JP2021178313A - 流動物吐出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設置スペースやコストの増大を抑制しつつ、吐出装置に対して流動物を安定的に供給可能な流動物吐出システムの提供を目的とした。【解決手段】流動物吐出システム10は、流動物を吐出する吐出装置30と、貯留部22に貯留された流動物を吐出装置30に向けて供給可能なポンプ20と、吐出装置30及びポンプ20の間を流動物が通過可能に接続する供給路40と、供給路40の中途に配置され、流動物の吸引及び排出が可能なバッファタンク50と、吐出装置30における流動物の残量を把握する残量把握部90とを有する。流動物吐出システム10は、残量把握部90によって把握された流動物の残量に基づいて、バッファタンク50の動作が制御される。【選択図】図1

Description

本発明は、流動物を吐出装置に供給して吐出させる流動物吐出システムに関する。
従来、下記特許文献1に開示されているポンプ装置のように、ペール缶等の容器に準備した流動物を汲み上げて圧送可能なものが提供されている。また従来、このようなポンプ装置を、例えば、ディスペンサ等の吐出装置に対して配管接続することにより形成された流動物吐出システムが提供されている。流動物吐出システムは、ポンプ装置によって圧送される流動物を吐出装置に供給することにより、吐出装置から流動物を吐出可能とされている。
特開2019−203465号公報
上述した流動物吐出システムは、ポンプ装置の容器内に準備された流動物が残存している間は、吐出装置における流動物の吐出を継続できる。しかしながら、ポンプ装置側に準備された流動物がなくなると、吐出装置に対する流動物の供給が途絶える。そのため、上述した流動物吐出システムは、ポンプ装置の容器から流動物がなくなる度に吐出装置における流動物の吐出を一旦停止し、ポンプ装置への流動物の補充等を行う必要がある。
そこで、本発明者は、流動物吐出システムについて、一台の吐出装置に対して複数台(例えば二台)のポンプ装置を準備し、吐出装置に対して流動物を供給可能なポンプ装置を適宜切り替え可能とすることを検討した。その結果、このような構成の流動物吐出システムは、吐出装置に対して接続されたポンプ装置において流動物がなくなるタイミングで、吐出装置の接続先を流動物の準備ができているポンプ装置に切り替えることが可能となり、流動物の吐出の停止を最小限に抑制できるとの知見を得た。しかしながら、このような構成とした場合には、一台の吐出装置に対して複数台(例えば二台)のポンプ装置を設ける分だけ、大きな設置スペースが必要となったり、高コスト化したりしてしまうという問題があるとの知見に至った。
そこで本発明は、設置スペースやコストの増大を抑制しつつ、吐出装置に対して流動物を安定的に供給可能な流動物吐出システムの提供を目的とした。
(1)本発明の流動物吐出システムは、流動物を吐出する吐出装置と、貯留部を有し、前記貯留部に貯留された流動物を圧送することで、前記吐出装置に向けて流動物を供給可能なポンプと、前記ポンプと前記吐出装置との間を流動物が通過可能であるように接続する供給路と、前記供給路の中途に配置され、流動物の吸引及び排出が可能なバッファタンクと、前記吐出装置における流動物の残量を把握する残量把握部と、を有し、前記残量把握部によって把握された流動物の残量に基づいて、前記バッファタンクの動作が制御されること、を特徴とするものである。
本発明の流動物吐出システムは、吐出装置に向けて流動物を供給可能なポンプに加え、流動物の吸引及び排出が可能なバッファタンクを備えている。そのため、本発明の流動物吐出システムは、バッファタンクに流動物を吸引して蓄積しておき、適宜のタイミングでバッファタンクから流動物を排出させて供給する動作が可能である。従って、本発明の流動物吐出システムは、ポンプ及びバッファタンクを相補的に動作させ、吐出装置に対して流動物を安定供給できる。
また、本発明の流動物吐出システムは、残量把握部によって把握された吐出装置における流動物の残量に基づいて、バッファタンクの動作を制御できる。そのため、本発明の流動物吐出システムは、バッファタンクにおける流動物の吸引動作及び排出動作を、吐出装置における流動物の残量に応じて適切に行うように制御できる。従って、本発明の流動物吐出システムによれば、吐出装置における流動物の残量不足や残量過剰が生じるリスクを最小限に抑制できる。
本発明の流動物吐出システムは、ポンプを複数台設けなくても、上述したような動作により、吐出装置に対して流動物を安定的に供給できる。従って、本発明の流動物吐出システムは、ポンプを複数台設けた構成とする場合に比べて、設置スペースやコストの増大を抑制することができる。
(2)本発明の流動物吐出システムは、前記残量把握部が、前記供給路における前記バッファタンクと前記吐出装置との間、あるいは前記吐出装置に設けられた圧力検知装置を備え、前記圧力検知装置の計測値に基づいて前記吐出装置における流動物の残量を把握するものであると良い。
かかる構成によれば、圧力検知装置により検知された圧力に基づき、吐出装置における流動物の残量を適切に把握できる。従って、本発明の流動物吐出システムによれば、吐出装置における流動物の残量に応じて適切にポンプやバッファタンクを動作させ、吐出装置における流動物の残量不足や残量過剰が生じないように吐出装置に対して適切に流動物を安定供給できる。
(3)本発明の流動物吐出システムは、前記ポンプによる流動物の供給を制限する際に、前記バッファタンクが流動物を排出することで前記吐出装置に対する流動物の供給を継続可能なものであると良い。
本発明の流動物吐出システムは、ポンプによる流動物の供給制限に伴う供給能力の低減を、バッファタンクによる流動物の排出によって補える。従って、本発明の流動物吐出システムは、例えば、ポンプにおける流動物の残量不足等に伴い、ポンプによる流動物の供給制限を行わざるを得ないような場合であっても、吐出装置における流動物の残量不足が生じないように吐出装置に対して適切に流動物を安定供給できる。
(4)本発明の流動物吐出システムは、前記吐出装置に対する流動物の供給にあたり、前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の下限値を下回ることを条件として前記バッファタンクが流動物を排出すること、及び前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の上限値を上回ることを条件として前記バッファタンクが流動物の排出を停止すること、のいずれか一方又は双方を行うものであると良い。
本発明の流動物吐出システムは、吐出装置に対する流動物の供給にあたり、吐出装置における流動物の残量が所定の下限値を下回ることを条件として、バッファタンクにおいて流動物を排出させるようにすることにより、吐出装置に対する流動物の安定供給を実現できる。具体的には、本発明の流動物吐出システムは、例えば、ポンプにおける流動物の残量不足等に伴い、ポンプによる流動物の供給制限を行わざるを得ないような場合であっても、吐出装置における流動物の残量が所定の下限値を下回ったときにバッファタンクから吐出装置に流動物を供給し、吐出装置における流動物の残量不足の発生を抑制できる。
また、本発明の流動物吐出システムは、吐出装置における流動物の残量が所定の上限値を上回ることを条件としてバッファタンクが流動物の排出を停止することにより、吐出装置に対する流動物の過剰供給を抑制できる。これにより、例えば、吐出装置における流動物の供給圧や吐出圧、吐出量が不安定になる等の問題が生じるのを抑制できる。
(5)本発明の流動物吐出システムは、前記バッファタンクが、流動物を吸引することで、前記バッファタンクの内部に流動物を蓄積可能であり、前記流動物の蓄積中に、吐出装置による流動物の吐出が継続されるものであると良い。
本発明の流動物吐出システムは、バッファタンクへの流動物の蓄積中においても、吐出装置による流動物の吐出を継続可能である。そのため、本発明の流動物吐出システムは、バッファタンクへの流動物の蓄積のために、例えば吐出装置における流動物の吐出を停止させる等して生産性が低下するのを最小限に抑制できる。
(6)本発明の流動物吐出システムは、前記バッファタンクへの流動物の蓄積にあたり、前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の上限値を上回ることを条件として前記バッファタンクが流動物を吸引すること、及び前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の下限値を下回ることを条件として前記バッファタンクが流動物の吸引を停止すること、のいずれか一方又は双方を行うものであると良い。
本発明の流動物吐出システムは、吐出装置における流動物の残量が所定の上限値を上回ることを条件として、バッファタンクが流動物を吸引するようにすることで、吐出装置に対して流動物を供給する必要がない期間を有効利用し、バッファタンクにおいて流動物を吸引して蓄積できる。また、このようにすることで、本発明の流動物吐出システムは、吐出装置に対して流動物を供給する必要がない状態において、吐出装置に対して過剰に流動物が供給されるのを抑制できる。これにより、例えば、吐出装置における流動物の供給圧や吐出圧、吐出量が不安定になる等の問題が生じるのを抑制できる。
また、本発明の流動物吐出システムは、吐出装置における流動物の残量が所定の下限値を下回ることを条件として、バッファタンクが流動物の吸引を停止するようにすることで、吐出装置における流動物の残量が減少している状態において、バッファタンクよりも吐出装置に対して優先的に流動物を供給できる。これにより、本発明の流動物吐出システムは、流動物の残量不足による吐出不良の発生を抑制できる。なお、吐出装置における流動物の残量の把握については、例えば、吐出装置に設けた残量センサ等によって直接的に計測して導出する方法、吐出装置への流動物の流入量、流出量を検出して差し引きすることにより導出する方法等によって流動物の量を直接的あるいは間接的に導出して把握したり、吐出装置に対して流動物が流出入する時間等によって間接的に把握したりすると良い。
(7)本発明の流動物吐出システムは、前記バッファタンクが、流動物を吸引することで、前記バッファタンクの内部に流動物を蓄積可能であるとともに、前記ポンプがによる流動物の供給を制限する際に、前記バッファタンクが内部に蓄積した流動物を排出することで、前記吐出装置に対する流動物の供給を継続可能であり、前記バッファタンクが、流動物の蓄積及び流動物の供給の両方にあたり、前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量に基づいて動作制御されるものであると良い。
本発明の流動物吐出システムは、ポンプによる流動物の供給を制限する際に、バッファタンクにおいて内部に蓄積してある流動物を排出することで、吐出装置に対する流動物の供給を継続可能なものとされている。また、バッファタンクは、流動物の蓄積及び流動物の供給の両方にあたり、吐出装置における流動物の残量に基づいて動作制御される。そのため、本発明の流動物吐出システムは、ポンプ及びバッファタンクを相互補完的に動作させ、吐出装置に対して流動物を安定供給できる。
(8)本発明の流動物吐出システムは、前記バッファタンクが、流動物の蓄積にあたり、前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の第一上限値を上回ることを条件として流動物を吸引する動作、及び前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の第一下限値を下回ることを条件として流動物の吸引を停止する動作の少なくとも一方を行うとともに、流動物の供給にあたり、前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の第二下限値を下回ることを条件として流動物を排出する動作、及び前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の第二上限値を上回ることを条件として前記流動物の排出を停止する動作、の少なくとも一方を行うものであると良い。
本発明の流動物吐出システムは、吐出装置における流動物の残量についての第一上限値や第一下限値を基準として、バッファタンクに対する流動物の蓄積についての制御を行う。具体的には、本発明の流動物吐出システムは、吐出装置における流動物の残量が第一上限値を上回るときにバッファタンクに流動物を蓄積したり、吐出装置における流動物の残量が第一下限値を下回るときにバッファタンクへの流動物の蓄積を停止したりすることができる。そのため、本発明の流動物吐出システムでは、吐出装置における流動物の残量に応じて、適切なタイミングで流動物をバッファタンクに蓄積しておける。
また、本発明の流動物吐出システムは、吐出装置における流動物の残量についての第二上限値や第二下限値を基準として、バッファタンクからの流動物の排出についての制御を行う。具体的には、本発明の流動物吐出システムは、吐出装置における流動物の残量が第二下限値を下回るときに流動物を排出して吐出装置に供給したり、第二上限値を上回るときに流動物の排出を停止して吐出装置への供給を止めたりすることができる。そのため、本発明の流動物吐出システムでは、吐出装置における流動物の残量に応じて、適切なタイミングで流動物をバッファタンクから排出できる。
