JP2021163876A - 電子装置 - Google Patents

電子装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021163876A
JP2021163876A JP2020064773A JP2020064773A JP2021163876A JP 2021163876 A JP2021163876 A JP 2021163876A JP 2020064773 A JP2020064773 A JP 2020064773A JP 2020064773 A JP2020064773 A JP 2020064773A JP 2021163876 A JP2021163876 A JP 2021163876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filler
fluororesin
region
concentration
solidified product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020064773A
Other languages
English (en)
Inventor
岳 吉川
Takeshi Yoshikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2020064773A priority Critical patent/JP2021163876A/ja
Publication of JP2021163876A publication Critical patent/JP2021163876A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】封止部に空隙が生じ難く、密着性に優れたフィラー含有フッ素樹脂により封止された電子素子を備える電子装置を提供する。
【解決手段】基板38と、基板上に設けられた電子素子37とを備え、電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物20により封止されており、固化物が、上面から下面に向けてフィラー濃度が低下する部分を有することを特徴とする電子装置。
【選択図】図1

Description

本発明は電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止された電子装置に関する。
LED(Light Emitting Diode)等の発光素子では、酸素や水蒸気等との接触による発光素子の劣化を防ぐために発光素子を樹脂により封止することがあり、該樹脂として、近年、フッ素樹脂が使用されることがある。
例えば非特許文献1には、CF3末端を有するパーフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)(BVE)系重合体は深紫外線に対する耐久性に優れるため、深紫外AlGaN系LEDの封止に用いることができることが記載されている。また特許文献1には、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)及びビニリデンフルオライド(VdF)を少なくとも含むフッ素ポリマー(THV)をLED素子の封止に用いることが開示されている。更に特許文献2には、フッ素樹脂と熱伝導率が1.5W/mK以上である熱伝導材とを含有する樹脂組成物は波長変換部材や封止部材等に好適に用いられることが記載されている。
特開2009−51876号公報 特開2014−145012号公報
しかし、フッ素樹脂に熱伝導材などのフィラーを含有させたものを用いて、発光素子を封止すると、空隙が生じることが多かった。例えば、LEDにおいては、フリップチップ実装されたLEDチップと基板の間には狭い空間(空隙)があり、このような場所に樹脂で埋められていない空間が存在すると、チップの発熱により空間部の空気が膨張して、チップや封止樹脂に上向きの力が働き、チップや封止樹脂の剥がれにつながることがある。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、封止部に空隙が生じ難く、密着性に優れたフィラー含有フッ素樹脂により封止された電子素子を備える電子装置を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明の電子装置は、以下の構成からなる。
[1]基板と、上記基板上に設けられた電子素子とを備え、
上記電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止されており、
上記固化物が、上面から下面に向けてフィラー濃度が低下する部分を有することを特徴とする電子装置。
[2]上記固化物を最大厚さ部分において厚さ方向に等分割して、上記基板の表面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、
上記固化物の下面を含む領域が、上記下面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さい[1]に記載の電子装置。
[3]上記固化物が、上記基板に接してフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域の上記フィラーの含量が10質量%以下である[1]または[2]に記載の電子装置。
[4]上記固化物が、上記上面を含みフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域の上記フィラーの含量が10質量%以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の電子装置。
[5]上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン由来の構成単位T、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位H、及びフッ化ビニリデン由来の構成単位Vを含むフッ素樹脂を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の電子装置。
[6]上記フィラーの体積平均粒子径(D50)が300μm以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の電子装置。
[7]上記固化物中、上記フィラーの含量が1質量%以上、60質量%以下である[1]〜[6]のいずれかに記載の電子装置。
[8]上記電子素子は、フリップチップ実装されており、
上記基板と上記電子素子の間の間隙100体積%中、空隙の割合が20体積%以下である[1]〜[7]のいずれかに記載の電子装置。
本発明によれば、上記構成により、封止部に空隙が生じ難く、密着性に優れたフィラー含有フッ素樹脂により封止された電子素子を備える電子装置を提供することができる。
図1は、本発明の電子装置の一例の側面図である。 図2は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の一例を示す図である。 図3は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図4は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図5は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図6は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図7は、固化物により紫外線発光素子が封止される前の電子装置の一例を示す側面図である。 図8は、本発明の電子装置の他の一例の側面図である。 図9は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図10は、本発明の電子装置の他の一例の側面図である。 図11は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図12は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図13は、固化物により紫外線発光素子が封止される前の電子装置の他の一例を示す側面図である。 図14は、本発明の電子装置の他の一例の側面図である。 図15は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図16は、本発明の電子装置の他の一例の側面図である。 図17は、本発明の電子装置の固化物のフィラー濃度と、固化物の厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図18は、紫外線発光素子の一例を示す側面図である。
