JP2021158797A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】バスバーホルダの脚部が変形することを抑制できるモータを提供する。【解決手段】ステータ30は、ステータコア31と、インシュレータ32と、コイル33と、バスバー34と、バスバーを保持するバスバーホルダ35と、バスバーホルダー35の脚部38に対し少なくとも径方向において対向する対向部39bと、を有する。脚部38は、軸方向に延び、ステータコア31およびインシュレータ32のいずれかに軸方向一方側から接触する脚部本体38bを有する。脚部本体38bは、径方向において、インシュレータ32の一部またはステータコア31の一部と、対向部39bと、の間に位置する。脚部本体38bは、径方向から見て、インシュレータ32の一部またはステータコア31の一部、および、対向部31bと重なる。【選択図】図4
Description
本発明は、モータに関する。
モータは、ロータと、ステータと、を備える。ステータは、ステータコアと、インシュレータと、コイルと、バスバーと、バスバーホルダと、を有する。従来、例えば特許文献1に記載のステータを備える電動モータが知られる。
また従来、バスバーが、接続部と、ターミナルと、を有する構成が知られる。接続部は、コイルの引出線と溶接により接続される。ターミナルは、外部装置または基板と接続される。接続部およびターミナルは、バスバーホルダの外部に露出される。一般にバスバーホルダは、絶縁性を有する樹脂製である。バスバーホルダとして、保持部と、脚部と、を有する構成が考えられる。保持部は、接続部およびターミナルを外部に露出した状態で、バスバーの一部を保持する。脚部は、保持部から突出し、軸方向に延びてステータコアと接触する。脚部は、軸方向においてバスバーホルダとステータコアとを位置決めする機能を有する。
コイルと接続部とを接続する際、溶接治具でコイルおよび接続部を挟み込んだり、溶接後に熱変形が生じたりするなどにより、バスバーホルダに軸方向の力が作用する場合がある。この場合、脚部が弾性変形し、バスバーホルダの軸方向位置が変化して、ターミナルが軸方向において所定の位置からずれるおそれがある。ターミナルの軸方向位置がずれると、ターミナルと、外部装置または基板と、の接続状態が不安定になる。
本発明は、バスバーホルダの脚部が変形することを抑制できるモータを提供することを目的の一つとする。
本発明のモータの一つの態様は、中心軸を中心とするロータと、前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備える。前記ステータは、軸方向に延びる筒状のステータコアと、前記ステータコアに取り付けられるインシュレータと、前記インシュレータを介して前記ステータコアに取り付けられるコイルと、前記ステータコアの軸方向一方側に配置され、前記コイルと接続されるバスバーと、前記バスバーを保持する保持部、および前記保持部から突出する脚部を有するバスバーホルダと、前記脚部に対し少なくとも径方向において対向する対向部と、を有する。前記バスバーは、前記保持部に保持される本体部と、前記本体部と繋がり、前記保持部の外部に露出され、前記コイルと接続される接続部と、前記本体部と繋がり、前記保持部の外部に露出されるターミナルと、を有する。前記脚部は、軸方向に延び、前記ステータコアおよび前記インシュレータのいずれかに軸方向一方側から接触する脚部本体を有する。前記脚部本体は、径方向において、前記インシュレータの一部または前記ステータコアの一部と、前記対向部と、の間に位置する。前記脚部本体は、径方向から見て、前記インシュレータの一部または前記ステータコアの一部、および、前記対向部と重なる。
また、本発明のモータの一つの態様は、中心軸を中心とするロータと、前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備える。前記ステータは、軸方向に延びる筒状のステータコアと、前記ステータコアに取り付けられるインシュレータと、前記インシュレータを介して前記ステータコアに取り付けられるコイルと、前記ステータコアの軸方向一方側に配置され、前記コイルと接続されるバスバーと、前記バスバーを保持する保持部、および前記保持部から突出する脚部を有するバスバーホルダと、を有する。前記バスバーは、前記保持部に保持される本体部と、前記本体部と繋がり、前記保持部の外部に露出され、前記コイルと接続される接続部と、前記本体部と繋がり、前記保持部の外部に露出されるターミナルと、を有する。前記脚部は、軸方向に延び、前記ステータコアおよび前記インシュレータのいずれかに軸方向一方側から接触する脚部本体を有する。前記インシュレータは、前記脚部本体よりも径方向一方側かつ前記コイルよりも径方向他方側に位置する周壁部を有する。前記脚部本体と前記周壁部とが、互いに固定される。
本発明の一つの態様のモータによれば、バスバーホルダの脚部が変形することを抑制できる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態のモータ1について、図1から図9を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態では、モータ1の中心軸Jが延びる方向を単に「軸方向」と呼ぶ。本実施形態において、軸方向は上下方向である。上側(+Z)は、軸方向一方側に相当し、下側(−Z)は、軸方向他方側に相当する。また、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Jに近づく方向を径方向内側と呼び、中心軸Jから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。本実施形態において、径方向内側は径方向一方側に相当し、径方向外側は径方向他方側に相当する。また、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。図3に示すように軸方向から見て、周方向のうち、所定の回転方向を、周方向一方側θ1と呼び、所定の回転方向とは反対の回転方向を、周方向他方側θ2と呼ぶ。本実施形態では、モータ1の上面視で、中心軸Jを中心とする反時計回りの方向が、周方向一方側θ1に相当し、中心軸Jを中心とする時計回りの方向が、周方向他方側θ2に相当する。なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