なお、吐出装置における流動物の残量の把握については、例えば、吐出装置に設けた残量センサ等によって直接的に計測して導出する方法、吐出装置への流動物の流入量、流出量を検出して差し引きすることにより導出する方法等によって流動物の量を直接的あるいは間接的に導出して把握したり、吐出装置に対して流動物が流出入する時間等によって間接的に把握したりすると良い。
(9)本発明の流動物吐出システムは、前記バッファタンクが、流動物の残量に応じて所定の変動範囲で位置が変動する位置変動部材と、前記位置変動部材の位置を検出する検出装置とを備えたものであり、前記バッファタンクの容量と、前記位置変動部材の位置との相関関係に基づき、前記バッファタンクにおける流動物の残量を把握可能であること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、バッファタンクにおける流動物の残量値を連続的に検知することができる。また、上述した構成によれば、バッファタンクにおける流動物の貯留量の上限値、及び下限値を適宜設定したり、変更したりして、流動物吐出システムの動作制御を行うことができる。
本発明によれば、設置スペースやコストの増大を抑制しつつ、吐出装置に対して流動物を安定的に供給可能な流動物吐出システムを提供できる。
本発明の流動物吐出システムの一例を示す模式図である。 図1の流動物吐出システムに用いられる吐出装置の一例を示す断面図である。 (a)は、図1の流動物吐出システムに用いられるバッファタンクの加圧状態における構成を示した断面図、(b)は(a)の要部を拡大した断面図である。 図1の流動物吐出システムに用いられるバッファタンクの減圧状態における構成を示した断面図である。 図1の流動物吐出システムに用いられるバッファタンクの保持状態における構成を示した断面図である。 (a),(b)はそれぞれ、図1の流動物吐出システムがポンプ供給モードにおいて供給圧が高い場合、及び低い場合の各部の動作状態を説明する説明図である。 図1の流動物吐出システムがポンプ供給モードで動作する場合のタイミングチャートである。 図1の流動物吐出システムがポンプ供給モードで動作する場合のフローチャートである。 (a),(b)はそれぞれ、図1の流動物吐出システムがタンク蓄積モードにおいて供給圧が高い場合、及び低い場合の各部の動作状態を説明する説明図である。 図1の流動物吐出システムがタンク蓄積モードで動作する場合のタイミングチャートである。 図1の流動物吐出システムがタンク蓄積モードで動作する場合のフローチャートである。 (a),(b)はそれぞれ、図1の流動物吐出システムがタンク供給モードにおいて供給圧が高い場合、及び低い場合の各部の動作状態を説明する説明図である。 図1の流動物吐出システムがタンク供給モードで動作する場合のタイミングチャートである。 図1の流動物吐出システムがタンク供給モードで動作する場合のフローチャートである。 (a),(b)はそれぞれ、図1の流動物吐出システムが複合供給モードにおいて供給圧が高い場合、及び低い場合の各部の動作状態を説明する説明図である。 図1の流動物吐出システムが複合供給モードで動作する場合のタイミングチャートである。 図1の流動物吐出システムが複合供給モードで動作する場合のフローチャートである。 図1の流動物吐出システムが第一の運転モードで動作する場合のフローチャートである。 図1の流動物吐出システムが第一の運転モードで動作する場合のタイミングチャートである。 図1の流動物吐出システムが第二の運転モードで動作する場合のフローチャートである。 図1の流動物吐出システムに用いられるバッファタンクの変形例に係る断面図である。 図1の流動物吐出システムに用いられるバッファタンクの変形例に係る要部断面図である。 図1の流動物吐出システムに用いられるバッファタンクの変形例に係る要部断面図である。 バッファタンクに流動物の貯留量を連続的に検知可能な検知装置を設けた例を示す説明図である。 バッファタンクに流動物の貯留量や流動物吐出システムの動作モードを示すユーザインターフェイスの一例に係る画像図である。
以下、本発明の一実施形態に係る流動物吐出システム10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、先ず流動物吐出システム10の構成について説明し、その後に流動物吐出システム10の動作について説明する。
≪流動物吐出システム10の構成について≫
図1に示すように、流動物吐出システム10は、ポンプ20と、吐出装置30とを供給路40によって繋いだ構成とされている。流動物吐出システム10は、供給路40の中途にバッファタンク50を設けた構成とされている。また、流動物吐出システム10は、吐出装置30における流動物の残量を把握するための残量把握部90を備えている。さらに、流動物吐出システム10は、ポンプ20や吐出装置30、バッファタンク50の動作制御を行うための制御装置200を備えている。流動物吐出システム10は、ポンプ20やバッファタンク50により供給された流動物を吐出装置30においてワークに向けて吐出できる。
ポンプ20は、流動物が貯留された貯留部22から流動物を汲み上げて圧送するための装置である。ポンプ20は、供給路40に対して配管接続されている。そのため、ポンプ20によって貯留部から汲み上げた流動物を、供給路40を介して吐出装置30側に圧送することができる。
吐出装置30は、回転容積式のポンプによって構成されている。本実施形態において、吐出装置30は、いわゆる一軸偏心ねじポンプによって構成されている。図2に示すように、吐出装置30は、ケーシング100の内部に、ロータ102、ステータ104、及び動力伝達機構106等を収容した構成とされている。ケーシング100は、金属製で筒状の部材であり、長手方向一端側に第一開口部110が設けられている。また、ケーシング100の外周部分には、第二開口部112が設けられている。第二開口部112は、ケーシング100の長手方向中間部分に位置する中間部114においてケーシング100の内部空間に連通している。
第一開口部110及び第二開口部112は、それぞれ吐出装置30をなす一軸偏心ねじポンプの吸込口及び吐出口として機能する部分である。吐出装置30は、ロータ102を正方向に回転させることにより、第一開口部110を吐出口、第二開口部112を吸込口として機能させることができる。また、ロータ102を逆方向に回転させることにより、第一開口部110を吸込口、第二開口部112を吐出口として機能させることができる。
ステータ104は、ゴム等の弾性体、又は樹脂等によって形成された略円筒形の外観形状を有する部材である。ステータ104の内周壁116は、n条で単段あるいは多段の雌ねじ形状とされている。本実施形態においては、ステータ104は、2条で多段の雌ねじ形状とされている。また、ステータ104の貫通孔118は、ステータ104の長手方向のいずれの位置において断面視しても、その断面形状(開口形状)が略長円形となるように形成されている。
ロータ102は、金属製の軸体であり、n−1条で単段あるいは多段の雄ねじ形状とされている。本実施形態においては、ロータ102は、1条で偏心した雄ねじ形状とされている。ロータ102は、長手方向のいずれの位置で断面視しても、その断面形状が略真円形となるように形成されている。ロータ102は、上述したステータ104に形成された貫通孔118に挿通され、貫通孔118の内部において自由に偏心回転可能とされている。
ロータ102をステータ104に対して挿通すると、ロータ102の外周壁120とステータ104の内周壁116とが両者の接線で密接した状態になり、ステータ104の内周壁116とロータ102の外周壁120との間に流体搬送路122(キャビティ)が形成される。流体搬送路122は、ステータ104やロータ102の長手方向に向けて螺旋状に伸びている。
流体搬送路122は、ロータ102をステータ104の貫通孔118内において回転させると、ステータ104内を回転しながらステータ104の長手方向に進む。そのため、ロータ102を回転させると、ステータ104の一端側から流体搬送路122内に流体を吸い込むと共に、この流体を流体搬送路122内に閉じこめた状態でステータ104の他端側に向けて移送し、ステータ104の他端側において吐出させることが可能である。具体的には、ロータ102を正回転させると、第二開口部112から流動物を吸い込み、第一開口部110から吐出させる動作(吐出動作)を実行できる。また、ロータ102を逆方向に回転させることにより、吐出動作とは逆方向、すなわち第一開口部110側から第二開口部112側に向けて流動物を吸い込む動作(引戻動作)を実行できる。
動力伝達機構106は、駆動機124から上述したロータ102に対して動力を伝達するためのものである。動力伝達機構106は、動力伝達部126と偏心回転部128とを有する。動力伝達部126は、ケーシング100の長手方向の一端側に設けられている。また、偏心回転部128は、中間部114に設けられている。偏心回転部128は、動力伝達部126とロータ102とを動力伝達可能なように接続する部分である。偏心回転部128は、従来公知のカップリングロッドや、スクリューロッドなどによって構成された連結軸130を備えている。そのため、偏心回転部128は、駆動機124を作動させることにより発生した回転動力をロータ102に伝達させ、ロータ102を偏心回転させることが可能である。
供給路40は、ポンプ20と吐出装置30との間を流動物が通過可能なように接続する流路である。供給路40の中途には、後に詳述するバッファタンク50が設けられている。具体的には、供給路40は、バッファタンク50の一次側(供給路40における流動物の流れ方向上流側)とポンプ20との間を繋ぐ一次側供給路42と、バッファタンク50の二次側(供給路40における流動物の流れ方向下流側)と吐出装置30との間を繋ぐ二次側供給路44とを有する。
供給路40の中途には、後に詳述する残量把握部90を構成するセンサ92、及びバルブ48が設けられている。センサ92は、例えば圧力計や流量計等、供給路40における流動物の状態を検知可能なものとすることができる。本実施形態では、センサ92は、圧力計とされている。センサ92は、供給路40において、吐出装置30とバッファタンク50との間に配置されている。また、バルブ48は、供給路40において、ポンプ20とバッファタンク50との間に配置されている。バルブ48は、ポンプ20から吐出装置30側への流動物の流れを制限(本実施形態では遮断)可能なものである。バルブ48は、いわゆる二方弁や、逆止弁等によって構成すると良い。
バッファタンク50は、上述した供給路40の中途に配置されている。バッファタンク50は、流動物の吸引及び排出が可能なものとされている。バッファタンク50は、流動物を吸引することで、内部に流動物を蓄積できる。また、バッファタンク50は、ポンプ20が流動物の供給を停止する際に、内部に蓄積した流動物を排出することで、吐出装置30に対する流動物の供給を継続可能とするものである。バッファタンク50は、吐出装置30における流動物の残量に応じて、制御装置200により動作制御される。図3〜図5に示すように、バッファタンク50は、タンク部52と、容積変動機構54とを有する。
タンク部52は、供給路40に対して流動物を流出入させることが可能なものである。ものである。本実施形態では、タンク部52は、所定の軸線方向に延びる筒状(本実施形態では略円筒状)のタンク本体部52aの一端側に接続部56を設けると共に、タンク本体部52aの内部に連通空間58、及び非連通空間60を設けたものとされている。
接続部56は、タンク部52をなすタンク本体部52aの軸線方向一端側に設けられている。接続部56は、供給路40に対して接続される部分である。接続部56は、タンク部52の軸線方向に対して交差する方向(本実施形態では径方向)に延びる流路56aがある。接続部56は、流路56aの両端部に接続口56b,56cを有する。接続口56b,56cは、タンク部52の周部において開口しており、供給路40をなす配管を接続可能とされている。また、接続部56は、タンク部52の径方向中間部に連通孔56dを有する。タンク部52は、連通孔56dを介して流路56aとタンク本体部52aの内部空間(連通空間58)と連通している。
連通空間58は、タンク部52において接続部56が設けられた側に設けられた空間である。連通空間58は、上述した接続部56を介して、供給路40に対して連通するように形成されている。そのため、タンク部52は、接続部56に接続された供給路40との間で、連通空間58に対して流動物を吸引及び排出可能とされている。
非連通空間60は、供給路40に対して非連通の空間である。非連通空間60は、連通空間58に対して接続部56とは反対側において、タンク部52の軸線方向に隣接する空間である。非連通空間60は、後に詳述する容積変動機構54のピストン部62(隔壁部)によって連通空間58と隔てられている。非連通空間60の端部には、容積変動機構54が接続されている。これにより、非連通空間60は、容積変動機構54の駆動部64をなすケーシング68と連通している。
容積変動機構54は、タンク部52における連通空間58の容積を変動させる動作機構である。容積変動機構54は、ピストン部62、及び駆動部64を有し、駆動部64によってピストン部62をタンク部52の内部においてタンク部52の軸線方向に移動させることができる。そのため、容積変動機構54は、駆動部64によってピストン部62の位置を変化させることにより、タンク部52の内部における連通空間58と非連通空間60の容積(容積比)を変化させることができる。
