JP2021164956A - スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置 - Google Patents

Abstract

【課題】スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供する
【解決手段】流体作動式シリンダ（１１）と、油圧回路によって少なくとも１つのシリンダ（１１）に流体接続された少なくとも１つの油圧アキュムレータ（２０）とを備え、油圧回路は、作動流体（１３）を少なくとも１つのシリンダ（１１）から排出する。装置は、排出ダクト（１６）と取り入れダクト／枝路（３１）との間に、下死点の方へのスライダ（１２）の平行移動中に作動流体（１３）を排出するための第１の枝路（２３）と、スライダ（１２）が下死点に到達すると１つのシリンダ（１１）内の残りの作動流体（１３）の超過圧力を排出するための第２の枝路（２４）を設ける。
【選択図】図１

Description

本発明は、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置に関する。

現在のところ、シートメタルをプレス加工するためのプレス機では、成形対象のシートメタルを変形ステップ中にロックするために機器が使用されている。

実際、周囲領域が変形対象の領域に対して型部分同士の間で不適切に動くことを防止するために、１つまたは複数の周囲端縁に近位の複数の箇所でシートメタルをロックしなければならず、これは所望の成形結果を危うくする。

現在知られている機器は、通常、成形動作の最初のステップの間はシートメタルを支持するように適合された第１のシートプレッサ要素の平行移動運動のための少なくとも１つの流体作動式（ガスおよび／または油作動式）アクチュエータを備えている。

このような流体作動式アクチュエータは、一般に、流体作動式シリンダである。
使用時の構成では下側の要素である第１のシートプレッサ要素は、プレス機の土台と一体になっている第１の下型部分の上にシートメタルが位置するようにシートメタルを支持する。

このような第１のシートプレッサ要素は、プレス機の上側スライダに関連付けられた第２の型部分と一体になっている第２のシートプレッサ要素と協働するように適合されている。

成形動作中、すなわちプレス機の上側スライダの下降中、これら２つのシートプレッサ要素は、シートメタルの周囲部分をそれらの要素の間で閉じられた状態にしておく。

下側シートプレッサ要素を支持する流体作動式シリンダは、作動流体（すなわち、ガスまたは油）を供給するための回路も備える装置の一部である。

このような装置は、プレス機の開放ステップ中に上記シリンダのステムの戻りを遅延させるための適合された手段を備えている。

シリンダのステムがプレス機の動作によって下方に押されると、元来圧縮可能である流体は、その一部のみがシリンダの加圧されたチャンバから排出される。

実際、プレス機によって成形されたシートメタルを取り出すためのステップの開始時に上側スライダが再び上方に移動してシリンダが出されると、依然として各シリンダのチャンバ内に存在している圧縮された流体は膨張して、シートメタルの周囲部分に対して実質的に推進的な推力を作用させる。

これは、反り、屈曲および他の同様の変形を生じさせたり、上型部分に当たるようにシートメタル全体を押すことにより修理不可能な損傷を生じさせたりする可能性がある。

シリンダのステムの戻りを遅延させるための手段は、加圧された油を受けるように適合された油圧コントローラを備え、この油圧コントローラは、プレス機の上側スライダの推力を受けて排出ダクト内を移動する。

圧縮の終了時にシリンダに残っている圧縮された流体の膨張によるステムのいわゆる「スプリングバック」効果を解消するには、単に油圧アキュムレータを適用するだけでは不十分である。

実際、流体の推力が一方向弁の閉止と同時に生じるかまたはさらに悪いことにはそれに先立つ場合にシリンダへの油の注入の停止を早めてアキュムレータへの油のわずかな戻りさえも回避するように、油圧プレナムチャンバ（または、複数の油圧プレナムチャンバ）の動作とプレス機の動作とを連携させることが必要である。

本発明の目標は、上記の局面のうちの１つまたは複数の局面において背景技術を改善することができる、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供することである。

この目標の範囲内で、本発明の目的は、「スプリングバック」効果を回避するかまたはいずれの場合にも公知のタイプの同様の装置と比較してそれを減少させる、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供することである。

本発明の別の目的は、公知の既に動作しているプレス機に容易に適用することができる、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供することである。

本発明の別の目的は、ガスシリンダアクチュエータによって下側シートプレッサ要素に加えられる力を調節することができる、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供することである。