本発明の第1実施形態のモータ1について、図1から図9を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態では、モータ1の中心軸Jが延びる方向を単に「軸方向」と呼ぶ。本実施形態において、軸方向は上下方向である。上側(+Z)は、軸方向一方側に相当し、下側(−Z)は、軸方向他方側に相当する。また、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Jに近づく方向を径方向内側と呼び、中心軸Jから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。本実施形態において、径方向内側は径方向一方側に相当し、径方向外側は径方向他方側に相当する。また、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。図3に示すように軸方向から見て、周方向のうち、所定の回転方向を、周方向一方側θ1と呼び、所定の回転方向とは反対の回転方向を、周方向他方側θ2と呼ぶ。本実施形態では、モータ1の上面視で、中心軸Jを中心とする反時計回りの方向が、周方向一方側θ1に相当し、中心軸Jを中心とする時計回りの方向が、周方向他方側θ2に相当する。なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
本実施形態のモータ1は、例えば、電動パワーステアリング装置(図示省略)に搭載される。電動パワーステアリング装置は、自動車の車輪の操舵機構に搭載される。電動パワーステアリング装置は、操舵力をモータにより軽減する装置である。
図1に示すように、本実施形態のモータ1は、中心軸Jを中心とするロータ20と、ロータ20の径方向外側に配置されるステータ30と、ハウジング11と、複数のベアリング15,16と、を備える。モータ1は、インナーロータ型のモータである。ロータ20は、ステータ30に対して中心軸Jを中心として回転する。なお特に図示しないが、モータ1は、ロータ20の回転を制御する基板を備えていてもよい。
ハウジング11は、ロータ20およびステータ30を収容する。ハウジング11は、軸方向に延びる筒状である。ハウジング11は、周壁11aと、頂壁11bと、底壁11cと、ベアリング保持壁部11dと、を有する。周壁11aは、軸方向に延びる円筒状である。頂壁11bは、周壁11aの上側の開口を塞ぐ。底壁11cは、周壁11aの下側の開口を塞ぐ。底壁11cは、ベアリング16を保持する。ベアリング保持壁部11dは、周壁11aと固定される。ベアリング保持壁部11dは、ベアリング15を保持する。
ロータ20は、シャフト21と、ロータコア22と、マグネット23と、を有する。シャフト21は、軸方向に延びる円柱状である。なおシャフト21は、軸方向に延びる円筒状でもよい。シャフト21は、複数のベアリング15,16により、中心軸J回りに回転可能に支持される。複数のベアリング15,16は、軸方向に互いに間隔をあけて配置され、ハウジング11に支持される。すなわち、シャフト21は、複数のベアリング15,16を介してハウジング11に支持される。
ロータコア22は、軸方向に延びる筒状である。ロータコア22は、シャフト21よりも外径が大きい。ロータコア22は、シャフト21よりも軸方向の長さが小さい。ロータコア22の内周面は、シャフト21の外周面と固定される。ロータコア22は、シャフト21と圧入および接着等により固定される。ロータコア22は、軸方向において、一対のベアリング15,16間に位置する。マグネット23は、ロータコア22の外周部に固定される。
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間をあけて対向する。ステータ30は、ロータ20を径方向外側から周方向の全周にわたって囲う。図1から図4に示すように、ステータ30は、ステータコア31と、インシュレータ32と、コイル33と、バスバー34と、バスバーホルダ35と、対向部39bと、を有する。なお図1は、バスバー34、バスバーホルダ35および対向部39bの図示を省略している。本実施形態では、インシュレータ32と対向部39bとが、一体に設けられる。つまりインシュレータ32と対向部39bとは、単一の部材の部分である。また、バスバー34およびバスバーホルダ35により、バスバー装置36が構成される。つまりステータ30は、バスバー装置36を有し、バスバー装置36は、バスバー34と、バスバーホルダ35と、を有する。
ステータコア31は、中心軸Jを中心とする環状である。ステータコア31は、軸方向に延びる筒状である。ステータコア31は、ロータ20を径方向外側から囲う。図4に示すように、ステータコア31は、軸方向に積層する複数の電磁鋼板31cにより構成される。つまりステータコア31は、軸方向に重ねて配置される複数の電磁鋼板31cを有する。図1に示すように、ステータコア31は、ハウジング11の内周面に固定される。ステータコア31とハウジング11とは、例えば焼き嵌めや圧入等により固定される。
ステータコア31は、コアバック31aと、複数のティース31bと、を有する。コアバック31aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。コアバック31aの径方向外側面は、周壁11aの内周面に固定される。詳しくは、コアバック31aの径方向外側面と、周壁11aの内周面とが接触した状態で、コアバック31aが周壁11aに固定される。ティース31bは、コアバック31aの径方向内側面から径方向内側に突出する。複数のティース31bは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。各ティース31bの径方向内側面は、ロータ20の径方向外側面と隙間をあけて対向する。
インシュレータ32は、ステータコア31に取り付けられる。インシュレータ32は、絶縁性の材料により構成される。インシュレータ32は、例えば樹脂製である。インシュレータ32は、中心軸Jを中心として環状に配置される。