ピストン部62は、タンク部52の内部を連通空間58及び非連通空間60に隔てるものである。本実施形態では、ピストン部62は、ピストンとされている。ピストン部62をなすピストンの外径は、タンク部52の内径と略同一とされている。また、ピストン部62の外周部には、シール部材62aが装着されている。これにより、ピストン部62は、流動物をはじめとする液体や気体が漏洩しないようにシールしつつ、タンク本体部52aの内部空間を連通空間58と非連通空間60とに隔てる。
駆動部64は、タンク本体部52aの内部においてピストン部62を軸線方向に移動させるためのものである。駆動部64は、ロッド部66、ケーシング68、仕切壁70、及び給排気装置72を有する。ロッド部66は、タンク本体部52aに対して非連通空間60側から挿入されている。ロッド部66は、タンク本体部52aの軸線方向に延びるように配されている。ロッド部66の一端側にはピストン部62が接続されている。ロッド部66とピストン部62との接続部分は、例えば一方に雌ネジ、他方に雄ネジを設けて螺合により一体化したり、ネジ等の固定具を用いて両者を一体化したりすると良い。また、本実施形態のように、ピストン部62とロッド部66とを固定して一体化するのではなく、ピストン部62とロッド部66の先端部分とを接触させて接続しても良い。また、ロッド部66は、先端部66aを、ロッド部66の軸部66bに対して着脱可能とすると良い。先端部66aとして長さの異なるものを複数種用意すれば、ロッド部66の長さを先端部66a側において変更し、ピストン部62のストロークの長さを調整できる。
また、ロッド部66の他端側には仕切壁70が接続されている。仕切壁70は、ロッド部66に対して一体化されている。本実施形態では、ロッド部66の他端側は、軸状とされているが、先端部66aと同様に長さを調整可能なものとしても良い。
ケーシング68は、中空の内部空間を有する筒状の部材である。ケーシング68は、一端側において閉塞されている。また、ケーシング68は、他端側において、タンク本体部52aの非連通空間60に対して連通すると共に、外部空間とは非連通となるように接続されている。ケーシング68は、軸線方向一端側、及び他端側に第一ケーシング接続口68a及び第二ケーシング接続口68bを有する。
仕切壁70は、ケーシング68の内部空間を第一ケーシング接続口68a側の第一空間70aと、第二ケーシング接続口68b側の第二空間70bとに隔てるものである。仕切壁70は、板状とされており、その外周面がOリング等のシール部材を介してケーシング68の内周面に対して略密接するように配置されている。また、仕切壁70は、第二空間70b側の面においてロッド部66の他端側(ピストン部62の接続端とは反対側)が接続されている。仕切壁70は、ロッド部66と共に、外周面がケーシング68の内周面に対して接触した姿勢を維持したまま、ケーシング68の軸線方向に往復動可能とされている。仕切壁70は、第一ケーシング接続口68a及び第二ケーシング接続口68bを介して気体の導入及び排出を行い、第一空間70a及び第二空間70bの圧力バランスを変化させることにより、ケーシング68の内部において軸線方向に往復動させることができる。
第一ケーシング接続口68aには、給排気装置72が配管接続されている。給排気装置72は、ケーシング68に対する気体(本実施形態では空気)の導入、排出に加え、ケーシング68との間で気体の導入及び排出を停止することができる。給排気装置72は、気体の供給源72aとケーシング68の第一ケーシング接続口68aとを繋ぐ第一配管系統74の途中に、供給源72aからケーシング68に向けて、ソレノイドバルブ72b、パイロットチェック弁72c、及び第一スピードコントローラ72dを順に配したものとされている。
供給源72aは、ケーシング68側に向けて気体を圧送可能なものとされている。供給源72aは、例えば、ポンプやコンプレッサ等によって構成できる。ソレノイドバルブ72bは、第一配管系統74において、供給源72aによって供給される気体の通過経路を切り替えるものである。ソレノイドバルブ72bは、例えば、三位置クローズドセンタ方式、三位置プレッシャセンタ方式等、適宜の切り替え方式のものを用いても良いが、本実施形態では、三位置エギゾーストセンタの切り替え方式を採用したものが用いられている。本実施形態のように三位置エギゾーストセンタ方式のものをソレノイドバルブ72bとして用いれば、ソレノイドバルブ72bとケーシング68との距離が離れた場合でも十分な応答性を確保することができる。
ソレノイドバルブ72bの給気ポートPIには、供給源72aが接続されている。また、ソレノイドバルブ72bに設けられた二つの出力ポートA,Bは、パイロットチェック弁72cに対して配管接続されている。また、ソレノイドバルブ72bには、大気開放された二つの排気ポートEA,EBが設けられている。ソレノイドバルブ72bは、バルブ位置を変更することにより、第一状態、第二状態、及び第三状態の三つの状態に切り替えることができる。具体的には、図3に示すように、第一状態は、給気ポートPIと出力ポートBとが繋がると共に、排気ポートEAと出力ポートAとが繋がった状態である。図4に示すように、第二状態は、給気ポートPIと出力ポートAとが繋がると共に、排気ポートEBと出力ポートBとが繋がった状態である。図5に示すように、第三状態は、出力ポートA,Bがそれぞれ、排気ポートEA,EBと繋がった状態である。
パイロットチェック弁72cは、三つの接続ポートPA,PB,PCを有する。パイロットチェック弁72cは、接続ポートPA,PBが、それぞれソレノイドバルブ72bに設けられた出力ポートA,Bに対して配管接続されている。また、パイロットチェック弁72cは、接続ポートPCに対して第一ケーシング接続口68aに繋がる配管が接続されている。パイロットチェック弁72cは、接続ポートPAに対して圧力が作用していない状態において、接続ポートPBから接続ポートPCへの気体の流れを許容し、その逆である接続ポートPCから接続ポートPBへの流れを阻止する逆止弁として機能する。また、パイロットチェック弁72cは、接続ポートPAに対して所定値以上の圧力を作用させることにより、逆止弁としての機能が解除され、接続ポートPCから接続ポートPBへの流れが許容された状態になる。
パイロットチェック弁72cは、上述したような第一配管系統74を介してソレノイドバルブ72bに対して接続されている。そのため、ソレノイドバルブ72bを第一状態とし、パイロットチェック弁72cの接続ポートPAに対して圧力が作用せず、接続ポートPBに圧力が作用する状態とすると、接続ポートPBから接続ポートPCに向けて気体を流し、ケーシング68に対して第一ケーシング接続口68aから気体を導入することができる。また、ソレノイドバルブ72bを第二状態とすると、接続ポートPAに対して所定値以上の圧力が作用してパイロットチェック弁72cが逆止弁として機能しない状態になる。また、接続ポートPAが、ソレノイドバルブ72bの排気ポートEBを介して大気開放された状態になる。そのため、ソレノイドバルブ72bを第二状態とすると、ケーシング68の第一ケーシング接続口68aから気体を排出させることができる。また、ソレノイドバルブ72bを第三状態とすると、接続ポートPA,PBのいずれにも圧力が作用せず、パイロットチェック弁72cが逆止弁として機能する。そのため、ソレノイドバルブ72bを第三状態とすると、ケーシング68において気体が出入りしない状態にすることができる。
第一スピードコントローラ72dは、上述したパイロットチェック弁72cと、ケーシング68の第一ケーシング接続口68aとを繋ぐ管路の途中に設けられている。第一スピードコントローラ72dは、残圧排気弁付きのものとされている。また、第一スピードコントローラ72dは、メータアウト制御が可能なものとされている。
一方、ケーシング68の第二ケーシング接続口68bには、第二配管系統80が接続されている。第二配管系統80には、サイレンサ82、及び第二スピードコントローラ84が設けられている。第二配管系統80は、サイレンサ82を介して大気開放されている。これにより、第二配管系統80は、ケーシング68の第二ケーシング接続口68b側の領域において、気体(本実施形態では空気)の流入及び排出が可能な構成とされている。また、第二スピードコントローラ84は、メータアウト制御が可能なものとされている。
バッファタンク50は、上述した構成を活用して加圧状態、減圧状態、及び保持状態の三つの状態を実現可能とされている。これらの各状態は、容積変動機構54をなす駆動部64によりタンク部52の内部におけるピストン部62の移動制御を行うことにより実現可能である。
具体的には、加圧状態は、流動物に対して加圧力を及ぼす状態である。加圧状態は、容積変動機構54により、タンク部52内において供給路40と連通した連通空間58の容積を減少させることで実現可能である。さらに詳細に説明すると、バッファタンク50を加圧状態にするときには、図3に示すように、駆動部64を構成するソレノイドバルブ72bを第一状態にしつつ、供給源72aによりソレノイドバルブ72bに気体を供給する。これにより、パイロットチェック弁72cの接続ポートPAに対して圧力が作用せず、接続ポートPBに圧力が作用する状態になり、接続ポートPBから接続ポートPCに向けて気体が流れ、駆動部64のケーシング68に設けられた第一ケーシング接続口68aから第一空間70aに気体が導入される。これに伴い、仕切壁70は、ケーシング68の内部において第一空間70aが拡大する方向に移動する。これにより、ロッド部66を介して仕切壁70に接続されたピストン部62に対し、非連通空間60側において作用する圧力が向上する。これに伴い、連通空間58の容積が縮小する方向にピストン部62が移動する。このようにして、バッファタンク50は、流動物に対して加圧力を及ぼす加圧状態になる。
減圧状態は、流動物に対して減圧力を及ぼす状態である。減圧状態は、容積変動機構54により、タンク部52内において供給路40と連通した連通空間58の容積を増大させることで実現可能である。さらに詳細に説明すると、バッファタンク50を減圧状態にするときには、図4に示すように、駆動部64を構成するソレノイドバルブ72bを第二状態にしつつ、供給源72aによりソレノイドバルブ72bに気体を供給する。これにより、パイロットチェック弁72cの接続ポートPAに対して所定値以上の圧力が作用してパイロットチェック弁72cが逆止弁として機能しない状態になる。また、接続ポートPAが、ソレノイドバルブ72bの排気ポートEBを介して大気開放された状態になる。そのため、ソレノイドバルブ72bを第二状態とすると、ケーシング68の第一ケーシング接続口68aから気体が排出される。これに伴い、ケーシング68の内部において、仕切壁70は、第二空間70bが増大する方向に移動する。これに伴い、ロッド部66を介して仕切壁70に接続されたピストン部62に対し、非連通空間60側において作用する圧力が低下する。これにより、連通空間58の容積が増大する方向にピストン部62が移動する。このようにして、バッファタンク50は、流動物に対して減圧力が作用する減圧状態になる。
保持状態は、流動物に対して加圧力及び減圧力のいずれも及ぼさない状態である。保持状態は、容積変動機構54による連通空間58の容積の増減を停止させることで実現可能である。さらに詳細に説明すると、バッファタンク50を保持状態にするときには、図5に示すように、駆動部64を構成するソレノイドバルブ72bを第三状態にする。これにより、パイロットチェック弁72cに設けられた接続ポートPA,PBのいずれにも圧力が作用せず、パイロットチェック弁72cが逆止弁として機能する状態になる。そのため、ソレノイドバルブ72bを第三状態とすると、ケーシング68において気体が出入りしない状態にすることができる。そのため、ケーシング68の内部において、仕切壁70は、停止した状態になる。これに伴い、ロッド部66を介して仕切壁70に接続されたピストン部62に作用する圧力の変動や、連通空間58の容積変動が生じない状態になる。このようにして、バッファタンク50は、流動物に対して加圧力及び減圧力のいずれも作用しない保持状態になる。
図1に示すように、上述したバッファタンク50に対して、吐出装置30に向かう流動物の流れ方向下流側には、残量把握部90が設けられている。残量把握部90は、吐出装置30における流動物の残量を把握するためのものである。残量把握部90は、例えば、吐出装置30における流動物の残量を直接的に計測等して把握するものや、吐出装置30に対する流動物の供給状態や、吐出装置30における流動物の吐出状態から、吐出装置30における流動物の残量を間接的に把握するものであると良い。具体的には、残量把握部90は、例えば、吐出装置30に対する流動物の供給圧や、吐出装置30に対する流動物の流量等の流動物の供給状態に関する計測値から、吐出装置30における流動物の残量を間接的に把握するものであると良い。
