JP2021157880A - 組電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温放電特性の向上及び寿命特性の向上の両立を図ることができる組電池を提供する。【解決手段】組電池2は、負極に水素吸蔵合金を含むニッケル水素蓄電池により形成された単電池4が、直線状に多数配設されて形成された組電池2において、前記直線状に延びる方向における中央部分に位置する単電池4(6)の集合体である中央単電池群10と、中央単電池群10の両端部に位置付けられ中央単電池群10を挟むように配設された単電池4(8)の集合体である端部単電池群12と、を備え、中央単電池群10に含まれる水素吸蔵合金の粒径は、端部単電池群12に含まれる水素吸蔵合金の粒径よりも大きい。【選択図】図1
Description
本発明は、複数の単電池を組み合わせて形成される組電池に関し、詳しくは、単電池としてニッケル水素蓄電池を用いた組電池に関する。
昨今、太陽光発電などの再生可能エネルギーの有効活用、あるいは、緊急時の停電対策を目的として、蓄電・バックアップシステムのニーズが拡大している。このようなニーズに応えるため、大容量の蓄電池の需要が高まっており、アルカリ蓄電池においても大容量の製品の開発が進められている。ここで、蓄電池において大容量化を図る場合、例えば、複数の単電池を組み合わせて組電池を形成することが行われる。この組電池を構成する単電池としては、例えば、ニッケルカドミウム蓄電池に比べて高容量で、且つ、環境安全性にも優れているニッケル水素蓄電池が用いられている。
ところで、蓄電池においては、充放電にともなって、電池反応による反応熱やジュール熱が発生し、温度が上昇する。組電池において大容量化を図るべく単電池の個数を増やすと発生する熱量が増加するので、組電池は、単電池1個の場合に比べて温度が上昇し易く高温にさらされる頻度が高い。蓄電池は高温にさらされて熱影響を受けると、活物質の腐食反応が促進されて活物質が劣化するとともに、アルカリ電解液の消費が進む。その結果、放電容量の低下が起こるとともに、アルカリ電解液の枯渇が起こり、電池のサイクル寿命が早期に尽きてしまう。このため、単電池を単独で使用する場合に比べて温度が上昇し易い組電池は、熱影響による短寿命化が起こり易いといった問題がある。
また、単電池として角形の単電池を複数個準備し、かかる複数の角形の単電池を組み合わせて組電池を形成した場合、複数個の円筒形電池を組み合わせて形成した組電池に比べ、単電池同士の接触面積が大きくなるので熱が発散し難く、特に中央部分は、熱が蓄積しやすいので高温状態になりやすい。一方、中央部分から両端の部分にいくにしたがって熱は発散しやすくなる。このため、中央部分から離れた部分は、中央部分よりは高温状態になり難い。このように、組電池においては、部位によって温度に差が生じる。このため、より高温になる部分に位置する単電池は、他の部分に位置する単電池に比べ高温にさらされる頻度が高く熱影響を受け易い。このように、組電池内においては、熱影響を受けた単電池と、熱影響をあまり受けていない単電池とが混在しており、寿命に到達する期間にアンバランスが生じる傾向がある。
ここで、組電池のサイクル寿命については、放電容量の低下の度合いが大きい単電池に依存する。つまり、熱影響を受けて放電容量の低下の度合いが大きくなった単電池ほど放電容量の下限値を早期に下回るので、放電容量の低下の度合いが大きい単電池を含む組電池ほど短寿命となる。
従来の組電池においては、熱影響による放電容量の低下やアルカリ電解液の枯渇を抑制するため、冷却機構を設けることが行われている。このような冷却機構としては、例えば、特許文献1に示すような、隣り合う単電池の間を仕切る放熱用仕切板が知られている。この放熱用仕切板は、通風孔を有しており、この通風孔内に冷却風を流通させることにより、単電池の冷却を行う。
ところで、組電池においては、昨今、車載用補機の電源の用途としての需要が高まっている。
しかしながら、各単電池の間に上記したような放熱用仕切板を介在させた場合、組電池全体としては、大型化してしまうため、このような組電池は、車載用途をはじめとする省スペース化が求められるニーズに十分に応えられない。
また、車載用途の場合、使用される環境温度の幅が広い。つまり、車載用途の組電池は、真夏の車内のような高温環境から0℃を下回るような低温環境で使用されることがある。このように、低温環境下での使用を考慮した場合、低温放電特性の向上が不可欠である。低温環境下では、負極表面近傍での抵抗が反応律速となるので、反応性の高い小粒径の水素吸蔵合金粒子を用いることが望ましい。しかしながら、小粒径の水素吸蔵合金粒子は、高温にさらされると熱影響により劣化が起こりやすく電池のサイクル寿命特性に影響を与える。つまり、組電池においては、低温放電特性と寿命特性との間でトレードオフの関係がある。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、低温放電特性の向上及び寿命特性の向上の両立を図ることができる組電池を提供することにある。
本発明によれば、負極に水素吸蔵合金を含むニッケル水素蓄電池により形成された単電池が、直線状に多数配設されて形成された組電池において、前記直線状に延びる方向における中央部分に位置する前記単電池の集合体である中央単電池群と、前記中央単電池群の両端部に位置付けられ前記中央単電池群を挟むように配設された前記単電池の集合体である端部単電池群と、を備え、前記中央単電池群に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径は、前記端部単電池群に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径よりも大きい、組電池が提供される。
また、前記単電池のそれぞれは、扁平な箱形状をなしており、前記箱形状における各面のうち最も面積の大きい面同士が合致して接触するように組み合わされて直線状に配置され連結されている構成とすることが好ましい。
