JP2021161391A - 水性塗剤、塗膜、および積層体 - Google Patents

水性塗剤、塗膜、および積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電防止性、透明性、耐候性、およびインキ層との密着性に優れる水性塗剤を提供する。【解決手段】樹脂と、酸化錫微粒子と、シリカ微粒子と、水性媒体とを含有する水性塗剤である。水性塗剤における、酸化錫微粒子とシリカ微粒子との質量比は、(酸化錫微粒子)/(シリカ微粒子)=70/30〜10/90である。樹脂としては、ポリオレフィン樹脂および/またはポリエステル樹脂であることが好ましい。樹脂の合計含有量と、酸化錫微粒子とシリカ微粒子の合計含有量との質量比が、(樹脂)/(酸化錫微粒子とシリカ微粒子)=10/90〜60/40であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、水性塗剤、塗膜、および積層体に関する。
従来から、水溶性高分子、酸化錫微粒子および水性媒体を含有するコーティング剤が知られている(例えば、特許文献1)。このコーティング剤は、帯電防止性に優れるとともに、塗膜とした場合の透明性、ポリエステル樹脂製基材との密着性にも優れている。
特開2003−128995号公報
様々な用途に好適に用いられるために、密着性の中でも、特に、様々な基材との密着性や、塗膜の上にインキ層を形成した場合の密着性を向上させることが検討されている。また用途の拡大に伴い、より過酷な状況での使用が想定されることから、帯電防止性の耐候性の向上が要望されている。
本発明は、塗膜とした場合に、帯電防止性、透明性を維持しつつ、耐候性およびインキ層や各種基材との密着性がいっそう向上された水性塗剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、酸化錫微粒子とシリカ微粒子とを特定の質量比で組み合わせて含有させることで、耐候性、および塗膜とした場合の各種基材やインキ層との密着性に優れる水性塗剤を見出し、本発明を完成させたのである。
すなわち、本発明の要旨は、以下(1)〜(8)の通りである。
(1)樹脂と、酸化錫微粒子と、シリカ微粒子と、水性媒体とを含有し、酸化錫微粒子とシリカ微粒子との質量比が、(酸化錫微粒子)/(シリカ微粒子)=70/30〜10/90である、水性塗剤。
(2)樹脂が、ポリオレフィン樹脂および/またはポリエステル樹脂である、(1)の水性塗剤。
(3)樹脂の合計含有量と、酸化錫微粒子とシリカ微粒子の合計含有量との質量比が、(樹脂)/(酸化錫微粒子とシリカ微粒子)=10/90〜60/40である、(1)または(2)の水性塗剤。
(4)架橋剤を含有する、(1)〜(3)の何れかの水性塗剤。
(5)架橋剤の含有量が、樹脂と酸化錫微粒子とシリカ微粒子との合計100質量部に対して0.01〜30質量部である、(4)の水性塗剤。
(6)アルコール類を含有する、(1)〜(5)の何れかの水性塗剤。
(7)(1)〜(6)の何れかの水性塗剤から形成されてなる、塗膜。
(8)基材の少なくとも一方の面に、(7)の塗膜が積層されてなる、積層体。
本発明の水性塗剤は、塗膜とした場合に、帯電防止性、透明性を維持しつつ、帯電防止性の耐候性、インキ層との密着性にも優れるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性塗剤は、樹脂と、酸化錫微粒子と、シリカ微粒子と、水性媒体とを含有する。酸化錫微粒子とシリカ微粒子との質量比が、(酸化錫微粒子)/(シリカ微粒子)=2/1〜1/8である。
樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
また、樹脂としては、酸化錫微粒子、シリカ微粒子との混合性が良好であることから、樹脂と水性媒体とを含有する水性分散体の形態をとることが好ましい。
上記樹脂の例として、ポリオレフィン樹脂について、説明する。
ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン成分としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。中でも、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンが好ましく、エチレンがより好ましい。
ポリオレフィン樹脂におけるオレフィン成分の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。オレフィン成分の含有量が50質量%未満では、基材に対する密着性、耐溶剤性等のポリオレフィン由来の特性が失われる場合がある。
ポリオレフィン樹脂は、基材との密着性、またはインキ層との密着性を向上させる理由から、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有することが好ましい。ポリオレフィン樹脂における(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、0.5〜40質量%であることが好ましく、1〜35質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることがさらに好ましく、5〜25質量%であることが特に好ましく、10〜25質量%であることが最も好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル成分としては、例えば(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
