JP2021169470A - 眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法 - Google Patents

眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021169470A
JP2021169470A JP2021111256A JP2021111256A JP2021169470A JP 2021169470 A JP2021169470 A JP 2021169470A JP 2021111256 A JP2021111256 A JP 2021111256A JP 2021111256 A JP2021111256 A JP 2021111256A JP 2021169470 A JP2021169470 A JP 2021169470A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pilocarpine
oxymetazoline
ptosis
composition
formulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021111256A
Other languages
English (en)
Inventor
チャールズ エフ ボスワース
F Bosworth Charles
フーマン ディー ヘマティ
D Hemmati Houman
デイヴィッド エイ ホランダー
A Hollander David
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Allergan Inc
Original Assignee
Allergan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Allergan Inc filed Critical Allergan Inc
Publication of JP2021169470A publication Critical patent/JP2021169470A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/41641,3-Diazoles
    • A61K31/41781,3-Diazoles not condensed 1,3-diazoles and containing further heterocyclic rings, e.g. pilocarpine, nitrofurantoin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/41641,3-Diazoles
    • A61K31/4174Arylalkylimidazoles, e.g. oxymetazolin, naphazoline, miconazole
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0014Skin, i.e. galenical aspects of topical compositions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/02Drugs for disorders of the nervous system for peripheral neuropathies

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、低光量環境で患者の視力を改善する、眼に局所投与することができる薬理学的製品を提供することを課題とする。【解決手段】ピロカルピン及びオキシメタゾリンの組み合わせを投与することを含む、下垂を患う患者において下垂を治療する方法を提供することにより上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本出願は、2015年7月13日に出願された米国特許仮出願第62/191,951号の優先権を主張するものであり、その全内容を本願に引用して援用する。
本発明は、概して、眼瞼下垂(「下垂」)を治療または予防するための組成物及び方法に関し、より具体的には、下垂の非外科的治療、予防、及び回復のための組成物及び方法に関する。本発明はまた、暗所視を改善するための組成物及び方法に関する。
眼瞼下垂:
眼瞼下垂は、より一般的には下垂と称され、上眼瞼が、角膜縁上部からほぼ0.5〜2mm下である正常な成人の上眼瞼縁より下に垂れ下がるまたは下方移動することを指す。AAO(2007).Orbit,Eyelids,and Lacrimal System.Singapore,American Academy of Ophthalmology。下垂は眼の視軸上に侵入するために、それは、本質的に外見の単独の問題から視覚を遮る状態へと転じ得る。下垂は、筋原性、神経原性、腱膜性、機械性、または外傷性原因に起因し得る。通常、下垂は単独で生じるが、免疫障害、変性障害、神経障害、遺伝性障害、腫瘍、または感染症のような様々な医学的状態に関連している場合もある。下垂は、出生時に存在することも(先天性下垂)、高齢で発症することもあり得る(後天性下垂)。後天性下垂は、筋原性、神経原性(交感神経の病変、動眼神経の末梢または中枢病変)、腱膜性、外傷性、または機械性原因を有する可能性がある。
最も一般的なタイプの下垂は、後天性のタイプである。後天性下垂は、高齢者に起こることが多く、片眼または両眼に影響を及ぼすことがあり、典型的には、上眼瞼挙筋(挙筋)の腱膜の伸びまたは断裂によって引き起こされる。上眼瞼牽引筋群は一群の筋肉であり、その主な機能は、瞼板(眼瞼の構造的完全性を維持する稠密な線維組織)の上縁上に停止することによって、上眼瞼を挙上させたままにすることである。この群の一次的な筋肉は挙筋であり、この群の二次的な筋肉はミュラー筋である。
上眼瞼挙筋は、動眼神経(第III脳神経)の上部によって神経支配される横紋筋であり、眼瞼の開きを制御する。この筋肉は、チン小帯のすぐ上に起始して蝶形骨小翼に沿い、大体40mmの長さである。この筋肉は前側に続き、眼球の赤道部で筋肉から腱膜への移行が起こり、それは瞼板上縁からはほぼ15〜17mmである。ほぼ瞼板の上縁のレベルで、挙筋/腱膜複合体は皮膚に付着物を送り、上眼瞼溝を形成する。挙筋/腱膜複合体全体の長さは、ほぼ54〜60mmである。
眼窩隔膜は、前頭骨の眼窩辺縁弓からつながり、瞼板上縁の上5〜20mmで挙筋腱膜と融合し、上眼瞼における障壁としての機能を果たす。眼窩隔膜は解剖学的に各個体によって異なり、厚いことも薄いこともある。外科的には、眼窩隔膜は下垂に重要な構造である。
挙筋/腱膜複合体の下にはミュラー筋がある。ミュラー筋は挙筋/腱膜複合体に付着し、0.5〜1mmの長さの腱によって瞼板上部内に停止する。ミュラー筋は交感神経によって神経支配され、瞼裂幅を調節する。
臨床的には、下垂は、上眼瞼が垂れ下がる量に基づく重症度に従って、最低限の垂れ下がり(1〜2mm)、中等度の垂れ下がり(3〜4mm)、または瞳孔を完全に覆う重度の垂れ下がり(>4mm)に分類することができる。下垂を有する患者は、疲れた外観、かすみ目、及び流涙の増加について訴えることが多い。相当な下垂を有する患者は、顎が上がる位置に自分の頭を後ろに傾けたり、指で自分の眼瞼を持ち上げたり、または自分の眉を上げて正常な視作業を行ったりする必要があり得る。額及び頭皮の筋肉を絶えず活性化させることによって、緊張性頭痛及び眼精疲労がさらに引き起こされることもある。先天性下垂が矯正されないならば、視覚が永続的に不十分になる弱視が発症することがある。Finsterer,J.(2003).“Ptosis:causes,presentation,and management.”Aesthetic Plast Surg 27(3):193−204。
最低限または中等度の垂れ下がりは、患者が顔面非対称及び/または疲れて見える外観について訴えることが多いことから、主に外見上の懸念である。Finsterer,J.(2003).“Ptosis:causes,presentation,and management.”Aesthetic Plast Surg 27(3):193−204。上眼瞼が視軸に侵入するために(≧3mm)、下垂は、上部視野に影響を及ぼすだけでなく、瞳孔軸上に侵入している場合は中心視覚を制限することによって、相当な影響を視覚に及ぼすことがある。
下垂は、日常生活の活動に相当な影響を及ぼす可能性がある。例えば、下垂は下に目を向けると悪化するために、多くの下垂患者は読書力の低下を訴える。AAO(2007),Orbit,Eyelids,and Lacrimal System.Singapore,American Academy of Ophthalmology。多くの下垂患者は、瞳孔径が光の吸収を増大させるために増大する、夜間での機能低下についても訴えている。AAO(2007).Orbit,Eyelids,and Lacrimal System.Singapore,American Academy of Ophthalmology。
