(実施形態1)
(1)概要
まず、本実施形態に係る一斉放送システム100の概要について説明する。
本実施形態に係る一斉放送システム100は、図3に示すように、第1通信部101と第2通信部102とを備えている。
第1通信部101は、1以上の集合施設2に導入される1以上のインターホンシステム10(図2参照)のうち、一斉放送の対象となる集合施設2の少なくとも一部の集合施設2のインターホンシステム10に対して、外部ネットワークNT1を介して通信する。
ここでいう「1以上の集合施設2」は、例えば、ある管理人20(図1参照)が管理業務を担当する管理対象である。そして、管理業務には、一斉放送業務が含まれる。管理人20が担当する管理対象は、一例としてA市、及びB市にわたる合計6つの集合施設2(2A〜2F)である。ただし、管理対象の数は、管理人によって異なり得るもので、管理人20とは別の管理人の管理対象は、1つの集合施設2のみの場合もある。
また本開示の「1以上の集合施設2」は、一例として、全てマンション等の集合住宅を想定する。しかし、本開示の「1以上の集合施設2」は、住宅に限定されず、非住宅の集合施設を含んでもよい。例えば、「1以上の集合施設2」は、住宅の集合施設と非住宅の集合施設とを混在して含んでもよいし、全て非住宅の集合施設でもよい。また或いは「1以上の集合施設2」は、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の、複合型の集合施設を含んでもよい。
特定事象が発生すると、管理人20は、一斉放送業務を遂行する。特定事象は、集合施設2を管理人20にとって、集合施設2の利用者(ここでは住人)に、その発生を伝えるべき事象であれば、特に限定されない。ここでは特定事象は、台風、地震、津波等の、比較的広範囲にわたる集合施設2の利用者に、その発生に関連するアナウンスを伝えるべき事象を想定する。ただし、特定事象は、火災、ガス漏れ、及び水漏れ等に関する事象も含み得る。また特定事象は、防災訓練、設備異常、及びその他のイベント(近隣地域で催されるイベント等)に関する事象を含み得る。「特定事象の発生」は、特定事象が発生したという実績に限定されず、将来的に発生するであろうという予告も含む。
本実施形態では、一斉放送の対象となる全ての集合施設2のインターホンシステム10に対して外部ネットワークNT1を介して通信する。ただし、次の実施形態(実施形態2)で説明するように、一斉放送の対象となる集合施設2のうち、一部の集合施設2のインターホンシステム10に対して、外部ネットワークNT1ではなくローカルネットワークを介して通信することもある。
第2通信部102は、情報端末3と通信する。第2通信部102は、情報端末3から、少なくとも一部の集合施設2に対する一斉放送の要求を受信する。以下では一例として、情報端末3は、管理人20が所有する携帯型の情報端末を想定する。
第1通信部101は、一斉放送の要求の受信に応じて、少なくとも一部の集合施設2のインターホンシステム10に対して、一斉放送の実施に関する実施情報D1を送信する。実施情報D1は、一斉放送によって通知される内容(放送データ)を含み得る。各インターホンシステム10は、例えば、実施情報D1を受信して一斉放送の実行を開始する。
この構成によれば、情報端末3からの一斉放送の要求の受信に応じて、実施情報D1が、各集合施設2のインターホンシステム10に送信される。そのため、一人の管理人20が情報端末3を用いて1以上の集合施設2を対象とした一斉放送業務を遂行するということが容易に実現可能となる。結果的に、一斉放送システム100には、一斉放送に関する利便性の向上を図ることができる、という利点がある。
また本実施形態に係る一斉放送方法は、第1通信ステップと、第2通信ステップとを有する。第1通信ステップでは、一斉放送の対象となる集合施設2の少なくとも一部の集合施設2のインターホンシステム10に対して、外部ネットワークNT1を介して通信する。第2通信ステップでは、情報端末3と通信する。第2通信ステップでは、情報端末3から、少なくとも一部の集合施設2に対する一斉放送の要求を受信する。第1通信ステップでは、一斉放送の要求の受信に応じて、少なくとも一部の集合施設2のインターホンシステム10に対して、一斉放送の実施に関する実施情報D1を送信する。この構成の一斉放送方法においても、一斉放送に関する利便性の向上を図ることができる、という利点がある。なお、上述の一斉放送システム100は、本実施形態に係る一斉放送方法を具現化する一態様である。
また本実施形態に係る制御方法は、情報端末3の制御方法である。制御方法は、一斉放送の対象となる集合施設2の少なくとも一部の集合施設2のインターホンシステム10に対する一斉放送の要求を送信する送信ステップを有する。この構成の制御方法においても、一斉放送に関する利便性の向上を図ることができる、という利点がある。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る一斉放送システム100、インターホンシステム10、及び情報端末3の全体構成について、図1〜図9Bを参照しながら詳しく説明する。
(2.1)前提
まず集合施設2について説明する。図1に示すように、本実施形態では、複数(ここでは6つ)の集合施設2が、管理人20が担当する管理対象であることを想定する。本開示でいう「管理人」は、管理対象の集合施設2の管理を行う者であって、警備を兼ねた守衛等を含み、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。
インターホンシステム10が適用される「1つの集合施設2」は、複数の施設の集合体であって、1つの建物内に複数の施設が含まれているような建造物を意味する。本開示の「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。つまり、集合施設2は、マンション等の集合住宅であってもよいし、オフィスビル等の非住宅の施設であってもよい。さらに、集合施設2は、上述の通り、複合型の集合施設であってもよい。
本実施形態では一例として、集合施設2が、上述の通り、複数の住戸を含む集合住宅(マンション等)である場合を想定する。集合住宅においては、ロビー(集合玄関)、駐車場、キッズルーム、又は、ごみ収集場等が共用部22(図2参照)となり、複数の住戸のそれぞれが専有部23(図2参照)となる。また本実施形態では一例として、管理人20が、A市及びB市に立設されている6つの集合施設2(2A〜2F)の管理を任された個人である場合を想定する。具体的には、A市内に、管理人20が管理担当する3つの第1〜第3マンションに相当する集合施設2A〜2Cが立設されている。またB市内に、管理人20が管理担当する3つの第4〜第6マンションに相当する集合施設2D〜2Fが立設されている。
ここでは1つの集合施設2が、複数の棟を含む場合を想定する。具体的には、集合住宅としての集合施設2には、1棟、2棟、3棟…というように複数の棟(建物)が含まれていることとする。複数の棟は、例えば敷地内に並んで立設される。しかし、集合施設2の棟数(建物数)は、1つでもよい。
複数(6つ)の集合施設2を管理対象とする管理人20は、各集合施設2の全体、つまり各集合施設2の複数の棟の全てを管理対象としてもよいし、各集合施設2に含まれる複数の棟の少なくとも1つを管理対象としてもよい。
本実施形態では一例として、1つの集合施設2(又は1以上の棟)に、少なくとも1つの管理室21と、少なくとも1つの共用部22と、複数の専有部23と、が含まれていることとする。ここでいう管理室21は、管理対象である集合施設2を管理するための設備(例えば、管理室親機11等)が設置されており、管理人20が、入居者の不在時における来訪者の受付け等の管理業務を行うための場所である。管理室21は、管理事務所及び管理人室等を含む。なお、各集合施設2に、管理室21が設置されていることは必須ではない。
ここで、管理人20は、情報端末3を用いて、複数(6つ)の集合施設2のうち少なくとも1つの集合施設2の遠隔から「一斉放送業務」を遂行できる。本開示でいう「遠隔」とは離れた場所を意味し、例えばA市の集合施設2Aの敷地外のように集合施設2の外部は、集合施設2の遠隔に当たる。すなわち、管理人20は、集合施設2Aの敷地外(例えばB市の集合施設2Dの敷地内)に居ながらにして、集合施設2Aにおける一斉放送業務を遂行できる。
(2.2)インターホンシステムの構成
まずインターホンシステム10の構成について図2を参照して説明する。図2では、集合施設2に含まれる複数の棟のうち、1つの棟に構築されたインターホンシステム10のみを図示している。またそれぞれ住戸からなる複数の専有部23については同様の装置(居室親機12及び居室子機17等)が導入されるが、図2では1つの専有部23(住戸)についてのみ導入される装置を示し、それ以外の専有部23については導入される装置の図示を省略する。
