JP2021155382A - 粉末化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥水撥油性を有する新規な表面処理粉体及び塗布時の感触が滑らかであり、化粧膜の均一性および化粧持続性に優れる化粧料、さらに保湿剤の均一分散による高保湿効果を有する粉末化粧料の提供。【解決手段】次の成分(A)及び(B);(A)次の表面処理剤(a)により表面被覆された粉体(a)分子内にシラノール基を有するフッ素変性シリコーン樹脂であって、下記平均式(1)の構造を有する化合物。R1nSiO(4—n)/2・・・平均式(1)(但し、R1は炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、もしくは一般式−R2−Rfであって、一般式−R2−Rfを必須とする官能基から任意に選ばれ、R2は炭素数2〜6の二価のアルキレン基、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であり、nは平均数で0<n≦1.8である。)(B)保湿剤を含有する粉末化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末化粧料に関する。
化粧料には、メイクアップ効果とその持続性や、感触調整等を目的として、無機粉体、有機粉体、色素粉体など種々の粉体を含有している。しかしながら、特に無機粉体は、無機物であるが故に肌へのなじみが悪いため、これを含有した化粧料は、肌上でのびが悪く、きしみ感も強いため、皮膚に対して物理的な刺激を与え、塗布時の滑らかさが損なわれる場合がある。さらには、無機粉体同士の凝集性が高く、油への分散性が悪いために、化粧料の長期保存安定性や、メイクアップ効果及び紫外線吸収効果等を低減させる問題があった。従来、これらの問題を解決するために、粉体の表面を種々の表面処理剤で処理することが行われてきた。例えば、フルオロアルキル燐酸エステルのアルカリ土類金属塩及び両性金属塩から選ばれる1種乃至は2種以上で処理されてなる粉体(例えば特許文献1参照)、N−アシルアスパラギン酸またはアスパラギン酸多価金属塩で被覆処理された無機顔料(例えば特許文献2参照)で表面処理する方法等、数多く知られている。
また従来、化粧持続性が良好であると共に、乾燥感を感じにくい化粧料が求められているものの、それら両方の要求を満たすことは容易ではない。特に粉末化粧料においては、化粧持続性を追い求めて、撥水性や撥油性の高い粉体や吸油量の高い粉体を多く含有することで、汗や皮脂に強い化粧膜を形成させようとすると、乾燥感を感じてしまう傾向がある。さらに化粧膜が均一に形成されることも必要とされるが、これらの要求を全て具備した化粧料とすることは困難であるのが実情である。
特に消費者の欲求の中でも、乾燥を防ぐために、高い保湿力が求められているが、保湿剤を含有する場合、使用感や化粧持続性に不具合が生じるため、様々な技術が提案されている。例えば、水溶性保湿剤および/または多価アルコール3〜15質量%、シリコーンエラストマー球状粉体1〜15質量%を含有し、前記水溶性保湿剤および多価アルコールの有機性値・無機性値が、有機概念図上で、(無機性値) + 0.5*(有機性値) ≧ 300 かつ0.3 ≦ (無機性値)/(有機性値) ≦ 2の領域にあることを特徴とする固形粉末化粧料に関する技術(例えば特許文献3参照)等がある。
特開平11−335227号公報 特開平3−200879号公報 特開2010−47542号公報
しかし、単に保湿剤を含有した粉末化粧料では、保湿剤の均一分散が難しく、肌へ均一に保湿効果を与えることは困難であった。そこで、本発明は、塗布時に滑らかに伸び広がり、化粧持続性に優れ、さらに保湿剤の均一分散による乾燥感のなさを有する粉末化粧料の提供を課題とする。
かかる実情を鑑み、本発明者は、撥水・撥油性のあるフッ素化合物に着目した。その中でも、分子内にシラノール基を有するフッ素変性シリコーン樹脂を用いると、保湿剤の親水基と相互作用することで、保湿剤と組み合わせた際の分散性に優れ、高い化粧持続性を有しながらも、乾燥感のなさを実現できることを見出した。さらに、前記フッ素変性シリコーン樹脂を単に粉末化粧料に含有させるよりも、粉体に表面処理を行うことにより、撥水性と撥油性を有しながらも、肌への付着性が高い表面処理粉体となることを見出した。これにより、前記フッ素変性シリコーン樹脂により表面処理された粉体を保湿剤と共に粉末化粧料に含有することで、従来の表面処理粉体では実現できなかった保湿剤の均一分散が可能となり、乾燥感のなさが得られると共に、塗布時のなめらかな伸び広がりが得られ、経時での化粧持続性がより向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)次の表面処理剤(a)により表面被覆された粉体
(a)分子内にシラノール基を有するフッ素変性シリコーン樹脂であって、下記平均式(1)の構造を有する化合物
SiO(4―n)/2 ・・・平均式(1)
(但し、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、もしくは一般式−R−Rであって、一般式−R−Rを必須とする官能基から任意に選ばれ、Rは炭素数2〜6の二価のアルキレン基、Rは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であり、nは平均数で0<n≦1.8である。)
(B)保湿剤を含有する粉末化粧料に関するものである。
また、本発明は、前記成分(B)が多価アルコール、糖アルコール、単糖、ムコ多糖類、コラーゲン、有機酸、及びアミノ酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上である前記記載の粉末化粧料に関するものである。
また、本発明は、さらにシリカを含有する前記記載の粉末化粧料に関するものである。
また、本発明は、さらに窒化硼素を含有する前記記載の粉末化粧料に関するものである。
また、本発明は、前記成分(A)および(B)の含有質量割合(A)/(B)が2〜50である前記記載の粉末化粧料に関するものである。
また、本発明は、さらに25℃で固形又はペースト状の油剤を含有する前記記載の粉末化粧料に関するものである。
本発明により、保湿剤の均一分散が可能となることで、高化粧持続性を有する粉末化粧料でありながらも、乾燥感のなさに優れ、かつ塗布時のなめらかに伸び広がりにも優れた粉末化粧料が得られる。
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、本発明における「平均粒子径」とは、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。
本発明における成分(A)は、次の表面処理剤(a)により表面被覆された粉体である。
(表面処理剤)
(a)は分子内にシラノール基を有するフッ素変性シリコーン樹脂であって、下記平均式(1)の構造を有する化合物である。
SiO(4―n)/2 ・・・平均式(1)
(但し、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、もしくは一般式−R−Rであって、一般式−R−Rを必須とする官能基から任意に選ばれ、Rは炭素数2〜6の二価のアルキレン基、Rは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であり、nは平均数で0<n≦1.8である。)(以下、上記フッ素変性シリコーン樹脂と略す)
本発明において、上記平均式(1)におけるnの平均数が1.0≦n≦1.8であると、なめらかな伸び広がりにより優れるためより好ましい。この様なフッ素変性シリコーン樹脂としては、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で表すと、トリフルオロプロピルジメチル/トリメチルシロキシケイ酸(Trifluoropropyldimethyl/Trimethylsiloxysilicate)等が挙げられる。本発明において、表面処理剤(a)は、肌への付着性、保湿剤の分散性の観点から、その分子中のシラノール基中のOH基の割合が、樹脂重量に対して下限値0.1質量%(以下、単に%と略す)以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。また、上限値は5%以下が好ましい。