以下では、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。説明の便宜上、各図において、ハッチングや部材符号等を省略したり、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を省略して示したりする場合がある。また各図において、同様の構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
本発明は、基板と、上記基板上に設けられた電子素子とを備え、上記電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止された電子装置に関するものであり、例えば図1、図2に基づいて説明できる。
図1は電子素子がフィラー含有フッ素樹脂組成物の固化物により封止された電子装置の概略側面図であり、図2は固化物中のフィラー濃度をX軸、固化物の厚さ方向位置をY軸として、フィラー濃度と固化物の厚さ方向位置との関係の一例を示したグラフ(フィラー濃度分布図)である。X軸においては、右側に位置するほど、フィラー濃度が高いことを意味する。図1及び図2に示される様に、固化物20は、上面20a(S1)から下面20b(S2)に向けてフィラー濃度が低下する部分L1を有するものである。フィラー濃度が低下する部分L1では、フィラー濃度が低い分、フッ素樹脂が、電子素子(図示例では紫外線発光素子37)と基板38の間に流れ込みやすくなるため、固化物20で満たされていない空隙が生じ難くなり、電子素子や固化物20の剥がれが防止でき、密着性が向上する。更に、フィラー濃度が低い分、フッ素樹脂が紫外線発光素子37と基板38との間に侵入し易くなることによって、接触面積が大きくなって固化物20の密着性が向上する。
なお図2の濃度分布図のX軸は、Y軸との交点以外の場所が0(フィラー無し)を表す場合があり、濃度分布図の最低濃度がフィラー無しに相当してもよい。以下の濃度分布図において同様である。
なお図2に示すように固化物20は、フィラー濃度が低下する部分L1を有していればよく、フィラー濃度が低下しない部分N1を有していてもよい。
なお図2のフィラー濃度分布を示す固化物20は、上面20a(S1)から下面20b(S2)に向けてフィラー濃度が低下する部分L1を有していれば足り、図3、4のフィラー濃度分布図に示すように上面20a(S1)から下面20b(S2)に向けてフィラー濃度が増加する部分M1を有してもよい。
さらに図2、4のフィラー濃度が低下する部分L1においては、上面20a(S1)から下面20b(S2)に向けてフィラー濃度が連続的に低下しており、その低下率は表面S1から表面S2に向けて増加している。一方、図3のフィラー濃度分布図に示す様に、フィラー濃度が低下する部分L1における上記低下率は、上面20a(S1)から下面20b(S2)に向けて低下してもよい。また図5、図6のフィラー濃度分布図に示す様に、固化物20における低下部分L1、L2は、非連続点D1、D2を有する(即ち非連続的な)低下であってもよい。
上記電子装置は、その好ましい態様では、上記固化物を最大厚さ部分において厚さ方向に等分割して、基板の表面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、固化物の下面を含む領域が、下面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さい。以下、この態様を好ましい態様1と言う。
以下では、好ましい態様1に該当する電子装置(紫外線発光装置)の一例について、側面図である図1を参照しながら、より詳細に説明する。なお図1では、後述する配線やバンプの図示は省略している。図1の例では、複数の切り欠け線38aで領域分けされた平らな基板38の各領域の上に、電子素子(図示例では、紫外線発光素子)37が設けられている。図1の紫外線発光素子37は、図7に示すように紫外線発光素子37上にフッ素樹脂シート9を配置して加熱溶融して形成された固化物20により封止されている。図1の固化物20は、上面S1から下面S2に向けてフィラー濃度が低下する部分を有しており、例えば、図2、図3、図4、図5、図6などでL1及びL2で示される部分は、いずれも上記フィラー濃度低下部分に該当する。好ましい態様1の固化物20は、図1に示す様に基板38の表面に平行な面で区切られた3つ以上の領域を有しており、図示例では以下の4つの領域を有している。
1)固化物20の上面20aを含む領域(以下では上面側領域21と呼ぶ)
2)固化物20の基板38に接する下面20bを含む領域(以下では下面側領域22と呼ぶ)
3)固化物20の上面20aと下面20bを含まない内部領域(以下では2つの内部領域23a、23b)
この場合、下面側領域22の方が上面側領域21よりもフィラー濃度が小さいか、下面側領域22の方が内部領域23a、23bの少なくとも1つ(より好ましくは内部領域23a、23bの全て)よりもフィラー濃度が小さいか、又は下面側領域22の方が上面側領域21と内部領域23a、23bの少なくとも1つ(より好ましくは内部領域23a、23bの全て)よりもフィラー濃度が小さいことが好ましい。これによりフッ素樹脂が紫外線発光素子37と基板38との間に侵入し易くなって、空隙の発生が防止でき、また密着性も向上する。なお各領域におけるフィラー濃度とは、各領域100質量%に対するフィラーの質量割合(質量%)を意味する。例えば下面側領域22におけるフィラー濃度は、下面側領域22の全質量(紫外線発光素子37を除く)に対する下面側領域22に含まれるフィラーの全質量の割合を算出することにより求めることができる。
内部領域23a、23bの少なくとも1つ(より好ましくは内部領域23a、23bの全て)は、上面側領域21よりもフィラー濃度が小さいことが好ましい。これにより、フッ素樹脂と電子素子37の接触面積が大きくなるため密着性が向上する。
上面側領域21は、内部領域23a、23bの少なくとも1つ(より好ましくは内部領域23a、23bの全て)よりもフィラー濃度が小さいことも好ましい。これにより、上面20aの凹凸を低減することができ、出射光のムラを低減し易くすることができる。
図1の固化物20の最大厚さ部分は、基板38上の紫外線発光素子37が設けられていない部分に相当し、最大厚さは、基板38の表面から垂直方向に向かって上面20aに至るまでの距離に相当する。
図8に示す紫外線発光装置51のように、固化物40が上方に盛り上がってレンズ形状になっている場合には、固化物40の最大厚さ部分は、符号Tで示される部分であり、最大厚さは、基板39表面から垂直方向に向かって上面40aの最大厚さ部分Tに至るまでの距離(図中の矢印の長さ)に相当する。
上記好ましい態様1における領域の数(等分割数)は、3つ以上であれば任意に設定できる。例えば、図5のフィラー濃度分布を有するフッ素樹脂は、図9に示す様に3つの領域21、23、22で等分割してもよい。この例でも、下面側領域22は、上面側領域21よりもフィラー濃度が小さく、好ましい態様1の要件を満足している。なお、任意の等分割数で分けられる態様の内、少なくとも1つの態様で上記好ましい態様1の関係を満足すれば、たとえ他の等分割数としたときの態様で、好ましい態様1の関係を満足しなくても、好ましい態様1の関係を満足する固化物である。領域数(分割数)は、好ましくは3〜10の範囲で設定でき、より好ましくは3〜8の範囲で設定でき、特に好ましくは3〜5の範囲で設定でき、最も好ましくは3である。
本発明の電子装置は、他の好ましい態様では、固化物が、基板の表面に平行な面で区切られ、フィラー濃度が一定である領域を固化物の厚さ方向に複数有し、固化物の下面を含む領域(A)は、領域(A)に隣接する領域(B)よりもフィラー濃度が小さい。以下、この態様を好ましい態様2という。好ましい態様2の固化物は、フィラー濃度が一定であるフッ素樹脂シート(a)(以下、単位シート(a)と称する場合がある)を、複数枚積層したフッ素樹脂シートを用いて形成されることが好ましい。