また、ポリオレフィン樹脂は、上記成分以外に他の成分をポリオレフィン樹脂中に10質量%以下程度、含有してもよい。他の成分としては、例えば1−オクテン、ノルボルネン類等の炭素数6を超えるアルケン類やジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、一酸化炭素、二酸化硫黄等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
ポリオレフィン樹脂としては、酸変性成分とオレフィン成分とを共重合成分として含有する共重合体である、酸変性ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
酸変性成分は、不飽和カルボン酸成分であることが好ましく、不飽和カルボン酸、またはその無水物によりポリオレフィン樹脂に導入される。不飽和カルボン酸成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂における酸変性成分の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、2〜20質量%であることがさらに好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン、酸変性エチレン−プロピレン樹脂、酸変性エチレン−ブテン樹脂、酸変性プロピレン−ブテン樹脂、酸変性エチレン−プロピレン−ブテン樹脂、あるいはこれらの酸変性樹脂にさらに(メタ)アクリル酸エステル等でアクリル変性したエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体等が挙げられ、中でも、エチレン−(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸共重合体が好ましい。さらに、酸変性ポリオレフィン樹脂は5〜40質量%の範囲で塩素化されていてもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂として、例えば、アルケマ社製のボンダインシリーズ、エボニックジャパン社製のベストプラストシリーズ、ダウ・ケミカル社製のプリマコールシリーズ、三洋化成社製のユーメックスシリーズ、三井化学社製のアドマーシリーズ、東洋紡社製のトーヨータックシリーズ等の市販品を使用することができる。また、市販の水系の酸変性ポリオレフィン樹脂も使用することができ、例えば、ユニチカ社製のアローベースシリーズ、日本製紙ケミカル社製のスーパークロンシリーズ、住友精化社製のザイクセンシリーズ、三井化学社製のケミパールシリーズ、東洋紡社製のハードレンシリーズ等を使用することができる。
次に、上記樹脂の別の例として、ポリエステル樹脂について説明する。
ポリエステル樹脂を構成する多塩基酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上の多塩基酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。脂環式ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸およびその無水物、テトラヒドロフタル酸およびその無水物等が挙げられる。3官能以上の多塩基酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水べンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
多塩基酸成分としては、芳香族ジカルボン酸が好ましく、ポリエステル樹脂の多塩基酸成分に占める芳香族ジカルボン酸の割合としては、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸の割合を増すことにより、水性塗剤から形成される塗膜の硬度、耐水性、耐溶剤性、加工性等が向上する。芳香族ジカルボン酸としては、工業的に多量に生産されており、安価であることから、テレフタル酸やイソフタル酸が好ましい。
また、多塩基酸として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の、カルボキシル基や水酸基以外の親水性基を有する多塩基酸も使用することができるが、使用量が多いと、水性塗剤より形成される塗膜は、耐水性等の塗膜性能が低下する場合がある。
ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分としては、例えば、炭素数2〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコール、3官能以上の多価アルコール等が挙げられる。炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等が挙げられ、炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられ、エーテル結合含有グリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。3官能以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、多価アルコールとして、2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのようなビスフェノール類(ビスフェノールA)のエチレンオキシド付加体やビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンのようなビスフェノール類(ビスフェノールS)のエチレンオキシド付加体等も使用することができる。
