JP2021164276A - バックアップ電源回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックアップ電源回路を提供する。【解決手段】電源回路から負荷への電力の供給を停止した場合に、負荷に対して電力を供給するバックアップ電源回路において、負荷に供給すべき電力を蓄電する複数の蓄電素子と、負荷への電力の供給元を複数の蓄電素子のうちから選択的に切り替える切替部と、供給元として選択した蓄電素子の使用状況を検知する検知部と、検知部の検知結果に応じて、切替部による切替えを制御する制御部とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、バックアップ電源回路に関する。
工作機械は、例えば、負荷に対して電力を供給する主電源回路と、主電源回路からの電力供給を停止した場合に、電力の供給するバックアップ電源回路とを備える。工作機械がクロックやSRAMなどを備える場合、これらの負荷は、主電源回路が電力供給を停止した場合であっても、バックアップ電源回路からの電力により動作するよう構成してある。
特許文献1は、バックアップ電源回路として一次電池を備える数値制御装置を開示している。特許文献1の数値制御装置は、一次電池の残量を検出し、残量を段階的に報知する。ユーザは、数値制御装置からの報知に基づき、必要に応じて一次電池を交換する。このような数値制御装置では、一次電池の寿命に応じて、交換作業やメンテナンス作業が発生する。
本発明の目的は、交換作業やメンテナンス作業の頻度を抑えることができるバックアップ電源回路を提供することにある。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路は、電源回路から負荷への電力の供給を停止した場合に、前記負荷に対して電力を供給するバックアップ電源回路において、前記負荷に供給すべき電力を蓄電する複数の蓄電素子と、前記負荷への電力の供給元を前記複数の蓄電素子のうちから選択的に切り替える切替部と、前記供給元として選択した蓄電素子の使用状況を検知する検知部と、前記検知部の検知結果に応じて、前記切替部による切替えを制御する制御部とを備える。
上記一態様によれば、蓄電素子の使用状況が切替条件を満たす場合、制御部は、切替部による切り替えを制御する。この結果、負荷への電力供給元は、前記蓄電素子から他の蓄電素子に切り替わる。一次電池の寿命に応じて交換作業やメンテナンス作業が発生する従来技術と比較して、交換作業やメンテナンス作業の頻度は低くなる。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記検知部は、前記蓄電素子の使用時間を検知し、前記制御部は、前記検知部により検知した使用時間の累計に応じて、前記供給元を他の蓄電素子に切り替えるべく前記切替部を制御する。
上記一態様によれば、蓄電素子の使用時間の累計が切替条件として設定してある使用時間を超過した場合、負荷への電力供給元は、前記蓄電素子から他の蓄電素子に切り替わる。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記検知部は、前記蓄電素子の使用頻度を検知し、前記制御部は、前記検知部により検知した使用頻度に応じて、前記供給元を他の蓄電素子に切り替えるべく前記切替部を制御する。
上記一態様によれば、蓄電素子の使用頻度が切替条件として設定してある使用頻度を超過した場合、負荷への電力供給元は、前記蓄電素子から他の蓄電素子に切り替わる。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記検知部は、前記蓄電素子の劣化状態を検知し、前記制御部は、前記検知部により検知した前記蓄電素子の劣化状態に応じて、前記供給元を他の蓄電素子に切り替えるべく前記切替部を制御する。
上記一態様によれば、蓄電素子の劣化状態が切替条件として設定してある劣化条件よりも低下した場合、負荷への電力供給元は、前記蓄電素子から他の蓄電素子に切り替わる。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記検知部は、前記蓄電素子の充放電回数を検知し、前記制御部は、前記検知部により検知した充放電回数に応じて、前記供給元を他の蓄電素子に切り替えるべく前記切替部を制御する。
上記一態様によれば、蓄電素子の充放電回数が切替条件として設定してある充放電回数を超過した場合、負荷への電力供給元は、前記蓄電素子から他の蓄電素子に切り替わる。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記制御部は、一の蓄電素子と他の蓄電素子とを可逆的に選択すべく前記切替部を制御する。
上記一態様によれば、制御部が切替部を制御することにより、一の蓄電素子から他の蓄電素子への切替えと、他の蓄電素子から一の蓄電素子への切替えとが可能である。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記制御部は、一の蓄電素子から他の蓄電素子へ不可逆的に選択すべく前記切替部を制御する。
上記一態様によれば、制御部が切替部を制御することにより、一の蓄電素子から他の蓄電素子への切替えのみが可能である。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記切替部に対して前記複数の蓄電素子を並列に接続してある。
上記一態様によれば、並列に接続した複数の蓄電素子の少なくとも1つから電力を供給できればバックアップ電源回路として機能するので、バックアップ電源回路としての信頼性が向上する。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記蓄電素子は、電気二重層コンデンサである。
上記一態様によれば、一次電池と比較して寿命が長い電気二重層コンデンサを用いることによって、交換作業やメンテナンス作業の頻度は低くなる。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記負荷は、リアルタイムクロックである。
