JP2021161814A - 建材 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁石による対象物の保持性と耐食性を両立でき、さらには消費者がより安全で自由な壁面を楽しむことができる建材を提供すること。【解決手段】本発明に係る建材は、支持部材と、支持部材の表面に接着された、厚さ0.1mm以上1.0mm以下の磁性鋼板と、磁性鋼板の表面に貼り付けられた壁紙と、を備え、磁性鋼板は、少なくとも支持部材側ではない面にポリエステル樹脂を主成分とする有機樹脂被膜を有する。磁性鋼板の厚さが0.2mm以上0.6mm以下であるとよい。有機樹脂被膜の(100)面のX線回折ピーク強度I100と(111)面のX線回折ピーク強度I111との比I100/I111の値が0.5以上7.0以下であるとよい。【選択図】なし

Description

本発明は、屋内用の建材に関する。
従来、屋内の壁材は、非磁性体である木製ボードや石膏ボードなどの支持部材の上に直接壁紙を貼り付けることによって形成されていた。このため、壁材に書類を掲示するときやラックなどを取り付けるときには、壁紙の上から粘着テープや画びょうを用いたり、ボルトや釘を用いたりするなどして対象物を固定していた。しかしながら、粘着テープや画びょうを用いたり、ボルトや釘を用いたりすると、木製ボードや石膏ボードに穴が開いたり、壁紙に粘着テープ跡がつくなどして美観が損なわれる。そこで、これらの問題を解決するために、特許文献1には、支持部材と壁紙との間に磁性薄板を挿入することによって磁石を用いて壁を傷つけることなく対象物を係止する技術が開示されている。また、特許文献2,3には、予めスチール箔と化粧シートとを接着剤で貼り付けた素材が開示されており、これを壁材に使用することによって意匠性が高く、且つ、磁性を兼ね備えた壁材を実現することができる。
特開2017−36650号公報 特開2017−71103号公報 特開2016−132982号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、磁石による対象物の保持性には優れているが、防錆処理などの鍍金や樹脂被覆といった耐食のための表面処理が不明確であり、長年の使用に耐えうるものではない。また、錆などが発生すれば、壁紙だけでなく支持部材にも被害が及ぶ可能性がある。一方、特許文献2,3に記載の素材については、意匠性に関しては、消費者が、建材メーカーが予め表面に模様などの柄を付与した素材の製品ラインナップから選ぶ必要があり、自由度が低い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、磁石による対象物の保持性と耐食性を両立でき、さらには消費者がより安全で自由な壁面を楽しむことができる建材を提供することにある。
本発明に係る建材は、支持部材と、支持部材の表面に接着された、厚さ0.1mm以上1.0mm以下の磁性鋼板と、磁性鋼板の表面に貼り付けられた壁紙と、を備え、磁性鋼板は、少なくとも支持部材側ではない面にポリエステル樹脂を主成分とする有機樹脂被膜を有する。
磁性鋼板の厚さが0.2mm以上0.6mm以下であるとよい。
有機樹脂被膜の(100)面のX線回折ピーク強度I100と(111)面のX線回折ピーク強度I111との比I100/I111の値が0.5以上7.0以下であるとよい。
支持部材が、建築基準法第二条第九号により定められる建築材料からなるボード状不燃材料であり、非磁性であるとよい。
ボード状不燃材料は、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、セメント板、酸化マグネシウム板、ケイ酸マグネシウム板、ロックウール板、水酸化アルミニウム板、火山性ガラス質複層板、及びセラミックペーパーのうちのいずれか、又は、これらのうちの2種類以上を積層したものであるとよい。
本発明によれば、磁石による対象物の保持性と耐食性を両立でき、さらには消費者がより安全で自由な壁面を楽しむことができる建材を提供することができる。
以下、本発明に係る建材について詳細に説明する。
本発明に係る建材は、支持部材、磁性鋼板、及び壁紙を備えている。
〔支持部材〕
支持部材は、例えば建材を壁面に使用する場合、建物外部と建物内部、又は、建物内部で部屋同士を隔てられるものでなくてはいけない。壁面に求められる性能には、建物を支える構造としての壁、雨水等の漏洩防止機能、断熱性、耐火性、及び遮音性等がある。このため、支持部材の素材としては、構造を支えるための強度を有し、水分や熱によって劣化しにくい素材が必要である。具体的には、支持部材としては、石膏ボードやコンクリートパネルなどを使用できる。また、軽量鉄骨下地(LGS)やベニヤの上に石膏ボードを配置したものも利用可能である。これらの素材は壁面、天井、及び柱に適用できる。
