JP2021172278A - 操船システム - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回制御装置が故障した場合でも、旋回操作装置を操作して船舶を旋回させることができるようにする。【解決手段】操船システム1は、各船外機3、4の方向を変えることによって船舶を旋回させるための旋回操作に応じた旋回操作信号を出力する旋回操作装置11と、旋回操作信号に基づいて各船外機3、4の方向を変える旋回制御装置15と、各船外機3、4の内燃機関5の出力を設定するための出力設定操作により設定された各船外機3、4の内燃機関5の出力を示す出力設定信号を出力する出力操作装置21と、出力設定信号に基づいて各船外機3、4の内燃機関5の出力を増加または減少させる出力制御装置25とを備え、出力制御装置25は、旋回制御装置15が故障したとき、旋回操作信号に基づいて、船外機3、4の内燃機関5の出力をそれぞれ互いに異ならせることにより、船舶を旋回させる。【選択図】図1

Description

本発明は、2機以上の船舶推進機を用いて船舶の操船制御を行う操船システムに関する。
2機以上の船舶推進機を船舶に取り付けて船舶を推進させることがある。このような船舶の操船制御を行う操船システムは、操船者が船舶を旋回させる操作を行うための旋回操作装置と、旋回操作装置から出力された旋回操作信号に基づいて各船舶推進機の方向を変える旋回制御装置と、操船者が各船舶推進機の動力源の出力を設定する操作を行うための出力操作装置と、出力操作装置から出力された出力設定信号に基づいて各船舶推進機の動力源の出力を増加または減少させる出力制御装置とを備えている。
一例をあげれば、旋回操作装置は、操船席の前方に設けられたハンドルと、ハンドルの操作方向および操作量を検出して旋回操作信号を出力する検出器とを有している。旋回制御装置は、各船舶推進機を水平方向に回動させるためのポンプ、シリンダ等のアクチュエータと、旋回操作信号に基づいてアクチュエータの駆動を制御する制御回路とを有している。出力操作装置は、操船席の側方に設けられたスロットルレバーと、スロットルレバーの位置を検出して出力設定信号を出力する検出器とを有している。出力制御装置は、出力設定信号に基づいて各船舶推進機におけるスロットル開度を制御する制御回路を有している。
また、下記の特許文献1には、2機以上の船外機が並置された船舶に設けられる船舶用操縦装置が記載されている。
特開2011−20468号公報
上述した操船システムにおいて、旋回制御装置が故障した場合、旋回操作装置により各船舶推進機の方向を変えることができなくなる。その結果、船舶を旋回させることが不可能または極めて困難になる。船舶の運航中に旋回制御装置が故障すると、操船者は救難信号を発信して救助を待つといった状況に陥る可能性がある。
この点、上記特許文献1の図1に記載された船舶用操縦装置は、船外機(3L、3R)の操舵を行う構成要素として、ハンドル(5)、ハンドル(5)の操舵角を検出する操舵角検出部を有するハンドルコントローラ(7)、船外機(3L、3R)の操舵用のアクチュエータ(11L、11R)、アクチュエータ(11L、11R)を駆動する船外機操舵コントローラ(12L、12R)、およびハンドルコントローラ(7)と船外機操舵コントローラ(12L、12R)とを接続する通信線(14)を備えている。また、この船舶用操縦装置は、船外機(3L、3R)のスロットル開度を調節するためのリモートコントローラ(6)を備えており、リモートコントローラ(6)はリモコン操作レバー(61L、61R)を有している。この船舶用操縦装置は、ハンドル(5)、ハンドルコントローラ(7)および通信線(14)のいずれかに故障が生じた場合に、リモートコントローラ(6)のリモコン操作レバー(61L、61R)のレバー位置の偏差に基づいてアクチュエータ(11L、11R)を駆動して船舶を操舵する構成を有している。
しかしながら、この船舶用操縦装置は、ハンドル(5)、ハンドルコントローラ(7)または通信線(14)の故障時に、ハンドル(5)の代わりに、リモコン操作レバー(61L、61R)を用いて操舵用のアクチュエータ(11L、11R)を制御して船舶の操舵を可能にするというものである。すなわち、この船舶用操縦装置の構成を、上述した操船システムの構成に当てはめて説明すると、この船舶用操縦装置は、旋回操作装置の故障時に、旋回操作装置の代わりに、出力操作装置を用いて旋回制御装置を制御し、船舶を旋回させるというものである。この船舶用操縦装置において、旋回制御装置、すなわち、アクチュエータ(11L)またはアクチュエータ(11R)が故障した場合には、船舶を旋回させることが不可能または極めて困難な状況に陥る可能性がある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、旋回制御装置が故障した場合でも、旋回操作装置を操作して船舶を旋回させることができる操船システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、2機以上の船舶推進機が取り付けられた船舶の操船制御を行う操船システムであって、前記各船舶推進機の方向を変えることによって前記船舶を旋回させるための旋回操作に応じた旋回操作信号を出力する旋回操作装置と、前記旋回操作装置から出力された前記旋回操作信号に基づいて前記各船舶推進機の方向を変える旋回制御装置と、前記各船舶推進機の動力源の出力を設定するための出力設定操作により設定された前記各船舶推進機の動力源の出力を示す出力設定信号を出力する出力操作装置と、前記出力操作装置から出力された前記出力設定信号に基づいて前記各船舶推進機の動力源の出力を増加または減少させる出力制御装置とを備え、前記出力制御装置は、前記旋回制御装置が故障したとき、前記旋回操作装置から出力された前記旋回操作信号に基づいて、前記2機以上の船舶推進機の動力源の出力をそれぞれ互いに異ならせることにより、前記船舶を旋回させることを特徴とする。
