JP2021162100A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Keita Kasama
慎也 畑内
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Abstract

【課題】無段変速機構が動力を伝達しない状況における無段変速機構でのメカニカルロスを低減できる、車両用制御装置を提供する。【解決手段】インプット軸21とアウトプット軸24との間において、無段変速機構22を介さない動力伝達経路、つまりリバース伝達機構23を介する後進動力伝達経路で動力が伝達されているか否かが判断される。そして、リバース伝達機構23を介する後進動力伝達経路で動力が伝達される状況、つまり無段変速機構22が動力を伝達しない状況では、ベルト35による動力の伝達に十分な通常挟圧力よりも低減された挟圧力がベルト35に付与される。【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト式の無段変速機を搭載した車両に用いられる制御装置に関する。
たとえば、エンジンの動力により走行するコンベンショナルな車両には、変速機が搭載されている。エンジンの動力は、変速機のインプット軸に入力されて、変速機内で変速され、変速機のアウトプット軸からデファレンシャルギヤなどを介して左右の駆動輪に伝達される。
変速機として、ベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が知られている。ベルト式の無段変速機は、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成の無段変速機構を備えている。インプット軸に入力された動力がプライマリプーリの回転軸に伝達されると、その動力がプライマリプーリからベルトを介してセカンダリプーリに伝達される。また、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに供給される油圧が制御されて、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各溝幅が変更されることにより、プーリ比(変速比)が連続的に無段階で変化する。
また、ベルト式の無段変速機には、無段変速機構と並列に、ギヤ機構を設けたものがある。この無段変速機では、車両の発進時に、インプット軸に入力される動力がギヤ機構を介してアウトプット軸に伝達される。そして、動力伝達経路を切り替える切替条件が成立すると、動力伝達経路がギヤ機構を経由する経路から無段変速機構を経由する経路に切り替えられる。
特開2002−48213号公報
動力がギヤ機構を介して伝達され、無段変速機構が動力を伝達しない状況においても、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに供給される油圧による挟圧力がベルトに付与されている。これにより、切替条件が成立したことに応じて、動力伝達経路を切り替えたときに、ベルト滑りの発生が抑制され、ベルトを介した動力の伝達が即座に開始される。
ところが、無段変速機構が動力を伝達しないにもかかわらず、ベルトに挟圧力が付与されることによるメカニカルロスが発生し、そのメカニカルロスにより無段変速機全体での動力の伝達効率が低下する。
本発明の目的は、無段変速機構が動力を伝達しない状況における無段変速機構でのメカニカルロスを低減できる、車両用制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成の無段変速機構を経由して動力を伝達する第1動力伝達経路と、無段変速機構を経由せずに動力を伝達する第2動力伝達経路とが設定された無段変速機を搭載した車両に用いられる制御装置であって、ベルトによる動力の伝達に十分な通常の挟圧力がベルトに付与されるように、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに供給される油圧を制御する通常制御手段と、第2動力伝達経路で動力が伝達される状況で、通常制御手段に代わり、通常の挟圧力よりも低減された挟圧力がベルトに付与されるように、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに供給される油圧を制御する低減制御手段とを含む。
この構成によれば、第2動力伝達経路で動力が伝達される状況、つまり無段変速機構が動力を伝達しない状況で、ベルトによる動力の伝達に十分な通常の挟圧力よりも低減された挟圧力がベルトに付与される。これにより、無段変速機構でのメカニカルロスを低減できる。そして、そのメカニカルロスの低減により、車両を走行させる駆動力を大きく確保することができ、車両の走行性能の向上を図ることができる。
