JP2021162037A - ドライヤー用搬送ロール及びその製造方法 - Google Patents

ドライヤー用搬送ロール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、紙、不織布、多孔性フィルム等の各種基材に、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を塗工して基材に塗層を設けた後、媒体を熱によって乾燥除去することによって、機能性が付与された製品を製造する際に、製品のシワを抑制することである。【解決手段】20〜45体積%のポリテトラフルオロエチレン粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有することを特徴とするドライヤー用搬送ロールであり、基準長さ2.5mmで測定した表面の算術平均粗さRaが、3.5μm以上20μm以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ドライヤー用搬送ロール及びその製造方法に関する。
紙、不織布、多孔性フィルム等の各種基材に、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を塗工して基材に塗層を設けた後、媒体を熱によって乾燥除去することによって、機能性が付与された製品が製造されている。製品の製造には、塗工手段と乾燥手段(ドライヤー)とを有する塗工装置が用いられる。不揮発分としては、樹脂、無機粒子、有機粒子等が挙げられ、媒体としては、水、有機溶媒等が挙げられる。機能性が付与された製品としては、例えば、リチウムイオン電池用セパレータ(以下、「リチウムイオン電池用セパレータ」を「セパレータ」と略記する場合がある)、ろ過膜等が挙げられる。
非発電要素であるセパレータが電池内で占める体積の割合を減らすため、厚さ30μm以下という薄いセパレータが求められている。ろ過膜においては、ろ過性能を向上させるために、同体積のモジュール内により大面積のろ過膜を収納できることが望ましく、薄いろ過膜が求められている。
製品を薄くするためには、薄い基材を使用する必要がある。特に、紙等の基材は多孔質基材であるため、特に厚さ30μm以下といった薄い基材を使用する場合においては、細孔を通じて裏面に滲出した塗工液が搬送ロールに転写し易く、転写した塗工液の乾固物が製品に再転写として品質を著しく低下させる問題が発生し易い。このような問題を解決するために、搬送ロールの表面が凹凸形状及び撥水性を有する搬送ロールを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、搬送ロールの表面が凹凸形状及び撥水性を有する搬送ロールを用いても、未だ次の課題が残る。製品にシワが発生し、見栄えの低下を招くことが非常に多いという課題である。特に、媒体の蒸発によって、媒体で膨潤した基材の再収縮及び塗層の収縮が起こり、さらに、基材の熱膨張や基材材料の熱結晶化による収縮等も起こるため、ドライヤー内では基材の幅が変化し、ドライヤーは特にシワが発生し易い場所である。さらには、細孔を通じて裏面に塗工液が滲出する場合には、滲出した塗工液が搬送ロールと基材間の密着性を上げ、基材の幅の変化によって生じる応力が逃げ難いことから、尚更シワが発生し易くなる問題がある。
国際公開第2019/163635号パンフレット
本発明の課題は、紙、不織布、多孔性フィルム等の各種基材に、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を塗工して基材に塗層を設けた後、媒体を熱によって乾燥除去することによって、機能性が付与された製品を製造する際に、製品のシワを抑制することである。
本発明の課題を解決するための手段は下記のとおりである。
(1)20〜45体積%のポリテトラフルオロエチレン粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有することを特徴とするドライヤー用搬送ロール。
(2)基準長さ2.5mmで測定した表面の算術平均粗さRaが、3.5μm以上20μm以下である、上記(1)記載のドライヤー用搬送ロール。
(3)基準長さ0.08mmで測定した表面の算術平均粗さRaが、0.3μm以上2.0μm以下である、上記(1)又は(2)記載のドライヤー用搬送ロール。