インターホンシステム10は、図2に示すように、管理室親機11と、居室親機12と、ロビーインターホン13と、制御装置14と、居室子機17と、を備えている。また、本実施形態では、インターホンシステム10は、管理室子機15と、通信アダプタ16と、通信アダプタ25と、居室子機17と、感知器18と、カメラ19とを更に備えている。このうち、管理室親機11、管理室子機15及び通信アダプタ16は、管理室21に設置されている。ロビーインターホン13、制御装置14、通信アダプタ25及びカメラ19は、共用部22に設置されている。居室親機12、居室子機17及び感知器18は、各専有部23に設置されている。つまり、複数の専有部23を有する集合施設2においては、インターホンシステム10は、居室親機12、居室子機17及び感知器18を複数台ずつ備えることになる。
さらに、管理室21の扉211(又は扉211に設けられた電気錠)は、管理室親機11と電気的に接続されており、管理室親機11にて制御可能であるので、インターホンシステム10の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム10では、管理室親機11にて、管理室21の扉211の開閉又は施解錠を制御することが可能である。つまり、扉211が自動扉である場合には、管理室親機11は、デフォルトで閉じた状態にある扉211を開放するように扉211を制御できる。
さらには、管理室21の入り口付近に設けられた収納装置212は、管理室親機11と電気的に接続されており、管理室親機11にて制御可能であるので、インターホンシステム10の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム10では、管理室親機11にて、収納装置212の開閉又は施解錠を制御することが可能である。収納装置212は、管理対象(集合施設2)における所定の錠を解錠するための鍵を収納する、キーボックスである。ここでいう「所定の錠」は、例えば、管理対象の所定の空間の出入口の錠である。一例として、収納装置212に収納される鍵は、管理室21の扉211の鍵、共用部22に含まれる共用施設の出入口の鍵、又は、内覧等のために用いられるいずれかの専有部23(住戸)の出入口の鍵等である。つまり、収納装置212に収納されているこれらの鍵を取り出して用いることで、管理対象の所定の空間への出入りが可能になる。
同様に、ロビー(共用部22)の扉221(又は扉221に設けられた電気錠)は、ロビーインターホン13と電気的に接続されており、ロビーインターホン13にて制御可能であるので、インターホンシステム10の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム10では、ロビーインターホン13にて、ロビー(共用部22)の扉221の開閉又は施解錠を制御することが可能である。つまり、扉221が自動扉である場合には、ロビーインターホン13は、デフォルトで閉じた状態にある扉221を開放するように扉221を制御できる。
管理室親機11は、管理室21の室内空間に設置されている。管理室子機15は、管理室親機11と電気的に接続されており、例えば、管理室21の玄関の外に設置される玄関子機である。つまり、管理室親機11と管理室子機15とは、互いに通信(通話を含む)可能に構成されている。さらに、本実施形態では、管理室子機15は撮影部(カメラ)を有しており、管理室子機15の撮影部で撮影された来訪者の画像を管理室親機11にて表示することができる。
ロビーインターホン13は、例えば、集合施設2のロビー等の共用部22において、扉221の外側(集合施設2の外部と通じる側)に設置されている。カメラ19は、例えば、共用部22のうち、ロビー、駐車場、キッズルーム、又は、ごみ収集場等の特定の空間が撮影視野に収まるように、共用部22の適当な位置に設置されている。本実施形態では、カメラ19は、ロビー、駐車場、キッズルーム、及び、ごみ収集場の4カ所に対応するように、4台設置されている。これら複数台(ここでは4台)のカメラ19は、いずれもロビーインターホン13に電気的に接続されている。これにより、ロビーインターホン13では、カメラ19の撮影画像、つまり共用部22を撮影した撮影画像を取得可能である。ここでいう「撮影画像」は、カメラ19にて集合施設2の共用部22を撮影して得られる画像(画像データ)を意味し、動画、静止画及びコマ送りの画像を含む。
居室親機12は、各専有部23(住戸)の室内空間に設置されている。居室子機17は、居室親機12と電気的に接続されており、例えば、各専有部23の玄関の外に設置される玄関子機である。つまり、居室親機12と居室子機17とは、互いに通信(通話を含む)可能に構成されている。さらに、本実施形態では、居室子機17は撮影部(カメラ)を有しており、居室子機17の撮影部で撮影された来訪者の画像を居室親機12にて表示することができる。
管理室親機11、複数台の居室親機12、及びロビーインターホン13は、いずれも制御装置14に対して電気的に接続されている。そのため、管理室親機11と各居室親機12とロビーインターホン13とは、制御装置14を介して互いに通信(通話を含む)可能である。すなわち、管理室親機11と各居室親機12とは互いに通信可能である。さらに、管理室親機11とロビーインターホン13とは互いに通信可能であって、各居室親機12とロビーインターホン13とは互いに通信可能である。
ロビーインターホン13は、管理室親機11又は居室親機12を呼び出すための呼出信号を、管理室親機11又は居室親機12に送信する。さらに、ロビーインターホン13は、撮影部(カメラ)を有しており、ロビーインターホン13の撮影部で撮影された来訪者の画像は、管理室親機11又は居室親機12に送信される。これにより、ロビーインターホン13の撮影部で撮影された来訪者の画像は、管理室親機11又は居室親機12にて表示可能となる。
感知器18は、一例として、火災感知器又はガス感知器等の防災機器である。図2の例では、1つの専有部23に対して1台の感知器18が設置されているが、実際には、1つの専有部23に対して複数台の感知器18が設置されていてもよい。感知器18は、居室親機12と通信可能に構成されている。感知器18は、例えば、火災等の異常の発生を検知すると、居室親機12に報知信号を送信することによって異常の発生を報知する。
また、通信アダプタ16は、管理室親機11に対して電気的に接続されている。通信アダプタ16は、管理室親機11を、インターネット等の集合施設2の外部ネットワークNT1に接続するための装置である。すなわち、インターホンシステム10は、集合施設2内でローカルネットワークを構成するのみならず、通信アダプタ16を介して、インターネット等の外部ネットワークNT1にも接続される。
具体的には、通信アダプタ16は、管理室21に設置されたHUB装置201を介して、インターネット設備202に接続されている。インターネット設備202は、ゲートウェイ203を介して、集合施設2の外部ネットワークNT1に接続されている。さらに、インターネット設備202は、複数の専有部23の各々にも接続可能である。インターネット設備202及びゲートウェイ203は、例えば、集合施設2内のMDF(Main Distribution Frame)室24に設置されている。
また通信アダプタ25は、制御装置14に対して電気的に接続されている。通信アダプタ25は、制御装置14を、外部ネットワークNT1に接続するための装置である。すなわち、インターホンシステム10は、通信アダプタ25を介して、外部ネットワークNT1に接続される。具体的には、通信アダプタ25は、インターネット設備202及びゲートウェイ203を介して、外部ネットワークNT1に接続されている。
このように、インターホンシステム10は、管理室親機11が通信アダプタ16経由で、制御装置14が通信アダプタ25経由で、それぞれ外部ネットワークNT1に接続可能である。そのため、インターホンシステム10は、例えば、外部ネットワークNT1を介して外部のサーバにアクセスし、外部のサーバから情報を取得可能である。
ここで、図1に示すように、外部ネットワークNT1には、一斉放送システム100が接続されている。さらに、外部ネットワークNT1には、管理人20が所有する情報端末3が接続される。具体的には、情報端末3は、例えば、通信事業者が提供する携帯電話網204(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)等を介して外部ネットワークNT1に接続されてもよい。携帯電話網204には、例えば、3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線、4G(第4世代)回線又は5G(第5世代)回線等がある。これにより、情報端末3は、集合施設2の外部であっても、携帯電話網204に接続可能な環境であれば、携帯電話網204を介して外部ネットワークNT1に接続可能となる。