さらに、本発明の目的は、いかなる既存の解決策にも取って代わる態様で背景技術の欠点を克服することである。

本発明の別の目的は、非常に信頼性があり、比較的容易に競争力のあるコストで提供される、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供することである。

以下で一層明らかになるであろうこの目標ならびにこれらのおよび他の目的は、第１のシートプレッサ要素の平行移動のための、シートメタルをプレス加工するためのプレス機に適用可能なタイプのシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置によって実現され、上記第１のシートプレッサ要素は、上記ステムと接触しており、第１の型部分に近位であり、上記第１のシートプレッサ要素は、上記プレス機のスライダと一体になっている第２のシートプレッサ要素と協働し、上記スライダは、上記第１の型部分に相補的な第２の型部分を支持し、
上記装置は、
少なくとも１つの流体作動式シリンダと、
油圧回路によって上記少なくとも１つのシリンダに流体接続された少なくとも１つの油圧アキュムレータとを備え、
上記油圧回路は、
作動流体を上記少なくとも１つのシリンダから排出するためのダクトおよび上記作動流体を上記油圧アキュムレータに取り入れるためのダクト／枝路と、
上記作動流体を上記少なくとも１つのシリンダに装填するためのダクトおよび上記作動流体を上記油圧アキュムレータから出力するためのダクト／枝路とを備え、
上記装置は、上記排出ダクトと上記取り入れダクト／枝路との間に、上記油圧回路の少なくとも２つの枝路を備え、上記少なくとも２つの枝路は、
下死点の方への上記スライダの平行移動中に上記作動流体を排出するための第１の枝路、
上記スライダが上記下死点に到達すると上記少なくとも１つのシリンダ内の残りの上記作動流体の超過圧力を排出するための第２の枝路であることを特徴とする。

本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例として添付の図面に示された、本発明に係るスタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置の好ましいが排他的でない実施形態の説明から一層明らかになるであろう。

本発明に係る、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置の簡略化された概略図である。 第１の動作ステップにおける図１の装置の概略図である。 第２の動作ステップにおける図１の装置の概略図である。 第３の動作ステップにおける図１の装置の概略図である。 第４の動作ステップにおける図１の装置の概略図である。 図１〜図５の装置が適用されるプレス機の断面図である。

図面を参照して、本発明に係る、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置は、全体が参照番号１０によって示されている。

このような装置は、ステム４０を備えた少なくとも１つの流体作動式シリンダ１１を備えている。

図面に示されている例では、２つのシリンダ１１がある。
シリンダ１１は、第１の下側シートプレッサ要素５２の垂直平行移動運動のために、シートメタル５１をプレス加工するためのプレス機５０において使用され、第１の下側シートプレッサ要素５２は、ステム４０と接触しており、第１の下型部分５３に近位である。

第１のシートプレッサ要素５２は、プレス機５０のスライダ１２と一体になっている第２の上側シートプレッサ要素５４と協働し、スライダ１２は、第１の型部分５３に相補的な第２の上型部分５５を支持する。

装置１０は、油１３などによって構成される循環作動流体を有する回路内で接続された複数の要素によって構成されている。

特に、各シリンダ１１は、たとえばその端板１９に、
作動流体をシリンダ１１のチャンバ１８から排出するためのダクト１６に影響を及ぼす第１の一方向弁１４と、
作動流体をシリンダ１１のチャンバ１８に装填するためのダクト１７に影響を及ぼす第２の一方向弁１５とを有している。

排出ダクト１６および装填ダクト１７は、たとえば窒素ベースの油圧アキュムレータなどの油圧アキュムレータ２０に流体接続されている。

特に、排出ダクト１６は、たとえば油圧マニホールド２１によって装置１０の油圧回路の３つの枝路に分かれている。

これら３つの枝路は、
下死点の方へのスライダ１２の平行移動中に油１３を排出するための第１の枝路２３、
スライダ１２が下死点に到達するとチャンバ１８内の残りの油１３の超過圧力を排出するための第２の枝路２４、
第３の安全枝路２２である。

