JP2021177827A - シリンジシステム、多血小板血漿を調製する方法 - Google Patents

シリンジシステム、多血小板血漿を調製する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の成分を含有するPRPを調製する。【解決手段】血液から多血小板血漿を調製するためのシリンジシステム(100)であって、第1シリンジ筒(11)を有する第1シリンジ(10)と、第2シリンジ筒(21)を有する第2シリンジ(20)と、液体を処理可能な処理部(51)とを備え、第1シリンジ(10)、処理部(51)、および第2シリンジ(20)は、第1シリンジ筒内、前記処理部内、前記第2シリンジ筒内の順に液体が通過可能に接続可能である。【選択図】図3

Description

本発明は、血液から多血小板血漿を調製するためのシリンジシステム、および多血小板血漿を調製する方法に関する。
多血小板血漿(platelet rich plasma、以下、PRP)を利用した再生医療が注目されている。特許文献1には、全血からPRPを調製するためのシリンジシステムが開示されている。
米国特許出願公開第2015/0209502号明細書(2015年7月30日公開)
白血球に限らず、所望の成分の濃度が異なるPRPを調製できる技術および方法への関心が高まっている。
本開示の一態様は、所望の成分を含有するPRPを調製することが可能な、シリンジシステムおよびPRPの調製方法を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るシリンジシステムは、血液から多血小板血漿を調製するためのシリンジシステムであって、第1シリンジ筒を有する第1シリンジと、第2シリンジ筒を有する第2シリンジと、液体を処理可能な処理部とを備え、前記第1シリンジ、前記処理部、および前記第2シリンジは、前記第1シリンジ筒内、前記処理部内、前記第2シリンジ筒内の順に液体が通過可能に接続可能である。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る多血小板血漿を調製する方法は、第1収容部を備える第1容器、および第2収容部を備える第2容器を含むキットを用いて、多血小板血漿を調製する方法であって、前記第1収容部に血液を収容する血液収容工程と、前記第1収容部内の血液から、血小板および白血球を含む第1液を分離する第1分離工程と、前記第1収容部内の前記第1液の一部の成分に所定の処理を実施して第2液を得る処理工程と、前記第2液を前記第2収容部内に収容する第2収容工程と、を含む。
また、本開示の一態様に係るシリンジシステムについて、下記のように記載することも可能である。
本開示の一態様に係るシリンジシステムは、血液から多血小板血漿を調製するためのシリンジシステムであって、第1シリンジ筒および前記第1シリンジ筒内に位置した第1ガスケットを有する第1シリンジと、前記第1シリンジ筒内で、前記第1ガスケットに接続可能な処理部と、前記処理部に接続可能な第2先端部を有する第2シリンジと、を備える。
本開示の一態様に係るシリンジシステムは、血液から多血小板血漿を調製するためのシリンジシステムであって、第1シリンジ筒および前記第1シリンジ筒内に位置した第1ガスケットを有する第1シリンジと、前記第1ガスケットに挿入可能な第1端と、前記第1端の反対側に位置した第2端を有した、筒状の第1針と、前記第1針の前記第2端に接続可能な処理部と、前記処理部に接続可能な第2先端部を有する第2シリンジと、を備える。
本開示の一態様によれば、所望の成分を含有するPRPを調製することが可能な、シリンジシステムおよびPRPの調製方法を実現することができる。
本開示の実施形態1に係るシリンジシステムを含む調製キットの構成例を示す図である。 第1取付け孔と第2ポートとの接続に採用される構造の一例を示す図である。 図1に示す調製キットを用いて、PRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。 本開示の実施形態2に係るシリンジシステムを含む調製キットの別の構成例を示す図である。 図4に示す調製キットを用いて、PRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。 図4に示す調製キットを用いて、血小板の濃度が高いPRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。 処理部を設ける位置の例を示す図である。 シリンジシステムを含む調製キットを用いて、PRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。 シリンジシステムを含む調製キットを用いて、血小板の濃度が高いPRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、図1を用いて説明する。以下では、血液から多血小板血漿(platelet rich plasma、以下、PRP)を調製するためのシリンジシステム100を例に挙げて説明する。
(シリンジシステム100の構成)
まず、本開示の実施形態1に係るシリンジシステム100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、シリンジシステム100を含む調製キット110の構成例を示す図である。
シリンジシステム100は、第1シリンジ筒11(第1収容部)を有する第1シリンジ10(第1容器)、第2シリンジ筒21(第2収容部)を有する第2シリンジ20(第2容器)、および、液体を処理可能な処理部51、を備えている。
ここで、処理部51が処理可能な液体は、血小板を含む任意の液体であってもよい。一例として、処理部51が処理可能な液体は、(1)血液、(2)骨髄液、(3)血液/骨髄液/脾臓等から採取された血小板を含む液体、および、(4)生体外(in vitro)にて作製された血小板を含む液体、等であってもよい。
図1に示す調製キット110は、第1ポート13(第1先端部)に液密に取付け可能な第1キャップ16、および、第2ポート23(第2先端部)に液密に取付け可能な第2キャップ26をさらに含んでいてもよい。