下垂の外科的修復は、年齢、病因、片眼の眼瞼が関与しているのかまたは両眼なのか、下垂の重症度、挙筋の機能、及び追加的な眼科的異常の存在に大きく依存する。Finsterer,J.(2003).“Ptosis:causes,presentation,and management.”Aesthetic Plast Surg 27(3):193−204。現時点では、下垂に対する認可された薬理学的治療は存在しない。軽度の下垂の外科的修復は、外見上の懸念という目的には医学的に不要と考慮されることから、典型的には保険が適用されない。Anderson,R.L.and J.B.Holds(1990).“Does anyone know how to differentiate a ‘functional’ defect from a cosmetic one?”Arch Ophthalmol 108(12):1685−1686。下垂が機能的影響と関連しているとき、外科的修復に対する保険の適用を得ることができる。機能障害の判断には視野検査が必要とされる。
最低限の下垂の場合、下垂の外科的治療のうち最も低侵襲的であるために、典型的には、結膜ミュラー筋切除術(ミュラー筋切除術)が行われる。(Finsterer,J.[2003].“Ptosis:causes,presentation,and management.”Aesthetic Plast Surg 27(3):193−204。)(Aakalu,V.K.and P.Setabutr[2011].“Current ptosis management:a national survey of ASOPRS members.”Ophthal Plast Reconstr Surg 27(4):270−276。)。中等度の下垂の場合、挙筋短縮術または挙筋前転術が行われる。重度の下垂の場合、典型的には、永久埋込体の配置を伴う、より侵襲的な手術である眉/前頭筋吊り上げ手術が行われる。
ミュラー筋は、豊富なα1アドレナリン受容体を含有している。フェニレフリンのようなアドレナリン作動薬によってミュラー筋上のα1アドレナリン受容体を活性化させると、眼瞼が挙上する(それによって、下垂が一時的に回復する)(Skibell,B.C.,J.H.Harvey,et al.(2007).“Adrenergic receptors in the ptotic human eyelid:correlation with phenylephrine testing and surgical success in ptosis repair.”Ophthal Plast Reconstr Surg 23(5):367−371。この薬理学に従って、大多数の眼科形成及び再建外科医は1滴のフェニレフリン(典型的には2.5%)を下垂の眼瞼を有する眼内(複数可)に滴下注入し、そうすることによって観察された下垂が一時的に回復するかどうか評価している。Aakalu,V.K.and P.Setabutr(2011).“Current ptosis management:a national survey of ASOPRS members.”Ophthal Plast Reconstr Surg 27(4):270−276。フェニレフリンに対して良好な応答を示す患者において、典型的にはミュラー筋切除術は下垂の治療に奏功する。フェニレフリンに対する不十分な応答は、ミュラー筋切除術からの準最適な結果に関連している。Maheshwari,R.and S.Maheshwari(2011).“Muller’s muscle resection for ptosis and relationship with levator and Muller’s muscle function.”Orbit 30(3):150−153。それによる下垂の改善が一時的であること、心血管の副作用が起こり得ること、及び瞳孔の拡大が誘発されることから、フェニレフリンは、下垂の長期の薬理学的治療として臨床的にも商業的にも実用的ではない。
下垂の外科的管理は成功しないことが多く、それは、手術によって下垂の眼瞼が矯正不足または過剰矯正となり、患者の眼瞼に非対称性を残すことがあるからである。下垂の進行性の性質及び手術後に眼瞼の垂れ下がりが戻ることから、下垂の外科的管理には2回以上の手術が必要となることが多い。下垂の外科的管理は、感染症、局所麻酔に対する不十分な応答、手術中の出血、手術後の出血、感染症、眼瞼溝の異常、眼瞼縁の輪郭の歪み、及び異物感をもたらすこともある。Finsterer,J.(2003).“Ptosis:causes,presentation,and management.”Aesthetic Plast Surg 27(3):193−204。必要とされているのは、長期間効果が持続する下垂治療を提供し、患者が手術を回避することを可能にする、下垂を治療するための局所的な医薬製品である。
夜盲:
夜盲は、夜間または低光量での視力が平均以下であることを指す。夜盲はそれ自体では障害ではなく、基礎疾患の症候である。それは、すべての年齢の人で生じる可能性があり、幼児であっても生じ得る。夜盲は、夜盲症または暗順応障害と称されることもある。夜盲は、先天性である場合も、近視、白内障、糖尿病薬(複数可)のようなある特定の薬物の副作用、またはビタミン欠乏症のような、後天性であり得る幾つもの状態の症候である場合もある。
低光量または薄明りに対する瞳孔の拡大は、視覚を改善するためにより多くの光を我々の目に取り入れることを可能にする目的論的適応(teleologic adaption)である。ヒトにおいて、薄明りに応答して瞳孔が拡大する度合いは、完全な闇の中での最大拡大の範囲で、3〜9mmである。
瞳孔が極めて小さいと(すなわち、約1mm)、光は虹彩で回折し、視覚機能が低下することになる。瞳孔が極めて大きいと(例えば、>6mm)、眼の光学における周辺収差によって視覚機能が低下することになる。ヒトの眼の場合、最良の光学性能は、瞳孔径がほぼ2.5mmの場合に得られる。低光量環境の場合、瞳孔径を2.5mmから6mmの間に維持することが理想的であろう。したがって、望ましい瞳孔を低い周辺光状況で得るまたは維持するときは、瞳孔の拡大を、本明細書に記述する通りに「制御されている」と考えられる。瞳孔の拡大の制御は、瞳孔の大きさの低減、または所望の瞳孔の拡大レベルの維持を含むことができる。
低光量環境で視力を改善する局所点眼薬は、現在のところ存在しない。
ピロカルピンは、副交感神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を平滑筋上で模倣するムスカリン受容体作動薬である。これは、ヒトにおいて(動物モデルでも同様)近見視力を強化する2つの効果を引き起こす。すなわち、1)虹彩括約筋が収縮して、縮瞳が生じる、及び2)毛様体筋が収縮して、水晶体中央の勾配が上がり、水晶体の遠近調節が行われる(遠くから近くに焦点が合う)。ピロカルピンは、老眼及び軽度の遠視を治療するための単独の薬物療法として使用されてきたが、0.5%未満の局所濃度では眼の遠近調節に最低限の効果しか発揮せず、0.5%より高い濃度では、眼の充血、眼痛、眉の痛み、及び頭痛のような副作用によって忍容性がないために、あまり有効ではなかった。
オキシメタゾリンは、幾らかムスカリン活性を有する可能性がある、α1a及びα2アドレナリン受容体の混合作動薬である。交感神経伝達物質であるノルアドレナリンによってアドレナリン受容体を刺激すると、放射状筋肉(散大筋)の収縮及びそれに続く瞳孔の拡大を引き起こす。オキシメタゾリンのα1a及びムスカリン活性はピロカルピンの作用に部分的に拮抗してその開始を遅延させることができ、眉の痛みの割合及び/または重症度を低減させる可能性がある。オキシメタゾリン及びピロカルピンを組み合わせて使用すると、臨床試験によって示されているように、この遅延によって縮瞳を長引かせることもできる。加えて、オキシメタゾリンは、ピロカルピンの毛様体筋収縮及び水晶体曲率(遠近調節)に及ぼす影響に拮抗することができるため、オキシメタゾリンをピロカルピンと組み合わせると、ピロカルピン単独の場合よりも遠距離視力の喪失を少なくすることができる。
低光量環境で患者の視力を改善することとなる、眼に局所投与することができる薬理学的製品が必要とされている。
本発明は、以下の機序を通して、下垂に続発する視軸の欠損を有する患者において下垂の手術の必要性を遅延させるまたは回避するための可逆的な薬理学的方法を提供することを意図している:
オキシメタゾリンによるミュラー筋の刺激によって上眼瞼が挙上すること、
ピロカルピンによって瞳孔が収縮し、それによって焦点深度と近見視力の両方が改善され、瞳孔縁が下垂の眼瞼縁から離れること、及び、
ピロカルピンとオキシメタゾリンの同時暴露中の相互作用によって上述の2つの効果が長引くこと。
本発明は、オキシメタゾリンとピロカルピンとの製剤を使用することによって下垂を治療するための組成物及び方法を提供する。本出願はまた、低光量状態で瞳孔の大きさまたは瞳孔径を最適化する及び/または制御する組成物及び方法を提供する。
オキシメタゾリン、C16242Oは、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノールとしても公知であり、以下の構造を有する:
Figure 2021169470
オキシメタゾリンは、オキシメタゾリンHClのような、塩の形態で使用されてもよい。