また、前記中央単電池群を構成する前記単電池の数が、前記組電池に含まれる前記単電池の総数の33%以上、60%以下である構成とすることが好ましい。
また、前記中央単電池群の前記単電池に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径は、粒度分布測定装置を用いて測定した体積平均粒径が50μm以上であり、前記端部単電池群に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径は、粒度分布測定装置を用いて測定した体積平均粒径が50μm未満である構成とすることが好ましい。
また、前記単電池の総数は、10個以上である構成とすることが好ましい。
本発明の組電池は、負極に水素吸蔵合金を含むニッケル水素蓄電池により形成された単電池が、直線状に多数配設されて形成された組電池において、前記直線状に延びる方向における中央部分に位置する前記単電池の集合体である中央単電池群と、前記中央単電池群の両端部に位置付けられ前記中央単電池群を挟むように配設された前記単電池の集合体である端部単電池群と、を備え、前記中央単電池群に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径は、前記端部単電池群に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径よりも大きい構成をとる。これにより、粒径の大きい水素吸蔵合金が含まれている中央単電池群は、熱影響を受け難く、組電池の長寿命化に寄与し、粒径の小さい水素吸蔵合金が含まれる端部単電池群は、反応性が高いので、低温環境下でも優れた放電特性を発揮することに寄与する。このため、本発明によれば、低温放電特性の向上と寿命特性の向上の両立を図ることができる組電池を提供することができる。
以下、一実施形態に係る組電池2について図面を参照して説明する。
組電池2は、例えば、図1に示すように、直方体形状の単電池4が組み合わされて形成されている。
組電池2は、例えば、図1に示すように、直方体形状の単電池4が組み合わされて形成されている。
ここで、図1において、矢印X、矢印Y及び矢印Zで3方向を示した場合に、矢印Xの基端側を左とし、矢印Xの先端側を右とし、矢印Yの基端側を下とし、矢印Yの先端側を上とし、矢印Zの基端側を前とし、矢印Zの先端側を後とする。なお、後述する組電池を描いた他の図についても、上下左右前後の関係は同様とする。
上記のように規定した場合、単電池4は、左側に位置する左側面、右側に位置する右側面、下側に位置する下面、上側に位置する上面、前側に位置する前面及び後側に位置する後面の各面を有している。ここで、左側面、上面、右側面及び下面の前後方向の幅は、前面及び後面の上下方向や左右方向の幅に比べて小さく、単電池4は全体として扁平な箱形状をしている。
より具体的には、単電池4は、矢印Z方向の長さを単位長さUとした場合、矢印X方向の長さWは単位長さUの5〜6倍の長さであり、矢印Y方向の長さLは単位長さUの7〜8倍の長さである、箱形状をなしていることが好ましい。
単電池4は、いわゆる角形のニッケル水素蓄電池であり、その内部には、正極と負極とがセパレータを介して重ね合わされた電極群と、アルカリ電解液とを含んでいる。
正極は、ニッケル水素蓄電池の正極として一般的なものが用いられる。例えば、正極活物質として水酸化ニッケルを含む正極が用いられる。
負極は、負極活物質としての水素を吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金を含む負極が用いられる。詳しくは、この負極は、帯状をなす導電性の負極芯体を有し、この負極芯体に負極合剤が保持されている。
負極芯体は、貫通孔が分布されたシート状の金属材により形成されている。この負極芯体としては、例えば、パンチングメタルシートを用いることができる。負極合剤は、負極芯体の貫通孔内に充填されるばかりでなく、負極芯体の両面上にも層状にして保持されている。
負極合剤は、水素吸蔵合金の粒子の集合体である水素吸蔵合金粉末、導電材及び結着剤を含む。上記した結着剤は水素吸蔵合金の粒子、及び導電材を互いに結着させると同時に負極合剤を負極芯体に結着させる働きをする。ここで、結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等を用いることができ、導電材としては、カーボンブラック、黒鉛、ニッケル粉等を用いることができる。
水素吸蔵合金としては、一般的な水素吸蔵合金を用いることができる。ここで、本実施形態においては、希土類元素、Mg、Niを含む希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を用いることが好ましい。この希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金としては、以下に示す一般式(I)で表される組成を有している合金を用いることが好ましい。
Ln1−xMgxNiy−aAla・・・(I)
ただし、一般式(I)中、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti及びZrから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、添字x、y、aは、それぞれ、0.05≦x≦0.30、2.8≦y≦3.8、0.05≦a≦0.30で示される関係を満たしている。
ただし、一般式(I)中、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti及びZrから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、添字x、y、aは、それぞれ、0.05≦x≦0.30、2.8≦y≦3.8、0.05≦a≦0.30で示される関係を満たしている。