本発明によれば、旋回制御装置が故障した場合でも、旋回操作装置を操作して船舶を旋回させることができる。
本発明の実施例の操船システムを示す説明図である。 本発明の実施例の操船システムが適用された船舶において、旋回制御装置が故障していない場合に船舶が旋回するときの状態を示す説明図である。 本発明の実施例の操船システムにおいて、旋回制御装置の故障が認識されたときにおける、旋回操作の操作方向および操作量と、これらに基づいて出力制御装置により制御される各船外機のスロットル開度との関係を示すグラフである。 本発明の実施例の操船システムにおいて、出力設定操作により設定された各船外機の内燃機関の出力の設定値と、これに基づいて出力制御装置により制御される各船外機のスロットル開度との関係を示すグラフである。 本発明の実施例の操船システムが適用された船舶において、旋回制御装置が故障している場合に船舶が旋回するときの状態を示す説明図である。 本発明の実施例の操船システムの動作を示すフローチャートである。
本発明の実施形態の操船システムは、2機以上の船舶推進機が取り付けられた船舶の操船制御を行うシステムであり、旋回操作装置、旋回制御装置、出力操作装置および出力制御装置を備えている。
旋回操作装置は、各船舶推進機の方向を変えることによって船舶を旋回させるための旋回操作に応じた旋回操作信号を出力する装置である。旋回操作装置は、例えば、船舶の操船席の前方等に設けられたハンドル、およびハンドルの操作方向および操作量を検出する検出手段により構成することができる。
旋回制御装置は、旋回操作装置から出力された旋回操作信号に基づいて各船舶推進機の方向を変える装置である。旋回制御装置は、例えば、各船舶推進機を水平方向に回動させるアクチュエータ、および旋回操作信号に基づいてアクチュエータの駆動を制御する制御回路により構成することができる。
出力操作装置は、各船舶推進機の動力源の出力を設定するための出力設定操作により設定された各船舶推進機の動力源の出力を示す出力設定信号を出力する装置である。出力操作装置は、例えば、船舶の操船席の側方等に設けられたスロットルレバー、およびスロットルレバーの位置を検出する検出手段により構成することができる。
出力制御装置は、出力操作装置から出力された出力設定信号に基づいて各船舶推進機の動力源の出力を増加または減少させる装置である。出力制御装置は、例えば、各船舶推進機の動力源が内燃機関である場合には、出力設定信号に基づいて各船舶推進機におけるスロットルバルブの開度を制御する制御回路により構成することができる。また、各船舶推進機の動力源が電動モータである場合には、出力設定信号に基づいて各船舶推進機における電動モータの回転数を制御する制御回路により構成することができる。
また、本発明の実施形態の操船システムにおいて、出力制御装置は、旋回制御装置が故障したとき、旋回操作装置から出力された旋回操作信号に基づいて、2機以上の船舶推進機の動力源の出力をそれぞれ互いに異ならせることにより、船舶を旋回させる機能を有している。具体的には、出力制御装置は、前記旋回制御装置の故障時に旋回操作信号に基づき船舶を左に旋回させるとき、船舶に取り付けられた2機以上の船舶推進機のうち、船舶の左右方向中央よりも右側に位置する船舶推進機の動力源の出力を、船舶の左右方向中央よりも左側に位置する船舶推進機の動力源の出力よりも大きくする。一方、前記旋回制御装置の故障時に旋回操作信号に基づき船舶を右に旋回させるとき、出力制御装置は、船舶に取り付けられた2機以上の船舶推進機のうち、船舶の左右方向中央よりも左側に位置する船舶推進機の動力源の出力を、船舶の左右方向中央よりも右側に位置する船舶推進機の動力源の出力よりも大きくする。
本発明の実施形態の操船システムによれば、旋回制御装置が故障した場合でも、操船者による旋回操作装置の操作に従い、船舶を旋回させることができる。
(操船システムの基本構成)
図1は本発明の実施例の操船システム1の構成を示している。操船システム1は、2機以上の船舶推進機が取り付けられた船舶の操船制御を行うシステムである。本実施例の操船システム1は、内燃機関5を動力源とする2機の船外機3、4が取り付けられた船舶2に設けられている。船舶2において、2機の船外機3、4のうち、一方の船外機3は船舶2の左右方向中央よりも左側に配置され、他方の船外機4は船舶2の左右方向中央よりも右側に配置されている。
操船システム1は、図1に示すように、旋回操作装置11、旋回制御装置15、出力操作装置21および出力制御装置25を備えている。
旋回操作装置11は、操船者が旋回操作を行うための装置である。旋回操作とは、各船外機3、4の方向を変えることによって船舶2を旋回させて船舶2の進行方向を変えるための操作である。旋回操作装置11はハンドル12およびハンドル操作センサ13を有している。
ハンドル12は、例えば船舶2の操船席の前方に配置されている。操船者はハンドル12を握って回すことにより旋回操作を行う。
ハンドル操作センサ13は、ハンドル12の操作方向および操作量を検出する装置である。ハンドル操作センサ13として、例えば磁気を利用した周知の操舵角センサを用いることができる。ハンドル12の操作方向および操作量は、旋回操作の操作方向および操作量に相当する。ハンドル操作センサ13は、ハンドル12の操作方向および操作量、すなわち旋回操作の操作方向および操作量を示す旋回操作信号を旋回制御装置15および出力制御装置25へ出力する。