ピロカルピン、C111622は、(3S,4R)−3−エチル−4−((1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オンとしても公知であり、以下の構造を有する:
Figure 2021169470
ピロカルピンは、ピロカルピンHClのような、塩の形態で使用されてもよい。
本発明の幾つかの実施形態は、以下を含んでもよい:
1. ピロカルピン及びオキシメタゾリンの組み合わせを投与することを含む、下垂を患う患者において下垂を治療する方法。
2. 前記ピロカルピン及びオキシメタゾリンが単一製剤で投与される、実施形態1の方法。
3. 前記組成物が、眼に局所投与される、実施形態1及び2の方法。
4. 下垂を治療する前記方法であって、それを必要とする対象に、ピロカルピン及びオキシメタゾリンを含む治療的有効量の組成物を含む組成物を投与することを含む、前記方法。
5. 前記ピロカルピンがピロカルピンHClであり、オキシメタゾリンがオキシメタゾリンHClである、実施形態4の方法。
6. 前記組成物が、約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンを含む、実施形態1及び5の方法。
7. 前記組成物が、約0.1〜0.15%w/vのオキシメタゾリン及び約0.05〜0.15%w/vのピロカルピンを含む、実施形態1及び4の方法。
8. 前記組成物が、約0.01〜0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約0.05〜2%w/vのピロカルピンを含む、実施形態1及び4の方法。
9. 前記組成物が、約0.0125%〜0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5〜1.5%w/vのピロカルピンを含む、実施形態7の方法。
10. 前記組成物が、少なくとも1日に1回投薬される、実施形態6の方法。
11. 前記組成物が、1日に2回投薬される、実施形態6の方法。
12. 前記組成物が、1日に3回投薬される、実施形態6の方法。
13. 前記下垂が、後天性または先天性下垂であり得る、実施形態8、9、及び10の方法。
14. 前記下垂が筋原性下垂であり、前記患者が、重症筋無力症、ベル麻痺、筋緊張性ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、先天性ミオパチー及びミトコンドリア酸化ストレスからなる群から選択される1つを患っている、実施形態8、9、及び10の方法。
15. 前記下垂が、神経原性下垂、腱膜性下垂、機械性下垂、外傷性下垂、または偽性下垂である、実施形態8、9、及び10の方法。
16. 前記下垂が、突発性下垂、筋原性下垂、腱膜性下垂、神経原性下垂、機械性下垂、または外傷性下垂からなる群から選択される先天性下垂である、実施形態8、9、及び10の方法。
17. 前記患者が、ホルネル症候群またはマーカス・ガン症候群を患っている、実施形態8、9、10、及び14の方法。
18. 前記製剤が、手術の代替として処方される、実施形態2の方法。
19. 前記製剤が、下垂を治療するための手術後に適用される、実施形態2の方法。
20. 前記製剤が、下垂を治療するための眼科手術前に適用される、実施形態2の方法。
21. 前記製剤が、片眼または両眼における下垂を矯正するための手術後に適用される、実施形態17の方法。
22. 前記組成物を投与すると下垂の症候が緩和される、実施形態2、7、及び8の方法。
23. 下垂の症候の緩和が、上眼瞼の後退を含む、実施形態21の方法。
24. 下垂の症候の緩和が、下眼瞼の後退を含む、実施形態21の方法。
25. オキシメタゾリン及びピロカルピンが同時に投与される、実施形態1の方法。
26. オキシメタゾリン及びピロカルピンを含む組成物。
27. 約0.01〜0.5%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5〜1.5%w/vのピロカルピンを有する、実施形態25の組成物。
28. 表II及びIIIの1種または複数の賦形剤を有する、実施形態25及び26の組成物。
29. 約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンを有する、実施形態25の組成物。
30. 0.125%w/v及び1%w/vのピロカルピンを有する、実施形態28の組成物。
31. 表II及びIII中の1種または複数の賦形剤も含む、実施形態25、26、28、及び29の組成物。
32. 下垂を治療するための医薬品の製造における、オキシメタゾリン及びピロカルピンの単一組成物での使用。
33. 下垂を治療するための医薬品の製造における、約0.01〜0.5%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5〜1.5%w/vのピロカルピンの単一組成物での使用。
34. 下垂を治療するための医薬品の製造における、約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.1%w/vのピロカルピンの単一組成物での使用。
35. 下垂を治療するための、オキシメタゾリン及びピロカルピンの使用。
36. 下垂を治療するための、約0.01〜0.5%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5〜1.5%w/vのピロカルピンの使用。
37. 下垂を治療するための医薬品の製造における、約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.1%w/vのピロカルピンの単一組成物での使用。
38. 眼瞼下垂の治療に使用するための、オキシメタゾリン及びピロカルピンを含む組成物。
39. 約0.01〜0.2%w/vのオキシメタゾリン及び0.01〜2.0%w/vのピロカルピンを含む、実施形態37の組成物。
40. 約0.05〜0.15%w/vのオキシメタゾリン及び0.05〜1.5%w/vのピロカルピンを含む、実施形態38の組成物。
41. 約0.1〜0.15%w/vのオキシメタゾリン及び0.05〜1.5%w/vのピロカルピンを含む、実施形態37及び38の組成物。
42. 約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.1%w/vのピロカルピンを含む、実施形態37、38、39、及び40の組成物。
43. 0.125%w/vのオキシメタゾリン及び1%w/vのピロカルピンを含む、実施形態37、38、39、及び40の組成物。
44. 保存される、実施形態37、38、39、40、41、及び42の組成物。
45. 前記防腐剤が塩化ベンザルコニウムである、実施形態43の組成物。
46. 保存されない単位剤形である、実施形態37、38、39、40、41、及び42の組成物。
47. 眼内埋込体である、実施形態37、38、39、40、41、及び42の組成物。
48. ピロカルピン及びオキシメタゾリンの組み合わせを投与することを含む、低光量環境で患者の瞳孔の拡大を制御する方法。
49. 前記ピロカルピン及びオキシメタゾリンが単一製剤で投与される、実施形態47の方法。
50. 前記組成物が、低光量環境で視力を改善するために眼に局所投与される、実施例47及び48の方法。
51. 暗所視を治療する方法であって、それを必要とする対象に、ピロカルピン及びオキシメタゾリンを含む治療的有効量の組成物を含む組成物を投与することを含む、前記方法。
52. 前記組成物が、約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンを含む、実施形態47、48、49、及び50の方法。
53. 前記組成物が、約0.1〜0.15%w/vのオキシメタゾリン及び約0.05〜1.5%w/vのピロカルピンを含む、実施形態51の方法。
54. 前記組成物を患者に投与すると、前記組成物を投与されていない患者と比較して、低光量環境に応答する瞳孔の拡大が低減する、実施形態47、48、49、50、51、及び52の方法。
55.低光量環境での視力の改善に使用するための、オキシメタゾリン及びピロカルピンを含む組成物。
56. 約0.01〜0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約0.01〜5%w/vのピロカルピンを含む、実施形態54の組成物。
57. 約0.05〜0.15%w/vのオキシメタゾリン及び約0.05〜2%w/vのピロカルピンを含む、実施形態55の組成物。
58. 約0.1〜0.15%w/vのオキシメタゾリン及び0.05〜1.5%w/vのピロカルピンを含む、実施形態56の組成物。
59. 約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンを含む、実施形態54、55、56、及び57の組成物。
60. 0.125%w/vのオキシメタゾリン及び1%w/vのピロカルピンを含む、実施形態54、55、56、57及び58の組成物。
61. 0.125%w/vのオキシメタゾリンHCl及び1%w/vのピロカルピンHClを含む、実施形態54、55、56、57、58及び59の組成物。
62. 保存される、実施形態60の組成物。
