JP2021172382A - シート材、蓋体、及び包装箱 - Google Patents
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Abstract
Description
本件の包装箱は、物品が配置される収容空間を囲む四角筒状のスリーブ体と、前記スリーブ体の開口が形成された両端部に取り付けられる上記の蓋体と、を備えたことを特徴としている。
[1−1.包装箱]
図1に示すように、本実施形態に係る包装箱40は、物品が配置される収容空間Sを囲む四角筒状のスリーブ体30と、スリーブ体30に取り付けられる二つの蓋体20とを備えている。ここでは、比較的重い物品(自動車のステアリング装置や足回り部品といった重量物)を包装するために使用される包装箱40を例示する。
本実施形態のスリーブ体30及び蓋体20はいずれも段ボールシートで形成されている。ただし、段ボールシートの中芯やそのフルート形状の図示は省略する。
なお、包装箱40には、スリーブ体30と二つの蓋体20とを固定するバンド(図示略)が更に取り付けられてもよい。
蓋体20は、矩形状の底面部21と、底面部21の外縁から立設された四つの側面部22とを有し、トレイ形状である。上記のように、本実施形態の蓋体20は、容器として使用されるのではなく、スリーブ体30の開口を閉鎖するキャップとして使用される。
蓋体20は、平面状のシート材10(図2参照)が組み立てられることで形成される。すなわち、蓋体20は、平面状に展開可能である。
一方、本実施形態の側面部22はいずれも、後述する凹部23を無視すれば、蓋体20の側面視で互いに略等しい長方形状である。四つの側面部22は、四角筒状に連続して設けられる。側面部22は、包装箱40において、スリーブ体30の外周に配置され、スリーブ体30と共に側面の一部を構成する。
図2に示すように、シート材10は、平面に沿って延びるとともに折曲可能な板状の部材であって、トレイ形状の蓋体20に組み立てられる。以下、シート材10が延びる方向を、縦方向(第一方向)D1と横方向(第二方向)D2とに細別する。縦方向D1と横方向D2とは、互いに直交する。また、縦方向D1及び横方向D2のいずれにも直交する方向を厚み方向とする。さらに、シート材10において縦方向D1及び横方向D2に沿って延びる表面のうち、蓋体20で内側(包装箱40において収容空間S側)を向く面を「内面」ともいい、内面と反対側の面(蓋体20で外側を向く面)を「外面」ともいう。
シート材10に適用される段ボールシートの種類は特に限定されないが、例えば、厚み方向の寸法(以下、単に「厚み」という)が約5[mm]であるAフルートの段ボールシートや、厚みが約3[mm]であるBフルートの段ボールシートが適用される。シート材10は、Aフルートの段ボールシートのみで構成されてもよいし、Aフルートの段ボールシートとBフルートの段ボールシートとの双方を用いて構成されてもよい。
一方、切込パネル2及び平面パネル3は、蓋体20において側面部22となる部位であって、上記のとおり凹部23に対応する切欠部9を無視すれば、互いに略等しい長方形状である。詳細には、切込パネル2に設けられた切欠部9を無視すれば、切込パネル2が横方向D2に長い長方形状であり、平面パネル3が縦方向D1に長い長方形状である。蓋体20では、折り立てられた二つの切込パネル2が互いに対向するとともに、折り立てられた二つの平面パネル3が互いに対向する。
切欠部9は、各々の切込パネル2の縦方向D1における外縁部(外側の縁部)から矩形状に切り欠かれた部位であり、蓋体20において凹部23となる。
また、シート材10は、蓋体20に組み立てられるときに折り曲げを案内する構成として、いずれも厚み方向に窪む溝状の第一罫線6と第二罫線7と段違い罫線8とを備えている。これらの第一罫線6と第二罫線7と段違い罫線8とはいずれも、シート材10の内面に設けられたスジ押しである。したがって、第一罫線6、第二罫線8、及び段違い罫線8は、図2に示すシート材10を裏返した状態(シート材10の外面の平面視)では目視不能である。
また、本実施形態の差込片5は、平面パネル3から縦方向D1の両側に延設されている。差込片5は、切込パネル2及び平面パネル3が中央パネル1に対して折り立てられた状態で、切込部4に差し込まれる。なお、切込部4及び差込片5の詳細な位置や大きさは、差込片5が切込部4に差込可能となるように設定される。
切込部4は、縦線部4aと横線部4bとがなす角部を切り欠いてなる三角形状の貫通孔4cを有する。貫通孔4cは、差込片5を切込部4に差し込みやすくする機能をもつ。なお、切込部4の縦方向D1の寸法(以下、「縦寸法」ともいう)L1は、切込パネル2の縦寸法L2の半分以上(L1≧0.5×L2)に設定される。
これに対し、本実施形態のオフセット線部6bは、切込部4の縦線部4aと基線部6aの延長線6eとの間で横方向D2に対して斜めに延びている。より具体的には、オフセット線部6bは、切込部4の縦線部4aにおける上記のオフセット点P2から基線部6aの延長線6e上まで、横方向D2の内側かつ縦方向D1の内側へ向けて直線状に延びている。