セパレータとしては、ニッケル水素蓄電池のセパレータとして一般的なものが用いられる。例えば、ポリアミド繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの等が用いられる。
アルカリ電解液としては、ニッケル水素蓄電池用のアルカリ電解液として一般的なものが用いられる。例えば、アルカリ成分の溶質として、NaOH及びKOHのうちの少なくとも1種を含んでいる水溶液を用いることが好ましい。なお、上記したアルカリ電解液においては、必要に応じてLiOHを添加することが好ましい。
単電池4においては、第1の単電池6と、第2の単電池8とがそれぞれ複数個準備される。それぞれの単電池4は、箱形状における各面のうち最も面積の大きい面同士が合致して接触するように組み合わされて直線状に連結される。具体的には、一方の単電池4の後面と他方の単電池4の前面とが接触するような態様で組み合わされる。このようにして組電池2が形成される。ここで、組電池2は、少なくとも3個の単電池を組み合わせることにより形成される。そして、組電池2の中央部分に位置する単電池4を第1の単電池6とし、この第1の単電池6を挟んで前後に位置する単電池4を第2の単電池8とする。つまり、第2の単電池8で第1の単電池6を挟む態様となる。
本実施形態では、組電池2の中央部分に第1の単電池6を4個配置し、この中央部分を挟む前後に第2の単電池8を3個ずつ配置する。ここで、中央部分に位置する4個の第1の単電池6を中央単電池群10とし、この中央単電池群10の両側に位置する合計6個の第2の単電池8を端部単電池群12とする(図1参照)。
組電池2においては、中央単電池群10に含まれる第1の単電池6の負極に組み込まれている水素吸蔵合金粒子(以下、中央部粒子ともいう)の粒径は、端部単電池群12に含まれる第2の単電池8の負極に組み込まれている水素吸蔵合金粒子(以下、端部粒子ともいう)の粒径よりも大きい。
このように、熱の蓄積し易い中央部分に位置する中央単電池群10に含まれる第1の単電池6の負極に組み込まれている水素吸蔵合金粒子の粒径が、熱が発散し易く中央部分に比べて高温とならない両端部に位置する端部単電池群12に含まれる第2の単電池8の負極に組み込まれている水素吸蔵合金粒子の粒径よりも大きいので、中央部分に熱が蓄積しても、水素吸蔵合金の劣化は起こり難いことから、組電池の長寿命化が図れ、寿命特性が向上する。一方、端部単電池群12に含まれる第2の単電池8の負極に組み込まれている水素吸蔵合金粒子の粒径は小さいので、反応性に優れ、低温環境下においても優れた放電特性を発揮する。このため、組電池2は低温放電特性の向上と寿命特性の向上の両立を図ることができる。
ここで、中央部粒子の粒径は、粒度分布測定装置を用いてレーザー回折・散乱法により求めた体積平均粒径(MV)で50μm以上とすることが好ましい。中央部粒子の体積平均粒径が50μm未満の場合、熱による影響を受けやすく、高温にさらされると劣化が進み組電池の寿命特性を低下させてしまう。この中央部粒子の体積平均粒径は大きいほど組電池の寿命特性は向上する。しかしながら、中央部粒子の体積平均粒径があまり大きくなり過ぎると反応性が低下し、組電池全体における放電特性の低下を招くおそれがある。よって、中央部粒子の体積平均粒径の上限値は、100μm以下とすることが好ましい。優れた寿命特性を発揮することができる中央部粒子の体積平均粒径の好ましい数値範囲は、55μm以上、75μm以下であり、より好ましくは、60μm以上、70μm以下である。
一方、端部粒子の粒径は、粒度分布測定装置を用いてレーザー回折・散乱法により求めた体積平均粒径(MV)で50μm未満とすることが好ましい。端部粒子の体積平均粒径が50μm以上の場合、反応性が低下し、特に低温環境下での放電が困難となる。端部粒子の体積平均粒径が小さいほど放電特性は向上し、低温環境下での放電が容易となる。しかしながら、端部粒子の体積平均粒径があまり小さくなり過ぎるとアルカリ電解液による腐食が進行しやすくなり、組電池全体における寿命特性の低下を招くおそれがある。よって、端部粒子の体積平均粒径の下限値は、10μm以上とすることが好ましい。優れた放電特性を発揮することができる端部粒子の体積平均粒径の好ましい数値範囲は、25μm以上、45μm以下であり、より好ましくは、30μm以上、40μm以下である。
ここで、組電池において、中央部分及び端部の領域を規定するため、組電池の充放電時の温度分布を以下のようにして求めた。
まず、温度測定用の組電池として、図2に示すような、箱型の単電池4が12個組み合わされた組電池42を準備した。この組電池42は、従来から用いられている一般的な組電池である。この組電池42において、両端間の中間の位置を中心位置Cとする。そして、この中心位置Cの前側に位置する単電池を中心位置Cから近い順に、前側第1電池a1、前側第2電池a2、前側第3電池a3、前側第4電池a4、前側第5電池a5、前側第6電池a6とする。また、この中心位置Cの後側に位置する単電池を中心位置Cから近い順に、後側第1電池b1、後側第2電池b2、後側第3電池b3、後側第4電池b4、後側第5電池b5、後側第6電池b6とする。
次いで、前側第1電池a1と後側第1電池b1との間、つまり中心位置Cに第1熱電対t1を配設し、前側第1電池a1と前側第2電池a2との間に第2熱電対t2を配設し、前側第2電池a2と前側第3電池a3との間に第3熱電対t3を配設し、前側第3電池a3と前側第4電池a4との間に第4熱電対t4を配設し、前側第4電池a4と前側第5電池a5との間に第5熱電対t5を配設し、前側第5電池a5と前側第6電池a6との間に第6熱電対t6を配設した。このようにして、上記した単電池間の温度を測定できるようにした。なお、中心位置Cを挟んで前後に位置する各単電池においては、中心位置Cからの距離が同じ電池同士(例えば、前側第3電池a3と後側第3電池b3)は温度がほぼ同じになると想定し、中心位置C及び前側の各単電池間の温度についてのみ測定することとして後側の各単電池間の温度については測定を省略した。