本発明においては、表面処理剤(a)は、上記フッ素変性シリコーン樹脂を溶媒に分散した状態で粉体表面に処理することが好ましい。溶媒としては、揮発性溶媒が好ましく、アルコールがより好ましく、炭素数1〜4の一価アルコールがさらに好ましい。本発明において、成分(A)に使用される表面処理剤(a)は市販品を用いても良い。フッ素変性シリコーン樹脂の市販品としては、例えば、XS66−B8226、XS88−B8636(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)等が挙げられる。
(表面処理された化粧料用粉体)
本発明の表面処理粉体は、上記フッ素変性シリコーン樹脂を、粉体の表面に担持させたものである。表面処理される粉体としては、通常、化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状や、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径や、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず使用することができる。例えば、無機粉体、光輝性無機粉体、有機粉体、有機色素粉体、複合無機粉体等が挙げられる。
前記無機粉体としては、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、及びスメクタイト等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。なお、これらは10〜80nm程度の微粒子に調製したものを使用してもよい。
前記光輝性無機粉体としては、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、酸化チタン被覆ガラス末及びアルミニウムパウダー等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。光輝性無機粉体は、その一部に有機化合物が含まれていてもよいが、表面の一部又は全部が無機化合物で被覆されていることが好ましい。
前記有機粉体としては、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、PET樹脂末、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、有機顔料被覆マイカチタン、及びN−アシルリジンパウダー等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。有機粉体は、その一部に無機化合物が含まれていてもよいが、表面の一部又は全部が有機化合物で被覆されていることが好ましい。
前記色素粉体としては、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。前記複合無機粉体としては、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。複合無機粉体は、その一部に有機化合物が含まれていてもよいが、表面の一部又は全部が無機化合物で被覆されていることが好ましい。
これらの中でも、無機粉体、光輝性無機粉体及び複合無機粉体よりなる群から選ばれる1種または2種以上の無機粉体が好ましく、より具体的には、タルク、マイカ等の板状無機粉体、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物顔料がより好ましい。例えば、酸化チタンや酸化亜鉛等の場合、本発明の効果に加え、紫外線遮蔽効果を高めるために、微粒子の酸化チタンや酸化亜鉛に表面処理剤(a)を処理することができる。この場合は、未処理の状態では、保湿剤と組み合わせると凝集し易いが、上記フッ素変性シリコーン樹脂を表面処理剤として使用すると、表面処理した微粒子粉体の分散性が良好となるので、酸化チタンや酸化亜鉛の特徴である紫外線遮蔽効果を、効率良く化粧料に付与することが可能となる。
(表面処理された粉体の製造方法)
本発明において、粉体の表面処理方法については、従来から化粧料に使用する粉体の改質の為に使用されている公知の処理方法を利用することができる。例えば、溶媒を用いた湿式法、気相中で処理する乾式法、混合粉砕やせん断を伴うメカノケミカル法等を用いることができるが、特に有機溶媒を用いると、表面処理が均質になるため好ましい。具体的には、フッ素変性シリコーン樹脂を室温のイソプロパノール(以下、IPAと略す)に溶解し、該溶液に粉体を加え、プラネタリーミキサー等の混合機で均一に攪拌混合した後、粉体を乾燥・粉砕して表面処理粉体を得ることができる。
また、本発明の表面処理粉体は、さらに、化粧料基材への分散性改良、感触改良等の目的で、シリコーン化合物、フッ素化合物、油剤、油脂、高級アルコール、ワックス、高分子、樹脂等の通常公知の表面処理剤を、複合的に被覆処理して用いても良い。
このようにして得られた表面処理粉体のフッ素変性シリコーン樹脂の処理量は、特に限定されないが、表面処理粉体中に下限値0.001%以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.1%以上がさらに好ましい。また、上限値は、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。この範囲であれば、肌への付着性がありながらも、撥水性と撥油性に優れた化粧料用粉体となり、これを含有することにより、塗布時のなめらかな伸び広がりに優れ、化粧持続性にも優れた化粧料を得ることが出来る。
本発明の表面処理粉体は、上記粉体の表面に、上記フッ素変性シリコーン樹脂を担持したものであるが、本発明における担持の形態は、特に限定されず、フッ素変性シリコーン樹脂が粉体表面に粒状で担持されていてもよく、他成分とともに被膜状に担持されていてもよい。また、フッ素変性シリコーン樹脂が、粉体表面に物理的に付着することにより担持されていてもよく、化学的に結合することにより担持されていてもよく、粉体表面全体ではなくその一部に担持されていてもよい。好ましくは粉体の被膜状に担持されている形態であり、粉体表面を均一に覆うことで、撥水性、撥油性がより向上する。
本発明の化粧料における成分(A)の含有量は、特に限定されるものではなく、下限値は、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上がさらに好ましい。また、上限値は、90%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。この範囲であれば、高化粧持続性を有する粉末化粧料でありながらも、保湿剤の均一分散が可能となる。
(保湿剤)
本発明に用いる成分(B)保湿剤とは、化粧品として必要な皮膚の保湿機能(湿潤機能)を有する物質であればよい。このような物質としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコールや糖アルコール、単糖、ムコ多糖類、コラーゲン、有機酸、アミノ酸、植物油、植物抽出液、ビタミン類、リン脂質等を例示できる。これらの保湿剤は分子内に極性を有しており、シラノール基を含有するフッ素変性シリコーン樹脂との分子間相互作用により、成分(A)と共に化粧料中に均一に分散することが可能であり、保湿効果が相乗的に向上する。
多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、メチルグルセス、トレハロース、1,3−ブチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール等、糖アルコールとしてはソルビトール、マルチトール、マンニトール等、単糖としてはブドウ糖が例示できる。