本明細書に開示するのは、眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法である。
「約」及び「ほぼ等しい」という用語は、数値を修飾し、その値の周辺の規定された範囲を示すために本明細書で使用される。「X」がその値であるならば、「約X」または「Xにほぼ等しい」は一般に、0.90Xから1.10Xまでの値を示すこととなる。「約X」への言及はいずれも、少なくとも、X、0.90X、0.91X、0.92X、0.93X、0.94X、0.95X、0.96X、0.97X、0.98X、0.99X、1.01X、1.02X、1.03X、1.04X、1.05X、1.06X、1.07X、1.08X、1.09X、及び1.10Xである値を最低限でも示す。よって、「約X」は、例えば「0.98X」を開示することを意図している。「約」が数値範囲の始端に適用されたとき、それは範囲の両端に適用される。よって、「約6〜8.5」は、「約6〜約8.5」と等価である。「約」が一組の値の最初の値に適用されたとき、それはその組のすべての値に適用される。よって、「約7、9、または11%」は、「約7%、約9%、または約11%」と等価である。約は、生物学的に同等の治療効果を及ぼすと見込まれる、FDAまたはEMEAのような規制機関によって記載される数に近い数を指すこともある。
「活性な」、「医薬品有効成分」、及び「API」などの用語は、薬物製品の活性成分を指す。APIは、典型的には化学物質または化学物質の混合物である。かかる物質は、疾患の診断、治癒、軽減、治療、もしくは予防に薬理活性もしくは他の直接的な効果を与えるか、または対象の身体の構造及び機能に影響を及ぼすことが意図される。
「有効量」、「治療的有効量」、または「薬学的有効量」という用語は、下垂を治療するのに有効な活性薬剤の量を指し、それは、改善を検出できる量から症候の実質的な緩和まで様々な効果を含む。その結果は、疾患の徴候、症候、もしくは原因の低減及び/もしくは緩和、または生体系の任意の他の所望の変化であり得る。例えば、治療的使用の場合の「有効量」は、眼疾患の臨床的に有意な減少をもたらすのに必要な、本明細書に述べる通りの薬剤を含む組成物の量である。例えば、所与の態様の場合(例えば、罹患の長さ)、治療的有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、または100%の増加または減少を示すこととなる。治療効力は、「〜倍」の増加または減少として表現することもできる。例えば、治療的有効量は、対照よりも少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、またはそれ以上の効果を有することができる。任意の個別の症例における適正な「有効」量は、用量漸増試験のような技法を使用して判断することができる。
「製剤」及び「組成物」は、同等であること及び医薬用途に適した(すなわち、治療効果を発揮する、ならびに許容可能な薬物動態学的及び毒物学的性質を有する)物質の組成物を指すことを意図している。
「医薬として許容される」という用語は、生理学的に許容されると同等に使用される。ある特定の実施形態では、医薬として許容される組成物または調製物は保存中の緩衝及び保存用の薬剤を含むと見込まれ、投与経路に応じた適正な送達のための緩衝剤及び担体を含むことができる。
本明細書において使用される際、「予防する」及び「治療する」という用語は、絶対名辞であることを意図していない。治療は、発病のいかなる遅延も指すことができ、例えば、症候の頻度または重症度の低減、症候の回復、患者の快適さの改善、瞼の垂れ下がりの低減、低光量環境での視覚の改善などを指すことができる。治療の効果は、所与の治療を受けていない個体または個体のプールと、または同じ患者の治療前、または治療休止後と比較することができる。
「対象」、「患者」、「個体」という用語は、限定することを意図するものではなく、一般に互換可能である。すなわち、「患者」と記述した個体は、必ずしも所与の疾患を有しているとは限らず、医師の診察を受けているに過ぎないこともある。「対象」という用語は、本明細書において使用される際、示した障害を患う傾向のある動物界のすべての構成員を含む。幾つかの態様では、対象は哺乳動物であり、幾つかの態様では、対象はヒトである。
本明細書において使用される際「治療すること」または「治療」は、対象の状態において有益なまたは所望の結果、例えば臨床結果を得るための任意の手法を含む。有益なまたは所望の臨床結果として、1つまたは複数の症候または状態の緩和または回復、疾患の程度の減少、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化していない)、疾患の進行の遅延または緩徐化、疾患の再発の寛解、減少を挙げることができるが、これらに限定されない。治療は、疾患の発生を防止し、疾患の症候を緩和し、疾患の根底にある原因を完全にまたは部分的に除去し、疾患の継続時間を短くすることができ、または以上の組み合わせを為すことができる。
「治療すること」及び「治療」は、本明細書において使用される際、予防処置を含んでもよい。治療方法は、対象に治療的有効量の活性薬剤を投与することを含む。投与ステップは、単回投与からなっていても、または一連の投与を含んでもよい。治療期間の長さは、状態の重症度、患者の年齢、活性薬剤の濃度、治療に使用される組成物の活性、またはこれらの組み合わせのような種々の要因に依存する。治療または予防のために使用される薬剤の有効な用量は、特定の治療または予防計画の過程を通して増加させても減少させてもよいことも理解されよう。用量の変化は結果を生じることがあり、当技術分野で公知の診断検査によって明らかになり得る。場合によっては、慢性投与が必要とされる場合がある。例えば、組成物は、患者を治療するのに十分な量及び継続時間で対象に投与される。
本明細書において使用される際、「局所適用」、「局所投与」、及び「局所投与すること」は、本明細書では互換的に使用され、対象に投与することを含む。局所適用または局所投与すると、活性薬剤を眼に送達することができる。
「局所製剤」及び「局所医薬組成物」は、本明細書では互換的に使用され、眼への局所投与に適した製剤を含む。局所製剤は、例えば、その使用者に治療上の利益を与えるために使用されてもよい。
本明細書において使用される際、「医薬として許容される塩」という語句は、活性化合物(複数可)と同じ薬理活性を有し、生物学的にもまたは他の点でも望ましくないものではない、活性化合物(複数可)の塩を指す。塩は、例えば、有機または無機酸を用いて形成することができる。適切な酸の非限定的な例として、酢酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、ビスルフィック酸(bisulfic acid)、ホウ酸、酪酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、炭酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、ドデシルスルフィック酸(dodecylsulfic acid)、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グリセリン酸、グリセロリン酸、グリシン、グルコヘプタノン酸(glucoheptanoic acid)、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリコール酸、ヘミスルフィック酸(hemisulfic acid)、ヘプタン酸、ヘキサン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフチランスルホン酸(naphthylanesulfonic acid)、ナフチリック酸(naphthylic acid)、ニコチン酸、亜硝酸、シュウ酸、ペラルゴン(pelargonic)、リン酸、プロピオン酸、サッカリン、サリチル酸、ソルビン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、チオグリコール酸、チオ硫酸、トシル酸、ウンデシレン酸、天然及び合成由来アミノ酸が挙げられる。
塩基性塩の非限定的な例として、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム及びカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム及びマグネシウム塩、有機塩基との塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、メチル−D−グルカミン、ならびにアミノ酸、例えば、アルギニン、リジンなどとの塩が挙げられる。また、塩基性窒素含有基を、以下のような薬剤で四級化することができる:低級ハロゲン化アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、及びブチルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物、硫酸ジアルキル、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、及び硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物、例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステアリルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物、喘息ハロゲン化物(asthma halide)、例えば、臭化ベンジル及び臭化フェネチル、など。