多価アルコールとしては、工業的に多量に生産されており、安価であることから、エチレングリコールやネオペンチルグリコールを使用することが好ましく、ポリエステル樹脂の多価アルコール成分に占めるエチレングリコールとネオペンチルグリコールの合計の割合としては、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。
ポリエステル樹脂には、モノカルボン酸、モノアルコール、ヒドロキシカルボン酸が共重合されていてもよく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸のエチレンオキシド付加体等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂には3官能以上の多価オキシカルボン酸が共重合されていてもよく、例えば、リンゴ酸、グリセリン酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂の酸価は、2〜10mgKOH/gであることが好ましく、4〜9mgKOH/gであることがより好ましく、5〜8mgKOH/gであることが最も好ましい。酸価が10mgKOH/gを超えると、ポリエステル樹脂の分子量が低くなって、得られる塗膜は、加工性または密着性が低下し、耐水性が不十分となることがある。また、酸価が2mgKOH/g未満であると、均一な水性塗剤を得ることが困難になることがある。
ポリエステル樹脂は、得られる塗膜の耐水性を損なわない範囲で水酸基を含有してもよく、通常、その水酸基価は30mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以下であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂としては市販品を使用することができ、また、水系のポリエステル樹脂の市販品も使用することができる。これらの市販品として、例えば、ユニチカ社製の共重合ポリエステル樹脂「エリーテルシリーズ」等を使用することができる。
<酸化錫微粒子>
酸化錫微粒子としては、その数平均粒子径が50nm以下のものが好ましく、より好ましくは20nm以下、特に好ましくは10nm以下である。酸化錫微粒子の数平均粒子径が50nmを超えると、塗膜外観に劣り、インキ層との密着性が低下するおそれがある。
酸化錫微粒子の具体例としては、例えば、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、インジウムドープ酸化錫、酸化錫ドープインジウム、アルミニウムドープ酸化錫、タングステンドープ酸化錫、酸化チタン−酸化セリウム−酸化錫の複合体、酸化チタン−酸化錫の複合体等が挙げられ、それらの溶媒和物や配位化合物も用いることができる。中でも帯電防止性等の性能に優れ、かつそれとコストとのバランスがよいことから、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、酸化錫ドープインジウムおよびそれらの溶媒和物や配位化合物が好ましい。
上記の酸化錫微粒子の製造方法は、特に限定されない。例えば、金属錫や錫化合物を加水分解または熱加水分解する方法や、錫イオンを含む酸性溶液をアルカリ加水分解する方法や、錫イオンを含む溶液をイオン交換膜やイオン交換樹脂によりイオン交換する方法等、何れの方法も用いることができる。
酸化錫微粒子は、市販のものを使用することもできる。例えば、酸化錫微粒子水分散体として山中化学工業社製EPS−6があり、アンチモンドープ酸化錫微粒子水分散体として石原産業社製SN100Dがあり、酸化錫ドープインジウム微粒子としてシーアイ化成社製ITOがある。
<シリカ微粒子>
シリカ微粒子の平均粒子径は、2〜100nmであることが好ましく、より好ましくは3〜20nmである。2nm未満であると塗剤の安定性が悪くなる場合があり、100nmを超えると塗膜外観が悪くなる場合がある。
シリカ微粒子は、シリカゾル等の市販品も使用することができる。こうした市販品として、例えば、日産化学社製スノーテックスシリーズ、日本化学社製シリカドールシリーズ、ADEKA社製アデライトATシリーズ等が挙げられる。
本願発明においては、酸化錫微粒子とシリカ微粒子とを特定の質量比にて組み合わせて含有させることで、帯電防止性、透明性を維持しつつ、インキ層との密着性にも優れる水性塗剤が得られる。
酸化錫微粒子とシリカ微粒子との質量比は、(酸化錫微粒子)/(シリカ微粒子)=70/30〜10/90であり、60/40〜20/80であることが好ましく、50/50〜30/70であることがより好ましい。上記の範囲を外れて酸化錫微粒子が過少であると、帯電防止性、耐候性、インキ層との密着性に劣り、上記の範囲を外れてシリカ微粒子が過少であっても、適切な表面凹凸が発現せず却ってインキ層との密着性に劣るものとなる。
本発明の水性塗剤において、樹脂の合計含有量と、酸化錫微粒子とシリカ微粒子の合計含有量との質量比は、(樹脂)/(酸化錫微粒子とシリカ微粒子)=10/90〜60/40であることが好ましく、10/90〜40/60であることがより好ましく、10/90〜20/80であることがさらに好ましい。上記の範囲を外れて樹脂の合計量が過多であると、帯電防止性、耐候性に劣る場合があり、一方上記の範囲を外れて樹脂の合計量が過少であると、インキ層との密着性、塗膜とした場合の外観に劣る場合がある。
<水性媒体>