また、残量把握部90は、例えば、流動物の供給圧や流量を計測するためのセンサ92と、センサ92による計測値に基づいて吐出装置30における流動物の残量を把握するための処理を行う処理部94とが一体的に設けられたものや、センサ92と処理部94とが別に設けられたものとすると良い。本実施形態では、センサ92として吐出装置30に対する流動物の供給圧(以下、「供給圧P」とも称す)を検知するための圧力センサを採用している。また、処理部94としての機能を、後述する制御装置200に担わせている。そのため、センサ92の計測値を制御装置200に対して入力することで、制御装置200において吐出装置30における流動物の残量を把握可能としている。本実施形態では、センサ92によって検知される供給圧Pが所定の圧力範囲の上限値(以下、「上限圧力PH」とも称す)、及び下限値(以下、「下限圧力PL」)の範囲内(PL<P<PH)であることを条件として、制御装置200は、吐出装置30における流動物の残量が適正範囲にあると把握する。
制御装置200は、流動物吐出システム10の動作を制御するためのものである。制御装置200は、上述した残量把握部90の処理部94としての機能の他に、ポンプ20や吐出装置30、バッファタンク50等の動作制御を行っている。
≪流動物吐出システム10の動作について≫
流動物吐出システム10は、制御装置200による制御のもと、四種の運転モードで運転可能とされている。具体的には、流動物吐出システム10は、(1)ポンプ供給モード、(2)タンク蓄積モード、(3)タンク供給モード、及び(4)複合供給モードからなる四種の運転モードで運転可能とされている。また、流動物吐出システム10は、四種の運転モードによる運転を順次行うことにより、吐出装置30における流動物の吐出を安定的に行うことができる。以下、流動物吐出システム10の動作について、先ず四種の運転モードによる運転について説明する。また、各運転モードによる運転についての説明の後、各運転モードによる運転を順次行うことで実現される流動物吐出システム10の動作について説明する。
(1)ポンプ供給モードについて
ポンプ供給モードは、バッファタンク50を保持状態としつつ、ポンプ20から吐出装置30に流動物を供給する運転モードである。図6に示すように、ポンプ供給モードにおいて、制御装置200は、供給路40においてバッファタンク50とポンプ20との間に設けられたバルブ48を開状態とする。また、制御装置200は、残量把握部90によって把握される吐出装置30における流動物の残量に応じて、運転及び停止するようにポンプ20を動作制御する。
本実施形態では、制御装置200は、センサ92によって検知される吐出装置30への供給圧Pを指標として吐出装置30における流動物の残量を把握し、供給圧Pに応じてポンプ20の動作制御を行う。具体的には、図7のタイミングチャートに示すように、制御装置200は、供給圧Pが所定の上限圧力PH以上であることを条件として、吐出装置30への流動物の供給が不要であるとしてポンプ20の運転を停止させる。一方、供給圧Pが所定の下限圧力PL以下であることを条件として、制御装置200は、吐出装置30における流動物の残量が適正値を下回っているとして、ポンプ20を運転させる。ポンプ供給モードによる流動物吐出システム10の動作は、図8のフローチャートに示した通りである。以下、図8のフローチャートを参照しつつ、ポンプ供給モードにおける流動物吐出システム10の動作について、さらに詳細に説明する。
(ステップ1−1)
ステップ1−1において、制御装置200は、バルブ48を開状態とする。ここで、バルブ48が既に開状態である場合には、バルブ48を開状態で維持する。その後、制御装置200は、制御フローをステップ1−2に進める。
(ステップ1−2)
ステップ1−2において、制御装置200は、ポンプ20の貯留部22における流動物の残量が貯留部22の下限まで減っているか否かを確認する。ここで、貯留部22における流動物の残量が下限である場合には、ポンプ20を運転しても流動物を圧送できないため、当該制御フローを終了する。一方、貯留部22に下限を越える流動物がある場合には、制御装置200は、制御フローをステップ1−3に進める。
(ステップ1−3)
ステップ1−3において、制御装置200は、残量把握部90をなすセンサ92により検出された供給圧Pが、下限圧力PL以下であるか否かを確認する。ここで、供給圧Pが下限圧力PLよりも高いときには、ポンプ20を運転して吐出装置30に流動物を供給する必要がない。そのため、供給圧Pが下限圧力PLよりも高いときには、制御装置200は、ステップ1−3において待機する。一方、供給圧Pが下限圧力PL以下のときには、吐出装置30に対する流動物の供給が必要となる。そこで、この場合には、制御装置200は、ステップ1−4に制御フローを進める。
(ステップ1−4)
ステップ1−4において、制御装置200は、ポンプ20を運転させる。これにより、貯留部22に貯留されている流動物が、ポンプ20によって吐出装置30に向けて圧送される。その後、制御装置200は、制御フローをステップ1−5に進める。
(ステップ1−5)
ステップ1−5において、制御装置200は、ポンプ20の貯留部22における流動物の残量が下限に達していないか、を確認する。ここで、制御装置200は、貯留部22における流動物の残量が下限に達している場合に、制御フローをステップ1−6に進める。一方、流動物の残量が下限に達していない場合に、制御装置200は、制御フローをステップ1−7に進める。
(ステップ1−6)
上述したステップ1−5において貯留部22における流動物の残量が下限に達している場合には、これ以上ポンプ20を作動させても流動物を吐出装置30に供給できない。そのため、ステップ1−6において、制御装置200は、一連の制御フローを終了させる。
(ステップ1−7)
ステップ1−7において、制御装置200は、供給圧Pが上限圧力PH以上になっているか否かを確認する。ここで、供給圧Pが上限圧力PHに達していない場合には、吐出装置30への流動物の供給を継続すべく、制御装置200は、制御フローをステップ1−5に戻す。一方、供給圧Pが上限圧力PH以上になった場合には、制御装置200は、制御フローをステップ1−8に進める。
(ステップ1−8)
ステップ1−8において、制御装置200は、ポンプ20を停止させる。これにより、ポンプ20から吐出装置30への流動物の供給が停止される。その後、制御装置200は、制御フローをステップ1−9に進める。
(ステップ1−9)
ステップ1−9において、制御装置200は、ポンプ20の貯留部22における流動物の残量を確認する。ここで、流動物の残量が、貯留部22の下限に達していない場合には、制御装置200は、制御フローをステップ1−3に戻す。一方、流動物の残量が、貯留部22の下限に達している場合には、これ以上ポンプ20により吐出装置30に対して流動物を供給できないため、一連の制御フローを完了させる。
(2)タンク蓄積モードについて
続いて、タンク蓄積モードについて、詳細に説明する。タンク蓄積モードは、ポンプ20から流動物の供給を続けつつ、後に詳述するタンク供給モードに備えて、バッファタンク50に流動物を蓄積(チャージ)する運転モードである。タンク蓄積モードは、バッファタンク50に流動物を吸引することで、バッファタンク50の内部(連通空間58)に流動物を蓄積する運転モードである。タンク蓄積モードでは、残量把握部90の計測値に基づいて、蓄積中のバッファタンク50の動作が制御される。また、タンク蓄積モードは、バッファタンクへの流動物の蓄積中も吐出装置30による流動物の吐出を継続することができる運転モードである。
図9に示すように、タンク蓄積モードにより運転を行う場合、制御装置200は、供給路40に設けられたバルブ48を開状態とし、ポンプ20からバッファタンク50に向けて流動物を供給可能な状態とする。また、制御装置200は、残量把握部90によって把握される吐出装置30における流動物の残量に応じて、運転及び停止するようにポンプ20を動作制御する。
また、タンク蓄積モードにおいて、制御装置200は、図9の動作説明図や図10のタイミングチャートに示すように、残量把握部90の計測値に基づいて、ポンプ20やバッファタンク50の動作を制御する。制御装置200は、吐出装置30への供給圧Pを指標として吐出装置30における流動物の残量を把握し、供給圧Pに応じてポンプ20及びバッファタンク50の動作制御を行う。具体的には、供給圧Pが所定の上限圧力PH(第一上限値)よりも高いときには、吐出装置30に十分な流動物が貯留されている状態であるため、バッファタンク50を減圧状態にして、タンク部52の連通空間58に流動物を蓄積する。さらに詳細には、図9(a)に示すように、制御装置200は、バルブ48を開状態としてポンプ20を停止させると共に、バッファタンク50を減圧状態とする。これにより、バッファタンク50に流動物が蓄積される。バッファタンク50を減圧状態にするタイミングや期間等の動作条件については、例えば、供給圧Pが上限圧力PHに達してから所定の時間に限定する等、供給圧Pのアンダーシュートを考慮して規定すると良い。
一方、供給圧Pが所定の下限圧力PL(第一下限値)よりも低いときには、吐出装置30における流動物の残量が適正値を下回っている状態であるため、バッファタンク50を保持状態にして、連通空間58への流動物の蓄積を停止する。さらに詳細には、図9(b)に示すように、制御装置200は、バルブ48を開状態としてポンプ20を運転させると共に、バッファタンク50を保持状態にする。これにより、制御装置200は、ポンプ20により圧送される流動物を、吐出装置30に対して供給する。
制御装置200は、タンク蓄積モードにおいてこのような制御を行うことにより、供給圧Pが十分な高さである状態(吐出装置30における流動物の残量に余裕があるとき)を狙って、流動物をバッファタンク50に蓄積させる。すなわち、流動物吐出システム10において、制御装置200は、バッファタンク50が保持状態を実現できるものであるという利点を活用し、タンク蓄積モードにおける動作制御を行っている。タンク蓄積モードによる流動物吐出システム10の動作は、図11のフローチャートに示した通りである。以下、図11のフローチャートを参照しつつ、タンク蓄積モードにおける流動物吐出システム10の動作について、さらに詳細に説明する。
(ステップ2−1)
ステップ2−1において、制御装置200は、バルブ48を開状態とする。ここで、バルブ48が既に開状態である場合には、バルブ48を開状態で維持する。これにより、ポンプ20からバッファタンク50や吐出装置30に対して流体を圧送可能な状態とされる。その後、制御装置200は、制御フローをステップ2−2に進める。
(ステップ2−2)
ステップ2−2において、制御装置200は、ポンプ20の貯留部22における流動物の残量が貯留部22の下限まで減っているか否かを確認する。貯留部22における流動物の残量が下限である場合には、図11に係る制御フローを終了させる。一方、貯留部22に下限を越える流動物がある場合には、制御装置200は、制御フローをステップ2−3に進める。
(ステップ2−3)
ステップ2−3において、制御装置200は、残量把握部90をなすセンサ92により検出された供給圧Pが、下限圧力PL以下であるか否かを確認する。ここで、供給圧Pが下限圧力PLよりも高いときには、ポンプ20を運転して吐出装置30に流動物を供給する必要がないため、ステップ2−3において待機状態とされる。一方、供給圧Pが下限圧力PL以下のときには、吐出装置30に対する流動物の供給が必要となる。そこで、この場合には、制御装置200は、ステップ2−4に制御フローを進める。
(ステップ2−4)
ステップ2−4において、制御装置200は、ポンプ20を運転させる。これにより、貯留部22に貯留されている流動物が、ポンプ20によって吐出装置30に向けて圧送される。その後、制御装置200は、制御フローをステップ2−5に進める。
(ステップ2−5)
ステップ2−5において、制御装置200は、ポンプ20の貯留部22における流動物の残量が下限に達していないか、を確認する。ここで、制御装置200は、貯留部22における流動物の残量が下限に達している場合に、制御フローをステップ2−6に進める。一方、流動物の残量が下限に達していない場合に、制御装置200は、制御フローをステップ2−7に進める。
(ステップ2−6)
制御フローがステップ2−6に移行した状態においては、貯留部22における流動物の残量が十分でない。そのため、制御装置200は、ポンプ20を停止させる。その後、制御フローを終了させる。
(ステップ2−7)
ステップ2−7において、制御装置200は、供給圧Pが上限圧力PH以下になっているか否かを確認する。ここで、供給圧Pが上限圧力PHよりも低い場合には、制御フローをステップ2−5に戻し、ポンプ20の運転を継続する。一方、供給圧Pが上限圧力PH以上である場合には、制御装置200は、制御フローをステップ2−8に進める。
(ステップ2−8)
ステップ2−8において、制御装置200は、ポンプ20を停止させる。その後、制御装置200は、制御フローをステップ2−9に進める。
(ステップ2−9)
ステップ2−9において、制御装置200は、バッファタンク50を減圧状態にする。具体的には、制御装置200は、バッファタンク50の容積変動機構54を構成するソレノイドバルブ72bを第二状態になるように動作制御する。また、エアコンプレッサー等からなる供給源72aによりソレノイドバルブ72bに気体を供給する。これにより、パイロットチェック弁72cの逆止弁としての機能を喪失させると共に、パイロットチェック弁72cの接続ポートPA及びソレノイドバルブ72bの排気ポートEBを介して容積変動機構54のケーシング68において、第一ケーシング接続口68aから気体を排出させる。これに伴い、ケーシング68の内部において仕切壁70が移動し始め、連通空間58の容積が増大する方向にピストン部62が移動する。このようにして、バッファタンク50は、流動物に対して減圧力が作用する減圧状態になる。バッファタンク50の連通空間58が減圧状態になると、供給路40から連通空間58に流動物が流入しはじめ、蓄積されていく。ステップ2−9においてバッファタンク50が減圧状態とされると、制御装置200は、制御フローをステップ2−10に進める。
