JP2021154720A - 多孔化粧シート - Google Patents

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亮介 西垣
Ryosuke Nishigaki
亮介 西垣
光男 櫻井
Mitsuo Sakurai
光男 櫻井
玲子 桜井
Reiko Sakurai
玲子 桜井
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Abstract

【課題】 生産性に優れ、かつ意匠性に優れた絵柄インキ層を含む多孔化粧シートを提供する。【解決手段】 基材シートと絵柄インキ層を含む多孔化粧シートであって、多孔化粧シートは多孔化粧シートを貫通する複数の貫通開口部を有し、貫通開口部は複数の貫通開口部から構成される貫通開口群の開口率が0.4%以上40%以下であり開口径の平均が0.1mm以上2.3mm以下であり、基材シートと絵柄インキ層との色差ΔE*が10以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、多孔化粧シートに関するものである。
東日本大震災などでの天井落下による被害拡大を受けて、内装用天井材として、特許文献1に開示されるような軽量な膜天井材の需要が高まっている。
特許文献1では、着色された塩化ビニル系樹脂シートの上にグラビア印刷により意匠配置した化粧シートを熱ラミネートなどによりガラス繊維と貼り合せした内装用化粧シートを提案している。該内装用化粧シートにおいては、製造時における寸法安定性を得るために、実施形態においても可塑剤部数11質量部などの半硬質塩化ビニル系樹脂シートを使用している。
そしてさらに、体育館、屋内プール、音楽ホールなどの屋内施設においては、特許文献2に開示されるような多孔質素材を用いた反響抑止効果と音響減衰効果を有する膜天井が使用されることがある。また、屋外の工事現場などでは、特許文献2に開示されるような通風性のあるメッシュシートが用いられることがある。これらのシートは、織布ないし不織布の構成繊維中の繊維間空隙や穿設により構成された貫通孔群による多数の貫通開口(以下、貫通開口群とも呼称する)を有するため、表面が粗面となり印刷により意匠を施すことが困難である。
音響透過性ないし通気性を有する多孔質素材を開示する特許文献3においては、かかる貫通開口群すなわち多孔質素材表面の貫通開口を塞がない様に絵付けする(意匠を形成する)方法として、転写紙に印刷した絵柄を加熱加圧により該多孔質素材に転写する多孔質素材への絵付け方法が提案されている。特許文献3においては、多孔質素材に塗装による被膜(プライマー層)を形成し、その上に絵柄を加熱加圧転写し該被膜に固着させることで、多孔質素材に絵柄を形成している。
特許第6061659号公報 実用新案登録第3140281号公報 特開平7−195813号公報
絵柄層を有する多孔質基材全般において問題となり得るが、多孔質基材の貫通開口群を構成する貫通開口部の側面には積極的には印刷インキを載せないため、貫通開口部において主にその側面の多孔質基材の色が見えることにより、表面の絵柄層の意匠性を悪化させてしまうという、基材色見えの問題がある。
また、特許文献3が開示する方法においては、塗装による被膜(プライマー層)を形成する工程、転写紙に転写対象となる絵柄を印刷する工程、多孔質素材(基材)に転写する工程を各有するため、生産性が劣るという問題がある。また転写紙が無駄となるため環境に優しくないという問題もある。
特許文献3に係る上記問題に対しては、多孔質基材に転写紙を介さずに直接印刷する方法が考えられるが、その場合には以下の問題がある。まず、貫通開口部からインキが裏側に貫通することによって多孔質基材の裏面が汚染されたり、印刷機の圧胴が汚染されそれが多孔質基材に再転写されたり、などして意匠性が悪化するという問題がある。次に、貫通開口部以外の部分のみに印刷するため、印刷層と多孔質基材との接触面積が小さく、そのため絵柄層の密着性が悪いという問題がある。さらに、本発明に係る多孔化粧シートは、膜天井用途を想定しているため、多孔質基材にガラス繊維シートやポリエステル繊維シートなどが含まれ、それらの繊維の影響で多孔質基材の表面の平滑性や表面状態が悪く、そのため印刷における意匠再現性が悪いという問題がある。
さらに近年、商業施設などで膜天井用化粧シートとして使用する場合には、施工時における歪みを回避したり、施工時および設置後のシートとしての柔軟性を担保したりすることが要求される様になってきた。すなわち、特許文献1における半硬質塩化ビニル系樹脂シート(可塑剤部数11質量部)を使用した上記内装用化粧シートを膜天井用化粧シートとして使用を試みたところ、天井に施工時にしわや歪みが発生し好ましくないことが判明した。特に半硬質塩化ビニル系樹脂シートを、その全周囲を天井躯体(乃至天井本体)に固定する場合に顕著になることが判明した。
以上から、本発明の目的は、生産性に優れ、かつ意匠性に優れた絵柄インキ層を含む多孔化粧シートを提供することである。
本発明は、基材シートと絵柄インキ層を含む多孔化粧シートであって、多孔化粧シートは多孔化粧シートを貫通する複数の貫通開口部から構成される貫通開口群を有し、貫通開口部は貫通開口群の開口率が0.4%以上40%以下であり開口径の平均が0.1mm以上2.3mm以下である多孔化粧シートである。
上記多孔化粧シートにおいて、下記関係式で規定される基材シートと絵柄インキ層との色差ΔE*が10以下であってもよい。
ここで、JIS Z8729に規定するL***表色系における、基材シートの色をL* 1* 1* 1、絵柄インキ層の色をL* 2* 2* 2とすると、
ΔE*=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
ΔL*=L* 2−L* 1
Δa*=a* 2−a* 1
Δb*=b* 2−b* 1
上記多孔化粧シートにおいて、さらに下記関係式を満たしていてもよい。
−15≦L* 2−L* 1≦10
−10≦C* 2−C* 1≦25
* 1=((a* 12+(b* 121/2
* 2=((a* 22+(b* 221/2
上記多孔化粧シートにおいて、貫通開口部は、貫通開口群の開口率が0.4%以上8%以下であり、開口径の平均が100μm以上500μm以下であってもよい。
上記多孔化粧シートにおいて、基材シートは、ガラス繊維またはポリエステル繊維、および塩化ビニル系樹脂またはポリオレフィン樹脂を含むものであってもよい。
上記多孔化粧シートにおいて、基材シートは、その絵柄インキ層が積層される面側の最表面にアクリル系樹脂層を有し、絵柄インキ層は、アクリル系樹脂を含むものであってもよい。
上記多孔化粧シートにおいて、基材シートの絵柄インキ層が積層される面側の表面におけるJIS B 0601:2013に規定する算術平均粗さRaが10μm以下であってもよい。
上記多孔化粧シートにおいて、基材シートは、軟質塩化ビニル系樹脂または軟質ポリオレフィン樹脂を含むものであってもよい。
本発明によれば、生産性に優れ、かつ意匠性に優れた絵柄インキ層を含む多孔化粧シートを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る多孔化粧シートの層構成の概略を示す概略断面図 本発明の第2実施形態に係る多孔化粧シートの層構成の概略を示す概略断面図 本発明の第3実施形態に係る多孔化粧シートの層構成の概略を示す概略断面図 本発明の第4実施形態に係る多孔化粧シートの層構成の概略を示す概略断面図 本発明の第5実施形態に係る多孔化粧シートの層構成の概略を示す概略断面図 本発明の第6実施形態に係る多孔化粧シートの層構成の概略を示す概略断面図 本発明の第7実施形態に係る多孔化粧シートの層構成の概略を示す概略断面図 本発明の第8実施形態に係る多孔化粧シートの層構成の概略を示す概略断面図 本発明の第1実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法の一例を説明する概略断面図。 本発明の第2実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法の一例を説明する概略断面図。 本発明の第2実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法の一例を説明する概略断面図。 本発明の実施例、比較例に係る各条件、および各評価結果を一覧にした表。
〔多孔化粧シート〕
以下、本発明に係る多孔化粧シートについて、各図を参照して説明する。なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状、厚さ、隙間、装飾などは理解を容易にするため適宜誇張、単純化などしている。また説明に直接的に関係しない構成などについては適宜省略している。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これら
は、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は適宜置き換えても、本発明の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。
(第1実施形態)
図1に本発明の第1実施形態に係る多孔化粧シート1を示す。
第1実施形態に係る多孔化粧シート1は、基材シート10と絵柄インキ層20とを含み、基材シート10の一方の面(図1以下の図面においては、向かって上側の面)に絵柄インキ層20が積層されている。そして多孔化粧シート1は、多孔化粧シート1を、一方の面側から他方の面側にわたって、貫通する複数の貫通開口部30を有しており、これら貫通開口部が多孔化粧シート1の全面にわたって多数形成されて貫通開口群30、30、30、・・・を構成している。
<基材シート>
以下、第1実施形態に係る多孔化粧シート1における各構成について詳細に説明する。