熱電対がセットされた組電池42について、充電電流が25Aで10時間の充電を行った後、1時間休止させた。次いで、休止後の組電池42について、放電電流が50Aで放電を行った。この放電は、組電池42の電圧が12Vに到達した段階で終了させた。その後、組電池42を1時間休止させた。以上のような条件で充放電操作を行い、その際の各単電池間の温度を測定した。各単電池間の温度と経過時間との関係を表したグラフを図3に示した。なお、図3中において、参照符号t1は第1熱電対t1の温度、参照符号t2は第2熱電対t2の温度、参照符号t3は第3熱電対t3の温度、参照符号t4は第4熱電対t4の温度、参照符号t5は第5熱電対t5の温度、参照符号t6は第6熱電対t6の温度をそれぞれ示している。
一方、各熱電対が測定した最高温度を表1に示した。
ここで、上記した第1熱電対t1により測定される温度は、前側第1電池a1の温度を表している。なお、前側第1電池a1と対称となる後側第1電池b1の温度も、この第1熱電対t1により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した熱電対t2により測定される温度は、前側第2電池a2の温度を表している。なお、前側第2電池a2と対称となる後側第2電池b2の温度も、この第2熱電対t2により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した熱電対t3により測定される温度は、前側第3電池a3の温度を表している。なお、前側第3電池a3と対称となる後側第3電池b3の温度も、この第3熱電対t3により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した第4熱電対t4により測定される温度は、前側第4電池a4の温度を表している。なお、前側第4電池a4と対称となる後側第4電池b4の温度も、この第4熱電対t4により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した熱電対t5により測定される温度は、前側第5電池a5の温度を表している。なお、前側第5電池a5と対称となる後側第5電池b5の温度も、この第5熱電対t5により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した熱電対t6により測定される温度は、前側第6電池a6の温度を表している。なお、前側第6電池a6と対称となる後側第6電池b6の温度も、この第6熱電対t6により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。
ここで、上記した第1熱電対t1により測定される温度は、前側第1電池a1の温度を表している。なお、前側第1電池a1と対称となる後側第1電池b1の温度も、この第1熱電対t1により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した熱電対t2により測定される温度は、前側第2電池a2の温度を表している。なお、前側第2電池a2と対称となる後側第2電池b2の温度も、この第2熱電対t2により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した熱電対t3により測定される温度は、前側第3電池a3の温度を表している。なお、前側第3電池a3と対称となる後側第3電池b3の温度も、この第3熱電対t3により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した第4熱電対t4により測定される温度は、前側第4電池a4の温度を表している。なお、前側第4電池a4と対称となる後側第4電池b4の温度も、この第4熱電対t4により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した熱電対t5により測定される温度は、前側第5電池a5の温度を表している。なお、前側第5電池a5と対称となる後側第5電池b5の温度も、この第5熱電対t5により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。また、上記した熱電対t6により測定される温度は、前側第6電池a6の温度を表している。なお、前側第6電池a6と対称となる後側第6電池b6の温度も、この第6熱電対t6により測定される温度とほぼ同じであると考えられる。
表1における第1熱電対t1が測定した最高温度は、前側第1電池a1及び後側第1電池b1を含む領域を第1領域とした場合に、当該第1領域が少なくとも到達する温度を示している。また、表1における第2熱電対t2が測定した最高温度は、中心位置Cから前側第2電池a2までの領域及び中心位置Cから後側第2電池b2までの領域を含む領域を第2領域とした場合に、当該第2領域が少なくとも到達する温度を示している。また、表1における第3熱電対t3が測定した最高温度は、中心位置Cから前側第3電池a3までの領域及び中心位置Cから後側第3電池b3までの領域を含む領域を第3領域とした場合に、当該第3領域が少なくとも到達する温度を示している。また、表1における第4熱電対t4が測定した最高温度は、中心位置Cから前側第4電池a4までの領域及び中心位置Cから後側第4電池b4までの領域を含む領域を第4領域とした場合に、当該第4領域が少なくとも到達する温度を示している。また、表1における第5熱電対t5が測定した最高温度は、中心位置Cから前側第5電池a5までの領域及び中心位置Cから後側第5電池b5までの領域を含む領域を第5領域とした場合に、当該第5領域が少なくとも到達する温度を示している。また、表1における第6熱電対t6が測定した最高温度は、中心位置Cから前側第6電池a6までの領域及び中心位置Cから後側第6電池b6までの領域を含む領域を第6領域とした場合に、当該第6領域が少なくとも到達する温度を示している。