<第1シリンジ10>
第1シリンジ10は、図1に示すように、第1ポート13を有する第1シリンジ筒11、および第1ガスケット14を備えている。第1シリンジ10は、第1ガスケット14に着脱可能に設けられた第1プランジャ(図示せず)を備えていてもよい。
第1シリンジ筒11は、液体を収容可能である。第1シリンジ筒11は、第1ガスケット14とともに第1シリンジ10の少なくとも一部を構成する。第1シリンジ筒11の一方の端部に第1ポート13が配されている。第1シリンジ筒11の液体を収容する部分は、略筒形状であってもよい。
第1ポート13は、筒形状であり、第1シリンジ筒11の一方の端部に形成されている。第1ポート13の内部空間は、第1シリンジ筒11の内部空間と連通している。第1ポート13は、第1シリンジ筒11内に液体を収容させるための採血チューブ、および注射針(例えば、採血針および骨髄針等)等を取付ける取付け部として機能することも可能であってもよい。例えば、第1ポート13の内側の面には、血液又は骨髄液を採取するための採血チューブ17に形成された雄ネジと螺合する雌ネジが形成されていてもよい。第1ポート13の内側の面に形成されている雌ネジは、後述する第2ポート23の内側の面に形成されている雌ネジ231と同じものであってもよい。
第1ガスケット14は、第1シリンジ筒11内に位置し、該第1シリンジ筒11内を往復移動される。第1ガスケット14には、第1プランジャを取付け可能な第1取付け孔141が形成されている。第1ガスケット14の、第1シリンジ筒11内での往復移動は、例えば、第1プランジャを介して行ってもよい。第1ガスケット14を往復移動させることによって、第1シリンジ筒11内に液体を導入させることができる。
第1取付け孔141には、後述する第2シリンジ筒21が有する第2ポート23を取付けることも可能である。第1取付け孔141には、後述する処理部51を備える処理ユニット50が有する第2連結部53を取付けることも可能である。この場合、第1ガスケット14の、第1シリンジ筒11内での往復移動は、第2ポート23または第2連結部53を介して行ってもよい。
図2は、第1取付け孔141と、第2ポート23との接続に採用される構造の一例を示す図である。第1取付け孔141の内側の面には、図2に示すように、第2ポート23の外側の面に形成された雄ネジ232と螺合する雌ネジ142が形成されていてもよい。これにより、第1ガスケット14と第2シリンジ筒21とを液密に連結させることができる。
第1シリンジ筒11は、液体を収容する収容部として機能する。また、第1シリンジ筒11は、第1ポート13に第1キャップ16を取付ければ、遠心分離容器として機能することも可能である。この際、液体を第1シリンジ筒11内に収容した状態のまま、該液体の遠心分離処理を行っても良いし、第1取付け孔141に第1プランジャ等を取付けた状態で遠心分離を行ってもよい。
第1取付け孔141は第1シリンジ筒11の内と外に貫通していなくても良いが、図2に示すように第1取付け孔141が第1シリンジ筒11の内と外に貫通していてもよい。この場合、第1取付け孔141に第1プランジャ、または第2ポート23を介して第2シリンジ20、などを取付け、第1ポート13に第1キャップ16を取付ければ、第1シリンジ筒11内を密閉することができる。
<第2シリンジ20>
第2シリンジ20は、液体を収容可能である。第2シリンジ20は、図1に示すように、第2ポート23を有する第2シリンジ筒21、および第2ガスケット24を備えている。第2シリンジ20は、第2ガスケット24に着脱可能に設けられた第2プランジャ22を備えている。
第2シリンジ筒21は、第2ガスケット24とともに第2シリンジ20の少なくとも一部を構成する。第2シリンジ筒21の一方の端部に第2ポート23が配されている。第2シリンジ筒21の液体を収容する部分は、略筒形状であってもよい。
例えば、第2シリンジ筒21の少なくとも一部の外径は、第1シリンジ筒11の内径よりも小さくてもよい。第2シリンジ20の少なくとも一部は、第1シリンジ筒11内に位置可能である。第2シリンジ筒21の内容積は、第1シリンジ筒11の内容積よりも小さくてもよい。
第2ポート23は、筒形状であり、第2シリンジ筒21の一方の端部に形成されている。第2ポート23の内部空間は、第2シリンジ筒21の内部空間と連通している。第2ポート23は、第2シリンジ筒21内に液体を収容させるための注射針(図示せず)を取付ける取付け部として機能することが可能であってもよい。第2ポート23は、第2シリンジ筒21内と液体を収容した他の容器とを液通するように接続させる取付け部として機能することが可能であってもよく、他の容器に収容した液体に接触し液体を吸引する吸引口として機能することが可能であってもよい。例えば、第2ポートの内側の面には、図2に示すように、注射針が有する雄ネジと螺合する雌ネジ231が形成されていてもよい。注射針が有する雄ネジと雌ネジ231は、ルアーロック式(ISO80369−7:2016)で螺合してもよい。
第2ポート23に、後述する処理部51を備える処理ユニット50の第1連結部52を取付けることも可能である。例えば、第2ポート23の内側の面には、第1連結部52の外側の面に形成された雄ネジと螺合する雌ネジ231が形成されていてもよい。
第2ポート23の内側の面に形成されている雌ネジ231が、第2シリンジ筒21内に液体を収容したり、第2シリンジ筒21内から液体を放出させたりするための注射針が有する雄ネジと螺合可能であってもよい。この場合、第2ポート23は、注射針を取付ける取付け部として機能することも可能である。
第2ガスケット24は、第2シリンジ筒21内に位置し、該第2シリンジ筒21内を往復移動される。第2ガスケット24を往復移動させることによって、第2シリンジ筒21内に液体を導入させることができる。第2ガスケット24には、第2プランジャ22を取付け可能な第2取付け孔(図示せず)が形成されていてもよい。第2ガスケット24の、第2シリンジ筒21内での往復移動は、第2プランジャ22を介して行われる。