その結果、外部ネットワークNT1には、一斉放送システム100、インターホンシステム10及び情報端末3のいずれもが接続可能となる。したがって、一斉放送システム100とインターホンシステム10と情報端末3とは、外部ネットワークNT1を介して互いに通信(通話を含む)可能である。すなわち、一斉放送システム100とインターホンシステム10とは互いに通信可能である。さらに、一斉放送システム100と情報端末3とは互いに通信可能であって、インターホンシステム10と情報端末3とは互いに通信可能である。さらには、一斉放送システム100が中継装置として機能することで、インターホンシステム10と情報端末3とは、一斉放送システム100を介して間接的に通信することも可能である。
管理室親機11は、入居者の不在時における来訪者の受付け等の管理業務に際して、管理人20が利用する装置である。そのため、管理室親機11は、専有部23に設置された居室親機12とは異なり、管理業務を行う管理人20向けの機能を有している。管理室親機11は、例えば、複数台の居室親機12のうちの任意の居室親機12を呼び出す機能、感知器18の発報状況を確認する機能、及び、カメラ19で撮影された共用部22の撮影画像を表示する機能等を有している。さらに、管理室親機11は、管理室21の扉211及び/又は収納装置212の開閉又は施解錠を制御する機能、及び複数台の居室親機12に対して一斉放送を実行する機能等を有している。
一例として、複数台の居室親機12のうちの任意の居室親機12を呼び出す(管理)機能によれば、管理人20は、集合施設2において、来訪者を任意の入居者(専有部23の居住者)に取り次ぐことができる。また、感知器18の発報状況を確認する機能によれば、管理人20は、集合施設2の発報状況を随時確認することができる。カメラ19で撮影された共用部22の撮影画像を表示する機能によれば、管理人20は、共用部22の様子を随時確認することができる。管理室21の扉211及び/又は収納装置212の開閉又は施解錠を制御する機能によれば、一例として、管理人20は、業者等の来訪時に、来訪者を管理室21に招き入れ、又は収納装置212を開けることで、必要な専有部23の鍵を渡すことが可能になる。複数台の居室親機12に対して一斉に放送する機能によれば、管理人20は、複数人の入居者(専有部23の居住者)に一斉に伝達すべき防災情報等の情報を、まとめて伝達することができる。
このように、管理室親機11は、管理人20による集合施設2の管理業務を支援する機能を1つ以上有している。したがって、インターホンシステム10が導入されている集合施設2に管理室親機11が設置されていれば、管理室親機11を利用することで、管理人20による管理業務がサポートされ、管理人20の負担が軽減され得る。ただし、ここで挙げた管理機能は一例に過ぎず、その他、管理人20による管理業務を支援するような様々な機能が、管理室親機11に備わっていてもよい。
ところで、本実施形態では、一斉放送システム100からの実施情報D1は、通信アダプタ25等を介して、制御装置14で受信される。そして、制御装置14が、受信した実施情報D1に基づいて、インターホン幹線を介して、複数台の居室親機12及び居室子機17に対して(後述する)放送データを送信する。放送データは、管理室親機11にも送信されてもよい。
また実施情報D1は、通信アダプタ16等を介して管理室親機11で受信されて、管理室親機11が、制御装置14及びインターホン幹線を介して、複数台の居室親機12及び居室子機17に対して放送データを送信してもよい。
(2.3)一斉放送システム
次に、本実施形態に係る一斉放送システム100の構成について、図3を参照して説明する。
一斉放送システム100は、複数(ここでは6つ)の集合施設2の外部に設置されたサーバ装置又はクラウドコンピューティング等で実現される。本実施形態では一例として、6つの集合施設2の外部に設置されたサーバ装置が、一斉放送システム100である場合を想定する。一斉放送システム100は、少なくとも通信機能を有しており、上述したように、外部ネットワークNT1に接続されることで、各集合施設2のインターホンシステム10、及び情報端末3の各々と通信可能となる。なお、一斉放送システム100のサーバ装置は、一斉放送に関する管理業務を支援する機能だけでなく、管理人20の種々の管理業務を支援する機能も有していることが好ましい。
一斉放送システム100は、図3に示すように、第1通信部101、第2通信部102、及び処理制御部C1を備えている。
第1通信部101は、外部ネットワークNT1を介して、各集合施設2のインターホンシステム10と通信するための通信インタフェースである。第1通信部101は、一斉放送の要求の受信に応じて、一斉放送の対象となる1又は複数の集合施設2のインターホンシステム10に、一斉放送の実施に関する実施情報D1を送信する(第1通信ステップ)。つまり、一斉放送システム100は、第1通信部101にて、外部ネットワークNT1を介して、一斉放送の対象となる1又は複数の集合施設2のインターホンシステム10に、実施情報D1を含む信号(放送信号Si2:図3参照)を送信することが可能である。
第2通信部102は、外部ネットワークNT1を介して、情報端末3と通信するための通信インタフェースである。第2通信部102は、情報端末3から、1又は複数の集合施設2に対する一斉放送の要求を受信する(第2通信ステップ)。つまり、一斉放送システム100は、第2通信部102にて、外部ネットワークNT1を介して、情報端末3から、一斉放送の要求を示す信号(要求信号Si1:図3参照)を受信することが可能である。
処理制御部C1は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。処理制御部C1では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、処理制御部C1の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理制御部C1は、第1通信部101及び第2通信部102を制御する。また処理制御部C1は、判断部103と設定部104とを含む。言い換えると、処理制御部C1は、判断部103としての機能、及び設定部104としての機能を含む。
判断部103は、警報に関する外部情報に基づいて、1以上の集合施設2から、一斉放送の対象となる集合施設2を判断するように構成される。なお、外部情報についての詳細は、後述する。
設定部104は、一斉放送の対象となる集合施設2に関するグループの設定を行うように構成される。一斉放送システム100では、情報端末3の設定画面への操作入力に応じて、管理人20が管理業務を担当する複数の集合施設2に対して任意にグループの設定を行うことが可能である。例えば、設定部104は、情報端末3から、集合施設2Aと集合施設2Cとを1つのグループとして設定する入力を受け付けると、集合施設2Aと集合施設2Cとが1つのグループであることを示すグループ情報を生成し、メモリに記憶する。情報端末3の後述する放送先選択画面D300にて、グループ指定に対応する放送先オブジェクトB303が選択されると、グループ情報に基づき、設定中のグループが表示される。グループは、集合施設2の単位で組み合わせて設定されることを想定する。ただし、グループは、A市、B市等のエリアの単位で組み合わせて設定されてもよいし、集合施設2の棟単位で組み合わせて設定されてもよい。
(2.4)情報端末の構成
次に、情報端末3の構成について、図1及び図3を参照して説明する。
情報端末3は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。情報端末3では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、情報端末3の各部の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
情報端末3は、管理人20が所有するスマートフォン若しくはタブレット端末等の携帯端末、又はパーソナルコンピュータ等で実現される。本実施形態では一例として、管理人20に携帯されるスマートフォンが情報端末3である場合を想定する。情報端末3は、少なくとも通信機能を有しており、上述したように、携帯電話網204等を介して外部ネットワークNT1に接続されることで、インターホンシステム10及び一斉放送システム100の各々と通信可能となる。
情報端末3は、図3に示すように、表示部31、操作部32及び音声インタフェース33を有している。本実施形態では、上述したように情報端末3は汎用のスマートフォンである。この情報端末3は、専用のアプリケーションソフト(プログラム)をインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、情報端末3として機能する。
表示部31は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)を含んでいる。表示部31は、少なくとも一斉放送システム100からコンテンツとして配信(送信)されるデータを、映像として表示するブラウザとして機能する。