第1実施形態に係る基材シート10は、ガラス繊維シート15に対し第1塩化ビニル系樹脂層14および第2塩化ビニル系樹脂層16を積層すると共に更にこれらの層の一部を含浸させ、ガラス繊維シート15のガラス繊維間の空隙に塩化ビニル系樹脂を充填させて、ガラス繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものである。
なお、第1塩化ビニル系樹脂層14および第2塩化ビニル系樹脂層16と未含浸のガラス繊維シート15との接着力が十分に確保できる場合は、ガラス繊維シート15中への第1塩化ビニル系樹脂層14および第2塩化ビニル系樹脂層16の含浸は無しとすることができる(ガラス繊維シート15は未含浸のまま、多孔化粧シート1が構成される)。
図1は上記多孔化粧シート1の層構成の概略を示す概略断面図である。上記の通り基材シート10はガラス繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものであるが、模式的にガラス繊維シート15の一方の面側の塩化ビニル系樹脂を第1塩化ビニル系樹脂層14とし、ガラス繊維シート15の他方の面側の塩化ビニル系樹脂を第2塩化ビニル系樹脂層16として表している。図1においては下側から、第2塩化ビニル系樹脂層16と、ガラス繊維シート15と、第1塩化ビニル系樹脂層14と、絵柄インキ層20と、がこの順に積層されている。上記の通り実際には、ガラス繊維シート15のガラス繊維間の空隙にも塩化ビニル系樹脂が充填されている。なお上記積層順を乱さず、本発明の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
基材シート10には複数の貫通開口部30が設けられて貫通開口群30、30、30、・・・が形成されている。貫通開口部30の開口径や貫通開口群の開口率については後述する。本発明の多孔化粧シート1においては、既に複数の貫通開口部30が設けられた基材シート10に対して絵柄インキ層20を積層形成することで、絵柄インキ層20も貫通開口部30を有するものである。
基材シート10の厚さは50μm以上1500μm以下が好ましく、200μm以上800μm以下がより好ましい。多孔化粧シート1として形成された際の厚さ、強度、重量などを加味し適当なものを選択すればよく、不燃性を重視する場合は200μm程度であり、強度を重視する場合は500μm程度である。
ガラス繊維シート15に含まれるガラス繊維は、ガラス、好ましくは石英ガラスなどの無アルカリガラスを融解、牽引して繊維状にしたものである。
ガラス繊維としては、シラン化合物で表面処理されたものを使用することが好ましい。表面処理剤としてのシラン化合物としては、カップリング剤や、その重合物からなるポリシロキサンが使用できる。このようなシラン系カップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランの他、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン等を挙げることが出来る。ガラス繊維に表面処理を行う方法は、例えば、シラン化合物を含有する溶液をガラス繊維表面に塗布、乾燥して行うことが出来る。シラン化合物の付着量は、通常、ガラス繊維100質量部に対して0.05〜5質量部程度である。なお、ここで、「(メタ)アクリル」とは「アクリルまたはメタクリル」を意味する。以下も同様である。
ガラス繊維シート15は、ガラス織布を有する層であることが好ましい。ガラス織布とは、ガラス繊維の束を糸として、経糸と緯糸から製織したものである。製織する前に、2つ以上のガラス繊維の束を予め合撚してもよい。経糸の織り密度を20〜75本/25mm、緯糸の織り密度を20〜75本/25mmとなるように平織りで形成されたものであることが好ましく、織り密度の一例としては、経糸、緯糸とも32本/25mmである。ガラス織布は、高い不燃性能を有し、シート状のガラス繊維として容易に入手することができ、またガラス不織布より引張強度に優れるからである。
ガラス繊維シート15は、ガラス不織布を有する層であってもよい。ガラス不織布は例えば、ガラス繊維を水中に分散させ、抄紙機で抄造する湿式法で製造され、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等のバインダーを用いて、ガラス繊維同士を結着させたものである。ガラス不織布は、高い不燃性能を有し、シート状のガラス繊維として容易に入手することができ、かつガラス織布より安価である。
ガラス繊維シート15がガラス織布、ガラス不織布のいずれの場合であっても、ガラス繊維シート15の厚さは50μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは75μm以上200μm以下である。
第1実施形態に係るガラス繊維シート15を含む多孔化粧シート1においては、ガラス繊維シート15に代えポリエステル繊維シート215を含む多孔化粧シート201(後述する第3実施形態)に対し、引張強度を高くすることができ、無機物であるため一層高い不燃性能を有するという利点を有する。
上記の通り基材シート10は、ガラス繊維シート15に対し塩化ビニル系樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ガラス繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものである。
なお、塩化ビニル系樹脂とは、以下のいずれかの形態の樹脂を意味する総称である。
(1)塩化ビニル単量体(monomer)の単独重合体、すなわち狭義のポリ塩化ビニル。
(2)塩素化ポリ塩化ビニル。
(3)塩化ビニル単量体に塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させた塩化ビニル共重合体、ここで他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、エチレン、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。
(4)前記(1)のポリ塩化ビニル、前記(2)の塩素化ポリ塩化ビニル、前記(3)の塩化ビニル共重合体のいずれか2種または3種の混合物。
(5)前記(1)のポリ塩化ビニル、前記(2)の塩素化ポリ塩化ビニル、前記(3)の塩化ビニル共重合体のいずれか1種または2種以上、あるいは(4)の混合物に、さらに、他の樹脂を混合した混合物。ここで他の樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。
なお、前記(1)から(5)に列記の各種塩化ビニル系樹脂には、必要に応じて、各種添加剤を添加する。該添加剤としては、可塑剤、熱安定剤、光安定剤(ラジカル捕捉剤等)、紫外線吸収剤(UVA)、界面活性剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤等が挙げられる。
これら添加剤のうち、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート(略称DOP)、ジイソノニルフタレート(略称DINP)等のフタル酸エステル系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(略称TOTM)、トリ−n−オクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
有機系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等のトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
無機系紫外線吸収剤としては、例えば、平均粒径200nm以下の酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄等の金屬酸化物粒子等が挙げられる。
一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。
なお、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
本発明に係る多孔化粧シート1は好ましくは吸音膜天井材として用いられるものである。そのため主たる観察面は片面のみであり、外観意匠については該片面側に設けられた絵柄インキ層20が主に担うため、基材シート10は着色されていてもよいし、着色されていなくても(透明でも)よい。着色されている場合、着色の態様には特に制限はなく、透明着色であってもよいし、不透明着色(隠蔽着色)であってもよく、これらは任意に選択できる。なお、後述するように、基材シート10の色と絵柄インキ層20の色とが近い色であることがより好ましい際には色の調整をする場合がある。
着色されている場合は、上記塩化ビニル系樹脂に着色剤を添加(混練、練り込み)、樹脂と着色剤とを含む塗料の塗布による塗膜の形成等の、いずれの手段を採用することができる。またガラス繊維シート15に含まれる上記ガラス繊維に着色剤を添加することも考えられ、これらいずれかの手段、又はこれらの併用により行うことができる。
着色剤としては、例えば、チタン白等の白色顔料、鉄黒、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、ニッケル−アゾ錯体、アゾメチンアゾ系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤が挙げられる。
上記塩化ビニル系樹脂を含む第1塩化ビニル系樹脂層14、および第2塩化ビニル系樹脂層16各々の厚さは、50μm以上300μm以下が好ましく、100μm以上150μm以下であることがより好ましい。
