JP2021159833A - 被膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自然な濃淡を有する模様(ぼかし模様)を容易かつ効率的に形成することができる被膜形成方法を提供する。【解決手段】本発明は被塗面に、塗付具を用い被覆材を塗付して模様被膜を形成する被膜形成方法であって、上記塗付具は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が混在する吸液材層を有し、当該吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部が除去加工された形状であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な被膜形成方法に関するものである。
従来、建築物、土木構造物等の壁面に対し、種々の模様を有する装飾被膜を形成することが行われている。このような装飾被膜の一例として、複数の被覆材を部分的に塗り重ねて模様を形成した装飾被膜が挙げられる。
例えば、特許文献1には、まだら模様を形成するために、凸凹のある合成スポンジを使用することが記載されている。具体的には、立方体を成す合成スポンジと円柱型合成スポンジの2種類の塗付具を使用して、粗い模様や細かい模様や連続した模様を塗工することが記載されている。しかしながら、特許文献1のように、2種以上の塗付具を使用した場合、模様に偏りが生じやすく、美観性に欠く場合がある。さらには、塗付具の塗り継ぎムラ等が生じるおそれがあった。
特開2008−266911号公報
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、模様のバランス(配置)が良好な美観性の高い装飾被膜面を形成することができる被膜形成方法を提供することを目的とするものである。特に、本発明は、自然な濃淡を有する模様(ぼかし模様等)を容易かつ効率的に形成することができる被膜形成方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、特定の吸液材層を有し、当該吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部が除去加工された形状である塗付具を使用する被膜形成方法を見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の特徴を有するものである。
1.被塗面に塗付具を用い、被覆材を塗付して模様被膜を形成する被膜形成方法であって、
上記塗付具は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が混在する吸液材層を有し、当該吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部が除去加工された形状であることを特徴とする被膜形成方法。
2.上記吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部に凹凸形状を有することを特徴とする1.に記載の被膜形成方法。
3.上記吸液材層の塗付面は、凹凸形状を有することを特徴とする1.または2.に記載の被膜形成方法。
4.被塗面に着色被膜を形成した後、上記塗付具を用い、被覆材を塗付して模様被膜を形成することを特徴とする1.〜3.に記載の被膜形成方法。
本発明の被膜形成方法は、特定の塗付具を用いることにより、模様のバランス(配置)が良好な美観性の高い模様、特に、自然な濃淡を有する模様(ぼかし模様等)を容易かつ効率的に形成することができる。
図1は、本発明の塗付具の一例である。 図2は、本発明の塗付具の一例である。 図3は、従来の塗付具の一例である。 図4は、本発明の塗付具の一例である。 図5は、本発明の塗付具の一例である。 本発明の塗付具を使用した模様被膜形成方法の一例である。
1.塗付具
A:吸液材層
As:塗付面
Ae:エッジ部
At:厚み方向
a1〜a5:吸液材
B:支持部
C:取手部
2.被塗面
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、被塗面に塗付具を用い、被覆材を塗付して模様被膜を形成する被膜形成方法に関するものである。上記塗付具としては、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が混在する吸液材層を有し、当該吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部が除去加工された形状である塗付具を使用する。このような塗付具を使用することにより、濃淡が混在する自然なぼかし模様を容易かつ効率的に付与することができる。