第二罫線7は、第二主線部7c上に間隔X2をあけて設けられた複数の第二切断線7d(図2では各第二罫線7における一つのみに符号を付す)を有する。第二切断線7dは、厚み方向に貫通する切れ目状であって、シート材10の第二主線部7cにおける折り曲げを容易にする機能をもつ。本実施形態の第二主線部7cは、第二切断線7dが設けられることで、リード罫として構成されている。なお、隣接する第二切断線7dの間隔X2は、互いに等しく設定される。また、第二切断線7dの長さL5は、互いに等しく設定される。
段違い罫線8と基線部6aとの縦方向D1の距離(段違い罫線8と基線部6aとの縦方向D1のずれ量)Y2は、シート材10の厚みと同一に設定される。したがって、本実施形態では、段違い罫線8が基線部6aよりも縦方向D1の外側に約10[mm]ずれて位置する。なお、段違い罫線8と基線部6aとは、互いに平行である。
以下、シート材10を蓋体20に組み立てる手順を説明する。
まず、シート材10を第一罫線6及び第二罫線7で折り曲げることにより、切込パネル2及び平面パネル3を中央パネル1に対して折り立てる。また、段違い罫線8でシート材10を折り曲げることで、差込片5を平面パネル3から切込パネル2側へ向けて配置する。
(1)シート材10では、中央パネル1及び切込パネル2の境界をなす第一罫線6が、切込部4から横方向D2の外側へ延びた基線部6aと、切込部4において基線部6aと縦方向D1にずれた位置から横方向D2の内側へ延びたオフセット線部6bとを含む。このため、オフセット線部6bが基線部6aに対して縦方向D1にずれていない場合と比べて、切込パネル2を中央パネル1に対して第一罫線6で折り立てたときに切込部4を大きく開かせることができる。これにより、切込部4を無理に手で広げたり、差込片5を無理に曲げたりしなくても、切込部4に差込片5を差し込めるため、切込部4に対する差込片5の差込性を高められる。よって、シート材10の組立性を高められる。
一方で、厚み方向に積層された複数の段ボールシートで形成されたシート材10は、一枚の段ボールシートで形成されたものと比べて、厚みの増大により折曲性が低下したり切込部4が開きにくくなったりするため、差込片5の差込性が低下しうる。これに対し、第一罫線6が設けられていれば、上記のとおり切込部4を大きく開かせられるため、重量物の包装に対応しつつも、組立性を確保できる。
また、切込部4は、縦線部4a及び横線部4bがなす角部を切り欠いてなる三角形状の貫通孔4cを有するため、貫通孔4cが設けられない場合と比べて、切込部4の開口幅を大きくできる。これにより、差込片5の差込性を高められる。
(13)シート材10が組み立てられてなる蓋体20によれば、上記のとおり組立性及び解体性を高められる。よって、組立コストを低減できるとともに、運送時や保管時や処分時等に省スペース化を実現できる。
(14)四角筒状のスリーブ体30と、スリーブ体30の開口が位置する両端部31に取り付けられる蓋体20とを備えた包装箱40によれば、上記のとおり蓋体20の組立性及び解体性を高められるため、組立コストを低減できるとともに、運送時や保管時や処分時等に省スペース化を実現できる。
図6は、変形例に係るシート材10′の要部を示す平面図である。図6に示すように、本変形例のシート材10′は、上記のシート材10に対して、第一罫線6′及び段違い罫線8′が異なる。より具体的には、シート材10′は、基線部6a′に対してオフセット線部6b′及び段違い罫線8′のずれる方向が、上記の実施形態のものと反対である。なお、図6では、上記の実施形態で説明した要素と同一又は対応する要素に同一の符号を付している。
また、オフセット線部6b′は、切込部4の縦線部4aと基線部6a′の延長線6e′との間で横方向D2に対して斜めに延びている。より具体的には、オフセット線部6b′は、縦線部4aの縦方向D1の内端部(内側の端部)から基線部6a′の延長線6e′上まで、横方向D2の内側かつ縦方向D1の外側へ向けて直線状に延びている。
第一主線部6c′は、上記の実施形態と同様に、基線部6a′の延長線6e′上に延在し、横方向D2の両側のオフセット線部6b′同士を接続する。
したがって、本変形例のように差込片5が切込部4に内面側から差し込まれた形態では、上記の実施形態のものと比べて、蓋体における側面部の外側の見栄えを向上させられる。これにより、蓋体やこの蓋体が適用された包装箱の見栄えを向上させられる。
そのほか、本変形例のシート材10′によれば、上記の実施形態と同様の構成からは同様の作用及び効果を得ることができる。
第二罫線7も上記のものに限定されず、例えば縦方向D1に対して傾斜していてもよいし、第二切断線7dが省略されてもよい。また、第二罫線7及び段違い罫線8,8′は、シート材10,10′から省略されてもよい。
上記の差込片5も一例である。差込片5は、上記の縁部5cが角張っていてもよいし、その全体が一様な横寸法となる形状であってもよい。
なお、シート材10,10′に設けられる切込部4及び差込片5の組数は、四組未満であってもよい。
シート材10,10′及び蓋体20の適用対象は、上記の包装箱40に限定されない。シート材10,10′及び蓋体20は、例えば、上記のスリーブ体30に代えて、底面部と側面部とを有する容器の上蓋として適用されてもよい。