操作部32は、人(管理人20)の操作を受け付けて、人(管理人20)の操作に応じた信号を出力する。本実施形態では情報端末3は汎用のスマートフォンであるので、操作部32は表示部31と一体化され、タッチパネルディスプレイを構成する。タッチパネルディスプレイにおいては、情報端末3は、表示部31に表示される各画面上でのボタン等のオブジェクトの操作(タップ、スワイプ又はドラッグ等)が操作部32で検出されることをもって、ボタン等のオブジェクトが操作されたことと判断する。つまり、表示部31及び操作部32は、各種の表示に加えて、人(管理人20)からの操作入力を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。
音声インタフェース33は、音声入力機能及び音声出力機能を有している。つまり、音声インタフェース33は、マイクロホンにて人(管理人20)の音声を受付け、かつスピーカにて音声を出力する。このような音声インタフェース33により、管理人20においては、情報端末3を用いた通話が可能となる。さらに、音声インタフェース33によれば、管理人20は、音声入力により情報端末3の操作を行うことができ、音声出力により情報端末3から情報の提示を受けることができる。
特に管理人20は、音声インタフェース33を通じて、一斉放送の実施により放送される内容(放送データ)に関する音声入力を行うことが可能である。
(2.5)情報端末の画面
例えば図4Aは、情報端末3でのアプリケーションソフトの起動後に表示されるログイン画面D100を示す。ログイン画面D100は、管理人20の認証を行うための画面である。ログイン画面D100は、図4Aに示すように、タイトル領域R1と、入力領域R101とを含んでいる。タイトル領域R1は、アプリケーションソフトのタイトル等を表示する領域であって、一例として「遠隔管理支援アプリ」という文字列が表示されている。
入力領域R101は、ユーザIDを入力するためのID入力欄C101、パスワードを入力するためのパスワード入力欄C102、及び確定ボタンB101を表示する領域である。確定ボタンB101には「Enter」という文字列が表示されている。ここではユーザID及びパスワードが、ユーザ(管理人20)の識別情報に相当する。
管理人20は、自身に付与されている識別情報(ユーザID及びパスワード)を、ID入力欄C101及びパスワード入力欄C102にそれぞれ入力して確定ボタンB101を操作(タップ)すると、入力された識別情報が一斉放送システム100に送信される。つまり、一斉放送システム100の第2通信部102は、情報端末3から、識別情報を受信する。一斉放送システム100は、受信した識別情報に関する認証処理を実行する。認証に成功すれば、各種の管理業務を支援するためのホーム画面(又はトップ画面)に、画面遷移する。ホーム画面では、例えば、管理人20向けの複数の管理業務にそれぞれ対応付けられている複数の業務オブジェクトが表示される。管理人20は、ホーム画面にて、複数の業務オブジェクトの中から1つを選択する操作(タップ)すると、表示部31に表示される画面は、ホーム画面から、選択された業務オブジェクトに対応する業務画面に遷移する。ここでは、複数の管理業務の1つである一斉放送業務に着目して説明する。
複数の業務オブジェクトは、一斉放送業務という管理業務に対応付けされている「お知らせ送信」という業務オブジェクトを含む。管理人20は、ホーム画面にて「お知らせ送信」という業務オブジェクトを操作(タップ)すると、表示部31に表示される画面は、ホーム画面から、図4Bに示す「種別選択画面D200」に遷移する。
種別選択画面D200は、1又は複数の集合施設2における複数台の居室親機12及び居室子機17に対する一斉放送を実現するための画面である。
種別選択画面D200は、図4Bに示すように、種別選択領域R201を含んでいる。種別選択領域R201には、複数(図4Bの例では4つ)の放送オブジェクトB201〜B204が表示されている。放送オブジェクトB201〜B204の各々は、一斉放送の種別(ここでは一例として「緊急放送」、「一般放送」、「録音放送」及び「管理メッセージ」)に対応付けられている。
種別選択画面D200では、タイトル領域R1に、復帰ボタンB12を含んでいる。復帰ボタンB12には「TOP」という文字列が表示され、復帰ボタンB12が操作(タップ)されると、表示部31に表示される画面は、ホーム画面に遷移する。また種別選択画面D200では、タイトル領域R1に、ログアウトボタンB11を含んでいる。ログアウトボタンB11には「ログアウト」という文字列が表示されている。ログアウトボタンB11が操作(タップ)されると、表示部31に表示される画面は、ログイン画面D100(図4A参照)に遷移する。
種別選択画面D200において複数の放送オブジェクトB201〜B204のいずれかが操作(タップ)されると、これに伴って、表示部31に表示される画面が、図5Aに示す放送先選択画面D300に遷移する。台風、地震又は津波等に関するアナウンスを行う場合、「緊急放送」に対応する放送オブジェクトB201が選択され得る。
放送先選択画面D300は、図5Aに示すように、種別選択画面D200の種別選択領域R201に代えて、放送先選択領域R301を含んでいる。放送先選択領域R301には、複数(図5Aの例では3つ)の放送先オブジェクトB301〜B304が表示されている。複数の放送先オブジェクトB301〜B304は、全指定、エリア指定、グループ指定、及び物件指定(マンション指定)にそれぞれ対応付けられている。ここでは一例として、複数の放送オブジェクトB201〜B204のいずれがタップされても、放送先選択画面D300に画面遷移し、管理人20に対して放送先の選択の催促がなされる。
[全指定]
「全指定」に対応する放送先オブジェクトB301は、一例として、ログイン画面D100に入力された識別情報に対応付けされている全ての集合施設2を一括で指定するためのものである。
ここで一斉放送システム100は、複数の管理人の識別情報と、複数の集合施設2のインターホンシステム10におけるゲートウェイ203の識別情報とが、例えば一対一又は一対多で、それぞれ対応付けされた関係情報を管理(記憶)している。一斉放送システム100は、上記の関係情報に基づき、ログイン画面D100に入力された識別情報に対応する1又は複数の集合施設2を特定可能である。管理人20は、A市、B市にわたる6つの集合施設2の管理を任されているため、関係情報では、管理人20の識別情報は、6つの集合施設2のゲートウェイ203の識別情報と対応付けされている。
放送先選択画面D300において「全指定」に対応する放送先オブジェクトB301が操作(タップ)されると、これに伴って、表示部31に表示される画面が、図5Bに示す放送中画面D400に遷移する。放送中画面D400は、図5Bに示すように、放送先選択画面D300の放送先選択領域R301に代えて、放送状態領域R401を含んでいる。放送状態領域R401には、終了ボタンB401が表示されている。放送中画面D400が表示されると、情報端末3から、管理人20が担当する全ての集合施設2における複数台の居室親機12及び居室子機17に対して放送データが送信される。その結果、放送データが、管理人20が担当する全ての集合施設2における複数台の居室親機12及び居室子機17のスピーカから一斉に出力される。
言い換えると、放送先オブジェクトB301が操作(タップ)されると、情報端末3から、「全指定」を指定した旨を含む一斉放送の要求を示す要求信号Si1が、一斉放送システム100に送信される(送信ステップ)。つまり、放送先オブジェクトB301は、1回のタップ操作により、管理人20が担当する全ての集合施設2に対して一括で一斉放送の要求を行うことができる。一斉放送システム100は、第2通信部102にて要求信号Si1を受信すると、第1通信部101にて、入力された管理人20の識別情報と対応付けされている全ての集合施設2のインターホンシステム10に実施情報D1(放送信号Si2)を送信する。放送信号Si2の送信先は、ログイン画面D100に入力された識別情報と上記の関係情報とに基づいて、決定される。要するに、一斉放送システム100の第1通信部101は、1以上の集合施設2のうち、受信した識別情報に対応する一斉放送の対象となる集合施設2のインターホンシステム10に対して、実施情報D1を送信する。各インターホンシステム10では、制御装置14が放送信号Si2を受信すると、複数台の居室親機12及び居室子機17に、実施情報D1に含まれる放送データを送信する。
例えば種別選択画面D200で「緊急放送」又は「一般放送」が選択されると、「放送データ」は、情報端末3に向けて管理人20が発したリアルタイムな音声データとなる。また例えば種別選択画面D200で「録音放送」が選択されると、「放送データ」は、録音された音声データとなる。つまり、一斉放送システム1の第2通信部102は、情報端末3から、一斉放送に用いられる音声データを受信する。情報端末3から音声データを受信する場合、一斉放送システム100に、テキストデータから音声データへ変換する機能を設ける必要がなくなる。