低減制御手段は、第2動力伝達経路で動力が伝達され、かつ車両が駆動力を必要とする状況において、通常制御手段に代わり、通常の挟圧力よりも低減された挟圧力がベルトに付与されるように、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに供給される油圧を制御してもよい。
この構成によれば、車両に駆動力が必要とされる場合に、無段変速機構でのメカニカルロスの低減により、車両を走行させる駆動力を大きく確保することができるので、登坂路や悪路など、駆動力が要求される路面での車両の走破性を向上させることができる。
第2動力伝達経路で動力が伝達される状況は、車両の駆動輪に後進駆動力が伝達されて、車両が後進走行(リバース走行)する状況であってもよい。
とくに、商用車では、登坂時に荷台での荷崩れの発生を防止するためにリバース走行(後進走行)するという独特の使われ方があり、この使われ方におけるリバース走行時に、ベルトに付与される挟圧力が低減されて、無段変速機構でのメカニカルロスが低減され、駆動力が大きく確保されることにより、車両の登坂性能の向上を見込むことができる。
本発明によれば、無段変速機構でのメカニカルロスの低減により、車両を走行させる駆動力を大きく確保することができ、ひいては車両の走行性能の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る車両の駆動系の構成を示すスケルトン図である。 車両の制御系の構成を示すブロック図である。 挟圧力制御態様決定処理の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の駆動系>
図1は、本発明の一実施形態に係る車両1の駆動系の構成を示すスケルトン図である。
車両1は、エンジン2を駆動源として搭載し、たとえば、FR(Front-engine Rear-wheel-drive:フロントエンジン・リヤドライブ)レイアウトを採用している。エンジン2は、クランクシャフト3が車両1の前後方向(以下、単に「前後方向」という。)に対して縦向きになる縦置きで車両1の前部に搭載される。
エンジン2は、たとえば、3気筒4ストロークエンジンであるが、3気筒4ストロークエンジンに限定されない。すなわち、エンジン2の気筒数は、3気筒に限らず、4気筒以上であってもよいし、2気筒以下であってもよい。また、エンジン2のストローク数は、4ストロークに限らず、2ストロークであってもよい。エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸入空気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが備えられている。また、エンジン2のクランキングのためのスタータモータがエンジン2に付随して設けられている。
エンジン2の動力は、変速ユニット4に入力される。変速ユニット4から出力される動力は、プロペラシャフト5を介して、デファレンシャルギヤ6に伝達され、デファレンシャルギヤ6から左右の駆動輪(後輪)7L,7Rに伝達される。
変速ユニット4は、外殻をなすユニットケース内に、トルクコンバータ8および無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)9を備えている。
トルクコンバータ8は、ロックアップ機構付きのトルクコンバータであり、フロントカバー11、ポンプインペラ12、タービンランナ13およびロックアップクラッチ(ロックアップピストン)14を備えている。
フロントカバー11は、前後方向に延びる回転軸線を中心に略円板状に延び、その外周端部がエンジン2側と反対側である後側に屈曲した形状をなしている。フロントカバー11の中心部には、エンジン2のクランクシャフト3が相対回転不能に結合される。
ポンプインペラ12は、フロントカバー11の後側に配置されている。ポンプインペラ12の外周端部は、フロントカバー11の外周端部に接続され、ポンプインペラ12は、フロントカバー11と一体回転可能に設けられている。
タービンランナ13は、フロントカバー11とポンプインペラ12との間に配置されている。
ロックアップクラッチ14は、フロントカバー11とタービンランナ13との間に位置している。ロックアップクラッチ14に対してタービンランナ13側の係合側油室15の油圧がフロントカバー11側の解放側油室16の油圧よりも高いと、その差圧により、ロックアップクラッチ14がフロントカバー11側に移動し、ロックアップクラッチ14がフロントカバー11に押し付けられて、ポンプインペラ12とタービンランナ13とが直結(ロックアップオン)される。