組成物は、下垂の発症の前に、発症と同時に、及び/または発症の後に投与することができる。組成物は、1週間に1〜7日の間、所望の結果を得るのに必要な期間投与されてもよく、それは数日間から数か月であっても継続的であってもよい。組成物は、所望の効果に応じて、1日に1回または数回(2、3、4回またはそれ以上)投与することができる。ある特定の実施形態では、組成物は、1、2、3、4、5、6、または7日毎に投与することができる。別の実施形態では、組成物は、1、2、3、または4週間毎に1回または複数回投与することができる。投与は、月1回または隔月に1回行われてもよい。さらに、組成物は、1、2、3、6、9、もしくは12か月間、または継続的に投与することができる。ある特定の実施形態では、組成物は、所望の結果を維持するために継続的に投与することができる。組成物は、1日に1回、1日に2回、1日に3回、及び1日に4回まで投与することができる。
本明細書において使用される際、「担体」、「不活性担体」、及び「許容可能な担体」は互換的に使用することができ、所望の組成物を得るためにここに開示する化合物と組み合わせることができる担体を指す。一実施形態によれば、該組成物は、眼科的に許容可能なビヒクルまたは担体を含む。組成物を調製するために使用されてもよいビヒクルは、例えば、水溶液、分散体、エマルション、懸濁液、または軟膏を含んでもよい。
本開示によれば、本発明の眼科組成物は、乳化剤、湿潤剤、等張化剤、防腐剤、緩衝剤、酸化防止剤、及びフラボノイドのような(これらに限定されない)1つまたは複数の薬剤を任意選択で含むことができる。本開示の医薬組成物に有用な等張化剤として、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムのような塩、マンニトールまたはグリセリン、及び他の医薬として許容される等張化剤が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記述する医薬組成物に有用な防腐剤として、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、Purite(登録商標)、及び硝酸フェニル水銀が挙げられるが、これらに限定されない。pHを調整するための様々な緩衝剤及び手段を使用して医薬組成物を調製することができ、それらとして、酢酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、リン酸塩緩衝剤、及びホウ酸塩緩衝剤が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、医薬組成物に有用な酸化防止剤が当技術分野において周知であり、例えば、二亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチルヒドロキシアニソール、及びブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。フラボノイドは、植物中に見出される化合物であり、多岐にわたる有益な生化学作用及び抗酸化作用を有することが周知である。フラボノイドの副分類には、フラボン、フラボノール、フラバノンセ(flavanonse)及びフラバノノールが含まれる。フラボノイドの例として、ルテオリン、アピゲニン、タンゲリチン、ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン、フィセチン、イソラムネチン、パキポドール、ラムナジン、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、タキシフォリン、ジヒドロケルセチン、ジヒドロケンフェロール、タンニン酸、タニス(tannis)、縮合型タニス(tannis)、及び加水分解型タニス(tannis)が挙げられる。
本明細書に記述する化合物は、少なくとも所望の治療効果を得るのに必要な最小用量で投与されてもよい。一般に、かかる用量は、約1ml/日〜約100ml/日の範囲内、より好ましくは約10ml/日〜約500ml/日の範囲内になる。別の例示的な実施形態では、化合物または活性薬剤は、組成物または製剤中に約0.0001mg/kg/日〜約100mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲内で存在してもよい。しかし、投与すべき化合物の実際の量は、所与のいかなる症例であっても、医師が、患者の年齢及び体重、患者の全身的な身体状態、皮膚のしみの重症度、及び投与経路のような関連する状況を考慮に入れて決定することとなる。場合によっては、投薬は症例毎に評価される。組成物は、注射によってまたは眼内埋込体において局所適用されてもよい。
加えて、所与の期間にわたって化合物の放出を遅延させるように、または治療過程の所与の時点で放出される化合物の量が慎重に制御されるように、組成物を設計してもよい。
開示する組成物のpHは、約3〜約8.0、または約6.5〜約7.5であり得る。ある特定の実施形態では、製剤のpHは、約7.0〜約7.4、または約7.1〜約7.3である。
本明細書全体を通して言及される特許及び刊行物はいずれも、それぞれその全体を本願に引用して援用する。
本明細書に開示する本発明の実施形態は、本発明の原理を例示するためのものであることが理解されるべきである。使用することができる他の修正形態は本発明の範囲内にある。よって、本発明の代替的な構成を、例として(これに限定されない)、本明細書の教示に従って利用してもよい。したがって、本発明は、表示及び記述した内容に厳密に限定されるものではない。
製剤
本発明は、下垂を治療するための製剤及び方法からなる。製剤は、少なくとも、活性薬剤であるオキシメタゾリン及びピロカルピンを含む。
オキシメタゾリン、C16242O、は以下の構造を有する:
Figure 2021169470
オキシメタゾリンは、オキシメタゾリンHClのような、塩の形態で使用されてもよい:
Figure 2021169470
オキシメタゾリンの他の塩として、オキシメタゾリン臭化水素酸塩、オキシメタゾリンフッ化水素酸塩、オキシメタゾリン硫酸塩、オキシメタゾリンヨウ化水素酸塩、オキシメタゾリン硝酸塩、オキシメタゾリンクエン酸塩、オキシメタゾリンギ酸塩、オキシメタゾリン酢酸塩、オキシメタゾリン酒石酸塩、及びオキシメタゾリンフマル酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
ピロカルピン、C111622、は以下の構造を有する:
Figure 2021169470
ピロカルピンは、塩の形態で使用されてもよい:
Figure 2021169470
他の可能な塩として、限定されないが、ピロカルピン一硝酸塩、硝酸ピロカルピン、塩酸ピロカルピン、及びピロカルピン一水和物が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、製剤は約0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び約1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び約2%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.0125%w/vのオキシメタゾリン及び2%w/vのピロカルピンである。
一実施形態では、製剤は約0.025%w/vのオキシメタゾリン及び約0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.025%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.025%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.025%w/vのオキシメタゾリン及び約1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.025%w/vのオキシメタゾリン及び約2%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.025%w/vのオキシメタゾリン及び0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.025%w/vのオキシメタゾリン及び0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.025%w/vのオキシメタゾリン及び1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.025%w/vのオキシメタゾリン及び1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.025%w/vのオキシメタゾリン及び2%w/vのピロカルピンである。