上記一態様によれば、バックアップ電源回路を搭載する装置がシャットダウンした場合であっても、リアルタイムクロックは時刻の計時を継続できる。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路において、前記負荷は、冷却装置を含む。
上記一態様によれば、バックアップ電源回路を搭載する装置がシャットダウンした場合であっても、装置内部を冷却できる。
本発明の一態様に係るバックアップ電源回路は、前記蓄電素子の周辺温度が平衡状態に達するまでの間、前記冷却装置を駆動する駆動部を備える。
上記一態様によれば、蓄電素子の周辺温度を下げることができるので、温度の影響を受けやすい蓄電素子の寿命を延ばすことができる。
本発明にあっては、交換作業やメンテナンス作業の頻度を抑えることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1はバックアップ電源回路を含む制御系の構成を示す回路図である。本実施の形態では、一例として、工作機械が備えるバックアップ電源回路10について説明する。バックアップ電源回路10は、主電源に対する予備的な電源を備えた電源回路である。工作機械が起動している間、主電源(例えば商用電源)は、工作機械が備える各種の負荷に対して電力を供給すると共に、比較的低電圧で作動する電子回路などの負荷に対しては制御電源を通じて電力を供給する。ここで、制御電源は、主電源からの交流電圧を整流し、かつ降圧した電圧を、電子回路などの負荷に供給する降圧回路を含む。一方、工作機械のシャットダウンによって主電源が電力供給を停止した場合、バックアップ電源回路10は、所定の負荷に対して電力を供給する。
(実施の形態1)
図1はバックアップ電源回路を含む制御系の構成を示す回路図である。本実施の形態では、一例として、工作機械が備えるバックアップ電源回路10について説明する。バックアップ電源回路10は、主電源に対する予備的な電源を備えた電源回路である。工作機械が起動している間、主電源(例えば商用電源)は、工作機械が備える各種の負荷に対して電力を供給すると共に、比較的低電圧で作動する電子回路などの負荷に対しては制御電源を通じて電力を供給する。ここで、制御電源は、主電源からの交流電圧を整流し、かつ降圧した電圧を、電子回路などの負荷に供給する降圧回路を含む。一方、工作機械のシャットダウンによって主電源が電力供給を停止した場合、バックアップ電源回路10は、所定の負荷に対して電力を供給する。
本実施の形態におけるバックアップ電源回路10は、負荷に供給すべき電力を蓄電する蓄電素子C1,C2、蓄電素子C1,C2を選択的に切り替えるスイッチSW1,SW2、及び蓄電素子C1,C2の使用状況に応じてスイッチSW1,SW2を制御するPLD(Programmable Logic Device)11を備える。
バックアップ電源回路10は、工作機械がシャットダウンし、主電源が電力供給を停止した場合、RTC(Real Time Clock)20に対して電力を供給する。なお、バックアップ電源回路10の電力供給先は、RTC20に限らず、SRAM(Static Random Access Memory)など、工作機械が備える任意の電子回路であってもよい。
蓄電素子C1,C2は、例えば電気二重層コンデンサである。蓄電素子C1,C2は、工作機械が起動している間、主電源が供給する電力を蓄電する。蓄電素子C1,C2は、それぞれ整流素子D1,D2を介して負荷(以下、RTC20とする)に接続する。蓄電素子C1,C2は、工作機械がシャットダウンし、主電源からRTC20への電力供給を停止した場合、主電源に代わりRTC20へ電力を供給する。
蓄電素子C1,C2は、主電源から電力供給がない場合であっても、予め設計した期間はRTC20の稼働を維持できるような蓄電容量を有することが好ましい。例えば、工場の大型連休による工作機械の非稼働期間を1ヶ月と想定した場合、蓄電素子C1,C2は、主電源から電力供給がない場合であっても、想定した非稼働期間である1ヶ月間はRTC20を稼働できることが好ましい。
なお、蓄電素子C1,C2は、電気二重層コンデンサに限らず、他の二次電池であってもよい。蓄電素子C1,C2の種類及び蓄電容量は、互いに同一であってもよく、互いに異なってもよい。バックアップ電源回路10が備える蓄電素子の数は3つ以上であってもよい。更に、バックアップ電源回路10は、蓄電素子C1,C2に対して並列に接続した別の蓄電素子を備えてもよい。
スイッチSW1,SW2は、例えばFET(Field-Effect Transistor)である。スイッチSW1,SW2を構成するFETのゲートはPLD11に接続し、ソースは抵抗素子R1を介して制御電源に接続し、ドレインはそれぞれ整流素子D3,D4を介して蓄電素子C1,C2の正極に接続する。
スイッチSW1,SW2は、PLD11からの制御により、蓄電素子C1又は蓄電素子C2を蓄電する状態、蓄電素子C1からRTC20に対して電力を供給する状態、及び蓄電素子C2からRTC20に対して電力を供給する状態に切り替わる。スイッチSW1,SW2を切り替えるタイミングについては後に詳述する。
本実施の形態におけるバックアップ電源回路10は、2つの蓄電素子C1,C2を切り替えるために、2つのスイッチSW1,SW2を備える構成としたが、3つ以上の蓄電素子を備える場合、各蓄電素子に対応してスイッチを設けてもよい。また、図1におけるスイッチSW1,SW2は、Pチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)を示しているが、スイッチSW1,SW2に用いるFETはPチャネル型MOSFETに限らず、適宜のFETであってもよい。