逆に、解放側油室16の油圧が係合側油室15の油圧よりも高いと、その差圧により、ロックアップクラッチ14がタービンランナ13側に移動する。ロックアップクラッチ14がフロントカバー11から離間した状態では、ポンプインペラ12とタービンランナ13との直結が解除(ロックアップオフ)される。ロックアップオフの状態において、エンジントルクによりポンプインペラ12が回転すると、ポンプインペラ12からタービンランナ13に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ13で受けられて、タービンランナ13が回転する。このとき、トルクコンバータ8の増幅作用が生じ、タービンランナ13には、エンジントルクよりも大きなトルクが発生する。
無段変速機9は、インプット軸21、無段変速機構22、リバース伝達機構23およびアウトプット軸24を備えている。無段変速機9は、インプット軸21が前後方向に延びる縦向きとなるように設けられている。
インプット軸21は、トルクコンバータ8の回転軸線上を延び、トルクコンバータ8のタービンランナ13と一体的に回転可能に設けられている。インプット軸21には、インプット軸ギヤ25が一体に形成されるか、または、別体に形成されたインプット軸ギヤ25が相対回転不能に支持されている。
無段変速機構22は、プライマリ軸31、セカンダリ軸32、プライマリ軸31に支持されたプライマリプーリ33、セカンダリ軸32に支持されたセカンダリプーリ34およびプライマリプーリ33とセカンダリプーリ34とに巻きかけられたベルト35を備えている。
プライマリ軸31は、その軸心がインプット軸21の軸心に対して後側から見て右下方に離間した位置に配置されて、インプット軸21と平行に延びている。セカンダリ軸32は、その軸心がインプット軸21の軸心に対して後側から見て左上方に離間した位置に配置されて、インプット軸21と平行に延びている。このように、インプット軸21に対して、プライマリ軸31とセカンダリ軸32とが左右に分かれて配置されている。これにより、プライマリ軸31とセカンダリ軸32との上下方向の軸間距離を短くすることができ、無段変速機9の上下方向のサイズを小さくすることができる。そのため、車両1が商用車などの車室が低床化された車両であっても、その車両1への変速ユニット4の搭載を車両1の最低地上高を確保しつつ可能とすることができる。
プライマリプーリ33は、プライマリ軸31に固定されたプライマリ固定シーブ41と、プライマリ固定シーブ41にベルト35を挟んで対向配置され、プライマリ軸31にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持されたプライマリ可動シーブ42とを備えている。プライマリ可動シーブ42は、プライマリ固定シーブ41に対して前側に配置されている。
プライマリ可動シーブ42に対してプライマリ固定シーブ41側と反対側、つまり前側には、シリンダ43が設けられている。シリンダ43は、内周端がプライマリ軸31に固定され、プライマリ軸31から軸径方向に延び、外周端部が後側に屈曲して延びている。プライマリ可動シーブ42の外周端は、シリンダ43の外周端部に回転径方向の内側から液密的に当接している。プライマリ可動シーブ42とシリンダ43との間は、油圧室(ピストン室)44として形成されている。
セカンダリプーリ34は、セカンダリ軸32に固定されたセカンダリ固定シーブ45と、セカンダリ固定シーブ45にベルト35を挟んで対向配置され、セカンダリ軸32にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持されたセカンダリ可動シーブ46とを備えている。セカンダリ可動シーブ46は、セカンダリ固定シーブ45に対して後側に配置されており、前後方向において、セカンダリ固定シーブ45とセカンダリ可動シーブ46との位置関係は、プライマリプーリ33のプライマリ固定シーブ41とプライマリ可動シーブ42との位置関係と逆転している。
セカンダリ可動シーブ46に対してセカンダリ固定シーブ45と反対側、つまり後側には、ピストン47が設けられている。ピストン47は、内周端がセカンダリ軸32に固定され、セカンダリ軸32から軸径方向に延びている。セカンダリ可動シーブ46の外周端部は、後側に延出しており、ピストン47の外周端は、そのセカンダリ可動シーブ46の外周端部に回転径方向の内側から液密的に当接している。セカンダリ可動シーブ46とピストン47との間は、油圧室48として形成されている。