上記の通り基材シート10は、ガラス繊維シート15に対し塩化ビニル系樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ガラス繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものである。そのため下記の通り基材シート10の色として、上記塩化ビニル系樹脂層の色が支配的となる。基材シート10の絵柄インキ層20側の面においては第1塩化ビニル系樹脂層14が、その反対面においては第2塩化ビニル系樹脂層16が、各々50μm以上の厚さで形成されているため、基材シート10の表裏面における色は塩化ビニル系樹脂の色(第1塩化ビニル系樹脂層14、および第2塩化ビニル系樹脂層16の色)が支配的となる。また貫通開口部の開口側面の色についても、第1塩化ビニル系樹脂層14、および第2塩化ビニル系樹脂層16の開口側面の色は言うもでもなく、ガラス繊維シート15の開口側面の色についても、ガラス繊維シート15の繊維の間には塩化ビニル系樹脂層が含浸しているため、貫通開口部全体としての開口側面の色は、塩化ビニル系樹脂層の色が支配的となる。
後述する第2実施形態、第3実施形態、および第4実施形態においてもガラス繊維シート15あるいはポリエステル繊維シート215に含侵させる樹脂は塩化ビニル系樹脂層である。上記各実施形態においても第1実施形態と同様に、基材シートの色として、塩化ビニル系樹脂層の色が支配的となる。
このような基材シート10を含む本発明の多孔化粧シート1は、適度なコシ(剛性)を有することができる。しかも、積層および含浸させる塩化ビニル系樹脂に可塑剤を適量添加することにより、塩化ビニル系樹脂、更には、本発明の多孔化粧シート1のコシ(剛性)の程度を個々の用途に応じて適宜加減して最適化することができる。
塩化ビニル系樹脂は、樹脂自体の不燃性能に優れるため、多孔化粧シート1を構成する樹脂の比率を高めても、多孔化粧シート1の不燃性能を維持することができる。この高い不燃性能のために、本発明に係る多孔化粧シート1は吸音膜天井材として好適に使用することできる。
また塩化ビニル系樹脂は非常に安価であるため、本発明に係る多孔化粧シート1を安価なものとすることができる。
第1実施形態に係る塩化ビニル系樹脂を含む多孔化粧シート1においては、塩化ビニル系樹脂に代えポリオレフィン樹脂を含む多孔化粧シート401(後述する第5実施形態)と比較するならば、塩化ビニル系樹脂はポリオレフィン樹脂より堅牢かつ安価であるため、多孔化粧シートを堅牢かつ安価なものとすることができる。
ここで本発明の多孔化粧シート1として、膜天井としての使用を考慮するならば、基材シート10に含まれる塩化ビニル系樹脂またはポリオレフィン樹脂は、軟質であることが好ましい。すなわち基材シート10は、軟質塩化ビニル系樹脂または軟質ポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。多孔化粧シート1の弾性率を低くすることができるため、膜天井用化粧シートとして天井に施工時(特に全周固定時)に問題となった上記しわや歪みの問題を有効に解消できるからである。
本発明において、軟質塩化ビニル系樹脂または軟質ポリオレフィン樹脂が軟質であるとは、多孔化粧シート1の弾性率が20GPa以下である場合をいう。ここでの弾性率は、多孔化粧シート1を15cm×1cmに切出し、その長尺方向が伸び方向となる様に伸び計にセットして、チャック間距離100mm、速度50mm/minで0.25kNに達するまで引っ張ることにより測定したものである。
多孔化粧シート1の弾性率は、塩化ビニル系樹脂においては、例えば可塑剤部数により調整することができる。一例として、第1塩化ビニル系樹脂層14および第2塩化ビニル系樹脂層16に係る塩化ビニル系樹脂の可塑剤部数を30質量部以上とすることにより多孔化粧シート1の弾性率を20GPa以下とすることができる。
また、ポリオレフィン樹脂においては、上記ポリオレフィン樹脂中に該ポリオレフィン樹脂よりも軟質の樹脂をソフトセグメントとして混合した、いわゆる、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO:Thermoplastic Olefinic Elastomer)とすることにより弾性率を調整することができる。この場合、結晶性の高いポリオレフィン樹脂がポリオレフィン系熱可塑性エラストマーのハードセグメントとなる。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーにおけるハードセグメント(ポリオレフィン樹脂)とソフトセグメントとの配合比は、得られる多孔化粧シート1の弾性率が20GPa以下の所望の値となる様、適宜調整すれば良いが、通常は、〔ハードセグメント/ソフトセグメント〕の質量比が2/8〜8/2程度の範囲から選択される。
ポリオレフィン樹脂に混合するソフトセグメントとしては、例えば、エチレン−プロピレンゴム、水素添加スチレン−ブタジエンゴム、アタクチックポリプロピレン等を挙げることができる。
<絵柄インキ層>
本発明の第1実施形態においては、絵柄インキ層20は、基材シート10の一方の面側、図1においては上面側に形成されるものである。模式的な概略断面図である図1においては、絵柄インキ層20が基材シート10の一方の面側の全面に形成されているが、これに限らず、絵柄インキ層20は基材シート10の一方の面側の全面に形成されていることを要しない。以降の各実施形態についても同様である。本発明の多孔化粧シート1は、既に貫通開口部30を有する基材シート10に対して絵柄インキ層20を形成するため、絵柄インキ層20においても貫通開口部30が形成され、その結果、多孔化粧シート1として貫通開口部30を有するものである。このような多孔化粧シート1においては、貫通開口部を有さない基材シートに対して絵柄インキ層を形成した後で貫通開口部を形成することで得られる多孔化粧シートに対し、貫通開口部形成時のバリによる美観の低下を抑制することができる。
絵柄インキ層20の絵柄としては、例えば木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄、単色ベタ柄、単色グラデーション等を挙げることができる。その形成方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、オフセット印刷法等の有版印刷法、インクジェット印刷法、各種転写印刷法等の無版印刷法等の各種印刷法が適用可能であるが、グラビア印刷法あるいはインクジェット印刷法が好ましく、とりわけグラビア印刷法が好ましい。高精細かつ階調表現の豊かな、すなわち高い意匠性を有する印刷が可能であり、また大量生産する場合には高速な印刷が可能であるため費用面で有利である。また吸音膜天井用途の場合には、単色ベタ柄である場合も多いが、単色ベタ柄をインクジェット印刷法で形成することは非効率である。一方、インクジェット印刷法の場合には、絵柄インキ層20を形成しようとする面の平滑性が比較的悪くても適用でき、高精細な印刷が可能である。また段取り時間が短く機動性の高い印刷が可能であるため、少量生産に適している。
なお、特に基材シート10中において、絵柄インキ層20が形成される、第1塩化ビニル系樹脂層14が軟質塩化ビニル系樹脂からなる場合、または第1ポリオレフィン樹脂層414が軟質ポリオレフィン樹脂からなる場合は、版を不使用の転写印刷法または各種無版印刷法が好ましい。有版印刷法を適用することも可能ではあるが、基材シート10の表面が粘着性を帯び、また基材シートが張力により伸縮し易くなるため、有版印刷法においては、見当ずれ、インキの転移不良等の印刷適性の不良が生じ易くなる傾向があるからである。
絵柄インキ層20の形成(通常は印刷)に用いるインキは、公知の着色剤(染料又は顔料)を樹脂、すなわちバインダー樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得ることができる。
着色剤として、無機顔料、有機顔料、金属粉顔料、真珠光沢顔料、蛍光顔料、夜光顔料等が挙げられる。例えば、無機顔料としては、カーボンブラック、黒色酸化鉄、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、黄鉛、カドミウムレッド等を、有機顔料としては、アゾメチンアゾ系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、各種色相の有彩色アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ニッケル−アゾ錯体、ジオキサジン顔料等を、金属粉顔料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の鱗片状箔片を、真珠光沢顔料としては、二酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の鱗片状箔片を挙げることができる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用したり、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに使用したりしてもよい。
絵柄インキ層20に使用する樹脂(バインダー樹脂)としては、各種ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体のアクリル系樹脂、ポリオール化合物を主剤としイソシアネート化合物を硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン等を使用することもできる。上記樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記樹脂には架橋剤、重合開始剤、または、重合促進剤を添加して、塗膜強度、および耐久性を向上させることが好ましく、上記樹脂のなかではアクリル系樹脂またはアクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物が好ましい。アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物の場合、混合の質量比は、[アクリル系樹脂の質量]/[塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の質量]は2/8〜8/2の範囲とすることが、絵柄インキ層20の第1塩化ビニル系樹脂層14への印刷適性と密着性、並びに耐候性、耐擦傷性等の耐久性の点で好ましい。