本発明の水性塗剤における水性媒体は、水または、水を主成分とする液体のことであり、親水性有機溶媒や塩基性化合物を含有していてもよい。水性媒体が親水性有機溶媒を含有することで、基材への濡れ性が向上し、一般に塗工が困難な基材(例えば、ポリエチレン樹脂製基材)に対しての塗工性が向上することで、各種基材への密着性をさらに向上させるという効果が奏される。
親水性有機溶媒の含有量は、基材への適度な濡れ性付与のために、水性媒体全量(100質量%中)に対して1〜50質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましく、5〜25質量%であることがさらに好ましい。1質量%以上であると、基材への濡れ性にいっそう優れるものとなり、一方50質量%以下であると、得られる水性塗剤の液安定性にいっそう優れるものとなる。
親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチルグリセリン、またはトリメチルグリセリン等が挙げられる。
親水性有機溶剤の中でも、基材への濡れ性にいっそう優れ、塗膜とした場合の透明性をより向上させることから、アルコール類が好ましい。中でも、沸点が80〜100℃であるアルコール類がより好ましい。沸点が80℃以上のアルコール類を用いることで、塗膜の造膜が完了するまで、アルコールが揮発し難いという利点があり、沸点が100℃以下であるアルコール類を用いることで、塗膜にアルコールが残り難いという利点がある。
このようなアルコール類としては、イソプロパノール、1−プロパノール等が挙げられ、中でも、イソプロパノールが好ましい。
塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、イソプロピルアミン、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、エチルアミン、ジエチルアミン、イソブチルアミン、ジプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2,2−ジメトキシエチルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピロール、またはピリジン等が挙げられる。
<添加剤>
本発明の水性塗剤は、ポリエチレン系基材のような、一般に塗工が困難な基材(例えば、ポリエチレン樹脂製基材)に対しての塗工性をさらに向上させ、ひいては各種基材への密着性をさらに向上させるために、架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、例えば、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属等が挙げられる。具体的には、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。中でも、基材への塗工性や密着性により優れることから、メラミン化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン基含有化合物、シランカップリング剤がより好ましく、オキサゾリン基含有化合物がさらに好ましい。また、これらの架橋剤は、複数同時に使用してもよい。
架橋剤の含有量は、塗膜とした場合の基材への塗工性や密着性等を向上させる観点から、樹脂と酸化錫微粒子とシリカ微粒子との合計100質量部に対し0.01〜30質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましく、0.5〜15質量部であることがさらに好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましい。架橋剤の含有量が0.01質量部未満の場合には、塗膜性能の向上が見込めなくなる傾向にあり、30質量部を超える場合には、加工性等の性能が低下することがある。
本発明の水性塗剤は、さらに必要に応じて、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤、耐候剤、難燃剤等の各種薬剤を含有することも可能である。
<水性塗剤の製造方法>
本発明の水性塗剤の製造方法は特に限定されず、例えば、樹脂、水性媒体、酸化錫微粒子、シリカ微粒子、および必要に応じてその他の添加剤を、混合して調整する方法が挙げられる。樹脂として、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂を用いる場合は、例えば、特許第3699935号公報および国際公開第2004/037924号に記載の方法に準じて、各々予め調製したポリオレフィン樹脂水性分散体および/またはポリエステル樹脂水性分散体と、酸化錫微粒子と、シリカ微粒子とを混合して調製する方法等が挙げられる。
酸化錫微粒子は、酸化錫微粒子の分散液として混合されてもよい。酸化錫微粒子の分散液を得る方法としては、例えば、酸化錫微粒子、水性媒体、さらに必要に応じて、親水性有機溶媒や塩基性化合物を、容器中で加熱、撹拌する方法を採用することができる。このとき使用される親水性有機溶媒や塩基性化合物は、前述したものから選ぶことができる。
水分散液中の酸化錫微粒子の含有率は、特に限定されるものではないが、分散安定性を保つため、1〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが特に好ましい。この場合の塩基性化合物の添加量は、酸化錫微粒子の種類によっても異なるが、酸化錫微粒子1モルに対して0.01〜5.00モルであることが好ましく、さらに好ましくは0.10〜4.00モルである。このとき、加熱温度としては、酸化錫微粒子の解膠促進のために、25℃以上とすることが好ましく、30℃以上であることがさらに好ましい。撹拌方法は、特に限定されず、一般的な撹拌子や撹拌羽を用いる撹拌方法以外に、ホモミキサーやホモジナイザーを用いる分散法や、高圧分散器や超音波分散器等を用いる方法を採用することも可能である。
