JP2021155105A - 盛り塩とそれを充填した容器の構成体 - Google Patents
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Abstract
Description
一般家庭や事務所の玄関先や店先、神棚、あるいは神社等に置かれるものである。
一般に盛り塩は、塩を皿に盛ってから人の手で形を整えるか、
特許文献1に開示されているような成形器に塩を入れ、ヘラで押し固めながら成形される。
また手が汚れてしまうこともあって、だんだんと盛り塩を交換することが面倒になってしまうという問題があった。
なお、成形器を用いることによって、見栄え良く一定形状に成形することは可能となるが、
盛り塩を交換するたびに作業を行う面倒さが伴うことは変わらず、
作業時に手に塩が付着したり、周りに塩が散乱したりすることもある。
また、成形器で成形した盛り塩を皿に載せるとき、盛り塩がうまく押し固められていないと崩れてしまうこともある。
加えて、盛り塩に使う袋入りの塩は、一度開封してしまうと湿気で固まりやすく、管理が面倒であるという問題もある。
充填空間16を有し該充填空間16の底面14が開口部12となった容器本体11と、
前記開口部12を塞ぐように前記容器本体11に取り付けられる容器蓋15とからなる容器10に、充填される盛り塩とを組み合わせた構成体であって、
前記容器本体11の外周面には、前記盛り塩20を容器本体11から取り出すときに把持するための把持部10aが形成されており、
前記容器本体11に充填された盛り塩20は、
水分の含有量が2.4%〜24%であることを特徴とする。
(2)本発明の盛り塩とそれを充填した容器の構成体は、上記(1)において、
前記把持部10aが、容器本体11の周囲に周状に形成されたものであることを特徴とする。
(3)本発明の盛り塩とそれを充填した容器の構成体は、上記(1)において、
把持部10aを容器本体11の先端部に取り付けたものであることを特徴とする。
(4)本発明の盛り塩とそれを充填した容器の構成体は、上記(1)において、
前記把持部10aが、前記容器本体11の外面に部分的に突起状に形成されているものであることを特徴とする。
容器蓋を剥離して容器本体から盛り塩を容易に取り出すことができるので、
見栄え良く所定形状に成形された盛り塩を迅速に成形することができる。
また、盛り塩を一回分ずつ個包装にすることにより、盛り塩を交換するたびに成形作業を行う必要がなく、作業時に手に塩が付着したり、周りに塩が散乱したりすることもない。
さらに、大袋に入った塩を小分けにして使用するわけではないため、開封後に湿気を気にする必要もなくなる。
図1は、本発明の実施形態に係る盛り塩20を充填した容器10の概要図であり、
(a)は上面図であり、(b)は一部断面側面図であり、(c)は把持部10aの一部拡大図である。
図2(a)は、容器本体11の外面の把持部10aを把持して、容器本体11を持ち上げている状態を示す説明図であり、(b)は容器本体11が透明の場合である。
図3は、容器本体11を持ち上げて取り出した盛り塩20を載置体(皿)30の上に載置した状態を示す説明図である。
本発明の容器本体11は、その内部に充填する盛り塩の型枠として適切な形状であればよく、特にその形状を特定するものではないが、先端が尖っている錐形であることが好ましい。
図1では、八角錐の形状を有するものを示しているが、例えば、円錐、三角錐、四角錐、五角錐等でもよい。
また、容器本体11の底面14(尖った先端部と反対側)は、塩を充填したり取り出す開口部12を有している。
容器本体11の材質は、充填空間16への湿気の侵入を防ぐ性質を有することが好ましく、
このため、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂が挙げられる。
また、デザイン上、木材や陶器、金属、紙等の材料を用いることもできる。
なお、図2(b)に示すように、内部に充填された塩の状態が見えるように透明樹脂とすることも好ましい(図7(a)も参照)。
容器本体11の底の開口部12には、開口部を塞ぐように、容器蓋15が取り付けられている。
この容器蓋15を、例えば、接着剤や熱接着などで取り付けることによって、盛り塩は容器内に閉じ込められた状態になる。
なお、内部に充填された塩の状態が見えるように透明の樹脂とすることも好ましい(図7(b)参照)。
本実施形態の容器蓋15の材質としては、特に制限を設けるものではないが、容器本体11の充填空間16への湿気の侵入を防ぐ性質を有するものであることが好ましい。
その材質は、容器のシール性(容器の密封性)、ガスバリア性、機械特性、収縮特性、耐ピンホール性、加工特性などを考慮して、適宜選択される。
