JP2009103544A - 電池電源および寿命判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バックアップ電源装置の容量が必要十分かを判定する。
【解決手段】初回のメインテナンス放電の後に2回目のメインテナンス放電がなされる。S11において、単セル当たりのセル電圧と電流とがチェックされ、その結果に応じて電池電圧および電流が所定の値であり、且つ環境温度が所定範囲の温度の場合に、本体側にメインテナンス放電を行う要求が通知され、メインテナンス放電が実行される。一定の放電電流で、所定の電圧まで放電がなされる。この場合の放電時間がS17で記録され、S18において、放電時間の記録値と初期放電時間との比率に基づいて容量が計算される。求められた容量がバックアップ電源装置に接続された電子機器の動作に必要な最小限の容量以上であるか否かが判定される。S18において、容量が70%未満と判定されると、S19において、寿命終了品の表示がなされ、寿命終了品であることが本体側に通知される。
【選択図】図6

Description

この発明は、リチウムイオン二次電池等の二次電池を有するバックアップ用の電池電源および電池パック寿命判定方法に関する。
バックアップ用電源装置は、UPS(Uninterruptable Power Supply:無停電電源装置)と称され、停電時に、パーソナルコンピュータ、無線通信装置、ハードディスクレコーダ等の電子機器の動作を継続することを可能とするために使用されている。バックアップすることが可能な時間は、バックアップ用電源装置に内蔵された電池容量と、接続する電子機器の消費電力とで決定される。
例えば100ワットの出力を30分間供給できる能力をバックアップ用電源装置が備えており、電子機器の消費電力が50ワットであれば、停電となってから1時間の電源供給が可能となる。しかしながら、二次電池例えばリチウムイオン二次電池は、充放電の回数、所謂サイクル数の増加にしたがって劣化が進行し、放電容量が低下する。また、経過時間が長くなるにしたがって、放電容量が低下する。環境温度が高いと、劣化の度合いの進行速度が速くなる。
バックアップ用途の電池には容量劣化の有無、使用回数の多少に関わらず交換時期は特定されておらず購入後、数年といった推奨保証期間(年数)があるだけで、容量劣化を認識できた場合や購入後ある年数経過したという理由でユーザーは交換時期を判断している。またはバックアップ電源が故障・異常を検知できた場合、交換時期と判断している。
バックアップ用途に求められるバックアップ電源装置は、メイン電源が停電・故障時に接続された電子機器がデータ保存処理等を行うために最小限必要な容量や電力量が求められる。この電子機器が行うデータ保存処理等の最小限必要な処理は、使用回数、使用年数、周囲温度、劣化具合に関わらず行われることが必要とされる。
従来の二次電池を有する電池パックでは、マイクロコンピュータを搭載していなくても電池電圧情報から放電可能時間を予測することは可能であった。また、マイクロコンピュータおよびIC(Integrated Circuit)搭載のパックでは電池電圧情報、使用・サイクル回数情報、使用年数情報から残存実容量値、初期容量比(劣化具合)、放電可能時間を演算することが可能である。しかしながら、残存実容量値を表示または通知するだけなので、初期容量比50%の劣化品であっても満充電完了時には、残存実容量値が100%と表示されてしまう。放電時間が50%に短縮されていても、残存容量値の情報をユーザーに通知している問題があった。
下記の特許文献1には、電池の寿命が短くなるにしたがって電池の内部インピーダンスが高くなることに注目し、内部インピーダンスを算出することによって、寿命に達したこと(以下、寿命終了と適宜称する)を検出することが記載されている。なお、電池の寿命終了とは、満充電しても電池の使用できる時間が極端に短くなる状態のことである。
特開2002−330547号公報
かかる特許文献1に記載のものは、劣化情報を求めているが、電池自身の劣化または寿命を求めて得られた情報をユーザに提示するものであり、電池の放電容量が電子機器例えばノートPCの動作に必要な容量とは無関係に寿命の情報を提示するものであった。しかしながら、バックアップ電源装置の場合では、停電時において、接続された電子機器の最小限の動作を行うのに必要な容量が寿命によって失われていることは、バックアップ電源装置としての機能を果たせないことを意味する。
したがって、この発明の目的は、バックアップ電源装置に使用して好適な電池パックおよび寿命判定方法を提供するものである。