PLD11は、スイッチSW1,SW2による切替えを制御する制御回路である。PLD11は、前述のRTC20、スイッチSW1,SW2の他、不揮発性メモリ12、CPU30(Central Processing Unit)などを接続する。PLD11は、RTC20及びCPU30から取得した情報、並びに不揮発性メモリ12から読み出した情報に基づき、蓄電素子C1,C2の使用状況を検知し、検知結果に応じた切替信号(制御電圧)をスイッチSW1,SW2へ出力することにより、スイッチSW1,SW2による切替えを制御する。
本実施の形態におけるバックアップ電源回路10は、スイッチSW1,SW2による切替えを制御する制御回路として、PLD11を備える構成としたが、マイコン、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含む適宜の制御回路を備える構成であってもよい。また、本実施の形態におけるバックアップ電源回路10は、PLD11及び不揮発性メモリ12を個別に備える構成としたが、PLD11及び不揮発性メモリ12を一体に備える構成としてもよい。
CPU30は、工作機械の全体を制御する制御回路であり、NC(Numerical Control)制御、各種ユニット間の通信制御などを実行する。また、CPU30は、工作機械をシャットダウンする際、シャットダウンが完了する直前のタイミングにてシャットダウン情報をPLD11へ出力する。PLD11は、CPU30から取得したシャットダウン情報を不揮発性メモリ12へ転送する。不揮発性メモリ12は、PLD11経由で取得したシャットダウン情報を自身の記憶領域に記憶する。不揮発性メモリ12が記憶するシャットダウン情報は、工作機械がシャットダウンしたことを表す情報である。
本実施の形態における工作機械は、工作機械全体を制御する制御回路としてCPU30を備える構成としたが、マイコン、DSP、FPGAなどを含む適宜の制御回路を備える構成であってもよい。また、本実施の形態における工作機械は、工作機械全体を制御する制御回路(CPU30)と、スイッチSW1,SW2による切替えを制御する制御回路(PLD11)とを個別に備える構成としたが、これらの制御回路を一体に備える構成であってもよい。更に、工作機械は、PLD11、CPU30、及び不揮発性メモリ12を一体に備える構成であってもよい。
RTC20は、整流素子D5を介して制御電源に接続すると共に、整流素子D1,D2を介して蓄電素子C1,C2に接続する。RTC20は、工作機械が起動している間は、主電源が制御電源を介して供給する電力により作動し、工作機械がシャットダウンしている間は、蓄電素子C1,C2が供給する電力により作動する。すなわち、RTC20は、主電源または蓄電素子C1,C2からの供給電力により、現在時刻を計時し、現在時刻を示す時刻情報をPLD11へ出力する。
PLD11は、RTC20から取得した時刻情報を不揮発性メモリ12へ転送する。工作機械において現在時刻の情報を保持するために、PLD11は、RTC20から時刻情報を取得する都度、不揮発性メモリ12へ転送してもよい。また、PLD11は、所定のイベントが発生した場合、そのタイミングでRTC20から取得した時刻情報を、イベントの発生時刻の情報として不揮発性メモリ12へ転送してもよい。
不揮発性メモリ12は、各種の情報を記憶する記憶領域を有する。不揮発性メモリ12が記憶する情報は、RTC20が出力する時刻情報や工作機械において発生したイベントに関する情報を含む。不揮発性メモリ12は、RTC20が時刻情報を出力する都度、PLD11経由でRTC20からの時刻情報を取得し、取得した時刻情報を現在時刻の情報として所定の記憶領域に記憶してもよい。また、不揮発性メモリ12は、工作機械において発生したイベントの情報と、イベントの発生時刻を示すRTC20の時刻情報とをPLD11経由で取得し、両者を関連付けて記憶領域内に記憶してもよい。例えば、工作機械においてシャットダウンが発生した場合、不揮発性メモリ12は、シャットダウン情報とシャットダウン時刻を示すRTC20の時刻情報とをPLD11経由で取得し、両者を関連付けて自身の記憶領域にシャットダウンの履歴として記憶してもよい。
不揮発性メモリ12が記憶する情報は、計時情報を含んでもよい。計時はPLD11が実行すればよい。PLD11は、時間を計時するタイマを備えていてもよく、RTC20が出力する時刻情報を参照して時間を計時してもよい。PLD11は、蓄電素子C1,C2からRTC20への電力供給を開始してから電力供給を停止するまでの時間(すなわち、蓄電素子C1,C2の使用時間)を計時してもよい。なお、蓄電素子C1,C2からRTC20への電力供給は、工作機械がシャットダウンしている間に実行するので、PLD11は、不揮発性メモリ12が記憶しているシャットダウン時刻の情報と、次の起動時にRTC20が出力する現在時刻の情報とを用いて、工作機械がシャットダウンしていた期間を算出することにより、蓄電素子C1,C2の使用時間を計時すればよい。
不揮発性メモリ12が記憶する情報は、蓄電素子C1,C2を切替える切替条件に関する情報を含んでもよい。実施の形態1において、不揮発性メモリ12は、蓄電素子C1,C2の使用時間に基づく切替条件を自身の記憶領域に記憶する。切替条件は、例えば、蓄電素子C1の寿命を想定した使用時間とすることができる。PLD11は、蓄電素子C1の使用時間を計時し、計時した蓄電素子C1の使用時間の累計が切替条件の使用時間(例えば10年)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2に切り替える。この場合、蓄電素子C1を寿命まで使用することを想定しているので、PLD11は、蓄電素子C2の使用開始後に再度蓄電素子C1に切り替えることは行わない。すなわち、PLD11は、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2へ不可逆的に切り替えればよい。