中でもグリセリンは、化粧品の原料として広く普及している。グリセリンの市販品は、ミヨシ油脂(株)社製の化粧品用濃グリセリン、新日本理化(株)社製の局方濃グリセリン、花王(株)社製の濃グリセリン等が挙げられる。ジグリセリンの市販品は、日油(株)社製のユニグリーG−2、阪本薬品工業(株)社製のジグリセリン801等が挙げられる。ポリグリセリンの市販品は、阪本薬品工業(株)社製のPGL#250、PGL#350等が挙げられる。ソルビトールの市販品は、三菱商事フードテック(株)社製のソルビットD−70等が挙げられる。ソルビットD−70は、ソルビトール70質量%と水30質量%から成る混合原料である。1,3−ブチレングリコールの市販品は、ダイセル化学工業(株)社製の1,3−ブチレングリコール、KHネオケム(株)社製の1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
ムコ多糖類としては、ヒアルロン酸またはその塩またはその加水分解物またはその誘導体、アセチル化ヒアルロン酸またはその塩またはその誘導体、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ケラタン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸及びデルマタン硫酸等が使用できる。ヒアルロン酸の塩としては、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられ、ヒアルロン酸の加水分解としては、加水分解ヒアルロン酸等が挙げられ、ヒアルロン酸の誘導体としては、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムやジメチルシラノール・ヒアルロン酸縮合液等が挙げられる。ムコ多糖の中でも、アセチル化ヒアルロン酸またはその塩、若しくは、ヒアルロン酸またはその塩またはその加水分解物が好ましく、ヒアルロン酸ナトリウム、加水分解ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムよりなる群から選ばれる1種または2種以上がより好ましい。
コラーゲンとしては、動物由来のコラーゲンであっても、合成コラーゲンであってもよく、コラーゲンタンパク質の他、コラーゲンタンパク質を加水分解して得られるコラーゲンペプチドや、コラーゲン分子をプロテアーゼで処理し、テロペプチド部分を取り除いたアテロコラーゲンが含まれる。動物由来のコラーゲンとしては、特に魚類由来のコラーゲンが好ましい。また、本発明のコラーゲンの平均分子量(重量平均分子量)としては、特に制限されるものではないが、例えば、500〜100000であることが好ましく、1000〜50000であることがさらに好ましく、2000〜15000であることが特に好ましく、3000〜10000が最も好ましい。
有機酸としては、乳酸またはその塩、クエン酸またはその塩、コハク酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、エラグ酸またはその塩、没食子酸またはその塩等を使用することができる。有機酸の中でも、乳酸またはその塩、クエン酸またはその塩、コハク酸またはその塩、及びリンゴ酸またはその塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、乳酸またはその塩、クエン酸またはその塩、及びコハク酸またはその塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上がより好ましい。
アミノ酸としては、アミノ酸またはその塩であれば良く、アミノ酸はアセチル化等の化学修飾がされていても良い。バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン、テアニン、シトルリン、グリシルグリシン等を例示でき、これらの塩またはアセチル化物を用いることができる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、亜鉛塩、塩酸塩等が挙げられる。
植物油としては、オリーブ油、ヤシ油、米胚芽油、米ヌカ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油、アボガド油、サフラワー油、サンフラワー油、ホホバ油、麻実油、亜麻仁油、えごま油、くるみ油、けし油、しなぎり油、大豆油、タバコ種子油、日本きり油、ヒマワリ種子油、ぶどう種子油、あんず核油、かぼちゃ種子油、ごま油、西洋すもも油、コーン油、菜種油、綿実油、レモン油、茶実油、ツバキ油、落花生油、シア脂、カカオ脂、パーム核油、モクロウ、ヤシ油などの植物油が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。これらの中でも、乾燥感のなさの観点からオリーブ油、マカデミアンナッツ油、アボガド油、コーン油、ツバキ油、シア脂、及びカカオ脂よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、オリーブ油、マカデミアンナッツ油、アボガド油、及びシア脂よりなる群から選ばれる1種または2種以上がより好ましく、オリーブ油、アボガド油、及びシア脂よりなる群から選ばれる1種または2種以上がさらに好ましい。
ビタミン類とは、ビタミンまたはその誘導体またはその塩を意味するものである(以下、ビタミン類と称するものは、ビタミンまたはその誘導体またはその塩を含む概念を意味する)。ビタミン類としては、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類等が挙げられる。
具体的には、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのビタミンA類;チアミンなどのビタミンB1類;リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチドなどのビタミンB2類;ニコチン酸及びそれらの誘導体などのビタミンB3類;パントテニルアルコール、パントテン酸、パンテチンなどのパントテン酸及びそれらの誘導体等のビタミンB5類;ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンなどのビタミンB6類;ビオチンなどのビオチン類及びそれらの誘導体などのビタミンB7類;プテロイルグルタミン酸などの葉酸及びそれらの誘導体などのビタミンB9類;シアノコバラミン、メチルコバラミンなどのビタミンB12類及びそれらの誘導体;アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸硫酸2Na、ステアリン酸アスコルビル、テトラヘキシデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルリン酸NaなどのビタミンC類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロタキステロールなどのビタミンD類;トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、トコトリエノールなどのビタミンE類等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いることができる。このうちビタミンA類、ビタミンB3類、ビタミンB5類、ビタミンC類及びビタミンE類よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