本実施形態では、ガスバリア性を有するナイロン樹脂フィルムと、PPとPEの共押出フィルムとの積層フィルムを用いている。
この積層フィルムは透明であることから内部の塩の状態が見える。
なお、この積層フィルムを容器本体11の底の開口部12に取り付ける場合は、ガスバリア性を有するナイロン樹脂フィルムを外側とし、PPとPEの共押出フィルムを内側(容器本体と接触する側)とすることが好ましい。
容器本体11の外周面には、盛り塩20を容器本体11から取り出すときに、容器本体11を持ち上げやすくするための(把持するための)把持部10aが容器本体11の周囲に周状に形成されている。
また、把持部10aは、容器本体11の先端部(開口部と反対側)に取り付けたもの(図5参照)、容器本体11の外面に部分的に突起状に形成されているもの(図6参照)であってもよい。
盛り塩20を容器本体11から取り出すときに容器本体11を持ち上げやすくするための把持部であればよく、その取付位置や形状は適宜決定される。
容器本体11の内面は粗面ではないことが好ましく、突起などの引っ掛かりがないことが必要である。
これにより、容器本体11から盛り塩20を取り出す際に、型崩れなくきれいな形で抜けるようにすることができる。
容器本体11の粗度としては、例えば、表面粗さでいうと、最大高さ(Rmax)が100μm以下であることが好ましい。
なお、盛り塩を取り出しやすくするため、容器本体11に、空気流入用の貫通孔が設けられていることも好ましい。
貫通孔には、その孔を塞ぐシールが貼られており、盛り塩を取り出すときに剥がすようにしてもよい。
貫通孔の位置は、上部でなくても、容器本体11のいずれの場所でもよい。
上述の本実施形態の構成体の製造について説明する。
まず、容器本体11の充填空間16に盛り塩20を充填する。
このとき、容器本体11の底の開口部12を上にして、盛り塩20を容器本体11の開口部12まで充填するとともに振動させて、充填空間16中に残留する空気を除去する。
この場合の取り付け方法としては、開口部12の縁に接合するように、接着剤や熱接着などの手段を用いることができる。
こうして、容器本体11の充填空間16に盛り塩となる錐形状の塩が充填された容器10との構成体が完成する。
なお、充填される塩の量は、容器10の大きさによって適宜調整される。
実施形態で用いた図1の八角錐の容器の大きさは、高さを5cm、開口部12の内寸を4cmとした。
なお、開口部の面積は,略20cm2 とした。
容器10から盛り塩20を取り出すときは、図2、図3に示すように、容器本体11の開口部12から容器蓋15を取り除き、容器本体11の開口部12に載置体30(例えば皿)をあてがい、容器本体11の把持部10aを把持して持ち上げることにより、盛り塩20を載置体30上に取り出す。
その結果、図3(b)に示すように、容器本体11の充填空間16に充填され八角錐状に整形された盛り塩20が、形状を崩すことなく載置体30上に形成できる。
なお、開口部12を平面とすることにより、容器本体11を取り外した際に盛り塩20が安定した状態で載置体30上に形成することができる。
また、盛り塩20を一回分ずつ個包装にした構成体を用いることによって、従来行っていたような、盛り塩を交換するたびに成形作業を行う必要もなく、作業時に手に塩が付着したり、周りに塩が散乱したりすることもない。
さらに、大袋に入った塩を小分けにして使用するわけではないため、開封後に湿気を気にする必要もなくなる。
次に、容器から取り出したときに、盛り塩が立設(形状維持)できるために必要な水分量を測定した。
以下に説明するように、結論としては、図4に示すように、塩に含まれる水分量は、2.4%〜24%とすることが好ましい。
2.4%未満の場合は、取り出す際にパサパサ状態であり、取り出した盛り塩の山が崩れた。
一方、24%を超える場合は、取り出す際の塩がベチョッ状態であり、取り出した盛り塩の山が次第に崩れた。
予め、異なる水分量を含有した水分含有塩を準備した。
塩を充填する容器本体として、円錐状のアルミ製の容器本体を用いた。
まず、容器本体を140℃に90分間加熱後、デシケータ中で冷却し、空の状態の質量を測定した(空容器の質量)。
そして、この容器本体に、含有水分量の異ならしめた塩(水分含有塩)を約10g充填した。
底面を上にして(逆さま)容器本体の先端部を机の上でたたいて充填した。
このときの、容器本体+水分含有塩の合計質量を測定した。
次に、この容器本体+水分含有塩を、140℃に昇温し90分間加熱保持した後取り出し、
デシケータ中で常温まで冷却した。
そして、容器本体+水分含有塩の合計質量を測定した。
図4には、「乾燥後の容器本体+水分含有塩の合計質量」と表示している。