上述の課題を解決するために、この発明は、二次電池と、
二次電池の正負の電極からそれぞれ導出された正負の電源ラインの一方にそのドレイン・ソース間が挿入され、充電電流に対して逆方向の極性の寄生ダイオードを有する充電制御用電界効果型トランジスタと、
正負の電源ラインの一方にそのドレイン・ソース間が挿入され、充電電流に対して順方向の極性の寄生ダイオードを有する放電制御用電界効果型トランジスタと、
二次電池の電圧を検出する電圧検出回路と、
二次電池の放電電流および充電電流を検出する検出用抵抗と、
温度を検出する温度検出素子と、
電圧検出回路により検出された電池電圧、検出用抵抗により検出された放電電流および充電電流の電流値および温度検出素子により検出された温度が入力され、充電および放電を制御する制御部とを備え、
制御部によって、温度検出素子により検出された温度が設定された範囲内にある場合に、予め設定された放電電流でもって、電池電圧が第1の電圧値の場合に開始し、電池電圧が第2の電圧値の場合に終了する連続的なメインテナンス放電を行うように制御し、
最初のメインテナンス放電において、第2の電圧値に達するまでの初期放電時間が記録され、
最初のメインテナンス放電の後になされる第2回目以降のメインテナンス放電における放電時間と、初期放電時間との比率によって、二次電池の現在の容量が設定された容量以上か否かを判定し、
二次電池の現在の容量が設定された容量以上と判定される場合に、正常と判定し、
二次電池の現在の容量が設定された容量未満と判定される場合に、寿命終了と判定する
ことを特徴とする電池電源装置である。
ここで、接続される外部の電子機器がメイン電源の停止時に行う必要最小限の動作に必要な電力量以上に、容量が設定されることが望ましい。
好ましくは、正常と判定される場合と、寿命終了と判定される場合とでそれぞれ異なる表示を行う表示部を有する。
さらに、二次電池の使用期間が設定された保証期間以上か否かを判定し、二次電池の使用期間が設定された保証期間以上の場合には、交換時期であると判定する。
交換時期であることを示す表示がなされる。
この発明は、二次電池と、
二次電池の正負の電極からそれぞれ導出された正負の電源ラインの一方にそのドレイン・ソース間が挿入され、充電電流に対して逆方向の極性の寄生ダイオードを有する充電制御用電界効果型トランジスタと、
正負の電源ラインの一方にそのドレイン・ソース間が挿入され、充電電流に対して順方向の極性の寄生ダイオードを有する放電制御用電界効果型トランジスタと、
二次電池の電圧を検出する電圧検出回路と、
二次電池の放電電流および充電電流を検出する検出用抵抗と、
温度を検出する温度検出素子と、
電圧検出回路により検出された電池電圧、検出用抵抗により検出された放電電流および充電電流の電流値および温度検出素子により検出された温度が入力され、充電および放電をそれぞれ制御する制御部とを備える電池電源装置における寿命判定方法において、
制御部によって、温度検出素子により検出された温度が設定された範囲内にある場合に、予め設定された放電電流でもって、電池電圧が第1の電圧値の場合に開始し、電池電圧が第2の電圧値の場合に終了する最初のメインテナンス放電を行うように制御し、
最初のメインテナンス放電において、第2の電圧値に達するまでの初期放電時間が記録され、
最初のメインテナンス放電の後に第2回目以降のメインテナンス放電を行い、第2の電圧値に達するまでの放電時間が記録され、
初期放電時間と放電時間の比率によって、二次電池の現在の容量が設定された容量以上か否かを判定し、
二次電池の現在の容量が設定された容量以上と判定される場合に、正常と判定し、
二次電池の現在の容量が設定された容量未満と判定される場合に、寿命終了と判定する
ことを特徴とする寿命判定方法である。
この発明により生じる効果は、下記のものである。
1.電池交換時期および寿命終了の警告が確実に提示されるので、ユーザが電池交換時期を判断する必要がない。
2.サイクル劣化や時間経過による電池の寿命によらず、充電されれば容量があるのに自己放電等で容量が減少している場合、バックアップ電源に求められる必要最小限の容量(電力量)を満足できない状態であることを検出し、充電を行う。バックアップ電源装置の機能を考慮しており、また、単に、電圧低下だけで劣化や寿命終了を判断しない工夫をしている。