無段変速機構22では、プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34の各油圧室44,48に供給される油圧が制御されて、プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34の各溝幅が変更されることにより、ベルト変速比(プライマリプーリ33とセカンダリプーリ34とのプーリ比)が一定の変速比範囲内で連続的に無段階で変更される。
具体的には、ベルト変速比が小さくされるときには、プライマリプーリ33の油圧室44に供給される油圧が上げられる。これにより、プライマリプーリ33のプライマリ可動シーブ42がプライマリ固定シーブ41側に移動し、プライマリ固定シーブ41とプライマリ可動シーブ42との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ33に対するベルト35の巻きかけ径が大きくなり、セカンダリプーリ34のセカンダリ固定シーブ45とセカンダリ可動シーブ46との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、ベルト変速比が小さくなる。
ベルト変速比が大きくされるときには、プライマリプーリ33の油圧室44に供給される油圧が下げられる。これにより、ベルト35に対するセカンダリプーリ34の推力がベルト35に対するプライマリプーリ33の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ34のセカンダリ固定シーブ45とセカンダリ可動シーブ46との間隔が小さくなるとともに、プライマリ固定シーブ41とプライマリ可動シーブ42との間隔が大きくなる。その結果、ベルト変速比が大きくなる。
なお、図示されていないが、セカンダリプーリ34の油圧室48には、バイアススプリングが設けられている。バイアススプリングは、一端がセカンダリ可動シーブ46に弾性的に当接し、他端がピストン47に弾性的に当接している。バイアススプリングの弾性力により、セカンダリ可動シーブ46およびピストン47が互いに離間する方向に付勢されている。セカンダリ可動シーブ46には、油圧室48内の油圧およびバイアススプリングによる付勢力が付与され、ベルト35には、それに応じた挟圧力が付与される。
プライマリ軸31の前側の端部には、プライマリ入力ギヤ51が相対回転可能に支持されている。
プライマリ入力ギヤ51とその後側に配置されるプライマリプーリ33との間に、前進クラッチ52が設けられている。前進クラッチ52は、油圧式の摩擦クラッチであり、油圧により係合し、プライマリ軸31に対するプライマリ入力ギヤ51の回転を禁止する。したがって、前進クラッチ52の係合状態では、プライマリ入力ギヤ51が回転すると、プライマリ軸31がプライマリ入力ギヤ51と一体に回転する。この係合状態の前進クラッチ52から油圧が開放されると、前進クラッチ52が解放される。前進クラッチ52の解放により、プライマリ軸31に対するプライマリ入力ギヤ51の回転が許容され、プライマリ入力ギヤ51が回転しても、その回転がプライマリ軸31に伝達されない。
セカンダリ軸32の前側の端部には、セカンダリ入力ギヤ53が相対回転可能に支持されている。
セカンダリ入力ギヤ53とその後側に配置されるセカンダリプーリ34との間には、後進クラッチ54が設けられている。後進クラッチ54は、油圧式の摩擦クラッチであり、油圧により係合し、セカンダリ軸32に対するセカンダリ入力ギヤ53の回転を禁止する。したがって、セカンダリ入力ギヤ53が回転すると、セカンダリ軸32がセカンダリ入力ギヤ53と一体に回転する。この係合状態の後進クラッチ54から油圧が開放されると、後進クラッチ54が解放される。後進クラッチ54の解放により、セカンダリ軸32に対するセカンダリ入力ギヤ53の回転が許容され、セカンダリ入力ギヤ53が回転しても、その回転がセカンダリ軸32に伝達されない。
リバース伝達機構23は、インプット軸21の動力(回転)を無段変速機構22を経由せずにセカンダリ軸32に伝達する機構である。リバース伝達機構23は、リバースアイドラ軸55、第1リバースギヤ56および第2リバースギヤ57を含む。
リバースアイドラ軸55は、インプット軸21と平行をなす前後方向に延びている。
第1リバースギヤ56は、リバースアイドラ軸55と一体に形成されるか、または、リバースアイドラ軸55と別体に形成されて、リバースアイドラ軸55に相対回転不能に支持されている。
アウトプット軸24は、インプット軸21に対して後側に間隔を空けて、インプット軸21と同一軸線上に配置されている。アウトプット軸24には、アウトプット軸ギヤ58が一体に形成されるか、または、アウトプット軸24と別体に形成されたアウトプット軸ギヤ58が相対回転不能に支持されている。これに対応して、セカンダリ軸32には、セカンダリプーリ34のピストン47の後側に隣接して、セカンダリ出力ギヤ59がスプライン嵌合により相対回転不能に支持されている。アウトプット軸ギヤ58とセカンダリ出力ギヤ59とは、噛合している。