本明細書における「下死点」という表現は、スライダ１２の下方ストローク限界点を意味する。

３つの油圧回路枝路２２，２３および２４は、排出ダクト１６と油圧アキュムレータ２０との間に延在している。

第１の枝路２３は、シリンダ１１のチャンバ１８から油１３を排出するための手段２５を備えている。

排出手段２５は、
圧力制限弁２６、たとえばカートリッジ弁と、
シリンダ１１のステム４０の降下に対する力を調節するように適合された調節可能なシーケンス弁２７とを備えている。

第２の枝路２４は、スライダ１２が下死点にある状態でシリンダ１１のチャンバ１８内の残りの油１３の圧力を解放するための手段２８を備えている。

残りの油１３の圧力を解放するための手段２８は、方向弁２９をさらに備えている。
第３の枝路２２は、約３１５バールの圧力での安全弁３０を備えている。

これら３つの枝路２２，２３および２４は、油圧アキュムレータ２０への取り入れのための、油１３のための単一のダクト／枝路３１に合流している。

装置１０は、アキュムレータ２０から出力するための、油１３のためのダクト／枝路３２をさらに備えている。

装置１０は、アキュムレータ２０から始まって、出力ダクト／枝路３２に沿って、
空気／油ラジエータによって構成される、油１３を冷却するための手段３３と、
制御弁によって構成される、シリンダ１１のステムを上昇させるための手段３４とを、この順序で備えている。

特に、冷却手段３３は、油１３を冷却するように適合されている。
１つまたは複数の装填ダクト１７は、シリンダ１１のステム４０を上昇させるための手段３４の下流で、上記出力ダクト／枝路３２から延在している。

本発明に係る装置１０の動作は、以下の通りである。
図１は、スライダ１２を矢印Ａの方向に降下させる前の休止状態における装置１０を示す。

スライダ１２が下死点の方向に下降している間に（図２）、ステム４０は降下して、シリンダ１１のチャンバ１８内に存在する油１３は、排出ダクト１６を通って出て行って、第１の枝路２３および取り入れダクト／枝路３１を通って油圧アキュムレータ２０に到達する（矢印Ｂによって示される経路を辿る）。

スライダ１２が下死点に到達すると（図３）、チャンバ１８内に存在するいかなる超過圧力も減少／除去され、同時に「スプリングバック」効果を減少／除去して、残留圧力を解放するための手段２８を作動させることにより、シリンダ１１のチャンバ１８から油圧アキュムレータ２０の方に出て行く油１３を第２の枝路２４および取り入れダクト／枝路３１を通るように誘導する（矢印Ｃによって示される経路を辿る）。

スライダ１２が図４における矢印Ｄの方向に再び上昇しても、シリンダのステム４０は、シリンダ１１のチャンバ１８内に存在するいかなる超過圧力も減少／除去されている下死点の位置に対応する位置にとどまったままである。

スライダ１２が初期位置に戻る、および／または、以前に変形されたシートメタルが取り除かれると（図５）、ステムを上昇させるための手段３４を作動させることによって、および、油圧アキュムレータ２０からシリンダのチャンバ１８への油１３を出力ダクト／枝路３２および装填ダクト１７を通るように誘導する（矢印Ｅによって示される経路を辿る）ことによって、シリンダ１１のステム４０は初期位置に戻される。

実際には、本発明は、「スプリングバック」効果を回避するかまたはいずれの場合にも公知のタイプの同様の装置と比較してそれを減少させる、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供することによって所期の目標および目的を実現することが分かった。

本発明は、公知の既に動作しているプレス機に容易に適用することができる、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供する。

さらに、本発明は、ガスシリンダアクチュエータによって下側シートプレッサ要素に加えられる力を調節することができる、スタンピングプレス機に適用されたシリンダにおけるステムの戻りを制御するための装置を提供する。

このように構想された本発明は、多数の変形および変更が可能であり、これらは全て添付の特許請求の範囲の範囲内である。さらに、全ての詳細は、他の技術的に等価の要素と置き換えられてもよい。

実際には、使用される材料は、特定の用途ならびに付随する形状および寸法と適合性がある限り、要件および技術水準に従ったいずれの材料であってもよい。

Claims (11)

