JP2021161271A - フッ素樹脂シート、および電子装置 - Google Patents

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Takeshi Yoshikawa
友紀 島田
Yuki Shimada
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Abstract

【課題】出射光のムラが少ない封止部を形成することが可能なフィラー含有フッ素樹脂シート、及び出射光のムラが少ない封止部を備える電子装置を提供する。【解決手段】フィラーを含有するフッ素樹脂シートであって、上記フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面から中心に向けてフィラー濃度が増加する部分を有することを特徴とするフッ素樹脂シート。【選択図】図1

Description

本発明はフッ素樹脂シート、および電子装置に関する。
LED(Light Emitting Diode)等の発光素子では、酸素や水蒸気等との接触による発光素子の劣化を防ぐために発光素子を樹脂により封止することがあり、該樹脂として、近年、フッ素樹脂が使用されることがある。
例えば非特許文献1には、CF3末端を有するパーフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)(BVE)系重合体は深紫外線に対する耐久性に優れるため、深紫外AlGaN系LEDの封止に用いることができることが記載されている。また特許文献1には、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)及びビニリデンフルオライド(VdF)を少なくとも含むフッ素ポリマー(THV)をLED素子の封止に用いることが開示されている。更に特許文献2には、フッ素樹脂と熱伝導率が1.5W/mK以上である熱伝導材とを含有する樹脂組成物は波長変換部材や封止部材等に好適に用いられることが記載されている。
特開2009−51876号公報 特開2014−145012号公報
しかし、熱伝導材などのフィラーを含有するフッ素樹脂で発光素子を封止すると、表面に存在するフィラーにより表面が不規則に粗面化し、光の散乱が生じることにより、出射光にムラが生じることが多かった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、出射光のムラが少ない封止部を形成することが可能なフィラー含有フッ素樹脂シートを提供することにある。また本発明の他の目的は、出射光のムラが少ない封止部を備える電子装置を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明のフッ素樹脂シート、および電子装置は、以下の構成からなる。
[1]フィラーを含有するフッ素樹脂シートであって、
上記フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面から中心に向けてフィラー濃度が増加する部分を有することを特徴とするフッ素樹脂シート。
[2]上記フッ素樹脂シートを厚さ方向に等分割してシート平面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、
上記フッ素樹脂シートの表面を含む2つの領域のうち少なくとも一方の領域が、上記フッ素樹脂シートの表面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さい[1]に記載のフッ素樹脂シート。
[3]シート平面に平行な面で区切られ、フィラー濃度が一定である領域をシート厚さ方向に複数有し、
上記フッ素樹脂シートの表面を含む領域のうち少なくとも一方の領域(A)は、上記領域(A)に隣接する領域(B)よりもフィラー濃度が小さい[1]または[2]に記載のフッ素樹脂シート。
[4]上記フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面の算術平均粗さRaが10.0μm以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
[5]テトラフルオロエチレン由来の構成単位T、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位H、及びフッ化ビニリデン由来の構成単位Vを含むフッ素樹脂を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
[6]上記フィラーの体積平均粒子径(D50)が300μm以下である[1]〜[5]のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
[7]上記フッ素樹脂シート100質量%中、上記フィラーの含量が1質量%以上、60質量%以下である[1]〜[6]のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
[8]厚さが100μm以上である[1]〜[7]のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
[9]電子素子の封止に用いられるものである[1]〜[8]のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
[10]フィラーを含有するフッ素樹脂シートであって、
上記フッ素樹脂シート100質量%中、上記フィラーの含量が10質量%以上、60質量%以下であり、
いずれか一方の表面の算術平均粗さRaが10.0μm以下であるフッ素樹脂シート。
[11]基板と、上記基板上に設けられた電子素子とを備え、
上記電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止されており、
上記固化物が、上面から下面に向けてフィラー濃度が増加する部分を有することを特徴とする電子装置。
[12]上記固化物を最大厚さ部分において厚さ方向に等分割して、上記基板の表面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、
上記固化物の上面を含む領域が、上記上面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さい[11]に記載の電子装置。
[13]上記固化物が、上記上面を含みフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域における上記フィラーの含量が10質量%以下である[11]または[12]に記載の電子装置。
[14]上記固化物が、上記基板に接してフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域における上記フィラーの含量が10質量%以下である[11]〜[13]のいずれかに記載の電子装置。
[15]上記固化物の上記上面の算術平均粗さRaが5.0μm以下である[11]〜[14]のいずれかに記載の電子装置。
[16]上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン由来の構成単位T、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位H、及びフッ化ビニリデン由来の構成単位Vを含む[11]〜[15]のいずれかに記載の電子装置。
[17]上記フィラーの体積平均粒子径(D50)が300μm以下である[11]〜[16]のいずれかに記載の電子装置。
[18]上記固化物中、上記フィラーの含量が1質量%以上、60質量%以下である[11]〜[17]のいずれかに記載の電子装置。
[19]基板と、上記基板上に設けられた電子素子とを備え、
上記電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止されており、
上記固化物の上面の算術平均粗さRaが5.0μm以下であることを特徴とする電子装置。
本発明によれば、上記構成により、出射光のムラが少ない封止部を形成することが可能なフィラー含有フッ素樹脂シートを提供することができる。更に出射光のムラが少ない封止部を備える電子装置を提供することができる。
図1は、本発明のフッ素樹脂シートの一例の側面図である。 図2は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の一例を示す図である。 図3は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図4は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図5は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図6は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図7は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図8は、本発明のフッ素樹脂シートの他の一例の側面図である。 図9は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図10は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図11は、本発明のフッ素樹脂シートの他の一例の側面図である。 図12は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図13は、本発明のフッ素樹脂シートの他の一例の側面図である。 図14は、本発明のフッ素樹脂シートのフィラー濃度と、シートの厚さ方向位置との関係の他の一例を示す図である。 図15は、本発明のフッ素樹脂シートにより紫外線発光素子が封止される前の紫外線発光装置の一例を示す側面図である。 図16は、本発明のフッ素樹脂シートにより紫外線発光素子が封止された紫外線発光装置の一例を示す側面図である。 図17は、本発明のフッ素樹脂シートにより紫外線発光素子が封止された紫外線発光装置の他の一例を示す側面図である。 図18は、本発明のフッ素樹脂シートにより紫外線発光素子が封止された紫外線発光装置の他の一例を示す側面図である。 図19は、本発明のフッ素樹脂シートにより紫外線発光素子が封止された紫外線発光装置の他の一例を示す側面図である。 図20は、本発明のフッ素樹脂シートにより紫外線発光素子が封止された紫外線発光装置の他の一例を示す断面図である。 図21は、紫外線発光素子の一例を示す側面図である。 図22は、本発明のフッ素樹脂シートの一例の厚さ方向の断面の写真である。