リン脂質とは、特に記載した場合を除き、グリセリン又はスフィンゴシンを中心骨格として脂肪酸とリン酸が結合し、さらにリン酸にアルコールがエステル結合した構造をもつものをいう。リン脂質を構成する脂肪酸としては、炭素数7〜22の飽和及び不飽和カルボン酸が挙げられる。リン脂質を構成するアルコールとしては、窒素が含まれることが多く、このような例としては、コリン、エタノールアミン、イノシトール、セリン等がある。本発明には、天然の大豆や卵黄から抽出した大豆レシチン、卵黄レシチン及び/又はこれらを水素添加した水素添加レシチン(水添レシチン)、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチンや合成リン脂質など、一般にリン脂質として知られるものが使用できる。より詳細には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、及びホスファチジルイノシトール等を好ましく用いることができる。これらの中から、1種又は2種以上を用いることができる。具体的には、水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、水素添加ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルセリン等が挙げられ、リン脂質より脂肪酸基が一つ外れたリゾリン脂質でも良く、これを水素添加した水素添加リゾリン脂質であってもよい。市販品の水素添加リン脂質の例としてはレシノール S−10、レシノール S−10EZ、レシノール S−10M、レシノール S−10EX、レシノール S−PIE(以上、日光ケミカルズ社製)、COATSOME NC−21(NOF社製)、Phospholipon100H、Phospholipon90H、Phospholipon80H、Phospholipon90G(以上、Phospholipid社製)等がある。水素添加リゾリン脂質の例としては、LP70H(日本精化社製)、SLP−ホワイトリゾH、SLP−LPC 70H(以上、辻製油社製)等がある。
本発明においては、成分(A)と組み合わせた際の乾燥感のなさの観点から、多価アルコール、ムコ多糖類、コラーゲン、有機酸、アミノ酸、植物油、ビタミン類、及びリン脂質よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、多価アルコール、ムコ多糖類、コラーゲン、植物油、及びリン脂質よりなる群から選ばれる1種または2種以上がより好ましい。さらに、本発明においては、乾燥感のなさをより向上ために、保湿剤を2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、下限値は0.001%以上が好ましく、0.01%以上がより好ましく、0.1%以上がさらに好ましい。また、上限値は、30%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。この範囲であると、粉末化粧料として保湿剤の均一分散により優れ、化粧料としての保湿効果がさらに高まるため、乾燥感のなさが相乗的に向上する。
本発明においては、前記成分(A)と成分(B)を適宜含有することで得られるものではあるものの、含有する質量割合を特定することにより、より高い効果が期待できるため好ましい。成分(A)と成分(B)の含有質量割合は、特に限定されるものではないが、化粧持続性を付与する効果と成分(B)による保湿感を付与することによって乾燥感を防ぐ効果を相乗的に向上させる点から、成分(A)と成分(B)の含有質量割合(A)/(B)の下限値は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上がさらに好ましい。また、上限値は、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、15以下がさらに好ましく、10以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、化粧持続性、乾燥感のなさにより優れるため、より好ましい。
本発明の粉末化粧料は、さらにシリカを含有することができる。本発明に用いられる成分(C)シリカとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば球状・不定形などの形状によらず、また細孔の有無、表面処理の有無等に関わらずいずれも使用することができる。例えば無水シリカ、含水シリカ、シリル化シリカ、ジメチルシリル化シリカなどが挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。市販品としては、サイリシア770(平均粒子径6.9μm、不定形、多孔質)、550(平均粒子径3.9μm、不定形、多孔質)、320(平均粒子径3.2μm、不定形、多孔質)(以上、富士シリシア化学社製)、AEROSIL 200(平均粒子径12nm、不定形煙霧状、無孔質)、300(平均粒子径7nm、不定形煙霧状、無孔質)、380S(平均粒子径6nm、不定形煙霧状、無孔質)、R972(平均粒子径16nm、不定形煙霧状、無孔質)、R974(平均粒子径12nm、不定形煙霧状、無孔質)、R976S(平均粒子径7nm、不定形煙霧状、無孔質)、RX300(平均粒子径7nm、不定形煙霧状、無孔質)(以上、日本アエロジル社製)、サンスフェアNP−30(平均粒子径4μm、球状、無孔質)、NP−100(平均粒子径10μm、球状、無孔質)、NP−200(平均粒子径20μm、球状、無孔質)(以上、AGCエスアイテック社製)、ゴッドボール D11−796C(平均粒子径3.5μm、球状、多孔質)、E2−824C(平均粒子径1μm、球状、多孔質)(以上、鈴木油脂工業社製)等が挙げられる。
本発明における成分(C)の形状は、特に限定されないが、使用時のなめらかな伸び広がりの観点から、球状が好ましい。また、成分(C)の平均粒子径は、特に限定されないが、下限値は、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。また、上限値としては、50μm以下が好ましく、25μm以下が好ましく、15μm以下がさらに好ましい。
また成分(C)の化粧料中の含有量は特に限定されないが、下限値は、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましく、0.1%以上がさらに好ましい。また、上限値としては、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下がさらに好ましい。この範囲であると、塗布時のなめらかな伸び広がりを向上させ、成分(A)を均一に伸び広げることができるため、化粧持続効果が相乗的に向上することができ好ましい。
本発明の粉末化粧料は、さらに成分(D)窒化硼素を含有することができる。本発明に用いられる窒化硼素は、通常の化粧料に用いられる窒化硼素であれば結晶構造に制限はなく、六方晶形、立方晶形等いずれの結晶構造のものも使用できる。またその平均粒子径も特に限定されないが、下限値としては、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。また、上限値としては、20μm以下好ましく、10μm以下がより好ましい。この範囲であると成分(A)が窒化硼素の滑沢性により、均一に伸び広げることが可能になり、化粧持続性が向上する。
本発明における成分(D)の含有量は、特に限定されないが、下限値は0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。また、上限値は、30%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。この範囲であると、窒化硼素の滑沢性により化粧膜の均一性がさらに高まるため、化粧持続性が相乗的に向上する。
本発明の粉末化粧料は、さらに成分(E)25℃で固形又はペースト状の油剤を含有することができる。以下、固形の油剤とペースト状の油剤に分けて詳述する。
(固形油剤)
本発明における成分(E)の固形の油剤は、25℃で固形の油剤であれば、いずれのものも使用できる。本発明における25℃で固形の油剤としては、特に限定されず、炭化水素油、エステル油、シリコーン油等を用いることができる。具体的には、ワックスやロウ、脂肪酸、油脂、高級アルコール等が挙げられる。例えば、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モクロウ、モンタンワックス、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、トリベヘン酸グリセリル、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、ロジン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリルジメチコン等が挙げられ、これらを1種または2種以上を用いることができる。