3.サイクル回数、使用年数、保存・使用環境温度等による容量劣化度を算出することにより、また、環境温度を考慮して、メイン電源が停電、または故障した時に、データ保存処理等を実施するための最低限必要な容量や電力量を供給できるか否かを判断し通知する。これにより、メイン電源が停電、故障等の非常時にバックアップ電池の容量や電力量が不足してデータ保存ができない問題を回避することが可能となる。
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。ここで、特許請求の範囲の各構成事項と実施の形態における構成事項との対応関係は以下の通りである。
二次電池として例えばリチウムイオン二次電池BAT1〜BAT6が使用される。充電制御用電界効果型トランジスタがFETQ30,Q31,Q32である。放電制御用電界効果型トランジスタがFETQ27,Q28,Q29である。二次電池の電圧を検出する電圧検出回路がIC5〜IC10である。二次電池の放電電流および充電電流を検出する検出用抵抗がR1である。温度を検出する温度検出素子がサーミスタTHである。電圧検出回路により検出された電池電圧、検出用抵抗により検出された放電電流および充電電流の電流値および温度検出素子により検出された温度が入力され、充電および放電を制御する制御部がCPU−IC1である。CPU−IC1によってメインテナンス放電が行われる。
最初のメインテナンス放電において、初期放電時間が記録され、第2回目以降のメインテナンス放電における放電時間と、初期放電時間との比率によって、二次電池の現在の容量が設定された容量以上か否かが判定される。二次電池の現在の容量が設定された容量以上と判定される場合に、正常と判定され、二次電池の現在の容量が設定された容量未満と判定される場合に、寿命終了と判定される。
図1がバックアップ電源装置の電池パックの構成を示す。一実施の形態では、6本の二次電池例えばリチウムイオン二次電池BAT1〜BAT6が直列に接続されている。この電池接続は、一例であって、複数本の直列接続された電池を2以上並列に接続した構成であっても良い。二次電池BAT1〜BAT6の直列接続の+(正極)側がヒューズF1と、放電制御用電界効果型トランジスタ(以下、FETと略す)Q27,Q28,Q29と、充電制御用FETQ30,Q31,Q32を介して+側端子T(+)に接続される。二次電池BAT1〜BAT6の直列接続の−(負極)側が−側端子T(−)に接続される。
端子T(+)およびT(−)には、バックアップ電源装置(本体)が接続され、バックアップ電源装置に対してバックアップ対象の電子機器が接続され、バックアップ時に電子機器の最小限必要な電力が二次電池BAT1〜BAT6から供給される。また、充電を行うときには、端子T(+)およびT(−)を介して充電電流が供給される。
放電制御用FETQ27,Q28,Q29並びに充電制御用FETQ30,Q31,Q32は、図2に拡大して示すように、Pチャンネル型FETであって並列接続されている。並列接続は、電流容量を大きくするためである。図2において、G,D,Sのそれぞれは、ゲート,ドレイン,ソースをそれぞれ表している。
各FETのドレイン・ソース間には、寄生ダイオード(図示せず)が存在する。放電制御用FETQ27,Q28,Q29においては、放電電流と逆方向の極性の寄生ダイオードが存在し、充電制御用FETQ30,Q31,Q32においては、充電電流と逆方向の極性の寄生ダイオードが存在する。
FETQ27〜Q32は、Pチャンネル型であるので、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。放電制御用FETQ27,Q28,Q29のゲートが共通にFETQ1のドレイン・ソースを介して−側端子T(−)に接続されている。したがって、図2に示すように、FETQ1がOFFする場合には、FETQ27,Q28,Q29がOFFし、FETQ1がONする場合には、FETQ27,Q28,Q29がONする。同様に、充電制御用FETQ30,Q31,Q32のゲートが共通にFETQ2のドレイン・ソースを介して−側端子T(−)に接続されている。したがって、図2に示すように、FETQ2がOFFする場合には、FETQ30,Q31,Q32がOFFし、FETQ2がONする場合には、FETQ30,Q31,Q32がONする。
これらのFETQ27〜32のON/OFFを接続することによって二次電池BAT1〜BAT6に対する充電および放電を制御する。保護機能として、過充電、過放電、または過電流から二次電池BAT1〜BAT6を保護する機能がある。例えば25A以上の放電電流が3秒間流れている場合、抵抗R1の両端に発生する電位差により放電制御用のFETQ27,Q28,Q29をOFFさせ、過電流モードであることを本体側に通知する。