以下では、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。説明の便宜上、各図において、ハッチングや部材符号等を省略したり、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を省略して示したりする場合がある。また各図において、同様の構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
本発明は、フィラーを含有するフッ素樹脂シートに関するものであり、例えば図1、図2に基づいて説明できる。図1はフッ素樹脂シートの概略側面図であり、図2は該フッ素樹脂中のフィラー濃度をX軸、シートの厚さ方向位置をY軸として、フィラー濃度とシートの厚さ方向位置との関係の一例を示したグラフ(フィラー濃度分布図)である。X軸においては、右側に位置するほど、フィラー濃度が高いことを意味する。図1及び図2に示される様に、フッ素樹脂シートFは、上記フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面S1から中心C1に向けてフィラー濃度が増加する部分M1を有するものである。これによりフッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面S1でのフィラーにより形成される凹凸を低減することができる。当該凹凸の少ない表面S1が封止部の表面となるようにフッ素樹脂シートを配置して発光素子を封止することにより、封止部の表面の凹凸を低減することができる。これにより、出射光が封止部の表面の凹凸により拡散され難くなるため、出射光のムラを低減することができる。
なお図2の濃度分布図のX軸は、Y軸との交点以外の場所が0(フィラー無し)を表す場合があり、濃度分布図の最低濃度がフィラー無しに相当してもよい。以下の濃度分布図において同様である。
なお図2に示すようにフッ素樹脂シートFは、フィラー濃度が増加する部分M1を有していればよく、フィラー濃度が増加しない部分N1を有していてもよい。
なお図2のフィラー濃度分布を示すフッ素樹脂シートFは、中心C1から表面S2に向けてフィラー濃度が増加する部分P1を有している。フッ素樹脂シートFは、一方の表面S1から中心C1に向けてフィラー濃度が増加する部分M1を有していれば足り、図3のフィラー濃度分布図に示すように表面S1と表面S2の両方から中心C1に向けてフィラー濃度が増加する部分M1、M2を有してもよい。
さらに図2、図3の例では、表面S1又はS2から中心C1に向けてフィラー濃度が傾きは連続的に増加しており、その増加率は表面S1又はS2から中心C1に向けて増大している。図4のフィラー濃度分布図に示す様に、前記増加率は、表面S1又はS2から中心C1に向けて減少してもよい。また図5、図6のフィラー濃度分布図に示す様に、フッ素樹脂シートFにおける増加部分M1、M2は、非連続点D1、D2を有する(即ち非連続的な)増加であってもよい。
上記フッ素樹脂シートは、その好ましい態様では、フッ素樹脂シートを厚さ方向に等分割してシート平面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、フッ素樹脂シートの表面を含む2つの領域のうち少なくとも一方の領域が、フッ素樹脂シートの表面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりもフィラー濃度が小さい。以下、この態様を好ましい態様1と言う。
以下では、好ましい態様1に該当するフッ素樹脂シートの一例について、前述の図2〜図6の濃度分布図と、図1を参照しながら、より詳細に説明する。フッ素樹脂シート9の上記区切られた3つ以上の領域(図示例では4つの領域)は、フッ素樹脂シート9の第1の表面9aを含む領域(以下では第1表面側領域1と呼ぶ)と、フッ素樹脂シート9の第2の表面9bを含む領域(以下では第2表面側領域2と呼ぶ)と、フッ素樹脂シート9の表面9a、9bを含まない領域(以下では内部領域3a、3bと呼ぶ)とからなる。
この場合、第1表面側領域1の方が内部領域3a、3bの少なくとも1つよりもフィラー濃度が小さいか(図2〜6の例では第1表面領域1の方が内部領域3a、3bの全てよりもフィラー濃度が小さい)、又は第1表面側領域1と第2表面側領域2の両方が内部領域3a、3bの少なくとも1つよりもフィラー濃度が小さいこと(図3、図4、図6の例では、第1表面領域1と第2表面領域の両方が内部領域3a、3bの全てよりもフィラー濃度が小さい)が好ましい。これによりフッ素樹脂シート9の表面9a、9bのうち少なくとも一方の表面から中心C1に向けてフィラー濃度が増加する部分を形成することができ、表面の凹凸を低減することができる。また、図3、図4、図6の様に第1表面側領域1と第2表面側領域2の両方が内部領域3a、3bの少なくとも1つよりもフィラー濃度が小さい場合、電子素子を封止する時に、封止樹脂表面の凹凸を低減できるだけでなく、電子素子の裏面に樹脂が入り込みやすくなり、封止性を高めることも可能になる。なお各領域におけるフィラー濃度とは、各領域100質量%に対するフィラーの質量割合(質量%)を意味する。例えば内部領域3aにおけるフィラー濃度は、内部領域3aの全質量に対する内部領域3aに含まれるフィラーの全質量の割合を算出することにより求めることができる。
表面領域の一方(図示例では、第1表面側領域1)の方が、内部領域3a、3bの少なくとも1つよりもフィラー濃度が小さい場合、図2、図5などに示す様に、一方の表面領域(第1表面側領域1)の方が他方の表面領域(第2表面側領域2)よりもフィラー濃度が小さくてもよく、また内部領域3a、3bの方が他方の表面領域(第2表面側領域2)よりもフィラー濃度が小さくてもよい。これにより、表面9aの凹凸を低減しつつ、表面9b側で熱伝導性等の特性を発揮し易くすることができる。
上記好ましい態様1における領域の数(等分割数)は、3つ以上であれば任意に設定できる。例えば、図5のフィラー濃度分布を有するフッ素樹脂は、図7に示す様に3つの領域1、2、3で等分割してもよい。この例でも、第1表面側領域1は、内部領域3よりもフィラー濃度が小さく、好ましい態様1の要件を満足している。なお、任意の等分割数で分けられる態様の内、仮に1つの態様で好ましい態様1の要件を満足しなくても、少なくとも1つの態様で好ましい態様1の要件を満足すれば、好ましい態様1の関係を満足するフッ素樹脂シートであると定義される。領域数(分割数)は、好ましくは3〜10の範囲で設定でき、より好ましくは3〜8の範囲で設定でき、特に好ましくは3〜5の範囲で設定でき、最も好ましくは3である。
第1表面側領域1と第2表面側領域2のうち少なくとも一方の領域におけるフィラーの含量(質量%)が、内部領域3におけるフィラーの含量の0.5倍以下であることが好ましい。これによりフッ素樹脂シート9の表面の凹凸を低減することができる。より好ましくは0.3倍以下、更に好ましくは0.2倍以下、更により好ましくは0.1倍以下である。
第1表面側領域1と第2表面側領域2のうち少なくとも一方の領域におけるフィラーの含量が10質量%以下であることが好ましい。これによりフッ素樹脂シート9の表面の凹凸を低減することができる。より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更により好ましくは2質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
フッ素樹脂シートは、単層シートであってもよく、複数の層を有する積層シートであってもよい。単層シートの場合において、例えば第1表面側領域1のフィラー濃度を内部領域3a、3bよりも小さくするためには、厚さ方向にフィラーの濃度が連続的に変化する濃度傾斜を設ければよい。フィラーの濃度傾斜を設ける方法としては、例えばフッ素樹脂を加熱溶融させた状態でフィラーと混合し、得られた樹脂組成物を所定の型に入れ、所定時間、加熱を持続してある程度フィラーを沈降させてから温度を下げて固化させる方法が挙げられる。その他に、フッ素樹脂を溶解又は分散する溶媒の存在下でフッ素樹脂とフィラーとを混合した後に、得られた樹脂組成物を所定の型に入れ、所定時間、静置してフィラーをある程度、沈降させてから溶媒を揮発させる方法等が挙げられる。このようにして単層シートを好ましい態様1の関係を満足させることが可能である。また積層シートでも、各層のフィラー濃度を適切に制御することで、好ましい態様1の関係を満足させることが可能である。
フッ素樹脂を溶解又は分散する溶媒として有機溶媒が挙げられる。有機溶媒として、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、グリコールエーテルに酢酸基を付加したグリコールエステル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルエーテル、グリコールエーテル、テロラヒドロフラン等のエーテル類系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム系溶媒;等が挙げられる。このうちエステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、エステル系溶媒がより好ましい。これら有機溶媒は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のフッ素樹脂シートは、他の好ましい態様では、フッ素樹脂シートが、シート平面に平行な面で区切られ、フィラー濃度が一定である領域をシート厚さ方向に複数有し、フッ素樹脂シートの表面を含む領域のうち少なくとも一方の領域(A)は、領域(A)に隣接する領域(B)よりもフィラー濃度が小さい。以下、この態様を好ましい態様2といい、好ましい態様2のフッ素樹脂シートは、以下の図示例で説明する様に、シート内のフィラー濃度が一定であるフッ素樹脂シート(a)(以下、単位シート(a)と称する場合がある)を、複数枚積層することで形成されることが好ましい。
