JP2021164055A - 全差動アンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲインを高くすることが可能な全差動アンプを提供する。【解決手段】全差動アンプは、第1入力端子1Gを有する第1トランジスタ1及び、第2入力端子2Gを有する第2トランジスタ2を備えた第1差動入力段10と、第1トランジスタ1に接続された第1負荷トランジスタ1Lと、第2トランジスタ2に接続された第2負荷トランジスタ2Lと、第1トランジスタ1と第1負荷トランジスタ1Lとの間に設けられた第1出力端子1Tと、第2トランジスタ2と第2負荷トランジスタ2Lとの間に設けられた第2出力端子2Tと、第1差動入力段10に接続された電流源30と、第1負荷トランジスタ1Lのゲート及び第2負荷トランジスタ2Lのゲートに接続されたバイアス印加用節点N0を備えている。バイアス電位発生器Bは、バイアス印加用節点N0に接続され、第1差動入力段10への入力コモン電位に応じたバイアス電位を発生する。【選択図】図1

Description

本発明は、全差動アンプに関するものである。
従来の全差動アンプは、第1差動入力段に、負荷抵抗を接続するもしくは負荷トランジスタを接続し、負荷トランジスタのゲートにバイアス電位を与えている(特許文献1)。
特開2005−72974号公報
近年、CMOSプロセスの微細化に伴い、アンプ1段あたりで実現可能なゲイン(増幅率)が、小さくなってきている。これはアンプを構成するトランジスタの固有利得Aが低下してきているからである。特許文献1に開示された回路構造においては、差動入力段を構成するトランジスタに、負荷トランジスタを接続して実効負荷抵抗rを増加させ、ゲインを増加させている。しかしながら、近年の固有利得低下は更に進んでおり、かかる構造だけでは、ゲインは十分ではない。本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、ゲインを向上させることが可能な全差動アンプを提供することを目的とする。
第1の全差動アンプは、第1入力端子を有する第1トランジスタ、及び、第2入力端子を有する第2トランジスタを備えた第1差動入力段と、第1トランジスタに接続された第1負荷トランジスタと、第2トランジスタに接続された第2負荷トランジスタと、第1トランジスタと第1負荷トランジスタとの間に設けられた第1出力端子と、第2トランジスタと第2負荷トランジスタとの間に設けられた第2出力端子と、第1差動入力段に接続された電流源と、第1負荷トランジスタのゲート及び第2負荷トランジスタのゲートに接続されたバイアス印加用節点と、バイアス印加用節点に接続され、第1差動入力段への入力コモン電位に応じたバイアス電位を発生するバイアス電位発生器とを備えている。
第1差動入力段には、第1負荷トランジスタ及び第2負荷トランジスタが接続されているので、第1差動入力段における実効負荷抵抗を増加させることができる。これらの負荷は、負荷トランジスタにより構成されているため、線形な電流電圧特性を有する受動素子としての抵抗器よりも、少ない電圧降下で大きな抵抗値を得ることができる。すなわち、実効負荷抵抗を増加させ、大きなゲインを得ることができる。また、第1差動入力段の出力コモン電位は、入力コモン電位依存がある。したがって、バイアス電位発生器によって、入力コモン電位を反映したバイアス電位を生成し、これをバイアス印加用節点に与えると、出力コモン電位の変動を抑制することができる。
第2の全差動アンプにおいては、バイアス電位発生器において発生するバイアス電位は、第1入力端子への第1入力信号の電位と、第2入力端子への第2入力信号の電位とが、同一の場合において、第1出力端子からの第1出力信号の電位が、第2出力端子からの第2出力信号の電位に等しくなり、且つ、バイアス印加用節点の電位に等しくなる値に設定される。この全差動アンプは、出力コモン電位の変動を抑制することができる。
第3の全差動アンプにおいては、バイアス電位発生器は、バイアス印加用節点に接続され第3入力端子を有する第3トランジスタと、バイアス印加用節点に接続され第4入力端子を有する第4トランジスタとを備えた第2差動入力段を備えている。この全差動アンプは、バイアス電位発生器が、第1差動入力段と同様の構成を有する第2差動入力段を備えているので、第2差動入力段は、入力コモン電位を反映したバイアス電位を生成し、これをバイアス印加用節点に与え、出力コモン電位の変動を抑制することができる。
第4の全差動アンプにおいては、第3入力端子には、第1入力端子への信号が入力され、第4入力端子には、第2入力端子への信号が入力される。第2差動入力段は、第1差動入力段と同様の挙動を行うことができる。
第5の全差動アンプにおいては、第3トランジスタのバイアス印加用節点とは反対側の第1端子と、第4トランジスタのバイアス印加用節点とは反対側の第2端子とを接続する第1抵抗を備えている。全差動アンプが第1抵抗を備えると、バイアス印加用節点に与えられるバイアス電位の変化を緩やかにし、出力コモン電位の変動を更に抑制することができる。
第6の全差動アンプにおいては、第3トランジスタのバイアス印加用節点とは反対側の第1端子と、第4トランジスタのバイアス印加用節点とは反対側の第2端子とは短絡されており、第2差動入力段は、バイアス印加用節点に接続され第5入力端子を有する第5トランジスタと、バイアス印加用節点に接続され第6入力端子を有する第6トランジスタとを更に備え、第5トランジスタのバイアス印加用節点とは反対側の第3端子と、第6トランジスタの前記バイアス印加用節点とは反対側の第4端子とは短絡されていない。この回路は、第1抵抗に代えて、第3及び第4トランジスタを短絡し、第5及び第6トランジスタを用いている。全差動アンプは、第1抵抗を備えた場合と同様に機能するが、トランジスタの実装面積は、受動素子としての抵抗器よりも小さいため、全差動アンプを小型化することができる。
第7の全差動アンプは、第1負荷トランジスタと電源電位との間に接続された第1負荷と、第2負荷トランジスタと電源電位との間に接続された第2負荷とを更に備える。この場合、第1及び第2負荷トランジスタを用いた場合よりも、実効負荷抵抗を更に増加させることができる。
第8の全差動アンプにおいては、第1負荷は、受動素子としての抵抗器から構成され、第2負荷は、受動素子としての抵抗器から構成される。抵抗器は、抵抗値が高い材料を用意すれば形成できるという利点がある。
第9の全差動アンプにおいては、第1負荷は、ゲート電位を固定したトランジスタから構成され第2負荷は、ゲート電位を固定したトランジスタから構成される。トランジスタの実装面積は、受動素子としての抵抗器よりも小さいため、全差動アンプを小型化することができる。
第10の全差動アンプにおいては、バイアス電位発生器は、バイアス印加用節点に接続されたゲートを備えるバイアス用トランジスタを備え、バイアス用トランジスタのゲートと前記バイアス用トランジスタのドレインとは接続されており、このドレインには、第1差動入力段への入力コモン電位に応じた電位が与えられる。バイアス電位発生器が、バイアス用トランジスタを備えることにより、バイアス電位を調整することができる。