これらの中でも、ワックス、ロウ、及び油脂よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、さらに、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、トリベヘン酸グリセリル、ステアリルジメチコンよりなる群から選ばれる1種または2種以上がより好ましく、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、トリベヘン酸グリセリル、ステアリルジメチコンよりなる群から選ばれる1種または2種以上がさらに好ましい。
(ペースト状油剤)
本発明で用いられる成分(E)の25℃でペースト状の油剤は、25℃を超える温度に融点を持ち、かつ25℃以下で完全に固化しない点で、液状油あるいは固体油と区別される油剤である。ここで本発明における融点とは、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm)とすることができる。例えば、ラノリン、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪酸、ダイマー酸のジエステル、ワセリン、シア脂、分岐脂肪酸(C12−31)コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等)、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、乳酸ミリスチルなどが挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ペースト状の油剤の中でも、特にワセリン、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、及びダイマー酸のジエステルよりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、ワセリン、及びダイマー酸のジエステルよりなる群から選ばれる1種または2種以上がより好ましい。ジペンタエリトリット脂肪酸エステルとしては、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルが好ましい。ダイマー酸のジエステルの、エステルを構成するアルコールとしては、特に限定されないが、炭素数7〜22の飽和および不飽和のアルコールやステロール等が好ましい。例えば、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル・フィトステリル)が、塗布時の伸び広がりが滑らかになり、化粧膜が均一になるという点で好ましい。
本発明における成分(E)の含有量は、特に限定されないが、粉末化粧料の全量に対して下限値は0.01%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。また、上限値は、3%以下が好ましく、2.5%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましい。この範囲であれば、乾燥感のなさがより優れるためより好ましい。
本発明の粉末化粧料における粉体の含有量は、特に限定されないが、下限値は、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましい。また、上限値は、95%以下が好ましく、90%以下が好ましく、85%以下がさらに好ましい。この範囲であれば、粉末化粧料を形成し、なめらかな伸び広がり、化粧持続性により優れるためより好ましい。
本発明の粉末化粧料における油剤の含有量は、特に限定されないが、下限値は、1%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。また、上限値は、60%以下が好ましく、50%以下が好ましく、40%以下がさらに好ましく、30%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、なめらかな伸び広がり、乾燥感のなさにより優れるためより好ましい。
また、本発明の粉末化粧料には、上記成分の他に必要に応じて、通常の化粧料に含有可能な成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
具体的には例えば、成分(A)、(C)及び(D)以外の粉体、成分(E)以外の油剤、界面活性剤、成分(B)以外のアルコール類、水、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、美容成分(美白剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)を含有することができる。
本発明の粉末化粧料の性状としては、化粧料に用いる成分を混合し成形等を経ず得られる粉末状、化粧料に用いる成分を混合し、圧縮等を経て成型して得られる固形粉末状を挙げることができる。
本発明の粉末化粧料の製造方法は特に限定されず、粉末状、固形粉末状等の性状に合わせて製造することができる。例えば、上記フッ素変性シリコーン樹脂により表面処理された無機粉体、必要に応じて含有されるその他の粉体を混合分散し、これに、保湿剤や、必要に応じて油剤等を添加して均一分散して化粧料組成物としたものを、そのまま容器に充填して、粉末状化粧料とすることができる。粉末固形状とする場合には、前記化粧料組成物を金属製や樹脂製の皿状容器に充填成型する方法(乾式圧縮成型)や、予め溶剤に分散してから充填し、乾燥成型する方法(湿式成型)等が挙げられる。
また、本発明の粉末化粧料としては、ファンデーション、コンシーラー、白粉、アイシャドウ、アイブロウ、頬紅等のメイクアップ化粧料、ボディパウダー、リンクルパウダー等のボディー用化粧料、毛髪着色料等の頭髪化粧料等を挙げることができる。
次に実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(表面処理粉体の製造例)
表面処理剤としてフッ素変性シリコーン樹脂(トリフルオロプロピルジメチル/トリメチルシロキシケイ酸)を用いて、以下の方法で表面処理粉体を調製した。
[製造実施例1]酸化チタンの例
酸化チタン(TIPAQUE CR−50:石原産業株式会社製)又は微粒子酸化チタン(MT−500SA:テイカ株式会社製)49.0gに、表面処理剤であるフッ素変性シリコーン樹脂1.0gをIPA70gに溶解させた溶液を添加混合し、これを減圧乾燥し、パルベライザーで粉砕して2.0%処理酸化チタンを得た。
[製造実施例2]酸化亜鉛の例
上記と同様、酸化亜鉛(XZ−300F:堺化学工業株式会社製)又は微粒子酸化亜鉛(MZ−500:テイカ株式会社製)49.0gに、表面処理剤であるフッ素変性シリコーン樹脂2.5gをIPA70gに溶解させた溶液を添加混合し、これを減圧乾燥し、パルベライザーで粉砕して2.0%処理酸化亜鉛を得た。
[製造実施例3]タルクの例
上記と同様、タルク(タルクJA−46R:浅田製粉株式会社製)49.5gに、表面処理剤であるフッ素変性シリコーン樹脂0.5gをIPA70gに溶解させた混合液を添加混合し、これを減圧乾燥し、パルベライザーで粉砕して1.0%処理粉体を得た。
[製造実施例4]セリサイトの例
セリサイト(セリサイトJS−1:三信鉱工業株式会社製)49.0gに、表面処理剤であるフッ素変性シリコーン樹脂1.0gを水70gに溶解させた溶液を添加混合し、これを風乾し、パルベライザーで粉砕して2.0%処理粉体を得た。
[製造実施例5]酸化鉄の例
上記と同様、赤色酸化鉄(タロックスR−516P:チタン工業株式会社製)又は黄色酸化鉄(TAROX IRON OXIDE YP1200P:チタン工業株式会社製)又は黒色酸化鉄(タロックスブラックBL−100P:チタン工業株式会社製)47.5gに、表面処理剤であるフッ素変性シリコーン樹脂2.5gをIPA70gに溶解させた溶液を添加混合し、これを減圧乾燥し、パルベライザーで粉砕して5.0%処理酸化鉄(赤色、黄色、黒色)を得た。