絵柄インキ層20の厚さは、通常は1μm以上49μm以下であり、好ましくは2μm以上25μm以下である。
<基材シートの色と絵柄インキ層の色との関係>
上述の通り、本発明に係る多孔化粧シート1は、多孔化粧シート1を貫通する複数の貫通開口部30を有している。貫通開口部30の開口径や貫通開口群の開口率については後述するが、多孔化粧シート1は、微細な貫通開口部が高密度で形成されたものである。
基材シート10に係る貫通開口部30の側面には絵柄インキ層20を形成しないため、貫通開口部30において主にその側面から基材シート10の色が見えてしまうことにより、絵柄インキ層20に係る意匠性が悪化するという、言うならば基材シートの色見えが問題となる場合がある。
上記基材シートの貫通開口部における色見えの問題を軽減するためには、基材シート10の色すなわち基材シート10に含まれる塩化ビニル系樹脂層の色と、絵柄インキ層20の色とが近い色であることが好ましい。
具体的には、下記関係式で規定される基材シートの色と絵柄インキ層の色との色差ΔE*が10以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。ここで色差ΔE*は、JIS Z8729に規定するL***表色系における、基材シート10の色をL* 1* 1* 1、絵柄インキ層20の色をL* 2* 2* 2とすれば、
ΔE*=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
ΔL*=L* 2−L* 1
Δa*=a* 2−a* 1
Δb*=b* 2−b* 1
として求めることができる。
明度L* 1、色度a* 1、色度b* 1、および明度L* 2、色度a* 2、色度b* 2は、市販の分光測色計を用い、JIS Z8781−4:2013に準拠して、CIE(国際照明委員会)L***表色系の明度L*、色度a*、色度b*として各測定することができる。市販の分光測色計としては、例えばコニカミノルタホールディングス株式会社の分光測色計(商品名:CM−3500d)、日本電色工業株式会社の分光色彩計・色差計(商品名:SE6000)などを挙げることができる。
測定方法は以下の通りである。
基材シート10については通常無地であるため、絵柄インキ層20を形成する前であれば基材シート10のいずれかの面について、絵柄インキ層20が形成された後であれば基材シート10の表裏面のうち絵柄インキ層20が形成されていない方の面について、任意の一箇所について測定する。
絵柄インキ層20については、多孔化粧シート1の絵柄インキ層20側の面、を測定対象とし、単色ベタ柄であれば任意の一箇所について測定すればよい。単色ベタ柄ではない場合には、多孔化粧シート1(各大きさ:100cm×100cm)を100に分割し(分割した一つあたりの大きさ:10cm×10cm)、分割した多孔化粧シートの任意の20の各々について、貫通開口部をなるべく含まない様な任意の50箇所について測定し、該測定値の平均値を分割したシート各々の測定値とし、該分割した20のシート各々の測定値の平均値を明度L* 2、色度a* 2、色度b* 2とする。また、測定時の光入射角は10度として、光源はD65光源を用いた。
本発明においては、基材シートの色と絵柄インキ層の色との色差ΔE*が10以下である。そのため貫通開口部30において主にその側面の基材シート10の色が見えてしまうような場合であっても、基材シートの色と絵柄インキ層の色との色差が小さいため、基材シートの色見えの問題は顕在化し難くなる。色差ΔE*が3以下ともなれば仮に近距離から観察したとしても色差はほとんど気にならないレベルである。本発明に係る多孔化粧シートの好ましい使用例として膜天井として使用した場合には、観察距離が充分遠いため、色差ΔE*が10以下でも十分な色見え軽減効果を得ることができる。
また、絵柄インキ層の密着性あるいは印刷性を改善するための本発明(後述)を適用しない多孔化粧シートにおいては、絵柄インキ層の密着性および印刷性が悪い。そのような多孔化粧シートにおいて、印刷不良や絵柄インキ層の剥離により、絵柄インキ層が一部領域において存在しない場合であっても、上記基材シートの色と絵柄インキ層の色との色差ΔE*を小さいものとする本発明を適用すれば、該絵柄インキ層が存在しない一部領域を目立たなくすることができる。
ところで、上記色差ΔE*が10以下であることに加え、さらに、明度L*および彩度C*については、下記関係式を満たすことが好ましい。
−15≦L* 2−L* 1≦10
−10≦C* 2−C* 1≦25
* 1=((a* 12+(b* 121/2
* 2=((a* 22+(b* 221/2
上記を満たす場合であれば、色差ΔE*が10以下である場合の上記効果に加え以下の効果が得られる。
色差ΔE*が3以上である場合の様にある程度の色差がある場合であっても、基材シートの色と絵柄インキ層の色との明度の差L* 2−L* 1、および彩度の差C* 2−C* 1が上記範囲を同時に満たす場合においては、貫通開口部30において主にその側面の基材シート10の色が見えてしまう色見えの問題を更に顕在化し難くすることができる。また多孔化粧シート1において、印刷不良や絵柄インキ層の剥離により、絵柄インキ層が一部領域において存在しない場合であっても、該絵柄インキ層が存在しない一部領域をより一層目立たなくすることができる。
<貫通開口部>
多孔化粧シート1には複数の貫通開口部30を有している。上記の通り、本発明の多孔化粧シート1においては、貫通開口部30を有する基材シート10に対して絵柄インキ層20を形成するため、絵柄インキ層20においても貫通開口部30が形成され、その結果、多孔化粧シート1は貫通開口部30を有する。貫通開口部30は多孔化粧シート1内において、平面視上およそ均一に分布配置されている。
以下、貫通開口部30の開口径および貫通開口群の開口率について説明する。
貫通開口部30の開口径は、多孔化粧シート1における貫通開口群を構成する複数の貫通開口部30、すなわち、貫通開口群の開口径の平均値として0.1mm以上2.3mm以下であることが好ましい。より好ましくは100μm以上500μm以下である。
貫通開口部30は、開口径が2.3mm以下、より好ましくは500μm以下と微細であるため、その平面視上の開口形状はおよそ円形である。仮に楕円に近い形状であってもその長径は短径の2倍以内であり、矩形に近い形状であってもその長辺は短辺の2倍以内である。そのため本発明においては、貫通開口部30の開口径は、貫通開口部30の面積と同じ面積の仮想の円の直径とすることができる。
開口径の平均値が0.1mm未満、あるいは2.3mmを超える場合には、吸音効果が不十分なものとなる。従って、開口径の平均値が0.1mm以上2.3mm以下、より好ましくは100μm以上500μm以下である場合には、貫通開口部30による意匠性の低下を抑制しつつ、すなわち意匠性を維持しつつ、所望の吸音効果を得ることができる。
本発明の多孔化粧シート1は、既に複数の貫通開口部30が設けられた基材シート10に対して絵柄インキ層20を積層形成することで、絵柄インキ層20も貫通開口部30を有するものである。また多孔化粧シート1に対し転写紙を介さずに絵柄インキ層20直接印刷するものである。上述の通り、該直接印刷する方法においては、貫通開口部30から絵柄インキ層20の形成に係るインキが裏側に貫通することによって基材シート10の裏面が汚染されたり、印刷機の圧胴が汚染されそれが基材シート10に再転写されたり、などして意匠性が悪化するという問題がある。この問題に対し、貫通開口部30の開口径の平均値が2.3mm以下、より好ましくは500μm以下である場合には、開口径が小さいため絵柄インキ層20の形成に係るインキが裏側に貫通し難い。そのため、上記基材シート10の裏面が汚染されたり、印刷機の圧胴が汚染されそれが基材シート10に再転写されたり、などして意匠性が悪化するという問題を低減することができる。
また貫通開口部30の開口径の平均値が2.3mm以下、より好ましくは500μm以下と微細であるため、基材シート10において貫通開口部30が設けられていない部分(以降該部分を枠体部31と呼ぶ場合がある)を広く確保することができる。そのため基材シート10と絵柄インキ層20との接触面積を確保することができ、その結果両者の密着性を確保することができる。
貫通開口部30から構成される貫通開口群の開口率(以下、単に「開口群」とも呼称する)は、0.4%以上40%以下であることが好ましい。より好ましくは0.4%以上8%以下である。
ここで開口率とは、ある測定領域において、測定領域に含まれる貫通開口群を構成するすべての貫通開口部30の面積の総和を測定領域全体の面積で除したものである。貫通開口部30は多孔化粧シート1内において、平面視上およそ均一に分布配置されているため、測定領域は任意に設定可能である。測定領域の形状は正方形が好ましく、その領域は貫通開口部30が50個以上含まれる様に設定することが好ましい。測定領域の一例として、仮に開口径を300μm、貫通開口群の開口率を4%とした場合には、貫通開口部30が50個以上含まれる様にするためには、一辺の長さがおよそ1.9cm以上の正方形のとすればよい。
開口率が0.4%未満、あるいは40%を超える場合には、吸音効果が不十分なものとなる。従って、開口径の平均値が0.4%以上40%以下、より好ましくは0.4%以上8%以下である場合には、貫通開口部30による意匠性の低下を抑制しつつ、すなわち意匠性を維持しつつ、所望の吸音効果を得ることができる。
また、開口率が40%以下より好ましくは8%以下と少なく、また開口径が微細であるため、基材シート10において貫通開口部30が設けられていない部分(枠体部31)を広く確保することができる。そのため基材シート10と絵柄インキ層20との接触面積を確保することができ、その結果両者の密着性を確保することができる。
<基材シートの算術平均粗さ>