以下では、好ましい態様2に該当する電子装置(紫外線発光装置)の一例について、側面図である図10、濃度分布図である図11、図12を参照しながら、より詳細に説明する。なお図10では、後述する配線やバンプの図示は省略している。図10の紫外線発光素子37は、図13に示すように紫外線発光素子37上にフッ素樹脂シート10を配置して加熱溶融して形成された固化物40により封止されている。
図10の固化物40は、基板38の表面に平行な面で区切られた固化物40の上面40aを含むフィラー濃度一定領域(上面側フィラー濃度一定領域41)と、固化物40の下面40bを含むフィラー濃度一定領域(下面側フィラー濃度一定領域42)と、上面側フィラー濃度一定領域41と下面側フィラー濃度一定領域42とに隣接する濃度一定領域(隣接濃度一定領域43)とを備えている。図示例では、第1表面側濃度一定領域41、第2表面側濃度一定領域42、及び隣接濃度一定領域43は、それぞれ、所定のフィラー濃度を有する単位シート(a)に由来する均一層部分(以下、シート由来層(a)という場合がある)から構成されている。この場合、図11、12に示す通り、下面側フィラー濃度一定領域42の方が隣接濃度一定領域43よりもフィラー濃度が小さいことが好ましい。即ち固化物の下面を含む領域(A1)が該領域(A1)に隣接する領域(B1)よりもフィラー濃度が小さくなっていることが好ましい。これにより固化物40の上面40aから下面40bに向けてフィラー濃度が低下する部分を形成することができ、フッ素樹脂が紫外線発光素子37と基板38との間に侵入し易くなり、空間の発生が防止でき、また密着性も向上する。
また図12に示す通り、下面側フィラー濃度一定領域42が隣接濃度一定領域43と上面側フィラー濃度一定領域41よりもフィラー濃度が小さくなっていることがより好ましく、更に隣接濃度一定領域43が上面側フィラー濃度一定領域41よりもフィラー濃度が小さくなっていることが更に好ましい。これにより、フッ素樹脂が紫外線発光素子37、基板38と接触する接触面積が大きくなって密着性が向上する。
上面側フィラー濃度一定領域41は、図11に示す通り、隣接濃度一定領域43よりもフィラー濃度が小さくなっていることも好ましい。これにより、上面40aの凹凸を低減することができ、出射光のムラを低減し易くすることができる。
またフィラー濃度が一定である領域は、図14の側面図と図15の濃度分布図に示す様に、2つでもよく、図示しない例の様に4つ以上でもよく、例えば、6以下であり、好ましくは5以下である。
図14及び図15は、上述した様に、フィラー濃度が一定である領域が2つである場合について説明する図であり、下面側フィラー濃度一定領域42に隣接する濃度一定領域は、隣接濃度一定領域43と上面側フィラー濃度一定領域41に相当する。即ち、隣接濃度一定領域43と上面側フィラー濃度一定領域41は同じ領域であってもよい。この場合、下面側フィラー濃度一定領域42の方が隣接濃度一定領域43(上面側フィラー濃度一定領域41)よりもフィラー濃度が小さければよい。また、図示例では、これら下面側フィラー濃度一定領域42及び隣接濃度一定領域43は、それぞれ、異なるフィラー濃度を有する単位シート(a)に由来する均一層部分から構成されている。下面側フィラー濃度一定領域42の方が、隣接濃度一定領域43(上面側フィラー濃度一定領域41)よりも厚いことが好ましい。この事によってフッ素樹脂が電子素子と基板との間に侵入し易くなる。一方、下面側フィラー濃度一定領域42の方が、隣接濃度一定領域43(上面側フィラー濃度一定領域41)よりも薄いことも好ましい。この事によってフィラーの熱伝導性が発揮され易くなる。
また好ましい態様2の固化物は、フィラー濃度が一定である領域の数と、単位シート(a)に由来する均一層部分の数は等しくてもよく、フィラー濃度が一定である領域の数よりもシート由来層(a)の数の方が多くてもよい。
図16の側面図と図17の濃度分布図は、フィラー濃度が一定である領域が3つであり、シート由来層(a)の数が4つである例を示したものである。図16と図17の例では、固化物40は、下面側フィラー濃度一定領域42に相当するシート由来層(a)と、この下面側フィラー濃度一定領域42に隣接する隣接濃度一定領域43aに相当するシート由来層(a)と、この隣接濃度一定領域43aに隣接する隣接濃度一定領域43bに相当するシート由来層(a)と、この隣接濃度一定領域43bに隣接する上面側フィラー濃度一定領域41に相当するシート由来層(a)とを有しており、これらは、領域42、領域43b、領域43a、42の順に4層のシート由来層(a)が積層されている。これらの図示例では、領域43a及び領域43bの濃度が同じであるため、濃度一定領域の数は、領域42、43、41の3つである。
この例では、下面側フィラー濃度一定領域42の方が隣接濃度一定領域43(濃度が等しい領域43a、領域43bをまとめた濃度一定領域。以下、同じ)よりもフィラー濃度が小さいか、下面側フィラー濃度一定領域42の方が隣接濃度一定領域43と上面側フィラー濃度一定領域41よりもフィラー濃度が小さいことが好ましい。また上面側フィラー濃度一定領域41、隣接濃度一定領域43、下面側フィラー濃度一定領域42の順にフィラー濃度が小さくなることも好ましい。
固化物における濃度一定領域の形状として、層状が挙げられる。
固化物が、基板に接してフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域におけるフィラーの含量が10質量%以下であることが好ましい。これによりフッ素樹脂が電子素子と基板との間に侵入し易くなり、空隙の発生が防止でき、また密着性も向上する。より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更により好ましくは2質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
固化物が、上面を含みフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域におけるフィラーの含量が10質量%以下であることが好ましい。これにより固化物の上面の凹凸を低減することができる。より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更により好ましくは2質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
固化物の上面の算術平均粗さRaが5.0μm以下であることが好ましい。これにより出射光のムラを低減し易くすることができる。算術平均粗さRaは、より好ましくは4.0μm以下、更に好ましくは3.0μm以下、更により好ましくは2.0μm以下である。一方、算術平均粗さRaの下限は特に限定されないが、例えば0.1μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよい。
固化物の上面の最大高さRzが35μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下、更により好ましくは15μm以下である。一方、最大高さRzの下限は特に限定されないが、例えば1μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。
固化物の上面の平均高さRcが15μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは8μm以下である。一方、平均高さRcの下限は特に限定されないが、例えば1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよい。
固化物の上面の二乗平均平方根高さRqが6μm以下であることが好ましく、より好ましくは4μm以下、更に好ましくは3μm以下である。一方、二乗平均平方根高さRqの下限は特に限定されないが、例えば0.1μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよい。
算術平均粗さRa、最大高さRz、平均高さRc、二乗平均平方根高さRqは、JIS B0601(2001)に基づいて、例えば触針を用いない非接触式のレーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