第2シリンジ筒21は、液体を収容する収容部として機能する。また、第2シリンジ筒21は、第2ポート23に第2キャップ26を取付ければ、遠心分離容器として機能することも可能である。すなわち、第2シリンジ筒21に液体を収容した状態のまま、該液体の遠心分離処理を行うことができる。
第2取付け孔は第2シリンジ筒21の内と外に貫通していなくても良いが、貫通していてもよい。第2取付け孔が第2シリンジ筒21の内と外に貫通している場合、第2取付け穴に、例えば第2プランジャ22を取付け、第2ポート23に第2キャップ26を取付ければ、第2シリンジ筒21内を密閉することができる。
<処理ユニット50>
処理ユニット50は、図1に示すように、処理部51を備えている。処理ユニット50は、さらに、第1連結部52および第2連結部53を有している。
処理部51は、例えば、繊維状物質を有する第1処理部材を有する。第1処理部材は、密度が異なる繊維状物質を積層して成る。処理部51において、繊維状物質は織布として積層していてもよいし、不織布として積層していてもよい。処理部51は、例えば、嵩密度が異なる織布もしくは不織布を複数枚含んでいてもよい。一例として、処理部51は、嵩密度が互いに異なる不織布を積層した積層体である。
繊維状物質としては、高分子材料を用いることができる。高分子材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、およびポリアクリロニトリル等を用いてもよい。あるいは、高分子材料として、これらの混合物や誘導体を用いても良い。
繊維状物質を不織布として積層する場合、不織布の製造には、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、およびスパンレース法などを適用することが可能である。
繊維状物質は、表面の親水性制御や、血球成分の吸着性などを制御する目的で、その方面が改質されていてもよい。表面改質には、例えば、放射線処理、電子線照射、薬品処理、およびコーティングなどの処理を適用してもよい。コーティングにより表面改質を行う場合、コーティング材料としては、例えば、親水性高分子を用いることができ、親水性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびヒドロキシプロピルセルロースなどを用いることができる。
このような第1処理部材を適用することにより、処理部51は、液体が通過する際に、液体に含まれる任意の成分を分画し、所定の成分を選択的に低減または除去することができる。例えば、処理部51は、液体が処理部51を通過する際に、白血球、赤血球、もしくは血小板などを選択的に低減または除去することができる。
処理部51は、粒子状物質を有する第2処理部材を有していてもよい。ここで、粒子状物質としては、例えば、血液などの血小板を含む液体に接したときに、血小板を活性化させる物質を用いることができる。ここで、血小板を活性化させる物質とは、例えば、血小板から成長因子を放出させる物質である。血小板を活性化させる物質としては、例えば、ガラスビーズ、および塩化カルシウムを用いることができる。このような第2処理部材を適用することにより、処理部51は、液体に含まれる成分の一部に作用する所定の処理を施すことが可能である。
なお、処理部51は、第1処理部材または第2処理部材のいずれか一方のみを有していてもよいし、第1処理部材および第2処理部材を有していてもよい。
処理部51は、白血球低減フィルタであってもよく、白血球選択低減フィルタであってもよい。
ここで、「所定の処理」は、一例として、以下に示す処理の少なくとも1つを含んでいてもよい。
・特定の成分(例えば、タンパク質、アミノ酸、脂肪、無機塩等)の選択的追加
・特定の成分(例えば、白血球などの血球成分、タンパク質、アミノ酸、脂肪、無機塩、ウイルス粒子等)の選択的除去または低減
・無細胞化
・脱水。
第1シリンジ筒11は、遠心分離容器として利用され得る。一例として、第1シリンジ筒11に収容された血液(すなわち、全血)は、遠心分離によって、赤血球を主に含む第1画分と、白血球および血小板を含む第2画分(すなわち、whole plasma)とに分離される。本開示において、第2画分の液体であり、かつ、処理部51を通過する前の液体を「第1液」と記す場合がある。
第2シリンジ筒21も、遠心分離容器として利用され得る。一例として、第2シリンジ筒21に収容された第2画分の液体は、遠心分離によって、血小板の濃度が高い第3画分(すなわち、PRPを含む)と、血小板の濃度が低い第4画分(すなわち、platelet poor plasma、以下、PPP)とに分離される。本開示において、第3画分の液体を「第3液」、第4画分の液体を「第4液」と記す場合がある。
液体中の各血液成分の濃度の指標としては、例えば、単位体積当たりの所定の成分の個数(個/μL)を用いることが可能である。液体中の各血液成分は、例えば、フローサイトメトリー法で測定されていればよい。本開示において、特に比較対象を挙げずに各血液成分の濃度が高いまたは低いと記載する場合、全血と比較して、各血液成分の濃度が高いまたは低いことを意味している。例えば、「白血球の濃度が高い」という記載は、全血と比較して白血球の濃度が高いことを意味し、「白血球の濃度が低い」という記載は、全血と比較して白血球の濃度が低いことを意味している。本開示において、PRPは、全血と比較して血小板の濃度が高い液体を意味している。本開示において、PRPは、全血と比較して血小板から放出された成長因子の濃度が高い液体を意味していてもよい。
第1連結部52は、筒形状であり、処理部51を通過した液体が排出可能な任意の位置(第1位置)に形成されている。一方、第2連結部53は、筒形状であり、処理部51に液体が吸入可能な任意の位置(第2位置)に形成されている。図1には、第1連結部52と第2連結部53とが、互いに処理部51を挟んで反対側に形成されている処理ユニット50を示している。しかし、第2連結部53から処理部51内へ吸入した液体が、第1連結部52から処理部51外へ排出されるように構成されていればよく、第1連結部52と第2連結部53との配置はこれに限定されない。