第11の全差動アンプにおいては、バイアス電位発生器は、バイアス用トランジスタのゲートとドレインとの間に介在する第2抵抗を更に備えている。この場合、第2抵抗の両端間の電圧降下を利用して、バイアス用トランジスタのゲート電位を調整することができる。
第12の全差動アンプにおいては、バイアス電位発生器の発生するバイアス電位は、第1及び第2入力端子への入力信号を用い、第1差動入力段の入力コモン電位の変動に対して、第1差動入力段の出力コモン電位の変動を抑制するように設定される。第1及び第2入力信号は、入力コモン電位を含んでおり、出力コモン電位は入力コモン電位依存を有している。したがって、第1及び第2入力信号から、入力コモン電位を反映したバイアス電位を生成し、これをバイアス印加用節点に与えると、出力コモン電位の変動を抑制することができる。
本発明に係る全差動アンプは、ゲイン及び安定性を高くすることができる。
図1は、実施形態に係る全差動アンプの回路図である。 図2は、第1差動入力段10及び第1負荷回路40を含む全差動アンプ本体A示す回路図である。 図3は、負荷の電流電圧特性を示すグラフである。 図4は、別の例の第2差動入力段を含むバイアス電位発生器Bの回路図である。 図5は、更に別の第2差動入力段を含むバイアス電位発生器Bの回路図である。 図6は、追加した負荷(抵抗器)の回路図である。 図7は、追加した負荷(トランジスタ)の回路図である。 図8は、基準電位(500mV)からの変動電圧ΔV(mV)とコモン電圧V(mV)との関係を示すグラフである。 図9は、差動入力電圧の差分の半分の値V(diff)/2(V)と、バイアス電位発生回路におけるバイアス用トランジスタを流れるドレイン電流ID(bias)(μA)との関係を示すグラフである。 図10(a)は、第1抵抗R1を用いず、第2差動入力段のソースを短絡した場合において、差動入力電圧の差分の半分の値V(diff)/2(V)と入力信号電圧との関係を示すグラフ、図10(b)はV(diff)/2(V)と出力信号電圧との関係を示すグラフ、図10(c)はV(diff)/2(V)とバイアス電位(biasp)との関係を示すグラフである。 図11は、第1抵抗R1を用いず、第2差動入力段のソースを短絡した場合における各種電圧の動作波形である。 図12(a)は、第1抵抗R1を用いた場合において、差動入力電圧の差分の半分の値V(diff)/2(V)と入力信号電圧との関係を示すグラフ、図12(b)はV(diff)/2(V)と出力信号電圧との関係を示すグラフ、図12(c)はV(diff)/2(V)とバイアス電位(biasp)との関係を示すグラフである。 図13は、第1抵抗R1を用いた場合の各種電圧の動作波形である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、実施形態に係る全差動アンプの回路図である。なお、説明において、トランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)を示すものとする。
全差動アンプは、全差動アンプ本体Aと、バイアス電位発生器Bと、電流源バイアス回路Cを備えている。
全差動アンプ本体Aは、第1差動入力段10と、第1負荷回路40と、出力端子(第1出力端子1T、第2出力端子2T)と、全差動アンプ本体用電流源(電流源30)とを備えている。
第1差動入力段10は、第1入力端子1Gを有する第1トランジスタ1(NMOS−FET)と、第2入力端子2Gを有する第2トランジスタ2(NMOS−FET)とを備えている。第1入力端子1Gには正相の第1入力信号(inp)が与えられ、第2入力端子2Gには逆相の第2入力信号(inn)が与えられる。第1入力信号(inp)と第2入力信号(inn)は、差動入力信号を構成している。第1トランジスタ1のソースと、第2トランジスタ2のソースとは、接続されており、これらの接続点(節点N10)は、電流源30を介して、グランドに接続されている。節点N10には、第1差動入力段10のコモンソース電位が与えられる。
第1負荷回路40は、第1トランジスタ1に接続された第1負荷トランジスタ1L(PMOS−FET)と、第2トランジスタ2に接続された第2負荷トランジスタ2L(PMOS−FET)とを備えている。さらに具体的には、第1トランジスタ1のドレインには、第1負荷トランジスタ1Lのドレインが接続され、第2トランジスタ2のドレインには、第2負荷トランジスタ2Lのドレインが接続されている。第1負荷トランジスタ1Lのソース及び第2負荷トランジスタ2Lのソースは、電源ラインVDD(電源電位)に接続されている。
第1出力端子1Tは、第1トランジスタ1のドレインに接続されている。第2出力端子2Tは、第2トランジスタ2のドレインに接続されている。すなわち、第1出力端子1Tは、第1トランジスタ1と第1負荷トランジスタ1Lとの間に設けられており、第2出力端子2Tは、第2トランジスタ2と第2負荷トランジスタ2Lとの間に設けられている。第1出力端子1Tからは、逆相の第1出力信号(outn)が出力され、第2出力端子2Tからは、正相の第2出力信号(outp)が出力される。
電流源30は、第1差動入力段10に接続されている。電流源30は、トランジスタ(NMOS−FET)から構成され、このトランジスタのドレインは節点N10に接続され、ソースはグランドに接続されている。電流源30を構成するトランジスタのゲートには、電流源バイアス回路Cにおいて生成されたゲート電位が与えられ、定電流源として機能している。
第1負荷回路40(アクティブロード)は、第1負荷トランジスタ1L(PMOS−FET)及び第2負荷トランジスタ2L(PMOS−FET)を備えている。第1差動入力段10には、第1負荷トランジスタ1L及び第2負荷トランジスタ2Lが接続されているので、第1差動入力段10における実効負荷抵抗(r)を増加させることができる。すなわち、第1負荷回路40は、負荷トランジスタにより構成されているため、線形な電流電圧特性を有する受動素子としての抵抗器よりも、少ない電位差で大きな抵抗値を得ることができる。実効負荷抵抗(r)が増加すると、全差動アンプにおいて、大きなゲインを得ることができる。また、第1差動入力段10の出力コモン電位は、入力コモン電位依存がある。したがって、バイアス電位発生器Bによって、入力コモン電位を反映したバイアス電位(biasp)を生成し、これをバイアス印加用節点N0に与えると、出力コモン電位の変動を抑制することができる。バイアス電位(biasp)は、節点N0を介して、第1負荷トランジスタ1Lのゲート及び第2負荷トランジスタ2Lのゲートに与えられる。
バイアス電位発生器Bは、バイアス印加用節点N0に接続され、第1差動入力段10への入力コモン電位に応じたバイアス電位(biasp)を発生する。具体的には、第1負荷トランジスタ1Lのゲート及び第2負荷トランジスタ2Lのゲートに接続されたバイアス印加用節点N0に与えられるバイアス電位(biasp)を制御することで、出力コモン電位の変動を抑制している。
バイアス電位発生器Bは、第2負荷回路50と、第2差動入力段20と、第1電流源31と、第2電流源32を備えており、全差動アンプ本体Aのアクティブロードを構成する第1負荷回路40に与えるバイアス電位(biasp)を発生する。