以下では、好ましい態様2に該当するフッ素樹脂シートの一例について、側面図である図8と濃度分布図である図9、図10を参照しながら、より詳細に説明する。フッ素樹脂シート10は、シート平面に平行な面で区切られたフッ素樹脂シート10の第1の表面10aを含むフィラー濃度一定領域(第1表面側濃度一定領域11)と、フッ素樹脂シート10の第2の表面10bを含むフィラー濃度一定領域(第2表面側濃度一定領域12)と、第1表面側濃度一定領域11と第2表面側濃度一定領域12とに隣接するフィラー濃度一定領域(隣接濃度一定領域13)とを備えており、図示例では、第1表面側濃度一定領域11、第2表面側濃度一定領域12、及び隣接濃度一定領域13は、それぞれ、所定のフィラー濃度を有する単位シート(a)から構成されている。この場合、一方の表面側濃度一定領域(図9の例では、第1表面側濃度一定領域11)の方が隣接濃度一定領域13よりもフィラー濃度が小さいか、両方の表面側濃度一定領域(図10の例では、第1表面側濃度一定領域11と第2表面側濃度一定領域12の両方)が隣接濃度一定領域13よりもフィラー濃度が小さくなっている。これによりフッ素樹脂シート10の表面10a、10bのうち少なくとも一方の表面から中心C1に向けてフィラー濃度が増加する部分を形成することができ、表面の凹凸を低減することができる。また図10に示す様に、第1表面側領域11と第2表面側領域12の両方が隣接濃度一定領域13よりもフィラー濃度が小さい場合、電子素子を封止する時に、封止樹脂表面の凹凸を低減できるだけでなく、電子素子の裏面に樹脂が入り込みやすくなり、封止性を高めることも可能になる。
表面側濃度一定領域の一方(図示例では、表面側濃度一定領域11)の方が、隣接濃度一定領域13よりもフィラー濃度が小さい場合、図9に示す様に、一方の表面側濃度一定領域(第1表面側領域11)の方が他方の表面側濃度一定領域(第2表面側濃度一定領域12)よりフィラー濃度が小さくてもよく、また隣接濃度一定領域13の方が他方の表面側濃度一定領域(第2表面側領域12)よりもフィラー濃度が小さくてもよい。これにより表面10aの凹凸を低減しつつ、表面10b側でフィラーの熱伝導性等の特性を発揮し易くすることができる。
領域(B)よりもフィラー濃度が小さくなる領域(A)[第1表面側濃度一定領域11、第2表面側濃度一定領域12共に小さい(A)なら両方の合計]の厚さは、フッ素樹脂シート10の厚さの0.1倍以上であることが好ましい。これにより表面の凹凸を低減することができる。より好ましくは0.2倍以上、更に好ましくは0.3倍以上である。一方、領域(A)の厚さは、フッ素樹脂シート10の厚さの0.5倍以下であることが好ましい。これにより隣接濃度一定領域13等によるフィラーの熱伝導性等の特性を発揮し易くすることができる。より好ましくは0.4倍以下である。
領域(B)よりもフィラー濃度が小さくなる領域(A)[第1表面側濃度一定領域11、第2表面側濃度一定領域12共に小さい(A)ならそれぞれの領域]におけるフィラーの含量(質量%)が、隣接濃度一定領域13におけるフィラーの含量の0.5倍以下であることが好ましい。これにより表面の凹凸を低減することができる。より好ましくは0.3倍以下、更に好ましくは0.2倍以下、更により好ましくは0.1倍以下であって、0倍であってもよい。
領域(B)よりもフィラー濃度が小さくなる領域(A)[第1表面側濃度一定領域11、第2表面側濃度一定領域12共に小さい(A)ならそれぞれの領域]におけるフィラーの含量が10質量%以下であることが好ましい。これによりフッ素樹脂シート10の凹凸を低減することができる。より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更により好ましくは2質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
またフィラー濃度が一定である領域は、図8のように3つに限らず、図11の側面図と図12の濃度分布図に示す様に、2つでもよく、図示しない例の様に4つ以上でもよく、例えば、6以下であり、好ましくは5以下である。
図11及び図12は、上述した様に、フィラー濃度が一定である領域が2つである場合について説明する図であり、一つの領域がフィラー濃度の小さい第1表面側濃度一定領域11に相当し、もう一方の領域がフィラー濃度の高い「隣接濃度一定領域13」に相当する。図示例では、これら第1表面側濃度一定領域11及び隣接濃度一定領域13は、それぞれ、異なるフィラー濃度を有する単位シート(a)から構成されている。隣接する濃度一定領域13の方が、第1表面側濃度一定領域よりも厚いことが好ましい。この事によってフィラーの添加効果を高めることができる。
好ましい態様2のフッ素樹脂シートが、複数枚の単位シート(a)から構成されている場合、フィラー濃度が一定である領域の数と単位シート(a)の数は等しくてもよく、フィラー濃度が一定である領域の数よりも単位シート(a)の数の方が多くてもよい。図13の側面図と図14の濃度分布図は、フィラー濃度が一定である領域が3つであり、単位シート(a)の数が4つである例を示したものである。図13及び図14の例では、第1表面側濃度一定領域11に相当する単位シート(a)と、この領域11に隣接する隣接濃度一定領域13aに相当する単位シート(a)と、第2表面側濃度一定領域12に相当する単位シート(a)と、この領域12に隣接する隣接濃度一定領域13bを有しており、これらは、領域11、13a、13b、12の順に4枚の単位シート(a)が積層されている。また図示例では、隣接濃度一定領域13a及び13bの濃度が同じであるため、濃度一定領域の数は、領域11、12、13の3つである。この例では、第1表面側濃度一定領域11の方が隣接濃度一定領域13(濃度が等しい異なる単位シート(a)13a、13bをまとめた濃度一定領域。以下、同じ)よりもフィラー濃度が小さいか、第2表面側濃度一定領域12の方が隣接濃度一定領域13よりもフィラー濃度が小さいか、又は第1表面側濃度一定領域11の方が隣接濃度一定領域13よりもフィラー濃度が小さく且つ第2表面側濃度一定領域12の方が隣接濃度一定領域13よりもフィラー濃度が小さいことが好ましい。また第1表面側濃度一定領域11、隣接濃度一定領域13、第2表面濃度一定領域12の順にフィラー濃度が大きくなるか、またはこの順にフィラー濃度が小さくなることも好ましい。
フッ素樹脂シート10は、例えばフィラー含有フッ素樹脂シート等を金型内で加熱溶融させることにより製造することができる。フィラー含有フッ素樹脂シートと、フィラー非含有フッ素樹脂シートとを積層させた状態で加熱溶融することが好ましい。この場合、各シートを2層以上用いてもよい。フィラー含有フッ素樹脂シートを2層以上用いる場合は、各層のフィラー濃度は同じであってもよく、異なっていてもよい。またフィラー非含有フッ素樹脂シートを用いずにフィラー含有フッ素樹脂シートを2層以上積層させてフッ素樹脂シートを製造することもできる。この場合、フィラー濃度が低いフィラー含有フッ素樹脂シートをフッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面側に位置するように配置すればよい。
フィラー含有フッ素樹脂シートは、フッ素樹脂とフィラーが混合されたペレットを作製して、プレス、もしくは必要に応じて熱をかけながらプレスを行うことにより作製してもよい。また、溶融状態のフッ素樹脂にフィラーを混合し、押出成形により作製することもできる。上記ペレットは、フッ素樹脂とフィラーの混合体を細かく切断することにより得ることができる。フッ素樹脂とフィラーの混合体は、熱により溶融状態になったフッ素樹脂にフィラーを混ぜ込む方法、及びフッ素樹脂を溶媒に溶解させて溶液とした後、フィラーを混合し、溶媒を乾燥させる方法、フッ素樹脂とフィラーと溶媒とを混合して、混合溶液にフッ素樹脂に対する貧溶媒を加え、フィラーを巻き込んだ状態でフッ素樹脂を析出させ、乾燥させる方法等により得ることができる。このうちフィラーを巻き込んだ状態でフッ素樹脂を析出させる方法が好ましい。
フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面の算術平均粗さRaが10.0μm以下であることが好ましい。これによりフッ素樹脂シートを溶融させて得られた固化物の表面粗さが小さくなるため、出射光のムラを低減することができる。算術平均粗さRaは、より好ましくは9.8μm以下、更に好ましくは9.7μm以下、更により好ましくは9.5μm以下である。一方、算術平均粗さRaの下限は特に限定されないが、フッ素樹脂シートを溶融させやすい観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、更により好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上である。フッ素樹脂シート表面にある程度の凹凸があることにより、加熱溶融が生じる起点が増え、溶融速度が速くできる。そのためフッ素樹脂シートの他方の表面の算術平均粗さRaは、一方の表面の算術平均粗さRaよりも大きいことが好ましい。
フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面の最大高さRzが75μm以下であることが好ましく、より好ましくは72μm以下、更に好ましくは70μm以下、更により好ましくは66μm以下である。一方、最大高さRzの下限は特に限定されないが、フッ素樹脂シートを溶融させやすい観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、更により好ましくは30μm以上、特に好ましくは50μm以上である。フッ素樹脂シートの他方の表面の最大高さRzは、一方の表面の最大高さRzよりも大きいことが好ましい。
フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面の平均高さRcが40μm以下であることが好ましく、より好ましくは38μm以下、更に好ましくは35μm以下である。一方、平均高さRcの下限は特に限定されないが、フッ素樹脂シートを溶融させやすい観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは5μm以上、更により好ましくは10μm以上、特に好ましくは20μm以上である。フッ素樹脂シートの他方の表面の平均高さRcは、一方の表面の平均高さRcよりも大きいことが好ましい。
フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面の二乗平均平方根高さRqが14.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは12μm以下、更に好ましくは10μm以下、更により好ましくは9μm以下である。一方、二乗平均平方根高さRqの下限は特に限定されないが、フッ素樹脂シートを溶融させやすい観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、更により好ましくは5μm、特に好ましくは7μm以上である。フッ素樹脂シートの他方の表面の二乗平均平方根高さRqは、一方の表面の二乗平均平方根高さRqよりも大きいことが好ましい。
算術平均粗さRa、最大高さRz、平均高さRc、二乗平均平方根高さRqは、後記する実施例の通り、触針を用いない非接触式のレーザー顕微鏡を用いて測定することができる。フッ素樹脂シートを加熱溶融して電子素子を封止する場合、熱可塑性樹脂が溶融し、樹脂の表面がならされるために算術表面粗さ等を低減することができる。そのためフッ素樹脂シートの算術平均粗さ等が上記好ましい範囲等を満たす場合、封止後の固化物の表面粗さ等を後記する好ましい範囲等を満たすように制御し易くすることができる。
本明細書で「フッ素樹脂」とは、フッ素を含むオレフィンの重合体又はその変性物を意味し、上記変性物には、例えば、主鎖末端に−OHや−COOHなどの極性基が結合するものが含まれる。フッ素樹脂としては、−SO3H基などの極性基を側鎖に有さないフッ素樹脂が電子部品の性能維持の観点から好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、クロロトリフルオロエチレン重合体(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)などの結晶性フッ素樹脂;テフロンAF(登録商標;三井・ケマーズフロロプロダクツ社製)、サイトップ(登録商標;AGC社製)などの非晶質フッ素樹脂などが挙げられ、これらフッ素樹脂は、1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記フッ素樹脂としては、結晶性フッ素樹脂がより好ましく、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)がよりさらに好ましい。結晶性フッ素樹脂、特にテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV樹脂)は、基材や電子素子に対する密着性が優れている。
上記THV樹脂としては、テトラフルオロエチレン由来の構成単位T、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位H、及びフッ化ビニリデン由来の構成単位Vを含む樹脂であることが好ましい。更に構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Tのモル比(T)が0.25以上であり、構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Vのモル比(V)が0.60以下である樹脂がより好ましい。これにより紫外線発光素子の発熱に対する耐熱性、および紫外線発光装置の基板等に対する密着性を向上することができる。
構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Tのモル比(T)は0.25以上であることが好ましい。これにより密着性が向上する傾向となる。そのため構成単位Tのモル比(T)の下限は、より好ましくは0.28以上、更に好ましくは0.30以上である。一方、構成単位Tのモル比(T)の上限は、透明性の観点から好ましくは0.75以下、より好ましくは0.60以下、更に好ましくは0.50以下である。
構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Vのモル比(V)は0.60以下であることが好ましい。これにより密着性が向上する傾向となる。そのため構成単位Vのモル比(V)の上限は、好ましくは0.58以下、より好ましくは0.56以下である。一方、構成単位Vのモル比(V)の下限は、0.20以上であることが好ましい。これにより、有機溶媒に対する溶解性が向上するため、紫外線発光素子を封止するに当たって樹脂組成物の塗布回数を低減することができる。そのため構成単位Vのモル比(V)の下限は、より好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.40以上、更により好ましくは0.50以上である。
構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計に対する構成単位Hのモル比(H)は0.05以上、0.50以下であることが好ましい。構成単位Hのモル比(H)の下限は溶解性の観点から、より好ましくは0.07以上、更に好ましくは0.09以上である。一方、構成単位Hのモル比(H)の上限は、耐熱性の観点からより好ましくは0.40以下、更に好ましくは0.30以下、更により好ましくは0.20以下である。
モル比(V)のモル比(T)に対する比(モル比(V)/モル比(T))は、0.20以上、3.50以下であることが好ましい。モル比(V)/モル比(T)を上記範囲に制御することによって、密着性が向上する傾向となる。また、高温加熱時の樹脂の着色を防止できる。モル比(V)/モル比(T)の下限は、より好ましくは0.50以上、更に好ましくは1.00以上、更により好ましくは1.30以上である。一方、モル比(V)/
モル比(T)の上限は、より好ましくは3.00以下、更に好ましくは2.50以下、更により好ましくは2.00以下である。
モル比(H)のモル比(T)に対する比(モル比(H)/モル比(T))は、0.10以上、0.80以下であることが好ましい。モル比(H)/モル比(T)を上記範囲に制御することにより、密着性が向上する傾向となる。モル比(H)/モル比(T)の下限は、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.24以上、更により好ましくは0.28以上である。一方、モル比(H)/モル比(T)の上限は、より好ましくは0.60以下、更に好ましくは0.50以下、更により好ましくは0.40以下である。
フッ素樹脂の各構成単位のモル比は、後記する実施例に記載のNMR測定により求めることができる。モル比の算出に当たっては、例えばEric B. Twum et al., “Multidimensional 19F NMR Analyses of Terpolymers from Vinylidene Fluoride (VDF)-Hexafluoropropylene(HFP)-Tetrafluoroethylene (TFE)”, Macromolecules、2015年, 48巻, 11号, p.3563-3576を参照することができる。
上記THV樹脂は、構成単位T、構成単位H、及び構成単位V以外の他の構成単位を含む樹脂であってもよい。他の構成単位としては、例えばエチレン由来の構成単位、パーフルオロアルキルビニルエーテル由来の構成単位、クロロトリフルオロエチレン由来の構成単位等が挙げられる。
上記THV樹脂の全構成単位に対する構成単位T、構成単位H、及び構成単位Vの合計モル比は、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.90以上、特に好ましくは0.95以上、最も好ましくは1である。即ち変性されていないTHV樹脂であることが最も好ましい。これにより耐熱変形性を向上し易くすることができる。
上記フッ素樹脂(好ましくは上記THV樹脂)の重量平均分子量は50,000以上、1,000,000以下であることが好ましい。重量平均分子量を50,000以上とすることにより融解時の粘度を高くすることができるため、LED点灯時の封止樹脂の形状変化を抑制することができる。上記フッ素樹脂(好ましくは上記THV樹脂)の重量平均分子量の下限は、より好ましくは100,000以上、更に好ましくは200,000以上、更により好ましくは250,000以上、特に好ましくは300,000以上であ
る。一方、上記フッ素樹脂(好ましくは上記THV樹脂)の重量平均分子量を1,000,000以下とすることにより溶解性が良くなる。上記フッ素樹脂(好ましくは上記THV樹脂)の重量平均分子量の上限は、より好ましくは800,000以下、更に好ましくは500,000以下、更により好ましくは450,000以下、特に好ましくは400,000以下である。なお、重量平均分子量は標準ポリスチレン換算値である。
上記フッ素樹脂が共重合体である場合、該共重合体は、ランダム共重合体、またはブロック共重合体のいずれであってもよいが、ランダム共重合体であることが好ましい。特にTHV樹脂をランダム共重合体樹脂にすることにより、構成単位Tや構成単位Vの結晶化度を抑制することができ、透明性を確保しやすい。
上記フッ素樹脂の屈折率は、好ましくは1.34超、より好ましくは1.35以上、更に好ましくは1.36以上である。これにより、後述する発光素子(好ましくは紫外線発光素子)と封止部の屈折率の差を小さくすることができ、発光素子と封止部との界面における全反射を低減して、光取出し効率を向上させることができる。なお光取出し効率とは、発光素子で発生した光が発光素子の外部に取り出される効率のことである。一方、フッ素樹脂の屈折率の上限は、例えば1.45以下、好ましくは1.40以下であってもよい。屈折率は、カタログ値や一般的な物性表に記載の数値を使用してもよいし、アッベ屈折率計、エリプソメーターなどにより測定することができる。