(4)芯材をブラスト加工により粗面化した後、20〜45体積%のポリテトラフルオロエチレン粒子を含む無電解ニッケルメッキ処理を行うことを特徴とする搬送ロールの製造方法。
本発明のドライヤー用搬送ロールによって、紙、不織布、多孔性フィルム等の各種基材に、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を塗工して基材に塗層を設けた後、媒体を熱によって乾燥除去することによって、機能性が付与された製品を製造する際に、製品のシワを抑制することができる。
シワの発生を評価するための試験機の概略図である。 耐摩耗性を評価するための試験機の概略図である。
紙、不織布、多孔性フィルム等の各種基材に、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を塗工して基材に塗層を設けた後、媒体を熱によって乾燥除去することによって、機能性が付与された製品が製造される。製品の製造には、塗工手段と乾燥手段(ドライヤー)とを有する塗工装置が用いられる。本発明は、塗工装置のドライヤー内に用いられるドライヤー用搬送ロール及びその製造方法に関する。
搬送ロールとは、基材の走行方向を決めるために、又は、基材の走行を安定化させるために、塗工装置中で用いられるロールである。本発明においては、電動機等の外部動力による駆動の有無を問わない。
本発明のドライヤー用搬送ロールは、ドライヤー内で用いられる搬送ロールであり、20〜45体積%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有することを技術的特徴とする。この技術的特徴によって、薄い基材に塗層を塗工する場合においても、ドライヤー内で発生する製品のシワが少ないという優れた効果を得ることができる。本発明者の検討によれば、ドライヤー用搬送ロールと、基材の摩擦を小さくすることで、製品のシワを少なくすることができる。20〜45体積%のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキは、撥水性が高く、摩擦係数が小さく、耐摩耗性が高く、かつ耐熱性が高いと言う、本発明においてドライヤー用搬送ロールに必要とされる特性を全て兼ね備えている。
一方で、ドライヤー用搬送ロールが、PTFE樹脂で被覆された搬送ロールや、45体積%超のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有する搬送ロールである場合、摩耗が進み易く、頻繁な搬送ロールの交換を必要とする問題がある。ドライヤー用搬送ロールが、表面加工を施さない金属ロール、無電解ニッケルメッキ等の金属メッキロール、20体積%未満のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有する搬送ロールである場合には、ドライヤー内で発生する製品のシワが少ないという本発明の優れた効果を得られない問題がある。ドライヤー用搬送ロールが、表面がポリエチレンであるロールである場合、ドライヤー内の高温に耐えられずに、頻繁な搬送ロールの交換を必要とする問題がある。
20〜45体積%のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ処理を行うための処理液としては、一般に市販されているものが使用できる。市販されている処理液としては、日本カニゼン株式会社が販売するカニフロン(登録商標)や奥野製薬工業株式会社が販売するトップニコジット(登録商標)等が例示される。
搬送ロールの芯材としては金属、プラスチック、繊維強化プラスチック等を使用することができる。ドライヤー用搬送ロールには、耐熱性の観点から、一般的に金属が使用される。芯材に用いられる金属としては、鉄、アルミニウム、ステンレス等が例示できる。
ドライヤー用搬送ロールの表面は粗面化されていることが好ましく、その表面の基準長さ2.5mmで測定した算術平均粗さRa(以下、「基準長さ2.5mmで測定した算術平均粗さRa」を、「Ra(2.5)」と略記する場合がある)が3.5μm以上20μm以下であることが好ましく、5.0μm以上15μm以下であることがより好ましい。紙等の基材は多孔質基材であるため、細孔を通じて基材の裏面に媒体が滲出し、湿潤基材となる。搬送ロールと基材ドライヤー用搬送ロールのRa(2.5)が3.5μm以上20μm以下である場合、ドライヤー用搬送ロールの表面と基材の間に適量の空気が保持されることによって、湿潤基材に対する摩擦係数がさらに低下し、ドライヤーで発生する製品のシワが特に少なくなるという優れた効果が得られる。Ra(2.5)が3.5μm未満である場合、粗面化による効果が十分に得られない場合がある。Ra(2.5)が20μmを超える場合、粗面に起因する摩擦係数の増大により、むしろシワが発生し易くなる場合がある。