第2負荷回路50は、バイアス用トランジスタ7(PMOS−FET)と第2抵抗R2を備えており、バイアス電位出力端子としてのバイアス印加用節点N0を備えている。バイアス用トランジスタ7のソースは、電源ラインVDDに接続され、ドレインは第2抵抗R2を介して、第2差動入力段20の上流に位置するバイアス印加用節点N0に接続されている。バイアス印加用節点N0には、バイアス電位(biasp)が与えられ、バイアス用トランジスタ7のゲートに接続されている。第2抵抗R2は、バイアス用トランジスタ7のゲートとドレインとの間に介在している。換言すれば、バイアス用トランジスタ7のゲートと第2抵抗R2の下流端とは接続されている。第2抵抗R2の両端には、第2負荷回路50を流れる電流に比例した電圧が発生する。したがって、バイアス用トランジスタ7のドレインの電位よりも、第2抵抗R2の下流端であるバイアス印加用節点N0の電位の方が、低くなる。換言すれば、第2抵抗R2の抵抗値(∝両端間の電圧降下)を調整することにより、バイアス印加用節点N0に与えられるバイアス電位(biasp)を微調整することができる。微調整が不要の場合は、第2抵抗R2は省略することもできるが、第2抵抗R2があった方がより緻密なバイアス電位制御ができる。
なお、第2抵抗R2は、トラジスタを用いた負荷によって実現することもできる。なお、第2差動入力段20に含まれる第1抵抗R1も、トラジスタを用いた負荷によって実現することもできる。この場合、実装面積を小さくすることができる可能性がある。また、第2抵抗R2と同様の効果は、バイアス用トランジスタ7、第1負荷トランジスタ1L、第2負荷トランジスタ2Lのサイズの微調整することでも、得ることができる。
第2抵抗R2の有無に拘らず、第2負荷回路50は、バイアス印加用節点N0に接続されたゲートを備えるバイアス用トランジスタ7を備えている。また、バイアス用トランジスタ7のゲートと、バイアス用トランジスタ7のドレインとは、直接的又は間接的に接続され、このドレインには、第1差動入力段10への入力コモン電位に応じた電位(略バイアス電位(biasp))が与えられる。バイアス電位発生器Bが、バイアス用トランジスタ7を備えることにより、バイアス電位を調整することができる。
第2差動入力段20は、バイアス印加用節点N0に接続され第3入力端子3Gを有する第3トランジスタ3(NMOS−FET)と、バイアス印加用節点N0に接続され第4入力端子4Gを有する第4トランジスタ4(NMOS−FET)とを備えている。第3入力端子3Gには、第1入力端子1Gへの信号(第1入力信号(inp))が入力され、第4入力端子4Gには、第2入力端子2Gへの信号(第2入力信号(inp))が入力される。第2差動入力段20は、第1差動入力段10と同様の挙動を行うことができる。この全差動アンプは、バイアス電位発生器Bが、第1差動入力段10と同様の構成を有する第2差動入力段20を備えているので、第2差動入力段20は、入力コモン電位を反映したバイアス電位(biasp)を生成し、これをバイアス印加用節点N0に与え、出力コモン電位の変動を抑制することができる。詳説すれば、第2差動入力段20の差動対トランジスタは、第1差動入力段10の差動対トランジスタと同一であり、第2差動入力段20は、第1差動入力段10のレプリカ回路を構成している。レプリカ回路を構成する第2差動入力段20においては、第1差動入力段10と類似の信号が出力されるため、出力コモン電位変動を補償するバイアス電位(biasp)を生成することができる。
バイアス電位発生器Bの発生するバイアス電位(biasp)は、第1入力端子1G及び第2入力端子2Gへの入力信号(第1入力信号(inp)、第2入力信号(inn))を用い、第1差動入力段10の入力コモン電位の変動に対して、第1差動入力段10の出力コモン電位の変動を抑制するように設定されている。第1及び第2入力信号は、入力コモン電位を含んでおり、出力コモン電位は入力コモン電位依存を有している。したがって、第1及び第2入力信号から、入力コモン電位を反映したバイアス電位(biasp)を生成し、これをバイアス印加用節点N0に与えると、出力コモン電位の変動を抑制することができる。
なお、第2差動入力段20の挙動は、第1差動入力段10の挙動に類似するが、バイアス電位に対する入力差分の影響を減じるためには、第1抵抗R1を備えた方がよい。なお、第2差動入力段20のトランジスタのソースとグランドとの間に位置する第1抵抗R1を備えた回路は、Source Degeneration回路を構成している。
第1抵抗R1は、第3トランジスタ3のバイアス印加用節点N0とは反対側の第1端子N1と、第4トランジスタ4のバイアス印加用節点N0とは反対側の第2端子N2とを接続している。第2差動入力段20が、第1抵抗R1を備える場合、第2差動入力段20を構成するトランジスタを流れるドレイン電流は、第2差動入力段20への差動入力信号の差分が変化しても、あまり変化しなくなる。この場合、バイアス印加用節点N0に与えられるバイアス電位(biasp)の変化を緩やかにし、第1抵抗R1を備えない場合よりも、安定し変化しにくいので、出力コモン電位の変動を更に抑制することができる。出力コモン電位の変動を抑制するために、バイアス印加用節点N0には、レプリカ回路を構成する第2差動入力段20により、フィードフォワード制御されるバイアス電位(biasp)が生成される。一方、バイアス印加用節点N0に与えられるバイアス電位(biasp)は、出力コモン電位変動を補償するように変化するが、入力差分に依って変動しない方が、実際の出力コモン電位の変動抑制には寄与する。第2差動入力段20が、第1抵抗R1を備える場合、バイアス電位(biasp)が大きく変化せず、出力コモン電位の変動を更に抑制することができる。
バイアス電位発生器Bにおいて発生するバイアス電位(biasp)は、第1入力端子1Gへの第1入力信号(inp)の電位と、第2入力端子2Gへの第2入力信号(inn)の電位とが、同一の場合(電位のクロスポイント)において、第1出力端子1Tからの第1出力信号(outn)の電位と、第2出力端子2Tからの第2出力信号(outp)の電位がともに、バイアス印加用節点N0のバイアス電位(biasp)に等しくなる値に設定される。ここで、等しくなるとは、実質的に等しいという意味であり、プロセスやトランジスタ間の特性が変動することによるばらつき、電源電圧が変動することによるばらつき、温度が変動することによるばらつき、など、による誤差は許容する。
第1入力信号の電位V(inp)と、第2入力信号の電位V(inn)が、入力コモン電位Vin(common)に等しく、これらが同一の時(V(inp)=V(inn)=(Vin(common))、第2負荷回路50のバイアス用トランジスタ7と第1負荷回路40の負荷トランジスタ(第1負荷トランジスタ1L,第2負荷トランジスタ2L)で構成されるカレントミラーにおいて、バイアス用トランジスタ7と、負荷トランジスタを流れる電流密度が同じになるように設計する。これにより、第1出力信号の電位V(outn)と、第2出力信号の電位V(outp)と、バイアス電位biasを、上記の如く等しくすることができる。
第1電流源31は、第2差動入力段20に接続されている。第1電流源31は、トランジスタ(NMOS−FET)から構成され、このトランジスタのドレインは第1端子N1(節点)に接続され、ソースはグランドに接続されている。第1電流源31を構成するトランジスタのゲートには、電流源バイアス回路Cにおいて生成されたゲート電位が与えられ、定電流源として機能している。