無段変速機9は、たとえば、Pレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後進レンジ)、Nレンジ(中立レンジ)およびDレンジ(前進レンジ)を含む変速レンジを有している。変速レンジの切り替えを指示するため、車両1の車室内には、シフトレバー(セレクトレバー)が配設されている。シフトレバーの可動域には、Pレンジ、Rレンジ、NレンジおよびDレンジに対応して、それぞれPポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションが設定されている。
シフトレバーがPポジションに位置する状態では、前進クラッチ52および後進クラッチ54の両方が解放され、たとえば、アウトプット軸24に相対回転不能に支持されるパーキングギヤが固定されることにより、Pレンジが構成される。また、シフトレバーがNポジションに位置する状態では、前進クラッチ52および後進クラッチ54の両方が解放され、パーキングロックギヤが固定されないことにより、Nレンジが構成される。
シフトレバーがDポジションに位置する状態では、前進クラッチ52が係合されて、後進クラッチ54が解放されることにより、Dレンジが構成される。このとき、エンジン2からトルクコンバータ8を介してインプット軸21に入力される動力は、前進クラッチ52の係合により、インプット軸ギヤ25からプライマリ入力ギヤ51を介してプライマリ軸31に伝達される。一方、インプット軸21に入力される動力がインプット軸ギヤ25からセカンダリ入力ギヤ53に伝達されて、セカンダリ入力ギヤ53が回転しても、後進クラッチ54の解放により、セカンダリ入力ギヤ53がセカンダリ軸32に対して空転し、セカンダリ軸32に動力が伝達されない。
プライマリ軸31に伝達される動力は、プライマリプーリ33とセカンダリプーリ34とのプーリ比に応じたベルト変速比で変速されて、セカンダリ軸32に伝達される。そして、セカンダリ軸32に伝達される動力は、セカンダリ出力ギヤ59からアウトプット軸ギヤ58を介してアウトプット軸24に伝達され、アウトプット軸24からプロペラシャフト5に伝達される。
シフトレバーがRポジションに位置する状態では、前進クラッチ52が解放されて、後進クラッチ54が係合されることにより、Rレンジが構成される。このとき、エンジン2からトルクコンバータ8を介してインプット軸21に入力される動力は、後進クラッチ54の係合により、インプット軸ギヤ25からリバース伝達機構23およびセカンダリ入力ギヤ53を介してセカンダリ軸32に伝達される。このとき、セカンダリ軸32は、車両1の前進時と逆方向に回転する。一方、インプット軸21に入力される動力がインプット軸ギヤ25からプライマリ入力ギヤ51に伝達されて、プライマリ入力ギヤ51が回転しても、前進クラッチ52の解放により、プライマリ入力ギヤ51がプライマリ軸31に対して空転し、プライマリ軸31に動力が伝達されない。
セカンダリ軸32に伝達される動力は、セカンダリ出力ギヤ59からアウトプット軸ギヤ58を介してアウトプット軸24に伝達され、アウトプット軸24からプロペラシャフト5に伝達される。
<車両の制御系>
図2は、車両1の制御系の構成を示すブロック図である。
車両1には、マイコン(マイクロコントローラ)を含む構成のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が備えられている。マイコンには、たとえば、CPU、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。図2には、1つのECU61のみが示されているが、車両1には、各部を制御するため、ECU61と同様の構成を有する複数のECUが搭載されている。ECU61を含む複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
ECU61には、エンジン2の制御のためのエンジン制御ロジックと、変速ユニット4の制御のための変速制御ロジックとが組まれている。エンジン制御ロジックにより、エンジン2の始動、停止および出力調整などのため、エンジン2に設けられた電子スロットルバルブ、インジェクタおよび点火プラグなどが制御される。変速制御ロジックにより、トルクコンバータ8のロックアップオン/オフの切り替えや無段変速機構22のベルト変速比(無段変速機9の変速比)の制御などのため、変速ユニット4の各部に油圧を供給するための油圧回路に含まれる各種のバルブなどが制御される。