さらに、ドライヤー用搬送ロールの表面の、基準長さ0.08mmで測定した算術平均粗さRa(以下、「基準長さ0.08mmで測定した算術平均粗さRa」を、「Ra(0.08)」と略記する場合がある)は、0.3μm以上2.0μm以下であることが好ましく、ドライヤーで発生するシワが少ないという本発明の優れた効果をより高い水準で得られ易い。算術平均粗さRaの測定において、基準長さが短いと、長周期の粗さの影響と測定値との関係が少なくなり、より短周期の粗さが支配要因になる。本発明において、Ra(0.08)が0.3μm以上2.0μm以下であっても、ドライヤー用搬送ロールの表面と基材との間に適量の空気が保持されるという作用は期待できないが、20〜45体積%のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層のように、表面が疎水性である場合、Ra(0.08)が0.3μm以上2.0μm以下であることによって、表面の疎水性がより顕著に発現するという別個の作用により、ドライヤーで発生するシワが少なくなっていると考えられる。なお、一般的に、Ra(0.08)がRa(2.5)の1/2を上回るような加工は難しい。
本発明の効果は、ドライヤー用搬送ロールの表面のRa(2.5)が3.5μm以上20μm以下であり、かつ、Ra(0.08)が0.3μm以上2.0μm以下であることが最も好ましい。このようなドライヤー用搬送ロールの製造方法としては、搬送ロールの芯材を、ブラスト加工によって、Ra(2.5)が3.5μm以上20μmμm以下となるように粗面化した後、20〜45体積%のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ処理を行う方法を用いることができる。ブラスト加工は、投射材として、鉄粒子等の金属系、アルミナ粒子等のセラミック系、ガラス系等、いずれの投射材も使用可能である。
なお、芯材をブラスト加工により粗面化した後、20〜45体積%のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ処理を行う製造方法で製造されるドライヤー用搬送ロールにおいても、表面のRa(2.5)が3.5μm以上20μm以下であることによって、シワ発生を抑制する効果が特に顕著であり好ましい。
PTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ処理を行う前に、前加工として、ブラスト加工によって粗面化されたドライヤー用搬送ロールが、他の加工によって粗面化されたドライヤー用搬送ロールと比較して摩擦係数が小さい理由は、一般的な解析方法ではその微細形状の差異を明確にできないものの、凸部の頂点が比較的滑らかであるためと推定される。また、ブラスト加工では、無電解ニッケルメッキ処理の下地に適した清浄な表面が形成されることから、耐久性に優れたドライヤー用搬送ロールが得られる。
本発明において、算術平均粗さRaは、共焦点レーザー顕微鏡(キーエンス製、VK−X1050)を用いて測定した。また、面粗さではなく、線粗さを用いた。基準長さλcを2.5mmとした場合は、対物レンズ倍率5倍、評価長さ2.5mmとし、基準長さλcを0.08mmとした場合は、対物レンズ倍率10倍、評価長さ1mmとし、いずれの場合も、ローカット長さλsは8μmとし、ランダムな位置の測定を9回行って得られた測定値の中央値を用いる。
本発明のドライヤー用搬送ロールは、ドライヤーの入口から出口まで全ての搬送ロールに適用することが好ましいが、一部の搬送ロールのみに適用することも可能である。この場合、ドライヤーの入口側にある搬送ロールに優先的に本発明のドライヤー用搬送ロールを使用することによって、本発明の効果をより好ましく得ることができる。
塗工装置において、塗工液を基材に付与する塗工手段には特に制限はない。キスタッチグラビアコーター、キスロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の塗工手段が用いられる。