本発明の多孔化粧シート1は、貫通開口部30を有する基材シート10に対して絵柄インキ層20を形成するものである。そして基材シート10は、上記の通りガラス繊維シート15に対し塩化ビニル系樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ガラス繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものである。基材シート10における絵柄インキ層20が形成される側の表面、すなわち第1塩化ビニル系樹脂層14の表面は、ガラス繊維シート15に含まれる繊維の影響を受けるため、内部にガラス繊維シートを含まない塩化ビニル系樹脂シート単体の表面よりも平滑性や状態が悪い、換言すれば基材シートの算術平均粗さRaが大きいものとなっている。このような算術平均粗さRaの大きな基材シート10に対し形成(印刷)された絵柄インキ層20は意匠再現性が悪いという問題がある。
そこで、基材シート10の絵柄インキ層20が積層される面側の表面におけるJIS B 0601:2013に規定する算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましい。算術平均粗さRaを10μm以下とすることで絵柄インキ層20の意匠再現性が悪いという上記問題を軽減することができる。
算術平均粗さRaを10μm以下とするためには、基材シート10に含まれる第1塩化ビニル系樹脂層14の表面に平坦化するための層(以下、平坦化層と呼ぶ場合がある)を形成しても良い。後述する第1アクリル層12は平坦化層と考えることができる。平坦化層の他の例としてはウレタン等である。これら平坦化層は各種コーターや各種印刷法により塗布、形成することができる。
(第2実施形態)
図2に本発明の第2実施形態に係る多孔化粧シート101を示す。
第2実施形態に係る多孔化粧シート101は、基材シート110と絵柄インキ層120とを含み、基材シート110の一方の面に絵柄インキ層120が積層されている。そして多孔化粧シート101は、多孔化粧シート101を貫通する複数の貫通開口部30を有している。
第1実施形態に対しては、以下の通り基材シート110の構成が異なっている。また絵柄インキ層120についても以下の通り、その好ましい形態においては、含まれる樹脂(バインダー樹脂)が限定されている。
<基材シート>
以下、第2実施形態に係る基材シート110について説明する。
第2実施形態に係る基材シート110は、基材シート110の絵柄インキ層120が積層される面側の最表面にアクリル系樹脂層である第1アクリル層12を有するものである。また、第1実施形態に係る基材シート10に含まれる第1塩化ビニル系樹脂層14の表面に対し、さらに第1アクリル層12(アクリル系樹脂層)が形成されたものということもできる。そのため基材シート110には第1アクリル層12(アクリル系樹脂層)も含まれている。また、ガラス繊維シート15に対し塩化ビニル系樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ガラス繊維シート15のガラス繊維間の空隙に塩化ビニル系樹脂を充填させて、ガラス繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものの一方の面に存する第1塩化ビニル系樹脂層14の表面に、さらに第1アクリル層12を形成したものということもできる。基材シート110においては、その他方の面に存する第2塩化ビニル系樹脂層16の表面に、さらに第2アクリル層18が形成されていてもよい。
第1塩化ビニル系樹脂層14の表面は、ガラス繊維シート15に係る繊維の影響により平滑性が悪い。平滑性の悪い第1塩化ビニル系樹脂層14の表面に形成される第1アクリル層12は、上述した平坦化層としても機能している。すなわち第1塩化ビニル系樹脂層14の表面よりも第1アクリル層12の表面の方が平滑性が高い(Raが小さい)ものとなっている。第2実施形態においても、基材シート110の絵柄インキ層120が積層される面側の表面、すなわち第1アクリル層12の表面における前記算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましい。第1アクリル層12を形成することにより、Raを10μm以下とすることが容易となり、絵柄インキ層120の意匠再現性が悪いという上記問題を容易に軽減することができ、すなわち意匠再現性を容易に向上させることができる。
図2は、基材シート110に第1アクリル層12、および第2アクリル層18の両者が含まれる例の多孔化粧シート101の層構成の概略を示す概略断面図である。図2においては下側から、第2アクリル層18と、第2塩化ビニル系樹脂層16と、ガラス繊維シート15と、第1塩化ビニル系樹脂層14と、第1アクリル層12と、絵柄インキ層120と、がこの順に積層されている。なお上記積層順を乱さず、本発明の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
第2実施形態に係る基材シート110も第1実施形態に係る基材シート10と同様に貫通開口部30を有する。基材シート110の貫通開口部30は、少なくとも第1アクリル層12および第2アクリル層18のいずれかを形成した後に形成してもよい。あるいは既に貫通開口部30を有する基材シートに対し少なくとも第1アクリル層12および第2アクリル層18のいずれかを貫通開口部30を有する様に形成してもよい。
第2実施形態に係る基材シート110における貫通開口部30の開口径や開口率については、上記第1実施形態に係る基材シート10(多孔化粧シート1)と同様である。また基材シート110の厚さは、後述する第1アクリル層12、および第2アクリル層18の厚さを含め50μm以上1500μm以下が好ましい。多孔化粧シート101として形成された際の厚さ、強度、重量などを加味し適切に設定すればよく、一例として500μmである。
基材シート110に少なくとも含まれる第1アクリル層12はアクリル系樹脂を含む材料からなる層である。アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸イソボニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等を挙げることができる。
また、第2アクリル層18が存在する場合には、第2アクリル層18についてもアクリル系樹脂を含む材料からなる層であり、アクリル系樹脂についても上記例示の通りである。第1アクリル層12のアクリル系樹脂と第2アクリル層18のアクリル系樹脂とは同じ材料であることが好ましい。第1アクリル層12と第2アクリル層18とを同一の装置で形成することができるからである。しかしこれに限らず、異なる材料であってもよく、また第2アクリル層18は存在しなくともよい。
アクリル系樹脂を含む材料からなる第1アクリル層12は、絵柄インキ層120を形成する際のバインダー樹脂の密着性が良いため絵柄インキ層120の密着性を向上させる効果がある。特に絵柄インキ層120にアクリル系樹脂を含む場合にはより一層効果的である。
第1アクリル層12、および第2アクリル層18の厚さはそれぞれ0.5μm以上50μm以下が好ましい。第1アクリル層12の厚さと第2アクリル層18の厚さとは同じであっても良く異なっていても良い。第1アクリル層12、および第2アクリル層18の厚さは、多孔化粧シート101として形成された際の厚さ、強度、重量などを加味し適切に設定すればよいが、厚い方が平坦化する(Raを小さくする)効果が高い。一例として第1アクリル層12、第2アクリル層18共に10μmである。
第1アクリル層12、および第2アクリル層18の色は、基材シート10に含まれる塩化ビニル系樹脂層の色と近い色(例えば色差が10以下)、あるいは無色透明であることが好ましい。この場合には、第1アクリル層12、および第2アクリル層18の厚さが薄いことも鑑みると、第1アクリル層12が存在する場合であっても、第1アクリル層12を含めた基材シート10の色を塩化ビニル系樹脂層の色とみなすことができる。そのため第1アクリル層12が存在する第2実施形態においても、第1実施形態における基材シートの色と絵柄インキ層120の色が近いことによる効果を得ることができる。
また後述する第4実施形態、第6実施形態、および第8実施形態においても基材シートに第1アクリル層12を含む形態である。これら基材シートに第1アクリル層12を含む形態であっても第2実施形態と同様の理由により、基材シート10の色として、第4実施形態においては塩化ビニル系樹脂層の色と、第6実施形態および第8実施形態においてはポリオレフィン樹脂の色と、各みなすことができる。
<絵柄インキ層>
第2実施形態における絵柄インキ層120は、基材シート110に含まれる第1アクリル層12上に形成されるものである。本発明の多孔化粧シート101においては、既に貫通開口部30を有する基材シート110に対して絵柄インキ層120を形成するため、絵柄インキ層120においても貫通開口部30が形成され、その結果、多孔化粧シート101は貫通開口部30を有する。
絵柄インキ層120の絵柄としては、上記第1実施形態に係る絵柄インキ層20の絵柄と同様である。
絵柄インキ層120の形成(通常は印刷)に用いるインキは、公知の着色剤(染料又は顔料)を樹脂、すなわちバインダー樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得ることができる。
絵柄インキ層120の着色剤および厚さは、上記第1実施形態に係る絵柄インキ層20の着色剤および厚さと同様である。
基材シート110の色と絵柄インキ層120の色との色差ΔE*が10以下であることが好ましく、また明度L*および彩度C*については、
−15≦L* 2−L* 1≦10、
−10≦C* 2−C* 1≦25
を満たすことが更に好ましい点についても、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態に係る多孔化粧シート101における絵柄インキ層120に使用する樹脂(バインダー樹脂)としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体のアクリル系樹脂が含まれることが好ましい。すなわち絵柄インキ層120はアクリル系樹脂を含むことが好ましい。