第2電流源32は、第2差動入力段20に接続されている。第2電流源32は、トランジスタ(NMOS−FET)から構成され、このトランジスタのドレインは第2端子N2(節点)に接続され、ソースはグランドに接続されている。第2電流源32を構成するトランジスタのゲートには、電流源バイアス回路Cにおいて生成されたゲート電位が与えられ、定電流源として機能している。
電流源バイアス回路Cは、ダイオード接続されたトランジスタ(NMOS−FET)から構成される第2のバイアス電位発生器33と、第4電流源34(定電流源)とを備えている。第2のバイアス電位発生器33を構成するトランジスタのソースは、グランドに接続され、ドレインは第4電流源34に接続されている。第4電流源34の上流の一端は電源ラインVDDに接続されている。電源ラインVDDにはプラスの電位が与えられている。電源ラインVDDから、第4電流源34及び第2のバイアス電位発生器を順次介して、グランドに電流が流れる。なお、第2のバイアス電位発生器33を構成するトランジスタのドレインとゲートは短絡されダイオード接続となっており、隣接する電流源30、第1電流源31、第2電流源32のゲートが接続され、これらの素子はカレントミラーを構成している。
次に、上述の全差動アンプの優位性について、更に説明する。
図2は、全差動アンプの差動入力段を示す回路図である。
近年、CMOSプロセスの微細化に伴い、アンプ1段あたりで実現可能なゲイン(増幅率)が小さくなっている。差動対のゲインAは、トランジスタの相互コンダクタンスgと、実効負荷抵抗rとの積(ゲインA=g×r)で与えられる。したがって、実効負荷抵抗rが低下すると、ゲインが低下する。
ここで、実効負荷抵抗rには後段負荷も効いてくるが、第1差動入力段10の出力端子(第1出力端子1T、第2出力端子2T)にそれぞれ接続された外部負荷の抵抗rが非常に大きいとする。この場合、片側のトランジスタ(第1トランジスタ1又は第2トランジスタ2)の実効負荷抵抗rは、トランジスタのソース/ドレイン間の抵抗rと、トランジスタと電源電位との間の負荷抵抗rとの並列合成抵抗(r=(r×r)/(r+r))で与えられる。トランジスタのソース/ドレイン間の抵抗roは、微細化に伴って小さくなる。したがって、素子の微細化に伴い、ドレイン抵抗roが低下し、実効負荷抵抗rが低下すると、差動対のゲインAが低下することになる。
単に、ゲインを増加させるだけなら、アンプを多段にする方法があるが、段数が増えると、デメリットもある。段数が増加すると、実装面積や消費電力が増えるだけでなく、ノイズや入力換算オフセットなども増大し、アンプの帯域は減少する。したがって、差動アンプ1段当たりのゲインを、できるだけ大きくすることが好ましい。
上述の実施形態においては、第1負荷回路40を構成する負荷トランジスタの負荷抵抗rがドレイン抵抗roと同程度にできることを利用して、実効負荷抵抗rとしての並列合成抵抗を増加させることで、ゲインを増加させている。
負荷抵抗rが受動素子としての抵抗器から構成される場合、負荷抵抗rを増加させると、出力信号(第1出力信号(outn)、第2出力信号(outp))の動作点(差動アンプの出力コモン電位)が低下し、第1差動入力段10のトランジスタの飽和領域(有効ゲート電圧Veffよりも大きなドレイン/ソース間電圧での動作領域)において、動作させることが難しくなる。換言すれば、負荷抵抗rを増加させると、その両端間電圧が大きくなり、負荷抵抗rの下流に位置する第1差動入力段10のトランジスタに印加される電位が下がり、出力信号の動作点が低下する。
そこで、上述の実施形態では、負荷抵抗rを、第1負荷トランジスタ1L及び第2負荷トランジスタ2Lを用いて構成している。トランジスタは、曲線的な電流電圧特性を有している。したがって、負荷トランジスタは、線形の電流電圧特性を有する受動素子と異なり、両端間電圧が小さくても、各負荷トランジスタのアーリー電圧に相当する分だけ、受動素子としての抵抗器よりも、抵抗値を大きくすることができる。これにより、第1トランジスタ1及び第2トランジスタ2の動作点の低下を抑止し、第1差動入力段10のトランジスタの飽和領域においても、差動アンプが動作するようになる。
なお、受動素子としての抵抗器よりも、負荷トランジスタの方が、小さな電圧で大きな抵抗値を得ることができる点について、補足説明する。
図3は、負荷の電流電圧特性を示すグラフである。
負荷への印加電圧Vを増加させると、負荷を流れる電流Iが負方向へ増加するものとする。負荷がトランジスタ(PMOS−FET)から構成される場合、曲線Aで示される挙動を示す。印加電圧Vを増加させると、ドレイン電流(−I)が負方向へ増加する。なお、電源ラインからグランドに流れる電流の方向を負方向とする。曲線Aはトランジスタのドレイン/ソース間電圧(VDS)示しており、電流電圧特性の線形領域と飽和領域との境界点P(動作点)における接線Cの延長線とドレイン電流がゼロの場合の電圧軸との交点は、アーリー電圧(絶対値)|―V|を示している。境界点Pを通る受動素子としての抵抗器の特性は、直線Bで表されるように、線形である。抵抗値=電圧値/電流値で与えられる。一方、接線Cで表され、境界点Pの近傍における負荷トランジスタの抵抗値(r=(VDS+V)/I))は、直線Bで表される抵抗器の抵抗値Rよりも、大きくなる(r>R)。
したがって、上述の実施形態においては、負荷トランジスタを用いることで、小さな電圧で大きな抵抗値を得ることができ、実効負荷抵抗(r=(r×r)/(r+r))を増加させて、ゲインを高くすることができる。
なお、第1負荷トランジスタ1L及び第2負荷トランジスタ2Lの抵抗値を固定した場合、入力コモン電位変動による第1差動入力段10の出力コモン電位の変動を補償することができず、出力コモン電位の安定性に改良の余地がある。出力コモン電位を安定化させるための構成として、出力コモン電位を検出し、検出された値を負荷トランジスタのゲートに、フィードバックして与え、出力コモン電位を一定値に保持する構成(コモンモードフィードバック)が考えられるが、本実施形態においては、レプリカ回路を用いたフィードフォワード制御を行っている。
また、負荷トランジスタを線形領域において動作させることで、出力コモン電位を安定させる方法も考えられるが、この場合は、負荷トランジスタを飽和領域で動作させることができない。上述のように、負荷トランジスタの動作点を飽和領域に設定すると、ゲインを高くすることができるという利点がある。もちろん、負荷トランジスタは入力差動の変化に応じて、飽和領域に加えて、線形領域でも動作することになる。
上述の実施形態では、負荷トランジスタの動作点(動作の中心)を飽和領域にしつつも、第1差動入力段10のレプリカ回路として、第2差動入力段20を設けており、レプリカ回路において発生した電位を、バイアス電位として負荷トランジスタに与えることで、第1差動入力段10の出力コモン電位の変動を補償することした。レプリカ回路を構成する第2差動入力段20へは、第1差動入力段10への入力信号と同様の入力信号が与えられ、第1差動入力段10と同様に電位が変動する。第2差動入力段20の上流側の節点N0の電位をバイアス電位(biasp)として、負荷トランジスタ(第1負荷トランジスタ1L、第2負荷トランジスタ2L)のゲートに与えると、出力コモン電位の変動を抑制することができる。