酸化錫微粒子の分散液としては、酸化錫微粒子が、ほぼその1次粒子径の数平均粒子径を保ったまま分散されたものが好ましい。具体的には、上述のように数平均粒子径が50nm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは10nm以下である。酸化錫微粒子の数平均粒子径が50nmを超えると、分散安定性、塗膜の透明性が低下するおそれがある。ここで、酸化錫微粒子の数平均粒子径は、動的光散乱法等によって測定される。
シリカ微粒子は、シリカ微粒子が水性媒体中に分散したコロイダルシリカとして混合されてもよい。
<塗膜>
本発明の塗膜は、上記の本発明の水性塗剤から形成されてなるものである。例えば、水性塗剤を各種基材に塗布し、水性塗剤中の水性媒体を除去乾燥することにより塗膜を形成できる。本発明の塗膜は、帯電防止性、透明性、耐候性、インキ層との密着性に優れる。
本発明の水性塗剤を塗布する方法は、基材の形状等により適宜選択でき、特に限定されないが、公知の方法、例えばスプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法、ディップコーティング、ワイヤーバーコーティング、カーテンフローコーティング、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、エアナイフコーティング等が採用できる。
本発明の水性塗剤の塗布量は、その用途によって適宜選択され特に限定されるものではないが、乾燥膜厚として0.1〜50μmであることが好ましく、0.3〜10μmであることがより好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。
なお、均一な塗膜を得るためには、塗布に用いる装置やその使用条件を適宜選択することに加えて、装置または使用条件に応じて濃度や粘度が調整された水性塗剤を使用することが好ましい。
水性塗剤を塗布した後に乾燥する装置は特に限定するものではなく、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用することができる。
乾燥時の加熱温度や加熱時間は、適宜選択されるものであり、特に限定されるものではないが、加熱温度としては、50〜250℃であることが好ましく、80〜200℃であることがより好ましく、100〜180℃であることがさらに好ましい。
加熱時間としては、5秒〜10分であることが好ましく、10秒〜10分であることがより好ましく、20秒〜5分であることがさらに好ましい。なお、水性塗剤が架橋剤を含む場合は、樹脂や他の重合体の官能基と架橋剤との反応を十分進行させるために、架橋剤の種類によって、加熱温度および時間を適宜選定することが望ましい。
<積層体>
本発明の積層体は、基材と、上記の本発明の塗膜とが積層されてなるものである。
基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紙、ガラス、金属等の材料からなるものが挙げられる。
本発明の積層体は、上記の基材および本発明の塗膜以外に、必要に応じて他の層を含んでいてもよい。
本発明の積層体は、例えば、包装材料、磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録材料、電子材料、グラフィックフィルム、製版フィルム、OHPフィルム等の用途に好ましく用いられる。
以下、本発明の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
各種の特性は、以下の方法によって測定または評価した。
(1)表面抵抗率
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ社製)のコロナ処理面に、各水性塗剤をバーコーター(No.4)で塗布し、100℃で30秒間乾燥させることにより、厚さ0.5μmの塗膜を形成した。JIS K6911に準じ、デジタル超抵抗/微少電流計(アドバンテスト社製R8340)を用い、積層体の塗膜面の表面抵抗率を測定した。
(2)透明性
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ社製)のコロナ処理面に、各水性塗剤をバーコーター(No.4)で塗布し、100℃で30秒間乾燥させることにより、厚さ0.5μmの塗膜を形成した。JIS K7361−1に準じ、濁度計(日本電色工業社製NDH4000)を用い、積層体のヘイズ値を測定した。
(3)耐候性
厚さ2mmのフロートガラスに各水性塗剤をバーコーター(No.4)で塗布し、100℃で30秒間乾燥させることにより、厚さ0.5μmの塗膜を形成した。メタルウェザー(ダイプラ・ウィンテス社製KW−R5TP−A)にて100時間のばく露試験を行い、上記(1)、(2)に従い、表面抵抗率および透明性を測定した。ばく露前後での表面抵抗率および透明性の差から、下記に従って耐候性を評価した。表面抵抗率は、桁数が変わった場合を「変化あり」と見なした。透明性はヘイズ値が0.5以上増加した場合を「変化あり」と見なした。
〇:表面抵抗率、透明性ともに変化なし
△:表面抵抗率、透明性のいずれかに変化あり
×:表面抵抗率、透明性ともに変化あり
(4)基材との密着性
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ社製)または厚さ50μmのPEフィルム(三井化学東セロ社製)上に(何れもコロナ処理が施されていない表面上)、各水性塗