本明細書で「フッ素樹脂」とは、フッ素を含むオレフィンの重合体又はその変性物を意味し、上記変性物には、例えば、主鎖末端に−OHや−COOHなどの極性基が結合するものが含まれる。フッ素樹脂としては、−SO3H基などの極性基を側鎖に有さないフッ素樹脂が電子部品の性能維持の観点から好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、クロロトリフルオロエチレン重合体(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)などの結晶性フッ素樹脂;テフロンAF(登録商標;三井・ケマーズフロロプロダクツ社製)、サイトップ(登録商標;AGC社製)などの非晶質フッ素樹脂などが挙げられ、これらフッ素樹脂は、1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記フッ素樹脂としては、結晶性フッ素樹脂がより好ましく、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)がよりさらに好ましい。結晶性フッ素樹脂、特にテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV樹脂)は、基材や電子素子に対する密着性が優れている。
上記THV樹脂としては、テトラフルオロエチレン由来の構成単位T、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位H、及びフッ化ビニリデン由来の構成単位Vを含む樹脂であることが好ましい。更に構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Tのモル比(T)が0.25以上であり、構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Vのモル比(V)が0.60以下である樹脂がより好ましい。これにより紫外線発光素子の発熱に対する耐熱性、および紫外線発光装置の基板等に対する密着性を向上することができる。
構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Tのモル比(T)は0.25以上であることが好ましい。これにより密着性が向上する傾向となる。そのため構成単位Tのモル比(T)の下限は、より好ましくは0.28以上、更に好ましくは0.30以上である。一方、構成単位Tのモル比(T)の上限は、透明性の観点から好ましくは0.75以下、より好ましくは0.60以下、更に好ましくは0.50以下である。
構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Vのモル比(V)は0.60以下であることが好ましい。これにより密着性が向上する傾向となる。そのため構成単位Vのモル比(V)の上限は、好ましくは0.58以下、より好ましくは0.56以下である。一方、構成単位Vのモル比(V)の下限は、好ましくは0.20以上であることが好ましい。これにより、有機溶媒に対する溶解性が向上するため、紫外線発光素子を封止するに当たって樹脂組成物の塗布回数を低減することができる。そのため構成単位Vのモル比(V)の下限は、より好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.40以上、更により好ましくは0.50以上である。
構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Hのモル比(H)は0.05以上、0.50以下であることが好ましい。構成単位Hのモル比(H)の下限は溶解性の観点から、より好ましくは0.07以上、更に好ましくは0.09以上である。一方、構成単位Hのモル比(H)の上限は、耐熱性の観点からより好ましくは0.40以下、更に好ましくは0.30以下、更により好ましくは0.20以下である。
モル比(V)のモル比(T)に対する比(モル比(V)/モル比(T))は、0.20以上、3.50以下であることが好ましい。モル比(V)/モル比(T)を上記範囲に制御することによって、密着性が向上する傾向となる。また、高温加熱時の樹脂の着色を防止できる。モル比(V)/モル比(T)の下限は、より好ましくは0.50以上、更に好ましくは1.00以上、更により好ましくは1.30以上である。一方、モル比(V)/
モル比(T)の上限は、より好ましくは3.00以下、更に好ましくは2.50以下、更により好ましくは2.00以下である。
モル比(H)のモル比(T)に対する比(モル比(H)/モル比(T))は、0.10以上、0.80以下であることが好ましい。モル比(H)/モル比(T)を上記範囲に制御することにより、密着性が向上する傾向となる。モル比(H)/モル比(T)の下限は、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.24以上、更により好ましくは0.28以上である。一方、モル比(H)/モル比(T)の上限は、より好ましくは0.60以下、更に好ましくは0.50以下、更により好ましくは0.40以下である。
フッ素樹脂の各構成単位のモル比は、後記する実施例に記載のNMR測定により求めることができる。モル比の算出に当たっては、例えばEric B. Twum et al., “Multidimensional 19F NMR Analyses of Terpolymers from Vinylidene Fluoride (VDF)-Hexafluoropropylene(HFP)-Tetrafluoroethylene (TFE)”, Macromolecules、2015年, 48巻, 11号, p.3563-3576を参照することができる。
上記THV樹脂は、構成単位T、構成単位H、及び構成単位V以外の他の構成単位を含む樹脂であってもよい。他の構成単位としては、例えばエチレン由来の構成単位、パーフルオロアルキルビニルエーテル由来の構成単位、クロロトリフルオロエチレン由来の構成単位等が挙げられる。
上記THV樹脂の全構成単位に対する構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計モル比は、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.90以上、特に好ましくは0.95以上、最も好ましくは1である。即ち変性されていないTHV樹脂であることが最も好ましい。これにより耐熱変形性を向上し易くすることができる。
上記フッ素樹脂(好ましくは上記THV樹脂)の重量平均分子量は50,000以上、1,000,000以下であることが好ましい。重量平均分子量を50,000以上とすることにより融解時の粘度を高くすることができるため、LED点灯時の封止樹脂の形状変化を抑制することができる。上記フッ素樹脂(好ましくは上記THV樹脂)の重量平均分子量の下限は、より好ましくは100,000以上、更に好ましくは200,000以上、更により好ましくは250,000以上、特に好ましくは300,000以上であ
る。一方、上記フッ素樹脂(好ましくは上記THV樹脂)の重量平均分子量を1,000,000以下とすることにより溶解性が良くなる。上記フッ素樹脂(好ましくは上記THV樹脂)の重量平均分子量の上限は、より好ましくは800,000以下、更に好ましくは500,000以下、更により好ましくは450,000以下、特に好ましくは400,000以下である。なお、重量平均分子量は標準ポリスチレン換算値である。
上記フッ素樹脂が共重合体である場合、該共重合体は、ランダム共重合体、またはブロック共重合体のいずれであってもよいが、ランダム共重合体であることが好ましい。特にTHV樹脂をランダム共重合体樹脂にすることにより、構成単位Tや構成単位Vの結晶化度を抑制することができ、透明性を確保しやすい。
上記フッ素樹脂の屈折率は、好ましくは1.34超、より好ましくは1.35以上、更に好ましくは1.36以上である。これにより、後述する発光素子(好ましくは紫外線発光素子)と封止部の屈折率の差を小さくすることができ、発光素子と封止部との界面における全反射を低減して、光取出し効率を向上させることができる。なお光取出し効率とは、発光素子で発生した光が発光素子の外部に取り出される効率のことである。一方、フッ素樹脂の屈折率の上限は、例えば1.45以下、好ましくは 1.40以下であってもよい。屈折率は、カタログ値や一般的な物性表に記載の数値を使用してもよいし、アッベ屈折率計、エリプソメーターなどにより測定することができる。
