JP2021172995A - 架設部支持構造 - Google Patents

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Junya Yoshimura
一高 小島
Kazutaka Kojima
俊司 山本
Shunji Yamamoto
健嗣 田中
Kenji Tanaka
公人 土井
Masato Doi
遼 和多田
Ryo Watada
智美 木原
Tomomi Kihara
雄作 臼田
Yusaku Usuda
弘誓 森
Hirochika Mori
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Abstract

【課題】下から見上げられる架設部の底面の意匠性を向上することができるとともに、その架設部の底面に対し簡単に波板鋼板等の仕上げ材を取り付けることができる架設部支持構造を提供する。【解決手段】第1躯体1側から張り出された架設部3の先端側の被支持部31が、第2躯体2側から張り出された受部23上に滑り支承4を介して支持される架設部支持構造であって、被支持部31と受部23とそれらの間に介在する滑り支承4とで構成される滑り支承部Sにおいて、架設部3において張り出し方向Xに延びる主梁32が配置される高さ領域に少なくとも滑り支承4が配置されるように、被支持部31及び受部23の夫々の高さ寸法と高さ位置とが設定される。【選択図】図2

Description

本発明は、第1躯体側から張り出された架設部の先端側の被支持部が、第2躯体側から張り出された受部上に滑り支承を介して支持される架設部支持構造に関する。
特許文献1(図6等)には、この種の架設部支持構造として、第1躯体(建物b)側から張り出された架設部(架設体d)の先端側の被支持部(架設体側連結部f)が、第2躯体(建物a)側から張り出された受部(建物側連結部e)上に滑り支承を介して支持する架設部設置構造が開示されている。
特許第3293008号公報
特許文献1記載の架設部設置構造では、架設部の先端側の被支持部が、架設部の他の部位と同じ高さ寸法に構成され、受部及び滑り支承が架設部よりも低い位置に配置されている。そのため、被支持部と受部とそれらの間に介在する滑り支承とで構成される滑り支承部が、架設部の底面から下方に大きく出っ張ることになり、下から見上げられる架設部の底面の意匠性が低下するとともに、その架設部の底面に対し波板鋼板等の仕上げ材を取り付けるのが難しいという問題がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、下から見上げられる架設部の底面の意匠性を向上することができるとともに、その架設部の底面に対し簡単に波板鋼板等の仕上げ材を取り付けることができる架設部支持構造を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、第1躯体側から張り出された架設部の先端側の被支持部が、第2躯体側から張り出された受部上に滑り支承を介して支持される架設部支持構造であって、
前記被支持部と前記受部とそれらの間に介在する前記滑り支承とで構成される滑り支承部において、前記架設部において張り出し方向に延びる主梁が配置される高さ領域に少なくとも前記滑り支承が配置されるように、前記被支持部及び前記受部の夫々の高さ寸法と高さ位置とが設定される点にある。
本構成によれば、被支持部及び受部の夫々の高さ寸法と高さ位置の設定により、滑り支承部が、架設部の主梁が配置される高さ領域に少なくとも滑り支承が配置される高さ位置(上方側に変位させた高さ位置)に配置されるので、その分、架設部の底面において滑り支承部が主梁よりも下方に出っ張ることを抑制することができる。
よって、下から見上げられる架設部の底面の意匠性を向上することができるとともに、その架設部の底面に対し簡単に波板鋼板等の仕上げ材を取り付けることができる。
本発明の第2特徴構成は、前記滑り支承部において、前記主梁が配置される高さ領域に前記受部も配置されるように、前記被支持部及び前記受部の夫々の高さ寸法と高さ位置とが設定される点にある。