次に、上記した各領域に含まれる単電池の個数及び各領域が組電池42の全体に占める比率を表1に併せて示した。具体的には、上記した第1領域に含まれる単電池の個数は、2個であり、組電池42の全体の単電池12個中17%を占めている。また、上記した第2領域に含まれる単電池の個数は、4個であり、組電池42の全体の単電池12個中33%を占めている。また、上記した第3領域に含まれる単電池の個数は、6個であり、組電池42の全体の単電池12個中50%を占めている。また、上記した第4領域に含まれる単電池の個数は、8個であり、組電池42の全体の単電池12個中67%を占めている。また、上記した第5領域に含まれる単電池の個数は、10個であり、組電池42の全体の単電池12個中83%を占めている。また、上記した第6領域に含まれる単電池の個数は、12個であり、組電池42の全体の単電池12個中100%を占めている。
図3のグラフより、充電時の組電池42の各部の温度は、中心位置Cが最も高く、この中心位置Cから離れるにしたがって低くなっていることがわかる。ここで、中心位置Cに配設された第1熱電対t1の温度変化の挙動と第2熱電対t2の温度変化の挙動とはほぼ同じであり、温度もほぼ同じであることがわかる。
表1より、第1熱電対t1は33.1℃を示しており、第2熱電対t2は32.9℃を示しており、組電池においては中央部分の33%の範囲がほぼ同じ温度で最も発熱するといえる。
このことから、組電池の長手方向の全体に対し少なくとも中央部分を含む33%の領域は、熱が蓄積しやすい。つまり、この33%の領域に含まれる単電池が熱の蓄積しやすい中央単電池群を構成する単電池となる。
更に、より多くの単電池を備えた組電池についても温度分布を把握した。具体的には、単電池を20個連結した組電池について、0.1Itで充電を行い、充電状態(State Of Charge:以下、SOCともいう)が100%になったときの表面温度を、サーモグラフィを用いて測定した。この組電池において、一方の端部に位置する単電池をNo.1電池、他方の端部に位置する単電池をNo.20電池とし、単電池に端から番号を付した。そして、各単電池の表面温度の測定結果を図4に示した。
図4の結果から、組電池の中央に位置するNo.7〜No.14の8個の単電池の表面温度が高いことが確認できる。具体的には、これらNo.7〜No.14の単電池の表面温度と、端部の単電池の表面温度との差は最大で5℃以上となる。よって、No.7〜No.14の8個の単電池は熱が蓄積しやすい中央単電池群を構成する単電池となる。この場合、中央単電池群は、全体の40%にあたる。
組電池においては、単電池の数が増えるほど中央部分の熱が蓄積しやすい領域が増える。ここで、組電池に含まれる単電池数と、組電池全体に対する中央単電池群の割合(高温となる単電池の割合)との関係を求めた。その結果を図5に示した。この図5の結果より、組電池に含まれる単電池の数が、例えば、30個になった場合、中央単電池群が組電池の全体に対する割合は約60%となることが読み取れる。このことから、30個の単電池を備える組電池では、中央単電池群は60%の範囲を占め、単電池の数が18個となる。
以上のようにして規定される中央単電池群は、特に熱が蓄積しやすいので、この領域に含まれる単電池に、体積平均粒径が大きい中央部粒子を組み込むことにより組電池の寿命特性の改善が図れると考えられる。
一方、組電池の中央単電池群を除く端部単電池群は、熱の蓄積量は中央単電池群に比べ少ない。この端部単電池群に体積平均粒径の小さい端部粒子を組み込むことにより組電池の全体としての放電特性が高められ、特に低温放電特性が向上すると考えられる。
つまり、組電池の中央部分においては、全体に対する33%以上60%以下の範囲を中央単電池群と規定することが好ましく、この中央単電池群の単電池に体積平均粒径の大きい端部粒子を組み込み、中央単電池群を除く端部単電池群の単電池に単電池に体積平均粒径の小さい端部粒子を組みこむことにより、中央部分での劣化抑制による寿命延長の効果と、端部での反応性向上による放電特性の向上効果が見込まれる。
なお、組電池2に含まれる単電池4の総数は、特に限定されるものではないが、単電池4が10個以上であれば、蓄電・バックアップシステムのニーズに十分応えられるので、10個以上とすることが好ましい。また、組電池2に含まれる単電池4の総数は、多いほど大容量化が図れるので、なるべく多い個数とすることが好ましいが、組電池2の取り回し等を考慮すると、30個以下とすることが好ましい。
なお、図1では、組電池2について概略的に表現してあり、リードや端子は図示を省略している。また、図2についても同様である。
[実施例]
1.組電池の製造
(実施例1)
(1)水素吸蔵合金粉末の製造
20質量%のLa、80質量%のSmを含む希土類成分を調製した。得られた希土類成分、Mg、Ni、Alを計量して、これらがモル比で0.99:0.01:3.25:0.25の割合となる混合物を調製した。得られた混合物は、誘導溶解炉で溶解され、その溶湯が鋳型に流し込まれた後、室温の25℃まで冷却され水素吸蔵合金のインゴットとされた。このインゴットより採取したサンプルにつき、高周波プラズマ分光分析法(ICP)によって組成分析を行った。その結果、水素吸蔵合金の組成は、(La0.20Sm0.80)0.99Mg0.01Ni3.25Al0.25であった。
1.組電池の製造
(実施例1)
(1)水素吸蔵合金粉末の製造
20質量%のLa、80質量%のSmを含む希土類成分を調製した。得られた希土類成分、Mg、Ni、Alを計量して、これらがモル比で0.99:0.01:3.25:0.25の割合となる混合物を調製した。得られた混合物は、誘導溶解炉で溶解され、その溶湯が鋳型に流し込まれた後、室温の25℃まで冷却され水素吸蔵合金のインゴットとされた。このインゴットより採取したサンプルにつき、高周波プラズマ分光分析法(ICP)によって組成分析を行った。その結果、水素吸蔵合金の組成は、(La0.20Sm0.80)0.99Mg0.01Ni3.25Al0.25であった。