[製造実施例6]雲母チタンの例
母体の粉体を酸化チタンから雲母チタンに変えた以外、製造実施例1と同じ方法で製造した。
[製造実施例7]酸化チタンの例
フッ素変性シリコーン樹脂を下記式の化合物に置き換えた以外、製造実施例1と同じ方法で製造した。
(CCHCH(CHSiO1/20.23((CHSiO1/20.54(SiO4/21.00(HOSiO3/20.22
(フッ素変性シリコーン樹脂の比較)
上記製造実施例1と製造実施例7の粉体について、比較を行った。比較は、粉体を肌に塗布した際の、なめらかな伸び広がりについて、以下に示す方法により評価し、その結果を表1に示す。
Figure 2021155382
(化粧料の実施例)
上記の方法で調製した表面処理粉体を、以下の処方において使用した。
<実施例1(本発明品1〜16)及び比較例1(比較品1〜3):パウダーファンデーション>
表2及び表3の組成及び製造方法により実施例1〜16及び比較例1〜3のパウダーファンデーションを調製した。得られた各パウダーファンデーションについて、以下に示す方法により、化粧持続性、乾燥感のなさ、塗布時のなめらかな伸び広がりについて評価した。この結果も併せて表1及び表2に示す。
Figure 2021155382
*1:ベンガラ1質量%、黄色酸化鉄1.5質量%、黒色酸化鉄0.5質量%を混合したもの
Figure 2021155382
[製造方法]
A:成分1〜13を混合分散した。
B:成分14〜19を必要に応じて60℃に加温して均一に混合した。
C:AにBを加え、室温で均一に混合した。
D:Cをパルベライザーにて粉砕し、金皿容器に圧縮成型をしてパウダーファンデーションを得た。
[評価方法:化粧持続性・乾燥感のなさ・滑らかな伸び広がり]
前記実施例1(本発明品1〜16)及び比較例1(比較品1〜3)のサンプルに対して、10年間以上、一定の評価ができるよう訓練された化粧品評価専門パネル20名に、「化粧持続性」、「乾燥感のなさ」、「滑らかな伸び広がり」の其々の項目について、各自が以下の評価基準に従って7段階評価し、更に全パネルの評点の平均点を用いて、以下の判定基準に従って判定した。なお、化粧持続性については、各試料を顔に塗布し、通常の生活をしてもらい、6時間後の化粧効果について塗布直後との比較で評価し、乾燥感のなさは、化粧料を塗布した状態で乾燥感やつっぱり感のなさを評価し、滑らかな伸び広がりは化粧料を塗布する際の伸び広がりを評価した。
(評価基準)
(評価結果) :(評点)
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
(判定基準)
(評点の平均点) :(判定)
4.5以上 : A
3.0以上4.5未満 : B
1.5以上3.0未満 : C
1.5未満 : D
[結果]
実施例のパウダーファンデーションは、塗布時の感触が滑らかであり、乾燥感を感じず、化粧持続効果に優れたパウダーファンデーションであった。これは、分子内にシラノール基を有するフッ素変性シリコーン樹脂を粉体に表面処理することで、フッ素変性シリコーン樹脂の肌との親和性の高さと撥水性と撥油性並びに、保湿剤の均一分散に起因すると予測される。一方、比較例では、化粧持続効果及び乾燥感のなさが劣る結果となっている。
<実施例2:粉末状白粉>
(成分) (%)
1.製造実施例4のセリサイト 20.0
2.タルク 残量
3.酸化チタン(平均粒子径:0.145μm)
ナイロン複合粉体 *2 15.0
4.ポリメチルシルセスキオキサン *3 5.0
5.酸化鉄被覆酸化チタン(平均粒子径:0.4μm) 15.0
6.ヒアルロン酸Na 0.5
7.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
8.クロルフェネシン 0.02
9.香料 0.03
*2:MTXO−70NL(ハヤテマテリアル社製)
*3:TOSPEARL 2000B*(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製)
[製造方法]
(1)成分1〜5を均一に混合する。
(2)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、成分6〜9を添加し、均一に混合する。
(3)(2)をパルベライザーで粉砕し、白粉を得た。
[結果]
実施例の粉末状白粉は、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた粉末状白粉であった。
<実施例3:固形粉末状ファンデーション>
(成分) (%)
1.マイカ 20.0
2.酸化鉄被覆酸化チタン(平均粒子径:0.4μm) 15.0
3.製造実施例1の酸化チタン 15.0
4.セリサイト 残量
5.製造実施例5の黄色酸化鉄 2.0
6.製造実施例5の赤色酸化鉄 0.5
7.製造実施例5の黒色酸化鉄 0.2
8.合成金雲母 5.0
9.酸化チタン(平均粒子径:0.145μm)
ナイロン複合粉体 *2 1.0
10.メチルパラベン 0.1
11.窒化硼素 *4 5.0
12.ポリエチレンパウダー*5 5.0
13.PET樹脂末(板状、平均粒子径:7μm) 3.0
14.ポリメタクリル酸メチルパウダー *6 5.0
15.流動パラフィン 3.0
16.ジメチルポリシロキサン(10CS:25℃) 3.0
17.2−エチルヘキサン酸セチル 3.0
18.(PEG−240/デシルテトラデセス−20
/HDI)コポリマー *7 0.1
19.トリプロピレングリコール 0.5
20.香料 0.02
*4:BORON NITRADE POWDER CCS−102(モメンティブ社製)
*5:ミペロンPM−200(三井化学社製)
*6:ケミスノーMR−5C(綜研化学社製)
*7:アデカノールGT−700(ADEKA社製)
[製造方法]
(1)成分1〜14をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一に分散する。
(2)成分15〜20を均一に混合溶解する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)を添加し、均一分散する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕する。
(5)(4)を金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状のファンデーションを得た。
[結果]
実施例の固形粉末状ファンデーションは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた固形粉末状ファンデーションであった。
<実施例4:固形粉末状アイシャドウ>
(成分) (%)
1.合成金雲母 10.0
2.製造実施例3のタルク 残量
3.ステアロイルグルタミン酸2Na処理
二酸化チタン *8 15.0
4.窒化硼素 *4 5.0
5.疎水化シリカ(平均粒子径12μm) 5.0
6.群青 2.0
7.赤色202号 0.5
8.オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー *9 1.0
9.クロルフェネシン 0.1
10.オキシ塩化ビスマス *10 5.0
11.硫酸バリウム(板状、平均粒子径:15μm) 3.0
12.流動パラフィン 3.0
13.ジメチルポリシロキサン(6CS:25℃) 7.0
14.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル *11 1.0
15.オリーブ油 0.5
16.香料 0.01
*8:NAI−チタンMP−1133(三好化成社製)
*9:KSP−300(信越化学工業社製)
*10:PEARL−GLO UVR(ENGELHARD社製)
*11:コスモール168ARV(日清オイリオグループ社製)
[製造方法]
(1)成分1〜11をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一に分散する。
