素の積層順としては、例えば前面板/円偏光板/セパレータ、前面板/円偏光板/有機EL表示素子、前面板/円偏光板/タッチセンサパネル/有機EL表示素子、前面板/タッチセンサパネル/円偏光板/有機EL表示素子等が挙げられる。
以降、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例中、物質を配合する割合の単位「部」は、特に断らない限り、重量基準とする。
(a)層の厚さの測定方法
円偏光板を構成する層の厚さは、接触式膜厚測定装置(株式会社ニコン製「MS−5C」(商品名))を用いて測定した。ただし、偏光層及び配向層は、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製「OLS3000」(商品名))を用いて測定した。
(b)弾性率(G’)の測定方法
粘接着剤層20および補強層が粘着剤層である場合、粘着剤層を150μmになるように積み重ねて、サンプルを作製した。弾性率(G’)は、レオメーター(Anton Parr社製「MCR−301」(商品名))を用いて、貯蔵弾性率を測定した。測定条件は、温度25℃、応力1%及び周波数1Hzとした。
また、粘接着剤層20および補強層が粘着剤層ではない接着剤層である場合、ガラス(厚み1.0mm)に接着剤組成物を塗工して得られた塗膜の上に、COPフィルム(日本ゼオン株式会社製、厚み50μm)を積層した。その後、塗膜に対して、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ社製、無電極紫外線ランプのHバルブを備えるもの)を用いて光照射強度が400mW/cm、波長280〜320nmでの積算光量が1500mJ/cmとなるよう紫外線を照射し、接着剤組成物を硬化させて、ガラス/接着剤層/COPフィルムの層構造を有する積層シートを得た。積層シートからCOPフィルムを剥がした後、 露出した接着剤層をNano Indenter(HM−500、フィッシャー・インスツルメンツ社製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%、圧力1mNの条件で、圧縮弾性率の測定を行った。圧子には、Berkovich三角錘圧子を用いた。
<製造例1>
(偏光層10の製造)
配向層形成用組成物の調製
以下の構造式で表される光反応性基を有するポリマーを、濃度5%で、シクロペンタノンに溶解した溶液を配向層形成用組成物(1)として調製した。
Figure 2021179599
直線偏光層形成用組成物の調製
以下の構造で表される化合物(1−1)及び化合物(1−2)を重合性液晶化合物として用いた。化合物(1−1)および化合物(1−2)は、Lub et al.Recl.Trav.Chim.Pays−Bas、115、321−328(1996)記載の方法により合成した。
・化合物(1−1)
Figure 2021179599
・化合物(1−2)
Figure 2021179599
以下の構造で表される化合物(2−1a)、化合物(2−1b)、及び化合物(2−2)を二色性色素として用いた。
・化合物(2−1a)
Figure 2021179599
・化合物(2−1b)
Figure 2021179599
・化合物(2−2)
Figure 2021179599
直線偏光層形成用組成物は、化合物(1−1)75部、化合物(1−2)25部、二色性色素としての上記式(2−1a)、(2−1b)、(2−2)で示されるアゾ色素各2.5部、重合開始剤としての2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(Irgacure369、BASF社製)6部、及びレベリング剤としてのポリアクリレート化合物(BYK−361N、BYK社製)1.2部を、溶剤のトルエン400部に混合し、得られた混合物を80℃で1時間撹拌することにより調製した。
オーバーコート層形成用組成物の調製
オーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用組成物は、水100部、ポリビニルアルコール樹脂粉末(KL−318、株式会社クラレ製、平均重合度18000)3部、架橋剤としてのポリアミドエポキシ樹脂(SR650(30)、住化ケムテックス株式会社製)1.5部を混合して調製した。
積層体の作製