一実施形態では、製剤は約0.05%w/vのオキシメタゾリン及び約0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.05%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.05%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.05%w/vのオキシメタゾリン及び約1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.05%w/vのオキシメタゾリン及び約2%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.05%w/vのオキシメタゾリン及び0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.05%w/vのオキシメタゾリン及び0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.05%w/vのオキシメタゾリン及び1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.05%w/vのオキシメタゾリン及び1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.05%w/vのオキシメタゾリン及び2%w/vのピロカルピンである。
一実施形態では、製剤は約0.1%w/vのオキシメタゾリン及び約0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.1%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.1%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.1%w/vのオキシメタゾリン及び約1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.1%w/vのオキシメタゾリン及び約2%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.1%w/vのオキシメタゾリン及び0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.1%w/vのオキシメタゾリン及び0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.1%w/vのオキシメタゾリン及び1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.1%w/vのオキシメタゾリン及び1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.1%w/vのオキシメタゾリン及び2%w/vのピロカルピンである。
一実施形態では、製剤は約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約2%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.125%w/vのオキシメタゾリン及び0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.125%w/vのオキシメタゾリン及び0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.125%w/vのオキシメタゾリン及び1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.125%w/vのオキシメタゾリン及び1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.125%w/vのオキシメタゾリン及び2%w/vのピロカルピンである。
一実施形態では、製剤は約0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は約0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約2%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.2%w/vのオキシメタゾリン及び0.25%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.2%w/vのオキシメタゾリン及び0.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.2%w/vのオキシメタゾリン及び1%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.2%w/vのオキシメタゾリン及び1.5%w/vのピロカルピンである。一実施形態では、製剤は0.2%w/vのオキシメタゾリン及び2%w/vのピロカルピンである。
幾つかの実施形態では、オキシメタゾリンは、パーセントw/vで約0.01〜約0.5、約0.01〜約0.2、約0.01〜約0.15、約0.0125〜約0.15、約0.0125〜約0.125、約0.02〜約0.15、約0.03〜約0.15、約0.04〜約0.15、約0.05〜約0.15、約0.06〜約0.15、約0.07〜約0.15、約0.08〜約0.15、約0.09〜約0.15、約0.1〜約0.15、約0.11〜約0.15、約0.115〜約0.15、約0.120〜約0.15、及び約0.125〜約0.15、約0.125〜約0.145、約0.125〜約0.14、約0.02〜約0.08、約0.03〜約0.08、約0.04〜約0.08、約0.05〜約0.08、約0.06〜約0.08、約0.07〜約0.08、約0.02〜約0.07、約0.03〜約0.07、約0.04〜約0.07、約0.05〜約0.07、約0.06〜約0.07、約0.02〜約0.06、約0.03〜約0.06、約0.04〜約0.06、約0.05〜約0.06、約0.02〜約0.05、約0.03〜約0.05、約0.04〜約0.05、約0.02〜約0.04、約0.03〜約0.04、または約0.02〜約0.03%(w/w)存在する。幾つかの実施形態では、オキシメタゾリンは、約0.01、0.012、0.0125、0.013、0.014、0.15、0.02、0.25、0.03、0.35、0.04、0.45、0.05、0.06、0.07、0.075、0.08、0.09、または0.1、0.11、0.12、0.121、0.122、0.125、0.13、0.135、0.140、0.145、0.150、0.155.0.160、0.165、0.170、0.175、0.180.、0.185、0.190、0.195、0.2、0.25、0.30、0.35、0.4、0.45及び0.5(%w/v)で存在する。
幾つかの実施形態では、ピロカルピンは、パーセントw/vで約0.01〜約5、約0.01〜約2、約0.01〜約1.5、約0.01〜約1.0、約0.01〜約0.5、約0.01〜約0.25、約0.02〜約0.5、約0.03〜約0.5、約0.04〜約0.5、約0.05〜約0.5、約0.06〜約0.5、約0.07〜約0.5、約0.08〜約0.5、約0.09〜約0.5、約0.1〜約0.5、約0.15〜約0.5、約0.2〜約0.5、約0.3〜約0.5、及び約0.4〜約0.5、約0.5〜約2、約0.5〜約1.5、約1〜約2、約1〜約1.5で存在するか、または、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、もしくは0.1、0.11、0.12、0.121、0.122、0.125、0.13、0.135、0.140、0.145、0.150、0.155.0.160、0.165、0.170、0.175、0.180、0.185、0.190、0.195、0.2、0.25、0.30、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.6、1.7、1.75、1.8、1.9、2.0、2.2、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.25、3.5、3.75、4、4.25、4.5、4.75、5(%w/v)で存在する。
ピロカルピン及びオキシメタゾリンの組み合わせ(それらの塩の形態であってもよい)を表1に示す。ピロカルピン及びオキシメタゾリンの各組み合わせは、表I中の製剤番号によって与えられる。
表1
Figure 2021169470
ある特定のビヒクル製剤(活性薬剤以外)を表II及び表IIIに開示する:

表II.ビヒクル
Figure 2021169470
表III:ビヒクル
Figure 2021169470
表I中の番号が付けられた活性薬剤の製剤はいずれも、表IIまたは表IIIのビヒクル製剤のいずれとも合わせることができることを意図している。