例えば、第1連結部52の外側の面に、第2ポート23の内側の面に形成されている雌ネジ231と螺合する雄ネジが形成されていてもよい。これにより、処理ユニット50は、第1連結部52を介して第2シリンジ筒21と液密に連結可能である。第1連結部52の外側の面に形成されている雄ネジは、注射針が有する雄ネジと同じものであってもよい。第1連結部52の外側の面に形成されている雄ネジと雌ネジ231はルアーロック式(ISO80369−7:2016)で螺合してもよい。
また、第2連結部53の外側の面に、第1取付け孔141の外側の面に形成されている雌ネジと螺合する雄ネジが形成されていてもよい。これにより、処理ユニット50は、第2連結部53を介して第1ガスケット14と液密に連結可能である。第2連結部53の外側の面に形成されている雄ネジは、第2ポート23の外側の面に形成されている雄ネジ232と同じものであってもよい。
処理部51は、第1シリンジ筒11内に位置可能であってもよい。処理部51は、第1ガスケット14に接続可能である。処理部51の形状は、任意であってもよい。例えば、処理部51が円盤形状である場合、その外径は、第1シリンジ筒11の内径よりも小さい。これにより、第1ガスケット14に処理ユニット50を連結した場合、処理部51が第1ガスケット14と共に第1シリンジ筒11内に進入可能である。
第1ガスケット14と処理ユニット50とを連結し、処理ユニット50と第2シリンジ筒21とを連結すれば、第1シリンジ10、処理部51、および第2シリンジ20は、液体が、第1シリンジ筒11内、処理部51内、第2シリンジ筒21内の順に通過可能に接続可能となる。これにより、液体に対して円滑に所定の処理(例えば、白血球除去等)を施すことができる。
(調製キット110を用いたPRPの調製方法)
続いて、調製キット110を用いてPRPを調製する処理について、図3を用いて説明する。図3は、図1に示す調製キット110を用いて、血液からPRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。
状態<1>
第1シリンジ筒11の第1ガスケット14に、処理ユニット50の第2連結部53がねじ込まれ、第1ガスケット14と、処理ユニット50とが接続される。また、処理ユニット50の第1連結部52が第2シリンジ筒21の第2ポート23にねじ込まれ、処理ユニット50と第2シリンジ20とが接続される。さらに、第1ポート13に採血チューブ17が接続される。そして、採血チューブ17の、第1ポート13と連結していない方の先端(図示せず)の採血針の先が血管に挿入される。
状態<2>(血液収容工程)
第1ガスケット14に連結された、処理ユニット50および第1シリンジ10が、第1ガスケット14を第1シリンジ筒11内から引き抜く方向に引かれる。その結果、第1ガスケット14が移動し、血液が採血チューブ17を介して第1シリンジ筒11内に収容される。このとき、第2シリンジ筒21が第1ガスケット14を移動させるためのプランジャとしての役目を果たす。
所定量の血液が第1シリンジ筒11内に収容された後、採血チューブ17は、第1ポート13から取り外され、代わりに第1キャップ16が第1ポート13に取付けられる。
状態<3>(第1分離工程)
第1ポート13に第1キャップ16が取付けられた後、第1シリンジ筒11を遠心分離容器として用い、第1ガスケット14側から第1ポート13側に向かう遠心力を利用した遠心分離処理を行うことによって、血液は、赤血球を主に含む第1画分と、白血球および血小板を含む第1液とに分離される。
状態<4>(処理工程)
第2ガスケット24に連結された第2プランジャ22が、第2ガスケット24を第2シリンジ筒21内から引き抜く方向に引かれる。その結果、第2ガスケット24が移動し、第1液が処理部51を介して、第2シリンジ筒21内に収容される。
このとき、液体は、第1シリンジ筒11内、処理部51内、第2シリンジ筒21内の順に通過する。処理部51は、第1液が処理部51内を通過する間に、第1液に所定の処理を実施し、第1液に所定の処理が施された第2液が、第2シリンジ筒21内に収容される。ここで、第1液は所定の処理が施される前の第2画分の液体を意図しており、第2液とは、所定の処理が施された後の第2画分の液体を意図している。
このように、シリンジシステム100を用いれば、第1シリンジ筒11内の第1液を、第2シリンジ筒21内に移動させる際に、第1液に対して所定の処理を実施し、第2シリンジ20内に第2液を収容することができる。
血小板の濃度が高濃縮されると、血小板を含む液体の粘度は高くなる。粘度が高くなってから処理部51を通過させるには、粘度が低い場合と比較して、高い圧力が必要となる。高い圧力が加えられた状態で血小板を含む液体が処理部51を通過する場合、血小板を含む液体内の成分は損傷する可能性がある。また血小板の濃度が高濃縮された状態で、液体を処理部51に通過させる場合、処理部51等に残留する液中の血小板の濃度が高いことにより、血小板の濃度が低い液体を用いる場合と比較して、より多くの血小板が処理部51等に残留し無駄になってしまう。シリンジシステム100を用いたPRP調製では、白血球および血小板の含有量(濃度)が低く、粘度も高くない第1液のうちに、処理部51に通過させる。これにより、損傷の少ない血小板を含み、かつ所望の成分を含有するPRPを調製することができる。なお、ここでいう血小板の濃度が高濃縮された状態とは、例えば、血小板の濃度が、全血と比較して3倍よりも高い状態が挙げられる。
状態<5>
第1ガスケット14から第2ポート23が取り外され、第2ポート23に第2キャップ26が取付けられる。処理部51として白血球除去フィルタが適用された場合、第2シリンジ筒21には、第2液として、白血球濃度が低いPRPが収容されている。
第2ポート23から第2キャップ26を取り外し、第2ポート23に注射針(図示しない)を取付け、白血球濃度が低いPRPを患者の患部に投与してもよい。
〔実施形態2〕
本開示の一実施形態について、図4〜図6を用いて説明する。説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
以下、血液からPRPを調製するためのシリンジシステム100aを例に挙げて説明する。図4は、本開示の実施形態2に係るシリンジシステム100aを含む調製キット110aの構成例を示す図である。図5および図6は、図4に示す調製キット110aを用いて、PRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。