(ステップ2−10)
ステップ2−10において、制御装置200は、ステップ2−9においてバッファタンク50に対する流動物の蓄積を開始してからの蓄積量が所定範囲内となるように、蓄積量の管理を行う。バッファタンク50における流動物の蓄積量については、例えば、残量センサ等によって直接的に計測して導出する方法、バッファタンク50への流動物の流入量、流出量を検出して差し引きすることにより導出する方法等によって流動物の量を直接的あるいは間接的に導出して把握したり、バッファタンク50に対して流動物が流出入する時間等によって間接的に把握したりすることができる。本実施形態では、制御装置200は、ステップ2−9でバッファタンク50が減圧状態とされてから経過した時間に基づき、ステップ2−9においてバッファタンク50への流動物の蓄積を開始してからの蓄積量の管理を行う。ステップ2−10において、制御装置200は、ステップ2−9においてバッファタンク50への流動物の蓄積を開始してからの経過時間Txが、所定時間T2以上であるか否かを確認する。経過時間Tは、例えば、制御装置200が備えるタイマにより計測することができる。ここで、経過時間Tが所定時間T2以上であると確認されたとき、制御装置200は、制御フローをステップ2−11に進める。
(ステップ2−11)
ステップ2−11において、制御装置200は、バッファタンク50を保持状態に切り替え、流動物に対して加圧力及び減圧力のいずれも及ぼさない状態にする。具体的には、制御装置200は、バッファタンク50の駆動部64に設けられたソレノイドバルブ72bを第三状態にする。これにより、パイロットチェック弁72cに設けられた接続ポートPA,PBのいずれにも圧力が作用せず、パイロットチェック弁72cが逆止弁として機能する状態とし、駆動部64のケーシング68における気体の出入りを停止する。これにより、ケーシング68の内部に配された仕切壁70が停止すると共に、仕切壁70に接続されたピストン部62がタンク部52内において停止する。このようにして、制御装置200は、バッファタンク50を保持状態にする。その後、制御装置200は、制御フローをステップ2−12に進める。
(ステップ2−12)
ステップ2−12において、制御装置200は、バッファタンク50において流動物の貯留量が上限に達したか否かを確認する。バッファタンク50における流動物の貯留量については、例えば、バッファタンク50に残量センサを設けたり、仕切壁70の位置を検出可能とする位置センサを設けたりして、これらのセンサからの出力値に基づいて判断することとしたり、バッファタンク50に対する流動物の流入量及び流出量を検知あるいは導出可能とし、流入量及び流出量に基づいて判断することとしたりすると良い。ステップ2−12において、バッファタンク50において流動物の貯留量が上限に達していないと判断された場合には、さらに流動物の蓄積を進めるべく、制御装置200は、制御フローをステップ2−2に戻す。一方、バッファタンク50において流動物の貯留量が上限に達したと判断された場合には、制御装置200は、一連の制御フローを完了する。
(3)タンク供給モードについて
続いて、タンク供給モードについて、詳細に説明する。タンク供給モードは、ポンプ20が停止している状態において、バッファタンク50から吐出装置30に流動物を供給する運転モードである。タンク供給モードでの運転は、例えば、ポンプ20における貯留部22の交換や、貯留部22への流動物の補充等のためにポンプ20を停止させる際に、バッファタンク50から供給路40に流動物を排出することにより、吐出装置30に対する流動物の供給を継続可能とするための運転モードである。
タンク供給モードでは、図12の動作説明図や図13のタイミングチャートに示すように、残量把握部90の計測値に基づいて、ポンプ20やバッファタンク50の動作が制御される。具体的には、タンク供給モードにおいては、吐出装置30に対する流動物の供給にあたり、残量把握部90の計測値が所定の下限値(第二下限値)を下回ることを条件として、バッファタンク50が流動物を排出するように動作制御がなされる。さらに詳細には、センサ92により検知される供給圧Pが所定の下限圧力PLを下回ることを条件として、ポンプ20が停止されると共に、バルブ48を閉止されている状態において、バッファタンク50を加圧状態とする。これにより、ポンプ20による流動物の圧送がなされない状態において、バッファタンク50から吐出装置30への流動物の供給がなされる。なお、第二下限値である下限圧力PLは、上述したタンク蓄積モードにおける第一下限値と同じ値(圧力)とされているが、互いに相違する値(圧力)であっても良い。
一方、タンク供給モードにおいては、残量把握部90の計測値が所定の上限値(第二上限値)を上回ることを条件としてバッファタンク50が流動物の排出を停止するように動作制御がなされる。さらに詳細には、タンク供給モードにおいて、センサ92により検知される供給圧Pが所定の上限圧力PHを上回ることを条件として、ポンプ20が停止されてると共に、バルブ48を閉止されている状態において、バッファタンク50を保持状態とする。これにより、流動物が十分に充填されている吐出装置30に対して、流動物が過剰に供給されることを抑制する。なお、第二上限値である上限圧力PHは、上述したタンク蓄積モードにおける第一上限値と同じ値(圧力)とされているが、互いに相違する値(圧力)であっても良い。
タンク供給モードでは、上述した動作を、図14に示したフローチャートに則って行う。以下、図14のフローチャートを参照しつつ、タンク供給モードにおける流動物吐出システム10の動作について、さらに詳細に説明する。
(ステップ3−1)
ステップ3−1において、制御装置200は、バッファタンク50における流動物の貯留状態を確認する。その結果、バッファタンク50における流動物の貯留量が下限値である場合には、バッファタンク50による流動物の供給ができなくなる懸念があるため、制御装置200は、一連の制御フローを完了させる。ここで、本ステップ及び以下のステップにおいて、「バッファタンク50における流動物の貯留量が下限値である場合」とは、流動物の供給ができなくなるレベルまで貯留量が減少している状態としても良いが、本実施形態では、制御装置200は、流動物の供給ができなくなるレベルよりも少し手前の段階(流動物が少し残っている状態)を流動物の貯留量が下限値である場合として規定し、動作制御を行う。一方、バッファタンク50における流動物の貯留量が下限値よりも多い場合、制御装置200は、制御フローをステップ3−2に進める。
(ステップ3−2)
ステップ3−2において、制御装置200は、吐出装置30における流動物の残量を確認する。具体的には、制御装置200は、残量把握部90のセンサ92によって検知される供給圧Pが、所定の下限圧力PL(第二下限値)以下であるか否かを確認する。ここで、供給圧Pが下限圧力PLよりも高い場合には、吐出装置30に流動物が十分残存しており、吐出装置30に流動物を補充する必要がない。そのため、この場合には、制御装置200は、ステップ3−2において待機する。一方、供給圧Pが下限圧力PL以下である場合には、吐出装置30における流動物の残量が少なくなっている状態である。この場合、制御装置200は、制御フローをステップ3−3に進める。
(ステップ3−3)
ステップ3−3において、制御装置200は、バッファタンク50を加圧状態にする。これにより、制御装置200は、バッファタンク50において流動物に対して加圧力を及ぼし、バッファタンク50から供給路40を介して吐出装置30に向けて流動物を排出させる。具体的には、制御装置200は、バッファタンク50に設けられた容積変動機構54により、供給路40と連通した連通空間58の容積が減少する方向にピストン部62を移動させるための制御を行う。さらに詳細には、制御装置200は、駆動部64に設けられたソレノイドバルブ72bを第一状態にしつつ、供給源72aによりソレノイドバルブ72bに気体を供給する。これにより、エアコンプレッサ等からなる供給源72aから圧送された気体が、ソレノイドバルブ72bからパイロットチェック弁72cを経て、第一ケーシング接続口68aからケーシング68の第一空間70aに導入される。これに伴い、仕切壁70及びピストン部62が作動し、連通空間58の容積が縮小する方向にピストン部62が移動する。このようにして、制御装置200は、バッファタンク50を加圧状態とする。バッファタンク50が加圧状態になると、連通空間58に蓄えられていた流動物が、供給路40を介して吐出装置30に向けて排出される。
(ステップ3−4)
ステップ3−4において、制御装置200は、バッファタンク50における流動物の残量が下限まで減少していないか、を確認する。ここで、バッファタンク50における流動物の残量が下限まで減少している場合には、制御フローがステップ3−5に進められ、下限まで達していない場合には、制御フローがステップ3−6に進められる。
(ステップ3−5)
ステップ3−5において、制御装置200は、バッファタンク50からの流動物の排出を停止する。具体的には、制御装置200は、上述したステップ2−11と同様にして、バッファタンク50を保持状態にする。その後、制御装置200は、一連の制御フローを完了させる。
(ステップ3−6)
ステップ3−6において、制御装置200は、吐出装置30に十分な流動物が充填されたか否かを確認する。具体的には、制御装置200は、供給圧Pが所定の上限圧力PH(第二上限値)に達したか否かを確認する。ここで、供給圧Pが上限圧力PH未満である場合、制御装置200は、制御フローをステップ3−4に戻す。一方、供給圧Pが上限圧力PH以上である場合、制御装置200は、制御フローをステップ3−7に進める。
(ステップ3−7)
ステップ3−7において、制御装置200は、上述したステップ2−11やステップ3−5と同様にして、バッファタンク50を保持状態にする。その後、制御装置200は、制御フローをステップ3−8に進める。
(ステップ3−8)
ステップ3−8において、制御装置200は、バッファタンク50における流動物の貯留状態を確認する。その結果、バッファタンク50における流動物の貯留量が下限値よりも多い場合には、制御装置200は、制御フローをステップ3−2に戻す。一方、バッファタンク50における流動物の貯留量が下限値である場合には、これ以上タンク供給モードによる運転ができないため、一連の制御フローを完了する。
(4)複合供給モードについて
続いて、複合供給モードについて、詳細に説明する。複合供給モードは、ポンプ20及びバッファタンク50の双方から吐出装置30に流動物を供給する運転モードである。複合供給モードでの運転は、例えば、上述したタンク供給モードの終期に、タンク部52における流動物の残量が少なくなってきたと想定されるときに、バッファタンク50から吐出装置30への流動物の供給を、ポンプ20からの流動物の供給によって補う等の目的で行われる運転モードである。タンク部52における流動物の残量が少なくなってきたと想定されるときに複合供給モードによる運転を行うと、吐出装置30に対する流動物の供給圧の安定化、及びバッファタンク50に蓄積された流動物の使い切りを両立できる。
すなわち、タンク供給モードにおいてバッファタンク50における流動物の残量が減少してくると、タンク本体部52aの底面とピストン部62との距離が狭くなり、圧力損失が大きくなる。これにより、バッファタンク50から吐出装置30に向けて排出される流動物の流量が減少していく。バッファタンク50から吐出装置30への流動物の流量が、吐出装置30における流動物の吐出量を下回ると、流動物の供給不足が生じる。そのため、バッファタンク50に蓄積されている流動物の残量が一定量以下になったときに、運転モードを複合供給モードに切り替え、バッファタンク50に加えてポンプ20も流動物の供給のために動作させることにより、吐出装置30に対する流動物の供給圧の安定化を図りつつ、バッファタンク50に蓄積された流動物を使い切ることも可能となる。
複合供給モードでは、図15の動作説明図や、図16のタイミングチャートに示すように、残量把握部90の計測値に基づいて、ポンプ20やバッファタンク50の動作が制御される。具体的には、複合供給モードにおいては、吐出装置30に対する流動物の供給にあたり、残量把握部90の計測値が所定の下限値を下回ることを条件として、ポンプ20及びバッファタンク50の双方により、吐出装置30に向けて流動物を供給するように動作制御がなされる。さらに詳細には、制御装置200は、センサ92により検知される供給圧Pが所定の下限圧力PLを下回ることを条件として、バッファタンク50を加圧状態とすると共に、バルブ48を開状態としてポンプ20を運転させる。これにより、制御装置200は、バッファタンク50及びポンプ20の双方から吐出装置30に流動物を供給させる。複合供給モードにおいてポンプ20及びバッファタンク50の双方によって流動物を供給する場合、ポンプ20及びバッファタンク50による流動物の圧送開始のタイミングを相違させることで、ポンプ20及びバッファタンク50のいずれに存在する流動物を優先的に使用するかを調整できる。本実施形態では、バッファタンク50に蓄積した流動物の変質を防ぐため、バッファタンク50内の流動物については、サイクル毎に確実に使い切りたいとの要望を満足すべく、制御装置200は、バッファタンク50による流動物の圧送開始のタイミングに対し、ポンプ20による流動物の圧送開始のタイミングを遅延させる制御を行う。