<塗付具>
本発明で使用する塗付具は、模様形成用の塗付具であり、当該塗付具に塗材を含ませた後、被塗面に押しあてるように塗付することにより模様付与することができるものである。
図1に、本発明の塗付具の斜視図を示す。
本発明の塗付具は、特定の吸液材層を有するものであり、当該吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部が除去加工された形状であることを特徴とする。
<吸液材層>
図2に、図1の吸液材層の断面図[図1:X−X’]を示す。本発明の吸液材層は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材[図2:a1〜a5]が混在することを特徴とするものである。このような特定の吸液材層を使用することにより、濃淡が混在する自然なぼかし模様を容易かつ効果的に付与することができる。
吸液材としては、塗材を含むことができるものであれば特に限定されないが、例えば、フェルト、不織布、スポンジ材(ウレタン系、メラミン系、アクリル系、ナイロン系)等が挙げられ、これらの硬度、密度のいずれかまたは両方が異なる少なくとも2種以上(好ましくは3種以上)のものを混合して使用する。本発明では、2種以上(好ましくは3種以上)のスポンジ材(好ましくはウレタン系スポンジ材を含む)を組み合わせて使用することが好ましい。各吸液材の硬度は、好ましくは10〜3000N(より好ましくは20〜2000N、さらに好ましくは30〜1500N)、密度は、好ましくは1〜300kg/m(より好ましくは3〜200kg/m、さらに好ましくは5〜150kg/m)である。このような吸液材を組み合わせた吸液材層を有する模様ローラーを使用することにより、各吸液材の変形具合や被覆材の転写性等に対応した模様を形成することができる。ここで言う、「硬度」とは、JIS K6400−2に準じ、試験片の厚さ40%まで圧縮したときの力から測定される硬さ(C法)の値である。また、「密度」とは、JIS K7222に準じ、試験片の重量及び寸法から算出される見掛け密度の値である。
上記吸液材の個々の外形は特に限定されないが、好ましくは不定形の立体形のものである。また、その個々の大きさは、好ましくは1〜30mm(より好ましくは2〜20mm)である。本発明では、大きさの異なる複数の吸液材が混在することが好ましい。このような場合、硬度及び/または密度に加え大きさも異なる吸液材が吸液材層にランダムに混在するため、本発明の効果を一層高めることができる。なお、ここで言う「大きさ」は、外形の最長軸であり、例えば、一辺が所定寸法の升目を有する篩いにより篩い分けされて測定されるものである。
本発明の吸液材層は、上記吸液材がブロック状に形成(固定)されたものであることが好ましい。具体的に、本発明の吸液材層は、吸液材層の厚み方向に少なくとも1種の吸液材が固定されていればよいが、2種以上が積み重なるように固定されている形態がより好ましい。さらには、図2のように、厚み方向に複数の吸液材がランダムに混在するように積み重なるように固定された態様がいっそう好ましい。このような吸液材層を有することにより、本発明の効果を高めることができる。
ブロック状の吸液材層の概形は、特に限定されないが、例えば、直方体形状、立方体形状、三角柱形状、四角柱形状、多角柱形状、円柱形状、半円柱形状、半円球形状等のブロック状が挙げられる。この場合、吸液材層の塗付面の概形は、例えば、三角形、四角形(長方形または正方形)、多角形、円形状、半円形状等となる。塗付面の面積は、所望に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは3〜500cm(より好ましくは5〜400cm、10〜300cm)である。また、その高さ(吸液材層の厚み)は、個々の吸液材の大きさにもよるが、好ましくは50mm以下(より好ましくは1〜30mm、さらに好ましくは2〜15mm)である。