ただし、第2通信部102は、情報端末3から、一斉放送に用いられるテキストデータを受信してもよい。種別選択画面D200で「管理メッセージ」が選択されると、情報端末3から、テキストデータのメッセージデータが送信される。この場合、一斉放送システム100は、テキストデータから(合成)音声データに変換する機能を有してもよい。情報端末3からテキストデータを受信すると、一斉放送システム100は、テキストデータから音声データに変換して放送データとして各インターホンシステム10に送信する。この場合、情報端末3と一斉放送システム100との間の通信量を低減できる。なお、テキストデータは、各居室親機12の表示部120に表示させてもよい。
放送中画面D400において終了ボタンB401が操作(タップ)されると、これに伴って、情報端末3と各居室親機12及び各居室子機17との間の通信(放送)が終了する。
なお、「全指定」は、管理人20が担当する全ての集合施設2ではなく、例えば一斉放送システム100が管轄する全ての集合施設2に対応するものであってもよい。例えば、入力されたユーザIDが、権限レベルが高いIDであれば、「全指定」に対応する放送先オブジェクトB301が操作(タップ)されると、一斉放送システム100が管轄する全ての集合施設2に対して放送データが送信されてもよい。
[エリア指定]
「エリア指定」に対応する放送先オブジェクトB302は、市町村等で区分けされた複数のエリアから1以上のエリアを指定するためのものである。ここでは一例として「エリア」は、「市」で区分けされた領域とする。ただし、「エリア」は、任意に設定可能であってもよい。
放送先選択画面D300において「エリア指定」に対応する放送先オブジェクトB302が操作(タップ)されると、これに伴って、表示部31に表示される画面が、図6Aに示すエリア選択画面D500に遷移する。エリア選択画面D500は、図6Aに示すように、放送先選択画面D300の放送先選択領域R301に代えて、エリア選択領域R501を含んでいる。エリア選択領域R501は、複数のエリア候補を含む領域M501、及び決定ボタンB501を表示する領域である。決定ボタンB501には「決定」という文字列が表示されている。
エリア選択領域R501では、一例として、管理人20が担当する集合施設2が存在する全てのエリアが、複数のエリア候補として表示される。ここでは管理人20は、A市、B市にわたる6つの集合施設2の管理を任されているため、図6Aの例では、集合施設2A〜2Cに対応する「A市内マンション」、及び集合施設2D〜2Fに対応する「B市内マンション」が表示されている。エリア選択領域R501の複数のエリア候補は、同時に2つ以上選択可能である。なお、領域M501に表示される複数のエリア候補は、管理人20が担当する集合施設2が存在する全てのエリアではなく、一斉放送システム100が管轄する全てのエリアでもよい。例えば、入力されたユーザIDが、権限レベルが高いIDであれば、一斉放送システム100が管轄する全てのエリアが複数のエリア候補として表示されてもよい。
エリア選択画面D500において複数のエリア候補のうちから1つ以上のエリア候補の領域が操作(タップ)され、さらに決定ボタンB501が操作(タップ)されると、これに伴って、表示部31の画面が、図6Bに示す放送中画面D550に遷移する。放送中画面D550は、図5Bの放送中画面D400と同様に、放送状態領域R401を含んでいる。放送状態領域R401には、終了ボタンB401が表示されている。図6Bは、エリア選択画面D500で「A市内マンション」が選択された例を示す。放送中画面D550が表示されると、情報端末3から、A市内という限定で、管理人20が担当する全て(ここでは3つ)の集合施設2における複数台の居室親機12及び居室子機17に対して放送データが送信される。その結果、放送データが、A市内の集合施設2A〜2Cにおける複数台の居室親機12及び居室子機17のスピーカから一斉に出力される。
言い換えると、決定ボタンB501が操作(タップ)されると、情報端末3から、指定されたエリアに関する情報を含む一斉放送の要求を示す要求信号Si1が、一斉放送システム100に送信される(送信ステップ)。一斉放送システム100は、第2通信部102にて要求信号Si1を受信すると、第1通信部101にて、指定されたエリア内で、管理人20の識別情報と対応付けされている集合施設2のインターホンシステム10に実施情報D1(放送信号Si2)を送信する。要するに、一斉放送システム100の第1通信部101は、管理人20の識別情報に対応する一斉放送の対象となる集合施設2のインターホンシステム10に対して、実施情報D1を送信する。各インターホンシステム10では、制御装置14が放送信号Si2を受信すると、複数台の居室親機12及び居室子機17に放送データを送信する。
[グループ指定]
「グループ指定」に対応する放送先オブジェクトB303は、上述の通り、設定部104が情報端末3の設定画面への操作入力に応じて予め設定している1以上のグループを指定するためのものである。
放送先選択画面D300において「グループ指定」に対応する放送先オブジェクトB303が操作(タップ)されると、これに伴って、表示部31に表示される画面が、図7Aに示すグループ選択画面D600に遷移する。グループ選択画面D600は、図7Aに示すように、放送先選択画面D300の放送先選択領域R301に代えて、グループ選択領域R601を含んでいる。グループ選択領域R601は、複数のグループ候補を含む領域M601、及び決定ボタンB601を表示する領域である。決定ボタンB601には「決定」という文字列が表示されている。複数のグループ候補は、ログイン画面D100に入力された識別情報と、上記の関係情報と、設定部104が設定したグループ情報とに基づいて出力される。
グループ選択領域R601では、一例として、管理人20が担当する集合施設2に対して設定されている全てのグループが、複数のグループ候補として表示される。ここでは管理人20は、情報端末3の設定画面にて、集合施設2Aに対応する「第1マンション」と、集合施設2Cに対応する「第3マンション」とを、「グループ1」として予め設定していたとする。また管理人20は、情報端末3の設定画面にて、集合施設2Bに対応する「第2マンション」のみを「グループ2」として予め設定していたとする。グループ選択領域R601の複数のグループ候補は、同時に2つ以上選択可能である。
グループ選択画面D600において複数のグループ候補のうちから1つ以上のグループ候補の領域が操作(タップ)され、さらに決定ボタンB601が操作(タップ)されると、これに伴って、表示部31の画面が、図7Bに示す放送中画面D650に遷移する。放送中画面D650は、図5Bの放送中画面D400と同様に、放送状態領域R401を含んでいる。放送状態領域R401には、終了ボタンB401が表示されている。図7Bは、グループ選択画面D600で「グループ1」が選択された例を示す。放送中画面D650が表示されると、情報端末3から、集合施設2A及び集合施設2Cにおける複数台の居室親機12及び居室子機17に対して放送データが送信される。その結果、放送データが、集合施設2A及び集合施設2Cにおける複数台の居室親機12及び居室子機17のスピーカから一斉に出力される。
言い換えると、決定ボタンB601が操作(タップ)されると、情報端末3から、指定されたグループに関する情報を含む一斉放送の要求を示す要求信号Siが、一斉放送システム100に送信される(送信ステップ)。一斉放送システム100は、第2通信部102にて要求信号Siを受信すると、第1通信部101にて、指定されたグループ内の集合施設2のインターホンシステム10に実施情報D1(放送信号Si2)を送信する。各インターホンシステム10では、制御装置14が放送信号Si2を受信すると、複数台の居室親機12及び居室子機17に放送データを送信する。
[物件指定]
「物件指定」に対応する放送先オブジェクトB304は、一例として、ログイン画面D100に入力された識別情報に対応付けされている全ての集合施設2を1つ1つ個別に指定するためのものである。
放送先選択画面D300において「物件指定」に対応する放送先オブジェクトB304が操作(タップ)されると、これに伴って、表示部31の画面が、図8Aに示す物件選択画面D700に遷移する。物件選択画面D700は、図8Aに示すように、放送先選択画面D300の放送先選択領域R301に代えて、物件選択領域R701を含んでいる。物件選択領域R701は、複数の物件候補(マンション候補)を含む領域M701、及び決定ボタンB701を表示する領域である。決定ボタンB701には「決定」という文字列が表示されている。複数の物件候補は、ログイン画面D100に入力された識別情報と、上記の関係情報とに基づいて出力される。
物件選択領域R701では、一例として、管理人20が担当する全ての集合施設2が、複数の物件候補として一覧で表示される。ここでは管理人20は、A市、B市にわたる6つの集合施設2の管理を任されているため、図8Aの例では、集合施設2A〜2Fにそれぞれ対応する「第1マンション」、「第2マンション」、「第3マンション」・・・が表示されている。物件選択領域R701の複数の物件候補は、同時に2つ以上選択可能である。なお、領域M701に表示される複数の物件候補は、管理人20が担当する集合施設2だけでなく、一斉放送システム100が管轄する全ての集合施設2を含んでもよい。例えば、入力されたユーザIDが、権限レベルが高いIDであれば、一斉放送システム100が管轄する全ての集合施設2が複数の物件候補として表示されてもよい。