支持部材は、建築基準法第二条第九号により定められる建築材料からなるボード状不燃材料であり、非磁性であるものが好ましい。このような材料であれば、優れた耐火性を備えることが可能であり、磁性を有しない代わりにより軽量化できる。より好ましくは、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、セメント板、酸化マグネシウム板、ケイ酸マグネシウム板、ロックウール板、水酸化アルミニウム板、火山性ガラス質複層板、及びセラミックペーパーのうちのいずれか、又は、これらのうちの2種類以上を積層したものが適切である。これらは、燃焼ガス、火炎、及び空気の遮断性に優れ、施工が容易な素材であって施工性に優れる。
〔磁性鋼板〕
磁性鋼板は、接着剤によって支持部材の表面に接着されている。接着剤としては、エチレン系酢酸ビニル共重合体、水性エマルジョン系樹脂、ウレタン系樹脂、でんぷん系接着剤などを例示できる。接着後、加熱を行って接着性を高めることが望ましい。
磁性鋼板としては、磁性を有する鋼板を用いることができる。また、耐食性を確保するため、亜鉛、亜鉛合金、錫、クロム、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルなどで鍍金した鋼板を用いることもできる。鍍金方法としては、電気鍍金法、溶融鍍金法、蒸着鍍金法などが適用できる。これらの鍍金を行った後、クロメート処理、リン酸塩処理、シランカップリング剤処理、及びZr処理などの公知の化成処理を施してもよい。
後述する有機樹脂被膜との密着性の観点から、磁性鋼板としては、下層が金属クロム、上層がクロム水酸化物からなる2層被膜を形成させた表面処理鋼板(以下、TFSと称す)が最適である。TFSの被膜付着量は、特に限定されないが、加工後の密着性及び耐食性の観点から、いずれもCr換算で金属クロム層は70〜200mg/m、クロム水酸化物層は10〜30mg/mとすることが望ましい。
磁性鋼板の厚みは0.1mm以上、1.0mm以下であることが望ましい。磁石の吸着力は磁性体の体積(厚さ)に比例する。このため、薄いほど磁力が得られなくなる。磁性鋼板の厚みが0.1mm未満であると磁石の吸着性能は期待できない。一方、磁性鋼板の厚みが1.0mm越えであると、切断加工が困難になり、壁面形状に合わせたフレキシブルな施工が難しく、施工性に劣る。磁性鋼板の厚みは0.2mm以上0.6mm未満であるとより好ましい。
磁性鋼板の少なくとも支持部材側ではない面には、ポリエステル樹脂を主成分とする有機樹脂被膜が設けられる。ここで、「磁性鋼板の支持部材側ではない面」とは、壁紙が貼り付けられる側の面を指し、接着剤を介して壁紙を貼り付ける。また、「主成分」とは、特定の成分が全成分中に占める割合が80質量%以上であることを意味し、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。ポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸とジオールとを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られる樹脂、若しくはこれらの混合物であることが好ましい。
ここで、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸などを例示できる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などを例示できる。これらの酸成分は1種類のみを用いてもよいが、2種類以上を併用してもよく、さらには、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸などを共重合させてもよい。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドログルシトール、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)、スピログリコール、ビスフェノールA、及びビスフェノールSなどを例示できる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種類のみを用いてもよいが、2種類以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンテレフタレートを主成分とし、酸成分としてイソフタル酸を10以上20%以下共重合させたポリエステル樹脂組成物、又は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂0重量%以上70重量%以下とポリブチレンテレフタレート系樹脂30重量%以上100重量%以下とを配合したポリエステル系樹脂組成物からなることが好ましい。このようなポリエステル樹脂であれば、耐食性のみならず、接着剤との密着性、生産性により優れる。
ポリエステル樹脂には、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパンなどの多官能化合物を共重合させてもよい。さらに、機能性の付与を目的としてポリエステル以外の樹脂成分を添加してもよい。樹脂成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタールなどの鎖状ポリオレフィン、ノルボルネン類の開環メタセシス重合、付加重合、他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボーネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、及びポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。なお、これらは共重合体であっても混合物であってもよい。