さらに、電池温度が所定温度例えば60°C以上となると、放電制御用FETQ27,Q28,Q29がOFFされる温度保護の機能がある。この場合、放電電流および充電電流のそれぞれが所定値以上流れている場合で、電池の表面温度が所定値以上であれば、温度異常として検出するようにしても良い。
保護動作について説明すると、過充電を検出すると、FETQ30,Q31,Q32をOFFする充電制御信号がFETQ30,Q31,Q32のゲートに供給される。FETQ27,Q28,Q29は、ONのままである。したがって、充電電流が遮断され、一方、放電電流がFETQ27,Q28,Q29およびFETQ30,Q31,Q32の寄生ダイオードを通じて流れることが可能である。この保護動作によって電源部の故障等による過充電状態を回避できる。
また、負荷が接続されており、二次電池BAT1〜BAT6が過放電状態になった場合は、電池が故障する場合がある。電池電圧がある電圧値(例えば2.7V×6)以下になったことが検出され、放電制御信号によってFETQ27,Q28,Q29がOFFされ、放電電流を遮断する。FETQ30,Q31,Q32は、ONのままで充電電流Ibが寄生ダイオードを通じて流れることが可能である。さらに、+−端子間が短絡された場合には、大電流が流れてしまい、異常発熱する危険性がある。放電電流がある電流値以上流れた場合には、放電制御FETQ27,Q28,Q29がOFFされ、放電電流が遮断される。
これらの保護機能を行うために、二次電池BAT1〜BAT6のそれぞれの電圧を検出するための電圧検出回路IC5,IC6,IC7,IC8,IC9,IC10が備えられている。IC5〜IC10は、各二次電池の電池電圧を検出し、検出結果に応じて複数のFETQ3〜Q14を制御し、FETQ2のON/OFFを制御すると共に、検出結果に応じて複数のFETQ15〜Q26を制御し、FETQ1のON/OFFを制御する。また、電流検出用の抵抗R1が電流路中に挿入されている。さらに、二次電池BAT1〜BAT6の温度検出用のサーミスタTHが設けられている。
電池電源部は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)IC1を備えている
。CPU−IC1と共に、図示しないが、プログラム格納用のROM、作業用メモリ領域を提供するRAM等で制御部(マイクロコンピュータ)が構成されている。CPU−IC1に対して二次電池BAT1〜BAT6の直列回路の各接続点の電圧が供給される。二次電池BAT1の+極が抵抗R2およびR3の直列回路に接続され、抵抗分圧された電圧がCPUに供給される。二次電池BAT2の+極が抵抗R4およびR5の直列回路に接続され、抵抗分圧された電圧がCPUに供給される。二次電池BAT3の+極が抵抗R6およびR7の直列回路に接続され、抵抗分圧された電圧がCPUに供給される。二次電池BAT4の+極が抵抗R8およびR9の直列回路に接続され、抵抗分圧された電圧がCPUに供給される。二次電池BAT5の+極が抵抗R10およびR11の直列回路に接続され、抵抗分圧された電圧がCPUに供給される。二次電池BAT6に関しては、抵抗分圧の必要がないので、その+極の電圧が直接CPUに供給される。
充電電流または放電電流は、電流路と直列に挿入された抵抗R1によって検出される。抵抗R1の両端に発生する電位差がCPUに対して入力され、CPUが電流値を求める。さらに、二次電池の温度は、NTC(Negative Temperature Coefficient:温度上昇に伴
い抵抗値が減少する特性を有する)サーミスタTHを使用し、温度変化に伴うその抵抗値
の変化を利用してCPUが温度を検知する。
CPU−IC1に対してレギュレータIC2によって二次電池BAT1〜BAT6の電圧を安定化することが生成された例えば+5Vの電源電圧が供給される。CPU−IC1によってON(点灯)/OFF(消灯)が制御される発光ダイオードLED(Light Emitting Diode)が備えられている。さらに、不揮発性メモリとしてのEEPROM(Electrical Erasable Programmable ROM)IC4が備えられている。EEPROM−IC4には、CPU−IC1が各種演算に必要なテーブル等のデータが格納されている。
図3に示すように、4個の発光ダイオードD1,D2,D3,D4がCPUIC1によってON/OFFされる。発光ダイオードD1〜D4は、後述するように、二次電池BAT1〜BAT6の寿命終了等をユーザに提示するためのものである。発光ダイオードは、4個以外の数であっても良い。また、発光ダイオードは、電池パックの外側のケースに配置されており、バックアップ電源装置に組み込まれた状態において、外部からユーザが視認することが可能とされている。