特に、本発明の吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部が、除去加工された形状であることを特徴とするものである。本発明における「塗付面外周縁のエッジ部が、除去加工された形状」について説明する。図3に、従来から使用されている塗付具(例えば、特開2003−211062号、実用新案登録第3217177号等)のを示す。これらの塗付具は、塗付面[図3:As]外周縁にエッジ部(角部)[図3:Ae(Ae部のY方向部分断面拡大図)]を有するものである。これに対して、図4に、本発明の塗付具のエッジ部の拡大図(図2におけるAe部のY方向部分断面拡大図)の例を示す。図4に示すように、本発明の塗付具は、図4のエッジ部が除去加工された形状であれば、特に限定されず、このような形状としては、例えば、
・エッジ部が面取り加工された形状[図4(i)]、
・丸みを付けて面取り加工(R面取り加工)された形状[図4(ii)]、
・エッジ部(稜線上)に凹凸を有する形状[図4(iii)]、
・エッジ部に丸みを付けて、かつ凹凸形状を有するように加工された形状[図4(iv)]、
等が挙げられる。本発明では、上記のうち少なくとも1種の加工が施された形状であればよいが、これらが組み合わされた形状であってもよい。本発明では、特に、エッジ部に凹凸形状を有するように加工された形状[図4(iii)、(iv)]であることが好ましい。このような場合、塗付具のエッジ部の直線的な模様が付与されることなく、境界部が不明瞭なぼかし模様を容易かつ効率的に付与することができる。
さらに、塗付面の表面の形状は、特に限定されず、平滑であっても、凹凸を有するものであってもよいが、本発明では、凹凸形状を有する[図2、図4(iii)、(iv)等]ことが好ましい。これにより、よりいっそう自然な模様を付与することができ、本発明の効果を高めることができる。なお、上記塗付面外周縁のエッジ部や塗付面の表面の凹凸形状の大きさは、特に限定されないが、凹部と凸部の高低差が、好ましくは0.3〜15mm(より好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは0.8〜5mm)である。このような範囲を満たす場合、境界部が不明瞭なぼかし模様を容易かつ効率的に付与することができる。
上記吸液材層の成型方法としては、特に限定されないが、例えば、
(1)所望の形状が転写された成形型に少なくとも2種以上の吸液材を充填して成形する方法、
(2)少なくとも2種以上の吸液材を所望の概形を有するブロック状に成形後、塗付面外周縁のエッジ部を除去加工する方法、
等が挙げられる。また、上記(1)後に、さらに塗付面外周縁のエッジ部を除去加工することもできる。
上記(1)、上記(2)において、吸液材を成形する場合、圧縮成形することが好ましい。これにより、本発明の効果を高めることができる。
上記(1)において、所望の形状が転写された成形型としては、予め塗付面外周縁のエッジ部(必要に応じて塗付面の表面形状)の形状が転写された成形型を使用することが好ましい。
また、上記(2)において、塗付面外周縁のエッジ部を除去加工する場合、面取り加工やR面取り加工等の除去加工により均一な加工を施したり、切除(カッティング)等の除去加工により凹凸加工を施したり、毟り取りや掻き取り等のランダムな除去加工により凹凸形状を施すことができる。本発明では、特に、塗付面外周縁のエッジ部をランダムな除去加工により凹凸形状を施すことが好ましい。これにより、いっそう自然な模様を効率的に付与することができる。
本発明の塗付具は、図5に示すように吸液材層の塗付面と反対側の面に支持部[図5:B]を有することが好ましい。支持部としては、吸液材層を支持できるものであれはよいが、塗付具の塗付面が、被塗面と接触した際に均一に荷重を付加できる程度に剛性を有するものであればよい。その材質としては、例えば、金属製、合成樹脂製(プラスチック製)、木製、セラミック製、等が使用できる。また、その厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1mm〜10cm(より好ましくは0.5mm〜5cm)である。このような場合、塗付圧のムラによる模様の偏りを抑制し、美観性に優れた模様を効率的に形成することができる。
また、上記支持部には、取手部[図5:C]を連結することもできる。取手部の形状、及び材質は上記効果が得られる範囲において特に限定されない。
<被塗面>
本発明における被塗面は、好ましくは、建築物、土木構造物等の基材表面、特に、内外壁、天井、建具等の表面を構成する基材である。基材の材料としては、例えば、石膏ボード、コンクリート、モルタル、磁器タイル、煉瓦、セメント板、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、パーライト板、ALC板、サイディング板、押出成形板、合板、木質板、鋼板、プラスチック板、ガラス板、等が挙げられる。これこれら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたものであってもよい。