上記フッ素樹脂は、加熱変形温度が90℃以上、278℃以下であることが好ましい。加熱変形温度が90℃以上であることにより、電子素子の発熱による封止部材の溶融を防止できる。フッ素樹脂の加熱変温度の下限は、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは110℃以上、更により好ましくは115℃以上である。一方、一般的なハンダ材であるAu−Sn(20質量%)の融点が278℃であることから、樹脂の加熱変形温度が278℃以下であることにより、フッ素樹脂の加熱溶融による電子素子の封止を容易にできる。また加熱溶融で封止するときの後述のバンプの溶融を防止できる。フッ素樹脂の加熱変形温度の上限は、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは170℃以下、更により好ましくは150℃以下、特に好ましくは130℃以下である。ここで、加熱変形温度とは、結晶性樹脂の場合には融点であり、非晶性樹脂の場合にはガラス転移点である。加熱溶融による電子素子の封止では、結晶性樹脂の割合が50質量%以上である樹脂シートの場合は融点以上、非晶性樹脂の割合が50質量%よりも多い樹脂シートの場合には、ガラス転移点以上に樹脂シートを加熱することが好ましい。フッ素樹脂の融点又はガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC、株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いて、昇温速度10℃/分で−50℃から200℃の温度まで変化させ、これにより得られるDSC曲線(融点の場合は融解曲線)から中間ガラス温度又は融解ピーク温度(Tm)を測定することにより求めることができる。例えば、結晶性樹脂である3M社製の「THV500GZ」の加熱変形温度(融点)は165℃程度、3M社製の「THV221AZ」の加熱変形温度(融点)は115℃程度であり、非晶性樹脂であるAGC社製の「サイトップ(登録商標)」の加熱変形温度(ガラス転移点)は108℃程度である。また、結晶性フッ素樹脂は、室温で固体であり、封止後の表面にタック性が無く、硬度も十分であり、さらには加熱変形温度(融点)以上への加熱により適度な流動性を発現できるものが好ましく、このような結晶性フッ素樹脂の電子素子の封止への適用は非常に有効である。
フッ素樹脂シート100質量%中、フッ素樹脂の量は40質量%以上、99質量%以下であることが好ましい。フッ素樹脂の量が40質量%以上であることにより、フッ素樹脂の密着性が発揮され易くなる。そのためフッ素樹脂の量の下限は、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上である。一方、フッ素樹脂の量が99質量%以下であることにより、フィラーの熱伝導性が発揮され易くなる。そのためフッ素樹脂の量の上限は、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
フィラーとして、有機フィラー、無機フィラーが挙げられる。有機フィラーとして、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール系フィラー、超高分子量ポリエチレン系フィラー、熱伝導性炭素系フィラー等が挙げられる。無機フィラーとして、金属、金属フッ化物、金属酸化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、金属スルホン酸塩、金属硝酸塩、金属窒化物、窒化ホウ素等が挙げられる。無機フィラーは、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。無機フィラーにより、フッ素樹脂の熱分解を防止し易くすることができる。
無機フィラーは、金属フッ化物であることが好ましい。金属フッ化物として、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、氷晶石等が挙げられる。このうちフッ化マグネシウムが好ましい。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。無機フィラーとしては、多結晶体であっても単結晶体であってもよいが、フッ素樹脂シートや樹脂組成物の固化物の光透過性が向上しやすい観点からは、粒子中に含まれる粒界が少ない方が好ましく、単結晶体を用いる事が最も好ましい。無機フィラーが単結晶体か否かについては、例えば電子顕微鏡で電子線回折パターンを確認することにより判断することができる。
フィラーの体積平均粒子径(D50)が300μm以下であることが好ましい。フィラーの体積平均粒子径が300μm以下であることによりフッ素樹脂シートの温度上昇に伴う変色を低減することができる。フィラーの粒径は、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150である。一方、フィラーの粒径は0.5μm以上であることが好ましい。フィラーの粒径を0.5μm以上とすることにより樹脂とフィラー間での光の散乱を抑えることができ、樹脂の透明性が優れる。フィラーの粒径の下限は、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上、更により好ましくは30μm以上、特に好ましくは60μm以上である。なお、フィラーの体積平均粒子径(D50)とは、レーザー回析法による体積累積頻度50%の粒径D50を意味する。
フッ素樹脂シート100質量%中、フィラーの含量が1質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。フィラーの量が1質量%以上であることにより、フッ素樹脂の熱分解を防止し易くすることができる。そのためフィラーの量の下限は、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、更により好ましくは13質量%以上、特に好ましくは15質量%以上である。一方、フィラーの量が60質量%以下であることにより、フッ素樹脂の密着性が発揮され易くなる。そのためフィラーの量の上限は、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
フッ素樹脂シートは、フッ素樹脂、フィラーの他に添加剤等を含有していてもよい。
フッ素樹脂シート100質量%中、フッ素樹脂とフィラーの合計含量は90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、97質量%以上であることが更により好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。これにより、フッ素樹脂の密着性とフィラーの熱伝導性が発揮され易くなる。
フッ素樹脂シートの厚さが100μm以上であることが好ましい。フッ素樹脂シートの厚さが100μm以上であることにより、電子素子を封止し易くすることができる。より好ましくは500μm以上、更に好ましくは900μm以上、更により好ましくは1200μm以上である。一方、フッ素樹脂シートの厚さの上限は、特に限定されないが、5000μm以下であってもよく、2000μm以下であってもよい。
フッ素樹脂シートは、電子素子の封止に用いられるものであることが好ましく、発光素子の封止に用いられるものであることがより好ましく、紫外線発光素子の封止に用いられるものであることが更に好ましい。フッ素樹脂シートは、特に紫外線に対する耐久性に優れ、かつ密着性、耐熱性にも優れているため、特に紫外線発光素子の封止に好適に用いることができる。
本発明には、基板と、基板上に設けられた電子素子とを備え、電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止されており、固化物が、上面から下面に向けてフィラー濃度が増加する部分を有する電子装置も含まれる。固化物が、上面から下面に向けてフィラー濃度が増加する部分を有することにより、フィラーにより形成される上面の凹凸を低減することができる。これにより、出射光が封止部の表面の凹凸により拡散され難くなるため、出射光のムラを低減することができる。
上記電子装置は、電子素子の上面を覆う様に、上記好ましい態様1又は好ましい態様2に相当するフッ素樹脂シートを配置し、このフッ素樹脂シートを溶融して電子素子を封止することによって製造可能である。従って上記電子素子は、好ましい態様1又は好ましい態様2のフッ素樹脂シートの特徴を備えていることが好ましく、例えば、好ましい態様1の特徴を備えた電子素子は、固化物を最大厚さ部分において厚さ方向に等分割して、基板の表面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、固化物の上面を含む領域が、上面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さくなっている。同様に、好ましい態様2の特徴を備えた電子素子は、基板の表面に平行な面で区切られ、フィラー濃度が一定である領域を固化物の深さ方向に複数有し、固化物の表面を含む領域(A1)は、該領域(A1)に隣接する領域(B1)よりもフィラー濃度が小さくなっている。
以下では、本発明のフッ素樹脂シートの特徴を備えた紫外線発光装置の一例について、側面図である図16を参照しながら、より詳細に説明する。なお図16では、後述する配線やバンプの図示は省略している。図16の例では、複数の切り欠け線38aで領域分けされた平らな基板38の各領域の上に、電子素子(図示例では、紫外線発光素子)37が設けられている。図16の紫外線発光素子37は、図15に示すように紫外線発光素子37上に本発明のフッ素樹脂シート9(図15の例では、図1に示したフッ素樹脂シート9)を配置して加熱溶融して形成された固化物20により封止されている。図16の固化物20は、図1に示したフッ素樹脂シート9と同様に、上面S1から下面S2に向けてフィラー濃度が増加する部分を有しており、例えば、図2、図3、図4、図5、図6などでM1及びP1で示される部分は、いずれも前記フィラー濃度増加部分に該当する。好ましい態様1のフッ素樹脂シートの固化物20により封止した場合には、図16に示す様に固化物20は区切られた3つ以上の領域を有しており、図示例では以下の4つの領域を有している。