ポリエステル樹脂には、耐熱性向上のため公知の酸化防止剤を0.0001質量%以上1質量%以下添加することが好ましい。さらに好ましくは0.001質量%以上1質量%以下である。酸化防止剤の種類は特に限定されるものではないが、ヒンダードフェノール類、ヒドラジン類、フォスファイト類などに分類される公知の酸化防止剤を使用できる。
ポリエステル樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で上記した酸化防止剤の他に種々の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、易滑剤、結晶核剤、熱安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填剤、及び粘度調整剤などを例示できる。これらは樹脂フィルムに混合してもよいが、特に易滑剤やブロッキング防止剤は溶媒と混合しスラリーとしてフィルム表面に塗布し、乾燥させることで機能付与してもよい。
ポリエステル樹脂の(100)面のX線回折ピーク強度I100と(111)面のX線回折ピーク強度I111との比I100/I111の値が0.5以上7.0以下の範囲であることが好ましい。X線回折ピーク強度比はポリエステル樹脂の配向性を示し、この数値が高いほど、ポリエステル樹脂面内での配向が強く、結晶性が高いため、バリア性が高いことになる。比I100/I111の値が0.5以上であれば、より良好な耐食性が得られる。
ポリエステル樹脂の樹脂構造は壁紙用の接着剤との接着性に重要な要素の一つである。ポリエステル樹脂層の結晶性が低い(比I100/I111値が小さい)場合、ポリエステル樹脂の分子が運動しやすく、接着剤との親和性が強まり、接着強度が増加する。一方、ポリエステル樹脂層の結晶性が高い(比I100/I111値が大きい)場合には、ポリエステル樹脂の分子が運動しにくく、接着剤との親和性が弱まり、接着強度が低下する。比I100/I111値が7.0以下であれば、より優れた接着性が得られる。
ポリエステル樹脂に延伸フィルムを用いたとき、延伸によって生じたフィルム中の配向結晶は磁性鋼板界面で溶融し、接着される。フィルムの配向結晶量は比I100/I111の値で評価できるが、ラミネート温度が高いほど、フィルム中の配向は減じ、比I100/I111の値は小さくなる。一方、ラミネート温度が低いほど、フィルム中の配向は高くなり、比I100/I111の値は大きくなる。この時、ラミネート鋼板の表層部には多くの配向が残ることになり、耐食性が高くなることも期待できる。
ポリエステル樹脂は白色顔料を含有してもよい。白色顔料を用いることで、壁紙の下地材として磁性鋼板を接着したとき、金属特有の暗さが軽減でき、壁紙模様を邪魔することなく使用することができる。
有機樹脂被膜を磁性鋼板に貼り付ける際には、ダイレクトラミネート法又は熱圧着ラミネート法のいずれも適用することができる。これらの方法は、磁性鋼板と有機樹脂被膜とを接着剤無しで接着できることから環境負荷が極めて少ない。生産性を考慮すると熱圧着ラミネート法が望ましい。また、使用する有機樹脂被膜としては、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、及び無延伸フィルムのいずれも用いることができるが、二軸延伸フィルムであることが好ましい。二軸延伸フィルムは、生産性、フィルム厚み及び形状の均一性や、フィルム物性の安定性などの点で好適である。
有機樹脂被膜を磁性鋼板に熱圧着ラミネート法により貼り付ける方法について述べる。但し、上述のように、ラミネート法は選択可能であり、以下の製法に限定しない。有機樹脂被膜を磁性鋼板に熱圧着ラミネート法により貼り付ける際には、磁性鋼板を有機樹脂被膜の融点付近の温度まで加熱し、磁性鋼板の少なくとも片面に有機樹脂被膜を、圧着ロールを用いて接触させ熱融着させる。有機樹脂被膜の結晶構造はラミネート温度でコントロールすることができる。ラミネート開始時の温度は有機樹脂被膜の融点+5℃から+30℃以下の範囲内とする。ラミネート温度が有機樹脂被膜の融点+5度を下回ると、有機樹脂被膜が溶けず、有機樹脂被膜と磁性鋼板とが濡れることができず十分に密着しない。一方、ラミネート温度が有機樹脂被膜の融点+30℃を上回ると、過溶融となり圧着ロールに有機樹脂被膜表面が転写し表面が荒れる可能性が生じる。
〔壁紙〕
壁紙は、磁性鋼板の表面に貼り付けられている。壁紙の素材としては、特に指定しないが、布、紙、塩化ビニルなどを適用できる。ビニルシートやメラミンシートに紙などを裏打ちしたものも適用可能である。ベーシックな色付き壁紙や、織物調、木目調、石目調などの柄も選択できる。意匠性のほかに、耐傷性、耐汚染性、防炎性、及びホワイトボード機能などの機能を有する壁紙を使用することができる。磁性鋼板自体に意匠性があるわけではないため、支持部材に磁性鋼板を接着した後、壁紙を自由に貼り付けることで、支持部材に磁性を持たせつつ、ユーザーで自由に模様を選択でき、様々な壁紙を楽しむことができる。