2 切込パネル(第一側パネル)
3 平面パネル(第二側パネル)
4 切込部
4a 縦線部(第一線)
4b 横線部(第二線)
4c 貫通孔
5 差込片
5a 先端部
5b 基部
5c 縁部
6 第一罫線
6a 基線部
6b オフセット線部
6c 第一主線部
6d 第一切断線
6e 延長線
7 第二罫線
7c 第二主線部
7d 第二切断線
8 段違い罫線
9 切欠部
10 シート材
20 蓋体
21 底面部
22 側面部
23 凹部
30 スリーブ体
31 端部
32 表示部
40 包装箱
D1 縦方向(第一方向)
D2 横方向(第二方向)
L1 切込部4の縦寸法
L2 切込パネル2の縦寸法
L3 先端部5aの横寸法
L4 第一切断線6dの長さ
L5 第二切断線7dの長さ
P1 基点
P2 オフセット点
S 収容空間
X1 第一切断線6dの間隔
X2 第二切断線7dの間隔
Y1 基線部6aとオフセット線部6bとの縦方向D1のずれ量
Y2 段違い罫線8と基線部6aとの縦方向D1のずれ量
Claims (12)
- 矩形状の中央パネルと、前記中央パネルの第一方向の両側に連接された二つの第一側パネルと、前記中央パネルの前記第一方向と交差する第二方向の両側に連接された二つの第二側パネルとを有し、トレイ形状に組み立てられるシート材であって、
前記第一側パネルに設けられ、厚み方向に貫通する切れ目状の切込部と、
前記第二側パネルから前記第一方向に延設され、前記切込部に差し込まれる差込片と、
前記厚み方向に窪む溝状であって前記中央パネル及び前記第一側パネルの境界をなし、前記切込部から前記第二方向の外側へ延びた基線部及び前記切込部において前記基線部と前記第一方向にずれた位置から前記第二方向の内側へ延びたオフセット線部を含む第一罫線と、を備えた
ことを特徴とするシート材。 - 前記オフセット線部は、前記切込部と前記基線部の延長線との間で前記第二方向に対して斜めに延びた
ことを特徴とする、請求項1に記載のシート材。 - 前記第一方向又は前記第二方向に沿って目方向が延びた段ボールシートで形成され、
前記厚み方向に窪む溝状であって前記中央パネル及び前記第二側パネルの境界をなす第二罫線を備え、
前記第一罫線は、前記第二方向に沿って延びた第一主線部上に間隔をあけて設けられるとともに前記厚み方向に貫通する切れ目状の第一切断線を有し、
前記第二罫線は、前記第一方向に沿って延びた第二主線部上に間隔をあけて設けられるとともに前記厚み方向に貫通する切れ目状の第二切断線を有し、
前記第一切断線及び前記第二切断線のうち、前記目方向と交差する方向に延びた一方は、他方に比べて長い及び/又は前記間隔が短い
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のシート材。 - 前記差込片は、前記切込部に差し込まれた状態で前記切込部に当接する縁部が曲線状に延びた
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のシート材。 - 前記オフセット線部は、前記切込部において前記基線部と前記第一方向の外側にずれた位置から前記第二方向の内側へ延びた
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のシート材。 - 前記第一方向に沿って目方向が延びた段ボールシートで形成された
ことを特徴とする、請求項5に記載のシート材。 - 前記オフセット線部は、前記切込部において前記基線部と前記第一方向の内側にずれた位置から前記第二方向の内側へ延びた
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のシート材。 - 前記厚み方向に積層された複数の段ボールシートで形成された
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシート材。 - 前記切込部は、前記第一罫線から前記第一方向の外側へ延びた第一線部と、前記第一線部における前記第一方向の外側の端部から前記第二方向の内側へ延びた第二線部と、前記第一線部及び前記第二線部がなす角部を切り欠いてなる三角形状の貫通孔とを有する
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシート材。 - 前記厚み方向に窪む溝状であって前記第二側パネル及び前記差込片の境界をなし、前記基線部に対して前記オフセット線部と同じ側にずれた段違い罫線を備える
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシート材。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載のシート材が組み立てられてなる
ことを特徴とする、蓋体。 - 物品が配置される収容空間を囲む四角筒状のスリーブ体と、
前記スリーブ体の開口が位置する両端部に取り付けられる、請求項11に記載の蓋体と、を備えた
ことを特徴とする、包装箱。
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