旋回制御装置15は、旋回操作装置11から出力された旋回操作信号に基づいて各船外機3、4を水平方向に回動させることにより、各船外機3、4の方向を変える装置である。旋回制御装置15は、PCM(ポンプコントロールモジュール)16、油圧ポンプ17、2機の油圧シリンダ18、および油圧回路19を有している。油圧シリンダ18は船外機3、4ごとに設けられている。
PCM16は、旋回操作装置11から出力された旋回操作信号に基づいて油圧ポンプ17を制御する制御回路であり、例えばマイクロコンピュータおよびメモリ等を有している。PCM16は、旋回操作信号に従って油圧ポンプ17を制御するためのポンプ制御信号を油圧ポンプ17へ出力する。油圧ポンプ17は、各油圧シリンダ18を動作させるために、油圧回路19を介して各油圧シリンダ18への作動油を供給するポンプである。各油圧シリンダ18は船外機3、4を水平方向に回動させる装置である。各油圧シリンダ18は接続部材20を介して船外機3、4と接続されている。油圧回路19は、油圧ポンプ17と各油圧シリンダ18とを接続する油圧の回路である。
例えば、旋回操作信号に基づき船舶2を左に旋回させる場合、PCM16は、油圧ポンプ17を制御し、油圧回路19内の作動油を図1中の矢示A方向に加圧する。これにより、作動油の圧力を受けて各油圧シリンダ18が動作し、各船外機3、4が図1において時計回り方向に回動し、各船外機3、4のプロペラ7が左後方を向くようになる。図2(A)は、このような制御によって船舶2が左に旋回するときの状態を示している。一方、旋回操作信号に基づき船舶2を右に旋回させる場合、PCM16は、油圧ポンプ17を制御し、油圧回路19内の作動油を図1中の矢示B方向に加圧する。これにより、作動油の圧力を受けて各油圧シリンダ18が動作し、各船外機3、4が図1において反時計回り方向に回動し、各船外機3、4のプロペラ7が右後方を向くようになる。図2(B)は、このような制御によって船舶2が右に旋回するときの状態を示している。また、PCM16は、旋回制御信号が示す旋回操作の操作量に応じて各船外機3、4の回動量を制御する。
出力操作装置21は、操船者が出力設定操作を行うための装置である。出力設定操作とは、各船外機3、4の内燃機関5の出力の大きさを設定する操作である。各船外機3、4の内燃機関5の出力により、船舶2の推進力が定まる。出力操作装置21は、図1に示すように、スロットルレバー22およびレバー操作センサ23を有している。
スロットルレバー22は、例えば船舶2の操船席の側方に配置されている。操船者はスロットルレバー22を握って、スロットルレバーの位置(傾斜角度)を変えることにより、出力設定操作を行う。
レバー操作センサ23は、スロットルレバー22の位置を検出する装置である。レバー操作センサ23として周知の位置センサまたは傾斜角センサ等を用いることができる。スロットルレバー22の位置は、出力設定操作により設定された各船外機3、4の内燃機関5の出力の設定値(以下、これを「出力設定値」という。)を示す。レバー操作センサ23は、スロットルレバー22の位置、すなわち、出力設定操作により設定された各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値を示す出力設定信号を出力制御装置25へ出力する。なお、本実施例において、出力設定操作により設定される、左側の船外機3の内燃機関5の出力設定値と右側の船外機4の内燃機関5の出力設定値とは互いに等しいものとする。操船者がスロットルレバー22の位置を変えると、左側の船外機3の内燃機関5の出力設定値と右側の船外機4の内燃機関5の出力設定値とが同時にかつ同程度に増加し、または減少する。
出力制御装置25は、出力操作装置21から出力された出力設定信号に基づいて各船外機3、4の内燃機関5の出力を増加または減少させる装置である。具体的には、出力制御装置25は、出力設定信号に基づいて各船外機3、4のスロットルバルブの開度(スロットル開度)を電子制御する制御回路である。出力制御装置25は、BCM(ボートコントロールモジュール)26、および2個のECM(エンジンコントロールモジュール)を有している。ECM27は船外機3、4ごとに設けられている。
BCM26は、出力操作装置21から出力された出力設定信号に基づいてスロットル開度を算出し、算出したスロットル開度を示すスロットル開度制御信号を各ECM27に出力する制御回路である。BCM26は例えばマイクロコンピュータおよびメモリ等を有している。各ECM27は、BCM26から出力されたスロットル開度制御信号に基づき、船外機3、4に設けられた電子式のスロットルバルブ6を制御するためのバルブ制御信号を船外機3、4のスロットルバルブ6へ出力する制御回路である。
BCM26は、基本的に、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値が増加したとき、各船外機3、4のスロットル開度を大きくするように各船外機3、4のスロットルバルブ6を制御する。各船外機3、4のスロットル開度が大きくなると、各船外機3、4の内燃機関5の出力が増加し、船舶2の推進力が上がる。また、BCM26は、基本的に、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値が減少したとき、各船外機3、4のスロットル開度を小さくするように各船外機3、4のスロットルバルブ6を制御する。各船外機3、4のスロットル開度が小さくなると、各船外機3、4の内燃機関5の出力が減少し、船舶2の推進力が下がる。また、BCM26は、旋回制御装置15が故障していない場合には、基本的に、左側の船外機3の内燃機関5の出力と、右側の船外機4の内燃機関5の出力とが互いに等しくなるように、各船外機3、4のスロットルバルブ6を制御する。