図1および図2に示すように、インシュレータ32は、複数のティース31bに少なくとも上側から対向する上側環状部分32aと、複数のティース31bに少なくとも下側から対向する下側環状部分32bと、を有する。上側環状部分32aは、中心軸Jを中心とする環状である。具体的に、上側環状部分32aは、各ティース31bに対して上側から対向する部分と、各ティース31bに対して周方向から対向する部分と、を有する。下側環状部分32bは、中心軸Jを中心とする環状である。具体的に、下側環状部分32bは、各ティース31bに対して下側から対向する部分と、各ティース31bに対して周方向から対向する部分と、を有する。
上側環状部分32aは、周方向に並ぶ複数の上側インシュレータ部40を有する。つまりインシュレータ32は、複数の上側インシュレータ部40を有する。上側環状部分32aは、中心軸Jを中心として環状に配列する複数の上側インシュレータ部40により構成される。複数の上側インシュレータ部40は、周方向に等ピッチで配列する。本実施形態では上側インシュレータ部40が、周方向に並んで12個設けられる。複数の上側インシュレータ部40は、互いに同一の形状を有する。すなわち本実施形態では、複数の上側インシュレータ部40が、同一種類の共通部材(共通品)により構成される。
下側環状部分32bは、周方向に並ぶ複数の下側インシュレータ部50を有する。つまりインシュレータ32は、複数の下側インシュレータ部50を有する。下側環状部分32bは、中心軸Jを中心として環状に配列する複数の下側インシュレータ部50により構成される。複数の下側インシュレータ部50は、周方向に等ピッチで配列する。本実施形態では下側インシュレータ部50が、周方向に並んで12個設けられる。複数の下側インシュレータ部50は、互いに同一の形状を有する。すなわち本実施形態では、複数の下側インシュレータ部50が、同一種類の共通部材(共通品)により構成される。
図4および図5に示すように、上側インシュレータ部40は、巻回部40aと、一対の周壁部40b,40cと、挿入枠39と、を有する。つまりインシュレータ32は、巻回部40aと、一対の周壁部40b,40cと、挿入枠39と、を有する。
巻回部40aは、各上側インシュレータ部40に1つ設けられる。つまり上側インシュレータ部40は、1つの巻回部40aを有する。巻回部40aには、コイル33が巻き回される。巻回部40aは、径方向から見て、下側に開口するU字状である。巻回部40aは、ティース31bに上側から接触する部分と、ティース31bに周方向一方側θ1から接触する部分と、ティース31bに周方向他方側θ2から接触する部分と、を有する。
一対の周壁部40b,40cは、内周壁部40bと、外周壁部40cと、により構成される。つまりインシュレータ32は、内周壁部40bと、外周壁部40cと、を有する。内周壁部40bは、巻回部40aの径方向内側に配置される。内周壁部40bは、コイル33よりも径方向内側に位置する。内周壁部40bは、板状であり、一対の板面が径方向を向く。内周壁部40bは、巻回部40aの径方向内側の端部に接続される。内周壁部40bは、巻回部40aよりも上側に突出する部分と、巻回部40aよりも周方向一方側θ1に突出する部分と、巻回部40aよりも周方向他方側θ2に突出する部分と、を有する。すなわち、内周壁部40bは、巻回部40aよりも上側および周方向両側に突出する。内周壁部40bは、コイル33に径方向内側から対向する。
外周壁部40cは、巻回部40aの径方向外側に配置される。外周壁部40cは、コイル33よりも径方向外側に位置する。外周壁部40cは、板状であり、一対の板面が径方向を向く。外周壁部40cは、巻回部40aの径方向外側の端部に接続される。外周壁部40cは、巻回部40aよりも上側に突出する部分と、巻回部40aよりも周方向一方側θ1に突出する部分と、巻回部40aよりも周方向他方側θ2に突出する部分と、を有する。すなわち、外周壁部40cは、巻回部40aよりも上側および周方向両側に突出する。外周壁部40cは、コイル33に径方向外側から対向する。
図2および図5に示すように、外周壁部40cは、溝部41と、窪み部40dと、を有する。溝部41は、外周壁部40cの径方向外側を向く面から径方向内側に窪み、軸方向に延びる。溝部41は、外周壁部40cにおいて上側および下側に開口する。本実施形態では溝部41が、外周壁部40cの周方向の略中央部に位置する。
溝部41は、溝底面41aと、一対の溝側面41bと、を有する。溝底面41aは、溝部41の径方向内端部に位置し、径方向外側を向く。本実施形態では溝底面41aが、径方向と垂直な方向に拡がる平面状である。一対の溝側面41bは、周方向に互いに間隔をあけて配置され、周方向において互いに対向する。溝側面41bの径方向内端部は、溝底面41aの周方向の端部と繋がる。溝側面41bは、周方向と垂直な方向に拡がる平面状である。
窪み部40dは、外周壁部40cの上端面から下側に窪む。本実施形態では窪み部40dが、外周壁部40cの周方向他方側θ2の部分に位置する。溝部41と窪み部40dとは、周方向において互いに異なる位置に配置される。本実施形態によれば、溝部41と窪み部40dとが干渉することを抑制でき、溝部41および窪み部40dの後述する各機能が安定して得られる。
窪み部40dは、径方向から見て、上側に開口するU字状である。窪み部40dは、外周壁部40cを径方向に貫通する。窪み部40dの周方向の長さは、コイル33のコイル端33aの線径よりも大きい。このため窪み部40dには、コイル端33aを通すことが可能である。詳しくは、窪み部40dの上側からコイル端33aを挿し込むことにより、窪み部40dに対してコイル端33aを径方向に通すことが可能である。
本実施形態では、巻回部40aに巻き回したコイル33のコイル端33aを、窪み部40dに通すことで、コイル端33aをインシュレータ32の径方向外側に引き出しやすくすることができる。コイル端33aを窪み部40dから引き出すことで、ステータコア31の上側にバスバー装置36を組み付ける作業の際、コイル端33aが作業の邪魔になることが抑えられ、組み付けが容易となる。この組み付け作業後には、窪み部40dから引き出したコイル端33aを上側に曲げ戻すことで、バスバー34の後述する接続部34aにコイル端33aを容易に接続できる。挿入枠39については、別途後述する。
