JP2021178739A - 光学部材、コーティング剤および親水膜形成方法 - Google Patents

光学部材、コーティング剤および親水膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性の向上した光学部材を提供する。【解決手段】本発明による光学部材(100)は、透光性部材(110)と、親水膜(120)とを備える。親水膜(120)は、透光性部材(110)を被覆する。親水膜(120)は、シリカ粒子(120a)と、酸化チタン粒子(120b)と、ニオブ化合物粒子(120c)とを含有する。【選択図】図2

Description

本発明は、光学部材、コーティング剤および親水膜形成方法に関する。
基材の表面にコーティング剤を付与し、基材の表面を光触媒的に親水性にすることが知られている(特許文献1)。特許文献1には、チタニアの粒子とシリカの粒子とを含む懸濁液を基板の表面に塗布した後で焼結して光触媒性被膜を形成することが記載されている。
特許第2756474号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、光触媒性被膜がチタニアの粒子とシリカの粒子とを含有する場合、光触媒性被膜の硬度が充分ではなく、充分な耐摩耗性が得られないことがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性を向上させた光学部材、コーティング剤および親水膜形成方法を提供することにある。
本発明の例示的な光学部材は、透光性部材と、親水膜とを備える。前記親水膜は、前記透光性部材を被覆する。前記親水膜は、シリカ粒子と、酸化チタン粒子と、ニオブ化合物粒子とを含有する。
本発明の例示的なコーティング剤は、溶剤と固形成分とを含有する。前記固形成分は、シリカ粒子と、酸化チタン粒子と、ニオブ化合物粒子とを含む。
本発明の例示的な親水膜形成方法は、コーティング剤を透光性部材に塗布する工程と、前記コーティング剤を前記透光性部材に塗布した後、前記コーティング剤から親水膜を形成する工程とを包含する。前記コーティング剤を塗布する工程において、前記コーティング剤は、溶剤と固形成分とを含有する。前記親水膜を形成する工程において、前記コーティング剤の前記溶剤が蒸発するように前記コーティング剤を乾燥させて前記コーティング剤から親水膜を形成する。前記固形成分は、シリカ粒子と、酸化チタン粒子と、ニオブ化合物粒子とを含む。
例示的な本発明によれば、光学部材の耐摩耗性を向上できる。
図1は、本実施形態の光学部材の模式図である。 図2は、本実施形態の光学部材における親水膜の模式図である。 図3は、本実施形態の光学部材の模式図である。 図4は、本実施形態のコーティング剤の模式図である。 図5(a)〜図5(c)は、本実施形態のコーティング剤の調製方法を示す模式図である。 図6(a)〜図6(c)は、本実施形態の親水膜形成方法を説明するための模式図である。 図7は、本実施形態の光学部材における親水膜の模式図である。 図8は、実施例1〜5および比較例の光学部材における親水膜の硬度を示すグラフである。 図9は、実施例1〜6の光学部材の反射率を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
まず、図1および図2を参照して、本実施形態の光学部材100を説明する。図1は、本実施形態の光学部材100の模式図である。光学部材100は、透光性部材110と、親水膜120とを備える。
透光性部材110は透光性を有する。透光性部材110は光を透過する。透光性部材110は、透明であってもよく、半透明であってもよい。透光性部材110は、ガラスを含んでもよい。あるいは、透光性部材110は、樹脂を含んでもよい。
また、図1に示すように、透光性部材110は、単一部材から構成されてもよい。あるいは、透光性部材110は、複数の部材から構成されてもよい。
親水膜120は、透光性部材110を被覆する。親水膜120は、親水性を有する。親水膜120は、水に対して高い濡れ性を有する。親水膜120に水滴が付着すると、親水膜120の表面にほぼ均一な水の膜が形成される。例えば、親水膜120の表面にある水滴の接触角は20°以下であることが好ましく、接触角は10°以下であることがさらに好ましい。
親水膜120は、透光性部材110の少なくとも一部を覆う。親水膜120は、透光性部材110のうちの他の部材によって覆われない部分の全面を覆うことが好ましい。