調製キット110aは、第1シリンジ10、第2シリンジ20および第3シリンジ30を組合せたシリンジユニット、および、処理ユニット50、を含んでいる。調製キット110aは、第2ガスケット24に取付け可能であり、第2プランジャとして機能する予備プランジャ42を含んでいてもよい。
(シリンジシステム100aの構成)
シリンジシステム100aは、第3シリンジ筒31(第3容器)を有する第3シリンジ30(第3収容部)をさらに有している点で、シリンジシステム100と異なっている。
第3シリンジ筒31は、液体を収容可能である。第3シリンジ筒31は、第3ガスケット34とともに第3シリンジ30の少なくとも一部を構成する。第3シリンジ筒31の一方の端部に第3ポート33(第3先端部)が配されている。第3シリンジ筒31の液体を収容する部分は、略筒形状であってもよい。
例えば、第3シリンジ筒31の少なくとも一部の外径は、第2シリンジ筒21の内径よりも小さくてもよい。第3シリンジ30は、第2ガスケット24に接続可能な第3ポート33を有している。第3シリンジ30の少なくとも一部は、第2シリンジ筒21内に位置可能である。第3シリンジ筒31の内容積は、第2シリンジ筒21の内容積よりも小さくてもよい。
第3ポート33は、筒形状であり、第3シリンジ筒31の一方の端部に形成されている。第3ポート33の内部空間は、第3シリンジ筒31の内部空間と連通している。第3ポート33は、第3シリンジ筒31内に液体を収容させるための注射針(図示せず)を取付ける取付け部として機能することも可能であってもよい。第3ポート33は、第3シリンジ筒31内と液体を収容した他の容器とを液通するように接続させる取付け部として機能することが可能であっても良く、他の容器に収容した液体に接触し液体を吸引する吸引口として機能することが可能であってもよい。例えば、第3ポートの内側の面には、注射針が有する雄ネジと螺合する雌ネジが形成されていてもよい。このとき、注射針が有する雄ネジと第3ポートの内側の面に形成された雌ネジはルアーロック式(ISO80369−7:2016)で螺合してもよい。
第3ポート33は、例えば、第2ガスケット24に形成されている第2取付け孔241と接続させることが可能である。第3ポート33の外側の面には、第2ガスケット24の第2取付け孔241の内側に形成されている雌ネジと螺合可能な雄ネジが形成されていてもよい。ここで、第3ポート33の内側の面に形成されている雌ネジは、第2ポート23の内側の面に形成されている雌ネジ231と同じものであってもよい。また、第3ポート33の外側の面に形成された雄ネジは、第2ポート23の外側の面に形成されている雄ネジ232と同じものであってもよい。第3ポート33を、第2ガスケット24に形成されている第2取付け孔241と接続させる場合、第2ガスケット24の、第2シリンジ筒21内での往復移動は、第3ポート33を介して行ってもよい。
第3ガスケット34は、第3シリンジ筒31内に位置し、該第3シリンジ筒31内を往復移動される。第3ガスケット34を往復移動させることによって、第3シリンジ筒31内に液体を導入させることができる。第3ガスケット34には、第3プランジャ32を取付け可能な第3取付け孔341が形成されていてもよい。第3ガスケット34の、第3シリンジ筒31内での往復移動は、第3プランジャ32を介して行われる。
(調製キット110aを用いたPRPの調製方法)
続いて、調製キット110aを用いてPRPを調製する処理について、図5および図6を用いて説明する。図5は、図4に示す調製キット110aを用いて、血液からPRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。図6は、図4に示す調製キット110aを用いて、血小板の濃度が高いPRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。
状態<6>
第1シリンジ筒11の第1ガスケット14に、処理ユニット50の第2連結部53がねじ込まれ、第1ガスケット14と、処理ユニット50とが接続される。また、処理ユニット50の第1連結部52が第2シリンジ筒21の第2ポートにねじ込まれ、処理ユニット50と、第2シリンジ20および第3シリンジ30を組合せたシリンジユニットとが接続される。さらに、第1ポート13に採血チューブ17が接続される。そして、採血チューブ17の、第1ポート13と連結していない方の先端(図示せず)の採血針の先が血管に挿入される。
状態<7>(血液収容工程)
第1ガスケット14に連結された、処理ユニット50、および、第2シリンジ20および第3シリンジ30を組合せたシリンジユニットが、第1ガスケット14を第1シリンジ筒11内から引き抜く方向に引かれる。その結果、第1ガスケット14が移動し、血液が採血チューブ17を介して第1シリンジ筒11内に収容される。このとき、第2シリンジ20および第3シリンジ30を組合せたシリンジシステムが第1ガスケット14を移動させるためのプランジャとしての役目を果たす。
所定量の血液が第1シリンジ筒11内に収容された後、採血チューブ17は、第1ポート13から取り外され、代わりに第1キャップ16が第1ポート13に取付けられる。
状態<8>(第1分離工程)
第1ポート13に第1キャップ16が取付けられた後、第1シリンジ筒11を遠心分離容器として用い、第1ガスケット14側から第1ポート13側に向かう遠心力を利用した遠心分離処理を行うことによって、血液は、赤血球を主に含む第1画分と、白血球および血小板を含む第1液とに分離される。
状態<9>(処理工程)
第2ガスケット24に連結された第3シリンジ30(第3シリンジ筒31)が、第2ガスケット24を第2シリンジ筒21内から引き抜く方向に引かれる。その結果、第2ガスケット24が移動し、第1液が処理部51を介して第2シリンジ筒21内に収容される。このとき、第3シリンジ筒31が第2ガスケット24を移動させるためのプランジャとしての役目を果たす。