本発明において、乾燥手段(ドライヤー)の方式は、本発明のドライヤー用搬送ロールによって基材を支持しながら加熱する方式であれば特に制限はない。具体的には、基材の表面に加熱された空気流を付与することによって基材を加熱するエアドライヤー、赤外線によって基材を加熱する赤外線ドライヤー等の方式を用いることができる。ただし、内部から加熱されたロールの表面に基材を接触させることによって基材を加熱するシリンダードライヤー、ヤンキードライヤー等の、加熱面からの伝熱によって基材を加熱する乾燥手段は、搬送ロールを用いないことから、本発明のドライヤー用搬送ロールを適用する必要がない。
本発明において、基材としては、紙、不織布、多孔性フィルム等の多孔質基材を好適に用いることができる。また、厚さ30μm以下、特に厚さ20μmの薄い多孔質基材を用いた製品の製造において高い効果を発揮する。そもそもドライヤー内で発生するシワが少ない非多孔質基材や厚い基材を用いる場合には、本発明のドライヤー用搬送ロールを用いる動機に乏しいが、本発明のドライヤー用搬送ロールを用いることに対して不適切な理由は特になく、問題無く用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3]
芯材となるアルミニウムロールを脱脂処理後、無電解ニッケルメッキ処理を施して、表1に記載の含有量(体積%)でPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有するドライヤー用搬送ロールを作製した。
[実施例4〜5]
芯材となるアルミニウムロールに溶射加工を施した後、無電解ニッケルメッキ処理を施して、表1に記載の含有量(体積%)でPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有するドライヤー用搬送ロールを作製した。なお、実施例4と5において、粒度の異なるニッケル系パウダーを用いた溶射加工を行った。
[実施例6〜7]
芯材となるアルミニウムロールに、転造加工によってダイアモンド状のパターンを形成した後、無電解ニッケルメッキ処理を施して、表1に記載の含有量(体積%)でPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有するドライヤー用搬送ロールを作製した。なお、実施例6と7において、異なるダイスを用いて転造加工を行った。
[実施例8〜10]
芯材となるアルミニウムロールをブラスト加工によって粗面化した後、無電解ニッケルメッキ処理を施して、表1に記載の含有量(体積%)でPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有するドライヤー用搬送ロールを作製した。なお、実施例8、9及び10において、異なるショット粒子及びショット圧を用いてブラスト加工を行った。
[比較例1]
芯材となるアルミニウムロールを、そのまま比較例1のドライヤー用搬送ロールとした。
[比較例2〜3]
芯材となるアルミニウムロールを脱脂処理後、無電解ニッケルメッキ処理を施して、表1に記載の含有量(体積%)でPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有するドライヤー用搬送ロールを作製した。
[算術平均粗さRaの測定]
実施例及び比較例で得られたドライヤー用搬送ロールに対し、共焦点レーザー顕微鏡(キーエンス製 VK−X1050)を用い、基準長さλcを2.5mmとした場合は対物レンズ倍率5倍、評価長さを2.5mmとし、基準長さλcを0.08mmとした場合は対物レンズ倍率10倍、評価長さを1mmとし、算術平均粗さRaを求めた。いずれの場合もローカット長さλsは8μmとし、ランダムな位置の測定を9回行って得られた測定値の中央値を用いた。
[シワの発生の評価(耐摩耗性評価前)]
図1は、シワの発生を評価するための試験機の概要図である。評価対象のドライヤー用搬送ロールは、搬送ロール1−1及び1−2のいずれかとして、試験機に取り付けられる。搬送ロール1−1及び1−2に取り付けることによって、同時に2本のドライヤー用搬送ロールを評価できる。駆動ロール2は、駆動されている搬送ロールであり、評価対象ではない。熱風フード4は、120℃の熱風を搬送ロール1−1、搬送ロール1−2及び基材3に付与している。基材3は厚さ15μmのポリエステル繊維を含む湿式不織布からなり、長さ方向の両端をテープで繋いでリング状にしたものである。また、塗工手段5としてスプレーコーターを使用し、基材3に水を付与している。搬送ロール4を周速50/minで駆動し始めてから1分後に、搬送ロール1−1及び1−2に接触した時の基材(テープで繋いだ部分を除く)におけるシワの発生状態を評価し、以下の3等級に区分した。