切替条件は、蓄電素子C1の寿命を想定した使用時間よりも短い使用時間であってもよい。PLD11は、蓄電素子C1の使用時間を計時し、計時した蓄電素子C1の使用時間の累計が切替条件の使用時間(例えば1ヶ月)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2に切り替える。切替条件が比較的短い使用時間である場合、蓄電素子C1は、寿命に達していない限り再使用可能である。このため、蓄電素子C2への切替後、PLD11は、蓄電素子C2の使用時間を計時し、計時した使用時間の累計が切替条件の使用時間(例えば1ヶ月)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C2から蓄電素子C1に切り替える。すなわち、PLD11は、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1と蓄電素子C2との間で可逆的に切り替えればよい。
不揮発性メモリ12が記憶する情報は、スイッチSW1,SW2のオン又はオフの状態を示すスイッチ情報を含んでもよい。上述したように、PLD11は、蓄電素子C1,C2の使用状況に応じて、スイッチSW1,SW2をオン又はオフに切り替える。PLD11は、スイッチSW1,SW2をオン又はオフに切り替えた場合、スイッチSW1,SW2のオン又はオフの状態を示すスイッチ情報を不揮発性メモリ12へ出力する。不揮発性メモリ12は、PLD11が出力するスイッチ情報を自身の記憶領域に記憶する。
実施の形態1において、PLD11は、蓄電素子C1,C2の使用時間に基づき、スイッチSW1,SW2の切替制御を実行する。代替的に、切替条件は、蓄電素子C1,C2の使用頻度、劣化状態、又は充放電回数について定めた条件であってもよい。後述する実施の形態2〜実施の形態4では、PLD11が、蓄電素子C1,C2の使用頻度、劣化状態、充放電回数に基づき、スイッチSW1,SW2の切替制御を実行する構成について説明する。
以下、バックアップ電源回路10の動作について詳述する。
図2は実施の形態1におけるスイッチSW1,SW2の制御手順を説明するフローチャートである。PLD11は、工作機械が起動する都度、以下の処理を実行する。PLD11は、不揮発性メモリ12が記憶するスイッチ情報を確認し(ステップS101)、スイッチSW1及びスイッチSW2が共にオフであるか否かを判断する(ステップS102)。スイッチSW1及びスイッチSW2が共にオフである場合(S102:YES)、PLD11は、スイッチSW1をオンする切替信号(制御電圧)を出力する(ステップS103)。このとき、PLD11は、スイッチSW1がオンかつスイッチSW2がオフである旨のスイッチ情報を不揮発性メモリ12へ出力する。不揮発性メモリ12は、PLD11が出力するスイッチ情報を自身の記憶領域に記憶する。
図2は実施の形態1におけるスイッチSW1,SW2の制御手順を説明するフローチャートである。PLD11は、工作機械が起動する都度、以下の処理を実行する。PLD11は、不揮発性メモリ12が記憶するスイッチ情報を確認し(ステップS101)、スイッチSW1及びスイッチSW2が共にオフであるか否かを判断する(ステップS102)。スイッチSW1及びスイッチSW2が共にオフである場合(S102:YES)、PLD11は、スイッチSW1をオンする切替信号(制御電圧)を出力する(ステップS103)。このとき、PLD11は、スイッチSW1がオンかつスイッチSW2がオフである旨のスイッチ情報を不揮発性メモリ12へ出力する。不揮発性メモリ12は、PLD11が出力するスイッチ情報を自身の記憶領域に記憶する。
工作機械が起動した場合、主電源は、工作機械が備える各種の負荷に電力を供給すると共に、RTC20を含む電子回路に対しては制御電源を介して電力を供給する。スイッチSW1がオンである場合、蓄電素子C1は、制御電源を介した主電源からの電力を蓄電する。その後、工作機械がシャットダウンする際、PLD11は、CPU30からのシャットダウン情報とRTC20からの時刻情報とを、不揮発性メモリ12へ転送する。不揮発性メモリ12は、工作機械がシャットダウンしたことを示すシャットダウン情報と、現在時刻(シャットダウン時刻)を示す時刻情報と自身の記憶領域に記憶する。工作機械がシャットダウンした場合、主電源から負荷への電力供給が停止する。その一方で、蓄電素子C1はRTC20へ電力を供給する。すなわち、工作機械がシャットダウンしている場合であっても、RTC20は稼働しており、現在時刻を常に計時することが可能である。
PLD11は、ステップS102において、スイッチSW1,SW2の一方がオフでないと判断した場合(S102:NO)、スイッチSW1がオンであるか否かを判断する(ステップS104)。スイッチSW1がオンである場合(S104:YES)、PLD11は、不揮発性メモリ12が記憶する切替条件を確認し(ステップS105)、蓄電素子C1の使用時間が切替条件の使用時間を超過しているか否かを判断する(ステップS106)。
PLD11は、蓄電素子C1の使用時間が切替条件の使用時間を超過していると判断した場合(S106:YES)、スイッチSW1をオフし、スイッチSW2をオンする切替信号(制御電圧)を出力する(ステップS107)。PLD11は、スイッチSW1からスイッチSW2への切り替えを行った場合、切替後のスイッチ情報を不揮発性メモリ12へ出力する。不揮発性メモリ12は、PLD11が出力するスイッチ情報に基づき、スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオンである旨のスイッチ情報を自身の記憶領域に記憶する。
PLD11は、スイッチSW1からスイッチSW2への切替処理を行った後、またはステップS106で蓄電素子C1の使用時間が切替条件の使用時間を超過していないと判断した場合(S106:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。
PLD11は、ステップS104において、スイッチSW1がオンでないと判断した場合(S104:NO)、スイッチSW2がオンであるか否かを判断する(ステップS108)。スイッチSW2がオンでない場合(S108:NO)、PLD11は、処理をステップS101へ戻す。