CPU−IC1は、バックアップ電源装置本体のCPUと通信可能とされている。一例としてSMバス(System Management Bus)を通じて通信がなされる。SMバスは、データ
信号DATAとクロック信号線CLKとからなる2線式のシリアルバスである。さらに、CPU−IC1は、本体のCPUに対して充電ON/OFF信号と放電ON/OFF信号とを出力する。本体のCPUは、充電ON/OFF信号に応じて充電を行い、放電ON/OFF信号に応じて放電を行う。
CPU−IC1は、SMバスを介して、電圧、電流、温度、残存容量、使用回数・サイクル数、劣化具合、バッテリ状態、異常状態を送受信することができる。この発明の一実施の形態では、後述するように、寿命および交換時期を求める演算処理を行うようになされている。なお、二次電池BAT1〜BAT6の交換時期になったことをLEDの表示によって提示するようにしているが、本体側に交換時期になったことの情報を伝送して、本体側で表示等を行っても良い。
本体側でバックアップ電池稼動時に求められる必要最低限容量・電力量を設定する。例えば、バックアップデ電源が最低限必要としている容量、電力量の負荷パターンおよび回数として、パルス放電18A/0.6秒+7A/18.8秒+18A/0.6秒+2A/5秒を20回=906mAhが設定される。サイクル回数、使用年数等による電池容量劣化があってもこの必要容量はあらゆる環境下においても保証されなければならない。
サイクル劣化や電池の寿命終了ではなく、充電されれば容量があるのに自己放電等で容量が減少している場合には、バックアップ電源に求められる必要最低容量・電力量を満足できない状態であることを本体側に通知し、充電行為を催促する。
容量計算の精度向上のために、メンテナンス放電は、下記条件(範囲限定)で行うようになされる。温度条件や放電電流値は容量計算用の各テーブルを設けることで範囲限定する必要はない。
・周囲温度を15−40℃の常温
・放電電流値は7.000A一定
・放電開始条件は電圧値=3.900V
・放電停止条件は電圧値=3.000V
なお、温度範囲や、放電電流値を特定しないで、計算用テーブルを設定するようにしても良い。電池パック側において、寿命および交換時期を演算処理していることをSMバスを介して本体側に通知し、実使用状態とは異なるメンテナンス放電を本体側に実施させる。
図4は、発光ダイオードLEDを使用した表示部の複数の例を示す。発光ダイオードは、CPU−IC1によってそのON/OFFが制御される。第1の例では、3個の発光ダイオードD11,D12,D13が使用される。発光ダイオードD11が正常か否かを表示し、正常時に例えば緑色で点灯する。発光ダイオードD12が電池交換時期と判定されると、赤色で発光する。発光ダイオードD13が寿命終了か否かを表示し、寿命終了と判定されると赤色で発光する。
第2の例では、一つの発光ダイオードD21が使用される。正常時には、発光ダイオードD21が緑色に発光し、電池交換時期または寿命終了と判定される時には、発光ダイオードD21が赤色に発光する。電池交換時期または寿命終了と判定される時に、発光ダイオードD21が点滅するようにしても良い。
第3の例では、4個の発光ダイオードD1〜D4が使用される。各発光ダイオードは、それぞれ電池容量の残量が25%、50%、75%、100%に対応する。例えば76%以上の残量がある場合に、発光ダイオードD1〜D4の全てが緑色に発光する。残量が25%以下となると、発光ダイオードD1のみが赤色に発光し、電池交換時期または寿命終了であることが表示される。発光ダイオードD1を点滅させて、電池交換時期または寿命終了であることを表示しても良い。さらに、全ての発光ダイオードD1〜D4を点滅させて、電池交換時期または寿命終了であることを表示しても良い。
上述したこの発明の一実施の形態において、CPU−IC1の制御により実行される寿命判定動作について、図5および図6のフローチャートを参照して説明する。図5および図6に示されるフローチャートは、ステップS1〜S24からなる一連の処理を説明するものであるが、作図スペースの制約から二つの図面に分割されたものである。
ノーマルモードでは、二次電池BAT1〜BAT6のそれぞれが所定の範囲の電池電圧を出力することが可能とされている。若し、電池電圧が所定値より下がると、本体によって満充電される。ノーマルモードにおいて、上述したように、過充電、過放電、過電流、温度上昇のそれぞれに対する保護機能が働いている。さらに、大電流に対する保護がヒューズF1によりなされる。