保護層11としてトリアセチルセルロール(TAC)フィルム(KC2UA、コニカミノルタ株式会社製、厚さ25μm)を使用して、これに出力0.3kW、処理速度3m/分の条件の下、コロナ処理を施した。その後、フィルムのコロナ処理面に、前記調製した配向層形成用組成物(1)をバーコート法により塗布し、温度80℃の乾燥オーブン中で1分間加熱乾燥した。得られた被膜に対し、ワイヤーグリッド(UIS−27132##、ウシオ電機株式会社製)を透過させて、波長365nmでの積算光量が100mJ/cmとなるように調整した紫外線を照射して、厚さ100nmの配向層を得た。その後、得られた配向層に、前記調製した直線偏光層形成用組成物をバーコート法により塗布し、被膜を温度120℃の乾燥オーブン中で1分間加熱乾燥して室温まで冷却した。波長365nmでの積算光量が1200mJ/cmとなるように調整した紫外線をこれに照射し、厚さ2.0μmの直線偏光層12を形成した。形成した直線偏光層上に、前記調製したオーバーコート層形成用組成物を、乾燥後の厚さが1.0μmとなるよう、バーコート法により塗布し、温度80℃で3分間乾燥した。かかる手順で、保護層11(厚さ25μm)、直線偏光層12(厚さ2.0μm)、及びオーバーコート層13(厚さ1.0μm)をこの順に備える偏光層10を製造した。
<製造例2>
(粘接着剤層20用粘着剤の製造)
アクリル酸ブチル70部、アクリル酸メチル20部、アクリル酸2.0部、およびラジカル重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)0.2部を、窒素雰囲気下で撹拌しながら55℃で反応させることによりアクリル樹脂を得た。その後、該アクリル樹脂100部、架橋剤(東ソー株式会社製「コロネートL」)1.0部、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「X−12−981」)0.5部を混合し、固形分濃度が10%になるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)の離型処理面に、アプリケータを利用して乾燥後の厚さが5μmになるように塗布した。塗布層を100℃で1分間乾燥して、PETフィルム付き粘接着剤層20用粘着剤層を得た。
その後、この粘着剤層に、離型処理された別のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)を貼合し、温度23℃、相対湿度50%RHの条件で7日間養生した。粘接着剤層20用粘着剤層は0.7MPaの弾性率(貯蔵弾性率)を有していた。
基材であるPETフィルムは、円偏光板を製造する過程で適宜剥離した。
<製造例3>
(位相差層30の製造)
λ/4位相差層31形成用組成物の調製
λ/4位相差層31を形成するためのλ/4位相差層31形成用組成物は、以下に示す各成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間撹拌することにより調製した。
・下記の構造式で表される化合物:80部
Figure 2021179599
・下記の構造式で表される化合物:20部
Figure 2021179599
・重合開始剤(Irgacure369、BASF社製):6部・レベリング剤(BYK−361N、ポリアクリレート化合物、BYK社製):0.1部・溶剤(シクロペンタノン):400部
λ/4位相差層31の作製
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)の基材上に、前記配向層形成用組成物(1)をバーコート法により塗布し、温度80℃の乾燥オーブン中で1分間加熱乾燥した。得られた塗膜に偏光UV照射処理を施して配向層を形成した。偏光UV処理は、UV照射装置(SPOT CURE SP−7、ウシオ電機株式会社製)を用いて、波長365nmでの積算光量が100mJ/cmとなる条件で行った。また、偏光UVの偏光方向は直線偏光層の吸収軸に対して45°となるように行った。
次に、形成した配向層上に、前記λ/4位相差層形成用組成物をバーコート法により塗布し、温度120℃の乾燥オーブン中で1分間加熱乾燥した後、室温まで冷却した。得られた塗膜に、波長365nmでの積算光量が1000mJ/cmとなるように調整した紫外線を照射し、厚さ2.0μmのλ/4位相差層を形成して、PETフィルム付きλ/4位相差層31を得た。このλ/4位相差層は、逆波長分散性を示した。