上記基材は、凹凸模様を有するものであってもよい。凹凸模様としては、種々のものが挙げられ、例えばタイル調模様、レンガ調模様、石目調模様、岩石調模様、木目調模様、幾何学的模様、縞模様、格子模様、水玉模様、砂壁模様、ゆず肌模様、さざ波模様等の他、動植物等をデザイン化した図形模様等が挙げられる。具体的に、凹凸模様を正面から見たときの凸部の形状としては、例えば正方形、長方形、円形、楕円形、三角形、菱形、多角形、不定形等の形状が挙げられる。また、凹凸模様における凸部の断面形状としては、例えば台形、正方形、長方形、半円形、波形、階段形、三角形、山形、不定形等が挙げられる。凹凸模様における凹部は、平坦で目地を形成するもの等であってもよい。凹部と凸部との高低差は、各々の部位で一定であっても相違していてもよいが、好ましくは20mm以下、より好ましくは1〜15mm程度である。このような凹凸模様は、建築基材、既存の塗膜や壁紙の少なくとも1種に付されたものであればよい。
<被膜形成方法>
本発明の被膜形成方法は、図6に示すように
(工程A)被塗面に、上記塗付具を用い被覆材(a)を塗付して模様被膜を形成する工程、
を含むことを特徴とする。
上記(工程A)において、少なくとも1種の被覆材(a)を、上記塗付具を用いて塗付することにより模様被膜を形成することができる。具体的には、被塗面に、被覆材(a)を吸液材層に含ませた塗付具を用いて塗付するものである。被塗面に対し、被覆材(a)を塗付する場合、所望の模様に応じて塗付すればよいが、例えば、全面に塗付しても、部分的(不連続)に塗付してもよい。また、その塗付方法としては、叩き塗り、押え塗り等が挙げられ、本発明では、例えば、部分的(不連続)に叩き塗りすることにより、美観性に優れた模様を得ることができる。
本発明における被覆材(a)としては、特に限定されず、公知のクリヤー塗料、着色塗料等が使用できる。このような被覆材としては、結合材を含むもの、あるいは結合材と顔料(着色顔料、体質顔料)や染料を含むもの等を使用できる。また、被覆材には、公知の添加剤を含むことができる。本発明では、顔料や染料の種類、各構成成分の混合比率等を調整することにより、色、光沢等を設定することができる。
また、被覆材(a)の被塗面への塗付け量は、好ましくは5g/m以上100g/m以下(好ましくは10g/m以上80g/m以下)である。このような場合、本発明の効果を十分に得ることができる。
本発明の模様被膜の形成方法では、本発明の効果を阻害しない限り、意匠性向上の目的で、上記(工程A)の前に、着色被膜を形成することができる。このような模様被膜の形成方法としては、例えば、
(工程P)被塗面に少なくとも1種以上の被覆材(p)を塗付して着色被膜(P)を形成する工程、
(工程A)次いで、上記着色被膜(P)を有する被塗面に、上記塗付具を用い、被覆材(a)を塗付して模様被膜を形成する工程、
を含むことが好ましい。この場合、被覆材(p)と被覆材(a)は、異色及び/または光沢(艶)が異なる被覆材であることが好ましい。これにより、意匠性、美観性をよりいっそう高めることができる。
上記(工程P)において、被覆材(p)を塗付する際の塗付器具としては、例えば、スプレー、コテ、ローラー、ブラシ(刷毛等を含む)、押圧具(叩き具等を含む)等が挙げられる。このうち、ローラーとしては、例えば、繊維質ローラー、多孔質(スポンジ質)ローラー等が挙げられ、押圧具としては、例えば、スポンジ、フェルト、織布、不織布等を有するものが使用できる。
また、本発明では、上記(工程P)の着色被膜(P)として、少なくとも2種以上の着色領域が混在する装飾被膜(P’)を形成することもできる。このような模様被膜の形成方法としては、例えば、
(工程P1)被塗面に、被覆材(p1)を塗付する工程、
(工程P2)被覆材(p1)が非流動状態となった後に、被覆材(p2)を不連続に塗付し装飾被膜(P’)を形成する工程、
(工程A)次いで、上記装飾被膜(P’)を有する被塗面に、上記塗付具を用い、被覆材(a)を塗付して模様被膜を形成する工程、
を含むことが好ましい。