次いで、このインゴットに対し、アルゴンガス雰囲気下にて温度1000℃で10時間保持する熱処理を施した。そして、この熱処理後、室温の25℃まで冷却された水素吸蔵合金のインゴットをアルゴンガス雰囲気中で機械的に粉砕し、水素吸蔵合金粒子の集合体である水素吸蔵合金粉末を得た。得られた水素吸蔵合金粉末を篩分けして、第1の粒径の粉末と、第2の粒径の粉末を得た。ここで、得られた第1の粒径の粉末及び第2の粒径の粉末について、レーザー回折・散乱式粒径分布測定装置を用いて粒子の粒径を測定した。その結果、第1の粒径の水素吸蔵合金粒子の体積平均粒径(MV)は65±5μmであり、第2の粒径の水素吸蔵合金粒子の体積平均粒径(MV)は35±5μmであった。なお、粒径分布測定の条件は、粒子透過性を反射、粒子屈折率を1.51、溶媒を水、溶媒屈折率を1.33、測定時間を30秒、及び分布形式を体積、にそれぞれ設定した。
(2)負極の製造
(i)第1の負極の製造
第1の粒径の水素吸蔵合金の粉末100質量部に対し、ポリアクリル酸ナトリウム0.4質量部、カルボキシメチルセルロース0.1質量部、スチレンブタジエンゴム(SBR)のディスパージョン1.0質量部、カーボンブラック1.0質量部、及び水30質量部を添加して混練し、第1の負極合剤のペーストを調製した。
(i)第1の負極の製造
第1の粒径の水素吸蔵合金の粉末100質量部に対し、ポリアクリル酸ナトリウム0.4質量部、カルボキシメチルセルロース0.1質量部、スチレンブタジエンゴム(SBR)のディスパージョン1.0質量部、カーボンブラック1.0質量部、及び水30質量部を添加して混練し、第1の負極合剤のペーストを調製した。
この第1の負極合剤のペーストを負極基板としての鉄製の孔あき板の両面に均等、且つ、厚さが一定となるように塗布した。なお、この孔あき板は60μmの厚みを有し、その表面にはニッケルめっきが施されている。
ペーストの乾燥後、水素吸蔵合金の粉末等が付着した孔あき板を更にロール圧延して体積当たりの合金量を高めた後、裁断し、第1の負極を得た。
(ii)第2の負極の製造
第1の粒径の水素吸蔵合金の粉末の代わりに第2の粒径の水素吸蔵合金の粉末を用いたことを除いて、上記した第1の負極と同様な製造手順で第2の負極を製造した。
第1の粒径の水素吸蔵合金の粉末の代わりに第2の粒径の水素吸蔵合金の粉末を用いたことを除いて、上記した第1の負極と同様な製造手順で第2の負極を製造した。
(3)単電池の製造
(i)第1の電極群の製造
上記のようにして得られた第1の負極と、一般的なニッケル水素蓄電池に用いられるニッケル正極と、一般的なニッケル水素蓄電池に用いられるセパレータとを準備した。準備した第1の負極と、ニッケル正極とをセパレータを間に介在させた状態で重ね合わせ、第1の電極群を製造した。この第1の電極群は4個製造した。
(i)第1の電極群の製造
上記のようにして得られた第1の負極と、一般的なニッケル水素蓄電池に用いられるニッケル正極と、一般的なニッケル水素蓄電池に用いられるセパレータとを準備した。準備した第1の負極と、ニッケル正極とをセパレータを間に介在させた状態で重ね合わせ、第1の電極群を製造した。この第1の電極群は4個製造した。
(ii)第2の電極群の製造
上記のようにして得られた第2の負極と、一般的なニッケル水素蓄電池に用いられるニッケル正極と、一般的なニッケル水素蓄電池に用いられるセパレータとを準備した。準備した第2の負極と、ニッケル正極とをセパレータを間に介在させた状態で重ね合わせ、第2の電極群を製造した。この第2の電極群は6個製造した。
上記のようにして得られた第2の負極と、一般的なニッケル水素蓄電池に用いられるニッケル正極と、一般的なニッケル水素蓄電池に用いられるセパレータとを準備した。準備した第2の負極と、ニッケル正極とをセパレータを間に介在させた状態で重ね合わせ、第2の電極群を製造した。この第2の電極群は6個製造した。
(iii)単電池の組み立て
単電池用容器を10個準備した。この単電池用容器は、図1における矢印X方向の長さが180mm、矢印Y方向の長さが240mm、矢印Z方向の長さが30mmの扁平な箱形状をなしている。
単電池用容器を10個準備した。この単電池用容器は、図1における矢印X方向の長さが180mm、矢印Y方向の長さが240mm、矢印Z方向の長さが30mmの扁平な箱形状をなしている。
更に、溶質としてNaOH及びLiOHを含んでいるアルカリ電解液を準備した。このアルカリ電解液において、NaOHの濃度は7.50mol/l、LiOHの濃度は0.50mol/lに調整されている。なお、このアルカリ電解液のアルカリ成分の濃度の総和は8.00mol/lである。
上記のようにして準備した単電池用容器10個のうち4個の中に、それぞれ第1の電極群を1個ずつ収容した。第1の電極群を収容した単電池用容器の中にアルカリ電解液を所定量注入にした。その後、かかる単電池用容器を密閉し、単電池4を4個製造した。この電池を第1の単電池6とする。
一方、準備した単電池用容器10個のうち6個の中に、それぞれ第2の電極群を1個ずつ収容した。第2の電極群を収容した単電池用容器の中にアルカリ電解液を所定量注入にした。その後、かかる単電池用容器を密閉し、単電池4を6個製造した。この電池を第2の単電池8とする。
(4)組電池の組立
4個の第1の単電池6につき、それぞれ、箱形状における各面のうち最も面積の大きい面同士が合致して接触するように組み合わせて直線状に連結した。
4個の第1の単電池6につき、それぞれ、箱形状における各面のうち最も面積の大きい面同士が合致して接触するように組み合わせて直線状に連結した。