A:シワが発生しない。
B:シワが時々発生する。
C:シワが絶え間なく発生する。
[耐摩耗性評価]
図2は、耐摩耗性を評価するための試験機の概略図である。評価対象のドライヤー用搬送ロールは、搬送ロール11−1〜11−4のいずれかとして、試験機に取り付けられる。搬送ロール11−1〜11−4の全てに取り付けることによって、同時に4本のドライヤー用搬送ロールを評価できる。駆動ロール12は、その外層は厚さ100μmのポリエステル繊維を含む湿式不織布を巻回したロールであり、その軸はモーターにより駆動されている。搬送ロール11−1〜11−4は、駆動ロール12と連れ回転(連れ回り。湿式不織布と搬送ロールとの間の摩擦により、搬送ロールの周速が駆動ロールに巻回されている湿式不織布の走行速度と一致して回転すること)している。駆動ロール12には、さらに塗工手段15であるスプレーコーターから連続的に水を付与している。この耐摩耗性試験機を28日間運転した後、各評価対象の搬送ロールを観察し、その状態により以下の2等級に区分した。
A:評価対象の搬送ロールに不均一な摩耗が発生していない。
C:評価対象の搬送ロールに不均一な摩耗が発生している。
[シワの発生の評価(耐摩耗性評価後)]
耐摩耗性評価後の搬送ロールについて、「シワの発生の評価(耐摩耗性評価前)」と同様の方法で、シワの発生状態を評価した。
Figure 2021162037
20〜45体積%のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有するドライヤー用搬送ロールである実施例1〜10の搬送ロールは、シワの発生(耐摩耗性評価前)、耐摩耗性評価、シワの発生(耐摩耗性評価後)の全ての試験項目において、評価結果の区分がA又はBと良好であった。これに対し、PTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を有さない比較例1のドライヤー用搬送ロール、20体積%未満のPTFE粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有する比較例2のドライヤー用搬送ロールは、シワの発生(耐摩耗性評価前及び後)がCと不良であった。また、45体積%超のPTFE粒子を含有する無電解ニッケルメッキ層を有する比較例3のドライヤー用搬送ロールでは、耐摩耗性評価がCと不良であった。
実施例1〜10を比較すると、特に、Ra(2.5)が3.5〜15μmである実施例5、6、9及び10のドライヤー用搬送ロールは、全ての評価項目において、評価結果の区分がAと良好であった。また、Ra(0.08)が0.3〜2.0μmである実施例8〜10のドライヤー用搬送ロールも、全ての評価項目において、評価結果の区分がAと良好であった。実施例4及び実施例8の比較から、Ra(2.5)が3.5μmであっても、芯材をブラスト加工により粗面化した実施例8のドライヤー用搬送ロールの方が、シワの発生を抑制でき、良好であった。
1−1 試験対象の搬送ロール
1−2 試験対象の搬送ロール
2 駆動ロール
3 基材
4 熱風フード
5 塗工手段
11−1 試験対象の搬送ロール
11−2 試験対象の搬送ロール
11−3 試験対象の搬送ロール
11−4 試験対象の搬送ロール
12 駆動ロール
15 塗工手段

Claims (4)

  1. 20〜45体積%のポリテトラフルオロエチレン粒子を含む無電解ニッケルメッキ層を表面に有することを特徴とするドライヤー用搬送ロール。
  2. 基準長さ2.5mmで測定した表面の算術平均粗さRaが、3.5μm以上20μm以下である請求項1記載の搬送ロール。
  3. 基準長さ0.08mmで測定した表面の算術平均粗さRaが、0.3μm以上2.0μm以下である請求項1又は2記載の搬送ロール。
  4. 芯材をブラスト加工により粗面化した後、20〜45体積%のポリテトラフルオロエチレン粒子を含む無電解ニッケルメッキ処理を行うことを特徴とする搬送ロールの製造方法。
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