本発明の製剤は、局所投与に適している。ある特定の実施形態では、該組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、軟膏、ゲル、または固体の挿入物である。本開示は、マイクロエマルション及び逆エマルション(すなわち、油中水)を含む。マイクロエマルションは、油、水、及び界面活性剤の透明で安定な等方性液体混合物であり、共界面活性剤が組み合わされることも多い。
本発明による組成物の非限定的な実施例は以下の通りである。
実施例I
右眼の挙筋に外傷を負った後に軽度の後天性下垂を患っている34才の白人。結果的に、患者には、右上眼瞼のわずかな垂れ下がりが発生している。機能的に衰弱するまたは何らかの医学的な問題が起きてはいないが、右の眼瞼のわずかな垂れ下がりによって、患者は自分の外観について懸念を抱いている。0.125%w/vのオキシメタゾリン及び1.0%w/vのピロカルピンを含む局所製剤(表1中の処方11が表II中の製剤ビヒクル4に含まれる)を処方された後、患者は毎日2滴を、朝に1滴、12時間経った夕方に1滴を自分の右眼に適用する。2日後、患者は上方向に後退している右眼瞼の改善に気付く。7日間使用した後、右眼瞼は、後退した量で左眼瞼とほぼ等しくなる。
実施例II
60才のアジア人女性は、年齢と共に悪化した先天性の重度の下垂を両眼に患っている。患者は、ほぼ5.5mmの挙筋機能を有する。患者は、挙筋切除術及び眉/前頭筋吊り上げ術及び自家大腿筋膜移植を受ける。手術は左眼について奏功するが、右眼は矯正不足であり、結果的に両眼の間で対称性が失われる。患者は、1日2回用量の、表II中の製剤Iに教示される通りのビヒクルを用いた0.15%w/vオキシメタゾリン/1.25%w/vピロカルピン製剤(表1中、製剤番号136)の局所適用を処方される。1日使用した後、患者の左上眼瞼はほぼ2mm挙上し、また両眼間の対称性がほぼ得られ、患者が1日2回製剤を適用し続ける限り、それが維持される。
実施例III
55才のアフリカ系アメリカ人男性は両眼に筋原性下垂を患っており、以前に後方アプローチによる結膜ミュラー筋切除術(ミュラー筋及び結膜の切除)を受けている。しかし、患者の筋原性下垂は進行性であり、外科的矯正にもかかわらず悪化している。患者は眼球乾燥症候群も患っており、手術後に瞼板の安定性が減少し、副涙腺が少なくなったことから、患者の涙の基礎分泌は少なくなっている。したがって、患者はさらなる手術には値しない。手術の代わりに、患者は、0.135%w/vオキシメタゾリン/1.5%w/vピロカルピン製剤(表1の製剤番号253)及び表IIIのビヒクルに教示される通りのビヒクルの、1日1回のレジメンを処方される。5日間使用した後、両眼の上眼瞼がほぼ2.5mm後退し、患者に手術はもはや必要ない。
実施例IV
脳卒中を患った72才の白人女性は、右側に完全な下垂を有しており、もはや自分の右眼から見ることができない。彼女は、挙筋の悪化から局所的な筋原性の異形成を患っていると思われる。挙筋は完全に収縮及び弛緩することができず、彼女の右眼瞼はその結果である。患者は、0.15%w/vオキシメタゾリン/1.5%w/vピロカルピン(表IIのビヒクル5中に表Iの処方256)を適用し、2日後に彼女の上眼瞼は後退し始め、1週間後に患者の眼瞼は、患者が製剤を適用する限り正常に後退する。
実施例V
32才のラテンアメリカ系男性は、ホルネル症候群を患っており、彼の顔面の右側の交感神経幹に神経の損傷がある。患者は、収縮瞳孔及び右下眼瞼のわずかな挙上によって特徴付けられる逆下垂を患っている。患者は、夜間の視覚低下も訴えている。患者は、表IIのビヒクル3に含まれる0.10%w/vオキシメタゾリン/1.0%w/vピロカルピン(表I中の処方6)を数滴、1日に2回適用する。患者は、右下眼瞼の後退及び暗所視の改善を含めた結果について直ちに気が付いている。
実施例VI
41才の白人女性は、重症筋無力症を患っており、その結果として彼女の左眼には筋原性下垂がある。患者は、自分の左眼の下垂を矯正するために複数の手術を受けたが、再発をきたしている。患者は、表IIのビヒクル5に含まれる0.135%w/vオキシメタゾリン及び1.1%w/vピロカルピン(表Iの製剤61)を数滴、1日に3回(「TID」)投与する。2週間の投与の後、患者の左眼瞼は正常に後退し、筋原性下垂をもはや患っていない。
実施例VII
53才のアフリカ系アメリカ人男性は、右眼に重度の下垂(>4mm)があり、挙筋機能がほとんどまたは全くなく、それほど重度であるために彼はもはやその眼から見ることができない。患者は、眉にコラーゲン注射を伴う眉/前頭筋吊り上げ手技を受けている。
手術は成功裏に挙筋機能を改善するが、患者には依然として3〜4mmの中等度の下垂が発生している。患者は、3滴の0.125%w/vオキシメタゾリン/1.25%w/vピロカルピン製剤(表1の製剤131及び表IIのビヒクル製剤2)を1日2回(「BID)自己投与し、数日後、中等度の下垂は最低限の下垂(1〜2mm)に改善され、2週間の継続投与において下垂の症候はすべて消失する。
実施例VIII
4才の白人男性の小児患者には、軽度の先天性筋原性下垂が彼の左眼にあり、挙筋の不完全な発育によって生じたと思われる。状態は進行性であり、悪化している。患者は、自分の左眼から適切に見ることができない結果として、弱視(「斜視」)を発症し始めている。患者は、外科的矯正を受けるのではなく、表I中の0.125%w/vオキシメタゾリン/1.0%w/vピロカルピン製剤11及び表II中のビヒクル9)を1日に1回受ける。数日後、患者の上眼瞼は正常に後退し始め、もはや下垂を示さず、弱視は徐々に改善される。
実施例IX
71才の白人女性は、特に低い周辺光環境のために夜間に運転するのが困難である。患者は、3滴の0.125%w/vオキシメタゾリン/1.0%w/vピロカルピン製剤11(表I中)及びビヒクル10(表II中)を自己投与し、それにより瞳孔の拡大が低減し、それによって低周辺光環境での彼女の視覚が改善される。
実施例X
51才のアジア系男性は、異常に拡大した瞳孔のために低い周辺光条件で見ることに困難を呈している。患者は、2滴の0.15%w/vオキシメタゾリン/1.5%w/vピロカルピン製剤(表I中の製剤254及び表II中のビヒクル製剤7)を自己投与し、それにより低周辺光での患者の瞳孔径が低減し、視覚の改善を覚える。

Claims (20)

  1. ピロカルピン及びオキシメタゾリンの組み合わせを投与することを含む、下垂を患う患者において下垂を治療する方法。
  2. ピロカルピン及びオキシメタゾリンが単一製剤で投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組成物が、下垂の眼に局所投与される、請求項2に記載の方法。
  4. 下垂を治療する前記方法であって、それを必要とする対象に、ピロカルピン及びオキシメタゾリンを含む治療的有効量の組成物を含む組成物を投与することを含む、前記方法。
  5. 前記組成物が、約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約1.0%w/vのピロカルピンを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記組成物が、約0.0125〜0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約0.05〜1.5%w/vのピロカルピンを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記組成物が、少なくとも1日に1回投薬される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記組成物が、1日に2回投薬される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記組成物を投与すると下垂の症候が低減する、請求項7に記載の方法。
  10. オキシメタゾリン及びピロカルピンが同時に投与される、請求項1に記載の方法。
  11. オキシメタゾリン及びピロカルピンを含む、眼瞼下垂の治療に使用するための組成物。
  12. 約0.01〜0.2%w/vのオキシメタゾリン及び約0.05〜1.5%w/vのピロカルピンを含む、請求項11に記載の組成物。
  13. 約0.0125〜0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約0.5〜1.5%w/vのピロカルピンを含む、請求項12に記載の組成物。
  14. 約0.125%w/vのオキシメタゾリン及び約1.0%w/vのピロカルピンならびに表IIからの少なくとも1種の賦形剤を含む、請求項13に記載の組成物。
  15. 0.125%w/vのオキシメタゾリン及び1.0%w/vのピロカルピンを含む、請求項14に記載の組成物。
  16. 保存される、請求項11から15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記防腐剤が塩化ベンザルコニウムである、請求項17に記載の組成物。
  18. 防腐剤を含まない、請求項11から15のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 局所投与のために製剤化された水溶液である、請求項11に記載の組成物。