スイッチSW2がオンである場合(S108:YES)、PLD11は、不揮発性メモリ12が記憶する切替条件を確認し(ステップS109)、蓄電素子C2の使用時間が切替条件の使用時間を超過しているか否かを判断する(ステップS110)。
PLD11は、蓄電素子C2の使用時間が切替条件の使用時間を超過していると判断した場合(S110:YES)、スイッチSW1をオンし、スイッチSW2をオフする切替信号(制御電圧)を出力する(ステップS111)。PLD11は、スイッチSW2からスイッチSW1への切り替えを行った場合、切替後のスイッチ情報を不揮発性メモリ12へ出力する。不揮発性メモリ12は、PLD11が出力するスイッチ情報に基づき、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフである旨のスイッチ情報を自身の記憶領域に記憶する。
PLD11は、スイッチSW2からスイッチSW1への切替処理を行った後、またはステップS110で蓄電素子C2の使用時間が切替条件の使用時間を超過していないと判断した場合(S110:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。
図2のフローチャートは、スイッチSW1とスイッチSW2とを可逆的に切り替える場合にPLD11が実行する処理手順を示しているが、PLD11がスイッチSW1からスイッチSW2への切替えを不可逆的に実行する場合、ステップS108以降の処理を省略すればよい。
以下、バックアップ電源回路10を用いた運用例について説明する。
工作機械において、40℃の非通電環境でバックアップ電源回路10からRTC20に給電し、60℃の通電環境でバックアップ電源回路10に充電する運用を10年間行うことを想定する。10年間は、24×365×10=87600時間である。このうち、60℃の通電環境を70%とした場合、61320時間であり、40℃の非通電環境を30%とした場合、26280時間である。
工作機械において、40℃の非通電環境でバックアップ電源回路10からRTC20に給電し、60℃の通電環境でバックアップ電源回路10に充電する運用を10年間行うことを想定する。10年間は、24×365×10=87600時間である。このうち、60℃の通電環境を70%とした場合、61320時間であり、40℃の非通電環境を30%とした場合、26280時間である。
ここで、60℃の通電環境を85℃に換算にすると、2(85-60)/10=5.66であるので、60℃の61320時間は、85℃の10834時間に相当する。同様に、40℃の非通電環境を85℃に換算すると、2(85-40)/10=22.63であるので、40℃の26280時間は、85℃の1161時間に相当する。すなわち、85℃の換算時間は、合計で11995時間である。
蓄電素子C1,C2の耐電圧を5.5V、制御電源による印加電圧を3.0Vと仮定する。コンデンサメーカによる電圧の容量劣化に対する考え方から、印加電圧考慮指数は、(5,5V/3.0V)3 ≒6.16となる。信頼性試験継続時間は、およそ85℃換算時間/印加電圧考慮指数であるので、上記の運用では、信頼性試験継続時間は、11995/6.16≒1947時間である。この場合、蓄電容量の減少度合いは、コンデンサメーカが開示している寿命推定グラフより、15%程度と見積もることができる。
バックアップ電源回路10によって、この影響を半減できた場合、15%/2=7.5%の影響しか受けないと推定できる。この場合、運用開始後に10年が経過した時点で、バックアップ電源回路10からのみRTC20に給電した場合であっても、RTC20は28.7日程度継続して動作可能となる。
以上のように、実施の形態1におけるバックアップ電源回路10は、蓄電素子C1,C2の使用時間に応じて、RTC20への電力供給元を切替えるので、交換作業やメンテナンス作業の頻度を抑えることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、切替条件を蓄電素子C1,C2の使用頻度とした場合の構成について説明する。
なお、バックアップ電源回路10を含む全体の構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
実施の形態2では、切替条件を蓄電素子C1,C2の使用頻度とした場合の構成について説明する。
なお、バックアップ電源回路10を含む全体の構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
実施の形態2における不揮発性メモリ12は、蓄電素子C1,C2の切替条件として、蓄電素子C1,C2の使用頻度の情報を記憶する。切替条件は、例えば、蓄電素子C1の寿命を想定した使用頻度とすることができる。PLD11は、蓄電素子C1の使用頻度をカウントし、カウントした蓄電素子C1の使用頻度が切替条件の使用頻度(例えば100000回)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2に切り替える。この場合、蓄電素子C1を寿命まで使用することを想定しているので、PLD11は、蓄電素子C2の使用開始後に再度蓄電素子C1に切り替えることは行わない。すなわち、PLD11は、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2へ不可逆的に切り替えればよい。
切替条件は、蓄電素子C1の寿命を想定した使用頻度よりも少ない使用頻度であってもよい。PLD11は、蓄電素子C1の使用頻度をカウントし、カウントした蓄電素子C1の使用頻度が切替条件の使用頻度(例えば30回)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2に切り替える。切替条件が比較的少ない使用頻度である場合、蓄電素子C1は、寿命に達していない限り再使用可能である。このため、PLD11は、蓄電素子C2の使用頻度をカウントし、カウントした使用頻度が切替条件の使用頻度(例えば30回)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C2から蓄電素子C1に切り替える。すなわち、PLD11は、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1と蓄電素子C2との間で可逆的に切り替えればよい。