(操船システムのフェールセーフ機能)
また、操船システム1は、旋回制御装置15が故障しても船舶2の旋回を可能にするフェールセーフ機能を有している。具体的には、操船システム1は、PCM16により旋回制御装置15の故障を検出し、旋回制御装置15の故障が検出されたときに、旋回操作装置11から出力された旋回操作信号に基づいて、BCM26により、2機の船外機3、4の内燃機関5の出力をそれぞれ互いに異ならせることによって船舶2を旋回させることができる。
すなわち、PCM16は旋回制御装置15の故障を検出する。例えば、PCM16は、油圧ポンプ17の動作、油圧シリンダ18の動作、または油圧回路19内における作動油の圧力変化等を検出し、油圧ポンプ17を駆動させるポンプ制御信号を出力したにも拘わらず、油圧ポンプ17が動作せず、油圧シリンダ18が動作せず、または油圧回路19内の作動油の圧力が変化しない場合には、旋回制御装置15が故障したと判断する。旋回制御装置15が故障した場合、PCM16は、故障検出信号をBCM26に出力する。
また、BCM26は、PCM16から出力された故障検出信号に基づいて、旋回制御装置15の故障を認識する。また、操船システム1においては、図1に示すように、旋回操作装置11からの旋回操作信号が、旋回制御装置15のPCM16だけでなく、出力制御装置25のBCM26にも出力されるように構成されている。BCM26は、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、旋回操作装置11から旋回操作信号が出力されたとき、この旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量に基づいて、2機の船外機3、4のスロットル開度をそれぞれ制御する。これにより、2機の船外機3、4の内燃機関5の出力をそれぞれ互いに異ならせ、船舶2を旋回させる。
図3(A)は、旋回制御装置15の故障が認識されたときにおける、旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量と、これらに基づいて出力制御装置25により制御される左側の船外機3のスロットル開度との関係を示している。図3(B)は、旋回制御装置15の故障が認識されたときにおける、旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量と、これらに基づいて出力制御装置25により制御される右側の船外機4のスロットル開度との関係を示している。
旋回制御装置15の故障が認識され、かつ旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向が左方向であるときには、BCM26は、図3(A)に示すように、旋回操作の左方向の操作量が大きくなるに従って左側の船外機3のスロットル開度が小さくなるように左側の船外機3のスロットルバルブ6を制御し、これと同時に、図3(B)に示すように、旋回操作の左方向の操作量が大きくなるに従って右側の船外機4のスロットル開度が大きくなるように右側の船外機4のスロットルバルブ6を制御する。
一方、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向が右方向であるときには、BCM26は、図3(A)に示すように、旋回操作の右方向の操作量が大きくなるに従って左側の船外機3のスロットル開度が大きくなるように左側の船外機3のスロットルバルブ6を制御し、これと同時に、図3(B)に示すように、旋回操作の右方向の操作量が大きくなるに従って右側の船外機4のスロットル開度が小さくなるように右側の船外機4のスロットルバルブ6を制御する。
また、BCM26は、旋回制御装置15の故障が認識されたとき、旋回制御装置15の故障が認識されていないときと比較して、各船外機3、4の内燃機関5の出力を制限する。具体的には、BCM26は、旋回制御装置15の故障が認識されたとき、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値(出力設定操作により設定された各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値)に基づいて決定する各船外機3、4のスロットル開度を、旋回制御装置15の故障が認識されていないときと比較して小さくする。例えば、BCM26は、旋回制御装置15の故障が認識されたときに、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に基づいて決定する各船外機3、4のスロットル開度を、旋回制御装置15の故障が認識されていないときに、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に基づいて決定する各船外機3、4のスロットル開度の50%〜70%程度とする。
図4のグラフ中の二点鎖線は、旋回制御装置15の故障が認識されていないときにおける、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値と、これに基づいて出力制御装置25により決定される各船外機3、4のスロットル開度との関係を示している。また、図4のグラフ中の実線は、旋回制御装置15の故障が認識されたときにおける、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値と、これに基づいて出力制御装置25により決定される各船外機3、4のスロットル開度との関係を示している。