上記の通り絵柄インキ層120は、アクリル系樹脂を含む材料からなる第1アクリル層12上に形成されるため、絵柄インキ層120についてもアクリル系樹脂が含まれる場合には、第1アクリル層12(基材シート110)と絵柄インキ層120との密着性が向上するからである。
以上説明した様に、第2実施形態においては、第1実施形態において得ることができる効果に加え、第1アクリル層12が平坦化層として機能することによる絵柄インキ層120の意匠再現性が向上する効果を得ることができる。また上記の通り、絵柄インキ層120がアクリル系樹脂を含む場合においてはさらに、基材シート110と絵柄インキ層120との密着性が向上するという効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図3に本発明の第3実施形態に係る多孔化粧シート201を示す。
第3実施形態に係る多孔化粧シート201は、基材シート210と絵柄インキ層20とを含み、基材シート210の一方の面に絵柄インキ層20が積層されている。そして多孔化粧シート201は、多孔化粧シート201を貫通する複数の貫通開口部30を有している。
第1実施形態に対しては、以下の通り基材シート210の構成が異なっている。絵柄インキ層20については、第1実施形態のものと同様である。
<基材シート>
以下、第3実施形態に係る基材シート210について説明する。
第3実施形態に係る基材シート210は、ポリエステル繊維シート215に対し塩化ビニル系樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ポリエステル繊維シート215のポリエステル繊維間の空隙に塩化ビニル系樹脂を充填させて、ポリエステル繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものである。第1実施形態に係る基材シート10と比較するならば、基材シート10に含まれるガラス繊維シート15をポリエステル繊維シート215に置き換えたものが第3実施形態に係る基材シート210であるということもできる。
図3は第3実施形態に係る多孔化粧シート201の層構成の概略を示す概略断面図である。上記の通り基材シート210はポリエステル繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものであるが、模式的にポリエステル繊維シート215の一方の面側の塩化ビニル系樹脂を第1塩化ビニル系樹脂層14とし、ガラス繊維シート15の他方の面側の塩化ビニル系樹脂を第2塩化ビニル系樹脂層16として表している。図3においては下側から、第2塩化ビニル系樹脂層16と、ポリエステル繊維シート215と、第1塩化ビニル系樹脂層14と、絵柄インキ層20と、がこの順に積層されている。上記の通り実際には、ポリエステル繊維シート215のポリエステル繊維間の空隙にも塩化ビニル系樹脂が充填されている。なお上記積層順を乱さず、本発明の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
第3実施形態に係る基材シート210も第1実施形態に係る基材シート10と同様に貫通開口部30を有する。貫通開口部30の開口径や開口率については、上記第1実施形態に係る基材シート10(多孔化粧シート1)と同様である。また基材シート210の厚さについても上記第1実施形態に係る基材シート10の厚さと同様である。
ポリエステル繊維シート215に含まれるポリエステル繊維は、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂を融解し、例えば所定の吐出条件で吐出するなどして繊維状にしたものである。
ポリエステル繊維シート215は、ポリエステルマルチフィラメント糸条(フィラメント数192本:750デニール)を経糸条群および緯糸条群として、経糸条群は1インチ間28本の織組織とし、また緯糸条群は1インチ間30本の織組織とする平織物を用いた。ポリエステル繊維シート215は、ポリエステル不織布であっても良く、ポリエステル織布であっても良い。ポリエステル不織布の一例としては、坪量8g/m2以上150g/m2以下、厚さ30μm以上150μm以下のものを使用することができる。この様なポリエステル織布等のポリエステル繊維シート215に対し積層すると共にその一部を含浸形成される第1塩化ビニル系樹脂層14および第2塩化ビニル系樹脂層16は、その表面の平滑性が失われ、すなわち上述の算術平均粗さRaが大きいものとなり、その結果、絵柄インキ層20を形成する際の印刷適性が悪くなり、意匠再現性が悪くなる。そのため、第1実施形態に係る多孔化粧シート1、101、・・・等において、鮮明で高画質の絵柄インキ層20の形成を求める場合には、印刷方法として転写印刷法を採用することが好ましい。転写印刷法の場合は、あらかじめ、表面が平滑で印刷適性良好な離型性支持体シート上に鮮明で高画質の絵柄インキ層20を形成し、その後、該絵柄インキ層20をポリエステル繊維シート上に転写するため、ポリエステル繊維シート表面の平滑性が多少悪くても、その表面に鮮明で高画質の絵柄を形成可能である。
また、坪量150g/m2を上回り、厚さが150μm以上の場合には、多孔化粧シート201として形成された際の厚さ、重量などが吸音膜天井用途として好ましいものではなくなってくる。
ポリエステル繊維シート215がポリエステル不織布、ポリエステル織布のいずれの場合であっても、ポリエステル繊維シート215の厚さは50μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは75μm以上300μm以下である。
第3実施形態においても第1実施形態と同様に、基材シート210の絵柄インキ層20が積層される面側の表面における前記算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましい。
また、基材シート210の色と絵柄インキ層20の色との色差ΔE*が10以下であることが好ましく、また明度L*および彩度C*については、
−15≦L* 2−L* 1≦10、
−10≦C* 2−C* 1≦25
を満たすことが更に好ましい点についても、上記第1実施形態と同様である。
この様な第3実施形態に係る多孔化粧シート201においては、上記第1実施形態に係る多孔化粧シート1の効果と同様の各効果を得ることができる。
基材シート210は、内部に含まれるポリエステル繊維シート215(繊維シート)のために第1塩化ビニル系樹脂層14表面における算術平均粗さRaが大きくなる傾向がある。しかし、第1実施形態に係る基材シート内部に含まれる繊維シートがガラス繊維シート15である場合と比較するならば、ガラス繊維よりポリエステル繊維の方が軟らかいため、第3実施形態に係る基材シート210においては第1実施形態に係る基材シート10よりも第1塩化ビニル系樹脂層14表面における算術平均粗さRaを比較的小さなものとすることができる。
第1実施形態に係るガラス繊維シート15を含む多孔化粧シート1に対し、第3実施形態に係るポリエステル繊維シート215を含む多孔化粧シート201においてはさらに、ガラスに対してポリエステルは軽量であることから軽量化でき、上述の通り算術平均粗さRaを小さくすることができ、割れにくいため曲げ応力に対する耐性を上げることができるなどの利点を有する。
以上の通り、第3実施形態に係るポリエステル繊維シート215を含む多孔化粧シート201は、第1実施形態に係るガラス繊維シート15を含む多孔化粧シート1と遜色のない効果を奏するものである。
(第4実施形態)
図4に本発明の第4実施形態に係る多孔化粧シート301を示す。
第4実施形態に係る多孔化粧シート301は、基材シート310と絵柄インキ層120とを含み、基材シート310の一方の面に絵柄インキ層120が積層されている。そして多孔化粧シート301は、多孔化粧シート301を貫通する複数の貫通開口部30を有している。
第2実施形態に対しては、以下の通り基材シート310の構成が異なっている。絵柄インキ層120については第2実施形態と同様であり、その好ましい形態においては、含まれる樹脂(バインダー樹脂)が限定されている点においても第2実施形態と同様である。
<基材シート>
以下、第4実施形態に係る基材シート310について説明する。
第4実施形態に係る基材シート310は、基材シート310の絵柄インキ層120が積層される面側の最表面にアクリル系樹脂層である第1アクリル層12を有するものである。また、第3実施形態に係る基材シート210に含まれる第1塩化ビニル系樹脂層14の表面に対し、さらに第1アクリル層12(アクリル系樹脂層)が形成されたものということもできる。そのため基材シート310には第1アクリル層12(アクリル系樹脂層)も含まれている。また、ポリエステル繊維シート215に対し塩化ビニル系樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ポリエステル繊維シート215のポリエステル繊維間の空隙に塩化ビニル系樹脂を充填させて、ポリエステル繊維と塩化ビニル系樹脂とを複合一体化させたものの一方の面に存する第1塩化ビニル系樹脂層14の表面に、さらに第1アクリル層12を形成したものということもできる。基材シート310においては、その他方の面に存する第2塩化ビニル系樹脂層16の表面に、さらに第2アクリル層18が形成されていてもよい。
第2実施形態に係る基材シート110と比較するならば、基材シート110に含まれるガラス繊維シート15をポリエステル繊維シート215に置き換えたものが第4実施形態に係る基材シート310であるということもできる。
図4は、基材シート310に第1アクリル層12、および第2アクリル層18の両者が含まれる例の多孔化粧シート301の層構成の概略を示す概略断面図である。図4においては下側から、第2アクリル層18と、第2塩化ビニル系樹脂層16と、ポリエステル繊維シート215と、第1塩化ビニル系樹脂層14と、第1アクリル層12と、絵柄インキ層120と、がこの順に積層されている。なお上記積層順を乱さず、本発明の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