実施の形態1において説明したように、バックアップ電源回路10は、工作機械がシャットダウンしている間、蓄電素子C1,C2からRTC20に対して電力を供給する。すなわち、バックアップ電源回路10は、工作機械がシャットダウンした場合、蓄電素子C1,C2を使用する。PLD11は、工作機械がシャットダウンした回数(CPU30からシャットダウン情報を取得した回数)をカウントすることにより、蓄電素子C1,C2の使用頻度をカウントできる。PLD11は、カウントした蓄電素子C1,C2の使用頻度の情報を不揮発性メモリ12に出力し、不揮発性メモリ12において使用頻度の情報を保持する。
図3は実施の形態2におけるスイッチSW1,SW2の制御手順を説明するフローチャートである。実施の形態1と同一ステップは同一番号を付し、説明を省略する。実施の形態1と異なるのはステップS206、S210のみであるので、その部分の説明をする。
実施の形態2は使用時間の代わりに使用頻度を用いる。ステップS206において、PLD11は、蓄電素子C1の使用頻度が切替条件の使用頻度を超過しているか否かを判断する。
PLD11は、蓄電素子C1の使用頻度が切替条件の使用頻度を超過していると判断した場合(S206:YES)、スイッチSW1をオフし、スイッチSW2をオンする切替信号(制御電圧)を出力する(ステップS107)。
PLD11は、ステップS206で蓄電素子C1の使用頻度が切替条件の使用頻度を超過していないと判断した場合(S206:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。
PLD11は、スイッチSW2のみオンである場合(S104:NO、S108:YES)、不揮発性メモリ12が記憶する切替条件を確認し(ステップS109)、蓄電素子C2の使用頻度が切替条件の使用頻度を超過しているか否かを判断する(ステップS210)。
PLD11は、蓄電素子C2の使用頻度が切替条件の使用頻度を超過していると判断した場合(S210:YES)、スイッチSW1をオンし、スイッチSW2をオフする切替信号(制御電圧)を出力する(ステップS111)。
PLD11は、ステップS210で蓄電素子C2の使用頻度が切替条件の使用頻度を超過していないと判断した場合(S210:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のように、実施の形態2におけるバックアップ電源回路10は、蓄電素子C1,C2の使用頻度に応じて、RTC20への電力供給元を切替えるので、交換作業やメンテナンス作業の頻度を抑えることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、切替条件を蓄電素子C1,C2の劣化状態とした場合の構成について説明する。
なお、バックアップ電源回路10を含む全体の構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
実施の形態3では、切替条件を蓄電素子C1,C2の劣化状態とした場合の構成について説明する。
なお、バックアップ電源回路10を含む全体の構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
実施の形態3における不揮発性メモリ12は、蓄電素子C1,C2の切替条件として、蓄電素子C1,C2の劣化状態の情報を記憶する。切替条件は、例えば、蓄電素子C1の寿命を想定した劣化状態とすることができる。PLD11は、蓄電素子C1の劣化状態を検知し、検知した蓄電素子C1の劣化状態が切替条件の劣化状態より低下した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2に切り替える。この場合、蓄電素子C1を寿命まで使用することを想定しているので、PLD11は、蓄電素子C2の使用開始後に再度蓄電素子C1に切り替えることは行わない。すなわち、PLD11は、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2へ不可逆的に切り替えればよい。
切替条件は、蓄電素子C1の寿命まで余裕がある劣化状態であってもよい。PLD11は、蓄電素子C1の劣化状態を検知し、検知した蓄電素子C1の劣化状態が切替条件の劣化状態より低下した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2に切り替える。切替条件が蓄電素子C1の寿命まで余裕がある劣化状態である場合、蓄電素子C1は、寿命に達していない限り再使用可能である。このため、PLD11は、蓄電素子C2の劣化状態を検知し、検知した劣化状態が切替条件の劣化状態よりも低下した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C2から蓄電素子C1に切り替える。すなわち、PLD11は、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1と蓄電素子C2との間で可逆的に切り替えればよい。