上記フッ素樹脂は、加熱変形温度が90℃以上、278℃以下であることが好ましい。加熱変形温度が90℃以上であることにより、電子素子の発熱による封止部材の溶融を防止できる。フッ素樹脂の加熱変形温度の下限は、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは110℃以上、更により好ましくは115℃以上である。一方、一般的なハンダ材であるAu−Sn(20質量%)の融点が278℃であることから、樹脂の加熱変形温度が278℃以下であることにより、フッ素樹脂の加熱溶融による電子素子の封止を容易にできる。また加熱溶融で封止するときの後述のバンプの溶融を防止できる。フッ素樹脂の加熱変形温度の上限は、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは170℃以下、更により好ましくは150℃以下、特に好ましくは130℃以下である。ここで、加熱変形温度とは、結晶性樹脂の場合には融点であり、非晶性樹脂の場合にはガラス転移点である。加熱溶融による電子素子の封止では、結晶性樹脂の割合が50質量%以上である樹脂シートの場合は融点以上、非晶性樹脂の割合が50質量%よりも多い樹脂シートの場合には、ガラス転移点以上に樹脂シートを加熱することが好ましい。フッ素樹脂の融点又はガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC、株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いて、昇温速度10℃/分で−50℃から200℃の温度まで変化させ、これにより得られるDSC曲線(融点の場合は融解曲線)から中間ガラス温度又は融解ピーク温度(Tm)を測定することにより求めることができる。例えば、結晶性樹脂である3M社製の「THV500GZ」の加熱変形温度(融点)は165℃程度、3M社製の「THV221AZ」の加熱変形温度(融点)は115℃程度であり、非晶性樹脂であるAGC社製の「サイトップ(登録商標)」の加熱変形温度(ガラス転移点)は108℃程度である。また、結晶性フッ素樹脂は、室温で固体であり、封止後の表面にタック性が無く、硬度も十分であり、さらには加熱変形温度(融点)以上への加熱により適度な流動性を発現できるものが好ましく、このような結晶性フッ素樹脂の電子素子の封止への適用は非常に有効である。
固化物100質量%中、フッ素樹脂の量は40質量%以上、99質量%以下であることが好ましい。フッ素樹脂の量が40質量%以上であることにより、フッ素樹脂の密着性が発揮され易くなる。そのためフッ素樹脂の量の下限は、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上である。一方、フッ素樹脂の量が99質量%以下であることにより、フィラーの熱伝導性が発揮され易くなる。そのためフッ素樹脂の量の上限は、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
フィラーとして、有機フィラー、無機フィラーが挙げられる。有機フィラーとして、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール系フィラー、超高分子量ポリエチレン系フィラー、熱伝導性炭素系フィラー等が挙げられる。無機フィラーとして、金属、金属フッ化物、金属酸化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、金属スルホン酸塩、金属硝酸塩、金属窒化物、窒化ホウ素等が挙げられる。無機フィラーは、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。無機フィラーにより、フッ素樹脂の熱分解を防止し易くすることができる。
無機フィラーは、金属フッ化物であることが好ましい。金属フッ化物として、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、氷晶石等が挙げられる。このうちフッ化マグネシウムが好ましい。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。無機フィラーとしては、多結晶体であっても単結晶体であってもよいが、フッ素樹脂シートや樹脂組成物の固化物の光透過性が向上しやすい観点からは、粒子中に含まれる粒界が少ない方が好ましく、単結晶体を用いる事が最も好ましい。無機フィラーが単結晶体か否かについては、例えば電子顕微鏡で電子線回折パターンを確認することにより判断することができる。
フィラーの体積平均粒子径(D50)が300μm以下であることが好ましい。フィラーが300μm以下であることにより固化物の温度上昇に伴う変色を低減することができる。フィラーの粒径は、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下である。一方、フィラーの粒径は0.5μm以上であることが好ましい。フィラーの粒径を0.5μm以上とすることにより樹脂とフィラー間での光の散乱を抑えることができ、樹脂の透明性が優れる。フィラーの粒径の下限は、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上、更により好ましくは30μm以上、特に好ましくは60μm以上である。なお、フィラーの体積平均粒子径(D50)とは、レーザー回析法による体積累積頻度50%の粒径D50を意味する。
固化物100質量%中、フィラーの含量が1質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。フィラーの量が1質量%以上であることにより、フッ素樹脂の熱分解を防止し易くすることができる。そのためフィラーの量の下限は、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、更により好ましくは13質量%以上、特に好ましくは15質量%以上である。一方、フィラーの量が60質量%以下であることにより、フッ素樹脂の密着性が発揮され易くなる。そのためフィラーの量の上限は、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
固化物は、フッ素樹脂、フィラーの他に添加剤等を含有していてもよい。
固化物100質量%中、フッ素樹脂とフィラーの合計含量は90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、97質量%以上であることが更により好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。これにより、フッ素樹脂の密着性とフィラーの熱伝導性が発揮され易くなる。
基板は、図1に示すような平らな基板38であってもよいし、図8に示すような側壁39aを備える基板39であってもよい。基板は例えば窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al23)等のセラミックス等で形成することができる。なお平板の基板38の場合、図1等に示すように複数の紫外線発光素子37を封止してから、切り欠け線38aで複数のブロックに切断して用いることができる。
電子素子としては、発光素子が挙げられ、発光素子として紫外線発光素子が挙げられる。紫外線発光素子としては、図18のフリップチップ実装することが可能なフリップチップタイプの紫外線発光素子37が挙げられる。紫外線発光素子37は、下側面の一部にアノード側のp電極30を備え、該p電極30の上にp層32が形成されている。更に紫外線発光素子37の下側面の別の一部に、カソード側のn電極31を備え、n電極31の上にn層34が形成されている。これらn電極31とn層34は、上記p電極30とp層32よりも上方にシフトして形成されており、上方に存在するn層34と下方に存在するp層32との間に活性層33が形成されている。更に上方に存在するn層34のさらに上に基材35が存在する。
n層34は、例えばSi含有AlGaN層が挙げられる。p層32は、例えばMg含有GaN層が挙げられる。このp層32は、必要に応じて電子ブロック層などと積層構造にしてもよい。活性層33は、例えばAlGaN層が挙げられる。p電極30、p層32からn層34、n電極31に向けて順方向電流を流すことにより活性層33におけるバンドギャップエネルギに応じた発光が生じる。バンドギャップエネルギは、活性層33の例えばAlNモル分率を調整することにより、GaNとAlNが取り得るバンドギャップエネルギ(約3.4eVと約6.2eV)の範囲内で制御することができ、発光波長が約200nmから約365nmまでの紫外線発光を得ることができる。