  20. 眼内埋込体の形態である、請求項11に記載の組成物。
JP2021111256A 2015-07-13 2021-07-05 眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法 Pending JP2021169470A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562191951P 2015-07-13 2015-07-13
US62/191,951 2015-07-13
JP2018501171A JP2018520176A (ja) 2015-07-13 2016-07-07 眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018501171A Division JP2018520176A (ja) 2015-07-13 2016-07-07 眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021169470A true JP2021169470A (ja) 2021-10-28

Family

ID=56511914

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018501171A Pending JP2018520176A (ja) 2015-07-13 2016-07-07 眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法
JP2021111256A Pending JP2021169470A (ja) 2015-07-13 2021-07-05 眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018501171A Pending JP2018520176A (ja) 2015-07-13 2016-07-07 眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20190000808A1 (ja)
EP (1) EP3322416A1 (ja)
JP (2) JP2018520176A (ja)
CA (1) CA2991767A1 (ja)
HK (1) HK1255695A1 (ja)
WO (1) WO2017011271A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120225918A1 (en) * 2011-03-03 2012-09-06 Voom, Llc Compositions and Methods for Non-Surgical Treatment of Ptosis
EP3407976A4 (en) 2016-01-26 2019-07-17 Levation Pharma Ltd. COMPOSITIONS AND USES OF ALPHA-ADRENERGIC AGENTS
KR20230079489A (ko) 2018-04-24 2023-06-07 알러간, 인코포레이티드 안구 증상의 치료를 위한 필로카르핀 염산염의 용도

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014506927A (ja) * 2011-03-03 2014-03-20 ブーム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 眼瞼下垂症の非外科的治療用組成物および方法
JP2014533238A (ja) * 2011-09-20 2014-12-11 アラーガン インコーポレイテッドAllergan,Incorporated 老眼、弱度の遠視、および不正乱視を治療する組成物およびその治療方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4956981B2 (ja) * 2005-01-05 2012-06-20 大正製薬株式会社 オキシメタゾリン含有水性組成物
PT1938839E (pt) * 2006-12-18 2009-09-30 Jorge Luis Benozzi Composições oftálmicas de estimulantes parassimpáticos e anti-inflamatórios para utilização no tratamento de presbiopia
US10507245B2 (en) * 2012-07-19 2019-12-17 Luis Felipe Vejarano Restrepo Ophthalmic formulation and method for ameliorating presbyopia

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014506927A (ja) * 2011-03-03 2014-03-20 ブーム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 眼瞼下垂症の非外科的治療用組成物および方法
JP2014533238A (ja) * 2011-09-20 2014-12-11 アラーガン インコーポレイテッドAllergan,Incorporated 老眼、弱度の遠視、および不正乱視を治療する組成物およびその治療方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOURNAL DE PHARMACOLOGIE, vol. Vol.7, No.2, pp.227-240, JPN6022037972, 1976, ISSN: 0005031524 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP3322416A1 (en) 2018-05-23
WO2017011271A1 (en) 2017-01-19
CA2991767A1 (en) 2017-01-19
US20190000808A1 (en) 2019-01-03
JP2018520176A (ja) 2018-07-26
HK1255695A1 (zh) 2019-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2019200623B2 (en) Compositions and methods for the treatment of presbyopia
AU2019261598B2 (en) Use of pilocarpine hydrochloride for the treatment of ocular conditions
JP2021169470A (ja) 眼瞼下垂を治療するための組成物及び方法
CN103957887B (zh) 包含前列腺素F2α衍生物和透明质酸的眼用组合物
Grzybowski et al. A review of pharmacological presbyopia treatment
US20150133455A1 (en) Folic acid – ramipril combination: cell protective, neuroprotective and retinoprotective ophtalmoligic compositions
JP2022541854A (ja) 老視の治療のための組成物および方法
JP2020183373A (ja) 眼疾患を処置するためのオキシメタゾリン組成物および方法
JP2022537139A (ja) 抗老眼効果を増強するためのカルバコール-ブリモニジン製剤
JP2022508715A (ja) 緑内障および関連状態の処置のための方法および組成物
JP2020527609A (ja) 近視の処置のための組成物および方法
WO2022103250A1 (es) Composición oftalmológica sinérgica en dosis de baja concentración eficaz en la prevención, control y erradicación de la presbicia
US11433096B2 (en) Ophthalmic formulation and methods of use
Williamson et al. 14 Medical Therapy for Glaucoma
TW202333700A (zh) 用於治療眼病之組成物及方法
TW202333662A (zh) 增強抗老花眼效果之卡巴可(carbachol)調配物
CN116459251A (zh) 一种含西维美林的眼用制剂及其制备方法和应用

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210802

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220912

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230406