ポジティブC層33の作製
2−フェノキシエチルアクリレートと、テトラヒドロフルフリルアクリレートと、ジペンタエリスリトールトリアクリレートと、ビス(2−ビニルオキシエチル)エーテルとを1:1:4:5の割合で混合し、重合開始剤としてLUCIRIN TPOを4%の割合で添加した配向層形成用組成物(2)を調製した。
ポジティブC層形成用組成物として光重合性ネマチック液晶化合物(メルク社製,RMM28B)と溶媒とを、固形分が1〜1.5gとなるように調製して作製した。溶媒は、メチルエチルケトン(MEK)と、メチルイソブチルケトン(MIBK)と、シクロヘキサノン(CHN)とを、質量比(MEK:MIBK:CHN)で35:30:35の割合で 混合させた混合溶媒を用いた。
厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材として準備した。基材の片面に配向層形成用組成物(2)を膜厚3μmになるように塗布し、200mJ/cmの紫外線を照射して、配向層を作製した。
前記配向層上に、ポジティブC層形成用組成物を、ダイコーティングにより塗工した。
塗工量は4〜5g(wet)であった。乾燥温度を75℃、乾燥時間を120秒間として、塗膜を乾燥させた。その後、塗膜に紫外線(UV)照射して、重合性液晶化合物を重合させた。得られた塗膜の厚みをレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス株式会社製)で測定したところ、配向層との合計で4μmであった。
位相差層の貼合
光カチオン硬化性樹脂である3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:CEL2021P、株式会社ダイセル製)70部、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(EX−211、ナガセケムテックス株式会社製)20部、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(EX−121、ナガセケムテックス株式会社製)10部、光カチオン重合開始剤(CPI−100、サンアプロ株式会社製)2.25部、光カチオン重合増感剤を1,4−ジエトキシナフタレン2部の配合比で混合した後、脱気して、光硬化型接着剤である位相差層貼合層用接着剤を調製した。光カチオン重合開始剤は50%炭酸プロピレン溶液として混合した。
前記PETフィルム付きλ/4位相差層31のλ/4位相差層側と、PETフィルム付きポジティブC層33のポジティブC層側とに、出力0.3kW、処理速度3m/分の条件下、コロナ処理を一度行った。λ/4位相差層31とポジティブC層33との間に、厚さが1.5μmとなるように上記位相差層貼合層用接着剤を塗布して、ニップロールで貼合した。貼合した位相差層30のポジティブC層33のPETフィルム基材側から、波長365nmでの積算光量が300mJ/cmとなるように調整した紫外線を照射し、位相差層貼合層を紫外線硬化させた。かかる手順で、λ/4位相差層31、位相差層貼合層32、及びポジティブC層33をこの順に備える位相差層30を製造した。硬化した位相差層貼合層は2.4GPaの弾性率(圧縮弾性率)を有していた。基材であるPETフィルムは、円偏光板を製造する過程で適宜剥離した。
<実施例1>
図2に示す円偏光板200の製造
1.製造例1で得た偏光層10のオーバーコート層13側の面にコロナ処理(条件:出力.0.3kW、処理速度.3m/分)を行い、製造例2で得た粘接着剤層20用粘着剤層の面にコロナ処理を行い、コロナ処理面同士で貼合した。
2.製造例3で得た位相差層30のλ/4位相差層31側の面にコロナ処理を行い、これと、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム(厚さ23μm)とを、製造例3で得た位相差層貼合層用接着剤(厚さ1〜2μm)を介して、ニップロールで積層した。その後、COPフィルム側から、波長365nmでの積算光量が300mJ/cmとなるように調整した紫外線を照射し、厚さ1.5μmの第1補強層41を得た。COPフィルムは、第1補強層41を形成後、剥離して除去した。