図4に示すように、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値が0よりも大きく所定の閾値M以下の範囲である場合、BCM26は、旋回制御装置15の故障が認識されたときの、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に応じたスロットル開度が、旋回制御装置15の故障が認識されていないときの、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に応じたスロットル開度よりも小さくなるように各船外機3、4のスロットルバルブ6を制御する。
また、旋回制御装置15の故障が認識されたときに、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値が上記閾値Mを超えた場合には、BCM26は、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に拘わらずスロットル開度が所定の開度Kを保つように各船外機3、4のスロットルバルブ6を制御する。
このように、BCM26は、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、旋回操作装置11から旋回操作信号が出力されたときには、旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量に基づいて2機の船外機3、4のスロットル開度を決定して船舶2を旋回させる制御を行う。ここで、この制御を「故障時旋回制御」という。また、BCM26は、旋回制御装置15の故障が認識されたときには、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に基づいて決定する各船外機3、4のスロットル開度を、旋回制御装置15の故障が認識されていないときと比較して小さくして、各船外機3、4の内燃機関5の出力を制限する制御を行う。ここで、この制御を「故障時出力制限制御」という。本実施例において、BCM26は、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、旋回操作装置11から旋回操作信号が出力されたときには、故障時旋回制御と故障時出力制限制御とを、次のように同時に行う。
すなわち、BCM26のメモリには、旋回制御装置15の故障が認識されたときにおける、旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量と、これらに基づいて出力制御装置25により決定すべき左側の船外機3のスロットル開度との関係(例えば図3(A)に示す関係)を記述した制御テーブル、制御マップまたは計算式が予め記憶されている。そして、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、旋回操作装置11から旋回操作信号が出力されたときには、BCM26は、この制御テーブル、制御マップまたは計算式を用いて、旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量に応じて左側の船外機3のスロットル開度を決定するための制御変数Vを算出する。次に、BCM26は、この制御変数Vと、その時点において出力操作装置21から出力されている出力設定信号が示す左側の船外機3の内燃機関5の出力設定値Pと、旋回制御装置15の故障が認識されたときに各船外機3、4の内燃機関5の出力を制限するための補正値C(例えば0.5〜0.7)とを用いて、次の演算を行い、旋回時の左側の船外機3のスロットル開度設定値TLTを算出する。
LT=V×P×C (F1)
ただし、V×Pの値が上記閾値Mを超えている場合には、BCM26はスロットル開度設定値TLTを上記所定の開度Kに設定する。
また、BCM26のメモリには、旋回制御装置15の故障が認識されたときにおける、旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量と、これらに基づいて出力制御装置25により決定すべき右側の船外機4のスロットル開度との関係(例えば図3(B)に示す関係)を記述した制御テーブル、制御マップまたは計算式が予め記憶されている。そして、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、旋回操作装置11から旋回操作信号が出力されたとき、BCM26は、この制御テーブル、制御マップまたは計算式を用いて、旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量に応じて右側の船外機4のスロットル開度を決定するための制御変数Vを算出する。次に、BCM26は、制御変数Vと、その時点において出力操作装置21から出力されている出力設定信号が示す右側の船外機4の内燃機関5の出力設定値Pと、上記補正値Cとを用いて、次の演算を行い、旋回時の右側の船外機4のスロットル開度設定値TRTを算出する。
RT=V×P×C (F2)
ただし、V×Pの値が上記閾値Mを超えている場合には、BCM26はスロットル開度設定値TLTを上記所定の開度Kに設定する。