このとき、液体は、第1シリンジ筒11内、処理部51内、第2シリンジ筒21内の順に通過する。処理部51は、第1液が処理部51内を通過する際に、第1液に所定の処理を実施し、第1液に所定の処理が施された第2液が、第2シリンジ筒21内に収容される。
このように、シリンジシステム100を用いれば、第1シリンジ筒11内の第1液を、第2シリンジ筒21内に移動させる際に、第1液に対して所定の処理を実施し、第2シリンジ20内に第2液を収容することができる。
状態<10>
第1ガスケット14および処理ユニット50から、第2シリンジ20および第3シリンジ30を組合せたシリンジシステムが取り外された後、第2キャップ26が第2ポート23に取付けられる。
状態<11>(第2分離工程)
第2ポート23に第2キャップ26が取付けられた後、第2シリンジ筒21を遠心分離容器として用い、第2ガスケット24側から第2ポート23側に向かう遠心力を利用した遠心分離処理を行うことによって、第2液は、PRPを含む第3液と、PPPを含む第4液とに分離される。
状態<12>
第3ガスケット34に連結された第3プランジャ32が、第3ガスケット34を第3シリンジ筒31内から引き抜く方向に引かれる。その結果、第3ガスケット34が移動し、第4液が第3シリンジ筒31内に収容される。
状態<13>
第2シリンジ筒21内には、第3液が残存している。第2ガスケット24から第3シリンジ30が取り外され、代わりに、予備プランジャ42が第2ガスケットに取付けられる。例えば、第2シリンジ筒21内の第3液を、予備プランジャ42を用いて第2シリンジ筒21内から排出させることができる。
このように、第1液に対して2回目の遠心分離を実施することによって、血小板の濃度がさらに高められたPRPを含む第3液を調製することができる。
なお、第2分離工程において、第2ポート23側から第2ガスケット24側に向かう遠心力を利用した遠心分離処理を行ってもよく、この場合、第2液は、PRPを含む第4液と、PPPを含む第3液とに分離される。
〔変形例〕
図5の状態<6>において、第1ガスケット14と第2ポート23とを直接接続してもよい。この場合、第1液は、処理部51内を通過しない。
処理部51が白血球除去フィルタである場合、処理部51を通過していない第1液には白血球が含まれている。そのため、得られる第3液は白血球の濃度が高いPRPとなる。このように、調製キット110aを用いてPRPを調製する場合、処理ユニット50を適用するか否かに応じて、所望の成分を含有するPRPを調製することができる。
例えば、処理部51が白血球除去フィルタである場合、処理ユニット50を適用すれば、白血球の濃度が低いPRPが調製でき、処理ユニット50を適用しなければ、白血球の濃度が低いPRPが調製できる。
〔実施形態3〕
上述の実施形態では、処理部51が処理ユニット50に備わっている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。ここでは、図7を用いて、処理部51を設けることが可能な位置の例をいくつか説明する。図7は、処理部51を設ける位置の例を示す図である。
図7では、図3の状態<1>に示された構成を用いて、処理部51の位置を示しているが、図5の状態<6>に示された構成においても同様である。
<状態1a>
処理部51は、第1ガスケット14の第1取付け孔141内に設けられている。この場合も、図3の状態<4>において、第1液は、第1シリンジ筒11内、処理部51内、第2シリンジ筒21内の順に通過する。
<状態1b>
処理部51は、第1ガスケット14の第1ポート13(第1先端部)に近い側に設けられている。この場合も、図3の状態<4>において、第1液は、第1シリンジ筒11内、処理部51内、第2シリンジ筒21内の順に通過する。
<状態1c>
処理部51は、第2シリンジ筒21内の第2ポート23(第2先端部)に近い側に設けられている。この場合も、図3の状態<4>において、第1液は、第1シリンジ筒11内、処理部51内、第2シリンジ筒21内の順に通過する。
〔実施形態4〕
上述の実施形態では、第2シリンジ20の少なくとも一部が、第1シリンジ筒11内に位置可能なシリンジシステム100、100aを含む調製キット110、110aを用いてPRPを調製する場合を例に挙げて説明した。しかし、第2シリンジ70が第1シリンジ筒61内に位置可能ではないシリンジシステム600を含む調製キット610を用いて、PRPを調製することも可能である。
以下、シリンジシステム600を適用してPRPを調製する場合について、図8および図9を用いて説明する。説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(シリンジシステム600の構成)
本実施形態に係るシリンジシステム600は、第1シリンジ筒61を有する第1シリンジ60、第2シリンジ筒71を有する第2シリンジ70、液体を処理可能な処理部51、および筒状の第1針90を備えている。
前記第1シリンジ60は、第1シリンジ筒61内に位置した第1ガスケット64を有している。第1針90は、第1ガスケット64に挿入可能な第1端91と、第1端91の反対側に位置した第2端92を有している。処理部51は、第1針90の第2端92に接続可能である。
すなわち、第1シリンジ60、処理部51、および第2シリンジ70は、第1シリンジ筒61内、処理部51内、第2シリンジ筒71内の順に液体が通過可能に接続可能である。
なお、図8に示すシリンジシステム600は、第1針ガイド65、第1キャップ66、および第2キャップ76をさらに備えている。
(シリンジシステム600を用いたPRP調製方法)
続いて、調製キット610を用いてPRPを調製する処理について、図8を用いて説明する。図8は、シリンジシステム600を含む調製キット610を用いて、血液からPRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。
状態<I>(血液収容工程)
まず、第1シリンジ筒61の第1ポート63(第1先端部)に採血チューブ17が接続される。そして、採血チューブ17の、第1ポート63と連結していない方の先端(図示せず)の採血針の先が血管に挿入される。