図2は、本実施形態の光学部材100における親水膜120の模式図である。親水膜120は、シリカ粒子120aと、酸化チタン粒子120bと、ニオブ化合物粒子120cとを含有する。本実施形態の光学部材100において、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cは、互いに分散して付着している。本実施形態の光学部材100において、親水膜120は、シリカ粒子120aおよび酸化チタン粒子120bを含有するため、高い親水性を示す。また、使用によって親水膜120の親水性が低下しても、親水膜120に光(紫外光)を照射することにより、親水膜120の親水性を回復できる。さらに、親水膜120はニオブ化合物粒子120cを含有するため、光学部材100の耐摩耗性を向上できる。
[シリカ粒子120a]
シリカ粒子120aは、シリカからなる粒子である。シリカ粒子120aの平均粒径はnmオーダーである。
なお、本願明細書において、「平均粒径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて親水膜120またはその材料を観察することによって求められる。具体的に、粒子の全体を観察できる任意の50個の粒子について、1個の粒子の最大径および最小径をそれぞれ測定してその平均値を当該1個の粒子の粒径とし、50個のそれぞれの粒子の粒径の平均値を「平均粒径」とする。
シリカ粒子120aの平均粒径は、1nm以上200nm以下であることが好ましい。シリカ粒子120aの粒径が1nm以上であることにより、シリカ粒子120aのコストを低減できる。また、シリカ粒子120aの粒径が200nm以下であることにより、親水膜120の透光性を向上できる。
シリカ粒子120aは、中空シリカ粒子またはポーラスシリカ粒子を含むことが好ましい。シリカ粒子120aが中空シリカ粒子またはポーラスシリカ粒子を含むことにより、親水膜120に対する水滴の接触角を長期間にわたって10°以下に維持できる。このように、シリカ粒子120aが中空シリカ粒子またはポーラスシリカ粒子を含むことにより、親水膜120の親水性をさらに向上できる。
例えば、中空シリカ粒子は、内部に空間を有する。中空シリカ粒子は、コア粒子をゾルゲル法でシリカコーティングした後でコア粒子を溶解させることで形成できる。一例としては、炭酸カルシウムからなるコア粒子をシリカでコーティングした後で、酸でコア粒子を溶解させることにより、中空シリカ粒子を形成できる。
また、ポーラスシリカ粒子は、メソ孔を有する。メソ孔の大きさは0.1nm以上119nm以下である。例えば、ポーラスシリカ粒子は、ゾルゲル反応によって形成される。
親水膜120に対するシリカ粒子120aの質量比は、35%以上60%以下であることが好ましい。シリカ粒子120aの質量比が35%以上であることにより、親水膜120の親水性を向上できる。また、シリカ粒子120aの質量比が60%以下であることにより、親水膜120に、シリカ粒子120a以外の粒子を有意に含有させることができる。
[酸化チタン粒子120b]
酸化チタン粒子120bは、酸化チタンからなる粒子である。酸化チタン粒子120bの平均粒径はnmオーダーである。酸化チタン粒子120bにより、親水膜120の親水性が低下しても、光(例えば、紫外光)の照射により、親水膜120の親水性を回復できる。
酸化チタン粒子120bの平均粒径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。酸化チタン粒子120bの粒径が1nm以上であることにより、酸化チタン粒子120bのコストを低減できる。また、酸化チタン粒子120bの粒径が100nm以下であることにより、親水膜120の透光性を向上できる。
親水膜120に対する酸化チタン粒子120bの質量比は、1%以上10%以下であることが好ましい。酸化チタン粒子120bは光触媒機能を有している。親水膜120に対する酸化チタン粒子120bの質量比が1%以上10%以下であることにより、親水膜120の親水性を回復できるとともに反射率の増加を抑制できる。例えば、光学部材100を長期間使用すると、親水膜120の親水性が低下することがある。酸化チタン粒子120bの質量比が1%以上であることにより、光学部材100に紫外光を照射すると、親水膜120の親水性を回復できる。また、酸化チタン粒子120bが多いと、親水膜120の透過率が減少し、反射率が増加することがある。しかしながら、親水膜120に対する酸化チタン粒子120bの質量比が10%以下であることにより、反射率の増加を抑制できる。