図1および図2に示すように、コイル33は、インシュレータ32を介してステータコア31に取り付けられる。コイル33は、周方向に並んで複数設けられる。コイル33の数は、上側インシュレータ部40の数と同じであり、下側インシュレータ部50の数と同じである。本実施形態ではコイル33が、周方向に並んで12個設けられる。各コイル33は、上側インシュレータ部40および下側インシュレータ部50を介して、各ティース31bに取り付けられる。詳しくは、コイル33は、上側インシュレータ部40の巻回部40a、および、下側インシュレータ部50の巻回部(図示省略)を介して、ティース31bに導線が巻き回されることにより構成される。コイル33は、コイル端33aを有する。コイル端33aは、コイル33の導線の端部であり、引き出し線等と言い換えてもよい。
本実施形態のモータ1は、例えば3相モータである。3相とは、U相、V相およびW相である。3相モータの場合、U相、V相およびW相の各コイル33は、第1の導線、第2の導線および第3の導線のいずれかにより構成される。各相のコイル33のコイル端33aは、バスバー34と接続される。本実施形態では各相のコイル33のコイル端33aが、バスバー34と溶接により固定される。つまりバスバー34は、コイル33と接続される。
図2から図4に示すように、バスバーホルダ35は、ステータコア31の上側に配置される。バスバーホルダ35は、樹脂製である。バスバーホルダ35は、バスバー34をインサート部材とするインサート成形により作られる。バスバーホルダ35は、保持部37と、脚部38と、を有する。
保持部37は、中心軸Jを中心とする円形リング状である。保持部37には、バスバー34の一部が埋め込まれる。保持部37は、バスバー34を保持する。保持部37は、コイル33および内周壁部40bの上側に位置する。脚部38は、保持部37から径方向に突出し、本実施形態では径方向外側に突出する。つまり脚部38は、保持部37から突出する。脚部38は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では脚部38が、周方向に等ピッチで3つ以上設けられる。脚部38の上記以外の構成については、別途後述する。
バスバー34は、ステータコア31の上側に配置される。図4に示すように、バスバー34は、板状である。バスバー34は、金属製であり、導電性の材料により構成される。バスバー34は、複数設けられる。本実施形態ではバスバー34が、3つ設けられる。3つのバスバー34のうち、1つのバスバー34は、U相のコイル33のコイル端33aと接続され、他の1つのバスバー34は、V相のコイル33のコイル端33aと接続され、残りの他の1つのバスバー34は、W相のコイル33のコイル端33aと接続される。
バスバー34は、本体部34cと、接続部34aと、ターミナル34bと、を有する。本体部34cは、保持部37に保持される。本体部34cは、バスバー34のうち、保持部37に埋め込まれる部分である。特に図示しないが、本体部34cは、周方向に沿って円弧状に延びる板状である。本体部34cは、軸方向から見て、略C字状である。本体部34cは、一対の板面が上下方向を向く。本体部34cは、接続部34aとターミナル34bとを連結する。3つのバスバー34の各本体部34cは、上下方向に並んで配置される。
接続部34aは、本体部34cと繋がり、保持部37の外部に露出される。本実施形態では接続部34aが、本体部34cから径方向外側に突出する。接続部34aと本体部34cとは、単一の部材の部分である。図2および図3に示すように、接続部34aは、径方向に沿って延びる板状であり、一対の板面が上下方向を向く。接続部34aは、1つのバスバー34に複数設けられる。複数の接続部34aは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では1つのバスバー34に、接続部34aが周方向に等ピッチで4つ設けられる。
接続部34aは、保持部37の径方向外側面から突出する。接続部34aの径方向外端部は、軸方向から見て、径方向外側に開口するU字状である。本実施形態では、接続部34aの径方向外端部とコイル端33aとが、図示しない溶接治具で挟み込まれ、溶接により固定される。つまり接続部34aは、コイル33と接続される。なお接続部34aとコイル33とは、溶接以外の例えばカシメ、はんだ等により接続されてもよい。3つのバスバー34の各接続部34aは、径方向外端部の上下方向の位置が互いに同じである。本実施形態によれば、接続部34aとコイル端33aとを溶接する際、溶接治具を軸方向に移動させることなく、周方向に移動させることで、各接続部34aと各コイル端33aとを溶接でき、製造が容易である。
ターミナル34bは、本体部34cと繋がり、保持部37の外部に露出される。ターミナル34bは、本体部34cから上側に突出する。本実施形態ではターミナル34bが、本体部34cと溶接等により固定される。ターミナル34bは、保持部37から上側に突出する。
図4に示すように、ターミナル34bは、軸方向に沿って延びる板状である。ターミナル34bは、1つのバスバー34に1つ設けられる。3つのバスバー34の各ターミナル34bの少なくとも上側部分の軸方向位置は、互いに同じである。すなわち、複数のバスバー34の各ターミナル34bの軸方向位置は、互いに同じである。本実施形態によれば、各ターミナル34bに図示しない外部装置または基板を接続しやすい。複数のバスバー34のうち、本体部34cが下側に位置するバスバー34ほど、ターミナル34bの下端部の位置は下側となり、ターミナル34bの軸方向の全長が長くなる。
図2から図4に示すように、脚部38は、連結部38aと、脚部本体38bと、を有する。連結部38aは、保持部37と脚部本体38bとを連結する。連結部38aは、保持部37から径方向に突出する。本実施形態では連結部38aが、保持部37の径方向外側面から径方向外側に突出する。連結部38aは、コイル33および外周壁部40cの上側に位置する。連結部38aは、径方向に沿って延びる板状であり、一対の板面が上下方向を向く。