3.手順1で得た貼合体の粘接着剤の面にコロナ処理を行い、手順2で形成した第1補強層41の面にコロナ処理を行い、コロナ処理面同士で貼合して、位相差層30の上部に第1補強層41を有する円偏光板200を得た。
<実施例2>
図3に示す円偏光板300の製造
1.製造例1で得た偏光層10のオーバーコート層13側の面にコロナ処理を行い、製造例2で得た粘接着剤層20用粘着剤層の面にコロナ処理を行い、コロナ処理面同士で貼合した。
2.得られた貼合体の粘接着剤層20用粘着剤層の面にコロナ処理を行い、製造例3で得た位相差層30のλ/4位相差層側の面にコロナ処理を行い、コロナ処理面同士で貼合した。
3.得られた貼合体のポジティブC層側の面にコロナ処理を行ったものと、別途用意したCOPフィルム(厚さ23μm)とを、製造例3で得た位相差層貼合層用接着剤(厚さ1.5μm)を介して、ニップロールで積層した。その後、COPフィルム側から、波長365nmでの積算光量が300mJ/cmとなるように調整した紫外線を照射し、COPフィルムを除去して、位相差層の下部に第2補強層42を有する円偏光板300を得た。
<実施例3>
図4に示す円偏光板400の製造
実施例1で得た円偏光板200のポジティブC層側の面にコロナ処理を行った。 次に、これと、別途用意したCOPフィルム(厚さ23μm)とを、製造例3で得た位相差層貼合層用接着剤(厚さ1.5μm)を介して、ニップロールで積層した。その後、COPフィルム側から、波長365nmでの積算光量が300mJ/cmとなるように調整した紫外線を照射し、COPフィルムを除去して、位相差層30の上部に第1補強層41を、位相差層30の下部に第2補強層42を有する円偏光板400を得た。
<実施例4>
図1に示す円偏光板100の製造
実施例2の手順1及び2と同様にして円偏光板100を得た。この円偏光板をさらに80℃で1時間養生した。
<比較例1>
製造例3で得たPETフィルム付きλ/4位相差層31のλ/4位相差層側と、PETフィルム付きポジティブC層33のポジティブC層側とに、出力0.3kW、処理速度3m/分の条件下、コロナ処理を行った。λ/4位相差層31とポジティブC層33との間に、製造例2で得た粘接着剤層20用粘着剤層を配置して、両者を貼合した。かかる手順で、λ/4位相差層(厚さ2.0μm)、位相差層貼合層(厚さ5μm)、及びポジティブC層(厚さ450nm)をこの順に備える位相差層を作製した。基材であるPETフィルムは、円偏光板を製造する過程で適宜剥離した。
製造例3で得た位相差層30の代わりに上記位相差層を用いること以外は実施例2の手順1及び2と同様にして、円偏光板を得た。得られた円偏光板の構造は実施例4と同様であるが、位相差層貼合層の弾性率(貯蔵弾性率)が0.0007GPaである点で相違する。
<比較例2>
PETフィルムの代わりに、保護層としても使用したTACフィルムを使用すること以外は製造例3と同様にして、TACフィルム上にポジティブC層を形成した。
得られたTACフィルム付きポジティブC層を使用すること以外は比較例1と同様にして、円偏光板を得た。これにより、位相差層の下部に補強層としてTACフィルム(厚さ25μm)を有する円偏光板を得た。
<クラックストレインの測定>
各円偏光板を5cm長×10mm幅のサイズに裁断し、サンプルを調製した。UTM (Universal Testing Machine、株式会社島津製作所製「オートグラフAG−X」(製品名))を使用して、調製したサンプルの両端をクリップでつかみ、長さ方向に4mm/分の速度で引張りながら、目視でサンプル表面を観察した。サンプルにクラックが発生した時の伸び率をクラックストレイン(%)として記録した。例えば、実施例1においてクラックが発生したときのサンプルの長さは6.25cmであったので、クラックストレインは、100×(6.25−5)/5=25%と算出される。
<動的耐屈曲性試験>
動的屈曲試験は、室温条件下(温度25℃、湿度50%)で行った。実施例及び比較例で製造した円偏光板の保護層上に、片面上にハードコート層(厚さ10μm)を有するポリイミド系高分子樹脂フィルム(前面板、厚さ40μm)を貼合し、ポジティブC層上に、2枚のポリイミドフィルム(背面板、厚さはどちらも38μm、引張弾性率5GPa以上)を二重に貼合して、屈曲試験用積層体を得た。上記フィルムの貼合には、架橋剤の使用量を3.0部に変更すること以外は製造例2と同様にして調製した屈曲試験用粘着剤層(厚さ25μm)を用いた。