本構成によれば、被支持部及び受部の夫々の高さ寸法と高さ位置の設定により、滑り支承部が、架設部の主梁が配置される高さ領域に滑り支承の下方の受部も配置される高さ位置(更に上方側に変位させた高さ位置)に配置されるので、その分、架設部の底面において滑り支承部が主梁よりも下方に出っ張ることを更に抑制することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記滑り支承部の全体又は略全体が、前記主梁が配置される高さ領域に配置されるように、前記被支持部及び前記受部の夫々の高さ寸法と高さ位置とが設定される点にある。
本構成によれば、被支持部及び受部の夫々の高さ寸法と高さ位置の設定により、滑り支承部の全体又は略全体が架設部の主梁の高さ領域に配置されるので、架設部の底面において滑り支承部が主梁よりも下方に出っ張ることを無くす又は略無くすことができる。
よって、下から見上げられる架設部の底面の意匠性を大きく向上することができるとともに、その架設部の底面に対し極めて簡単に波板鋼板等の仕上げ材を取り付けることができる。
本発明の第4特徴構成は、前記被支持部が、前記架設部の先端側において平面視で前記主梁に交差する交差方向に延びて前記主梁に接続される被支持梁にて構成され、当該被支持梁が、前記主梁の略半分以下の梁成に設定されて前記主梁の略上半分が配置される高さ領域に配置され、
前記受部が、前記第2躯体側から張り出された受梁にて構成され、当該受梁が、前記主梁の略半分以下の梁成に設定されて前記主梁の略下半分が配置される高さ領域に配置される点にある。
本構成によれば、被支持部としての被支持梁を主梁の略上半分が配置される高さ領域に配置し、受部としての受梁を主梁の略下半分が配置される高さ領域に配置することにより、被支持部と受部とそれらの間に介在する滑り支承とで構成される滑り支承部の全体又は略全体を、架設部の主梁が配置される高さ領域に適切に配置することできる。
本発明の第5特徴構成は、前記滑り支承部が、前記架設部の前記主梁を含まずに構成されて前記主梁の近傍位置に配置される点にある。
本構成によれば、滑り支承部が架設部の主梁を含まずに構成されるので、主梁の耐力を落とすことなく、滑り支承部を、架設部の主梁が配置される高さ領域に少なくとも滑り支承が配置される高さ位置に配置することができる。
しかも、滑り支承部が主梁の近傍位置に配置されるので、滑り支承部の支持力を、架設部の主要な構造体である主梁に良好に伝達させることができ、架設部の先端側を滑り支承部にて適切に支持することができる。
第1建物及び第2建物の要部の梁伏図 図1のII−II線断面図 図1のIII−III線断面図 図1のIV−IV線断面図
本発明の架設部設置構造の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1、図2に示すように、架設部支持構造は、第1躯体1側から張り出された架設部3の先端側の被支持梁31(被支持部の一例)が、第2躯体2側から張り出された受梁23(受部の一例)上に滑り支承4を介して支持されるもので、地震時等における第1躯体1と第2躯体2の挙動の違いを滑り支承4にて吸収しながら架設部3を支持することができる。
図1に示すように、第1躯体1は、複数層を有する第1建物B1の骨組を構成するもので、柱11や梁12、床スラブ(図示省略)、架設部3等から構成される。第2躯体2は、複数層を有して第1建物B1と間隔を空けて構築される第2建物B2の骨組を構成するもので、柱21や梁22、受梁23、床スラブ24(図2〜図4参照)等から構成される。
架設部3は、第1躯体1の所定階から張り出して第2躯体2の所定階にエクスパンションジョイント(図示省略)を介して接続されるものとして構成される。図示例では、架設部3は、渡り廊下の床の骨組を構成する床構成部位3Aと、その床構成部位3Aの廊下幅方向(図1中のX方向)の両外側に配置されて下階に対する屋根の骨組を構成する屋根構成部位3Bとを有するものを例示している。架設部3は、梁成や高さ位置の異なる複数種の梁31〜34や床材35(図2参照)、屋根材36(図3、図4参照)等から構成される。
架設部3には、平面視でY方向(架設部3の張り出し方向)に沿って延びる複数本の主梁32が備えられる。複数本の主梁32は、平面視でY方向に直交するX方向(張り出し方向に交差する交差方向)に間隔を空けて配置される。複数本の主梁32は、基端部が第1躯体1のX方向に沿う梁(大梁)12の外側面に溶接やボルト等で接合される。主梁32の梁成(高さ寸法)H32は、架設部3の複数種の梁31〜34のうちで最も大きく設定される。