連結部38aは、補強リブ38cを有する。補強リブ38cは、連結部38aの一対の板面のいずれかから上下方向に突出し、径方向に延びる。本実施形態では補強リブ38cが、連結部38aの上面から上側に突出する。本実施形態によれば、脚部38に外力が作用した場合に、連結部38aの弾性変形が抑制される。なお、例えば単に連結部38aの肉厚を厚くして連結部38aの弾性変形を抑制しようとする場合と比べて、本実施形態によれば、製造時の樹脂引けによる連結部38aの変形も抑制される。
脚部本体38bは、連結部38aと接続され、連結部38aから下側に突出する。本実施形態では脚部本体38bが、連結部38aの径方向外端部に接続される。脚部本体38bは、軸方向に延びる。図5に示すように、脚部本体38bは、中心軸Jと垂直な断面の形状が、四角形状である。脚部本体38bは、角柱状である。図4に示すように、脚部本体38bの下端部は、ステータコア31およびインシュレータ32のいずれかに対して、上側から接触する。つまり脚部本体38bは、ステータコア31およびインシュレータ32のいずれかに上側から接触する。本実施形態では脚部本体38bが、ステータコア31のコアバック31aに上側から接触する。脚部本体38bの下端面は、複数の電磁鋼板31cのうち最も上側に位置する電磁鋼板31cの上面に接触する。
脚部本体38bは、外周壁部40cよりも径方向外側に位置する。つまり外周壁部40cは、脚部本体38bよりも径方向内側に位置する。また接続部34aは、脚部本体38bよりも径方向内側に位置する。図5に示すように、脚部本体38bは、溝部41に進入する部分を有する。本実施形態では、脚部本体38bのうち径方向の内側部分が、溝部41に進入する。脚部本体38bの径方向の内側部分は、溝部41内に嵌合する。脚部本体38bの径方向内側面は、溝底面41aと接触する。脚部本体38bの周方向を向く一対の側面は、溝側面41bと接触する。
図4および図5に示すように、挿入枠39は、周壁部40b,40cから径方向に突出する。本実施形態では挿入枠39が、外周壁部40cから径方向外側に突出する。挿入枠39は、ステータコア31の上側に位置する。本実施形態では挿入枠39が、ステータコア31のコアバック31aに上側から対向する。
対向部39bは、挿入枠39の一部を構成する。対向部39bは、挿入枠39のうち、径方向外端部に位置して周方向に延びる部分、つまり周方向部分を構成する。対向部39bは、脚部本体38bに少なくとも径方向外側から対向する。つまり対向部39bは、脚部38に対し少なくとも径方向において対向する。本実施形態では対向部39bが、脚部本体38bに径方向外側から接触する。
脚部本体38bは、径方向において、インシュレータ32の一部またはステータコア31の一部と、対向部39bと、の間に位置する。本実施形態では脚部本体38bが、径方向において、インシュレータ32の外周壁部40cと、対向部39bとの間に位置する。脚部本体38bは、径方向から見て、インシュレータ32の一部またはステータコア31の一部、および、対向部39bと重なる。本実施形態では脚部本体38bが、径方向から見て、外周壁部40cおよび対向部39bと重なる。
本実施形態によれば脚部本体38bが、径方向において、インシュレータ32の一部またはステータコア31の一部と、対向部39bと、により挟まれるので、コイル33と接続部34aとが接続される際に、接続部34aを介してバスバーホルダ35に下側への力つまり軸方向の力が作用しても、脚部本体38bが径方向に弾性変形することが抑制される。脚部38の径方向への変位が抑えられるため、バスバーホルダ35が軸方向に位置ずれすることが抑制され、ターミナル34bが軸方向において所定の位置からずれて配置されることが抑えられる。ターミナル34bが軸方向に正確に位置決めされるため、ターミナル34bと、図示しない外部装置または基板と、の接続状態が安定する。なお本実施形態と異なり、例えば単に脚部38の肉厚を厚くして脚部38の弾性変形を抑制しようとする場合と比べて、本実施形態によれば、製造時の樹脂引けによる脚部38の変形を抑制できる。このため、ターミナル34bの軸方向の位置精度が安定して確保される。
本実施形態では脚部本体38bが、径方向において外周壁部40cと対向部39bとにより挟まれる。本実施形態によれば、脚部本体38bが、外周壁部40cと対向部39bとにより径方向両側から押さえられるため、脚部本体38bの径方向への弾性変形がより抑制される。このため、ターミナル34bの軸方向位置の精度がより安定する。
また本実施形態によれば、脚部本体38bが、外周壁部40cの溝部41に進入することで、溝部41によって周方向両側からも押さえられる。このため、脚部本体38bの弾性変形がより抑制されて、ターミナル34bの軸方向位置の精度がより安定する。また、溝部41に脚部本体38bが進入することで、インシュレータ32とバスバーホルダ35との周方向位置の精度も安定して確保される。
図3に示すように、挿入枠39は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。このため対向部39bも、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では挿入枠39が、各上側インシュレータ部40の外周壁部40cに、それぞれ1つ設けられる。このため対向部39bも、各上側インシュレータ部40の外周壁部40cに、それぞれ1つ設けられる。本実施形態によれば、複数の対向部39bが、各脚部本体38bを径方向外側からそれぞれ押さえることにより、周方向の各位置において、各脚部本体38bの径方向への変位が抑制される。バスバーホルダ35が軸方向に位置ずれすることが安定して抑制される。
図5に示すように、挿入枠39は、外周壁部40cの周方向の略中央部に位置する。本実施形態では挿入枠39が、軸方向から見て、径方向内側に開口するU字状である。挿入枠39は、第1径方向支持部39aと、対向部39bと、第2径方向支持部39cと、を有する。