詳説すれば、第1差動入力段10への第1入力信号(inp)の電位(V(inp))と第2入力信号(inn)の電位(V(inn))の平均(和の1/2)が、入力コモン電位(Vin(common)=(V(inp)+V(inn))/2)となる。また、第1出力信号(outn)の電位(V(outn))と第2出力信号(outp)の電位(V(outp))の平均(和の1/2)が、出力コモン電位(Vout(common)=(V(outn)+V(outp))/2)となる。なお、入力差動電圧は、V(inp)―V(inn)であり、出力差動電圧は、V(outp)―V(outn)であるとする。
ここで、出力コモン電位Vout(common)は、入力コモン電位Vin(common)依存があり、入力コモン電位の逆相で変動している。したがって、レプリカ回路において、出力コモン電位Vout(common)と等価なバイアス電位(biasp)を生成し、このバイアス電位(biasp)を用いて、これを負荷トランジスタのゲートに与えれば、出力コモン電位Vout(common)の変動を抑制することができる。
バイアス電位(biasp)は、入力コモン電位の変化に応じて、変化する。バイアス電位(biasp)の生成方法として、第1抵抗R1を用いない構成も考えられる。
図4は、別の例の第2差動入力段を含むバイアス電位発生器Bの回路図である。
本例のバイアス電位発生器Bは、図1に示したバイアス電位発生器Bから、第1抵抗R1を取り除き、また、第2抵抗R2を取り除いたものである。また、第2差動入力段20を構成するトランジスタのソースを共通接続し、2つあった第1電流源31及び第2電流源32を、1つの第2電流源32で機能させることにした。その他の構成は、図1に示した全差動アンプと同一である。
上述のように、第2抵抗R2が無い場合には、バイアス電位(biasp)の微調整ができにくいが、出力コモン電位の変動抑制という観点からは、機能する。また、第1抵抗R1が無い場合においても、レプリカ回路において生成されるバイアス電位(biasp)は、入力コモン電位に応じて変化するので、出力コモン電位の変動抑制という観点からは、機能する。
図5は、更に別の第2差動入力段を含むバイアス電位発生器Bの回路図である。
第2差動入力段20は、バイアス印加用節点N0に接続され第3入力端子3Gを有する第3トランジスタ3(NMOS−FET)と、バイアス印加用節点N0に接続され第4入力端子4Gを有する第4トランジスタ4(NMOS−FET)を備えている。第2差動入力段20は、バイアス印加用節点N0に接続され第5入力端子5Gを有する第5トランジスタ5(NMOS−FET)と、バイアス印加用節点N0に接続され第6入力端子6Gを有する第6トランジスタ6(NMOS−FET)とを更に備えている。
第2差動入力段20の差動対トランジスタは、第1差動入力段10の差動対トランジスタと同一であり、第2差動入力段20は、第1差動入力段10のレプリカ回路を構成している。レプリカ回路を構成する第2差動入力段20においては、第1差動入力段10と類似の信号が出力されるため、出力コモン電位変動を補償するバイアス電位(biasp)を生成することができる。
第3トランジスタ3のバイアス印加用節点N0とは反対側の第1端子N1と、第4トランジスタ4のバイアス印加用節点N0とは反対側の第2端子N2とは短絡されている。第5トランジスタ5のバイアス印加用節点N0とは反対側の第3端子N3と、第6トランジスタ6のバイアス印加用節点N0とは反対側の第4端子N4とは短絡されていない。
第1端子N1と第2端子N2とは、共通の端子であり、トランジスタから構成される電流源3B(NMOS−FET)を介して、グランドに接続されている。第3端子N3は、トランジスタから構成される電流源3A(NMOS−FET)を介して、グランドに接続されている。第4端子N4は、トランジスタから構成される電流源3C(NMOS−FET)を介して、グランドに接続されている。
第3入力端子3Gには、第1入力端子1Gへの信号(第1入力信号(inp))が入力される。第5入力端子5Gには、第1入力端子1Gへの信号(第1入力信号(inp))が入力される。第4入力端子4Gには、第2入力端子2Gへの信号(第2入力信号(inn))が入力される。第6入力端子6Gには、第2入力端子2Gへの信号(第2入力信号(inn))が入力される。
この構造は、図1に示した第1抵抗R1を備えていないが、第1抵抗R1と等価な機能を奏するように第3〜第6トランジスタを接続している。換言すれば、第1抵抗R1の機能をトランジスタを用いて実現している。微細プロセスでは、抵抗器よりも、トランジスタの方が、回路面積を小さくできる可能性が高い。したがって、本構成によれば、図1に示した回路よりも、小さな回路面積で全差動アンプを実現することができ、全差動アンプを小型化することができる。
上述の第1負荷回路40には、負荷トランジスタに加えて、更に、負荷を追加してもよい。
図6は、追加した負荷(抵抗器)の回路図である。
この全差動アンプは、第1負荷トランジスタ1Lと電源ラインVDD(電源電位)との間に接続された第1負荷F1と、第2負荷トランジスタ2Lと電源ラインVDDとの間に接続された第2負荷F2とを更に備えている。なお、この全差動アンプは、第2負荷回路50のバイアス用トランジスタ7のソースと、電源ラインVDDとの間に、第3負荷F3を備えている。図6においては、第1負荷F1は、受動素子としての抵抗器から構成され、第2負荷F2は、受動素子としての抵抗器から構成され、第3負荷F3は、受動素子としての抵抗器から構成されている。抵抗器は、抵抗値が高い材料を用意すれば形成できるという利点がある。抵抗材料としては、低不純物濃度のSiの他、Cu、Mn、Ni、Crなどの金属又はこれらの合金等、各種材料が知られている。
上述のように、実効負荷抵抗reを増加させれば、ゲインは増加する。本例の全差動アンプにおいては、通常の負荷回路に加えて、追加的に第1負荷F1及び第2負荷F2を備えているので、実効負荷抵抗reを増加させ、ゲインを増加させることができる。なお、バイアス電位(biasp)を第1負荷回路40側の構成と揃えるため、第2負荷回路50と電源ラインVDDとの間には、第3負荷F3を配置している。第1負荷F1、第2負荷F2、第3負荷F3の動作点における電圧降下(入力差分が0の時の電圧降下)は、等しく設定することが好ましい。実効負荷抵抗reは、各第1負荷F1〜第3負荷F3の抵抗値に、負荷トランジスタの抵抗値と相互コンダクタンスが相乗してくるので、その値を大きくすることができる。各第1負荷F1〜第3負荷F3の抵抗値として0〜4kΩを用いた場合、負荷トランジスタを含めた実効負荷抵抗reは、例示的には22.8kΩ〜54kΩとすることができる。
図7は、追加した負荷(トランジスタ)の回路図である。
本例の全差動アンプにおいては、第1負荷F1は、ゲート電位を固定したトランジスタ(PMOS−FET)から構成され、第2負荷F2は、ゲート電位を固定したトランジスタ(PMOS−FET)から構成されている。同様に、第3負荷F3は、ゲート電位を固定したトランジスタ(PMOS−FET)から構成されている。これらのトランジスタのゲートはグランドに接続されている。トランジスタは、受動素子としての抵抗器よりも小さな回路面積で実装できるので、本例の全差動アンプは、図6の構造よりも、寸法を小さくすることができ、全差動アンプを小型化することができる。また、小さなサイズで、十分な抵抗値を得ることができる。