1. 第１のシートプレッサ要素（５２）の平行移動のための、シートメタル（５１）をプレス加工するためのプレス機（５０）に適用可能なタイプのシリンダ（１１）におけるステム（４０）の戻りを制御するための装置（１０）であって、前記第１のシートプレッサ要素（５２）は、前記ステム（４０）と接触しており、第１の型部分（５３）に近位であり、前記第１のシートプレッサ要素（５２）は、前記プレス機（５０）のスライダ（１２）と一体になっている第２のシートプレッサ要素（５４）と協働し、前記スライダ（１２）は、前記第１の型部分（５３）に相補的な第２の型部分（５５）を支持し、
   前記装置（１０）は、
   少なくとも１つの流体作動式シリンダ（１１）と、
   油圧回路によって前記少なくとも１つのシリンダ（１１）に流体接続された少なくとも１つの油圧アキュムレータ（２０）とを備え、
   前記油圧回路は、
   作動流体（１３）を前記少なくとも１つのシリンダ（１１）から排出するためのダクト（１６）および前記作動流体（１３）を前記油圧アキュムレータ（２０）に取り入れるためのダクト／枝路（３１）と、
   前記作動流体（１３）を前記少なくとも１つのシリンダ（１１）に装填するためのダクト（１７）および前記作動流体（１３）を前記油圧アキュムレータ（２０）から出力するためのダクト／枝路（３２）とを備え、
   前記装置（１０）は、前記排出ダクト（１６）と前記取り入れダクト／枝路（３１）との間に、前記油圧回路の少なくとも２つの枝路を備え、前記少なくとも２つの枝路は、
   下死点の方への前記スライダ（１２）の平行移動中に前記作動流体（１３）を排出するための第１の枝路（２３）、
   前記スライダ（１２）が前記下死点に到達すると前記少なくとも１つのシリンダ（１１）内の残りの前記作動流体（１３）の超過圧力を排出するための第２の枝路（２４）であることを特徴とする、装置（１０）。
2. 前記少なくとも１つのシリンダ（１１）は、
   前記排出ダクト（１６）に影響を及ぼす第１の一方向弁（１４）と、
   前記装填ダクト（１７）に影響を及ぼす第２の一方向弁（１５）とを有することを特徴とする、請求項１に記載の装置（１０）。
3. 前記第１の枝路（２３）は、前記作動流体（１３）を前記少なくとも１つのシリンダ（１１）から排出するための手段（２５）を備えることを特徴とする、先行する請求項のうちの１つまたは複数の請求項に記載の装置（１０）。
4. 前記排出手段（２５）は、
   圧力制限弁（２６）と、
   調節可能なシーケンス弁（２７）とを備えることを特徴とする、請求項３に記載の装置（１０）。
5. 前記第２の枝路（２４）は、前記スライダ（１２）が前記下死点にある状態で前記少なくとも１つのシリンダ（１１）内の残りの前記作動流体（１３）の圧力を解放するための手段（２８）を備えることを特徴とする、先行する請求項のうちの１つまたは複数の請求項に記載の装置（１０）。
6. 残りの前記作動流体（１３）の圧力を解放するための前記手段（２８）は、方向弁（２９）を備えることを特徴とする、請求項５に記載の装置（１０）。
7. 前記第１の枝路（２３）および前記第２の枝路（２４）に平行な前記回路の第３の枝路（２２）を備え、前記第３の枝路（２２）は安全枝路であることを特徴とする、先行する請求項のうちの１つまたは複数の請求項に記載の装置（１０）。
8. 前記第３の枝路（２２）は安全弁（３０）を備えることを特徴とする、請求項７に記載の装置（１０）。
9. 前記アキュムレータ（２０）から始まって、前記出力ダクト／枝路（３２）に沿って、
   前記作動流体（１３）を冷却するための手段（３３）と、
   前記少なくとも１つのシリンダ（１１）の前記ステム（４０）を上昇させるための手段（３４）とを、この順序で備えることを特徴とする、先行する請求項のうちの１つまたは複数の請求項に記載の装置（１０）。
10. 前記作動流体（１３）を冷却するための前記手段（３３）がラジエータによって構成されることを特徴とする、請求項９に記載の装置（１０）。
11. 前記少なくとも１つのシリンダ（１１）の前記ステム（４０）を上昇させるための前記手段（３４）が制御弁によって構成されることを特徴とする、請求項９または１０に記載の装置（１０）。

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