充電完了後のノーマルモードにおいて、予め設定された周期で、電池BAT1〜BAT6のそれぞれの電圧(図5においてはセル電圧と表記し、セル電圧の中の最小値をVmin
と表記する)と抵抗R1により検出した電流値Iとが調べられ、ノーマルモードから寿命計算モードに移行するか否かが判定される。
ステップS1において、下記のように、単セル当たりのセル電圧と電流とがチェックされ、その結果に応じて次の処理が決定される。
Vmin>3.900V & I=0.000A +/- 0.300A (10秒間)
この状態が検出されると、処理がステップS1に戻る。
Vmin<3.900V & I=0.000A +/- 0.300A (10秒間)
この状態が検出されると、満充電までの充電処理(ステップS2)が行われてから処理がステップS1に戻る。
Vmin=3.900V & I=0.000A +/- 0.300A (10秒間)
この状態が検出されると、温度チェック処理(ステップS3)へ処理が移行する。
ステップS3においては、サーミスタTHにより検出された電池温度Tempが所定のものか否かがチェックされる。この一実施の形態では、Temp<15°Cと判定される場合には、ヒータ等により加熱処理(ステップS4)を行ってからステップS1に処理が戻る。Temp>40°Cと判定される場合には、冷却のための待機(ステップS5)を経てステップS1に処理が戻る。(15°C≦Temp≦40°C)と判定される場合には、処理がステップS6に移行する。
ステップS6において、本体側にメインテナンス放電を行う要求が通知され、メインテナンス放電が実行される。すなわち、放電電流(I=-7.000A +/- 1.000A)でもって単セル当たりVmin=3.000Vまで放電がなされる。
ステップS7において、放電時間が例えばEEPROM−IC4に記録される。この記録値が初期放電時間とされる。2回目以降のメインテナンス放電で同様に求められた放電時間と初期放電時間との比率に基づいて劣化度が算出される。最初のメインテナンス放電では、劣化していないので、ステップS8において、発光ダイオードLEDによって「正常」の表示がなされる。
また、「正常」の場合には、充電要求が本体側へ送信される。ステップS9において、本体側によって二次電池BAT1〜BAT6に対して満充電までの充電が行われる。そして、ノーマルモードに移行する。ノーマルモードでは、自己放電(ステップS10)によって容量が低下する。ステップS10は、CPU−IC1によって実行される処理ではなく、ノーマルモードにおける容量低下の現象を表している。
図6を参照して説明する。図6に示す処理は、初回のメインテナンス放電の後の例えば2回目のメインテナンス放電を行う場合の処理を示す。初回のメインテナンス放電から所定時間経過すると、ステップS11において、ステップS1と同様に、単セル当たりのセル電圧と電流とがチェックされ、その結果に応じて次の処理が決定される。
Vmin>3.900V & I=0.000A +/- 0.300A (10秒間)
この状態が検出されると、処理がステップS11に戻る。
Vmin<3.900V & I=0.000A +/- 0.300A (10秒間)
この状態が検出されると、満充電までの充電処理(ステップS12)が行われてから処理がステップS11に戻る。
Vmin=3.900V & I=0.000A +/- 0.300A (10秒間)
この状態が検出されると、温度チェック処理(ステップS13)へ処理が移行する。
ステップS13においては、ステップS3と同様に、サーミスタTHにより検出された電池温度Tempが所定のものか否かがチェックされる。この一実施の形態では、Temp<15°Cと判定される場合には、ヒータ等により加熱処理(ステップS14)を行ってからステップS11に処理が戻る。Temp>40°Cと判定される場合には、冷却のための待機(ステップS15)を経てステップS11に処理が戻る。(15°C≦Temp≦40°C)と判定される場合には、処理がステップS16に移行する。
ステップS16において、ステップS6と同様に、本体側にメインテナンス放電を行う要求が通知され、メインテナンス放電が実行される。放電電流(I=-7.000A +/- 1.000A)でもって単セル当たりVmin=3.000Vまでメインテナンス放電がなされる。