バックアップ電源回路10のPLD11は、例えば、蓄電素子C1,C2が放電する際の電圧の低下速度から、劣化状態を検知できる。すなわち、PLD11は、時刻T1における蓄電素子C1(C2)の放電電圧V1と、時刻T2における蓄電素子C1(C2)の放電電圧V2とを取得し、|V2−V1|/|T2−T1|を算出することにより、放電特性における電圧の低下速度を算出する。この低下速度は、蓄電素子C1(C2)の劣化が進むにつれて大きくなるので、PLD11は、放電特性における放電電圧の低下速度に基づき、蓄電素子C1(C2)の劣化状態を検知することができる。図4は蓄電素子C1の劣化状態を検知する検知回路の一例を示す回路図である。検知回路を構成するコンパレータCOM1は、蓄電素子C1の放電電圧が基準電圧V1以上である場合にロー信号を出力し、V1未満である場合にハイ信号をPLD11へ出力する。同様に、コンパレータCOM2は、蓄電素子C1の放電電圧が基準電圧V2(V2<V1)以上である場合にロー信号を出力し、V2未満である場合にハイ信号をPLD11へ出力する。PLD11は、コンパレータCOM1の出力がハイとなった時刻T1と、コンパレータCOM2の出力がハイとなった時間T2の差分を算出し、その差分が規定時間未満となった場合、蓄電素子C1の劣化を検知したと判断する。なお、図4では、蓄電素子C1の劣化状態を検知する検知回路の一例を示したが、蓄電素子C2の劣化状態を検知する検知回路についても全く同様である。PLD11は、検知した蓄電素子C1(C2)の劣化状態の情報を不揮発性メモリ12に出力し、不揮発性メモリ12において劣化状態の情報を保持する。
図5は実施の形態3におけるスイッチSW1,SW2の制御手順を説明するフローチャートである。実施の形態1と同一ステップは同一番号を付し、説明を省略する。実施の形態1と異なるのはステップS306、S310のみであるので、その部分の説明をする。
PLD11は、ステップS306において、蓄電素子C1の劣化状態が切替条件の劣化状態より低下しているか否かを判断する。すなわち、PLD11は、蓄電素子C1の放電電圧が基準電圧V1から基準電圧V2まで低下する時間を計時し、その計時した時間が基準時間未満となった場合、切替条件の劣化状態より低下したと判断すればよい。
PLD11は、ステップS310において、蓄電素子C2の劣化状態が切替条件の劣化状態より低下しているか否かを判断する。すなわち、PLD11は、蓄電素子C2の放電電圧が基準電圧V1から基準電圧V2まで低下する時間を計時し、その計時した時間が基準時間未満となった場合、切替条件の劣化状態より低下したと判断すればよい。
以上のように、実施の形態3におけるバックアップ電源回路10は、蓄電素子C1,C2の劣化状態に応じて、RTC20への電力供給元を切替えるので、交換作業やメンテナンス作業の頻度を抑えることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、切替条件を蓄電素子C1,C2の充放電回数とした場合の構成について説明する。
なお、バックアップ電源回路10を含む全体の構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
実施の形態4では、切替条件を蓄電素子C1,C2の充放電回数とした場合の構成について説明する。
なお、バックアップ電源回路10を含む全体の構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
実施の形態4における不揮発性メモリ12は、蓄電素子C1,C2の切替条件として、蓄電素子C1,C2の充放電回数の情報を記憶する。切替条件は、例えば、蓄電素子C1の寿命を想定した充放電回数とすることができる。PLD11は、蓄電素子C1の充放電回数をカウントし、カウントした蓄電素子C1の使用頻度が切替条件の充放電回数(例えば100000回)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2に切り替える。この場合、蓄電素子C1を寿命まで使用することを想定しているので、PLD11は、蓄電素子C2の使用開始後に再度蓄電素子C1に切り替えることは行わない。すなわち、PLD11は、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2へ不可逆的に切り替えればよい。
切替条件は、蓄電素子C1の寿命を想定した充放電回数よりも少ない充放電回数であってもよい。PLD11は、蓄電素子C1の充放電回数をカウントし、カウントした蓄電素子C1の使用頻度が切替条件の充放電回数(例えば30回)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1から蓄電素子C2に切り替える。切替条件が比較的少ない充放電回数である場合、蓄電素子C1は、寿命に達していない限り再使用可能である。このため、PLD11は、蓄電素子C2の充放電回数をカウントし、カウントした充放電回数が切替条件の使用頻度(例えば30回)を超過した場合、RTC20への電力供給元を蓄電素子C2から蓄電素子C1に切り替える。すなわち、PLD11は、RTC20への電力供給元を蓄電素子C1と蓄電素子C2との間で可逆的に切り替えればよい。
実施の形態1において説明したように、バックアップ電源回路10は、工作機械が起動している間、蓄電素子C1,C2を充電する。一方、工作機械がシャットダウンしている間、蓄電素子C1,C2は放電し、蓄電素子C1,C2からRTC20に対して電力を供給する。PLD11は、蓄電素子C1,C2を充電する際、スイッチSW1,SW2をオンするので、スイッチSW1,SW2のオンの回数をカウントすることにより、蓄電素子C1,C2の充放電回数をカウントできる。PLD11は、カウントした蓄電素子C1,C2の充放電回数の情報を不揮発性メモリ12に出力し、不揮発性メモリ12において充放電回数の情報を保持する。
図6は実施の形態4におけるスイッチSW1,SW2の制御手順を説明するフローチャートである。実施の形態1と同一ステップは同一番号を付し、説明を省略する。実施の形態1と異なるのはステップS406、S410のみであるので、その部分の説明をする。
PLD11は、ステップS406において、蓄電素子C1の充放電回数が切替条件の充放電回数を超過しているか否かを判断する。
PLD11は、蓄電素子C1の充放電回数が切替条件の充放電回数を超過していると判断した場合(S406:YES)、スイッチSW1をオフし、スイッチSW2をオンする切替信号(制御電圧)を出力する(ステップS107)。