第1径方向支持部39aは、外周壁部40cの径方向外側面のうち、溝部41よりも周方向一方側θ1に位置する部分から、径方向外側に突出する。つまり第1径方向支持部39aは、外周壁部40cから径方向外側に突出する。第1径方向支持部39aは、径方向に延びる板状である。第1径方向支持部39aの一対の板面は、周方向を向く。本実施形態では、第1径方向支持部39aの周方向他方側θ2を向く板面が、脚部本体38bの周方向一方側θ1を向く側面と対向する。具体的に、第1径方向支持部39aの周方向他方側θ2を向く板面は、脚部本体38bの周方向一方側θ1を向く側面と接触する。
対向部39bは、第1径方向支持部39aの径方向外端部に接続され、第1径方向支持部39aから周方向他方側θ2に延びる。つまり対向部39bは、第1径方向支持部39aと接続され、周方向に延びる。対向部39bは、第1径方向支持部39aにより支持されるものである。本実施形態では図4に示すように、対向部39bが板状であり、対向部39bの一対の板面は径方向を向く。対向部39bは、脚部本体38bに径方向外側から対向する。具体的に、対向部39bの径方向内側面は、脚部本体38bの径方向外側面と接触する。本実施形態によれば、簡素な構造の対向部39bにより、脚部本体38bの径方向への弾性変形を抑制できる。また図5に示すように、第1径方向支持部39aが、周方向において脚部本体38bと対向するため、脚部本体38bの周方向一方側θ1への移動、つまりバスバーホルダ35の周方向への位置ずれも抑制できる。
第2径方向支持部39cは、外周壁部40cから径方向外側に突出する。第2径方向支持部39cは、第1径方向支持部39aと周方向に間隔をあけて配置される。対向部39bは、第2径方向支持部39cにより支持される。対向部39bは、第1径方向支持部39aと第2径方向支持部39cとに接続されるものである。つまり対向部39bは、第1径方向支持部39aと第2径方向支持部39cとにより、周方向の複数箇所で支持される。本実施形態によれば、対向部39bが片持ち支持の状態となることを抑制できる。このため、対向部39bによって、脚部本体38bの径方向への弾性変形を抑制する機能がより安定する。
本実施形態では第2径方向支持部39cが、外周壁部40cの径方向外側面のうち、溝部41よりも周方向他方側θ2に位置する部分から、径方向外側に突出する。第2径方向支持部39cは、径方向に延びる板状である。第2径方向支持部39cの一対の板面は、周方向を向く。本実施形態では、第2径方向支持部39cの周方向一方側θ1を向く板面が、脚部本体38bの周方向他方側θ2を向く側面と対向する。具体的に、第2径方向支持部39cの周方向一方側θ1を向く板面は、脚部本体38bの周方向他方側θ2を向く側面と接触する。
脚部本体38bは、周方向において第1径方向支持部39aと第2径方向支持部39cとの間に位置する。脚部本体38bは、周方向において、第1径方向支持部39aと第2径方向支持部39cとにより挟まれる。本実施形態によれば、脚部本体38bが、第1径方向支持部39aおよび第2径方向支持部39cによって周方向両側から押さえられる。このため、脚部本体38bの弾性変形がより抑制される。また、脚部本体38bの周方向への移動、つまりバスバーホルダ35の周方向への位置ずれがより抑制される。
図6は、本実施形態の第1変形例のモータ1のステータ30の一部を示す断面図である。この第1変形例では、ステータコア31が、軸方向に積層する複数の電磁鋼板31d,31eにより構成される。つまりステータコア31は、軸方向に重ねて配置される複数の電磁鋼板31d,31eを有する。複数の電磁鋼板31d,31eは、第1電磁鋼板31dと、第2電磁鋼板31eと、を有する。第1電磁鋼板31dは、ステータコア31の上側の端部に配置される。第1電磁鋼板31dは、少なくとも1つ設けられる。第2電磁鋼板31eは、第1電磁鋼板31dの下側に配置される。第2電磁鋼板31eは、複数設けられる。
図6および図7に示すように、第1電磁鋼板31dは、第1電磁鋼板31dを軸方向に貫通する貫通孔42を有する。本実施形態では貫通孔42が、角孔状である。貫通孔42は、中心軸Jと垂直な断面の形状が、四角形状である。脚部本体38bは、貫通孔42に挿入され、第2電磁鋼板31eの上側を向く板面と接触する。つまり脚部本体38bの下端面は、第2電磁鋼板31eの上面と接触する。貫通孔42の内縁部のうち、径方向内側に位置する部分は、脚部本体38bの径方向内側面と対向する。貫通孔42の内縁部のうち、径方向外側に位置する部分(後述する対向部42a)は、脚部本体38bの径方向外側面と対向する。貫通孔42の内縁部のうち、周方向を向く一対の部分は、脚部本体38bの周方向を向く一対の側面と対向する。
脚部本体38bは、径方向において、ステータコア31の一部と、対向部42aと、の間に位置する。脚部本体38bは、径方向から見て、ステータコア31の一部および対向部42aと重なる。第1変形例において、ステータコア31の一部は、貫通孔42の内縁部のうち、脚部本体38bの径方向内側に位置する部分である。また対向部42aは、貫通孔42の内縁部のうち、脚部本体38bの径方向外側に位置する部分である。すなわち、第1変形例では対向部42aが、ステータコア31と一体に設けられる。対向部42aとステータコア31とは、単一の部材の部分である。この第1変形例によれば、対向部42aが、第1電磁鋼板31dの貫通孔42の内縁部の一部により構成されるので、対向部42aの構造を簡素化できる。また、対向部42aが金属製であるため、対向部42aの剛性が高められる。
図8は、本実施形態の第2変形例のモータ1のステータ30の一部を示す断面図である。この第2変形例では、溝部41が、前述した溝底面41aおよび一対の溝側面41b以外に、溝係止面41cを有する。溝係止面41cは、径方向内側を向き、溝底面41aと間隔をあけて対向する。溝係止面41cは、溝部41に一対設けられる。一対の溝係止面41cは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。各溝係止面41cは、各溝側面41bの径方向外端部と接続される。
脚部本体38bは、脚部係止面38dを有する。脚部係止面38dは、溝部41の内部に配置されて径方向外側を向く。脚部係止面38dは、脚部本体38bの周方向を向く側面の径方向外端部と接続される。脚部係止面38dは、脚部本体38bに一対設けられる。一対の脚部係止面38dは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。