次に、上述の全差動アンプバイアス回路の優位性について、更に検討する。
図8は、入力コモンの基準電位(500mV)からの変動電圧ΔV(mV)と出力コモン電圧V(mV)との関係を示すグラフである。
同図は、第1差動入力段10における入力コモン電位Vin(common)、バイアス電位固定時の出力コモン電位Vout(common(Fix Ref))、バイアス電位制御時の出力コモン電位Vout(common(Ref))を示している。入力コモン電位Vin(common)の基準電位を500mVとする。横軸は、これらの各種の電位の基準電位からの変動量ΔV(mV)と示しており、縦軸は各種の電位Vを示している。
バイアス電位固定時の出力コモン電位Vout(common(Fix Ref))は、図4の第2差動入力段20に代えて、単一のトランジスタを定電流源として用いた場合のデータを示している。第2差動入力段20が無いので、バイアス電位は固定されている。また、バイアス電位制御時の出力コモン電位Vout(common(Ref))は、図1の第2差動入力段20を用いた場合のデータを示している。なお、正確には、これらのデータにおいて、第2負荷回路50は、バイアス用トランジスタ7のみを備えており、更に、バイアス用トランジスタ7と電源ラインVDDとの間には、図7に示した第3負荷F3を備えている。また、第1負荷回路40側においても、図7に示した第1負荷F1及び第2負荷F2を配置している。
同図に示すように、入力コモン電位Vin(common)が増加すると、バイアス電位固定時の出力コモン電位Vout(common(Fix Ref))は逆相で大きく減少する。一方、バイアス電位制御時の出力コモン電位Vout(common(Ref))は、入力コモン電位が変動しても、変動量が抑制されている。すなわち、第2差動入力段20を備えることで、入力コモン電位の変動に対して、出力コモン電位の変動を抑制することができる。
図9は、差動入力電圧の差分の半分の値V(diff)/2(V)と、バイアス電位発生回路におけるバイアス用トランジスタを流れるドレイン電流ID(bias)(μA)との関係を示すグラフである。
図1に示したバイアス電位発生器は、第1抵抗R1を備えている。図1に示した第1抵抗R1が無い場合(R1=∞(Ω))には、第1入力信号と第2入力信号の差分(入力差動)が変化した場合において、バイアス用トランジスタ7(PMOS−FET)を流れるドレイン電流I(bias)が変化してしまう。なお、V(diff)/2(V)=入力差動電圧(V(inp)―V(inn)/2)(V)である。すなわち、入力差動が大きくなれば、バイアス用トランジスタ7を流れるドレイン電流I(bias)が変化し、バイアス電位(biasp)が大きく変動してしまう。入力差動が小さい場合には、十分に出力コモン電位の変動抑制が可能であるが、入力差動が大きくなると、出力コモン電位の変動抑制量が低下してしまう。
図1に示した第1抵抗R1を取り除いて、トランジスタのソースを短絡した場合(R1=0(Ω))には、同様に、入力差動が大きくなれば、バイアス用トランジスタ7を流れるドレイン電流I(bias)が変化し、バイアス電位(biasp)が大きく変動してしまう。
一方、バイアス電位発生器が、適当な第1抵抗R1を備える場合、バイアス用トランジスタ7を流れるドレイン電流I(bias)の変化が少なくなり、バイアス電位(biasp)の変動量が小さくなるという効果を奏する。なお、本例の第1抵抗R1の抵抗値は10(kΩ)である。
第1抵抗R1を用いた場合の優位性について、更に検討する。
図10(a)は、第1抵抗R1を用いず、第2差動入力段のソースを短絡した場合において、差動入力電圧の差分の半分の値V(diff)/2(V)と入力信号電圧Vin(mv)との関係を示すグラフ、図10(b)はV(diff)/2(V)と出力信号電圧Vout(mv)との関係を示すグラフ、図10(c)はV(diff)/2(V)とバイアス電位(biasp)(mv)との関係を示すグラフである。
図10(a)、図10(b)に示すように、第1入力信号の電圧V(inp)を増加させると、第1出力信号の電圧V(outn)は減少する。第2入力信号の電圧V(inn)を増加させると、第2出力信号の電圧V(outp)は減少する。なお、V(diff)/2(V)=入力差動電圧(V(inp)―V(inn)/2)(V)である。
第1抵抗R1を用いずに、図1に示した第2差動入力段20を構成するトランジスタのソースを短絡した場合(R1=0(Ω))、入力差動の大きさに応じて、バイアス電位(biasp)は、440mVから470mvまで変動している。すなわち、入力差動が大きくなると、出力コモン電位の変動抑制量が低下してしまう。
図11は、第1抵抗R1を用いず、第2差動入力段のソースを短絡した場合の各種電圧の動作波形である。
第1入力信号の電圧V(inp)と第1出力信号の電圧V(outn)は、逆相で変化する。また、第2入力信号の電圧V(inn)と、第2出力信号の電圧V(outp)も逆相で変化する。これらの信号は、方形波信号である。各方形波電圧のクロスポイントの近傍の時刻において、バイアス電位(biasp)が揺らぐように変動している。
図12(a)は、第1抵抗R1(R1=10kΩ)を用いた場合において、差動入力電圧の差分の半分の値V(diff)/2(V)と入力信号電圧との関係を示すグラフ、図12(b)はV(diff)/2(V)と出力信号電圧との関係を示すグラフ、図12(c)はV(diff)/2(V)とバイアス電位(biasp)との関係を示すグラフである。
第1抵抗R1を用いた場合、入力差動の大きさに応じて、バイアス電位(biasp)は、466mVから471mVまで変動している。すなわち、入力差動が大きくなっても、バイアス電位(biasp)の変動は小さく、出力コモン電位が十分に抑制されている。V(diff)/2(V)が±100mV以内の場合、バイアス電位(biasp)の変動量は1mV以下に抑制することができる。
図13は、第1抵抗R1(R1=10kΩ)を用いた場合の各種電圧の動作波形である。
第1入力信号の電圧V(inp)と第1出力信号の電圧V(outn)は、逆相で変化する。また、第2入力信号の電圧V(inn)と、第2出力信号の電圧V(outp)も逆相で変化する。これらの信号は、方形波信号である。各方形波電圧のクロスポイントの近傍の時刻において、バイアス電位(biasp)は、僅かに揺らぐが、図11の場合よりも、変動は抑制されている。すなわち、出力コモン電位変動が十分に抑制されている。
上述のように、第2差動入力段20には、入力用のトランジスタのソース間を接続する第1抵抗R1を備えている。第1抵抗R1がある場合、第2差動入力段20の入力信号の差分に拘らず、第2差動入力段20を流れる電流の総和を略一定とすることができる。第1抵抗R1の抵抗値(R1とする)は、第2差動入力段20を構成するトランジスタの相互コンダクタンスg、ドレイン抵抗r(出力抵抗)を用いた場合、R1=1/((g/2)−(1/r))で与えられる。第1抵抗R1の抵抗値が、この条件を満たす場合、第2差動入力段20を流れる電流の総和を略一定とすることができるが、実際には、抵抗値は、かかる計算値を目安の値とし、第2差動入力段20を流れる電流の総和が略一定となるように、シミュレーションを行って決定することができる。