一方、複合供給モードにおいては、残量把握部90の計測値が所定の上限値を上回ることを条件としてポンプ20及びバッファタンク50が流動物の排出を停止するように動作制御がなされる。さらに詳細には、複合供給モードにおいて、センサ92により検知される供給圧Pが所定の上限圧力PHを上回ることを条件として、ポンプ20を停止し、バッファタンク50を保持状態とする。これにより、流動物が十分に充填されている吐出装置30に対して、流動物が過剰に供給されることを抑制する。
複合供給モードでは、上述した動作を、図17に示したフローチャートに則って行う。以下、図17のフローチャートを参照しつつ、複合供給モードにおける流動物吐出システム10の動作について、さらに詳細に説明する。
(ステップ4−1)
ステップ4−1において、制御装置200が備えているタイマによる計時がスタートされる。その後、制御装置200は、ステップ4−2に制御フローを進める。
(ステップ4−2)
ステップ4−2において、制御装置200は、タイマによる計測時間(以下、タイマ時間Tyとも称す)が所定時間T1以上になったか否かを確認する。ここで、所定時間T1は、複合供給モードをいつ終了させるかを決定するために計測する時間である。所定時間T1をステップ4−2における判定条件とすることにより、バッファタンク50の下限よりも少し手前、及び下限の2カ所にリミットスイッチ等を設ける代わりに、バッファタンク50の下限よりも少し手前にだけ設ける構成とすることができる。具体的には、バッファタンク50の下限よりも少し手前に設けられたセンサによって流動物の残量が検知されたタイミング以降も運転を継続した場合に、バッファタンク50が空になると想定される時間に基づいて所定時間T1を規定することにより、適切なタイミングで複合供給モードを終了させることができる。このように、バッファタンク50の下限よりも少し手前、及び下限の2カ所にリミットスイッチ等を設けるのではなく、バッファタンク50の下限よりも少し手前において流動物が検知された後、所定時間T1を指標として複合供給モードを終了させるようにすれば、万一バッファタンク50の底部で液が硬化してピストンが下がりきらない状態となってしまったとしても、いつまでも複合供給モードが終了しないといった不具合の発生を抑制できるという利点を有する。ここで、タイマ時間Tyが所定時間T1以上になっていることが確認された場合、制御装置200は、制御フローを完了させる。一方、タイマ時間Tyが所定時間T1未満である場合、制御装置200は、制御フローをステップ4−3に進める。
(ステップ4−3)
ステップ4−3において、制御装置200は、吐出装置30への供給圧Pを確認する。ここで、供給圧Pが所定の下限圧力PLよりも高い場合には、制御フローをステップ4−2に戻す。一方、供給圧Pが下限圧力PL以下である場合、制御装置200は、制御フローをステップ4−4に進める。
(ステップ4−4)
ステップ4−4において、制御装置200は、上述したステップ3−3と同様にして、バッファタンク50を加圧状態にする。これにより、バッファタンク50において流動物に加圧力が作用し、バッファタンク50から吐出装置30に向けて流動物が供給される。その後、制御装置200は、制御フローをステップ4−5に進める。
(ステップ4−5)
ステップ4−5において、制御装置200は、ステップ4−4でバッファタンク50が加圧状態にされてからの経過時間(以下、「加圧時間Tp」とも称す)を確認する。所定時間T3は、複合供給モードにおいてバッファタンク50による流動物の圧送開始のタイミングに対し、ポンプ20による流動物の圧送開始のタイミングを遅延させる遅延時間に相当するものである。加圧時間Tpが所定時間T3未満である間、制御装置200は、ステップ4−5において制御フローの進行を待機させる。加圧時間Tpが所定時間T3以上になると、制御装置200は、制御フローをステップ4−6に進める。
(ステップ4−6)
ステップ4−6において、制御装置200は、ポンプ20を運転させ、吐出装置30に流動物を供給させる。このとき、既に上記ステップ4−4において開始されているバッファタンク50による吐出装置30に対する流動物の供給も継続されている。そのため、ステップ4−6においてポンプ20を運転させることにより、バッファタンク50及びポンプ20の双方により吐出装置30に向けて流動物が供給される状態になる。ポンプ20の運転が開始されると、制御装置200は、制御フローをステップ4−7に進める。
(ステップ4−7)
ステップ4−7において、制御装置200は、ステップ4−1で計時を開始したタイマ時間Tyを確認する。ここで、タイマ時間Tyが所定時間T1以上である場合、制御装置200は、制御フローをステップ4−8に進める。タイマ時間Tyが所定時間T1未満である場合、制御装置200は、制御フローをステップ4−9に進める。
(ステップ4−8)
ステップ4−8において、制御装置200は、ポンプ20を停止させると共に、バッファタンク50を保持状態とする。バッファタンク50を保持状態とする制御は、上述したステップ2−11と同様にして行われる。これにより、ポンプ20及びバッファタンク50の双方において、吐出装置30への流動物の供給が停止される。その後、制御装置200は、制御フローを完了させる。
(ステップ4−9)
ステップ4−9において、制御装置200は、吐出装置30への供給圧Pを確認する。ここで、供給圧Pが所定の上限圧力PH未満である場合には、制御フローをステップ4−7に戻す。一方、供給圧Pが上限圧力PH以上である場合、制御装置200は、制御フローをステップ4−10に進める。
(ステップ4−10)
ステップ4−10において、制御装置200は、ステップ4−8と同様に、ポンプ20を停止させると共に、バッファタンク50を保持状態とする。その後、制御装置200は、制御フローをステップ4−11に進める。
(ステップ4−11)
ステップ4−11において、制御装置200は、ステップ4−1で計時を開始したタイマ時間Tyを確認する。ここで、タイマ時間Tyが所定時間T1以上である場合、制御装置200は、一連の制御フローを完了させる。タイマ時間Tyが所定時間T1未満である場合、制御装置200は、制御フローをステップ4−3に戻す。
流動物吐出システム10は、上述したようにして、(1)ポンプ供給モード、(2)タンク蓄積モード、(3)タンク供給モード、及び(4)複合供給モードからなる四種の運転モードで運転可能とされている。次に、これらの運転モードでの運転を順次行うことで実現される流動物吐出システム10の全体動作について説明する。なお、流動物吐出システム10の全体動作は、初期段階においてバッファタンク50への流動物の蓄積を行う第一運転パターン、及び中間段階においてバッファタンク50への流動物の蓄積を行う第二運転パターン、のいずれでも動作可能である。そのため、以下の説明においては、先ず第一運転パターンでの動作について説明し、その後に第二運転パターンでの動作について説明する。
[第一運転パターンによる流動物吐出システム10の全体動作について]
第一運転パターンは、タンク蓄積モード→ポンプ供給モード→タンク供給モード→複合供給モードの順で各運転モードでの運転を繰り返す運転パターンである。各運転モードでの運転から、次の運転モードでの運転に切り替えるためのモード切替条件が、各運転モード毎に設定されている。制御装置200は、モード切替条件を満足する毎に運転モードを切り替える制御を行う。流動物吐出システム10が第一運転パターンで動作する場合、制御装置200は、図18に示したフローチャート、及び図19に示したタイミングチャートに則って、流動物吐出システム10の動作制御を行う。以下、図18及び図19を参照しつつ、第一運転パターンによる流動物吐出システム10の動作について、さらに詳細に説明する。
(ステップ5−1)
ステップ5−1において、制御装置200は、図11の制御フローに則って、タンク蓄積モードによる動作を開始させる。その後、制御装置200は、ステップ5−2に制御フローを進める。
(ステップ5−2)
ステップ5−2において、制御装置200は、タンク蓄積モードでの運転中である流動物吐出システム10において、バッファタンク50に蓄積されている流動物の残量を確認する。ここで、バッファタンク50における流動物の蓄積量が上限に達していることが確認された場合、制御装置200は、制御フローをステップ5−3に進める。
(ステップ5−3)
ステップ5−3において、制御装置200は、図8の制御フローに則って、ポンプ供給モードによる動作を開始させる。その後、制御装置200は、ステップ5−4に制御フローを進める。
(ステップ5−4)
ステップ5−4において、制御装置200は、ポンプ供給モードでの運転中である流動物吐出システム10において、ポンプ20の貯留部22における流動物の残量を確認する。ここで、貯留部22における流動物の残量が下限に達したことが確認されると、制御装置200は、制御フローをステップ5−5に進める。
(ステップ5−5)
ステップ5−5において、制御装置200は、図14の制御フローに則って、タンク供給モードによる動作を開始させる。その後、制御装置200は、ステップ5−6に制御フローを進める。
(ステップ5−6)
ステップ5−6において、制御装置200は、タンク供給モードでの運転中である流動物吐出システム10において、バッファタンク50における流動物の残量を確認する。ここで、バッファタンク50における流動物の残量が下限に達したことが確認されると、制御装置200は、制御フローをステップ5−7に進める。ここで、本ステップにおいて、「バッファタンク50における流動物の残量が下限に達した」状態とは、流動物の供給ができなくなるレベルまで貯留量が減少している状態としても良いが、本実施形態では、制御装置200は、流動物の供給ができなくなるレベルよりも少し手前の段階(流動物が少し残っている状態)を流動物の残量が下限値である場合として規定し、動作制御を行う。
(ステップ5−7)
ステップ5−7において、制御装置200は、図17の制御フローに則って、複合供給モードによる動作を開始させる。その後、制御装置200は、ステップ5−8に制御フローを進める。
(ステップ5−8)
ステップ5−8において、制御装置200は、複合供給モードでの運転中である流動物吐出システム10において、タイマ時間Tyを確認する。ここで、タイマ時間Tyが所定時間T1以上になったことが確認されると、制御装置200は、制御フローをステップ5−1に戻す。
流動物吐出システム10が第一運転パターンで動作するときには、上述したフローに則って制御装置200によって動作制御される。上述したように、第一運転パターンは、初期段階(ステップ5−1)においてバッファタンク50への流動物の蓄積を行う。そのため、第一運転パターンにより流動物吐出システム10を動作させると、例えば、ポンプ20の貯留部22の流動物がなくなったときだけでなく、ポンプ20において異常が発生する等して、ポンプ20による流動物の供給ができなくなるケースにおいても、バッファタンク50に蓄積されている流動物を吐出装置30に供給することができる。
[第二運転パターンによる流動物吐出システム10の全体動作について]
続いて、第二運転パターンによる流動物吐出システム10の全体動作について説明する。第二運転パターンは、ポンプ供給モード→タンク蓄積モード→タンク供給モード→複合供給モードの順で各運転モードでの運転を繰り返す運転パターンである。第二運転パターンにおいても、各運転モードでの運転から、次の運転モードでの運転に切り替えるためのモード切替条件が各運転モード毎に設定されている。制御装置200は、モード切替条件を満足する毎に、運転モードを切り替える制御を行う。流動物吐出システム10が第二運転パターンで動作する場合、制御装置200は、図20に示したフローチャートに則って、流動物吐出システム10の動作制御を行う。以下、図20を参照しつつ、第二運転パターンによる流動物吐出システム10の動作について、さらに詳細に説明する。
(ステップ6−1)
ステップ6−1において、制御装置200は、図8の制御フローに則って、ポンプ供給モードによる動作を開始させる。その後、制御装置200は、ステップ6−2に制御フローを進める。
(ステップ6−2)
ステップ6−2において、制御装置200は、ポンプ供給モードでの運転中である流動物吐出システム10において、ポンプ20の貯留部22における流動物の残量を確認する。ここで、貯留部22における流動物の残量が下限に到達する手前の段階であることが確認されると、制御装置200は、制御フローをステップ6−3に進める。
(ステップ6−3)
ステップ6−3において、制御装置200は、図11の制御フローに則って、タンク蓄積モードによる動作を開始させる。その後、制御装置200は、ステップ6−4に制御フローを進める。
(ステップ6−4)
ステップ6−4において、制御装置200は、タンク蓄積モードでの運転中である流動物吐出システム10において、貯留部22における流動物の残量を確認する。ここで、貯留部22におけるにおける流動物の蓄積量が下限に達していることが確認された場合、制御装置200は、制御フローをステップ6−5に進める。