脚部本体38bは、径方向において、インシュレータ32の一部と、対向部と、の間に位置する。脚部本体38bは、径方向から見て、インシュレータ32の一部および対向部と重なる。第2変形例において、インシュレータ32の一部は、溝底面41aであり、対向部は、溝係止面41cである。対向部41cつまり溝係止面41cは、脚部係止面38dに径方向外側から対向する。具体的に、各溝係止面41cは、各脚部係止面38dに径方向外側から接触する。第2変形例によれば、対向部41cが、溝部41の内面の一部により構成されるので、対向部41cの構造を簡素化できる。
図9は、本実施形態の第3変形例のモータ1のステータ30の一部を示す断面図である。この第3変形例では、対向部43が、中心軸Jを中心とする環状であり、各脚部本体38bに径方向から対向する。具体的に、対向部43は、中心軸Jを中心とする円形リング状である。対向部43は、複数の脚部本体38bに径方向外側から接触する。対向部43の内周部は、各脚部本体38bの径方向外側面と接触する。第3変形例によれば、対向部43が、例えば1つの環状部材により構成される。このため、対向部43の構造を簡素化できる。モータ1の製造時には、対向部43を組み付けることで、複数の脚部本体38bが同時に径方向外側から押さえられるので、ステータ30の組み立てが容易である。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態のモータ100について、図1、図10および図11を参照して説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して、その説明を省略する場合がある。
次に、本発明の第2実施形態のモータ100について、図1、図10および図11を参照して説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して、その説明を省略する場合がある。
図10に示すように、本実施形態のモータ100のステータ30は、脚部本体38bと溝部41とが、接着により固定される。また、図11に示すように、脚部本体38bと溝部41とは、溶着により固定されてもよい。つまり本実施形態では、脚部本体38bと外周壁部40cとが、互いに固定される。
具体的に、図10に示す例では、脚部本体38bの周方向を向く一対の側面と、溝部41の一対の溝側面41bとが、互いに接着される。また、脚部本体38bの径方向内側面と、溝部41の溝底面41aとが、互いに接着されてもよい。
図11に示す例では、溝部41の溝側面41bが、周方向に窪む凹状であり、溝側面41bの内部には、外周壁部40cとは異なる樹脂で構成される溶着部44が配置される。例えば、溶着部44を構成する樹脂は、外周壁部40cを構成する樹脂よりも、融点が低い。脚部本体38bが溝部41に進入した状態で、溶融した溶着部44が溝側面41bの内部に充填され、固化することにより、脚部本体38bの周方向を向く一対の側面と、一対の溝側面41bとが、溶着部44を介して互いに固定される。
本実施形態では、インシュレータ32の外周壁部40cと、脚部本体38bとが、接着または溶着等により互いに固定される。コイル33と接続部34aとが接続される際に、接続部34aを介してバスバーホルダ35に下側への力、つまり軸方向の力が作用しても、脚部本体38bが径方向外側に弾性変形することは抑制される。脚部38の径方向への変位が抑えられるため、バスバーホルダ35が軸方向に位置ずれすることが抑制され、ターミナル34bが軸方向において所定の位置からずれて配置されることが抑えられる。ターミナル34bが軸方向に正確に位置決めされるため、ターミナル34bと、図示しない外部装置または基板と、の接続状態が安定する。なお本実施形態と異なり、例えば単に脚部38の肉厚を厚くして脚部38の弾性変形を抑制しようとする場合と比べて、本実施形態によれば、製造時の樹脂引けによる脚部38の変形を抑制できる。このため、ターミナル34bの軸方向の位置精度が安定して確保される。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
前述の実施形態では、溝部41が、外周壁部40cの上側および下側に開口する例を挙げたが、これに限らない。特に図示しないが、溝部41は、外周壁部40cの上側に開口し、下側には開口しなくてもよい。具体的に、外周壁部40cは、溝部41の下側の開口を塞ぐ塞ぎ部を有していてもよい。この場合、脚部本体38bの下端面は、塞ぎ部に対して上側から接触する。すなわち、脚部本体38bは、インシュレータ32に上側から接触する。
前述の実施形態では、径方向一方側が径方向内側であり、径方向他方側が径方向外側である例を挙げたが、これに限らない。径方向一方側が径方向外側であり、径方向他方側が径方向内側であってもよい。この場合、特に図示しないが、例えば第1実施形態において、脚部本体38bは、内周壁部40bよりも径方向内側に位置する。つまり内周壁部40bは、脚部本体38bよりも径方向外側に位置する。挿入枠39は、内周壁部40bから径方向内側に突出する。対向部39bは、脚部本体38bに少なくとも径方向内側から対向する。対向部39bは、脚部本体38bに径方向内側から接触する。溝部41は、内周壁部40bの径方向内側を向く面から径方向外側に窪む。脚部本体38bのうち径方向の外側部分は、溝部41に進入する。脚部本体38bは、径方向において内周壁部40bと対向部39bとにより挟まれる。この場合においても、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
前述の実施形態では、モータ1が電動パワーステアリング装置に搭載される例を挙げたが、これに限らない。モータ1は、例えば、ポンプ、ブレーキ、クラッチ、掃除機、ドライヤ、シーリングファン、洗濯機および冷蔵庫などに用いてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態および変形例等で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1,100…モータ、20…ロータ、30…ステータ、31…ステータコア、31d…第1電磁鋼板、31e…第2電磁鋼板、32…インシュレータ、33…コイル、34…バスバー、34a…接続部、34b…ターミナル、34c…本体部、35…バスバーホルダ、37…保持部、38…脚部、38b…脚部本体、38d…脚部係止面、39a…第1径方向支持部、39b,41c,42a,43…対向部、39c…第2径方向支持部、40b…内周壁部(周壁部)、40c…外周壁部(周壁部)、41…溝部、41a…溝底面、41c…溝係止面、42…貫通孔、J…中心軸