物件選択画面D700において複数の物件候補のうちから1つ以上の物件候補の領域が操作(タップ)され、さらに決定ボタンB701が操作(タップ)されると、これに伴って、表示部31の画面が、図8Bに示す放送中画面D750に遷移する。放送中画面D750は、図5Bの放送中画面D400と同様に、放送状態領域R401を含んでいる。放送状態領域R401には、終了ボタンB401が表示されている。図8Bは、物件選択画面D700で「第1マンション」が選択された例を示す。放送中画面D750が表示されると、情報端末3から、集合施設2Aにおける複数台の居室親機12及び居室子機17に対して放送データが送信される。その結果、放送データが、集合施設2Aにおける複数台の居室親機12及び居室子機17のスピーカから一斉に出力される。
言い換えると、決定ボタンB701が操作(タップ)されると、情報端末3から、指定された物件に関する情報(指定情報)を含む一斉放送の要求を示す要求信号Siが、一斉放送システム100に送信される(送信ステップ)。一斉放送システム100は、第2通信部102にて要求信号Siを受信すると、第1通信部101にて、指定された物件に対応する集合施設2のインターホンシステム10に、実施情報D1(放送信号Si2)を送信する。
つまり、第2通信部102は、情報端末3から、1以上の集合施設2のうち特定の集合施設2を指定する指定情報と一斉放送の要求とを受信する。ここでは、指定情報は、要求信号Siに含まれて送信されるが、要求信号Siと異なるタイミングで送信されてもよい。そして、第1通信部101は、指定情報で指定される特定の集合施設2のインターホンシステム10に対して、実施情報D1を送信する。指定された特定の集合施設2のインターホンシステム10では、制御装置14が放送信号Si2を受信すると、複数台の居室親機12及び居室子機17に放送データを送信する。
[警報]
ところで、一斉放送システム100の判断部103は、上述の通り、警報に関する外部情報に基づいて、1以上の集合施設2から、一斉放送の対象となる集合施設2を判断するように構成される。警報に関する外部情報は、例えば、台風、地震又は津波等に関する速報情報を含むことを想定する。一斉放送システム100は、速報情報を送信する外部サーバ(気象サーバ等)と、外部ネットワークNT1を介して通信可能に接続される。
ここで一斉放送システム100は、管轄する1以上の集合施設2の住所等に関する所在地情報を管理(記憶)している。一斉放送システム100は、外部サーバから外部情報を受信すると、判断部103は、外部情報に基づき警報の対象範囲を特定し、さらに所在地情報に基づき、その対象範囲内に管轄する1以上の集合施設2が存在するか否かを判断する。判断部103は、少なくとも1つの集合施設2が対象範囲内に存在すると判断すると、当該集合施設2を担当する管理人20の情報端末3に、一斉放送を提案する提案情報を通知する。
提案情報は、例えば、情報端末3の表示部31に、警報の種別(台風、地震又は津波等の別)に関する情報、警報の対象範囲を示す情報(マップ情報でもよい)、及び、該当する集合施設2に関する情報を含み得る。管理人20は、情報端末3において通知された提案情報に対して、判断部103が判断した集合施設2への一斉放送の実施に同意を示す操作を入力すると、一斉放送の要求信号Siが一斉放送システム100に送信される。その結果、当該集合施設2のインターホンシステム10に対して、実施情報D1(放送信号Si2)が送信されて一斉放送が開始される。
なお、一斉放送で直ちに各集合施設2の利用者(住人)に知らせる必要性のない情報、すなわち緊急性が比較的低い情報は、情報端末3から、ボイスメールによって1以上の集合施設2のインターホンシステム10に一斉送信されてもよい。ボイスメールの送信も、一斉放送と同様に、全指定、エリア指定、グループ指定、及び物件指定(マンション指定)のいずれかを選択して行えてもよい。
[利点]
このように本実施形態の一斉放送システム100においては、情報端末3からの一斉放送の要求の受信に応じて、実施情報D1が、各集合施設2のインターホンシステム10に送信される。そのため、一人の管理人20が情報端末3を用いて1以上の集合施設2を対象とした一斉放送業務を遂行するということが容易に実現可能となる。結果的に、一斉放送システム100には、一斉放送に関する利便性の向上を図ることができる、という利点がある。例えば、管理人20は、台風、地震又は津波等の発生時には、情報端末3を用いて、「物損はあとで順次確認いたします」「ベランダにはモノを置かないでください」といったアナウンスを、自身が管理業務を担当する1以上の集合施設2に、遠隔で一斉放送できる。
また上記[物件指定]で説明したように、指定した特定の集合施設2のインターホンシステム10に対して実施情報D1が送信されるため、一斉放送に関する利便性が更に向上される。また上記[グループ指定]で説明したように、予め設定されたグループの単位で送信先を選択できるため、一斉放送に関する利便性が更に向上される。
特にユーザ(管理人20)の識別情報に対応する一斉放送の対象となる集合施設2のインターホンシステム10に対して、実施情報D1が送信される。そのため、例えば、一斉放送システム100が管轄する全ての集合施設2の中から、管理人20が自分の担当する集合施設2を選ぶ手間が省けることになり、一斉放送に関する利便性が更に向上される。
また判断部103が警報に関する外部情報に基づいて一斉放送の対象となる集合施設2を判断するため、一斉放送の対象となる集合施設2を人が判断する場合に比べて、より適切な集合施設2に実施情報D1が送信される可能性が高くなる。
(2.6)実施状況の確認
ところで、管理人20は、情報端末3を用いて複数の集合施設2に対する一斉放送を遠隔で実施した場合、実際に各集合施設2の居室親機12から放送データが出力(放送)されたか否かを確認しにくい可能性がある。
そこで一斉放送システム100の第1通信部101は、実施情報D1を送信した少なくとも一部(ここでは全部)の集合施設2のインターホンシステム10から、一斉放送の実施状況に関する状況情報D3(図1参照)を受信するように構成される。第2通信部102は、受信した状況情報D3に基づく結果情報を、情報端末3に送信するように構成される。
ここでは一例として、状況情報D3は、実施情報D1を送信した少なくとも一部の集合施設2のインターホンシステム10に含まれる端末(ここでは居室親機12)が受け付けた確認操作に関する情報を含む。具体的には、一斉放送システム100は、図9Aに示すように、一斉放送の対象となったインターホンシステム10の各居室親機12(特定の居室親機12だけでもよい)に、自機の表示部120から、確認メッセージを出力させる。
表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)を含んでいる。また表示部120は、タッチパネルディスプレイを構成し、各種の表示に加えて、人(住人等)からのタッチ等の操作入力を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。
一斉放送システム100は、一斉放送が終了すると、状況確認画面D900を、各居室親機12の表示部120に表示させる。状況確認画面D900は、「放送は正常に受信できましたか?」という文字列が表示されるメッセージ領域M901と、「はい」及び「いいえ」という文字列がそれぞれ表示される応答ボタンB901、B902を含む。
各専有部23の人(住人)は、居室親機12のスピーカから放送データ(音声データ)が出力されたことを確認できれば、「はい」に対応する応答ボタンB901を操作(タップ)することになる。一方、各専有部23の人は、状況確認画面D900が表示部120に表示されたにも関わらず、居室親機12のスピーカから放送データが出力されたことを確認できなければ、「いいえ」に対応する応答ボタンB902を操作(タップ)することになる。状況確認画面D900は、応答ボタンB901,B902のいずれもが操作されることなく所定の時間(例えば数分)が経過すると、自動的に閉じられることが好ましい。
「はい」に対応する応答ボタンB901が操作(タップ)されると(確認操作)、居室親機12は、制御装置14を介して、一斉放送システム100に、放送データを正常に受信した旨(成功)を示す状況情報D3を送信する。一方、「いいえ」に対応する応答ボタンB902が操作(タップ)されると(確認操作)、居室親機12は、制御装置14を介して、一斉放送システム100に、放送データを正常に受信できなかった旨(失敗)を示す状況情報D3を送信する。
一斉放送システム100は、各集合施設2のインターホンシステム10から受信した状況情報D3に基づく結果情報を生成し、第2通信部102にて情報端末3に送信する。その結果、例えば、図9Bに示すように、結果情報が情報端末3の表示部31から表示される。言い換えると、一斉放送システム100は、結果情報を含む結果提示画面D950を、情報端末3の表示部31に表示させる。