酸化チタン粒子120bは、アナターゼ型、ルチル型およびブルッカイト型のいずれであってもよい。酸化チタン粒子120bは、光触媒性能の観点から、アナターゼ型であることが好ましい。
[ニオブ化合物粒子120c]
ニオブ化合物粒子120cはニオブ化合物からなる粒子である。ニオブ化合物粒子120cの平均粒径はnmオーダーである。ニオブ化合物は、酸化ニオブまたは窒化ニオブを含む。例えば、ニオブ化合物粒子120cは酸化ニオブ粒子を含む。ニオブ化合物粒子120cが酸化ニオブ粒子を含むことにより、光学部材100の耐摩耗性を向上できる。また、水性溶剤を用いて親水膜120を容易に形成できる。さらに、酸化ニオブ粒子は光触媒機能を有する。
親水膜120に対するニオブ化合物粒子120cの質量比は、30%以上55%以下であることが好ましい。ニオブ化合物粒子120cの質量比が30%以上であることにより、親水膜120の硬度および耐摩耗性を向上できる。また、ニオブ化合物粒子120cが多いと、親水膜120の透過率が減少し、反射率が増加することがある。しかしながら、ニオブ化合物粒子120cの質量比が55%以下であることにより、反射率の増加を抑制できる。
親水膜120に対するニオブ化合物粒子120cの質量比は、40%以上50%以下であることがさらに好ましい。これにより、光学部材100の耐摩耗性をさらに向上させるとともに反射率の増加をさらに抑制できる。
なお、図1では、透光性部材110は1つの部材として示されたが、本実施形態はこれに限定されない。透光性部材110は、複数の部材から構成されてもよい。
次に、図3を参照して、本実施形態の光学部材100を説明する。図3は、本実施形態の光学部材100の模式図である。図3に示した光学部材100は、透光性部材110が基材112および反射防止膜114を含む点を除いて、図1を参照して上述した光学部材100と同様の構成を有している。このため、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
光学部材100において、透光性部材110は基材112および反射防止膜114を含む。反射防止膜114は基材112を被覆する。反射防止膜114は、基材112と親水膜120との間に位置する。透光性部材110が反射防止膜114を含むことにより、透光性部材110の透光性を向上できる。
基材112は透光性を有する。基材112は光を透過する。基材112は、透明であってもよく、半透明であってもよい。基材112は、ガラスを含んでもよい。あるいは、基材112は、樹脂を含んでもよい。
反射防止膜114は光の反射を防止する。反射防止膜114により、光学部材100において親水膜120から透光性部材110に進入しようとする光が反射することを抑制できる。
図1および図3に示した光学部材100は、親水性を有しており、水の付着する環境下において好適に用いられる。例えば、光学部材100は、屋外で使用される部材に好適に用いられる。一例として、光学部材100は、車両の周囲をモニタする車載用モニタに好適に用いられる。
本実施形態の光学部材100において親水膜120はコーティング剤CMから形成される。以下に、図4を参照して、本実施形態のコーティング剤CMを説明する。図4は、本実施形態のコーティング剤CMの模式図である。
図4に示すように、コーティング剤CMは、溶剤Sと、固形成分Pとを含有する。固形成分Pは、溶剤Sに分散している。固形成分Pは、シリカ粒子120aと、酸化チタン粒子120bと、ニオブ化合物粒子120cとを含む。
[溶剤S]
溶剤Sは水系溶剤である。例えば、溶剤Sは、水に添加物を添加することによって調製される。例えば、添加物は、有機酸、アルコールまたはアンモニア等を含む。溶剤Sにおいて水に対する添加物の質量比は20%以下である。例えば、有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、クエン酸またはリンゴ酸を含む。例えば、アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールまたはブタノールを含む。
次に、図5を参照して、本実施形態のコーティング剤CMの調製方法を説明する。図5(a)〜図5(c)は、コーティング剤CMの調製方法を説明するための模式図である。
図5(a)に示すように、分散液C1、分散液C2および分散液C3を調製する。分散液C1、分散液C2および分散液C3はそれぞれ異なる容器に入っている。