この場合、上記被覆材(p1)と上記被覆材(p2)は、異色及び/または光沢(艶)が異なる被覆材であることが好ましい。これにより、意匠性、美観性をよりいっそう高めることができる。また、上記(工程P1)において、被覆材(p1)を塗付する際の塗付器具としては、上記被覆材(p)と同様の塗付器具を使用することができる。また、上記(工程P2)において、被覆材(p2)を不連続に塗付する場合には、公知の模様付けローラー(例えば、特開2019−025473号等)やスポンジ質材等の塗付具を使用することができる。
さらに、上記(工程A)において、被覆材(a)としては、例えば、被覆材(p1)と被覆材(p2)とは異色及び/または光沢(艶)が異なる被覆材、あるいは被覆材(p1)と被覆材(p2)のうち少なくとも1種と同種ないし同一の被覆材を使用することができる。前者では、装飾被膜(P’)に対して、さらに模様を付与することができるため意匠性を高めることができる。一方、後者では、装飾被膜(P’)の模様バランスを調整することができるため美観性を高めることができる。
さらに、本発明において、被塗面が凹凸模様(例えば、目地凹部及び化粧凸部)を有する場合には、上記(工程P)として、例えば、
(工程P0)少なくとも目地凹部に、被覆材(p0)を塗付して着色層(P0)を形成する工程、
(工程P1)次いで、化粧凸部に、被覆材(p0)とは異色の被覆材(p1)を塗付して着色層(P1)を形成する工程、
を含むことが好ましい。これにより、目地凹部と化粧凸部が異色の仕上り(2色仕上げ)となり、意匠性、美観性をさらに高めることができる。なお、上記(工程P0)において、被覆材(p0)は、少なくとも目地凹部に塗付すればよいが、被塗面の全体に塗付することもできる。
また、上記(工程P1)後には、上記(工程P2)を行うこともできる。この場合、少なくとも化粧凸部に被覆材(p2)を不連続に塗付し装飾被膜(P’)を形成すればよい。これにより、化粧凸部に少なくとも2色以上の着色領域が混在する模様を形成することができる。
本発明における被覆材(p)[(p0)、(p1)、(p2)]としては、特に限定されず、公知のクリヤー塗料、着色塗料等が使用できる。このような被覆材としては、結合材を含むもの、あるいは結合材と顔料(着色顔料、体質顔料)や染料を含むもの等を使用できる。また、被覆材には、公知の添加剤を含むことができる。本発明では、顔料や染料の種類、各構成成分の混合比率等を調整することにより、色、光沢等を設定することができる。また、被覆材(p)[(p0)、(p1)、(p2)]として、凹凸模様が形成可能な被覆材を使用することもできる。これにより上記(工程P[(p0)、(p1)、(p2)])において、凹凸被膜を形成してもよい。
また、被覆材(p)の被塗面への塗付け量は、使用する被覆材の種類、所望の模様等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは1g/m以上500g/m以下(好ましくは2g/m以上300g/m以下)である。このような場合、本発明の効果を十分に得ることができる。
さらに、本発明の模様被膜の形成方法では、本発明の効果を阻害しない限り、表面保護、耐候性向上、耐汚染性等の目的で、(工程A)の後、最表面にクリヤー層(保護層)等を形成することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
被覆材として、以下のものを用意した。
・被覆材1−1
アクリル樹脂エマルション、顔料(酸化チタン、カーボンブラック、黄色酸化鉄、体質顔料)を主成分とする淡灰色系被覆材(L*値:89.1、a*値:−0.3、b*値:4.1、光沢度:11、加熱残分:54重量%、粘度:3.5Pa・s、隠蔽率:97%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し130重量部)
・被覆材1−2
アクリル樹脂エマルション、顔料(酸化チタン、体質顔料)を主成分とする白色系被覆材(L*値:97.4、a*値:−0.4、b*値:1.6、光沢度:11、加熱残分:57重量%、粘度:5Pa・s、隠蔽率:97%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し134重量部、被覆材1−1との色差△E:8.7)
・被覆材2−1
アクリル樹脂エマルション、顔料(酸化チタン、カーボンブラック、体質顔料)を主成分とする濃灰色系被覆材(L*値:36.5、a*値:−0.2、b*値:−1.8、光沢度:10、加熱残分:40重量%、粘度:2.1Pa・s、隠蔽率:98%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し140重量部)