そして、BCM26は、左側の船外機3のスロットル開度がスロットル開度設定値TLTとなるように左側の船外機3のスロットルバルブ6を制御し、かつ右側の船外機4のスロットル開度がスロットル開度設定値TRTとなるように右側の船外機4のスロットルバルブ6を制御する。
ここで、図5(A)は、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、船舶2を左に旋回させる旋回操作信号が旋回操作装置11から出力された場合に、BCM26により、故障時旋回制御と故障時出力制限制御とが同時に行われたことによって船舶2が左に旋回するときの状態を示している。図5(A)に示すように、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、船舶2を左に旋回させる旋回操作信号が旋回操作装置11から出力された場合には、故障時旋回制御および故障時出力制限制御により、船舶に取り付けられた2機以上の船外機3、4のうち、船舶2の左右方向中央よりも右側に位置する船外機4の内燃機関5の出力が、船舶2の左右方向中央よりも左側に位置する船外機3の内燃機関5の出力よりも大きくなる。したがって、船舶2は左に旋回する。
また、図5(B)は、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、船舶2を右に旋回させる旋回操作信号が旋回操作装置11から出力された場合に、BCM26により、故障時旋回制御と故障時出力制限制御とが同時に行われたことによって船舶2が右に旋回するときの状態を示している。図5(B)に示すように、旋回制御装置15の故障が認識され、かつ、船舶2を右に旋回させる旋回操作信号が旋回操作装置11から出力された場合には、故障時旋回制御および故障時出力制限制御により、船舶に取り付けられた2機以上の船外機3、4のうち、船舶2の左右方向中央よりも左側に位置する船外機3の内燃機関5の出力が、船舶2の左右方向中央よりも右側に位置する船外機4の内燃機関5の出力よりも大きくなる。したがって、船舶2は右に旋回する。
(操船システムの動作)
以上の構成を有する操船システム1の全体的な動作について説明する。図6は操船システム1の動作を示している。
図6において、操船システム1の稼働時、PCM16により旋回制御装置15の故障が検出されず、それゆえ、BCM26が旋回制御装置15の故障を認識していない場合において(ステップS1:NO)、操船者がハンドル12を用いて旋回操作を行ったときには、旋回操作装置11のハンドル操作センサ13がその旋回操作を検出し(ステップS2:YES)、その旋回操作の操作方向および操作量を示す旋回操作信号を旋回制御装置15のPCM16および出力制御装置25のBCMへ出力する。
続いて、旋回制御装置15のPCM16が、ハンドル操作センサ13から出力された旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量に基づいて、油圧ポンプ17および各油圧シリンダ18を制御し、各船外機3、4を水平方向に回動させることにより、各船外機3、4の方向を変える(ステップS3)。これにより、操船者の旋回操作に従って船舶2が旋回する。
また、BCM26が旋回制御装置15の故障を認識していない場合において、操船者がスロットルレバー22を用いて出力設定操作を行ったときには、出力操作装置21のレバー操作センサ23がその出力設定操作を検出し(ステップS4:YES)、その出力設定操作により設定された各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値を示す出力設定信号を出力制御装置25へ出力する。
続いて、出力制御装置25のBCM26が、レバー操作センサ23から出力された出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に基づいて、各船外機3、4のスロットル開度を制御し、各船外機3、4の内燃機関5の出力を増加または減少させる(ステップS5)。これにより、操船者の出力設定操作に従って船舶2の速度が増加または減少する。
一方、PCM16により旋回制御装置15の故障が検出されたとき、BCM26は、PCM16から出力された故障検出信号に基づいて、旋回制御装置15が故障したことを認識する(ステップS1:YES)。そして、BCM26が旋回制御装置15の故障を認識した場合において、操船者がハンドル12を用いて旋回操作を行ったときには(ステップS6:YES)、旋回操作装置11のハンドル操作センサ13がその旋回操作を検出し、その旋回操作の操作方向および操作量を示す旋回操作信号を旋回制御装置15のPCM16および出力制御装置25のBCMへ出力する。
続いて、出力制御装置25のBCM26が、上述したように、ハンドル操作センサ13から出力された旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量に基づいて制御変数Vを算出し、この制御変数V、出力設定値Pおよび補正値Cを用いて上記数式F1の演算を行い、旋回時の左側の船外機3のスロットル開度設定値TLTを算出する。さらに、BCM26は、ハンドル操作センサ13から出力された旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量に基づいて制御変数Vを算出し、この制御変数V、出力設定値Pおよび補正値Cを用いて上記数式F2の演算を行い、旋回時の右側の船外機4のスロットル開度設定値TRTを算出する。そして、BCM26は、左側の船外機3のスロットル開度がスロットル開度設定値TLTとなるように左側の船外機3のスロットルバルブ6を制御し、かつ右側の船外機4のスロットル開度がスロットル開度設定値TRTとなるように右側の船外機4のスロットルバルブ6を制御する。この制御の結果、旋回操作の操作方向および操作量に従って、左側の船外機3の内燃機関5の出力と右側の船外機4の内燃機関5の出力との間に差が生じる。これにより、旋回制御装置15の故障により各船外機3、4の方向を変えることができない状態であるにも拘わらず、操船者の旋回操作に従って船舶2が旋回する。