得られた屈曲試験用積層体を動的屈曲試験機(Science Town社製「STS−VRT−500」(製品名))に平坦な状態(屈曲していない状態)で設置し、前面板層側が内側となるよう(インフォ―ルド方式)を180°屈曲させ、その後、元の平坦な状態に戻した。屈曲半径は、室温条件下では1.0mmとした。
屈曲させて平坦に戻す操作を1回行ったことを屈曲回数1回と数え、この動作を繰り返し行った。屈曲速度は60rpmとした。屈曲操作で屈曲した領域において最下層の位相差層にクラック(割れ又は破断)が生じたときの屈曲回数を、限界屈曲回数として表1に記録した。
<静的屈曲耐久性試験>
図5は、本発明の円偏光板の静的屈曲耐久性試験(マンドレル屈曲試験)の方法を示す断面図である。まず、上記屈曲試験用積層体を1cm×10cmの試験片に裁断した。試験板51上に裁断した屈曲試験用積層体52を、その前面板側が上側になるように置き、その上に直径3mmの鉄製棒53を置いた(図5(a))。鉄製棒53を挟んで試験板51及び屈曲試験用積層体52を手で180°折り、固定した(図5(b))。その後、折り畳んだ状態の屈曲試験用積層体52を、高温高湿条件下(温度60℃、湿度90%)で載置した。
屈曲操作で屈曲した領域において、円偏光板を構成する層のうちで最下層の位相差層にクラックが生じたときを基準に、静的屈曲耐久性を次のように評価した。結果を表1に示す。
◎:30日経過した時点でクラックが発生していなかった。
〇:30日経過した時点でクラック発生していた。
△:20日経過した時点でクラックが発生していた。
×:10日経過した時点でクラックが発生していた。
Figure 2021179599
表1より、クラックストレインが高い本発明の円偏光板は、優れた耐屈曲性を有することがわかる。中でも、位相差層の上部、下部に補強層を有する円偏光板は、特に優れた耐屈曲性を有していた。
10…偏光層、
11…保護層、
12…直線偏光層、
13…オーバーコート層、
20…粘接着剤層、
30…位相差層、
31…λ/4位相差層、
32…位相差層貼合層、
33…ポジティブC層、
41…第1補強層、
42…第2補強層、
51…試験板、
52…屈曲試験用積層体、
53…鉄製棒、
100、200、300、400…円偏光板。

Claims (11)

  1. 直線偏光層を含んで成る偏光層と、液晶塗布型位相差層を含んで成る位相差層とを、有する円偏光板であって、
    該円偏光板は、15%以上のクラックストレインを有し、
    該クラックストレインは、5cm長×10mm幅の円偏光板の両端を長さ方向に4mm/分の速度で引張り、該円偏光板にクラックが発生した時の伸び率(%)である、
    円偏光板。
  2. 前記位相差層は、λ/4位相差層、位相差層貼合層、及びポジティブC層を含んで成る、請求項1に記載の円偏光板。
  3. 前記位相差層貼合層は、1GPa以上の弾性率を有する、請求項2に記載の円偏光板。
  4. 前記位相差層貼合層は、1〜5μmの厚さを有する、請求項2又は3に記載の円偏光板。
  5. 前記ポジティブC層は、液晶塗布型の位相差層である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の円偏光板。
  6. 前記位相差層が、その少なくとも一方の面に補強層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の円偏光板。
  7. 前記補強層が、前記位相差層の上部に形成されている、請求項6に記載の円偏光板。
  8. 前記補強層が、前記位相差層の下部に形成されている、請求項6に記載の円偏光板。
  9. 前記補強層が、前記位相差層の上部及び下部に形成されている、請求項6に記載の円偏光板。
  10. 5〜50μmの厚さを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の円偏光板。
  11. 偏光層を内側にして、屈曲半径1mmにて180°屈曲させては伸ばす操作を30万回繰り返し行った場合に、位相差層に割れ又は破断が生じない耐屈曲性を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の円偏光板。
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