第4実施形態に係る基材シート310も第1実施形態に係る基材シート10と同様に貫通開口部30を有する。貫通開口部30の開口径や開口率については、上記第1実施形態に係る基材シート10(多孔化粧シート1)と同様である。また第1アクリル層12、および第2アクリル層18の材料や厚さはおよび平坦化層としても機能する点においては第2実施形態に係る基材シート110に含まれるものと同様であり、また基材シート310の厚さについても第2実施形態に係る基材シート110と同様である。
第4実施形態に係る多孔化粧シート301を構成する上記各要素、すなわち第2アクリル層18、第2塩化ビニル系樹脂層16、ポリエステル繊維シート215、第1塩化ビニル系樹脂層14、第1アクリル層12、絵柄インキ層120は各々、上記において同一符号を有する各要素の箇所で各説明したものと同様であるため、説明は省略する。
第4実施形態においても、基材シート310の絵柄インキ層120が積層される面側の表面、すなわち第1アクリル層12の表面における前記算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましい。
また、基材シート310の色と絵柄インキ層120の色との色差ΔE*が10以下であることが好ましく、また明度L*および彩度C*については、
−15≦L* 2−L* 1≦10、
−10≦C* 2−C* 1≦25
を満たすことが更に好ましい点についても、上記第1実施形態と同様である。
この様な第4実施形態に係る多孔化粧シート301においては、上記第2実施形態に係る多孔化粧シート101の効果と同様の各効果を得ることができる。
(第5実施形態)
図5に本発明の第5実施形態に係る多孔化粧シート401を示す。
第5実施形態に係る多孔化粧シート401は、基材シート410と絵柄インキ層20とを含み、基材シート410の一方の面に絵柄インキ層20が積層されている。そして多孔化粧シート401は、多孔化粧シート401を貫通する複数の貫通開口部30を有している。
第1実施形態に対しては、以下の通り基材シート410の構成が異なっている。絵柄インキ層20については、第1実施形態のものと同様である。
<基材シート>
以下、第5実施形態に係る基材シート410について説明する。
第5実施形態に係る基材シート410は、ガラス繊維シート15に対しポリオレフィン樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ガラス繊維シート15のガラス繊維間の空隙にポリオレフィン樹脂を充填させて、ガラス繊維とポリオレフィン樹脂とを複合一体化させたものである。
図5は上記多孔化粧シート401の層構成の概略を示す概略断面図である。上記の通り基材シート410はガラス繊維とポリオレフィン樹脂とを複合一体化させたものであるが、模式的にガラス繊維シート15の一方の面側のポリオレフィン樹脂を第1ポリオレフィン樹脂層414とし、ガラス繊維シート15の他方の面側のポリオレフィン樹脂を第2ポリオレフィン樹脂層416として表している。
第1実施形態に係る基材シート10と比較するならば、基材シート10に含まれる第1塩化ビニル系樹脂層14を第1ポリオレフィン樹脂層414に、第2塩化ビニル系樹脂層16を第2ポリオレフィン樹脂層416に、各々置き換えたものが第5実施形態に係る基材シート410であるということもできる。
図5においては下側から、第2ポリオレフィン樹脂層416と、ガラス繊維シート15と、第1ポリオレフィン樹脂層414と、絵柄インキ層20と、がこの順に積層されている。上記の通り実際には、ガラス繊維シート15のガラス繊維間の空隙にもポリオレフィン樹脂が充填されている。なお上記積層順を乱さず、本発明の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
上記の通り、基材シート410は、ガラス繊維とポリオレフィン樹脂とを複合一体化させたものである。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。中でも、優れた加工特性と、耐候性、耐傷性などの観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体が好ましく、その中でも、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のポリプロピレン樹脂がより好ましい。
なお前述の通り、基材シートの色と絵柄インキ層20の色とが近い色であることがより好ましい際には色の調整をする場合がある。ガラス繊維シート15に含侵させる樹脂がポリオレフィン樹脂である場合においても、上述した塩化ビニル系樹脂である場合と同様の理由で基材シート410の色として、ポリオレフィン樹脂(第1ポリオレフィン樹脂層414、および第2ポリオレフィン樹脂層416)の色が支配的となる。
ポリオレフィン樹脂の着色についても塩化ビニル系樹脂の場合と同様に、上記ポリオレフィン樹脂に着色剤を添加(混練、練り込み)、樹脂と着色剤とを含む塗料の塗布による塗膜の形成等の、いずれの手段を採用することができる。またガラス繊維シート15に含まれる上記ガラス繊維に着色剤を添加することも考えられ、これらいずれかの手段、又はこれらの併用により行うことができる。また着色剤としては、塩化ビニル系樹脂の着色剤として例示したものを用いることができる。
後述する第6実施形態、第7実施形態、および第8実施形態においてもガラス繊維シート15あるいはポリエステル繊維シート215に含侵させる樹脂はポリオレフィン樹脂である。上記各実施形態においても第5実施形態と同様に、基材シートの色として、ポリオレフィン樹脂(第1ポリオレフィン樹脂層414、および第2ポリオレフィン樹脂層416)の色が支配的となる。
第5実施形態に係る基材シート410も第1実施形態に係る基材シート10と同様に貫通開口部30を有する。貫通開口部30の開口径や開口率については、上記第1実施形態に係る基材シート10(多孔化粧シート1)と同様である。また基材シート410の厚さやそれに含まれるガラス繊維シート15についても、上記第1実施形態に係る基材シート10の厚さやそれに含まれるガラス繊維シート15と同様である。
第5実施形態においても第1実施形態と同様に、基材シート410の絵柄インキ層20が積層される面側の表面における前記算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましい。
また、基材シート410の色と絵柄インキ層20の色との色差ΔE*が10以下であることが好ましく、また明度L*および彩度C*については、
−15≦L* 2−L* 1≦10、
−10≦C* 2−C* 1≦25
を満たすことが更に好ましい点についても、上記第1実施形態と同様である。
この様な第5実施形態に係る多孔化粧シート401においては、上記第1実施形態に係る多孔化粧シート1の効果と同様の各効果を得ることができる。
第1実施形態に係る塩化ビニル系樹脂を含む多孔化粧シート1に対し、第5実施形態に係るポリオレフィン樹脂を含む多孔化粧シート401においてはさらに、ポリオレフィン樹脂は塩化ビニル系樹脂より軽量であることから軽量化でき、焼却時に有毒なガスを発生し難く、また製造時における環境負荷が小さいなどの利点を有する。
(第6実施形態)
図6に本発明の第6実施形態に係る多孔化粧シート501を示す。
第6実施形態に係る多孔化粧シート501は、基材シート510と絵柄インキ層120とを含み、基材シート510の一方の面に絵柄インキ層120が積層されている。そして多孔化粧シート501は、多孔化粧シート501を貫通する複数の貫通開口部30を有している。
第5実施形態に対しては、以下の通り基材シート510の構成が異なっている。絵柄インキ層120については第2実施形態と同様であり、その好ましい形態においては、含まれる樹脂(バインダー樹脂)が限定されている点においても第2実施形態と同様である。
<基材シート>
以下、第6実施形態に係る基材シート510について説明する。
第6実施形態に係る基材シート510は、基材シート510の絵柄インキ層120が積層される面側の最表面にアクリル系樹脂層である第1アクリル層12を有するものである。また、第5実施形態に係る基材シート410に含まれる第1ポリオレフィン樹脂層414の表面に対し、さらに第1アクリル層12(アクリル系樹脂層)が形成されたものということもできる。そのため基材シート510には第1アクリル層12(アクリル系樹脂層)も含まれている。また、ガラス繊維シート15に対しポリオレフィン樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ガラス繊維シート15のガラス繊維間の空隙にポリオレフィン樹脂を充填させて、ガラス繊維とポリオレフィン樹脂とを複合一体化させたものの一方の面に存する第1ポリオレフィン樹脂層414の表面に、さらに第1アクリル層12を形成したものということもできる。基材シート510においては、その他方の面に存する第2ポリオレフィン樹脂層416の表面に、さらに第2アクリル層18が形成されていてもよい。
図6は、基材シート510に第1アクリル層12、および第2アクリル層18の両者が含まれる例の多孔化粧シート501の層構成の概略を示す概略断面図である。図6においては下側から、第2アクリル層18と、第2ポリオレフィン樹脂層416と、ガラス繊維シート15と、第1ポリオレフィン樹脂層414と、第1アクリル層12と、絵柄インキ層120と、がこの順に積層されている。なお上記積層順を乱さず、本発明の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
第6実施形態に係る基材シート510も第2実施形態に係る基材シート110と同様に貫通開口部30を有する。基材シート510の貫通開口部30は、少なくとも第1アクリル層12および第2アクリル層18のいずれかを形成した後に形成してもよい。あるいは既に貫通開口部30を有する基材シートに対し少なくとも第1アクリル層12および第2アクリル層18のいずれかを貫通開口部30を有する様に形成してもよい。