剤をバーコーター(No.4)で塗布し、100℃で30秒間乾燥させることにより、厚さ0.5μmの塗膜を形成した。基材との密着性をJIS5600に準じたクロスカット試験で評価した。
密着性について、下記に示すセロハンテープ剥離後の密着箇所数/100の指標により評価をおこなった。
◎:100/100
〇:90〜99/100
△:80〜89/100
×:0〜79/100
(5)インキ層との密着性
上記(2)において得られた、PETフィルム(厚さ12μm)上に各水性塗剤から塗膜を形成した積層体の塗膜面に、UV硬化型インキ(十条ケミカル社製、レイキュアーCPO)をバーコーター(No.4)で塗工し、厚み4μmのインキ層を形成した後、100mJ/cmの紫外線を10秒間照射し硬化処理をおこなった。硬化させたインキ層側から、JIS5600に準じてクロスカット試験をおこない、硬化させたインキ層と塗膜との密着性について、下記に示すセロハンテープ剥離後の密着箇所数/100の指標により評価をおこなった。
〇:100/100
△:99〜90/100
×:0〜89/100
ポリオレフィン樹脂の水性分散体E−1としてユニチカ社製、アローベース(銘柄:SD−1010、固形分濃度:20質量%)を用いた。
ポリエステル樹脂の水性分散体E−2としてユニチカ社製、エリーテル(銘柄:KA−3556-S、固形分濃度:30質量%)を用いた。
ポリエステル樹脂の水性分散体E−3としてユニチカ社製、エリーテル(銘柄:KA−3556、固形分濃度:30質量%、アルコール類としてのイソプロパノール(沸点:82.4℃)を22質量%の割合で含有)を用いた。
実施例1
酸化錫微粒子(ユニチカ社製AS−11T、粒子径10nm)、コロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスC、粒子径12nm)、ポリオレフィン樹脂の水性分散体(E−1)を、それぞれ固形分比率が20/60/20になるように配合し、固形分濃度15質量%の水性塗剤(A−1)を作製した。A−1から得られた塗膜の特性を表1に示す。
Figure 2021161391
実施例2〜6、12〜14、比較例1〜4
表1、表2または表3に示すとおりに、組成または樹脂の水性分散体の種類を変更し、それぞれ固形分濃度が15質量%の水性塗剤(A−2〜A−6、A−12〜A−14、B−1〜B−4)を作製した。各水性塗剤から得られた塗膜の特性を表1、表2、表3に示す。
Figure 2021161391
Figure 2021161391
実施例7〜9
実施例1に対し、表2に示す含有量となるように、架橋剤としてのオキサゾリン基含有化合物(日本触媒社製「エポクロス WS−300」を添加し、それぞれ水性塗剤(A−7〜A−9)を作製した。各水性塗剤から得られた塗膜の特性を表1に示す。
実施例10
実施例1に対し、表2に示す含有量となるように、架橋剤としてのエポキシ化合物ナガセケムテックス社製「デナコールEX−614B」)を添加し、水性塗剤(A−10)を作製した。(A−10)から得られた塗膜の特性を表1に示す。
実施例11
実施例1に対し、表2に示す含有量となるように、アルコール類としてのイソプロパノール(IPA)(沸点:82.4℃)を添加し、水性塗剤(A−11)を作製した。(A−11)から得られた塗膜の特性を表1に示す。
実施例1〜14で得られた本発明の水性塗剤は、塗膜とした場合の帯電防止性、透明性、耐候性、インキ層との密着性の何れにも優れるものであった。
比較例1、3で得られた水性塗剤は、シリカ微粒子を含有せず、酸化錫微粒子のみを含有していたので、それぞれ実施例1、3と比較すると、帯電防止性には優れていたが、インキ層との密着性に劣るものであった。
比較例2、4で得られた水性塗剤は、酸化錫微粒子を含有せず、シリカ微粒子のみを含有していたので、それぞれ実施例2、4と比較すると、帯電防止性、耐候性、インキ層との密着性に劣るものであった。

Claims (8)

  1. 樹脂と、酸化錫微粒子と、シリカ微粒子と、水性媒体とを含有し、酸化錫微粒子とシリカ微粒子との質量比が、(酸化錫微粒子)/(シリカ微粒子)=70/30〜10/90である、水性塗剤。
  2. 樹脂が、ポリオレフィン樹脂および/またはポリエステル樹脂である、請求項1に記載の水性塗剤。
  3. 樹脂の合計含有量と、酸化錫微粒子とシリカ微粒子の合計含有量との質量比が、(樹脂)/(酸化錫微粒子とシリカ微粒子)=10/90〜60/40である、請求項1または2に記載の水性塗剤。
  4. 架橋剤を含有する、請求項1〜3の何れかに1項に記載の水性塗剤。
  5. 架橋剤の含有量が、樹脂と酸化錫微粒子とシリカ微粒子との合計100質量部に対して0.01〜30質量部である、請求項4に記載の水性塗剤。
  6. アルコール類を含有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の水性塗剤。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の水性塗剤から形成されてなる、塗膜。
  8. 基材の少なくとも一方の面に、請求項7に記載の塗膜が積層されてなる、積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024024648A1 (ja) * 2022-07-29 2024-02-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 有機色素組成物及びそれを含むスプレー剤

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