紫外線発光素子37の発光ピーク波長は300nm以下であることが好ましい。発光ピーク波長が300nm以下であることにより殺菌効果が発揮され易くなるため、殺菌用の発光装置に紫外線発光素子37を用いることができる。発光ピーク波長は、より好ましくは280nm以下である。
なお基材35として、サファイア基板、窒化アルミニウム基板等が挙げられる。p電極30の素材としてNi/Au、n電極31の素材として、Ti/Al/Ti/Au等が挙げられる。また図示していないがp電極30とn電極31の間の露出面は、短絡を防止するためにSiO2等の保護絶縁膜により被覆されていてもよい。
図8に示す基板39上には配線(図示せず)が形成され、該配線上には、Au、Au−Sn(20質量%)合金等の金属製のバンプ36が形成されている。そしてバンプ36を介して、配線(図示せず)と紫外線発光素子37のp電極30、n電極31とがそれぞれ電気接続できるように固定されている。当該紫外線発光素子実装パッケージは固化物40で封止されて紫外線発光装置51が形成されている。
その他に、紫外線発光素子等が固化物により封止され、かつその表面に、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス等で形成された集光レンズが設けられて、紫外線発光装置が形成されていてもよい。集光レンズによって光取出し効率を向上することができるが、該集光レンズは必ずしも設ける必要はない。
電子素子は、フリップチップ実装されており、基板と電子素子の間の間隙100体積%中、空隙の割合が20体積%以下であることが好ましい。空隙の割合が20体積%以下であることで、チップ点灯時の発熱による空隙中の空気の膨張が抑制され、チップや固化物の剥がれが防止できる。また、固化物のフッ素樹脂が電子素子の裏面に入り込んでいることにより、フッ素樹脂が電子素子と基板に接触する接触面積を大きくすることができるため、フッ素樹脂の密着性が向上する。空隙の割合は、より好ましくは10体積%以下、更に好ましくは5体積%以下、特に好ましくは1体積%以下、最も好ましく0体積%以下である。
固化物は、上記の通りフッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物であり、当該樹脂組成物の固化物として、好ましい態様1又は好ましい態様2の固化物の特徴を備えているフッ素樹脂シート等が挙げられる。これらのフッ素樹脂シートを電子素子上に配置し、このフッ素樹脂シートを溶融して固化物を形成することにより電子素子を封止することができる。
従って上記フッ素樹脂シートは、好ましい態様1又は好ましい態様2の固化物の特徴を備えていることが好ましく、例えば、好ましい態様1の特徴を備えたフッ素樹脂シートは、フッ素樹脂シートを最大厚さ部分において厚さ方向に等分割して、シート平面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、フッ素樹脂シートの一方の表面を含む領域が、一方の表面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さくなっている。同様に、好ましい態様2の特徴を備えたフッ素樹脂シートは、シート平面に平行な面で区切られ、フィラー濃度が一定である領域をフッ素樹脂シートの深さ方向に複数有し、フッ素樹脂シートの一方の表面を含む領域(A1)は、該領域(A1)に隣接する領域(B1)よりもフィラー濃度が小さくなっている。なおフッ素樹脂シートは、単層シートであってもよく、複数の層を有する積層シートであってもよい。
好ましい態様1の固化物の特徴を備えているフッ素樹脂シートとして、図7のフッ素樹脂シート9が挙げられる。フッ素樹脂シート9の上記区切られた3つ以上の領域(図示例では4つの領域)は、フッ素樹脂シート9の第1の表面9aを含む領域(以下では第1表面側領域1と呼ぶ)と、フッ素樹脂シート9の第2の表面9bを含む領域(以下では第2表面側領域2と呼ぶ)と、フッ素樹脂シート9の表面9a、9bを含まない領域(以下では内部領域3a、3bと呼ぶ)とからなる。この場合、第2表面側領域2の方が、内部領域3a、3bの少なくとも1つよりもフィラー濃度が小さいか、または第2表面側領域2の方が、第1表面側領域1よりもフィラー濃度が小さければよい。
好ましい態様2の固化物の特徴を備えているフッ素樹脂シートとして、図13のフッ素樹脂シート10が挙げられる。フッ素樹脂シート10は、シート平面に平行な面で区切られたフッ素樹脂シート10の第1の表面10aを含むフィラー濃度一定領域(第1表面側濃度一定領域11)と、フッ素樹脂シート10の第2の表面10bを含むフィラー濃度一定領域(第2表面側濃度一定領域12)と、第1表面側濃度一定領域11と第2表面側濃度一定領域12とに隣接するフィラー濃度一定領域(隣接濃度一定領域13)とを備えている。図示例では、第1表面側濃度一定領域11、第2表面側濃度一定領域12、及び隣接濃度一定領域13は、それぞれ、所定のフィラー濃度を有する単位シート(a)から構成されている。この場合、第2表面側濃度一定領域12の方が隣接濃度一定領域13よりもフィラー濃度が小さければよい。
また、上述の通り、これらフッ素樹脂シート9、10等を用いて、例えば図7、13に示すように、平板の基板38上に設けられている紫外線発光素子37上にフッ素樹脂シート9、10を配置して加熱溶融して、冷却することにより図1、10に示すような紫外線発光素子37を封止する固化物40を形成することができる。当該加熱温度は、フッ素樹脂の加熱変形温度以上であり、加熱変形温度+10℃以上が好ましく、加熱変形温度+20℃以上がより好ましい。加熱温度の上限は、例えば、270℃であり、より好ましくは230℃である。加熱時間は好ましくは2時間以上、4時間以下である。
フッ素樹脂シートは、例えばフィラー含有フッ素樹脂シート等を金型内で加熱溶融させることにより製造することができる。フィラー含有フッ素樹脂シートと、フィラー非含有フッ素樹脂シートとを積層させた状態で加熱溶融することが好ましい。この場合、各シートを2層以上用いてもよい。フィラー含有フッ素樹脂シートを2層以上用いる場合は、各層のフィラー濃度は同じであってもよく、異なっていてもよい。またフィラー非含有フッ素樹脂シートを用いずにフィラー含有フッ素樹脂シートを2層以上積層させてフッ素樹脂シートを製造することもできる。この場合、フィラー濃度が低いフィラー含有フッ素樹脂シートをフッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面側に位置するように配置すればよい。
上記フィラー含有フッ素樹脂シートは、フッ素樹脂とフィラーが混合されたペレットを作製して、プレス、もしくは必要に応じて熱をかけながらプレスを行うことにより作製することができる。また、溶融状態のフッ素樹脂に無機フィラーを混合し、押出成形により作製することもできる。上記ペレットは、フッ素樹脂とフィラーの混合体を細かく切断することにより得ることができる。フッ素樹脂とフィラーの混合体は、熱により溶融状態になったフッ素樹脂にフィラーを混ぜ込む方法、及びフッ素樹脂を溶媒に溶解させて溶液とした後、フィラーを混合し、溶媒を乾燥させる方法、フッ素樹脂とフィラーと溶媒とを混合して、混合溶液にフッ素樹脂に対する貧溶媒を加え、フィラーを巻き込んだ状態でフッ素樹脂を析出させ、乾燥させる方法等により得ることができる。このうちフィラーを巻き込んだ状態でフッ素樹脂を析出させる方法が好ましい。
上記フィラー非含有フッ素樹脂シートは、フッ素樹脂を押出成形、プレス成型、キャスト成形等により作製することができる。
また固化物は、フッ素樹脂、フィラーを適当な溶媒に溶解して得た樹脂組成物を塗布、乾燥する工程を1回以上繰り返すことによっても形成することもできる。例えばフッ素樹脂のみ適当な溶媒に溶解して得た樹脂組成物を用いて塗布、乾燥した後、更にフッ素樹脂とフィラーを適当な溶媒に溶解して得た樹脂組成物を用いて塗布、乾燥することにより固化物を形成してもよい。これにより固化物の密着性を向上することができる。
塗布工程に用いる溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム類が挙げられる。