分散液C1では、シリカ粒子120aを溶剤S1に分散して調製される。溶剤S1は、水系溶剤である。
分散液C2は、酸化チタン粒子120bを溶剤S2に分散して調製される。溶剤S2は、水系溶剤である。
分散液C3は、ニオブ化合物粒子120cを溶剤S3に分散して調製される。溶剤S3は、水系溶剤である。ニオブ化合物粒子120cが酸化ニオブ粒子である場合、ニオブ化合物粒子120cは溶剤S3に容易に分散する。なお、溶剤S1、溶剤S2および溶剤S3は互いに同じであってもよく、異なってもよい。
その後、図5(b)に示すように、容器Vに、分散液C1、分散液C2および分散液C3を添加する。分散液C1、分散液C2および分散液C3は、任意の順番に容器Vに添加されてもよい。あるいは、分散液C1、分散液C2および分散液C3は、同時に容器Vに添加されてもよい。容器Vに分散液C1、分散液C2および分散液C3を添加した後、容器V内の混合物を攪拌することが好ましい。
図5(c)に示すように、コーティング剤CMが調製される。上述したように、コーティング剤CMは、溶剤Sと、固形成分Pとを含有する。溶剤Sは、溶剤S1、溶剤S2および溶剤S3を含む。また、固形成分Pは、シリカ粒子120aと、酸化チタン粒子120bと、ニオブ化合物粒子120cとを含む。
本実施形態の光学部材100において親水膜120はコーティング剤CMから形成される。次に、図5および図6を参照して、本実施形態の親水膜形成方法を説明する。
図6(a)に示すように、コーティング剤CMを用意する。上述したように、コーティング剤CMは、溶剤Sと固形成分Pとを含有する。固形成分Pは、シリカ粒子120aと、酸化チタン粒子120bと、ニオブ化合物粒子120cとを含む。
図6(b)に示すように、コーティング剤CMを塗布する。例えば、コーティング剤CMは、透光性部材110の表面に塗布される。コーティング剤CMの塗布方法は、特に限定されない。例えば、コーティング剤CMは、スピンコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、ディップコーティング、または、スプレーコーティングで透光性部材110の表面に塗布される。
その後、図6(c)に示すように、コーティング剤CMの溶剤Sが蒸発するようにコーティング剤CMを乾燥させてコーティング剤CMから親水膜120を形成する。コーティング剤CMの溶剤Sが蒸発して固形成分Pから親水膜120が形成される。このため、親水膜120は、シリカ粒子120aと、酸化チタン粒子120bと、ニオブ化合物粒子120cとを含有する。親水膜120は、シリカ粒子120aおよび酸化チタン粒子120bを含有するため、高い親水性を示す。また、使用によって親水膜120の親水性が低下しても、親水膜120に光(紫外光)を照射することにより、親水膜120の親水性を回復できる。さらに、親水膜120はニオブ化合物粒子120cを含有するため、光学部材100の耐摩耗性を向上できる。
なお、コーティング剤CMを塗布した後、コーティング剤CMの乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥処理により、親水膜120が透光性部材110に付着するとともに、親水膜120中のシリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cが互いに付着する。
乾燥処理は加熱処理を含んでもよい。加熱処理では、10分以上10時間以下にわたって、60℃以上200℃以下の温度に加熱される。透光性部材110の主面に塗布されたコーティング剤CMの塗膜を乾燥させる方法は特に限定されないが、例えば熱風乾燥によってコーティング剤CMの塗膜を乾燥および硬化して親水膜120を形成できる。
なお、コーティング剤CMを塗布する前に、透光性部材110の表面に前処理することが好ましい。前処理は、高周波放電プラズマ処理、電子ビーム処理、コロナ処理、大気圧グロー放電プラズマ処理、及びフレーム処理のうちの少なくとも1つである。
なお、図2に示した親水膜120では、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cが互いに付着したが、本実施形態はこれに限定されない。親水膜120は、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120c以外にバインダをさらに含有してもよい。