結果提示画面D950は、例えば、一斉放送の対象となった集合施設2が、各集合施設2の結果情報を示す「〇」、「×」及び「未」のいずれかと対応付けた態様で、一覧として示される領域M951を含む。結果情報の「〇」は、放送データの実施の成功を示す状況情報D3を受信したことを示す。結果情報の「×」は、放送データの実施の失敗を示す状況情報D3を受信したことを示す。結果情報の「未」は、状況情報D3を未だ受信していない状況を示す。各集合施設2において、居室親機12から「成功」を示す状況情報D3を受信すると、その集合施設2については結果情報の「〇」が表示される。ただし、各集合施設2において、例えば1台でも居室親機12から「失敗」を示す状況情報D3を受信すると、その集合施設2については結果情報の「×」が表示される。
管理人20は、結果情報が「×」を示す集合施設2が存在すれば、該当する集合施設2に対してのみ、一斉放送の再送を実施することが好ましい。初回の一斉放送時の放送データが、情報端末3に向けて管理人20が発したリアルタイムな音声データの場合、2回目以降の再送では、放送データが、リアルタイムな音声データ録音された音声データでもよい。
一斉放送の再送を行っても結果情報が「〇」に変わらなければ、管理人20は、現地(集合施設2)まで出向いてインターホンシステム10に設備異常が発生しているか否かを確認することが好ましい。
このように状況情報D3に基づく結果情報が情報端末3に送信されるため、実際に一斉放送が各集合施設2で実施されたか否かを、例えば遠隔で確認できるため、一斉放送に関する利便性が更に向上される。また状況情報D3は、居室親機12が受け付けた確認操作に関する情報を含むため、より信頼性の高い状況情報D3を得ることができる。
なお、状況情報D3は、人(住人等)からの確認操作に関する情報の代わりに(又は加えて)、実施情報D1を送信した少なくとも一部の集合施設2のインターホンシステム10に含まれる端末(例えば居室親機12)が自動的に送信する情報を含んでもよい。具体的には、例えば、居室親機12のスピーカから出力された放送データ(音声データ)を、自機のマイクロホンで収音し、収音されたデータ(収音データ)を含む状況情報D3が、一斉放送システム100に送信されてもよい。ただし、この場合、一斉放送システム100は、居室親機12に対して、居室親機12が有しているエコーキャンセラーの機能をオフ状態に切り替える指示を出すことが好ましい。
一斉放送システム100は、収音データを情報端末3に送信する。管理人20は、情報端末3のスピーカを通じて、各集合施設2からの収音データを聞くことで、実際に一斉放送が各集合施設2で実施されたか否かを、例えば遠隔で確認できる。また一斉放送システム100は、収音データのデータ解析を行い、一斉放送の「成功」又は「失敗」を判定して、判定結果だけを情報端末3に送信してもよい。
さらに収音データによる確認の代わりに、居室親機12が、放送データ(音声データ)を出力したことをトリガーに、一斉放送の「成功」を示す状況情報D3を一斉放送システム100に送信してもよい。
このように状況情報D3が自動的に送信される情報を含むことで、人(住人等)の手間を煩わせることなく、実際に一斉放送が各集合施設2で実施されたか否かを確認できる。
(3)実施形態2
以下、実施形態2に係る一斉放送システム100について、図10を参照して説明する。なお、実施形態1と実質的に共通する構成要素について、同じ参照符号を付して、適宜にその説明を省略することがある。
実施形態1では、一斉放送の要求を送信する情報端末3は、管理人20が所有するスマートフォンである。本実施形態の一斉放送システム100は、図10に示すように、情報端末3が、インターホンシステム10の管理室親機11である点で実施形態1の一斉放送システム100と相違する。
本実施形態でも実施形態1と同様に、管理人20は、6つの集合施設2(2A〜2F)の管理業務を担当するものとする。そして、ここでは一例として、集合施設2A(第1マンション)に着目して説明する。すなわち、管理人20は、集合施設2A(第1マンション)の管理室21から、一斉放送の実施を行うことを想定する。ただし、管理人20は、他の集合施設2の管理室21からでも、一斉放送の実施を行うことが可能である。
管理室親機11(情報端末3)は、実施形態1で説明した通り、自機が設置されている集合施設2内の複数台の居室親機12に対して一斉放送する機能を有している。ここで本実施形態の管理室親機11は、管理人20から一斉放送を実施するための操作を受け付けると、一斉放送の要求を示す要求信号Si1を一斉放送システム100に送信する。一斉放送システム100は、管理室親機11から要求信号Si1を受信すると、第1通信部101にて、集合施設2のインターホンシステム10に実施情報D1(放送信号Si2)を送信する。
図10の例では、放送信号Si2が、集合施設2A以外の集合施設2B〜2Fに送信されている。ここでは一例として、管理室親機11は、自機が設置されている集合施設2Aについては、一斉放送システム100を経由せずに直接ローカルネットワークを介して、一斉放送を実施するように構成される。一方、管理室親機11は、自機が設置されている集合施設2A以外の他の集合施設2B〜2Fに対してのみ、一斉放送システム100を経由して一斉放送を実施するように構成される。ただし、管理室親機11は、自機が設置されている集合施設2Aも含めて、全ての集合施設2について、一斉放送システム100を経由して一斉放送を実施してもよい。
管理室親機11は、実施形態1と同様に、管理室親機11が有する表示部(例えばタッチパネル式のLCD)にて、管理人20の識別情報を入力するためのログイン画面D100(図4A参照)を表示する。一斉放送システム100は、管理室親機11から入力される管理人20の識別情報に基づいて、一斉放送の対象となる集合施設2の候補を管理室親機11に提示させる。
また管理室親機11は、実施形態1と同様に、管理室親機11の表示部にて、全指定、エリア指定、グループ指定、及び物件指定(マンション指定)を選択するための放送先選択画面D300(図5A参照)を表示する。管理室親機11は、自機が設置されている集合施設2Aを一斉放送の対象に含めることも、集合施設2Aを一斉放送の対象外とすることも可能である。
この一斉放送システム100においても、一斉放送に関する利便性の向上を図ることができる、という利点がある。特に、例えば、管理人20が、ある集合施設2(ここでは集合施設2A)の管理室21に居ながらも、台風、地震又は津波等の発生時には、他の集合施設2に対しても、管理室親機11を用いて遠隔で一斉放送できる。
(4)変形例
上記実施形態1及び2は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態1及び2の各々は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態1及び2に係る一斉放送システム100及び情報端末3の各々と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、上記実施形態1及び2の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、上記実施形態1及び2と適宜組み合わせて適用可能である。以下では、上記実施形態1及び2を「基本例」と呼ぶこともある。
本開示における一斉放送システム100及び情報端末3の各々は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における一斉放送システム100及び情報端末3としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、一斉放送システム100及び情報端末3の各々における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されていることは必須の構成ではない。一斉放送システム100及び情報端末3の各々の構成要素は、複数のハウジングに分散して設けられていてもよい。反対に、一斉放送システム100及び情報端末3の各々における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されてもよい。さらに、一斉放送システム100及び情報端末3の各々の少なくとも一部の機能、例えば、一斉放送システム100の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
基本例における実施情報D1は、複数台の居室親機12及び居室子機17のスピーカから一斉に出力される放送データに加えて、居室親機12の表示部120に表示されるメッセージ情報を含んでもよい。メッセージ情報は、「一斉放送中」といった案内文を含み得る。また放送データは、音声データ以外にも、メロディ音等を含んでもよい。