第2差動入力段20の第1抵抗R1は、受動素子としての抵抗器を用いて構成することも可能であるが、図5に示したような負荷トランジスタを用いて、構成することもできる。第1抵抗R1の抵抗値又はこれと等価な抵抗値は、第2差動入力段20を流れる電流の総和の変化を最小とする設定が好ましい。図5に示した回路は、第5トランジスタ5と第6トランジスタ6を備えている。第3トランジスタ3及び第4トランジスタ4からなる差動対に対して、第5トランジスタ5及び第6トランジスタ6の対は、並列に接続されており、一対のソースフォロアを構成している。第2差動入力段20の第3トランジスタ3及び第4トランジスタ4を流れる電流と、ソースフォロアとしての第5トランジスタ5及び第6トランジスタ6を流れる電流は、相補的であって、変化を打ち消しあうため、これらのトランジスタを流れる電流の合計は略一定となる。
次に、トランジスタのゲインについて考察する。一般的に、トランジスタの有効ゲート電圧Veffよりドレイン/ソース間電圧VDSが高い範囲を飽和領域、有効ゲート電圧Veff以下の範囲を線形領域といい、飽和領域における特性は、以下の関係を有する。
(式1) I=1/2・β(VGS−V(1+(VDS/V))
(式2) β=μCOX(W/L)
(式3) Veff=VGS−V
(式4) g=(2V)/Veff=A
(式5) g=(∂I)/(∂VGS)=βVeff
(式6) r=(∂VDS)/(∂I)=(2V)/(geff
(式7) ΔI=gΔVGS
ここで、Iはドレイン電流GSはゲート/ソース間電圧、Vは閾値電圧、VDSはドレイン/ソース間電圧、Vはアーリー電圧、βは利得係数、μはキャリアの移動度、COXは単位面積当たりのゲート酸化膜容量、Wはゲート幅、Lはゲート長である。ゲート幅W及びゲート長Lは、実効的なチャネル幅及びチャネル長を示す。Aはトランジスタの固有利得、gはトランジスタの相互コンダクタンス、rはトランジスタの出力抵抗(ドレイン抵抗)である。ΔIはトランジスタの動作点近傍のドレイン電流Iの変化量、ΔVGSはトランジスタの動作点近傍のゲート/ソース間電圧VGSの変化量を示している。また、アナログ回路において、トランジスタ特性を発揮しやすい有効ゲート電圧Veffは、約0.2Vである。
素子の微細化に伴って、差動入力段を構成するトランジスタの出力抵抗rが低下すると、固有利得A及びゲインが低下する。上述の全差動アンプにおいては、アクティブロードを用いた第1負荷回路40を用いることにより、実効負荷抵抗を増加させ、ゲインを増加させ、安定性を向上させている。
なお、トランジスタのゲート長Lと、ゲート幅Wについて、補足説明を行う。
上述の各種電流源を構成するトランジスタのゲート幅Wとゲート長Lの比率(W/L)は、同一である。また、第1差動入力段10及び第2差動入力段20を構成するトランジスタのゲート幅Wとゲート長Lの比率(W/L)は、同一である。さらに、第1負荷回路40及び第2負荷回路50を構成するトランジスタのゲート幅Wとゲート長Lの比率(W/L)は、同一である。トランジスタの特性を揃えておくことで、対称性のある回路構造となり、比率を異ならせた場合よりも、簡易な構成とすることができる。
トランジスタの利得係数βは、トランジスタの物理的な構造(W/L)を変更すれば、変えることができる。なお、トランジスタのアーリー電圧Vは、トランジスタのゲート長Lに概ね比例するが、ゲート幅Wにほとんど依存しない。ゲート長Lを小さくすると、利得係数βを大きくし、レイアウト面積や寄生容量を小さくすることができるという利点がある一方で、アーリー電圧V(絶対値)は、小さくなる。上述の全差動アンプは、このような微細化されたトランジスタを用いた場合に更に有用である。なお、アーリー電圧Vは、ゲート/ソース間電圧VGSには、殆ど依存しない。28nmノード以降の微細化プロセスにおいてはVAの低下が顕著である。
第1抵抗R1が相対的に満たす好適な条件について考察する。
出力コモン電位変動を抑制するには、バイアス用トランジスタ7を流れるドレイン電流I(bias)が、第2差動入力段20への差動入力信号の差分の大きさによって、変動しないことが好ましい。ここで、図1に示したバイアス電位発生器Bにおいて、第3トランジスタ3、第4トランジスタ4、第1電流源31のトランジスタ、第2電流源32のトランジスタの構造が全て同一であるとする。各トランジスタの相互コンダクタンスをgm、出力抵抗をroとする。
バイアス用トランジスタ7を流れるドレイン電流I(bias)は、第3トランジスタ3を流れる第3ドレイン電流ID(3)と、第4トランジスタ4を流れる第4ドレイン電流ID(4)の和で与えられる。入力信号が変化した場合、第3ドレイン電流ID(3)の増加分と、第4ドレイン電流ID(4)の減少分が同じであれば、ドレイン電流I(bias)は、変化しないことになる。厳密には、この条件を満たすように、非線形な回路方程式を解けば、第1抵抗R1の最適値を求めることができる。実際には、第1抵抗R1の抵抗値R1は、抵抗値R1の値を変化させながらシミュレーションを行い、上記条件を満たすように、第1抵抗R1の最適値を求めればよい。
補足的に説明を行うと、第2差動入力段20において、第1入力信号の電位V(inp)と、第2入力信号の電位V(inn)とが一致した状態から、第1入力信号の電位V(inp)が上昇し、第2入力信号の電位V(inn)が低下した状態を想定する。この場合、第3トランジスタ3のドレイン電位(第1端子N1の電位)がΔVdだけ上昇し、これと対称的に、第4トランジスタ4のドレイン電位(第2端子N2の電位)が―ΔVdだけ低下したとする。第1抵抗R1の両端では、2ΔVdの電位差が発生した場合、第1端子N1から第2端子N2に向けて第1抵抗R1を流れるバイパス電流I(R)=2ΔVd/R1となる。電位変化ΔVdに伴って、第3トランジスタ3及び第1電流源31のトランジスタの内部抵抗roを流れる電流がΔVd/roだけ変化したとする。第1抵抗R1に流れたバイパス電流I(R)=2ΔVd/R1が、第3トランジスタ3の相互コンダクタンスgmに起因する場合、合計電流としてのドレイン電流I(bias)が変わらないと考えられる。すなわち、第3トランジスタ3から供給される電流gmΔVdによって、第3トランジスタ3及び第1電流源31のトランジスタの内部抵抗roを流れる2つの電流がΔVd/roと、第1抵抗R1に流れるバイパス電流I(R)=2ΔVd/R1が作られる場合、第3ドレイン電流ID(3)の増加分と、第4ドレイン電流ID(4)の減少分が同じになると考えられる。この電流保存則より満たされる条件は、(2ΔVd/ro)+(ΔVd/R1)=gmΔVdである。すなわち、(1/R1)=(gm/2)―(1/ro)となる。第2差動入力段20を構成する各トランジスタのgm×ro=固有利得Aなので、この関係式は、(ro/R1)=(A/2)−1の関係を満たしている。抵抗値R1>0を満たす場合、固有利得Aは2よりも大きい値となる。なお、gmの値の一例は383μS、出力抵抗roの一例は11.7kΩであり、この場合の第1抵抗R1の値は9.4kΩとなる。