(2)成分12〜16を均一に混合する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)を添加し、均一分散する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕する。
(5)(4)を金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状のアイシャドウを得た。
[結果]
実施例の固形粉末状アイシャドウは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた固形粉末状アイシャドウであった。
<実施例5:固形粉末状フェイスカラー>
(成分) (%)
1.製造実施例4のセリサイト 20.0
2.タルク 残量
3.酸化チタン被覆雲母
(干渉色:シルバー、平均粒子径:14.5μm) 10.0
4.群青 0.5
5.赤色226号 0.2
6.ウレタンパウダー *12 1.0
7.エチルヘキシルグリセリン 0.04
8.水素添加レシチン 2.0
9.メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
10.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル) *13 1.0
11.香料 0.05
*12:プラスチックパウダーCS−400(根上工業社製)
*13:PLANDOOL−S(日本精化社製)
[製造方法]
(1)成分1〜7をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一に分散する。
(2)成分8〜10を均一に混合する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)及び11を添加し、均一分散する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕する。
(5)(4)を金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状のフェイスカラーを得た。
[結果]
実施例の固形粉末状フェイスカラーは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた固形粉末状フェイスカラーであった。
<実施例6:粉末状白粉>
(成分) (%)
1.製造実施例4のセリサイト 20.0
2.タルク 残量
3.製造実施例6の雲母チタン 10.0
4.平均粒子径18μm中空シリカ*14 5.0
5.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー *15 5.0
6.赤色226号 0.5
7.流動パラフィン 0.5
8.メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 1.0
9.水溶性コラーゲン 0.5
10.エチルヘキシルグリセリン 0.05
11.香料 0.1
*14:SILICA MICRO BEAD BA−1(日揮触媒化成社製)
*15:KSP−102(信越化学工業社製)
[製造方法]
(1)成分1〜6をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一に分散する。
(2)成分7〜11を均一に混合する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)を添加し、均一に混合する。
(4)(3)をパルベライザーで粉砕し、白粉を得た。
[結果]
実施例の粉末状白粉は、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた粉末状白粉であった。
<実施例7:ファンデーション>
(成分) (%)
1.酸化チタン(板状、平均粒子径:0.27μm)10.0
2.表面処理マイカ *16 残量
3.製造実施例3のタルク 10.0
4.硫酸バリウム(板状、平均粒子径:15μm) 2.0
5.ウレタンパウダー *17 2.0
6.球状ポリスチレン *18 1.0
7.ベンガラ 0.5
8.黄色酸化鉄 2.2
9.黒色酸化鉄 0.2
10.複合化マイカ *19 10.0
11.2−エチルヘキサン酸セチル 8.0
12.セスキステアリン酸ソルビタン *20 1.0
13.流動パラフィン 3.0
14.加水分解ヒアルロン酸 0.5
*16:SE−MA−23(三好化成社製)
*17:プラスチックパウダーD−400(根上工業社製)
*18:ガンツパールGS−0605(アイカ工業社製)
*19:MiyoSTAY Z20(三好化成社製)
*20:NIKKOL SS−15V(日本サーファクタント工業社製)
(製造方法)
(1)成分11〜14を70℃に加温し、混合溶解する。
(2)成分1〜10を均一に攪拌混合する。
(3)(2)に(1)を加え均一に攪拌混合する。
(4)(3)に溶媒として(3)100質量部に対して5%エタノール水溶液を100質量部加え、均一に攪拌混合してスラリー状とする。
(5)(4)を皿状容器に充填し、化粧料と圧縮用ヘッドの間に溶媒吸取り用の紙を挟み、添加した溶媒を吸取りながら圧縮成型する。
(6)(5)を室温にて10時間乾燥し、ファンデーションを得た。
[結果]
実施例のファンデーションは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れたファンデーションであった。
<実施例8:アイシャドウ>
(成分) (%)
1.合成金雲母 10.0
2.表面処理タルク *21 残量
3.合成金雲母鉄 30.0
4.窒化硼素 *22 5.0
5.平均粒子径12μmジメチルポリシロキサン
(100CS:25℃)処理シリカ 5.0
6.製造実施例5の赤色酸化鉄 1.0
7.赤色202号 1.5
8.オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー *23 1.0
9.エチルヘキシルグリセリン 0.1
10.オキシ塩化ビスマス *10 5.0
11.硫酸バリウム(板状、平均粒子径:15μm) 3.0
12.流動パラフィン 5.0
13.ジメチルポリシロキサン(6CS:25℃) 5.0
14.植物油 *24 0.5
15.香料 0.02
*21:SE−TA−13(三好化成社製)
*22:SHP−3(水島合金鉄社製)
*23:KSP−100(信越化学工業社製)
*24:オーガニック精製シアバター(香栄興業社製)
(製造方法)
(1)成分1〜11を均一に攪拌混合する。
(2)成分12〜15を均一に混合する。
(2)(1)に(2)を加え均一に攪拌混合する。
(3)(2)に溶媒として(2)100質量部に対して軽質流動イソパラフィン30質量部を加え、均一に攪拌混合してスラリー状とする。
(5)(4)を皿状容器に充填し、化粧料と圧縮用ヘッドの間に溶媒吸取り用の紙を挟み、添加した溶媒を吸取りながら圧縮成型する。
(6)(5)を室温にて10時間乾燥し、アイシャドウを得た。
[結果]
実施例のアイシャドウは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れたアイシャドウであった。
<実施例9:固形ファンデーション>
(成分) (%)
1.表面処理タルク*21 15.0
2.表面処理マイカ*16 10.0
3.製造実施例1の酸化チタン 15.0
4.製造実施例5の赤色酸化鉄 1.0
5.製造実施例5の黄色酸化鉄 3.0
6.製造実施例5の黒色酸化鉄 0.2
7.酸化チタン被覆ガラス末*25 3.0
8.ラウロイルリシン*26 3.0
9.キャンデリラワックス*27 0.5
10.マイクロクリスタリンワックス 0.5
11.トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 残量
12.ジメチルポリシロキサン(6CS:25℃) 3.0
13.流動パラフィン 2.0
14.メチルフェニルポリシロキサン*28 1.0
15.セルロースナノファイバー2%水溶液*29 0.5