(ステップ6−5)
ステップ6−5において、制御装置200は、図14の制御フローに則って、タンク供給モードによる動作を開始させる。その後、制御装置200は、ステップ6−6に制御フローを進める。
(ステップ6−6)
ステップ6−6において、制御装置200は、タンク供給モードでの運転中である流動物吐出システム10において、バッファタンク50における流動物の残量を確認する。ここで、バッファタンク50における流動物の残量が下限に達したことが確認されると、制御装置200は、制御フローをステップ6−7に進める。本ステップにおいて、「バッファタンク50における流動物の残量が下限に達した」状態とは、流動物の供給ができなくなるレベルまで貯留量が減少している状態としても良いが、本実施形態では、制御装置200は、流動物の供給ができなくなるレベルよりも少し手前の段階(流動物が少し残っている状態)を流動物の残量が下限値である場合として規定し、動作制御を行う。
(ステップ6−7)
ステップ6−7において、制御装置200は、図17の制御フローに則って、複合供給モードによる動作を開始させる。その後、制御装置200は、ステップ6−8に制御フローを進める。
(ステップ6−8)
ステップ6−8において、制御装置200は、複合供給モードでの運転中である流動物吐出システム10において、タイマ時間Tyを確認する。ここで、タイマ時間Tyが所定時間T1以上になったことが確認されると、制御装置200は、制御フローをステップ6−1に戻す。
流動物吐出システム10が第二運転パターンで動作するときには、上述したフローに則って制御装置200によって動作制御される。上述したように、第二運転パターンは、タンク蓄積モードによる動作に先駆けて、ポンプ供給モードによる動作を行い、中間段階(ステップ6−3)においてタンク蓄積モードによりバッファタンク50への流動物の蓄積を行う。このように、第二運転パターンにより流動物吐出システム10を動作させるときには、ポンプ20の貯留部22における流動物の残量が下限に到達する手前の段階でバッファタンク50に流動物を蓄積し、吐出装置30への流動物の供給源をバッファタンク50に切り替える制御が行われる。そのため、第二運転パターンによれば、バッファタンク50において流動物が蓄積されている(滞留している)期間を最小限に抑制できる。
上述したように、本実施形態の流動物吐出システム10は、ポンプ20や吐出装置30に加え、バッファタンク50をポンプ20及び吐出装置30を繋ぐ供給路40の中途に配置したものとされている。流動物吐出システム10は、バッファタンク50が流動物に対して圧力を及ぼす圧力作用状態を実現可能なものとされている。また、流動物吐出システム10は、圧力作用状態として、流動物に対して加圧力を及ぼす加圧状態、流動物に対して減圧力を及ぼす減圧状態を実現可能なものとされている。そのため、本実施形態の流動物吐出システム10は、加圧状態として、流動物に対してバッファタンク50の外側に向けて圧力を作用させると、流動物を吐出装置30に向けて圧送できる。従って、流動物吐出システム10は、吐出装置30に対する流動物の供給源がポンプ20からバッファタンク50に切り替わることによる圧力変動を抑制できる。
また、流動物吐出システム10は、バッファタンク50を減圧状態として、流動物に対してバッファタンク50の内側に向かう方向への圧力を作用させると、流動物をスムーズにバッファタンク50内に吸引できる。これにより、流動物吐出システム10は、吐出装置30に対してバッファタンク50から流動物を供給するのに備え、バッファタンク50に流動物を吸引して蓄積しておくことができる。従って、流動物吐出システム10は、バッファタンク50における流動物の蓄積機能を活用して、吐出装置30に対する流動物の安定供給に貢献できる。
本実施形態の流動物吐出システム10は、バッファタンク50が、上述した圧力作用状態(加圧状態、減圧状態)に加え、流動物に対して圧力を及ぼさない保持状態を実現可能なものとされている。そのため、ポンプ供給モードでの運転中や、吐出装置30における流動物の残量が十分である場合のように、バッファタンク50を用いることなく吐出装置30において流動物を吐出可能である状態、あるいはタンク蓄積モードでの運転中に、吐出装置30における流動物の残量を考慮するとバッファタンク50への液の蓄積を継続するのが適切ではない状態において、バッファタンク50の影響により吐出装置30に対する流動物の供給圧が変動したり、吐出装置30における流動物の吐出圧が変動したりするのを抑制できる。従って、本実施形態の流動物吐出システム10によれば、バッファタンク50から流動物に圧力が作用することによる吐出装置30への流動物の供給圧の変動や、吐出装置30における吐出圧の変動を抑制できる。
本実施形態の流動物吐出システム10は、ポンプ20を複数台設けなくても、上述した各運転モードによる運転を行うことにより、吐出装置30に対して流動物を安定的に供給できる。従って、本実施形態の流動物吐出システム10は、ポンプ20を複数台設けた構成とする場合に比べて、設置スペースやコストの増大を抑制することができる。
なお、本実施形態では、バッファタンク50において流動物に対して圧力を及ぼす圧力作用状態として、流動物に対してバッファタンク50側から供給路40側に向けて正の圧力が作用する加圧状態、流動物に対してバッファタンク50側から供給路40側に向けて負の圧力が作用する減圧状態、及び流動物に対して圧力が作用しない保持状態からなる3段階で圧力を変化させる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、加圧状態や減圧状態において、流動物に作用する圧力について複数段階に圧力の作用状態を変化できるようにしたり、無段階で圧力の作用状態を変化できるようにしたりしても良い。
具体的には、上述したように容積変動機構54において、ケーシング68の第一ケーシング接続口68aに接続された第一配管系統74に、ソレノイドバルブ72bや、パイロットチェック弁72c、第一スピードコントローラ72dを設ける代わりに、例えば、図22に示すようにレギュレータ72xを設ける等すると良い。このような構成によれば、加圧状態や減圧状態において、流動物に作用する圧力を多段階あるいは無段階に変化させることが可能となる。また、このような構成によれば、例えば、上述したタンク蓄積モードにおいて、バッファタンク50を減圧状態とするのに代えて、流動物に作用する圧力の強い強加圧状態から弱加圧状態に変化させるようにする等して、流動物吐出システム10の動作状態に応じてバッファタンク50における圧力制御をより一層最適化することが可能となる。
また、上述した流動物吐出システム10は、バッファタンク50が、タンク部52、及び容積変動機構54を備え、容積変動機構54によって連通空間58の容積の増減についての制御を行うことによって加圧状態、減圧状態、あるいは保持状態とすることができるものとされている。従って、流動物吐出システム10は、連通空間58の容積の増減制御によってバッファタンク50の動作制御を行える。
上述したように、流動物吐出システム10は、容積変動機構54が、タンク部52の内部を連通空間58、及び供給路40に対して非連通の非連通空間60に隔てるピストン部62と、ピストン部62を移動させる駆動部64とを備えたものとされている。また、バッファタンク50は、駆動部64によりピストン部62の移動制御を行うことにより、加圧状態、減圧状態、及び保持状態を実現可能なものとされている。そのため、流動物吐出システム10は、ピストン部62の移動制御により、加圧状態、減圧状態、及び保持状態を適切に実現し、吐出装置30に対して流動物を安定供給できる。なお、本実施形態では、ピストン部62を設け、ピストン部62を介して流動物に圧力を作用させる例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、容積変動機構54は、流動物に対して直接的に圧力を作用可能な構成とする等して、ピストン部62を備えていない構成とすると良い。
なお、本実施形態では、駆動部64を、気体(空気)の流出入によって駆動力を発現可能なガスシリンダ装置(本実施形態ではエアシリンダ装置)によって構成した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、流動物吐出システム10は、駆動部64として、流体としてオイルを用い、油圧によって駆動力を発現可能な油圧シリンダ装置や、モータ等を用いることにより機械的あるいは電気的に駆動力を発現可能な駆動装置64xを用いたもの(図23参照)等とすると良い。
本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。例えば、上述したバッファタンク50は、タンク部52の一端側において、供給路40に接続される接続部56を設け、タンク本体部52aに対して接続部56を介して流動物を流出入させるものであるが、これに代えて図22のバッファタンク150のようなものとすることが可能である。バッファタンク150は、上述したバッファタンク50と略同一の構成とされているが、タンク本体部52aにおける流動物の出口となる接続口56bに対し、タンク本体部52aへの流動物の入口となる接続口56cを、上方に設けたものとされている点において相違している。このような構成とすれば、流動物の滞留時間を最小限に抑制し、蓄積された流動物の使い切りをより一層促進できる。
また、上述した流動物吐出システム10は、タンク蓄積モードにおいて、吐出装置30への供給圧Pが低下するのを抑制するための対策として、バッファタンク50への流動物の蓄積を制限時間を設けて行うこととしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、吐出装置30への供給圧Pが所定値以下になることを条件として、バッファタンク50における流動物の蓄積を停止するようにしてもよい。また、流動物吐出システム10は、タンク蓄積モードにおいて、他の運転モードで運転を行う場合に比べてポンプ20による流動物の供給能力を向上させたり、ポンプ20の運転開始時間を上記実施形態において例示したタイミングよりも早めたりして、供給圧Pの低下を抑制するようにしても良い。また、バッファタンク50における流動物の蓄積量については、例えば、残量センサ等によって直接的に計測して導出する方法、バッファタンク50への流動物の流入量、流出量を検出して差し引きすることにより導出する方法等によって流動物の量を直接的あるいは間接的に導出して把握したり、バッファタンク50に対して流動物が流出入する時間等によって間接的に把握したりすることができる。
また、上述した流動物吐出システム10は、複合供給モードにおいて、バッファタンク50による流動物の供給を開始した後、しばらくしてからポンプ20を運転することで、バッファタンク50内の流動物を優先的に消費することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。複合供給モードにおいて、例えば、ポンプ20の回転数を低下させる等して圧送能力を低下させたり、バッファタンク50の加圧力を上げたりして、ポンプ20とバッファタンク50とで流動物の供給能力に差を設けることにより、バッファタンク50内の流動物を優先的に消費するようにすると良い。なお、前述のようにポンプ20の圧送能力を低下させる等するときには、バッファタンク50による流動物の供給、及びポンプ20の運転による流動物の供給を同時に開始するようにしても良い。
ここで、上述した流動物吐出システム10は、バッファタンク50の下限より少し手前(流動物の残量がゼロになる少し手前)にのみリミットスイッチ等のセンサを設置し、このセンサによってバッファタンク50における流動物の残量が下限であることが検出されたとき(ステップ5−6,ステップ6−6に相当)に複合供給モードに運転モードを切り替える(ステップ5−7,ステップ6−7)ものとすることができる。この場合、複合供給モードから次の運転モードへの切り替え判定をタイマによって行う(ステップ5−8,ステップ6−8)ことにより、バッファタンク50内の流動物の残量が下限に到達したものとすると良い。また、このような方式で複合供給モードから次の運転モードへの切り替え判定を行う代わりに、バッファタンク50の下限位置にセンサを別途設け、このセンサにより流動物が下限位置まで減少したことが検出されることを条件として、複合供給モードから次の運転モードへの切り替えを行うようにしても良い。また、「バッファタンク50における流動物の残量が下限である」状態とは、流動物の供給ができなくなるレベルまで貯留量が減少している状態としても良いが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜規定できる。具体的には、本実施形態において説明したように、流動物の供給ができなくなるレベルよりも少し手前の状態(流動物が少し残っている状態)を、「バッファタンク50における流動物の残量が下限である」状態としても、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