また、BCM26が旋回制御装置15の故障を認識した場合において、操船者がスロットルレバー22を用いて出力設定操作を行ったときには、出力操作装置21のレバー操作センサ23がその出力設定操作を検出し(ステップS8:YES)、その出力設定操作により設定された各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値を示す出力設定信号を出力制御装置25へ出力する。
続いて、出力制御装置25のBCM26が、レバー操作センサ23から出力された出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値P、P、および上記補正値C(例えば0.5〜0.7)に基づいて、各船外機3、4のスロットル開度を制御し、各船外機3、4の内燃機関5の出力を増加または減少させる(ステップS9)。例えば、船舶2の直進時に、BCM26は、出力設定値P、P、および上記補正値Cを用いて次の演算を行うことにより、直進時の左側の船外機3のスロットル開度設定値TLSおよび直進時の右側の船外機4のスロットル開度設定値TRSを算出する。
LS=P×C (F3)
RS=P×C (F4)
ただし、出力設定値P、Pのうちのいずれかが上記閾値Mを超えている場合には、BCM26は、スロットル開度設定値TLSおよびTRSをそれぞれ上記所定の開度Kに設定する。
そして、BCM26は、左側の船外機3のスロットル開度がスロットル開度設定値TLSとなるように左側の船外機3のスロットルバルブ6を制御し、かつ右側の船外機4のスロットル開度がスロットル開度設定値TRSとなるように右側の船外機4のスロットルバルブ6を制御する。これにより、旋回制御装置15が故障したときには、操船者の出力設定操作に沿って船舶2の直進時の推進力が設定されるが、旋回制御装置15が故障していないときと比較して、船舶2の直進時の推進力が制限される。つまり、操船者が直進時の船舶2の速度を上げる出力設定操作を行っても、旋回制御装置15が故障したときには、旋回制御装置15が故障していないときと比較して、直進時の船舶2の速度が増加する程度が小さくなる。
以上説明した通り、本発明の実施例の操船システム1によれば、旋回制御装置15の故障により船外機3、4の方向を変えることができない場合でも、旋回操作装置11から出力された旋回操作信号に基づいて、2機の船外機3、4の内燃機関5の出力をそれぞれ互いに異ならせることにより、船舶2を旋回させることができる。したがって、操船者は、旋回制御装置15が故障したときに、旋回制御装置15が故障していないときと同じ操作方法により、すなわち、ハンドル12を回すことにより、船舶2を旋回させることができる。
仮に、旋回制御装置15が故障したときと、旋回制御装置15が故障していないときとで船舶2を旋回させるための操作方法が異なる場合には、操船者は、旋回制御装置15が故障したときに、普段慣れている操作方法で船舶2を旋回させることができなくなるので、船舶2を旋回させる操作がやり難いと感じたり、操作に不安を感じたりすることがある。また、旋回制御装置15の故障時に船舶2を旋回させる操作方法を忘れてしまっており、船舶2を旋回させる操作を行うことができないといったことも考えられる。これに対し、本発明の実施例の操船システム1によれば、船舶2を旋回させるための操作方法が、旋回制御装置15が故障したときと、旋回制御装置15が故障していないときと同じなので、このような問題は生じない。したがって、操船者は、旋回制御装置15が故障したときに、容易かつ確実に、そして安心して船舶2を旋回させることができる。
また、本実施例の操船システム1では、旋回制御装置15が故障しているとき、旋回制御装置15が故障していないときと比較して、各船外機3、4の内燃機関5の出力を制限する。これにより、旋回制御装置15の故障時において船舶2を旋回させるときに、船外機3、4の内燃機関5の出力が大きくなりすぎ、船舶2の挙動が不安定になることを抑制することができる。また、旋回制御装置15の故障時には、船舶2の直進時における各船外機3、4の内燃機関5の出力をも制限する。これにより、例えば高速直進直後の旋回により船舶2の挙動が不安定になることを抑制することができる。
また、本実施例の操船システム1では、旋回制御装置15が故障したとき、旋回操作装置11から出力された旋回操作信号が示す旋回操作の操作方向および操作量、出力操作装置21から出力された出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値、および各船外機3、4の内燃機関5の出力を制限するための補正値を用いて演算することにより、各船外機3、4の内燃機関5の出力(各船外機3、4のスロットル開度)を決定する。この構成により、2機の船外機3、4の内燃機関5の出力差により船舶2を旋回させる制御、および各船外機3、4の内燃機関5の出力を制限する制御を、簡単な演算に基づいて迅速かつ確実に行うことができる。