更に、連結された4個の第1の単電池6を挟むように両側に第2の単電池8を3個ずつ同様に連結させた。これにより、図1に示すように、中央部分に第1の単電池6が4個配置され形成された中央単電池群10と、この中央単電池群10を挟む両側に第2の単電池8が3個ずつ配置され形成された端部単電池群12、12とを備えた態様の組電池2が得られた。
なお、各単電池4は、正極端子及び負極端子を有しており(共に図示せず)、これら正極端子及び負極端子は、リード(図示せず)により適切に電気的に直列に接続されている。
(5)初期活性化処理
組電池2を、25℃の環境下に1日間放置後、0.1Itの充電電流で16時間の充電を行った。その後、当該組電池2を25℃の環境下で12時間放置した。その後、0.2Itの放電電流で電池電圧が10Vになるまで放電させた。このような充放電作業を2回繰り返すことにより初期活性化処理を行った。このようにして、組電池2を使用可能状態とした。
組電池2を、25℃の環境下に1日間放置後、0.1Itの充電電流で16時間の充電を行った。その後、当該組電池2を25℃の環境下で12時間放置した。その後、0.2Itの放電電流で電池電圧が10Vになるまで放電させた。このような充放電作業を2回繰り返すことにより初期活性化処理を行った。このようにして、組電池2を使用可能状態とした。
(比較例1)
第1の単電池6を10個製造し、第2の単電池8は用いず、第1の単電池6のみを用いたことを除いて、実施例1と同様にして、図6に示すような使用可能状態の組電池22を製造した。
第1の単電池6を10個製造し、第2の単電池8は用いず、第1の単電池6のみを用いたことを除いて、実施例1と同様にして、図6に示すような使用可能状態の組電池22を製造した。
(比較例2)
第2の単電池8を10個製造し、第1の単電池6は用いず、第2の単電池8のみを用いたことを除いて、実施例1と同様にして、図7に示すような使用可能状態の組電池32を製造した。
第2の単電池8を10個製造し、第1の単電池6は用いず、第2の単電池8のみを用いたことを除いて、実施例1と同様にして、図7に示すような使用可能状態の組電池32を製造した。
以下の表2に、実施例1、比較例1及び比較例2の各組電池の構成をまとめて示す。
2.組電池の評価
(1)サイクル寿命試験
初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、40℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、5分間放置した。その後、同一の環境下にて1.0Itで組電池の電圧が10Vになるまで放電した後、10分間放置した。
(1)サイクル寿命試験
初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、40℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、5分間放置した。その後、同一の環境下にて1.0Itで組電池の電圧が10Vになるまで放電した後、10分間放置した。
上記した充放電のサイクルを1サイクルとして充放電を繰り返し、各サイクルにおける放電容量を測定した。ここで、1サイクル目の充放電での放電容量を初期容量とし、以下の(II)式から各サイクルにおける容量維持率を算出した。
容量維持率[%]=(各サイクルにおける放電容量/初期容量)×100・・・(II)
容量維持率[%]=(各サイクルにおける放電容量/初期容量)×100・・・(II)
そして、各組電池につき容量維持率とサイクル数との関係を図8のグラフに示した。
(2)低温放電特性試験
初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、25℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、25℃の環境下にて、3時間放置した。その後、25℃の環境下にて、1.0Itで電池電圧が10Vになるまで放電を行った。このときの放電容量、すなわち25℃での放電容量を求めた。
(2)低温放電特性試験
初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、25℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、25℃の環境下にて、3時間放置した。その後、25℃の環境下にて、1.0Itで電池電圧が10Vになるまで放電を行った。このときの放電容量、すなわち25℃での放電容量を求めた。
同様に、初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、25℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、0℃の環境下にて、3時間放置した。その後、0℃の環境下にて、1.0Itで電池電圧が10Vになるまで放電を行った。このときの放電容量、すなわち0℃での放電容量を求めた。
同様に、初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、25℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、−10℃の環境下にて、3時間放置した。その後、−10℃の環境下にて、1.0Itで電池電圧が10Vになるまで放電を行った。このときの放電容量、すなわち−10℃での放電容量を求めた。
同様に、初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、25℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、−20℃の環境下にて、3時間放置した。その後、−20℃の環境下にて、1.0Itで電池電圧が10Vになるまで放電を行った。このときの放電容量、すなわち−20℃での放電容量を求めた。