第1プランジャ62が、第1ガスケット64を第1シリンジ筒61内から引き抜く方向に引かれる。その結果、第1ガスケット64が移動し、血液が採血チューブ17を介して第1シリンジ筒61内に収容される。
状態<II>
所定量の血液が第1シリンジ筒61内に収容された後、採血チューブ17は、第1ポート63から取り外され、代わりに第1キャップ66が第1ポート63に取付けられる。
状態<III>
次に、第1プランジャ62が第1ガスケット64から取り外される。
状態<IV>(第1分離工程)
第1シリンジ筒61を遠心分離容器として用い、第1ガスケット64側から第1ポート63側に向かう遠心力を利用した遠心分離処理を行うことによって、血液は、赤血球を主に含む第1画分と、白血球および血小板を含む第1液とに分離される。
状態<V>
第1ガスケット64に第1針ガイド65が取付けられる。
状態<VI>
第2シリンジ70の第2ポート73(第2先端部)に、処理部51を備える処理ユニット50aの第3連結部52aが液密に取付けられる。処理ユニット50aの第4連結部53aと第1針90の第2端92とが接続される。これにより、第2シリンジ筒71に処理部51と第1針90とが取付けられる。
また、第1ガスケット64には、第1針ガイド65が取付けられる。
状態<VII>(処理工程)
第1針90は、第1ガスケット64に挿入可能な第1端91と、第1端91の反対側に位置した第2端92を有している。第1針90の第1端91は、第1針ガイド65に設けられた第1ガイド孔651に挿入される。第1ガイド孔651を通過した第1端91は、第1ガスケット64を穿刺して、第1シリンジ筒61内の内部空間に到達する。
第2プランジャ72が、第2ガスケット74を第2シリンジ筒71内から引き抜く方向に引かれる。その結果、第2ガスケット74が移動し、第1液が処理部51内を通過する。第1液が処理部51内を通過する際に所定の処理が施されることにより、第2液が得られる。第2液は、第2シリンジ筒71内に収容される。
第1液を取り出された第1シリンジ筒61には、赤血球を主に含む第1画分が残る。
状態<VIII>
第2液が収容された第2シリンジ筒71から第1針90が取り外され、第2シリンジ筒71の第2ポート73に第2キャップ76が取付けられる。
このように、シリンジシステム600を用いれば、第1シリンジ筒61内の第1液を、第2シリンジ筒71内に移動させる際に、第1液に対して所定の処理を実施し、第2シリンジ内に第2液を収容することができる。
シリンジシステム600は、筒状の第2針93、および第3シリンジ80をさらに有していてもよい。この場合、第2針93は、第2シリンジ筒71内に位置した第2ガスケット74に挿入可能な第3端95と、第3端95の反対側に位置した第4端94を有している。第3シリンジ80は、第2ガスケット74に接続可能な第3ポート83(第3先端部)を有している。この構成を採用したシリンジシステム600を用いれば、血小板の濃度が高いPRPを調製することができる。
図9は、シリンジシステム600を用いて、血小板の濃度が高いPRPを調製する処理の流れの一例を示す図である。なお、図9に示すシリンジシステム600は、第2針ガイド75、および第3キャップ86をさらに備えている。
状態<VIII>において、第2ガスケット74から第2プランジャ72が取り外される。
状態<IX>(第2分離工程)
第2シリンジ筒71を遠心分離容器として用い、第2ガスケット74側から第2ポート73側に向かう遠心力を利用した遠心分離処理を行うことによって、第2液は、PRPを含む第3液と、PPPを含む第4液とに分離される。
状態<X>
第2ガスケット74に第2針ガイド75が取付けられる。
状態<XI>
第3シリンジ80の第3ポート83は第4端94に接続可能であり、第3ポート83に第2針93が取付けられる。
また、第2ガスケット74には、第2針ガイド75が取付けられる。
状態<XII>
第2針93は、第2ガスケット74に挿入可能な第3端95と、第1端95の反対側に位置した第2端94を有している。第2針93の第1端95は、第2針ガイド75に設けられた第2ガイド孔751に挿入される。第2ガイド孔751を通過した第3端95は、第2ガスケット74を穿刺して、第2シリンジ筒71内の内部空間に到達する。
第3プランジャ82が、第3ガスケット84を第3シリンジ筒81内から引き抜く方向に引かれる。その結果、第3ガスケット84が移動し、第4液が第3シリンジ筒81内に収容される。
第4液を取り出された第2シリンジ筒71内には、第3液が残存している。第2ガスケットに第2プランジャ72が取付けられる。第2シリンジ筒71内の第3液を、第2プランジャ72を用いて第2シリンジ筒71内から排出させることができる。
このように、第1液に対して2回目の遠心分離を実施することによって、血小板の濃度がさらに高められたPRPを含む第3液を調製することができる。
〔変形例〕
図8の状態<VI>において、第2シリンジ70の第2ポート73と第1針90の第2端92とを直接接続してもよい。この場合、第1液は、処理部51内を通過しない。
処理部51が白血球除去フィルタである場合、処理部51を通過していない第1液には白血球が含まれている。そのため、得られる第3液は白血球の濃度が高いPRPとなる。このように、調製キット610を用いてPRPを調製する場合、処理ユニット50aを適用するか否かに応じて、所望の成分を含有するPRPを調製することができる。
例えば、処理部51が白血球除去フィルタである場合、処理ユニット50aを適用すれば、白血球の濃度が低いPRPが調製でき、処理ユニット50aを適用しなければ、白血球の濃度が高いPRPが調製できる。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
10、60 第1シリンジ(第1容器)
11、61 第1シリンジ筒(第1収容部)
13、63 第1ポート(第1先端部)
14、64 第1ガスケット
16、66 第1キャップ
17 採血チューブ
20、70 第2シリンジ(第2容器)
21、71 第2シリンジ筒(第2収容部)
22 第2プランジャ
23、73 第2ポート(第2先端部)
24、74 第2ガスケット
26、76 第2キャップ
30、80 第3シリンジ(第3容器)