架設部3の床構成部位3A及び屋根構成部位3Bの先端側には、平面視でX方向に沿って延びて複数本の主梁32の先端部に接合手段で溶接やボルト等で接合される被支持梁31が備えられる。図2〜図4に示すように、被支持梁31は、その梁成H31が主梁32の梁成H32よりも小さく設定され、架設部3の床構成部位3A及び屋根構成部位3Bの高位側(上方側)に配置される。
図1に戻り、架設部3の床構成部位3Aには、平面視でX方向やY方向に沿って延びて主梁32や被支持梁31や第1躯体1のX方向に沿う梁(大梁)12に溶接やボルト等で接合される複数本の床支持梁33が備えられる。図示は省略するが、複数本の床支持梁33は、その梁成が主梁32の梁成H32よりも小さく設定され、架設部3の床構成部位3Aの高位側(上方側)に配置される。そして、当該床支持梁33の上部にコンクリート製等の床材35(図4参照)が支持される。
架設部3の屋根構成部位3Bには、平面視でX方向やY方向に沿って延びて主梁32や被支持梁31や第1躯体1のX方向に沿う梁(大梁)12に接続される複数本の屋根支持梁34が備えられる。図4に示すように、複数本の屋根支持梁34は、その梁成H34が主梁32の梁成H32よりも小さく設定され、架設部3の屋根構成部位3Bの低位側(下方側)に配置される。そして、当該屋根支持梁34の下部に折版屋根等の屋根材36が支持される。
図1、図2に示すように、第2躯体2側から張り出された複数本の受梁23は、基端部が第2躯体2のX方向に沿う梁22の外側面等に接合されて第1躯体1側に延びる片持ち梁として構成され、平面視でX方向に設定配置間隔を空けて配置される。受梁23の設定配置間隔は、第2躯体2の柱21の配置間隔よりも小で、架設部3の主梁32の配置間隔と同等に設定される。また、受梁23は、第2躯体2のY方向に沿う梁22に連続するように配置される。
そして、図1、図2に示すように、受梁23の長さ方向の中間部の上面に滑り支承4が設置され、その滑り支承4の上に架設部3の被支持梁31が載置される。滑り支承4は、受梁23の上面に取り付けられる滑り材と、被支持梁31の下面側のベースプレート31aの下面に取り付けられた滑り板等を備えて構成され、受梁23と被支持梁31の水平方向の滑動を許容するようになっている。
被支持梁31と受梁23とそれらの間に介在する滑り支承4とで構成される滑り支承部Sは、架設部3の主梁32を含まずに構成され、夫々の主梁32の近傍位置に配置される。各滑り支承部Sは、各主梁32に対して架設部3の横幅方向(X方向)の中央側(内側)で隣接する位置に配置される。
被支持梁31と受梁23とそれらの間に介在する滑り支承4とで構成される滑り支承部Sにおいて、架設部3の主梁32が配置される高さ領域(主梁32の梁成H32が存在する高さ領域)に被支持梁31と滑り支承4と受梁23が配置されるように、被支持梁31及び受梁23の夫々の梁成H31,H23(高さ寸法)と高さ位置とが設定される。本実施形態では、滑り支承部Sの略全体(全体又は略全体の一例)が、主梁32が配置される高さ領域に配置されるように、被支持梁31及び受梁23の夫々の梁成H31,H23(高さ寸法)と高さ位置とが設定される。
具体的には、被支持梁31は、それの梁成H31が主梁32の梁成H32の略半分(略半分以下の一例)に設定されて主梁32の略上半分の高さ領域に配置される。また、受梁23は、それの梁成H23が滑り支承4の厚み寸法(高さ寸法)を考慮して主梁32の半分よりも若干小さな寸法(略半分以下の一例)に設定されて主梁32の略下半分の高さ領域に配置される。
このように被支持梁31及び受梁23の夫々の梁成H31,H23と高さ位置とが設定されることで、滑り支承部Sは、架設部3の主梁32の高さ領域から屋根材36の取り付けに略影響しない僅かな範囲で下方にはみ出すものの、略全体が架設部3の主梁32が配置される高さ領域に配置される。
そのため、架設部3の底面において滑り支承部Sが主梁32よりも下方に出っ張ることを略無くすことができ、主梁32や屋根支持梁34の下部に支持される屋根材36を滑り支承部Sに邪魔されることなく簡単且つ意匠性良く設置することができる。
なお、架設部3の主梁32の高さ領域から滑り支承部Sが全く下方にはみ出さないように、主梁32の高さ領域の一部領域に滑り支承部Sの全体が配置されるようにしてもよい。ちなみに、図示例では、滑り支承部Sは、第2躯体2の梁22の全体と同じ高さ寸法で同じ高さ位置に配置される。