水分量%=100−{(乾燥後の合計質量−容器本体質量)×100/(乾燥前の合計質量−容器本体質量)}
この結果を、図4の「水分量」の欄に示す。
容器本体として、底部の面積が20cm2 の円錐状のアルミ容器を用いた。
塩の充填の方法として、開口部から水分含有塩を充填した後に、その表面に、トータル荷重で4000gを掛け、開口部に蓋(樹脂フィルム)をした。
容器から盛り塩を取り出した後の形状維持について、次のようにして評価した。
すなわち、容器本体から錐状の盛り塩を取り出したときに、しっかりとした形状を保持できているか。
先の尖った錐形状になっているか。
などを評価した。
この結果、図4中、サンプルNo.1〜3は、水分量が平均で2.28%であり、水分含有量が少なすぎて、盛り塩が固化しておらずサラサラ状態のため、容器本体から取り出した後に次第に形状が崩れた。
よって、評価は△(劣る)とした。
サンプルNo.4〜6は、水分量が平均で9.50であり、水分含有量としては中間であり、盛り塩が固化しており、容器本体から取り出した後にも円錐形の形状をきれいに保っていた。
よって、評価は◎(良好)とした。
サンプルNo.7〜9は、水分量が平均で13.73であり、水分含有量としては中間であり、盛り塩が固化しており、容器本体から取り出した後にも円錐形の形状をきれいに保っていた。
よって、評価は○(良好)とした。
サンプルNo.10〜12は、水分量が平均で24.78であり、水分含有量が多く、容器本体から取り出した後、次第に盛り塩の形状が崩れ円錐形の形状が維持できなかった。
よって、評価は×(不良)とした。
盛り塩は、適正な水分量を含有していないと、容器本体から取り出す際に形状を維持できない。
また、容器本体から取り出したあとに、形状を維持できない。
従って、実験結果から、盛り塩として適正な水分量としては、容器本体から取り出す際に固形状であり、取り出した後でも形状が崩れることがない範囲である、2.4%〜24%とすることが好ましい。
次に、本発明の変形例を説明する。
<先端部に把持部10a>
図5は、本発明の変形例1を示す断面説明図である。
図に示すように、把持部10aが、容器本体11の先端部(開口部と反対側)に形成されている点において異なるが、他の部分は実施形態1と同様である。
変形例1の容器本体は、先端部の把持部10aを指で摘みやすく持ち上げ易い。
なお、盛り塩を取り出しやすくするため、容器本体11に、空気流入用の貫通孔が設けられていることも好ましい。
貫通孔には、その孔を塞ぐシールが貼られており、盛り塩を取り出すときに剥がすようにしてもよい。
貫通孔の位置は、上部でなくても、容器本体11のいずれの場所でもよい。
続いて、本発明の変形例2説明する。
図6は、本発明の変形例2を示す断面説明図である。
図に示すように、把持部10aが、容器本体11の外周に周状に形成されたもの(図1のように)ではなく、容器本体の外面に部分的に突起状に形成されている点において異なるが、他の部分は実施形態1と同様である。
これにより、容器のデザイン的な効果をもたらすこともできる。
また、盛り塩を一回分ずつ個包装にすることにより、盛り塩を交換するたびに成形作業を行う必要がなく、作業時に手に塩が付着したり、周りに塩が散乱したりすることもない。
さらに、大袋に入った塩を小分けにして使用するわけではないため、開封後に湿気を気にする必要もなくなる。よって、産業上の利用可能性が高い。
10a 把持部
11 容器本体
12 開口部
14 底面
15 容器蓋
16 充填空間
20 盛り塩
30 載置体
Claims (4)
- 充填空間を有し該充填空間の底面が開口部となった容器本体と、
前記開口部を塞ぐように前記容器本体に取り付けられる容器蓋とからなる容器に、
充填される盛り塩とを組み合わせた構成体であって、
前記容器本体の外周面には、前記盛り塩を容器本体から取り出すときに把持するための把持部が形成されており、
前記容器本体に充填された盛り塩は、
水分の含有量が2.4%〜24%であることを特徴とする、盛り塩とそれを充填した容器の構成体。 - 前記把持部が、容器本体の周囲に周状に形成されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の盛り塩とそれを充填した容器の構成体。
- 把持部を容器本体の先端部に取り付けたものであることを特徴とする、請求項1に記載の盛り塩とそれを充填した容器の構成体。
- 前記把持部が、前記容器本体の外面に部分的に突起状に形成されているものであることを特徴とする、請求項1に記載の盛り塩とそれを充填した容器の構成体。
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