1)固化物20の上面20aを含む領域(以下では上面側領域21と呼ぶ)
2)固化物20の上面20aを含まず基板38に接する下面20bを含む領域(以下では下面側領域22と呼ぶ)
3)固化物20の上面20aと下面20bを含まない内部領域(以下では2つの内部領域23a、23b)
この場合、上面側領域21の方が下面側領域22よりもフィラー濃度が小さいか、上面側領域21の方が内部領域23a、23bの少なくとも1つ(より好ましくは内部領域23a、23bの全て)よりもフィラー濃度が小さいか、又は上面側領域21の方が下面側領域22と内部領域23a、23bの少なくとも1つ(より好ましくは内部領域23a、23bの全て)よりもフィラー濃度が小さいことが好ましい。これにより上面20aの凹凸を低減することができる。なお各領域におけるフィラー濃度とは、各領域100質量%に対するフィラーの質量割合(質量%)を意味する。例えば内部領域23aにおけるフィラー濃度は、内部領域23aの全質量に対する内部領域23aに含まれるフィラーの全質量の割合を算出することにより求めることができる。
上面側領域21の方が下面側領域22と内部領域23a、23bの少なくとも1つよりもフィラー濃度が小さい場合、内部領域23a、23bの方が下面側領域22よりもフィラー濃度が小さいことがより好ましい。これにより上面20aの凹凸を低減しつつ、下面20b側でフィラーの熱伝導性等の特性を発揮し易くすることができる。
下面側領域22は、内部領域23a、23bの少なくとも1つ(より好ましくは内部領域23a、23bの全て)よりもフィラー濃度が小さくなっていることも好ましい。これにより、電子素子(図示例では紫外線発光素子)37と基板38との間にフッ素樹脂が侵入しやすくなり、封止性をさらに高めることができる。
図16の固化物20の最大厚さ部分は、基板38上の紫外線発光素子37が設けられていない部分に相当し、最大厚さは、基板38の表面から垂直方向に向かって上面20aに至るまでの距離に相当する。
後記する図20に示す紫外線発光装置51のように、固化物40が上方に盛り上がってレンズ形状になっている場合には、固化物40の最大厚さ部分は、符号Tで示される部分であり、最大厚さは、基板39表面から垂直方向に向かって上面40aの最大厚さ部分Tに至るまでの距離(図中の矢印の長さ)に相当する。
上記好ましい態様1における領域の数(等分割数)は、3つ以上であれば任意に設定できる。任意の等分割数で分けられる態様の内、少なくとも1つの態様で上記好ましい態様1の関係を満足すれば、たとえ他の等分割数としたときの態様で、好ましい態様1の関係を満足しなくても、好ましい態様1の関係を満足する固化物である。領域数(分割数)は、好ましくは3〜10の範囲で設定でき、より好ましくは3〜8の範囲で設定でき、特に好ましくは3〜5の範囲で設定でき、最も好ましくは3である。
以下では、好ましい態様2のフッ素樹脂シートの特徴を備えた紫外線発光装置の他の一例について、側面図である図17を参照しながら、より詳細に説明する。なお図17では、後述する配線やバンプの図示は省略している。図17の例では、電子素子(図示例では、紫外線発光素子37)上に好ましい態様2に相当する図8のフッ素樹脂シートを配置して加熱溶融して形成された固化物40により紫外線発光素子37が封止されている。図17の固体物40は、基板38の表面に平行な面で区切られた固体物40の上面40aを含むフィラー濃度一定領域(上面側フィラー濃度一定領域41)と、固体物40の下面40bを含むフィラー濃度一定領域(下面側フィラー濃度一定領域42)と、上面側フィラー濃度一定領域41と下面側フィラー濃度一定領域42とに隣接する濃度一定領域(隣接濃度一定領域43)とを備えている。この場合、上面側フィラー濃度一定領域41の方が隣接濃度一定領域43よりもフィラー濃度が小さいことが好ましい。即ち固化物の表面を含む領域(A1)が該領域(A1)に隣接する領域(B1)よりもフィラー濃度が小さくなっていることが好ましい。これにより固体物40の上面40aから下面40bに向けてフィラー濃度が増加する部分を形成することができ、表面の凹凸を低減することができる。
上面側フィラー濃度一定領域41が隣接濃度一定領域43と下面側フィラー濃度一定領域42よりもフィラー濃度が小さくなっていることがより好ましく、更に隣接濃度一定領域43が下面側フィラー濃度一定領域42よりもフィラー濃度が小さくなっていることが更に好ましい。これにより上面40aの凹凸を低減しつつ、下面40b側でフィラーの熱伝導性等の特性を発揮し易くすることができる。
下面側フィラー濃度一定領域42は、隣接濃度一定領域43よりもフィラー濃度が小さくなっていることも好ましい。これにより、電子素子(図示例では紫外線発光素子)37と基板38との間にフッ素樹脂が侵入しやすくなり、封止性をさらに高めることができる。
またフィラー濃度が一定である領域は、3つに限られず、フッ素樹脂シートの場合と同様であり、2つでもよく、4つ以上でもよく、6以下または5以下であってもよい。
図18は、フィラー濃度が一定である領域が2つである場合の側面図であり、上面側フィラー濃度一定領域41に隣接する濃度一定領域は、隣接濃度一定領域43と下面側フィラー濃度一定領域42に相当する。即ち、隣接濃度一定領域43と下面側フィラー濃度一定領域42は同じ領域であってもよい。この場合、上面側フィラー濃度一定領域41の方が隣接濃度一定領域43(下面側フィラー濃度一定領域42)よりもフィラー濃度が小さければよい。
また第2の好ましい態様に相当するフッ素樹脂シートから得られる固化物40は、第2の好ましい態様のフッ素樹脂シートの場合と同様、フィラー濃度が一定である領域の数と単位シート(a)に由来する均一層部分(以下、シート由来層(a)という)の数は等しくてもよく、フィラー濃度が一定である領域の数よりもシート由来層(a)の数の方が多くてもよい。図19は、図13のフッ素樹脂シートを加熱溶融して形成された固化物40の側面図であり、上面側フィラー濃度一定領域41が隣接濃度一定領域43よりもフィラー濃度が常に小さいこと以外は、図13のフッ素樹脂シートと同様の特性を有している。
固化物が、上面を含みフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域におけるフィラーの含量が10質量%以下であることが好ましい。これにより固化物の上面の凹凸を低減することができる。より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更により好ましくは2質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
固化物が、基板に接してフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域におけるフィラーの含量が10質量%以下であることが好ましい。これにより固化物の基板に対する密着性を向上することができる。より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更により好ましくは2質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
固化物における濃度一定領域の形状として、層状が挙げられる。
固化物の上面の算術平均粗さRaが5.0μm以下であることが好ましい。これにより出射光のムラを低減し易くすることができる。算術平均粗さRaは、より好ましくは4.0μm以下、更に好ましくは3.0μm以下、更により好ましくは2.0μm以下である。一方、算術平均粗さRaの下限は特に限定されないが、例えば0.1μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよい。
固化物の上面の最大高さRzが35μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下、更により好ましくは15μm以下である。一方、最大高さRzの下限は特に限定されないが、例えば1μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。
固化物の上面の平均高さRcが15μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは8μm以下である。一方、平均高さRcの下限は特に限定されないが、例えば1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよい。
固化物の上面の二乗平均平方根高さRqが6μm以下であることが好ましく、より好ましくは4μm以下、更に好ましくは3μm以下である。一方、二乗平均平方根高さRqの下限は特に限定されないが、例えば0.1μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよい。
算術平均粗さRa、最大高さRz、平均高さRc、二乗平均平方根高さRqは、後記する実施例の通り、触針を用いない非接触式のレーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
なお固化物中のフッ素樹脂、及びフィラーの種類、含量等については、上記フッ素樹脂シートのフッ素樹脂、及びフィラーの記載を参照することができる。