なお、本発明の操船システムを適用する船舶の種類および大きさは限定されない。また、本発明の操船システムを適用する船舶に取り付けられた各船舶推進機は、船外機に限らず、船内外機でもよい。また、各船舶推進機の動力源は内燃機関に限らず、電動モータでもよい。各船舶推進機の動力源が電動モータの場合には、出力制御装置は、出力設定信号に基づいて各電動モータの回転数を増加または減少させる制御を行う。また、旋回制御装置において、各船舶推進機の方向を変えるアクチュエータは油圧式に限らない。また、本発明の操船システムは3機以上の船舶推進機が取り付けられた船舶にも適用することができる。
また、上記実施例では、図3(A)および(B)に示すように、旋回操作の操作方向が左である場合に、左側の船外機3のスロットル開度を旋回操作の操作量に従って小さくし、右側の船外機4のスロットル開度を旋回操作の操作量に従って大きくなるように制御し、旋回操作の操作方向が右である場合に、右側の船外機3のスロットル開度を旋回操作の操作量に従って小さくし、右側の船外機4のスロットル開度を旋回操作の操作量に従って大きくなるように制御する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。旋回操作の操作方向が左である場合に、左側の船外機3のスロットル開度を0にし、右側の船外機4のスロットル開度を旋回操作の操作量に従って大きくなるように制御し、旋回操作の操作方向が右である場合に、右側の船外機3のスロットル開度を0にし、右側の船外機4のスロットル開度を旋回操作の操作量に従って大きくなるように制御するようにしてもよい。
また、上記実施例では、旋回制御装置15の故障時の各船外機3、4の内燃機関5の出力制限制御において、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に応じて、各船外機3、4のスロットル開度を図4のグラフ中の実線に示すように変化させる場合を例にあげたが、出力設定信号が示す各船外機3、4の内燃機関5の出力設定値に応じた各船外機3、4のスロットル開度の変化の態様は、これに限定されない。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う操船システムもまた本発明の技術思想に含まれる。
1 操船システム
2 船舶
3、4 船外機(船舶推進機)
5 内燃機関(動力源)
6 スロットルバルブ
11 旋回操作装置
15 旋回制御装置
17 油圧ポンプ(アクチュエータ)
18 油圧シリンダ(アクチュエータ)
21 出力操作装置
25 出力制御装置

Claims (6)

  1. 2機以上の船舶推進機が取り付けられた船舶の操船制御を行う操船システムであって、
    前記各船舶推進機の方向を変えることによって前記船舶を旋回させるための旋回操作に応じた旋回操作信号を出力する旋回操作装置と、
    前記旋回操作装置から出力された前記旋回操作信号に基づいて前記各船舶推進機の方向を変える旋回制御装置と、
    前記各船舶推進機の動力源の出力を設定するための出力設定操作により設定された前記各船舶推進機の動力源の出力を示す出力設定信号を出力する出力操作装置と、
    前記出力操作装置から出力された前記出力設定信号に基づいて前記各船舶推進機の動力源の出力を増加または減少させる出力制御装置とを備え、
    前記出力制御装置は、前記旋回制御装置が故障したとき、前記旋回操作装置から出力された前記旋回操作信号に基づいて、前記2機以上の船舶推進機の動力源の出力をそれぞれ互いに異ならせることにより、前記船舶を旋回させることを特徴とする操船システム。
  2. 前記出力制御装置は、前記旋回制御装置の故障時に前記旋回操作信号に基づいて前記船舶を左に旋回させるとき、前記船舶に取り付けられた2機以上の船舶推進機のうち、前記船舶の左右方向中央よりも右側に位置する船舶推進機の動力源の出力を、前記船舶の左右方向中央よりも左側に位置する船舶推進機の動力源の出力よりも大きくし、前記旋回制御装置の故障時に前記旋回操作信号に基づいて前記船舶を右に旋回させるとき、前記船舶に取り付けられた2機以上の船舶推進機のうち、前記船舶の左右方向中央よりも左側に位置する船舶推進機の動力源の出力を、前記船舶の左右方向中央よりも右側に位置する船舶推進機の動力源の出力よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の操船システム。
  3. 前記出力制御装置は、前記旋回制御装置が故障しているとき、前記旋回制御装置が故障していないときと比較して、前記各船舶推進機の動力源の出力を制限することを特徴とする請求項1または2に記載の操船システム。
  4. 前記出力制御装置は、前記旋回制御装置が故障したとき、前記旋回操作装置から出力された前記旋回操作信号が示す旋回操作の操作量、前記出力操作装置から出力された前記出力設定信号が示す前記各船舶推進機の動力源の出力の設定値、および前記各船舶推進機の動力源の出力を制限するための補正値を用いて演算することにより、前記各船舶推進機の動力源の出力を決定することを特徴とする請求項3に記載の操船システム。
  5. 前記各船舶推進機の動力源は内燃機関であり、前記出力制御装置は前記各船舶推進機におけるスロットル開度を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の操船システム。
  6. 前記旋回制御装置は、前記各船舶推進機を水平方向に回動させるアクチュエータを有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の操船システム。
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