基本例における放送データは、各専有部23の居室親機12及び居室子機17の両方のスピーカから出力されることは必須ではなく、居室親機12のスピーカのみから出力されてもよい。また放送データは、管理室親機11のスピーカから出力されてもよい。
基本例における放送データは、専有部23の人(住人等)が外出中の場合、録音メッセージとして居室親機12に保存されてもよい。この場合、居室親機12は、人(住人等)から外出中であることを示す操作入力を受け付け可能であることが好ましい。
基本例における物件選択画面D700等の画面では、集合施設2が、例えば、タワーマンション、マンション、又はアパートといった集合施設2の種別、及び、集合施設2の所在地(住所:A市X町1丁目等)が分かるように表示されることが好ましい。
基本例における物件選択画面D700等の画面では、各集合施設2の単位に加えて、棟単位で選択できてもよい。
基本例における一斉放送システム100は、情報端末3に、管理人20が管理業務を担当する集合施設2の外観(画像等)、及び詳細な情報(入居者の世帯数、建物の規模等)を確認できる画面を表示させてもよい。
(5)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る一斉放送システム(100)は、第1通信部(101)と、第2通信部(102)とを備える。第1通信部(101)は、1以上の集合施設(2)に導入される1以上のインターホンシステム(10)のうち、一斉放送の対象となる集合施設(2)の少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に対して、外部ネットワーク(NT1)を介して通信する。第2通信部(102)は、情報端末(3)と通信する。第2通信部(102)は、情報端末(3)から、少なくとも一部の集合施設(2)に対する一斉放送の要求を受信する。第1通信部(101)は、一斉放送の要求の受信に応じて、少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に対して、一斉放送の実施に関する実施情報(D1)を送信する。第1の態様によれば、一斉放送に関する利便性の向上を図ることができる。
第2の態様に係る一斉放送システム(100)に関して、第1の態様において、第2通信部(102)は、情報端末(3)から、1以上の集合施設(2)のうち特定の集合施設(2)を指定する指定情報と一斉放送の要求とを受信する。第1通信部(101)は、指定情報で指定される特定の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に対して、実施情報(D1)を送信する。第2の態様によれば、指定した特定の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に対して実施情報(D1)が送信されるため、一斉放送に関する利便性が更に向上される。
第3の態様に係る一斉放送システム(100)は、第1又は第2の態様において、判断部(103)を更に備える。判断部(103)は、警報に関する外部情報に基づいて、1以上の集合施設(2)から、一斉放送の対象となる集合施設(2)を判断する。第3の態様によれば、一斉放送の対象となる集合施設(2)を人が判断する場合に比べて、一斉放送の対象としてより適切な集合施設(2)に実施情報(D1)が送信される可能性が高くなる。
第4の態様に係る一斉放送システム(100)は、第1〜第3の態様のいずれか1つにおいて、一斉放送の対象となる集合施設(2)に関するグループの設定を行う設定部(104)を更に備える。第4の態様によれば、一斉放送に関する利便性が更に向上される。
第5の態様に係る一斉放送システム(100)に関して、第1〜第4の態様のいずれか1つにおいて、第2通信部(102)は、情報端末(3)から、ユーザ(管理人20)の識別情報を受信する。第1通信部(101)は、1以上の集合施設(2)のうち、受信した識別情報に対応する一斉放送の対象となる集合施設(2)のインターホンシステム(10)に対して、実施情報(D1)を送信する。第5の態様によれば、一斉放送に関する利便性が更に向上される。
第6の態様に係る一斉放送システム(100)に関して、第1〜第5の態様のいずれか1つにおいて、第1通信部(101)は、一斉放送の実施状況に関する状況情報(D3)を受信する。第1通信部(101)は、実施情報(D1)を送信した(つまり送信先となった)少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)から、状況情報(D3)を受信する。第2通信部(102)は、受信した状況情報(D3)に基づく結果情報を、情報端末(3)に送信する。第6の態様によれば、実際に一斉放送が各集合施設(2)で実施されたか否かを、例えば遠隔で確認できるため、一斉放送に関する利便性が更に向上される。
第7の態様に係る一斉放送システム(100)に関して、第6の態様において、状況情報(D3)は、実施情報(D1)を送信した(つまり送信先となった)少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に含まれる端末(居室親機12)が自動的に送信する情報を含む。第7の態様によれば、人(住人等)の手間を煩わせることなく、実際に一斉放送が各集合施設(2)で実施されたか否かを確認できる。
第8の態様に係る一斉放送システム(100)に関して、第6又は7の態様において、状況情報(D3)は、確認操作に関する情報を含む。確認操作とは、実施情報(D1)を送信した(つまり送信先となった)少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に含まれる端末(居室親機12)が受け付けた操作である。第8の態様によれば、より信頼性の高い状況情報(D3)を得ることができる。
第9の態様に係る一斉放送システム(100)に関して、第1〜第8の態様のいずれか1つにおいて、第2通信部(102)は、情報端末(3)から、一斉放送に用いられる音声データ(音声情報)を受信する。第9の態様によれば、一斉放送システム(100)に、テキストデータから音声データへ変換する機能を設ける必要がなくなる。
第10の態様に係る一斉放送システム(100)に関して、第1〜第8の態様のいずれか1つにおいて、第2通信部(102)は、情報端末(3)から、一斉放送に用いられるテキストデータ(テキスト情報)を受信する。第10の態様によれば、情報端末(3)と一斉放送システム(100)との間の通信量を低減できる。
第11の態様に係る制御方法は、情報端末(3)の制御方法である。情報端末(3)は、1以上の集合施設(2)に導入される1以上のインターホンシステム(10)のうち、一斉放送の対象となる集合施設(2)の少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)と通信する。制御方法は、少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に対する一斉放送の要求を送信する送信ステップを有する。第11の態様によれば、一斉放送に関する利便性の向上を図ることが可能な情報端末(3)の制御方法を提供できる。
第12の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第11の態様における制御方法を実行させるためのプログラムである。第12の態様によれば、一斉放送に関する利便性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
第13の態様に係る一斉放送方法は、第1通信ステップと、第2通信ステップとを有する。第1通信ステップでは、1以上の集合施設(2)に導入される1以上のインターホンシステム(10)のうち、一斉放送の対象となる集合施設(2)の少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に対して、外部ネットワーク(NT1)を介して通信する。第2通信ステップでは、情報端末(3)と通信する。第2通信ステップでは、情報端末(3)から、少なくとも一部の集合施設(2)に対する一斉放送の要求を受信する。第1通信ステップでは、一斉放送の要求の受信に応じて、少なくとも一部の集合施設(2)のインターホンシステム(10)に対して、一斉放送の実施に関する実施情報(D1)を送信する。第13の態様によれば、一斉放送に関する利便性の向上を図ることが可能な一斉放送方法を提供できる。
第14の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第13の態様における一斉放送方法を実行させるためのプログラムである。第14の態様によれば、一斉放送に関する利便性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
第2〜第10の態様に係る構成については、一斉放送システム(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。