固化物20は、上記の通りフッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物であり、当該樹脂組成物の固化物として、上記好ましい態様1、2のフッ素樹脂シート等が挙げられる。また上記の通り、図15に示す紫外線発光装置50のように、平板の基板38上に設けられている紫外線発光素子37上にフッ素樹脂シート9を配置して加熱溶融して、冷却することにより図16に示すような紫外線発光素子37を封止する固化物20を形成することができる。当該加熱温度は、フッ素樹脂の加熱変形温度以上であり、加熱変形温度+10℃以上が好ましく、加熱変形温度+20℃以上がより好ましい。加熱温度の上限は、例えば、270℃であり、より好ましくは230℃である。加熱時間は好ましくは2時間以上、4時間以下である。
また固化物20は、フッ素樹脂、フィラーを適当な溶媒に溶解して得た樹脂組成物を塗布、乾燥する工程を1回以上繰り返すことによっても形成することもできる。例えばフッ素樹脂とフィラーを適当な溶媒に溶解して得た樹脂組成物を用いて塗布、乾燥した後、更にフッ素樹脂のみ適当な溶媒に溶解して得た樹脂組成物を用いて塗布、乾燥することにより固化物20を形成してもよい。これにより固化物20の上面20aの凹凸を低減することができる。
塗布工程に用いる溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム類が挙げられる。
次に、フッ素樹脂シートにより紫外線発光素子が封止された紫外線発光装置の一例を示す側面図である図16、他の一例を示す断面図である図20、紫外線発光素子の一例を示す側面図である図21を参照しながら、電子装置の実施の形態について説明する。
基板は、図16に示すような平らな基板38であってもよいし、図20に示すような側壁39aを備える基板39であってもよい。基板は例えば窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al23)等のセラミックス等で形成することができる。なお平板の基板38の場合、図16等に示すように複数の紫外線発光素子37を封止してから、切り欠け線38aで複数のブロックに切断して用いることができる。
電子素子としては、発光素子が挙げられ、発光素子として紫外線発光素子が挙げられる。紫外線発光素子としては、図21のフリップチップタイプの紫外線発光素子37が挙げられる。紫外線発光素子37は、下側面の一部にアノード側のp電極30を備え、該p電極30の上にp層32が形成されている。更に紫外線発光素子37の下側面の別の一部に、カソード側のn電極31を備え、n電極31の上にn層34が形成されている。これらn電極31とn層34は、上記p電極30とp層32よりも上方にシフトして形成されており、上方に存在するn層34と下方に存在するp層32との間に活性層33が形成されている。更に上方に存在するn層34のさらに上に基材35が存在する。
n層34は、例えばSi含有AlGaN層が挙げられる。p層32は、例えばMg含有GaN層が挙げられる。このp層32は、必要に応じて電子ブロック層などと積層構造にしてもよい。活性層33は、例えばAlGaN層が挙げられる。p電極30、p層32からn層34、n電極31に向けて順方向電流を流すことにより活性層33におけるバンドギャップエネルギに応じた発光が生じる。バンドギャップエネルギは、活性層33の例えばAlNモル分率を調整することにより、GaNとAlNが取り得るバンドギャップエネルギ(約3.4eVと約6.2eV)の範囲内で制御することができ、発光波長が約200nmから約365nmまでの紫外線発光を得ることができる。
紫外線発光素子37の発光ピーク波長は300nm以下であることが好ましい。発光ピーク波長が300nm以下であることにより殺菌効果が発揮され易くなるため、殺菌用の発光装置に紫外線発光素子37を用いることができる。発光ピーク波長は、より好ましくは280nm以下である。
なお基材35として、サファイア基板、窒化アルミニウム基板等が挙げられる。p電極30の素材としてNi/Au、n電極31の素材として、Ti/Al/Ti/Au等が挙げられる。また図示していないがp電極30とn電極31の間の露出面は、短絡を防止するためにSiO2等の保護絶縁膜により被覆されていてもよい。
図20に示す基板39上には配線(図示せず)が形成され、該配線上には、Au、Au−Sn(20質量%)合金等の金属製のバンプ5が形成されている。そしてバンプ5を介して、配線(図示せず)と紫外線発光素子37のp電極30、n電極31とがそれぞれ電気接続できるように固定されている。当該紫外線発光素子実装パッケージは固化物40で封止されて紫外線発光装置51が形成されている。
その他に、紫外線発光素子等が固化物により封止され、かつその表面に、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス等で形成された集光レンズが設けられて、紫外線発光装置が形成されていてもよい。集光レンズによって光取出し効率を向上することができるが、該集光レンズは必ずしも設ける必要はない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[NMR測定]
フッ素樹脂であるスリーエムジャパン株式会社製のダイニオンTHV221AZ粉末(以下ではTHV221AZと呼ぶ)について、下記条件で構成単位T、構成単位H、構成単位Vの各モル比を求めた。その結果、構成単位Tのモル比は0.35、構成単位Hのモル比は0.11、構成単位Vのモル比は0.54であった。
測定装置:JEOL ECZ−400
試料:約60mg/0.8ml ACT−d6
IS:4−クロロベンゾドリフルオリド 0.01mL
測定モード:1H、19
緩和時間:1H 30秒、19F 20秒
構成単位Hのユニット数:CF3の積分比を3で除して算出(CF3積分比/3)
構成単位Vのユニット数:CH2の積分比を2で除して算出(CH2積分比/2)
構成単位Tのユニット数:CF2の合計積分比より、構成単位H由来のCF2と構成単位V由来のCF2を差し引いたものを4で除して算出((CF2合計積分比−構成単位Vのユニット数×2−構成単位Hのユニット数×2)/4)
[表面粗さ測定]
オリンパス株式会社製のレーザー顕微鏡OLS4000を用いて、下記樹脂シート、及び下記封止後のLED用基板上の固化物の表面を5倍の倍率で観察を行い、画像を取得した。画像の任意の5か所の表面粗さ曲線からJIS B0601(2013)に基づいて算術平均粗さRa、最大高さRz、平均高さRc、二乗平均平方根高さRqをそれぞれ測定し、その平均値を算出した。
[フィラーの作製]
MgF2粉末(ピアーオプティックス株式会社製、品番:MFGR3−6を粉砕し60メッシュの篩を通過したもの:D50=218μm)を下記条件にてボールミルを用いて粉砕してMgF2フィラーを得た。
〈粉砕条件〉
粉砕装置:ボールミルANZ−51S(日陶科学株式会社製)
容器:250mLアイボーイ(アズワン株式会社製、品番:5−002−03)
メディア:400g ジルコニアボール 10mmφ(アズワン株式会社製 品番:5−4060−14)
MgF2粉末:100g
溶媒:イソプロピルアルコール(IPA、ナカライテクス株式会社製) 100g
回転数:58rpm
粉砕時間:4時間
[MgF2フィラーの粒度分布測定]
MgF2フィラーの粒度分布測定は、下記条件のレーザー回折法により、各調製済のMgF2フィラーの粒度の積算分布曲線を得て、体積累積頻度50%における粒径である粒径D50を求める方法で行った。MgF2フィラーの粒径D50は112μmであった。
測定装置:LS230 (ベックマン・コールター株式会社製)
分散溶媒:イオン交換水+中性洗剤
分散方法:スターラー撹拌+超音波照射 3分
屈折率(MgF2):1.40−0.20i
[THV221溶液の作製]
ウォーターバスに設置したセパラブルフラスコに酢酸ブチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)160gを測り入れ、攪拌しながらウォーターバスを85℃まで昇温した。更に攪拌しながら、スリーエムジャパン株式会社製のTHV221AZを少量ずつ40g加えて溶解させて、20質量%の樹脂溶液を作製した。
[フィラー含有樹脂のペレットの作製]
得られた20質量%の樹脂溶液35gを250mLのディスポカップに入れ、更に上記MgF2フィラーを2.8g添加した。なお樹脂の密度を1.95(g/cm)、MgF2フィラーの密度を3.15(g/cm)として、MgF2フィラーの体積率を算出すると20体積%であった。次に自転公転ミキサー(あわとり練太郎ARV−310、株式会社シンキー社製)で2000rpm、2分間混合する操作を3回実施して、樹脂溶液とMgF2フィラーを混合した。更にマグネットスターラーを入れて400rpmで攪拌してMgF2フィラーが均一に樹脂溶液中に舞っている状態を維持しながら、ナカライテクス株式会社製のイソプロピルアルコール(IPA)70gを一気に入れることにより、MgF2フィラーと一部の溶媒を巻き込みながら樹脂を一気に析出させた。析出した樹脂の塊を取り出し、更に塊からスターラーを取り出した後、アルミカップの上に置いて常温で4時間、乾燥させた。更に乾燥を促進させるためにハサミを用いて約3cm角のサイズに切り一晩乾燥させた。当該乾燥後の塊は、溶媒がほぼ蒸発して縮んでおり溶媒臭は残っていなかった。更にハサミで約5mm角に切り、100℃に設定したホットプレートの上で3時間乾燥させた。得られた約5mm角の塊をテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)製のシャーレに移し、真空乾燥機中で200℃の条件で3時間、脱泡、および乾燥を行った。なお乾燥中に複数の約5mm角の塊は溶融して、乾燥後には一塊になっていた。得られた塊をハサミを用いて約2mm角のサイズに切ってペレットとした。得られたペレットの合計量は9.6gであり、使用した樹脂とMgF2フィラーの合計量に対する収率は100%であった。
[フィラー含有樹脂シートの作製]
厚さ5mm、15cm角のSUS板の上に厚さ0.2mm、15cm角のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムを積層し、PTFEフィルムの上に、中心に5cm角の貫通孔を備える厚さ1.0mm、15cm角のSUS板を積層した。次いで上記ペレットを、上記5cm角の貫通孔の中に5.2g入れた。更に厚さ0.2mm、15cm角のPTFEフィルムと、厚さ5mm、15cm角のSUS板とを順に積層して金型を組立てた。次いで、プレス機の温度を200℃に設定し、加圧せずにプレス機の上下板を金型の上下の上記SUS板に接触させた状態で3分保持してペレットを溶融させた。その後50MPaの圧力で2分間加圧した。加圧後に金型を取り出して、別途、水を通した2枚のSUS板で金型を挟んで十分に冷却して、金型を分解してフィラー含有樹脂シートを取り出した。更に、得られたフィラー含有樹脂シートを3cm角に切り取った。