同様に、初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、25℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、−30℃の環境下にて、3時間放置した。その後、−30℃の環境下にて、1.0Itで電池電圧が10Vになるまで放電を行った。このときの放電容量、すなわち−30℃での放電容量を求めた。
同様に、初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、25℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、−35℃の環境下にて、3時間放置した。その後、−35℃の環境下にて、1.0Itで電池電圧が10Vになるまで放電を行った。このときの放電容量、すなわち−35℃での放電容量を求めた。
同様に、初期活性化処理済みの実施例1、比較例1〜2の各組電池について、25℃の環境下にて、1.0Itで0.8時間充電を行い、その後、−40℃の環境下にて、3時間放置した。その後、−40℃の環境下にて、1.0Itで電池電圧が10Vになるまで放電を行った。このときの放電容量、すなわち−40℃での放電容量を求めた。
以上のようにして求めた放電容量と、放電の際に電池が置かれた環境温度との関係を図9のグラフに示した。
(3)考察
容量維持率とサイクル数との関係を示した図8のグラフより、比較例2の組電池が最も早く容量低下し、寿命が早期に尽きている。比較例2の組電池は、水素吸蔵合金粒子の平均粒径が35±5μmの水素吸蔵合金粉末を組電池の全体で使用している。このため、40℃の環境下での加速試験のサイクルでは、熱影響を受けやすい中央部分の合金が早期に劣化し、それにともない組電池の容量低下が進行したものと考えられる。
容量維持率とサイクル数との関係を示した図8のグラフより、比較例2の組電池が最も早く容量低下し、寿命が早期に尽きている。比較例2の組電池は、水素吸蔵合金粒子の平均粒径が35±5μmの水素吸蔵合金粉末を組電池の全体で使用している。このため、40℃の環境下での加速試験のサイクルでは、熱影響を受けやすい中央部分の合金が早期に劣化し、それにともない組電池の容量低下が進行したものと考えられる。
一方、比較例1の組電池は、比較例2の組電池に比べサイクル寿命が60%程度向上している。これは、比較例1の組電池で使用している水素吸蔵合金粒子の平均粒径が65±5μmと比較的大粒径であり、耐食性に優れるものであるためと考えられる。
実施例1の組電池は、図8より、比較例1の組電池と同等のサイクル寿命特性が得られている。これは、組電池において熱影響を受けやすい中央部分にある水素吸蔵合金粒子の平均粒径が65±5μmと比較的大きいため、優れた耐食性が発揮されたものと考えられる。
次に、低温環境特性においては、比較例1の組電池の放電特性が最も低くい。詳しくは、比較例1の組電池の放電容量は、比較例2の組電池の放電容量に比べ、−20℃では49%まで、−30℃では8%まで低下している。これは、比較例2の組電池は、反応性に優れる粒径が小さい水素吸蔵合金粒子を使用しているので、低温放電特性に優れているのに対し、比較例1の電池は、水素吸蔵合金粒子の平均粒径が大きく、反応性が低いために低温での放電が悪化していると考えられる。
実施例1の組電池は、図9より、比較例2の組電池と同等の低温放電特性が得られている。これは、組電池において熱影響を受けやすい中央部分を除いた端部にある水素吸蔵合金粒子の平均粒径が35±5μmと比較的小さいため、優れた反応性が発揮され低温放電特性が向上したものと考えられる。
以上より、実施例1の組電池のように、熱が蓄積し易い中央部分では、熱による劣化の少ない比較的大きな平均粒径を有する水素吸蔵合金粒子を採用し、それ以外の両端部には、反応性に優れる比較的小さい平均粒径を有する水素吸蔵合金粒子を採用することにより、低温時放電特性と寿命特性とを兼ね備えた優れた組電池が得られるといえる。
2 組電池
4 単電池
6 第1の単電池
8 第2の単電池
10 中央単電池群
12 端部単電池群
4 単電池
6 第1の単電池
8 第2の単電池
10 中央単電池群
12 端部単電池群
Claims (5)
- 負極に水素吸蔵合金を含むニッケル水素蓄電池により形成された単電池が、直線状に多数配設されて形成された組電池において、
前記直線状に延びる方向における中央部分に位置する前記単電池の集合体である中央単電池群と、
前記中央単電池群の両端部に位置付けられ前記中央単電池群を挟むように配設された前記単電池の集合体である端部単電池群と、を備え、
前記中央単電池群に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径は、前記端部単電池群に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径よりも大きい、組電池。 - 前記単電池のそれぞれは、扁平な箱形状をなしており、前記箱形状における各面のうち最も面積の大きい面同士が合致して接触するように組み合わされて直線状に配置され連結されている、請求項1に記載の組電池。
- 前記中央単電池群を構成する前記単電池の数が、前記組電池に含まれる前記単電池の総数の33%以上、60%以下である、請求項1又は2に記載の組電池。
- 前記中央単電池群の前記単電池に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径は、粒度分布測定装置を用いて測定した体積平均粒径が50μm以上であり、前記端部単電池群に含まれる前記水素吸蔵合金の粒径は、粒度分布測定装置を用いて測定した体積平均粒径が50μm未満である、請求項1〜3の何れかに記載の組電池。
- 前記単電池の総数は、10個以上である、請求項1〜4の何れかに記載の組電池。
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