PLD11は、ステップS410において、蓄電素子C2の充放電回数が切替条件の充放電回数を超過しているか否かを判断する。
PLD11は、蓄電素子C2の充放電回数が切替条件の充放電回数を超過していると判断した場合(S410:YES)、スイッチSW1をオンし、スイッチSW2をオフする切替信号(制御電圧)を出力する(ステップS111)。
以上のように、実施の形態4におけるバックアップ電源回路10は、蓄電素子C1,C2の充放電回数に応じて、RTC20への電力供給元を切替えるので、交換作業やメンテナンス作業の頻度を抑えることができる。
(実施の形態5)
実施の形態5では、工作機械のシャットダウン後に蓄電素子C1,C2の近傍を冷却する構成について説明する。
実施の形態5では、工作機械のシャットダウン後に蓄電素子C1,C2の近傍を冷却する構成について説明する。
図7は実施の形態5におけるバックアップ電源回路10を含む制御系の構成を示す回路図である。バックアップ電源回路10は、ファン駆動回路40、冷却ファン41、及び温度センサ42を更に備える。
ファン駆動回路40は、冷却ファン41を駆動するための駆動回路である。工作機械が起動している間、主電源は、制御電源を通じてファン駆動回路40、冷却ファン41、温度センサ42に電力を供給する。一方、工作機械がシャットダウンしている間、バックアップ電源回路10(蓄電素子C1,C2)は、ファン駆動回路40、冷却ファン41、温度センサ42に電力を供給する。
冷却ファン41は、ファンの回転によって生じる空気流により、工作機械の内部を冷却する。本実施の形態における冷却ファン41は、蓄電素子C1,C2の周辺温度を冷却できるような位置に配置することが好ましい。温度センサ42は、蓄電素子C1,C2の周辺温度を計測し、計測結果をファン駆動回路40へ出力する。
ファン駆動回路40は、温度センサ42の計測結果に基づき、蓄電素子C1,C2の周辺温度が平衡状態に達したと判断した場合、冷却ファン41の駆動を停止する。
以上のように、実施の形態5では、工作機械がシャットダウンした場合であっても、蓄電素子C1,C2の周辺温度が平衡状態に達するまで、冷却ファン41を駆動するので、蓄電素子C1,C2の寿命を延ばすことができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、本実施の形態では、工作機械が備えるバックアップ電源回路10について説明したが、バックアップ電源回路10を備える装置は、工作機械に限らず、数値制御装置など任意の装置であってもよい。
10 バックアップ電源回路
11 PLD
12 不揮発性メモリ
20 RTC
30 CPU
C1,C2 蓄電素子
SW1,SW2 スイッチ
11 PLD
12 不揮発性メモリ
20 RTC
30 CPU
C1,C2 蓄電素子
SW1,SW2 スイッチ
Claims (12)
- 電源回路から負荷への電力の供給を停止した場合に、前記負荷に対して電力を供給するバックアップ電源回路において、
前記負荷に供給すべき電力を蓄電する複数の蓄電素子と、
前記負荷への電力の供給元を前記複数の蓄電素子のうちから選択的に切り替える切替部と、
前記供給元として選択した蓄電素子の使用状況を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に応じて、前記切替部による切替えを制御する制御部と
を備えるバックアップ電源回路。 - 前記検知部は、前記蓄電素子の使用時間を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知した使用時間の累計に応じて、前記供給元を他の蓄電素子に切り替えるべく前記切替部を制御する
請求項1に記載のバックアップ電源回路。 - 前記検知部は、前記蓄電素子の使用頻度を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知した使用頻度に応じて、前記供給元を他の蓄電素子に切り替えるべく前記切替部を制御する
請求項1に記載のバックアップ電源回路。 - 前記検知部は、前記蓄電素子の劣化状態を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知した前記蓄電素子の劣化状態に応じて、前記供給元を他の蓄電素子に切り替えるべく前記切替部を制御する
請求項1に記載のバックアップ電源回路。 - 前記検知部は、前記蓄電素子の充放電回数を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知した充放電回数に応じて、前記供給元を他の蓄電素子に切り替えるべく前記切替部を制御する
請求項1に記載のバックアップ電源回路。 - 前記制御部は、一の蓄電素子と他の蓄電素子とを可逆的に選択すべく前記切替部を制御する
請求項1から請求項5の何れか1つに記載のバックアップ電源回路。 - 前記制御部は、一の蓄電素子から他の蓄電素子へ不可逆的に選択すべく前記切替部を制御する
請求項1から請求項5の何れか1つに記載のバックアップ電源回路。 - 前記切替部に対して前記複数の蓄電素子を並列に接続してある
請求項1から請求項7の何れか1つに記載のバックアップ電源回路。 - 前記蓄電素子は、電気二重層コンデンサである
請求項1から請求項8の何れか1つに記載のバックアップ電源回路。 - 前記負荷は、リアルタイムクロックである
請求項1から請求項9の何れか1つに記載のバックアップ電源回路。 - 前記負荷は、冷却装置を含む
請求項1から請求項10の何れか1つに記載のバックアップ電源回路。 - 前記蓄電素子の周辺温度が平衡状態に達するまでの間、前記冷却装置を駆動する駆動部を備える
請求項11に記載のバックアップ電源回路。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231212 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20240604 |