次に、図7を参照して、本実施形態の光学部材100における親水膜120を説明する。図7は、光学部材100における親水膜120の模式図である。図7に示した親水膜120は、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cに加えてバインダ120dをさらに含む点を除いて、図2を参照して上述した親水膜120と同様の構成を有している。このため、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
親水膜120は、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cに加えてバインダ120dをさらに含む。バインダ120dは、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cを固定する。バインダ120dにより、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cが固定されるため、光学部材100の耐摩耗性をさらに向上できる。
例えば、バインダ120dの体積は、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cの体積よりも大きく、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cはバインダ120d内で固定されてもよい。あるいは、バインダ120dは、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cに対して高い付着機能を有し、バインダ120dは、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cと付着して固定してもよい。例えば、バインダ120dは、シリカ粒子120a、酸化チタン粒子120bおよびニオブ化合物粒子120cよりも平均粒径の小さい微粒子であってもよい。一例として、バインダ120dは、シリカから形成される。
[実施例1]
[コーティング剤CMの調製]
分散液C1、分散液C2および分散液C3を混合してコーティング剤CMを調製した。分散液C1として、平均粒径20nmのシリカ粒子を水系溶剤に分散させた分散液を使用した。また、分散液C2として、平均粒径10nmのアナターゼ型酸化チタン粒子を水系溶剤に分散させた分散液を使用した。また、分散液C3として、平均粒径15nmの酸化ニオブ粒子を水系溶剤に分散させた分散液を使用した。ここでは、コーティング剤CMの固形成分Pとして、分散液C1中のシリカ粒子を85質量部とし、分散液C2中の酸化チタン粒子を5質量部とし、分散液C3中のニオブ化合物粒子を10質量部とした。
[透光性部材]
基体としてレンズ(組成:ガラス)を用意した。次に、レンズの上に反射防止膜(組成:SiO2、TiO2、Ta25)を形成した。反射防止膜に対して、前処理としてプラズマ処理を行った。プラズマ処理は、プラズマ表面改質装置を用いて行った。
[塗布]
反射防止膜の上にコーティング剤CMを塗布した。コーティング剤CMを塗布した後、温度125℃で30分間の加熱処理を行い、コーティング剤CMの溶剤Sを蒸発させて、実施例1の光学部材を形成した。
[実施例2]
コーティング剤CMにおいて、分散液C1中のシリカ粒子を73質量部とし、分散液C3中のニオブ化合物粒子を22質量部とする点を除いて、実施例1と同様に、実施例2の光学部材を形成した。
[実施例3]
コーティング剤CMにおいて、分散液C1中のシリカ粒子を60質量部とし、分散液C3中のニオブ化合物粒子を35質量部とする点を除いて、実施例1と同様に、実施例3の光学部材を形成した。
[実施例4]
コーティング剤CMにおいて、分散液C1中のシリカ粒子を45質量部とし、分散液C3中のニオブ化合物粒子を50質量部とする点を除いて、実施例1と同様に、実施例4の光学部材を形成した。
[実施例5]
コーティング剤CMにおいて、分散液C1中のシリカ粒子を27質量部とし、分散液C3中のニオブ化合物粒子を68質量部とする点を除いて、実施例1と同様に、実施例5の光学部材を形成した。
[実施例6]
コーティング剤CMにおいて、分散液C1中のシリカ粒子を17質量部とし、分散液C3中のニオブ化合物粒子を78質量部とする点を除いて、実施例1と同様に、実施例6の光学部材を形成した。
[比較例]
コーティング剤CMにおいて、分散液C3を添加することなく、分散液C1中のシリカ粒子を95質量部とし、分散液C2中の酸化チタン粒子を5質量部とする点を除いて、実施例1と同様に、比較例の光学部材を形成した。
[硬度]