Claims (12)
- 中心軸を中心とするロータと、
前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備え、
前記ステータは、
軸方向に延びる筒状のステータコアと、
前記ステータコアに取り付けられるインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記ステータコアに取り付けられるコイルと、
前記ステータコアの軸方向一方側に配置され、前記コイルと接続されるバスバーと、
前記バスバーを保持する保持部、および前記保持部から突出する脚部を有するバスバーホルダと、
前記脚部に対し少なくとも径方向において対向する対向部と、を有し、
前記バスバーは、
前記保持部に保持される本体部と、
前記本体部と繋がり、前記保持部の外部に露出され、前記コイルと接続される接続部と、
前記本体部と繋がり、前記保持部の外部に露出されるターミナルと、を有し、
前記脚部は、軸方向に延び、前記ステータコアおよび前記インシュレータのいずれかに軸方向一方側から接触する脚部本体を有し、
前記脚部本体は、径方向において、前記インシュレータの一部または前記ステータコアの一部と、前記対向部と、の間に位置し、
前記脚部本体は、径方向から見て、前記インシュレータの一部または前記ステータコアの一部、および、前記対向部と重なる、
モータ。 - 前記インシュレータは、前記脚部本体よりも径方向一方側かつ前記コイルよりも径方向他方側に位置する周壁部を有し、
前記脚部本体は、径方向において前記周壁部と前記対向部とにより挟まれる、
請求項1に記載のモータ。 - 前記周壁部は、径方向他方側を向く面から径方向一方側に窪み、軸方向に延びる溝部を有し、
前記脚部本体は、前記溝部に進入する部分を有する、
請求項2に記載のモータ。 - 前記対向部は、前記周壁部から径方向他方側に突出する第1径方向支持部により支持されるものであり、前記脚部本体に径方向他方側から対向する、
請求項2または3に記載のモータ。 - 前記対向部は、前記周壁部から径方向他方側に突出し、前記第1径方向支持部と周方向に間隔をあけて配置される第2径方向支持部により支持され、前記第1径方向支持部と前記第2径方向支持部とに接続されるものである、
請求項4に記載のモータ。 - 前記脚部本体は、周方向において前記第1径方向支持部と前記第2径方向支持部との間に位置する、
請求項5に記載のモータ。 - 前記ステータコアは、軸方向に重ねて配置される複数の電磁鋼板を有し、
複数の電磁鋼板は、
前記ステータコアの軸方向一方側の端部に配置される第1電磁鋼板と、
前記第1電磁鋼板の軸方向他方側に配置される第2電磁鋼板と、を有し、
前記第1電磁鋼板は、前記第1電磁鋼板を軸方向に貫通する貫通孔を有し、
前記脚部本体は、前記貫通孔に挿入され、前記第2電磁鋼板の軸方向一方側を向く板面と接触する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ。 - 前記ステータコアの一部は、前記貫通孔の内縁部のうち、前記脚部本体の径方向一方側に位置する部分であり、
前記対向部は、前記貫通孔の内縁部のうち、前記脚部本体の径方向他方側に位置する部分である、
請求項7に記載のモータ。 - 前記周壁部は、径方向他方側を向く面から径方向一方側に窪み、軸方向に延びる溝部を有し、
前記溝部は、
径方向他方側を向く溝底面と、
径方向一方側を向き、前記溝底面と間隔をあけて対向する溝係止面と、を有し、
前記脚部本体は、前記溝部の内部に配置されて径方向他方側を向く脚部係止面を有し、
前記対向部は、前記溝係止面であり、
前記溝係止面は、前記脚部係止面に径方向他方側から対向する、
請求項2または3に記載のモータ。 - 前記脚部は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられ、
前記対向部は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる、
請求項1から9のいずれか1項に記載のモータ。 - 前記脚部は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられ、
前記対向部は、前記中心軸を中心とする環状であり、各前記脚部本体に径方向から対向する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ。 - 中心軸を中心とするロータと、
前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備え、
前記ステータは、
軸方向に延びる筒状のステータコアと、
前記ステータコアに取り付けられるインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記ステータコアに取り付けられるコイルと、
前記ステータコアの軸方向一方側に配置され、前記コイルと接続されるバスバーと、
前記バスバーを保持する保持部、および前記保持部から突出する脚部を有するバスバーホルダと、を有し、
前記バスバーは、
前記保持部に保持される本体部と、
前記本体部と繋がり、前記保持部の外部に露出され、前記コイルと接続される接続部と、
前記本体部と繋がり、前記保持部の外部に露出されるターミナルと、を有し、
前記脚部は、軸方向に延び、前記ステータコアおよび前記インシュレータのいずれかに軸方向一方側から接触する脚部本体を有し、
前記インシュレータは、前記脚部本体よりも径方向一方側かつ前記コイルよりも径方向他方側に位置する周壁部を有し、
前記脚部本体と前記周壁部とが、互いに固定される、
モータ。
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