ステップS17において、放電時間が例えばEEPROM−IC4に記録される。ステップS18において、ステップS17で記録された放電時間の記録値と、ステップS7で求められている初期放電時間との比率が計算される。劣化が進んでいる電池は、メインテナンス放電時に記録される放電時間が短くなる。この点を利用して劣化の度合いが調べられる。すなわち、初期放電時間を100%とし、2回目以降の放電時間の比率(%)が求められる。放電時間の比率自体を使用しても良いし、放電時間の比率から容量(放電時間×放電電流)の比率を求めても良い。一実施の形態では、放電電流を固定値としているので、放電時間の比率と容量の比率とが等しいものとなる。このように、最初の容量に対する現在の容量の割合が調べられる。求められた現在の容量がバックアップ電源装置に接続された電子機器の動作に必要な最小限の容量以上であるか否かが判定される。最小限の容量とは、メイン電源が停電・故障時に接続された電子機器がデータ保存処理等を行うために最小限必要な容量や電力量を意味する。
一実施の形態では、容量(初期放電時間)の初期値をCPiとし、現在の容量(測定された2回目以降の放電時間)をCPrとすると、(CPr/CPi=0.7=70%)以上の容量が必要容量として設定されている。必要容量は、電子機器によって相違するので、接続される機器に応じて設定可能とされている。ステップS18において、容量CPrが70%以上か否かが判定され、CPr<70%と判定されると、ステップS19において、寿命終了品の表示がなされる。また、寿命終了品であることが本体側に通知される。
ステップS18において容量CPrが70%以上と判定されると、ステップS20において、経過期間の判定がなされる。二次電池の使用を開始してから、例えば二次電池BAT1〜BAT6を装着してからの経過期間が所定年数例えば10年経過しているか否かが判定される。経過していないと判定されると、ステップS21において、発光ダイオードLEDによって「正常」の表示がなされる。所定期間経過していると、ステップS22において、発光ダイオードLEDによって「交換時期」の表示がなされる。「正常」および「交換時期」のそれぞれの情報が本体側に通知される。
また、「正常」の場合は、サイクル劣化がなく、必要最小限の容量・電力量があることを意味するので、本体側に通知されるモードは、ノーマルモードである。本体側にノーマルモードが通知されると、ステップS23において、本体側によって二次電池BAT1〜BAT6に対して満充電までの充電(例えば電池電圧が4.050Vに到達するまでの充電)が行われる。そして、ステップS24では、次のセル電圧のチェックまでCPU−IC1が待機する。
なお、ノーマルモードにおいては、電池電圧が所定の範囲となるように、充電動作がなされ、また、上述したような各種の保護動作がなされる。
この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、経過年数が保証期間を経過しているか否かの判定を行ってから容量計算を行うようにし、保証期間を経過している電池の場合には、容量計算を不要としても良い。また、電池パックと本体との間の通信路としては、SMバス以外の通信路(CAN(Controller Area Network)通信等の2線式通信路や、ダラス通信等の
1線式)を使用しても良い。
この発明による電池電源装置の一実施の形態のブロック図である。 図1の一部のより詳細な接続図である。 図1の一部のより詳細な接続図である。 発光ダイオードを使用した表示部の表示例を示す略線図である。 この発明の一実施の形態の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の一実施の形態の処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
BAT1〜BAT6・・・二次電池
Q27〜Q29・・・放電制御用FET
Q30〜Q32・・・充電制御用FET
IC1・・・CPU
IC5〜IC10・・・二次電池の電圧検出回路
D1〜D4,D11〜D13,D21・・・発光ダイオード
R1・・・電流検出用抵抗

Claims (10)

  1. 二次電池と、
    上記二次電池の正負の電極からそれぞれ導出された正負の電源ラインの一方にそのドレイン・ソース間が挿入され、充電電流に対して逆方向の極性の寄生ダイオードを有する充電制御用電界効果型トランジスタと、
    上記正負の電源ラインの一方にそのドレイン・ソース間が挿入され、充電電流に対して順方向の極性の寄生ダイオードを有する放電制御用電界効果型トランジスタと、