上述した流動物吐出システム10は、バッファタンク50と吐出装置30の間に圧力を検知可能なセンサ92を設け、吐出装置30への供給圧Pに基づいて各機器を制御するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、センサ92を、流量センサ等とし、吐出装置30に供給される流動物の流量に応じて、吐出装置30における流動物の残量を把握するもの等としても良い。また、吐出装置30の手前に別途アキュムレータを設ける場合には、このアキュムレータのピストン位置に基づいて吐出装置30における流動物の残量を把握し、各機器を制御すると良い。また、流動物吐出システム10は、センサ92の配置についても、上述したものに限定されない。具体的には、センサ92は、供給路40やアキュムレータ等に限らず、吐出装置30自体(例えば吐出装置30のケーシング100やステータ104等)に設けても良い。
上述したように、流動物吐出システム10は、例えば、バッファタンク50に残量センサを設けたり、仕切壁70の位置を検出可能とする位置センサを設けたりして、これらのセンサからの出力値に基づいてバッファタンク50における流動物の貯留量を判断することとしたり、バッファタンク50に対する流動物の流入量及び流出量を検知あるいは導出可能とし、流入量及び流出量に基づいてバッファタンク50における流動物の貯留量を判断することとしたりすると良い。また、流動物吐出システム10は、バッファタンク50の上限位置や下限位置などにセンサを配し、流動物の貯留量を複数の段階で検知できる構成のものに限定されず、バッファタンク50内の流動物の貯留量を連続的に検知できる構成のものとすることも可能である。
具体的には、バッファタンク50内の流動物の貯留量を連続的に検知できるものとして、例えば、図24に示すように、バッファタンク50に対して流動物の貯留量を連続的に検出するための検出装置300を設けたものとすると良い。図24に示した検出装置300は、流動物の残量に応じて移動する部材(図示例ではピストン部62)、あるいはこれと連動して移動するロッド部66や仕切壁70の位置を連続的に検出することにより、バッファタンク50における流動物の残量を検出するものである。図24に示した例では、検出装置300が、センサドグ302と、磁気式位置検出センサ304とを備えたものとされている。
センサドグ302は、例えば磁石を内蔵するなどして磁気を発するように形成されたものである。センサドグ302は、位置検出の対象となるものに対して取り付け可能とされている。センサドグ302は、例えばバッファタンク50においてシリンダを構成するピストン部62、ロッド部66、仕切壁70のように、バッファタンク50における流動物の残量に応じて位置が変動する位置変動部材306に取り付けられる。図24に示す例では、位置変動部材306としてロッド部66が選択され、ロッド部66に対してセンサドグ302が取り付けられている。
磁気式位置検出センサ304は、センサドグ302から発せられる磁気に基づいて、センサドグ302の位置を検出できるセンサである。磁気式位置検出センサ304は、バッファタンク50に貯留される流動物の増減に応じてセンサドグ302が移動する範囲が検知範囲となるように、バッファタンク50に対して取り付けられる。本実施形態では、磁気式位置検出センサ304は、バッファタンク50のケーシング68において、流動物の増減に応じてセンサドグ302が移動すると想定される移動範囲の全域に亘って取り付けられている。本実施形態では、センサドグ302がバッファタンク50の軸線方向に移動するため、磁気式位置検出センサ304はバッファタンク50の軸線方向に延びるように配されている。
流動物吐出システム10は、図24に示した検出装置300のように、バッファタンク50におけるシリンダのストローク全域をセンシングできるものを用いれば、バッファタンク50のタンク容積(流動物の残量)と、シリンダのストロークとの関係を関連付けすることにより、バッファタンク50における流動物の残量値を把握することができる。すなわち、検出装置300により、バッファタンク50内の流動物の貯留量を連続的に検知することができる。
また、図24のような構成とすることにより、バッファタンク50における流動物の貯留量の上限値、及び下限値を適宜設定したり、変更したりして、流動物吐出システム10の動作制御を行うことができる。具体的には、上記実施形態のように、バッファタンク50における貯留量の上限値となる位置、及び下限値となる位置に、リミットスイッチなどのスイッチやセンサなどの検知装置を設ける場合、流動物の貯留量の上限値、及び下限値を変更するためには、検知装置の設置位置を物理的に移動させる必要がある。しかしながら、上述した検出装置300を用いれば、磁気式位置検出センサ304によりセンサドグ302を検知できる範囲内において、適宜の位置に上限位置や下限位置を設定したり、上限位置や下限位置となる位置の変更を行い、流動物吐出システム10の動作制御を行うことができる。
また、検出装置300において、磁気式位置検出センサ304により検出されるセンサドグ302の位置情報に基づき、流動物吐出システム10の動作制御盤や、制御装置のモニタなどのユーザインターフェイス310に、バッファタンク50における流動物の残量を表示可能とすると良い。
具体的には、図25に示すように、バッファタンク50における流動物の残量を示す残量表示部312を設け、インジケータや数値等(図示例ではインジケータ)により残量を表示すると良い。このようにして、バッファタンク50における流動物の残量を可視化することにより、ポンプ20が配置されている貯留部22への流動物の補充や、流動物22の交換を行うタイミングが明確になる。例えば、貯留部22をペール缶とした場合には、空になったペール缶(貯留部22)を新しいペール缶(貯留部22)に交換するタイミングが明確になる。
図25に示すようなユーザインターフェイス310を設ける場合には、バッファタンク50における流動物の残量に加えて、あるいは代えて、流動物吐出システム10がいずれの動作モードで動作しているのかを識別可能なように表示するモード表示部314を設けると良い。図25に例示したモード表示部314においては、現状の動作モードを示す表示を、他の動作モードを示す表示と色を反転して表示することにより、いずれの動作モードで動作しているのかを識別可能とされている。これにより、流動物吐出システム10は、いずれの動作モードで動作しているのかを直感的に把握したり、貯留部22の交換や貯留部22への流動物の補充を行うタイミングを明確に把握したりすることが可能になる。
貯留部22の交換や貯留部22への流動体の補充を行うタイミングについては、適宜規定可能であるが、上記実施形態に係る流動物吐出システム10においては、タンク供給モードでの動作時に行うと良い。そのため、図25に示したように、モード表示部314において流動物吐出システム10の動作状態がタンク供給モードとなったことが明確に分かるようにすれば、貯留部22の交換や貯留部22への流動物の補充を行うタイミングが明確に把握できるようになる。
また、図25に示すようなユーザインターフェイス310を設ける場合には、例えばこれに表示されるインジケータなどの表示部分(図示例では残量表示部312)において操作を受け付け可能とし、操作に応じて各部に対する動作指令を出力したり、動作設定を行ったりすることができるようにすると良い。例えば、図25の例においては、残量表示部312におけるインジケータの表示部分において操作を受け付け可能とし、インジケータの長さを調整すると良い。これにより、例えば、警告の出力や、動作条件の指標となるバッファタンク50における流動物の残量の上限値及び下限値のいずれか一方又は双方を設定する等の作業を、作業者が直感的に行うことができるようになる。
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
本発明は、流動物を圧送して吐出させるための流動物吐出システム全般において好適に利用可能である。
10 :流動物吐出システム
20 :ポンプ
22 :貯留部
30 :吐出装置
40 :供給路
50 :バッファタンク
52 :タンク部
54 :容積変動機構
58 :連通空間
60 :非連通空間
62 :ピストン部(隔壁部)
64 :駆動部

Claims (9)

  1. 流動物を吐出する吐出装置と、
    貯留部を有し、前記貯留部に貯留された流動物を圧送することで、前記吐出装置に向けて流動物を供給可能なポンプと、
    前記ポンプと前記吐出装置との間を流動物が通過可能であるように接続する供給路と、
    前記供給路の中途に配置され、流動物の吸引及び排出が可能なバッファタンクと、
    前記吐出装置における流動物の残量を把握する残量把握部と、を有し、
    前記残量把握部によって把握された流動物の残量に基づいて、前記バッファタンクの動作が制御されること、を特徴とする流動物吐出システム。
  2. 前記残量把握部が、
    前記供給路における前記バッファタンクと前記吐出装置との間、あるいは前記吐出装置に設けられた圧力検知装置を備え、
    前記圧力検知装置の計測値に基づいて前記吐出装置における流動物の残量を把握すること、を特徴とする請求項1に記載の流動物吐出システム。
  3. 前記ポンプによる流動物の供給を制限する際に、前記バッファタンクが流動物を排出することで前記吐出装置に対する流動物の供給を継続可能であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の流動物吐出システム。
  4. 前記吐出装置に対する流動物の供給にあたり、
    前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の下限値を下回ることを条件として前記バッファタンクが流動物を排出すること、及び前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の上限値を上回ることを条件として前記バッファタンクが流動物の排出を停止すること、
    のいずれか一方又は双方を行うこと、を特徴とする請求項3に記載の流動物吐出システム。
  5. 前記バッファタンクが、流動物を吸引することで、前記バッファタンクの内部に流動物を蓄積可能であり、
    前記流動物の蓄積中に、吐出装置による流動物の吐出が継続されること、を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流動物吐出システム。
  6. 前記バッファタンクへの流動物の蓄積にあたり、
    前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の上限値を上回ることを条件として前記バッファタンクが流動物を吸引すること、及び前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の下限値を下回ることを条件として前記バッファタンクが流動物の吸引を停止すること、
    のいずれか一方又は双方を行うこと、を特徴とする請求項5に記載の流動物吐出システム。
  7. 前記バッファタンクが、流動物を吸引することで、前記バッファタンクの内部に流動物を蓄積可能であるとともに、
    前記ポンプによる流動物の供給を制限する際に、前記バッファタンクが内部に蓄積した流動物を排出することで、前記吐出装置に対する流動物の供給を継続可能であり、
    前記バッファタンクが、流動物の蓄積及び流動物の供給の両方にあたり、前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量に基づいて動作制御されること、を特徴とする請求項1又は2に記載の流動物吐出システム。
  8. 前記バッファタンクが、
    流動物の蓄積にあたり、前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の第一上限値を上回ることを条件として流動物を吸引する動作、及び前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の第一下限値を下回ることを条件として流動物の吸引を停止する動作の少なくとも一方を行うとともに、
    流動物の供給にあたり、前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の第二下限値を下回ることを条件として流動物を排出する動作、及び前記残量把握部によって把握された前記吐出装置における流動物の残量が所定の第二上限値を上回ることを条件として前記流動物の排出を停止する動作、の少なくとも一方を行うこと、を特徴とする請求項7に記載の流動物吐出システム。
  9. 前記バッファタンクが、
    流動物の残量に応じて所定の変動範囲で位置が変動する位置変動部材と、
    前記位置変動部材の位置を検出する検出装置とを備えたものであり、
    前記バッファタンクの容量と、前記位置変動部材の位置との相関関係に基づき、前記バッファタンクにおける流動物の残量を把握可能であること、を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の流動物吐出システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102703520B1 (ko) * 2024-03-25 2024-09-06 (주)이노하이텍 실리콘 분사장치

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