フッ素樹脂を溶解又は分散する溶媒として有機溶媒が挙げられる。有機溶媒として、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、グリコールエーテルに酢酸基を付加したグリコールエステル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルエーテル、グリコールエーテル、テロラヒドロフラン等のエーテル類系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム系溶媒;等が挙げられる。このうちエステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、エステル系溶媒がより好ましい。これら有機溶媒は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
固化物の厚さ方向にフィラーの濃度が連続的に変化する濃度傾斜を設けるに当たっては、例えば、厚さ方向にフィラーの濃度が連続的に変化する濃度傾斜を有するフッ素樹脂シートを用いればよい。このようなフッ素樹脂シートは、例えばフッ素樹脂を加熱溶融させた状態でフィラーと混合し、得られた樹脂組成物を所定の型に入れ、所定時間、加熱を持続してある程度フィラーを沈降させてから温度を下げて固化させる方法等により得ることができる。その他に、フッ素樹脂を溶解又は分散する溶媒の存在下でフッ素樹脂とフィラーとを混合した後に、得られた樹脂組成物を所定の型に入れ、所定時間、静置してフィラーをある程度、沈降させてから溶媒を揮発させる方法等が挙げられる。このようなフッ素樹脂シートのフィラー低濃度側を下面側に向けて用いることにより、上面から下面に向けてフィラー濃度が連続的に低下する固化物が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[NMR測定]
フッ素樹脂であるスリーエムジャパン株式会社製のダイニオンTHV221AZ粉末(以下ではTHV221AZと呼ぶ)について、下記条件で構成単位T、構成単位H、構成単位Vの各モル比を求めた。その結果、構成単位Tのモル比は0.35、構成単位Hのモル比は0.11、構成単位Vのモル比は0.54であった。
測定装置:JEOL ECZ−400
試料:約60mg/0.8ml ACT−d6
IS:4−クロロベンゾドリフルオリド 0.01mL
測定モード:1H、19
緩和時間:1H 30秒、19F 20秒
構成単位Hのユニット数:CF3の積分比を3で除して算出(CF3積分比/3)
構成単位Vのユニット数:CH2の積分比を2で除して算出(CH2積分比/2)
構成単位Tのユニット数:CF2の合計積分比より、構成単位H由来のCF2と構成単位V由来のCF2を差し引いたものを4で除して算出(CF2合計積分比−構成単位Vのユニット数×2−構成単位Hのユニット数×2)/4
[フィラーの作製]
MgF粉末(ピアーオプティックス株式会社製、品番:MFGR3−6を粉砕し、60メッシュの篩を通過したもの:D50=218μm)を下記条件にてボールミルを用いて粉砕してMgFフィラーを得た。
〈粉砕条件〉
粉砕装置:ボールミルANZ−51S(日陶科学株式会社製)
容器:250mLアイボーイ(アズワン株式会社製、品番:5−002−03)
メディア:400g ジルコニアボール 10mmφ(アズワン株式会社製 品番:5−4060−14)
MgF粉末:100g
溶媒:イソプロピルアルコール(IPA、ナカライテクス株式会社製) 100g
回転数:58rpm
粉砕時間:4時間
[MgFフィラーの粒度分布測定]
MgFフィラーの粒度分布測定は、下記条件のレーザー回折法により、各調製済のMgFフィラーの粒度の積算分布曲線を得て、体積累積頻度50%における粒径である粒径D50を求める方法で行った。MgFフィラーの粒径D50は112μmであった。
測定装置:LS230 (ベックマン・コールター株式会社製)
分散溶媒:イオン交換水+中性洗剤
分散方法:スターラー撹拌+超音波照射 3分
屈折率(MgF2):1.40−0.20i
[THV221溶液の作製]
ウォーターバスに設置したセパラブルフラスコに酢酸ブチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)160gを測り入れ、攪拌しながらウォーターバスを85℃まで昇温した。更に攪拌しながら、スリーエムジャパン株式会社製のTHV221AZを少量ずつ40g加えて溶解させて、20質量%の樹脂溶液を作製した。
[フィラー含有樹脂のペレットの作製]
得られた20質量%の樹脂溶液35gを250mLのディスポカップに入れ、更に上記MgFフィラーを2.8g添加した。なお樹脂の密度を1.95(g/cm)、MgFフィラーの密度を3.15(g/cm)として、MgFフィラーの体積率を算出すると20体積%であった。次に自転公転ミキサー(あわとり練太郎ARV−310、株式会社シンキー社製)で2000rpm、2分間混合する操作を3回実施して、樹脂溶液とMgFフィラーを混合した。更にマグネットスターラーを入れて400rpmで攪拌してMgFフィラーが均一に樹脂溶液中に舞っている状態を維持しながら、ナカライテクス株式会社製のイソプロピルアルコール(IPA)70gを一気に入れることにより、MgFフィラーと一部の溶媒を巻き込みながら樹脂を一気に析出させた。析出した樹脂の塊を取り出し、更に塊からスターラーを取り出した後、アルミカップの上に置いて常温で4時間、乾燥させた。更に乾燥を促進させるためにハサミを用いて約3cm角のサイズに切り一晩乾燥させた。当該乾燥後の塊は、溶媒がほぼ蒸発して縮んでおり溶媒臭は残っていなかった。更にハサミで約5mm角に切り、100℃に設定したホットプレートの上で3時間乾燥させた。得られた約5mm角の塊をテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)製のシャーレに移し、真空乾燥機中で200℃の条件で3時間、脱泡、および乾燥を行った。なお乾燥中に複数の約5mm角の塊は溶融して、乾燥後には一塊になっていた。得られた塊をハサミを用いて約2mm角のサイズに切ってペレットとした。得られたペレットの合計量は9.6gであり、使用した樹脂とMgFフィラーの合計量に対する収率は100%であった。
[フィラー含有樹脂シートの作製]
厚さ5mm、15cm角のSUS板の上に厚さ0.2mm、15cm角のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムを積層し、PTFEフィルムの上に、中心に5cm角の貫通孔を備える厚さ1.0mm、15cm角のSUS板を積層した。次いで上記ペレットを、上記5cm角の貫通孔の中に5.2g入れた。更に厚さ0.2mm、15cm角のPTFEフィルムと、厚さ5mm、15cm角のSUS板とを順に積層して金型を組立てた。次いで、プレス機の温度を200℃に設定し、加圧せずにプレス機の上下板を金型の上下の上記SUS板に接触させた状態で3分保持してペレットを溶融させた。その後50MPaの圧力で2分間加圧した。加圧後に金型を取り出して、別途、水を通した2枚のSUS板で金型を挟んで十分に冷却して、金型を分解してフィラー含有樹脂シートを取り出した。更に、得られたフィラー含有樹脂シートを3cm角に切り取った。
[フィラー非含有樹脂シートの作製]
5cm角の貫通孔を備えるSUS板の厚みを0.5mmとし、上記5cm角の貫通孔の中にTHV221AZ粉末を3.1g入れたこと以外は、フィラー含有樹脂シートの作製工程と同様にして、熱プレスを行ってフィラーを含まない厚さ0.5mmのフィラー非含有樹脂シートを得た。更に、得られたフィラー非含有樹脂シートを3cm角に切り取った。
[フッ素樹脂シートの作製]
中心に3cm角の貫通孔を備える厚さ1.5mm、15cm角のSUS板を用いたこと、及び上記3cm角の貫通孔に上記3cm角のフィラー含有樹脂シートと上記3cm角のフィラー非含有樹脂シートの順に入れて積層したこと以外は、フィラー含有樹脂シートの作製工程と同様にして、金型を組立てた。その状態で金型を真空乾燥機に入れて、真空中で200℃、3時間加熱して、二つの樹脂シートを融着させて一体化した。次いで、大気中に取り出して十分に冷却して、金型を分解して、得られたフッ素樹脂シートを取り出した。
なお得られたフッ素樹脂シートの厚さ方向の側面視において、図7のように厚さ方向に等分割してシート平面に平行な面で区切られた領域を4つ設定した。フィラー含有樹脂シートに由来する第1表面側領域1と内部領域3a、3bにはMgFフィラーが含まれていた一方で、フィラー非含有樹脂シートに由来する第2表面側領域2にはMgFフィラーは含まれていなかった。即ち得られたフッ素樹脂シートは、一方の表面S1から他方の表面S2に向けてフィラー濃度が低下する部分を有するものであった。
[流動性評価]