実施例1〜5および比較例の光学部材における親水膜の硬度を測定した。親水膜の硬度は、ナノインデンター(株式会社エリオニクス社製)を用いて測定した。図8は、実施例1〜5および比較例の光学部材における親水膜の硬度を示すグラフである。
図8に示すように、比較例の光学部材はニオブ化合物粒子を含有しないため、硬度は2300N/mm2と比較的低かった。一方、実施例1、2の光学部材はニオブ化合物粒子を含有するため、硬度は3000N/mm2を超えた。さらに、ニオブ化合物粒子の質量比が30%を超える実施例3〜5の光学部材では、硬度は4000N/mm2を超えた。このように、実施例の光学部材では、ニオブ化合物粒子を含有することにより、硬度が大きく増大した。
[反射率]
実施例1〜5の光学部材の反射率を測定した。反射率は、反射率測定器(オリンパス株式会社製)を用いて測定した。
図9は、実施例1〜6の光学部材の反射率を示すグラフである。図9に示すように、実施例1〜4の光学部材はニオブ化合物粒子の質量比が60%以下であり、反射率は10%以下であった。一方、ニオブ化合物粒子の質量比が60%を超える実施例5、6の光学部材では、反射率は10%を超えた。このように、実施例の光学部材において親水膜のニオブ化合物粒子の質量比が60%未満にすることにより、反射率を低減できた。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば、光学部材、コーティング剤および親水膜形成方法に好適に利用される。本発明の光学部材は、屋外で好適に使用される。例えば、本発明の光学部材は、車両の周囲をモニタする車載用モニタとして好適に用いられる。
100 光学部材
110 透光性部材
120 親水膜
120a シリカ粒子
120b 酸化チタン粒子
120c ニオブ化合物粒子

Claims (13)

  1. 透光性部材と、
    前記透光性部材を被覆する親水膜と
    を備え、
    前記親水膜は、
    シリカ粒子と、
    酸化チタン粒子と、
    ニオブ化合物粒子と
    を含有する、光学部材。
  2. 前記シリカ粒子は、中空シリカ粒子またはポーラスシリカ粒子を含む、請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記ニオブ化合物粒子は酸化ニオブ粒子を含む、請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記シリカ粒子の平均粒径は、1nm以上200nm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の光学部材。
  5. 前記酸化チタン粒子の平均粒径は、1nm以上100nm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の光学部材。
  6. 前記親水膜に対する前記シリカ粒子の質量比は、35%以上60%以下である、請求項1から5のいずれかに記載の光学部材。
  7. 前記親水膜に対する前記酸化チタン粒子の質量比は、1%以上10%以下である、請求項1から6のいずれかに記載の光学部材。
  8. 前記親水膜に対する前記ニオブ化合物粒子の質量比は、30%以上55%以下である、請求項1から7のいずれかに記載の光学部材。
  9. 前記親水膜に対する前記ニオブ化合物粒子の質量比は、40%以上50%以下である、請求項8に記載の光学部材。
  10. 前記親水膜は、バインダをさらに含有する、請求項1から9のいずれかに記載の光学部材。
  11. 前記透光性部材は、
    基材と、
    前記基材を被覆する反射防止膜と
    を含む、請求項1から10のいずれかに記載の光学部材。
  12. 溶剤と固形成分とを含有するコーティング剤であって、
    前記固形成分は、
    シリカ粒子と、
    酸化チタン粒子と、
    ニオブ化合物粒子と
    を含む、コーティング剤。
  13. 溶剤と固形成分とを含有するコーティング剤を透光性部材に塗布する工程と、
    前記コーティング剤を前記透光性部材に塗布した後、前記コーティング剤の前記溶剤が蒸発するように前記コーティング剤を乾燥させて前記コーティング剤から親水膜を形成する工程と
    を包含し、
    前記固形成分は、シリカ粒子と、酸化チタン粒子と、ニオブ化合物粒子とを含む、親水膜形成方法。
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