発明例1〜21及び比較例1〜3については、以下の表1に示す板厚の調質度T4CAの鋼板(普通鋼)を用い、金属クロム130mg/m、クロム酸化物15mg/mのメッキ処理(Cr−Crox)を施したTFSを用意した。また、比較例4については、同じ板厚のオーステナイト系ステンレス板SUS304(ステンレス)を用意した。発明例17については、鋼板の両面に亜鉛メッキ処理(Zn)を10g/m施した。発明例18については、鋼板の両面に亜鉛メッキ処理を10g/m施し、さらにその表面にクロメート処理を行い、クロムとして25mg/mのクロメート処理被膜(Zn−Cr)を被覆した。比較例4については、特に表面処理は施さなかった。
エチレンテレフタレート成分100%のポリエチレンテレフタレート(PET)、12%のイソフタル酸を共重合させたポリエチレンテレフタレート(PET−I)、及びPETにポリブチレンテレフタレートを異なる比率でブレンドしたポリエチレンテレフタレート(PETPBT)の樹脂フィルムを用意した。続いて、上述した鋼板を各樹脂フィルムの融点を超える異なる温度で加熱し、樹脂フィルムを圧着ロールで熱融着させたラミネート鋼板を作製した。また、加熱温度を変更することにより樹脂フィルムの結晶構造を調整した。
樹脂フィルムの結晶性は、株式会社リガク製RINT2400Vを使用して(100)結晶面及び(111)結晶面のX線回折ピーク強度を測定してその比I100/I111を求めることにより評価した。X線回折図形はスキャンスピード80秒/度、測定間隔4秒(0.05°間隔)で採取した。
ラミネート鋼板の施工性は、以下の評価基準に従ってラミネート鋼板の加工時の切断容易性で評価した。
◎:簡易的な切断機で加工、切断可能
○:小型の動力付き切断機で加工、切断可能
×:切断不可、大掛かりな切断装置が必要
ラミネート鋼板の磁性は、掲示用2.5cmの円形マグネット(残留磁束密度400ミリテスラ)を用い、垂直に立てたラミネート鋼板との間に挟んで保持可能なA4コピー用紙の枚数で評価した。
◎:6枚以上
○:1〜5枚
×:保持できない、磁石で吸着できない
耐食性は、ラミネート鋼板を支持部材に貼り付け、支持部材でない面に壁紙を貼り付けた建材を作製し、耐食性をJIS2371に示す塩水噴霧試験で評価した。塩水噴霧試験では、鋼板のエッジはテープで覆い試験に供した。評価基準は以下の通りとした。
◎:腐食面積率0%
○:腐食面積率10%以下
×:腐食面積率10%超え100%以下
不燃性は、「JIS K 6744」に基づく自消性試験で評価した。上記建材を長さ150mm、幅10mmとした試験片を用意し、試験片下端がガスバーナー炎の先端高さになるように、クランプ付きのスタンドに取り付け、ガスバーナーで20秒加熱した。20秒加熱後、炎を取り去り、以下の基準で評価した。
◎:直ちに消炎
〇:一瞬火が上がる程度で直ちに消炎
×:直ちに消炎しない
発明例はいずれも施工性、磁性、耐食性が良好であった。また、支持部材も問題なく加工できた。これに対して、比較例1は、鋼板厚さが0.05mmであり、磁性が十分に得られず、掲示物が落下した。また、比較例2は、鋼板厚さが2.0mmであり、厚いために、加工が困難であり、適用が不可であった。また、鋼板のみにした比較例3は施工性及び磁性は十分であったが、耐食性が不十分であった。また、比較例4は、施工性及び耐食性は得られたものの、オーステナイト系ステンレス鋼のため磁性がなく、適用不可であった。
Figure 2021161814

Claims (5)

  1. 支持部材と、
    前記支持部材の表面に接着された、厚さ0.1mm以上1.0mm以下の磁性鋼板と、
    前記磁性鋼板の表面に貼り付けられた壁紙と、
    を備え、
    前記磁性鋼板は、少なくとも前記支持部材側ではない面にポリエステル樹脂を主成分とする有機樹脂被膜を有する、
    建材。
  2. 前記磁性鋼板の厚さが0.2mm以上0.6mm以下である、請求項1に記載の建材。
  3. 前記有機樹脂被膜の(100)面のX線回折ピーク強度I100と(111)面のX線回折ピーク強度I111との比I100/I111の値が0.5以上7.0以下である、請求項1又は2に記載の建材。
  4. 前記支持部材が、建築基準法第二条第九号により定められる建築材料からなるボード状不燃材料であり、非磁性である、請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の建材。
  5. 前記ボード状不燃材料は、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、セメント板、酸化マグネシウム板、ケイ酸マグネシウム板、ロックウール板、水酸化アルミニウム板、火山性ガラス質複層板、及びセラミックペーパーのうちのいずれか、又は、これらのうちの2種類以上を積層したものである、請求項4に記載の建材。
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