[フィラー非含有樹脂シートの作製]
5cm角の貫通孔を備えるSUS板の厚みを0.5mmとし、上記5cm角の貫通孔の中にTHV221AZ粉末を3.1g入れたこと以外は、フィラー含有樹脂シートの作製工程と同様にして、熱プレスを行ってフィラーを含まない厚さ0.5mmのフィラー非含有樹脂シートを得た。更に、得られたフィラー非含有樹脂シートを3cm角に切り取った。
[フッ素樹脂シートの作製]
中心に3cm角の貫通孔を備える厚さ1.5mm、15cm角のSUS板を用いたこと、及び上記3cm角の貫通孔に上記3cm角のフィラー含有樹脂シートと上記3cm角のフィラー非含有樹脂シートの順に入れて積層したこと以外は、フィラー含有樹脂シートの作製工程と同様にして、金型を組立てた。その状態で金型を真空乾燥機に入れて、真空中で200℃、3時間加熱して、二つの樹脂シートを融着させて一体化した。次いで大気中に取り出して十分に冷却して、金型を分解して、得られたフッ素樹脂シートを取り出した。なお得られたフッ素樹脂シートを厚み方向に切断し、断面の写真をレーザー顕微鏡で撮影した。当該写真を示す図である図22において、図1のように厚さ方向に等分割してシート平面に平行な面で区切られた領域を4つ設定した。図22に示すように、フィラー含有樹脂シートに由来する第2表面側領域2と内部領域3a、3bにはMgF2フィラーが含まれていた一方で、フィラー非含有樹脂シートに由来する第1表面側領域1にはMgF2フィラーは含まれていなかった。即ち得られたフッ素樹脂シートは、一方の表面S1から中心C1に向けてフィラー濃度が増加する部分を有するものであった。また、得られたフッ素樹脂シートのフィラー非含有樹脂シート側の表面(表面S1)の表面粗さは、Raが9.3μm、Rzが65.1μm、Rcが33.7μm、Rqが12.8μmであった。
[LED用基板の封止]
LTCC製の3.5mm角のLED用基板(株式会社ヨコオ社製)4枚をアルミカップの上に正方形状に配置してポリイミド両面テープを用いて貼り付けた。その上に上記フッ素樹脂シートを1cm角に切断して、フィラー含有層側をLED用基板側に向けて配置した。更に真空乾燥機中で200℃、3時間加熱して、LED用基板とフッ素樹脂シートとを融着させて、冷却することにより固化物(1)を形成してLED用基板を封止した。その後、カッターを用いて4つのLED用基板に分離した。更に分離したLED用基板を固化物(1)の厚さ方向に切断し、当該断面を図16のように4等分して領域を4つ設定した。フィラー含有樹脂シートに由来する下面側領域22、内部領域23a、23bにはMgF2フィラーが含まれていた一方で、フィラー非含有樹脂シートに由来する上面側領域21にはMgF2フィラーはほとんど含まれていなかった。即ち得られた固化物(1)は、上面から下面に向けてフィラー濃度が増加する部分を有するものであった。更に、上記フィラー含有樹脂シートと、上記フィラー非含有樹脂シートについても同様に、それぞれのシートを用いて4枚のLED用基板を封止し、4つのLED用基板に分離した。これらの封止後のLED用基板上の固化物(2)、固化物(3)の表面の算術平均粗さRa等の評価を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 2021161271
表1に示す通り、本発明に係るフッ素樹脂シートを用いて得られた固化物の表面の算術平均粗さRa等は、フィラー含有樹脂シートを用いて得られた固化物の表面の算術平均粗さRa等の1/3以下にまで低減されていた。これにより出射光が封止部の表面の凹凸により拡散され難くなるため、出射光のムラを低減することができる。
1 第1の表面を含む領域(第1表面側領域)
2 第2の表面を含む領域(第2表面側領域)
3a 表面を含まない領域(内部領域)
3b 表面を含まない領域(内部領域)
9 フッ素樹脂シート
9a 第1の表面
9b 第2の表面
10 フッ素樹脂シート
10a 第1の表面
10b 第2の表面
11 第1の表面を含むフィラー濃度一定領域(第1表面側濃度一定領域)
12 第2の表面を含むフィラー濃度一定領域(第2表面側濃度一定領域)
13 隣接濃度一定領域
20 固化物
20a 固化物の上面
20b 固化物の下面
21 上面を含む領域(上面側領域)
22 下面を含む領域(下面側領域)
23a 内部領域
23b 内部領域
30 p電極
31 n電極
32 p層
33 活性層
34 n層
35 基材
36 バンプ
37 紫外線発光素子
38 基板
38a 切り欠け線
39 基板
39a 側壁
40 固化物
40a 固化物の上面
40b 固化物の下面
50 紫外線発光装置
51 紫外線発光装置

Claims (19)

  1. フィラーを含有するフッ素樹脂シートであって、
    前記フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面から中心に向けてフィラー濃度が増加する部分を有することを特徴とするフッ素樹脂シート。
  2. 前記フッ素樹脂シートを厚さ方向に等分割してシート平面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、
    前記フッ素樹脂シートの表面を含む2つの領域のうち少なくとも一方の領域が、前記フッ素樹脂シートの表面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さい請求項1に記載のフッ素樹脂シート。
  3. シート平面に平行な面で区切られ、フィラー濃度が一定である領域をシート厚さ方向に複数有し、
    前記フッ素樹脂シートの表面を含む領域のうち少なくとも一方の領域(A)は、前記領域(A)に隣接する領域(B)よりもフィラー濃度が小さい請求項1または2に記載のフッ素樹脂シート。
  4. 前記フッ素樹脂シートの少なくとも一方の表面の算術平均粗さRaが10.0μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
  5. テトラフルオロエチレン由来の構成単位T、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位H、及びフッ化ビニリデン由来の構成単位Vを含むフッ素樹脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
  6. 前記フィラーの体積平均粒子径(D50)が300μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
  7. 前記フッ素樹脂シート100質量%中、前記フィラーの含量が1質量%以上、60質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
  8. 厚さが100μm以上である請求項1〜7のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
  9. 電子素子の封止に用いられるものである請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素樹脂シート。
  10. フィラーを含有するフッ素樹脂シートであって、
    前記フッ素樹脂シート100質量%中、前記フィラーの含量が10質量%以上、60質量%以下であり、
    いずれか一方の表面の算術平均粗さRaが10.0μm以下であるフッ素樹脂シート。
  11. 基板と、前記基板上に設けられた電子素子とを備え、
    前記電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止されており、
    前記固化物が、上面から下面に向けてフィラー濃度が増加する部分を有することを特徴とする電子装置。
  12. 前記固化物を最大厚さ部分において厚さ方向に等分割して、前記基板の表面に平行な面で区切られた領域を3つ以上設定したとき、
    前記固化物の上面を含む領域が、前記上面を含まない残りの領域のうちの少なくとも1つの領域よりも、フィラー濃度が小さい請求項11に記載の電子装置。
  13. 前記固化物が、前記上面を含みフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域における前記フィラーの含量が10質量%以下である請求項11または12に記載の電子装置。
  14. 前記固化物が、前記基板に接してフィラー濃度が一定である領域を有し、当該領域における前記フィラーの含量が10質量%以下である請求項11〜13のいずれかに記載の電子装置。
  15. 前記固化物の前記上面の算術平均粗さRaが5.0μm以下である請求項11〜14のいずれかに記載の電子装置。
  16. 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン由来の構成単位T、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位H、及びフッ化ビニリデン由来の構成単位Vを含む請求項11〜15のいずれかに記載の電子装置。
  17. 前記フィラーの体積平均粒子径(D50)が300μm以下である請求項11〜16のいずれかに記載の電子装置。
  18. 前記固化物中、前記フィラーの含量が1質量%以上、60質量%以下である請求項11〜17のいずれかに記載の電子装置。
  19. 基板と、前記基板上に設けられた電子素子とを備え、
    前記電子素子が、フッ素樹脂とフィラーを含有する樹脂組成物の固化物により封止されており、
    前記固化物の上面の算術平均粗さRaが5.0μm以下であることを特徴とする電子装置。
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