厚さ1.5mmのフィラー含有樹脂シートと、厚さ1.5mmのフィラー非含有樹脂シートとを別途、作製した。次いで、フィラー非含有樹脂シート、フッ素樹脂シートのそれぞれから、約3×3×1.5mmの樹脂片を切り取り、その質量W(mg)を測定した。次いで、樹脂片をAlカップ内に設置し、230℃、3時間で溶融させて樹脂を広げた。その後、上から観察したときの樹脂の面積S(mm)を測定し、上記面積S(mm)と上記質量W(mg)と上記樹脂片の比重測定値D(mg/mm)とを下記式に当てはめて、流動性評価値Vを求めた。なお流動性評価値Vが大きい程、流動性は大きいことを示す。これらの結果を表1に示す。
Figure 2021163876
Figure 2021163876
表1に示す通り、フッ素樹脂シートよりもフィラー非含有樹脂シートの方が、加熱時の流動性が高いことが分かった。この結果により、発光素子を封止するに当たってフッ素樹脂中のフィラー濃度が低い部分が基板と発光素子との間等に入り込み易いことが分かる。
1 第1の表面を含む領域(第1表面側領域)
2 第2の表面を含む領域(第2表面側領域)
3a 表面を含まない領域(内部領域)
3b 表面を含まない領域(内部領域)
9 フッ素樹脂シート
9a 第1の表面
9b 第2の表面
10 フッ素樹脂シート
10a 第1の表面
10b 第2の表面
11 第1の表面を含むフィラー濃度一定領域(第1表面側濃度一定領域)
12 第2の表面を含むフィラー濃度一定領域(第2表面側濃度一定領域)
13 隣接濃度一定領域
20 固化物
20a 固化物の上面
20b 固化物の下面
21 上面を含む領域(上面側領域)
22 下面を含む領域(下面側領域)
23a 内部領域
23b 内部領域
30 p電極
31 n電極
32 p層
33 活性層
34 n層
35 基材
36 バンプ
37 紫外線発光素子
38 基板
38a 切り欠け線
39 基板
39a 側壁
40 固化物
40a 固化物の上面
40b 固化物の下面
50 紫外線発光装置
51 紫外線発光装置

Claims (8)

  1. 基板と、前記基板上に設けられた電子素子とを備え、
    前記電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止されており、
    前記固化物が、上面から下面に向けてフィラー濃度が低下する部分を有することを特徴とする電子装置。
  2. 前記固化物を最大厚さ部分において厚さ方向に等分割して、前記基板の表面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、
    前記固化物の下面を含む領域が、前記下面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さい請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記固化物が、前記基板に接してフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域の前記フィラーの含量が10質量%以下である請求項1または2に記載の電子装置。
  4. 前記固化物が、前記上面を含みフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域の前記フィラーの含量が10質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の電子装置。
  5. 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン由来の構成単位T、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位H、及びフッ化ビニリデン由来の構成単位Vを含むフッ素樹脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の電子装置。
  6. 前記フィラーの体積平均粒子径(D50)が300μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の電子装置。
  7. 前記固化物中、前記フィラーの含量が1質量%以上、60質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の電子装置。
  8. 前記電子素子は、フリップチップ実装されており、
    前記基板と前記電子素子の間の間隙100体積%中、空隙の割合が20体積%以下である請求項1〜7のいずれかに記載の電子装置。
JP2020064773A 2020-03-31 2020-03-31 電子装置 Pending JP2021163876A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020064773A JP2021163876A (ja) 2020-03-31 2020-03-31 電子装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020064773A JP2021163876A (ja) 2020-03-31 2020-03-31 電子装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021163876A true JP2021163876A (ja) 2021-10-11

Family

ID=78005136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020064773A Pending JP2021163876A (ja) 2020-03-31 2020-03-31 電子装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021163876A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5475625B2 (ja) Led実装用基板
WO2020230716A1 (ja) 電子部品の製造方法および電子部品
US10147854B2 (en) Packaging for ultraviolet optoelectronic device
TW201013996A (en) Light-emitting diode housing comprising fluoropolymer
WO2020230714A1 (ja) 樹脂組成物、および紫外線発光装置
CN102575030A (zh) 用于光伏应用的不含任何丙烯酸类气味的氟化聚合物与氧化锌的膜
WO2020230715A1 (ja) 電子部品及びその製造方法
JP2021163876A (ja) 電子装置
JP2021161271A (ja) フッ素樹脂シート、および電子装置
JP2024028483A (ja) 発光装置及び発光装置の製造方法
JP6769881B2 (ja) 凹面を有するチップスケールパッケージ型発光素子およびその製造方法
JP2021161270A (ja) 樹脂成形体、紫外線発光装置、および樹脂成形体の製造方法
JP6870128B1 (ja) フッ素樹脂封止剤及びその製造方法
JP6998362B2 (ja) 電子部品及びその製造方法
JP6856787B1 (ja) 電子部品の製造方法
JP2008078564A (ja) 放熱構造
WO2021200279A1 (ja) フッ素樹脂シート及びその製造方法
JP6830168B1 (ja) 電子部品の製造方法
JP2013506977A (ja) 電子デバイスたとえば光学デバイスまたはオプトエレクトロニクスデバイスおよび該デバイスの製造方法
WO2019087348A1 (ja) 紫外線発光装置、紫外線発光装置の製造方法及び紫外線発光モジュールの製造方法
WO2019175197A1 (en) Fluoropolymer composition for components of light emitting apparatus
JP6816317B1 (ja) フッ素樹脂シート及びその製造方法
JP2023124592A (ja) 樹脂組成物及びNaMgF3フィラー
TWI521054B (zh) Thermal element and its making method

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200817