16.トコフェロール 0.5
17.クロルフェネシン 0.04
18.香料 0.06
*25:マイクログラス メタシャイン MBE025RB(日本板硝子社製)
*26:アミホープLL(味の素社製)
*27:キャンデリラワックス SR−3(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*28:SH556 FLUID(東レ・ダウコーニング社製)
*29:レオクリスタC−2SP(第一工業製薬社製)
[製造方法]
(1)成分1〜8をスーパーミキサーで均一混合する。
(2)成分9〜18を75℃に加熱し、均一混合する。
(3)(1)(2)を添加混合する。
(4)(3)100部に対して、揮発性油剤(形質流動イソパラフィン)50部を添加し、均一混合し、スラリー状とする。
(5)(4)を酸化アルミニウム製金皿に充填し、表面に吸い取り紙を置き加圧して溶剤の一部を除去する。
(6)(5)を70℃の恒温槽に10時間放置し、溶剤を完全に除去して、固形ファンデーションを得た。
[結果]
実施例の油性固形ファンデーションは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた固形ファンデーションであった。
<実施例10:固形ファンデーション>
(成分) (%)
1.マイカ 20.0
2.酸化鉄被覆酸化チタン(平均粒子径:0.4μm) 15.0
3.製造実施例1の酸化チタン 15.0
4.セリサイト 残量
5.製造実施例5の黄色酸化鉄 2.0
6.製造実施例5の赤色酸化鉄 0.5
7.製造実施例5の黒色酸化鉄 0.2
8.複合化マイカ *19 5.0
9.酸化チタン(平均粒子径:0.145μm)
ナイロン複合粉体 *2 1.0
10.メチルパラベン 0.03
11.窒化硼素 *4 5.0
12.平均粒子径18μm中空シリカ *14 5.0
13.結晶セルロース *30 3.0
14.シリカ(平均粒子径:10μm) 5.0
15.流動パラフィン 3.0
16.ジメチルポリシロキサン(10CS:25℃) 3.0
17.2−エチルヘキサン酸セチル 3.0
18.(PEG−240/デシルテトラデセス−20
/HDI)コポリマー *7 0.1
19.トリプロピレングリコール 0.5
20.香料 0.05
*30:セオラスPH101(旭化成社製)
[製造方法]
(1)成分1〜14をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一に分散する。
(2)成分15〜20を均一に混合溶解する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)を添加し、均一分散する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕する。
(5)(4)を金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状のファンデーションを得た。
[結果]
実施例の固形粉末状ファンデーションは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた固形粉末状ファンデーションであった。
<実施例11:アイブロウ>
(成分) (%)
1.ジメチコン2%処理セリサイト 10.0
2.タルク 残量
3.ラウロイルリシン 15.0
4.シリカ(平均粒子径4μm、球状、無孔質) 5.0
5.製造実施例5の黄色酸化鉄 1.5
6.製造実施例5の赤色酸化鉄 0.6
7.製造実施例5の黒色酸化鉄 0.3
8.1,2−ペンタンジオール 0.1
9.セリン 0.005
10.グルコース 0.002
11.褐藻エキス 0.001
12.乳酸Na 0.003
13.ヘパリン類似物質 0.02
14.香料 0.03
15.エチルヘキサン酸セチル 3
16.流動パラフィン 3
17.水添ポリイソブテン 1
[製造方法]
(1)成分1〜7をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一に分散する。
(2)成分8〜17を均一に混合溶解する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)を添加し、均一分散する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕する。
(5)(4)を塗布体付き容器に充填し、アイブロウを得た。
[結果]
実施例のアイブロウは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた固形粉末状ファンデーションであった。
<実施例12:ボディパウダー>
(成分) (%)
1.ジメチコン2%処理セリサイト 10.0
2.タルク 残量
3.製造実施例6の雲母チタン 20
4.シリカ(平均粒子径1μm、球状、多孔質) 5
5.扁平セルロース 3
6.窒化硼素(平均粒子径6μm) 4
7.ベンガラ被覆ガラス末 10
8.パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン
2%処理雲母チタン 3
9.ミツロウ 2
10.ステアリルジメチコン 1
11.ワセリン 2
12.イソノナン酸イソトリデシル 3
13.トリメリト酸トリトリデシル 2
14.アスコルビン酸グルコシド 0.02
15.1,3−ブチレングリコール 0.2
16.ジプロピレングリコール 0.3
17.加水分解コラーゲン 0.002
18.加水分解ヒアルロン酸 0.002
19.オリーブ油 0.02
20.異性化糖 0.01
21.トリプロピレングリコール 0.1
[製造方法]
(1)成分1〜8をスーパーミキサーで均一混合する。
(2)成分9〜21を70℃に加熱し、均一混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、室温で均一に混合する。
(4)(3)をパルベライザーで粉砕し、樹脂皿に充填して圧縮成型をし、ボディパウダーを得た。
[結果]
実施例のボディパウダーは、塗布時のなめらかな広がり、乾燥感のなさ、化粧持続性に優れた固形粉末状ファンデーションであった。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)次の表面処理剤(a)により表面被覆された粉体
    (a)分子内にシラノール基を有するフッ素変性シリコーン樹脂であって、下記平均式(1)の構造を有する化合物
    SiO(4―n)/2 ・・・平均式(1)
    (但し、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、もしくは一般式−R−Rであって、一般式−R−Rを必須とする官能基から任意に選ばれ、Rは炭素数2〜6の二価のアルキレン基、Rは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であり、nは平均数で0<n≦1.8である。)
    (B)保湿剤
    を含有する粉末化粧料。
  2. 前記成分(B)が多価アルコール、糖アルコール、単糖、ムコ多糖類、コラーゲン、有機酸、及びアミノ酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の粉末化粧料。
  3. さらに、成分(C)シリカを含有する請求項1または2に記載の粉末化粧料。
  4. さらに、成分(D)窒化硼素を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
  5. 前記成分(A)および(B)の含有質量割合(A)/(B)が2〜50である請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
  6. さらに成分(E)25℃で固形又はペースト状の油剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末化粧料。

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