以上、説明したように、上述の全差動アンプは、フィードバック制御ではなく、フィードフォワード制御を用いているため、出力の安定性が改善されている。また、全差動アンプ本体Aと、バイアス電位発生器Bとは、別の回路であり、信号増幅の本体部である全差動アンプ本体Aには、寄生素子が少ない構成となっている。したがって、高速動作を行うことができる。また、バイアス電位発生器Bの素子数も少なく、これはシンプルな付加回路である。
また、複数の全差動アンプを用意し、これらの全差動アンプを多段に接続することもできる。初段の全差動アンプにおいて、第2差動入力段20により、差動入力による出力コモン電位制御用のバイアス電位(biasp)を生成することができるので、このバイアス電位(biasp)を後段の全差動アンプ群にも用いることができる。アナログデジタル変換器(ADC)は、多段の全差動アンプと、ラッチドコンパレータを備えており、上述の全差動アンプは、このような用途にも適用可能である。
上述のFETの構成材料としては、Si基板を用いたもののほか、化合物基板を用いたものも知られている。また、PチャネルのFET(PMOS−FET)とNチャネルFET(NMOS−FET)を互いに入れ替えても、同様に全差動アンプを構成することができる。差動信号は、グランド電位を基準に決定されるコモン電位を有することができる。
電界効果トランジスタには、ノーマリーオフ(ゲート電圧0Vでオフ)のエンハンスメント型と、ノーマリーオン(ゲート電圧0Vでオン)のデプレッション型があるが、上記では、ノーマリーオフの電界効果トランジスタを用いている。なお、上述の説明において、回路素子の「接続」とは、特に言及しない場合は、電気的に直接接続していることを意味しているが、本質的な動作に変化がない程度の回路要素を介在させてもよい。
A…全差動アンプ本体、B…バイアス電位発生器、C…電流源バイアス回路、N0…バイアス印加用節点、R1…第1抵抗、R2…第2抵抗、VDD…電源ライン、Veff…有効ゲート電圧、1…第1トランジスタ、1G…第1入力端子、1L…第1負荷トランジスタ、1T…第1出力端子、2…第2トランジスタ、2G…第2入力端子、2L…第2負荷トランジスタ、2T…第2出力端子、3…第3トランジスタ、3A…電流源、3B…電流源、3C…電流源、3G…第3入力端子、4…第4トランジスタ、4G…第4入力端子、5…第5トランジスタ、5G…第5入力端子、6…第6トランジスタ、6G…第6入力端子、7…バイアス用トランジスタ、10…第1差動入力段、20…第2差動入力段、30…電流源、31…第1電流源、32…第2電流源、33…第2のバイアス電位発生器、34…第4電流源、40…第1負荷回路、50…第2負荷回路。

Claims (12)

  1. 第1入力端子を有する第1トランジスタ、及び、第2入力端子を有する第2トランジスタを備えた第1差動入力段と、
    前記第1トランジスタに接続された第1負荷トランジスタと、
    前記第2トランジスタに接続された第2負荷トランジスタと、
    前記第1トランジスタと前記第1負荷トランジスタとの間に設けられた第1出力端子と、
    前記第2トランジスタと前記第2負荷トランジスタとの間に設けられた第2出力端子と、
    前記第1差動入力段に接続された電流源と、
    前記第1負荷トランジスタのゲート及び第2負荷トランジスタのゲートに接続されたバイアス印加用節点と、
    前記バイアス印加用節点に接続され、前記第1差動入力段への入力コモン電位に応じたバイアス電位を発生するバイアス電位発生器と、
    を備える全差動アンプ。
  2. 前記バイアス電位発生器において発生する前記バイアス電位は、
    前記第1入力端子への第1入力信号の電位と、前記第2入力端子への第2入力信号の電位とが、同一の場合において、
    前記第1出力端子からの第1出力信号の電位が、前記第2出力端子からの第2出力信号の電位に等しくなり、且つ、前記バイアス印加用節点の電位に等しくなる値に設定される、
    請求項1に記載の全差動アンプ。
  3. 前記バイアス電位発生器は、
    前記バイアス印加用節点に接続され第3入力端子を有する第3トランジスタと、
    前記バイアス印加用節点に接続され第4入力端子を有する第4トランジスタと、
    を備えた第2差動入力段を備える、
    請求項1又は請求項2に記載の全差動アンプ。
  4. 前記第3入力端子には、前記第1入力端子への信号が入力され、
    前記第4入力端子には、前記第2入力端子への信号が入力される、
    請求項3に記載の全差動アンプ。
  5. 前記第3トランジスタの前記バイアス印加用節点とは反対側の第1端子と、前記第4トランジスタの前記バイアス印加用節点とは反対側の第2端子とを接続する第1抵抗を備える請求項3又は請求項4に記載の全差動アンプ。
  6. 前記第3トランジスタの前記バイアス印加用節点とは反対側の第1端子と、前記第4トランジスタの前記バイアス印加用節点とは反対側の第2端子とは短絡されており、
    前記第2差動入力段は、
    前記バイアス印加用節点に接続され第5入力端子を有する第5トランジスタ、及び、前記バイアス印加用節点に接続され第6入力端子を有する第6トランジスタを更に備え、
    前記第5トランジスタの前記バイアス印加用節点とは反対側の第3端子と、前記第6トランジスタの前記バイアス印加用節点とは反対側の第4端子とは短絡されていない、
    請求項3又は請求項4に記載の全差動アンプ。
  7. 前記第1負荷トランジスタと電源電位との間に接続された第1負荷と、
    前記第2負荷トランジスタと電源電位との間に接続された第2負荷と、
    を更に備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の全差動アンプ。
  8. 前記第1負荷は、受動素子としての抵抗器から構成され、
    前記第2負荷は、受動素子としての抵抗器から構成される、
    請求項7に記載の全差動アンプ。
  9. 前記第1負荷は、ゲート電位を固定したトランジスタから構成され、
    前記第2負荷は、ゲート電位を固定したトランジスタから構成される、
    請求項8に記載の全差動アンプ。
  10. 前記バイアス電位発生器は、
    前記バイアス印加用節点に接続されたゲートを備えるバイアス用トランジスタを備え、前記バイアス用トランジスタの前記ゲートと前記バイアス用トランジスタのドレインとは接続されており、このドレインには、前記第1差動入力段への入力コモン電位に応じた電位が与えられる、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の全差動アンプ。
  11. 前記バイアス電位発生器は、
    前記バイアス用トランジスタの前記ゲートと前記ドレインとの間に介在する第2抵抗を更に備える請求項10に記載の全差動アンプ。
  12. 前記バイアス電位発生器の発生するバイアス電位は、前記第1及び第2入力端子への入力信号を用い、前記第1差動入力段の入力コモン電位の変動に対して、前記第1差動入力段の出力コモン電位の変動を抑制するように設定される、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の全差動アンプ。

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