ECU61には、制御に必要な各種センサが接続されており、各種センサの検出信号が入力される。ECU61では、各種センサの検出信号から各種情報が取得される。また、ECU61には、他のECUから制御に必要な各種情報が入力される。ECU61に他のECUから入力される情報は、その情報を取得するためのセンサがECU61に接続されて、ECU61において、そのセンサの検出信号から求められてもよい。
<挟圧力制御>
図3は、挟圧力制御態様決定処理の流れを示すフローチャートである。
無段変速機構22のベルト35に付与される挟圧力の制御態様を決定するため、ECU61により、インプット軸21とアウトプット軸24との間において、無段変速機構22を介さない動力伝達経路、つまりリバース伝達機構23を介する後進動力伝達経路で動力が伝達されているか否かが判断される(ステップS1)。たとえば、シフトレバーがRポジションに位置し、かつ、後進クラッチ54が係合状態であり、かつ、前進クラッチ52がトルクを伝達していない状態である場合、リバース伝達機構23を介する後進動力伝達経路で動力が伝達されていると判断される。後進クラッチ54が係合状態であるか否かは、プライマリ軸31およびセカンダリ軸32の各回転数を検出する回転センサの検出信号、ならびに、後進クラッチ54に供給される油圧を制御するソレノイドバルブの状態などから判断される。
インプット軸21とアウトプット軸24との間において、無段変速機構22を介する前進動力伝達経路で動力が伝達されている場合(ステップS1のNO)、ECU61により、車両1の車速などに応じたプーリ比(変速比)の目標が設定され、その目標プーリ比が達成され、かつ、通常挟圧力がベルト35に付与されるように、プライマリプーリ33の油圧室44およびセカンダリプーリ34の油圧室48に供給される油圧が制御される(ステップS2)。通常挟圧力は、ベルト35による動力の伝達に十分な挟圧力であり、具体的には、ベルト35に入力されるトルクに対してベルト35の滑りの発生を防止するのに必要な挟圧力に、一定または可変に設定される余裕代となる挟圧力を加えた値に設定される。
一方、インプット軸21とアウトプット軸24との間において、無段変速機構22を介さない後進動力伝達経路で動力が伝達されている場合には(ステップS1のYES)、ECU61により、現在、車両1に駆動力が必要な状況(車両1が駆動力を必要とする状況)であるか否かが判断される(ステップS3)。車両1に駆動力が必要な状況とは、たとえば、アクセルペダルが所定量以上踏まれている状況、エンジン2の電子スロットルバルブの開度が所定開度以上である状況、ブレーキペダルが踏まれておらずブレーキスイッチがオフである状況、もしくは、車両1の走行路面の勾配が後進方向に所定以上の勾配で上がっている状況、または、これらの状況のうちの複数を組み合わせた状況をいう。
車両1に駆動力が必要な状況ではない場合(ステップS3のNO)、ECU61により、たとえば、シフトレバーがRポジションからDポジションに操作されること(R→D変速)を想定して、プーリ比の目標が最大プーリ比に設定され、その目標プーリ比が達成され、かつ、ベルト35による動力の伝達に十分な通常挟圧力がベルト35に付与されるように、プライマリプーリ33の油圧室44およびセカンダリプーリ34の油圧室48に供給される油圧が制御される(ステップS2)。このとき、ベルト35による動力(トルク)の伝達はないので、通常挟圧力は、たとえば、ベルト35を介して動力が伝達されると仮定した場合にその動力の伝達に十分な挟圧力に設定される。
車両1に駆動力が必要な状況である場合(ステップS3のYES)、ECU61により、通常挟圧力よりも低減された挟圧力がベルト35に付与されるように、プライマリプーリ33の油圧室44およびセカンダリプーリ34の油圧室48に供給される油圧が制御される(ステップS4)。このとき、ベルト35に対するトルクの入力がない状況であり、ベルト35に入力されるトルクに対してベルト35の滑りの発生を防止するための挟圧が必要でないので、挟圧力は、そのベルト35の滑りの発生を防止するための挟圧分を通常挟圧力から差し引いた値、つまり通常挟圧力に含まれる余裕代分の値に設定される。
<作用効果>
以上のように、リバース伝達機構23を介する後進動力伝達経路で動力が伝達される状況、つまり無段変速機構22が動力を伝達しない状況で、ベルト35による動力の伝達に十分な通常挟圧力よりも低減された挟圧力がベルト35に付与される。これにより、無段変速機構22でのメカニカルロスを低減できる。そして、そのメカニカルロスの低減により、車両1を走行させる駆動力を大きく確保することができ、車両1の走行性能の向上を図ることができる。