31、81 第3シリンジ筒(第3収容部)
32、82 第3プランジャ
33、83 第3ポート(第3先端部)
34 第3ガスケット
42 予備プランジャ
50、50a 処理ユニット
51 処理部
52 第1連結部(雄ネジ)
52a 第3連結部
53 第2連結部
53a 第4連結部
62 第1プランジャ
65 第1針ガイド
75 第2針ガイド
86 第3キャップ
90 第1針
91 第1端
92 第2端
93 第2針
94 第4端
95 第3端
100、100a、600 シリンジシステム
110、110a、610 調製キット
141 第1取付け孔
142 雌ネジ
231 雌ネジ
232 雄ネジ
241 第2取付け孔
651 第1ガイド孔
751 第2ガイド孔

Claims (18)

  1. 血液から多血小板血漿を調製するためのシリンジシステムであって、
    第1シリンジ筒を有する第1シリンジと、第2シリンジ筒を有する第2シリンジと、液体を処理可能な処理部とを備え、
    前記第1シリンジ、前記処理部、および前記第2シリンジは、前記第1シリンジ筒内、前記処理部内、前記第2シリンジ筒内の順に液体が通過可能に接続可能である、
    シリンジシステム。
  2. 前記処理部は、前記第1シリンジ筒内に位置可能であり、
    前記第2シリンジの少なくとも一部は、前記第1シリンジ筒内に位置可能である、
    請求項1に記載のシリンジシステム。
  3. 前記第2シリンジ筒の内容積は、前記第1シリンジ筒の内容積よりも小さい、
    請求項1または2に記載のシリンジシステム。
  4. 前記第1シリンジは、前記第1シリンジ筒内に第1ガスケットをさらに有しており、
    前記処理部は、前記第1ガスケットに接続可能である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のシリンジシステム。
  5. 第3シリンジ筒を有する第3シリンジをさらに備え、
    前記第3シリンジは、前記第2シリンジ筒内、前記第3シリンジ筒内の順に液体が通過可能に接続可能である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のシリンジシステム。
  6. 前記第3シリンジの少なくとも一部は、前記第2シリンジ筒内に位置可能である、
    請求項5に記載のシリンジシステム。
  7. 前記第2シリンジは、前記第2シリンジ筒内に第2ガスケットをさらに有しており、
    前記第3シリンジは、前記第2ガスケットに接続可能な第3先端部を有している、請求項5または6に記載のシリンジシステム。
  8. 前記第3シリンジ筒の内容積は、前記第2シリンジ筒の内容積よりも小さい、
    請求項5から7のいずれか1項に記載のシリンジシステム。
  9. 筒状の第1針をさらに有しており、
    前記第1シリンジは、前記第1シリンジ筒内に位置した第1ガスケットをさらに有しており、
    前記第1針は、前記第1ガスケットに挿入可能な第1端と、前記第1端の反対側に位置した第2端を有し、
    前記処理部は、前記第2端に接続可能である、
    請求項1に記載のシリンジシステム。
  10. 前記処理部は、繊維状物質を有する第1処理部材を有する、
    請求項1から9のいずれか1項に記載のシリンジシステム。
  11. 前記処理部は、白血球除去フィルタである、
    請求項1から10のいずれか1項に記載のシリンジシステム。
  12. 前記処理部は、粒子状物質を有する第2処理部材を有する、
    請求項1から11のいずれか1項に記載のシリンジシステム。
  13. 血液から多血小板血漿を調製するためのシリンジシステムであって、
    第1シリンジ筒および前記第1シリンジ筒内に位置した第1ガスケットを有する第1シリンジと、
    前記第1シリンジ筒内で、前記第1ガスケットに接続可能な処理部と、
    前記処理部に接続可能な第2先端部を有する第2シリンジと、を備える、
    シリンジシステム。
  14. 血液から多血小板血漿を調製するためのシリンジシステムであって、
    第1シリンジ筒および前記第1シリンジ筒内に位置した第1ガスケットを有する第1シリンジと、
    前記第1ガスケットに挿入可能な第1端と、前記第1端の反対側に位置した第2端を有する筒状の第1針と、
    前記第1針の前記第2端に接続可能な処理部と、
    前記処理部に接続可能な第2先端部を有する第2シリンジと、を備える、
    シリンジシステム。
  15. 第3シリンジ筒を有する第3シリンジと、
    筒状の第2針と、をさらに有しており、
    前記第2シリンジは、前記第2シリンジ筒内に位置した第2ガスケットをさらに有しており、
    前記第2針は、前記第2ガスケットに挿入可能な第3端と、前記第3端の反対側に位置した第4端を有し、
    前記第3シリンジは、前記第2ガスケットに接続可能な第3先端部を有している、
    請求項14に記載のシリンジシステム。
  16. 第1収容部を備える第1容器、および第2収容部を備える第2容器を含むキットを用いて、多血小板血漿を調製する方法であって、
    前記第1収容部に血液を収容する血液収容工程と、
    前記第1収容部内の血液から、血小板および白血球を含む第1液を分離する第1分離工程と、
    前記第1収容部内の前記第1液の一部の成分に所定の処理を実施し第2液を得る処理工程と、
    前記第2液を前記第2収容部内に収容する第2収容工程と、を含む、
    多血小板血漿を調製する方法。
  17. 前記第2収容部内の前記第2液から、多血小板血漿を含む第3液を分離する第2分離工程を、さらに含む、
    請求項16に記載の多血小板血漿を調製する方法。
  18. 前記キットは、第3収容部を備える第3容器をさらに含み、
    前記第2分離工程後に、前記第2収容部内から、前記第3液と分離した第4液を、前記第3収容部に収容する第2収容工程をさらに含む、
    請求項17に記載の多血小板血漿を調製する方法。
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