受梁23の先端部には、被支持梁31の脱落を防止するためのストッパー23aが備えられる。当該ストッパー23Aは、受梁23の先端部の上面に接合された鉄骨部材から構成される。また、受梁23の基端部と第2躯体2の梁22との接合部、被支持梁31の滑り支承4の直上部位、受梁23のストッパー23Aの直下部位には、鉛直姿勢や水平姿勢のリブやプレート等の鉄骨製の補強部材R1が備えられる。
ちなみに、図3に示すように、被支持梁31は、架設部3の横幅方向(X方向)の外側の主梁32の先端部に対しては、その側面における略上半分にガゼットプレート32aによるボルト接合や溶接接合等により接合される。被支持梁31と主梁32との接合部には、鉄骨製のリブやプレート等の適宜の補強部材R2が備えられる。
また、図4に示すように、被支持梁31は架設部3の高位側(上方側)に配置され、屋根支持梁34は架設部3の屋根構成部位3Bの低位側(下方側)に配置されるので、被支持梁31の下部には、鉛直姿勢や水平姿勢のプレート等の鉄骨部材で構成されて下向きに突出する接続ブラケット31Aが備えられ、その接続ブラケット31Aに屋根支持梁34が接合される。この接続ブラケット31Aには、ガゼットプレート31bが備えられ、屋根支持梁34は、当該ガゼットプレート31bによるボルト接合により被支持梁31に接合される。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)前述の実施形態では、滑り支承部Sにおいて、架設部3の主梁32が配置される高さ領域に被支持梁31と滑り支承4と受梁23が配置されるように、被支持梁31及び受梁23の夫々の梁成H31,H23と高さ位置とが設定される場合を例に示したが、架設部3の主梁32が配置される高さ領域に少なくとも滑り支承4が配置されるように、被支持梁31及び受梁23の夫々の梁成H31,H23(高さ寸法)と高さ位置とが設定されてもよく、更には、架設部3の主梁32が配置される高さ領域に少なくとも滑り支承4及び受梁23が配置されるように、被支持梁31及び受梁23の夫々の梁成H31,H23(高さ寸法)と高さ位置とが設定されてもよい。
(2)前述の実施形態では、滑り支承部Sが、主梁32の近傍位置に配置される場合を例に示したが、場合によっては隣り合う主梁32の中間位置等に配置されてもよい。
(3)滑り支承部Sを構成する被支持部や受部は、前述の実施形態で示した被支持梁31や受梁23に限らず、各種の構成を採用することができる。
1 第1躯体
2 第2躯体
3 架設部
4 滑り支承
23 受梁(受部)
31 被支持梁(被支持部)
32 主梁
H23 受梁の梁成
H31 被支持梁の梁成
H32 主梁の梁成
S 滑り支承部

Claims (5)

  1. 第1躯体側から張り出された架設部の先端側の被支持部が、第2躯体側から張り出された受部上に滑り支承を介して支持される架設部支持構造であって、
    前記被支持部と前記受部とそれらの間に介在する前記滑り支承とで構成される滑り支承部において、前記架設部において張り出し方向に延びる主梁が配置される高さ領域に少なくとも前記滑り支承が配置されるように、前記被支持部及び前記受部の夫々の高さ寸法と高さ位置とが設定される架設部支持構造。
  2. 前記滑り支承部において、前記主梁が配置される高さ領域に前記受部も配置されるように、前記被支持部及び前記受部の夫々の高さ寸法と高さ位置とが設定される請求項1記載の架設部支持構造。
  3. 前記滑り支承部の全体又は略全体が、前記主梁が配置される高さ領域に配置されるように、前記被支持部及び前記受部の夫々の高さ寸法と高さ位置とが設定される請求項2記載の架設部支持構造。
  4. 前記被支持部が、前記架設部の先端側において平面視で前記主梁に交差する交差方向に延びて前記主梁に接続される被支持梁にて構成され、当該被支持梁が、前記主梁の略半分以下の梁成に設定されて前記主梁の略上半分が配置される高さ領域に配置され、
    前記受部が、前記第2躯体側から張り出された受梁にて構成され、当該受梁が、前記主梁の略半分以下の梁成に設定されて前記主梁の略下半分が配置される高さ領域に配置される請求項3記載の架設部支持構造。
  5. 前記滑り支承部が、前記架設部の前記主梁を含まずに構成されて前記主梁の近傍位置に配置される請求項1〜4のいずれか1項に記載の架設部支持構造。
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