無段変速機構22が動力を伝達しない状況で常に、ベルト35に付与される挟圧力が通常挟圧力より低減されてもよいが、車両1に駆動力が必要な状況に限って、通常挟圧力よりも低減された挟圧力がベルト35に付与されることにより、登坂路や悪路など、大きな駆動力が要求される路面では、車両の走破性を向上させることができ、それほど大きな駆動力が要求されない状況では、シフトレバーがRポジションからDポジションに変速操作されることに備えて、ベルト35に十分な挟圧力を予め付与しておくことができ、ベルト35の滑りが発生することを効果的に抑制することができる。また、車両1にそれほど大きな駆動力が要求されない状況でベルト35に付与される挟圧力を低減させた場合、RポジションからDポジションへの変速操作に対して、挟圧力を上昇させるのに必要な時間分の応答遅れが生じてしまうため、その応答性確保のためにも、ベルト35に十分な挟圧力を予め付与しておくことが望ましい。
また、無段変速機構22が動力を伝達しない状況は、車両1の駆動輪7L,7Rに後進駆動力が伝達されて、車両が後進走行(リバース走行)する状況である。商用車では、登坂時に荷台での荷崩れの発生を防止するためにリバース走行(後進走行)するという独特の使われ方があり、この使われ方におけるリバース走行時に、ベルト35に付与される挟圧力が低減されて、駆動力が大きく確保されることにより、車両の登坂性能の向上を見込むことができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、車両1に駆動力が必要な状況として、アクセルペダルが所定量以上踏まれている状況、エンジン2の電子スロットルバルブの開度が所定開度以上である状況、ブレーキペダルが踏まれておらずブレーキスイッチがオフである状況、および、車両1の走行路面の勾配が後進方向に所定以上の勾配で上がっている状況などを例示した。車両1に駆動力が必要な状況は、これらに限らず、たとえば、通常よりも大きな加速感が得られるパワーモードを設定するスイッチが設けられている場合には、そのスイッチの操作によりパワーモードが設定されている状況であってもよいし、車両1が2WD(two-wheel-drive:2輪駆動)と4WD(four-wheel drive:4輪駆動)とを切替可能なパートタイム4WD車である場合には、4WDで走行している状況であってもよい。また、車両1に搭載されている荷物の積載量が所定以上である状況や、車両1に所定人数以上の人が乗っている状況であってもよい。
また、車両1に駆動力が必要な状況でなくても、通常よりも走行燃費を低く抑えるエコモードが設定するスイッチが設けられている場合には、無段変速機構22が動力を伝達しない状況で、そのスイッチの操作によりエコモードが設定されている状況である場合に、ベルト35に付与される挟圧力が通常挟圧力より低減されてもよい。
本発明は、エンジンが横置きで搭載される車両や、FF(Front-engine Front-wheel-drive:フロントエンジン・フロントドライブ)レイアウトが採用された車両用の制御装置に適用することもできる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:車両
9:無段変速機
22:無段変速機構
33:プライマリプーリ
34:セカンダリプーリ
35:ベルト
61:ECU(通常制御手段、低減制御手段)

Claims (2)

  1. プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成の無段変速機構を経由して動力を伝達する第1動力伝達経路と、前記無段変速機構を経由せずに動力を伝達する第2動力伝達経路とが設定された無段変速機を搭載した車両に用いられる制御装置であって、
    前記ベルトによる動力の伝達に十分な通常の挟圧力が前記ベルトに付与されるように、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリに供給される油圧を制御する通常制御手段と、
    前記第2動力伝達経路で動力が伝達される状況で、前記通常制御手段に代わり、前記通常の挟圧力よりも低減された挟圧力が前記ベルトに付与されるように、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリに供給される油圧を制御する低減制御手段と、を含む、車両用制御装置。
  2. 前記低減制御手段は、前記第2動力伝達経路で動力が伝達され、かつ前記車両が駆動力を必要する状況において、前記通常制御手段に代わり、前記通常の挟圧力よりも低減された挟圧力が前記ベルトに付与されるように、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリに供給される油圧を制御する、請求項1に記載の車両用制御装置。
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