    上記二次電池の電圧を検出する電圧検出回路と、
    上記二次電池の放電電流および充電電流を検出する検出用抵抗と、
    温度を検出する温度検出素子と、
    上記電圧検出回路により検出された電池電圧、上記検出用抵抗により検出された上記放電電流および充電電流の電流値および上記温度検出素子により検出された温度が入力され、充電および放電を制御する制御部とを備え、
    上記制御部によって、上記温度検出素子により検出された温度が設定された範囲内にある場合に、予め設定された放電電流でもって、上記電池電圧が第1の電圧値の場合に開始し、上記電池電圧が第2の電圧値の場合に終了する連続的なメインテナンス放電を行うように制御し、
    最初の上記メインテナンス放電において、上記第2の電圧値に達するまでの初期放電時間が記録され、
    上記最初のメインテナンス放電の後になされる第2回目以降のメインテナンス放電における上記放電時間と、上記初期放電時間との比率によって、上記二次電池の現在の容量が設定された容量以上か否かを判定し、
    上記二次電池の現在の容量が上記設定された容量以上と判定される場合に、正常と判定し、
    上記二次電池の現在の容量が上記設定された容量未満と判定される場合に、寿命終了と判定する
    ことを特徴とする電池電源装置。
  2. 接続される外部の電子機器がメイン電源の停止時に行う必要最小限の動作に必要な電力量以上に、容量が設定される請求項1記載の電池電源装置。
  3. 上記正常と判定される場合と、上記寿命終了と判定される場合とでそれぞれ異なる表示を行う表示部を有する請求項1記載の電池電源装置。
  4. 上記二次電池の使用期間が設定された保証期間以上か否かを判定し、上記二次電池の使用期間が設定された保証期間以上の場合には、交換時期であると判定する請求項1記載の電池電源装置。
  5. 上記交換時期であることを示す表示を行う請求項1記載の電池電源装置。
  6. 二次電池と、
    上記二次電池の正負の電極からそれぞれ導出された正負の電源ラインの一方にそのドレイン・ソース間が挿入され、充電電流に対して逆方向の極性の寄生ダイオードを有する充電制御用電界効果型トランジスタと、
    上記正負の電源ラインの一方にそのドレイン・ソース間が挿入され、充電電流に対して順方向の極性の寄生ダイオードを有する放電制御用電界効果型トランジスタと、
    上記二次電池の電圧を検出する電圧検出回路と、
    上記二次電池の放電電流および充電電流を検出する検出用抵抗と、
    温度を検出する温度検出素子と、
    上記電圧検出回路により検出された電池電圧、上記検出用抵抗により検出された上記放電電流および充電電流の電流値および上記温度検出素子により検出された温度が入力され、充電および放電をそれぞれ制御する制御部とを備える電池電源装置における寿命判定方法において、
    上記制御部によって、上記温度検出素子により検出された温度が設定された範囲内にある場合に、予め設定された放電電流でもって、上記電池電圧が第1の電圧値の場合に開始し、上記電池電圧が第2の電圧値の場合に終了する最初のメインテナンス放電を行うように制御し、
    上記最初のメインテナンス放電において、上記第2の電圧値に達するまでの初期放電時間が記録され、
    上記最初のメインテナンス放電の後に第2回目以降の上記メインテナンス放電を行い、上記第2の電圧値に達するまでの放電時間が記録され、
    上記初期放電時間と上記放電時間の比率によって、上記二次電池の現在の容量が設定された容量以上か否かを判定し、
    上記二次電池の現在の容量が上記設定された容量以上と判定される場合に、正常と判定し、
    上記二次電池の現在の容量が上記設定された容量未満と判定される場合に、寿命終了と判定する
    ことを特徴とする寿命判定方法。
  7. 接続される外部の電子機器がメイン電源の停止時に行う必要最小限の動作に必要な電力量以上に、容量が設定される請求項6記載の寿命判定方法。
  8. 上記正常と判定される場合と、上記寿命終了と判定される場合とでそれぞれ異なる表示を行う表示部を有する請求項6記載の寿命判定方法。
  9. 上記二次電池の使用期間が設定された保証期間以上か否かを判定し、上記二次電池の使用期間が設定された保証期間以上の場合には、交換時期であると判定する請求項6記載の寿命判定方法。
  10. 上記交換時期であることを示す表示を行う請求項6記載の寿命判定方法。
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