・被覆材2−2
アクリル樹脂エマルション、顔料(カーボンブラック、黄色酸化鉄、体質顔料)を主成分とする黒色系被覆材(L*値:26.4、a*値:0.1、b*値:−0.3、光沢度:10、加熱残分:56重量%、粘度:4.8Pa・s、隠蔽率:98%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し138重量部、被覆材2−1との色差△E:10.2)
(実施例1)
基材(スレート板)に対し、第1工程として被覆材1−1(淡灰色系被覆材)を塗付け量120g/mで全面にローラー塗りし(繊維質ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。次いで、第2工程として被覆材1−2(白色系被覆材)を図5に示す塗付具(吸液材層の厚み:10mm、スポンジ質材a1:硬度45〜60N、密度50〜100kg/m、スポンジ質材a2:硬度75〜110N、密度15〜30kg/m、スポンジ質材a3:硬度110〜140N、密度15〜50kg/m、スポンジ質材a4:硬度110〜300N、密度30〜85kg/m、スポンジ質材a5:硬度1000〜1500N、密度10〜20kg/m、エッジ部の除去加工:図4(iv))で叩き塗り(塗付け量4g/m)し、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て標準状態にて行った。以上の方法より、淡灰色領域に自然な濃淡を有する白色領域がバランスよく混在する美観性の高い模様被膜面を容易かつ効率的に形成することができた。
(実施例2)
基材(スレート板)に対し、第1工程として被覆材2−1(濃灰色系被覆材)を塗付け量120g/mで全面にローラー塗りし(繊維質ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。次いで、第2工程として被覆材2−2(黒色系被覆材)を塗付け量40g/m(塗で不連続にローラー塗りし(例えば、特開2019−025473号公報、図3に記載の凹凸を有する模様ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。
次いで、形成された模様被膜の模様を目視で確認し、被覆材2−2を図5に示すに示す塗付具塗(吸液材層の厚み:10mm、実施例1第2工程と同一の5種のスポンジ質材を有する塗付具を使用。)で叩き塗り(塗付け量10g/m)し、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て標準状態にて行った。以上の方法より、濃灰色領域に自然な濃淡を有する黒色領域がバランスよく混在する美観性の高い模様被膜面を容易かつ効率的に形成することができた。
(比較例1)
実施例1第2工程の塗付具として図3に示す従来の塗付具(スポンジ層の厚み:10mm、スポンジ質材a1:硬度45〜60N)で叩き塗り(塗付け量4g/m)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で模様面を形成した。その結果、淡灰色被膜の上に、不連続な白色模様は形成可能であったが、塗付具のエッジ跡(塗り継ぎ跡)が形成され、意匠性に劣るものであった。


Claims (4)

  1. 被塗面に、塗付具を用い被覆材を塗付して模様被膜を形成する被膜形成方法であって、
    上記塗付具は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が混在する吸液材層を有し、
    当該吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部が除去加工された形状であることを特徴とする被膜形成方法。
  2. 上記吸液材層は、塗付面外周縁のエッジ部に凹凸形状を有することを特徴とする請求項1に記載の被膜形成方法。
  3. 上記吸液材層の塗付面は、凹凸形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被膜形成方法。
  4. 被塗面に着色被膜を形成した後、
    上記塗付具を用い被覆材を塗付して模様被膜を形成することを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の被膜形成方法。


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