貫通開口部30の開口径や開口率については、上記第1実施形態に係る基材シート10(多孔化粧シート1)と同様である。また第1アクリル層12、および第2アクリル層18の材料や厚さはおよび平坦化層としても機能する点においては第2実施形態に係る基材シート110に含まれるものと同様であり、また基材シート510の厚さについても第2実施形態に係る基材シート110と同様である。
第6実施形態においても、基材シート510の絵柄インキ層120が積層される面側の表面、すなわち第1アクリル層12の表面における前記算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましい。
また、基材シート510の色と絵柄インキ層120の色との色差ΔE*が10以下であることが好ましく、また明度L*および彩度C*については、
−15≦L* 2−L* 1≦10、
−10≦C* 2−C* 1≦25
を満たすことが更に好ましい点についても、上記第1実施形態と同様である。
以上説明した様に、第6実施形態においては、第5実施形態において得ることができる効果に加え、第1アクリル層12が平坦化層として機能することによる絵柄インキ層120の意匠再現性が向上する効果を得ることができる。また第2実施形態および第4実施形態と同様に、絵柄インキ層120がアクリル系樹脂を含む場合においてはさらに、基材シート510と絵柄インキ層120との密着性が向上するという効果を得ることができる。
すなわち、第6実施形態に係る多孔化粧シート501においても、上記第2実施形態に係る多孔化粧シート101の効果と同様の各効果を得ることができる。
(第7実施形態)
図7に本発明の第7実施形態に係る多孔化粧シート601を示す。
第7実施形態に係る多孔化粧シート601は、基材シート610と絵柄インキ層20とを含み、基材シート610の一方の面に絵柄インキ層20が積層されている。そして多孔化粧シート601は、多孔化粧シート601を貫通する複数の貫通開口部30を有している。
第5実施形態に対しては、以下の通り基材シート610の構成が異なっている。絵柄インキ層20については、第1実施形態のものと同様である。
<基材シート>
以下、第7実施形態に係る基材シート610について説明する。
第7実施形態に係る基材シート610は、ポリエステル繊維シート215に対しポリオレフィン樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ポリエステル繊維シート215のポリエステル繊維間の空隙にポリオレフィン樹脂を充填させて、ポリエステル繊維とポリオレフィン樹脂とを複合一体化させたものである。第5実施形態に係る基材シート410と比較するならば、基材シート410に含まれるガラス繊維シート15をポリエステル繊維シート215に置き換えたものが第7実施形態に係る基材シート610であるということもできる。
貫通開口部30の開口径や開口率については、上記第1実施形態、第3実施形態、第5実施形態に係る基材シート10、210、410(多孔化粧シート1、201、401)と同様である。また基材シート610の厚さについても基材シート10、210、410の厚さと同様である。
図7においては下側から、第2ポリオレフィン樹脂層416と、ポリエステル繊維シート215と、第1ポリオレフィン樹脂層414と、絵柄インキ層20と、がこの順に積層されている。なお上記積層順を乱さず、本発明の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
第7実施形態に係る多孔化粧シート601を構成する上記各要素、すなわち第2ポリオレフィン樹脂層416、ポリエステル繊維シート215、第1ポリオレフィン樹脂層414、絵柄インキ層20は各々、上記において同一符号を有する各要素の箇所で各説明したものと同様であるため、説明は省略する。
第7実施形態においても第1実施形態と同様に、基材シート610の絵柄インキ層20が積層される面側の表面における前記算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましい。
また、基材シート610の色と絵柄インキ層20の色との色差ΔE*が10以下であることが好ましく、また明度L*および彩度C*については、
−15≦L* 2−L* 1≦10、
−10≦C* 2−C* 1≦25
を満たすことが更に好ましい点についても、上記第1実施形態と同様である。
この様な第7実施形態に係る多孔化粧シート601においては、上記第1実施形態に係る多孔化粧シート1の効果と同様の各効果を得ることができる。
(第8実施形態)
図8に本発明の第8実施形態に係る多孔化粧シート701を示す。
第8実施形態に係る多孔化粧シート701は、基材シート710と絵柄インキ層120とを含み、基材シート710の一方の面に絵柄インキ層120が積層されている。そして多孔化粧シート701は、多孔化粧シート701を貫通する複数の貫通開口部30を有している。
第7実施形態に対しては、以下の通り基材シート710の構成が異なっている。絵柄インキ層120については第2実施形態と同様であり、その好ましい形態においては、含まれる樹脂(バインダー樹脂)が限定されている点においても第2実施形態と同様である。
<基材シート>
以下、第8実施形態に係る基材シート710について説明する。
第8実施形態に係る基材シート710は、基材シート710の絵柄インキ層120が積層される面側の最表面にアクリル系樹脂層である第1アクリル層12を有するものである。また、第7実施形態に係る基材シート610に含まれる第1ポリオレフィン樹脂層414の表面に対し、さらに第1アクリル層12(アクリル系樹脂層)が形成されたものということもできる。そのため基材シート710には第1アクリル層12(アクリル系樹脂層)も含まれている。また、ポリエステル繊維シート215に対しポリオレフィン樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ、ポリエステル繊維シート215のポリエステル繊維間の空隙にポリオレフィン樹脂を充填させて、ポリエステル繊維とポリオレフィン樹脂とを複合一体化させたものの一方の面に存する第1ポリオレフィン樹脂層414の表面に、さらに第1アクリル層12を形成したものということもできる。基材シート710においては、その他方の面に存する第2ポリオレフィン樹脂層416の表面に、さらに第2アクリル層18が形成されていてもよい。
図8は、基材シート710に第1アクリル層12、および第2アクリル層18の両者が含まれる例の多孔化粧シート701の層構成の概略を示す概略断面図である。図8においては下側から、第2アクリル層18と、第2ポリオレフィン樹脂層416と、ポリエステル繊維シート215と、第1ポリオレフィン樹脂層414と、第1アクリル層12と、絵柄インキ層120と、がこの順に積層されている。なお上記積層順を乱さず、本発明の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
第8実施形態に係る基材シート710も第4実施形態に係る基材シート310と同様に貫通開口部30を有する。基材シート710の貫通開口部30は、少なくとも第1アクリル層12および第2アクリル層18のいずれかを形成した後に形成してもよい。あるいは既に貫通開口部30を有する基材シートに対し少なくとも第1アクリル層12および第2アクリル層18のいずれかを貫通開口部30を有する様に形成してもよい。
貫通開口部30の開口径や開口率については、上記第1実施形態に係る基材シート10(多孔化粧シート1)と同様である。
また第1アクリル層12、および第2アクリル層18の材料や厚さはおよび平坦化層としても機能する点においては第2実施形態に係る基材シート110に含まれるものと同様であり、また基材シート710の厚さについても第2実施形態に係る基材シート110と同様である。
第8実施形態においても、基材シート710の絵柄インキ層120が積層される面側の表面、すなわち第1アクリル層12の表面における前記算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましい。
また、基材シート710の色と絵柄インキ層120の色との色差ΔE*が10以下であることが好ましく、また明度L*および彩度C*については、
−15≦L* 2−L* 1≦10、
−10≦C* 2−C* 1≦25
を満たすことが更に好ましい点についても、上記第1実施形態と同様である。
以上説明した様に、第8実施形態においては、第7実施形態において得ることができる効果に加え、第1アクリル層12が平坦化層として機能することによる絵柄インキ層120の意匠再現性が向上する効果を得ることができる。また第2実施形態、第4実施形態、第6実施形態と同様に、絵柄インキ層120がアクリル系樹脂を含む場合においてはさらに、基材シート710と絵柄インキ層120との密着性が向上するという効果を得ることができる。
すなわち、第8実施形態に係る多孔化粧シート701においても、上記第2実施形態に係る多孔化粧シート101の効果と同様の各効果を得ることができる。
以上、第1実施形態〜第8実施形態説明した様に、本発明の多孔化粧シートに係る基材シートは、ガラス繊維またはポリエステル繊維、および塩化ビニル系樹脂またはポリオレフィン樹脂を含むものである。上記各実施形態に係る基材シートがそのような構成であるため、上記各効果を得ることができると共に、高い不燃性能を有するため吸音膜天井材として好適に使用することできる。
〔多孔化粧シートの製造方法〕
(第1実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法)
次に、第1実施形態に係る多孔化粧シート1の製造方法の一例について図9を参照しながら説明する。
第1実施形態に係る多孔化粧シート1の製造方法は、ガラス繊維シート材料15sを準備する繊維シート準備工程と、ガラス繊維シート材料15sを塩化ビニルゾルに含侵し、第1塩化ビニル系樹脂層材料14sおよび第2塩化ビニル系樹脂層材料16sを形成し基材シート材料10sとする塩化ビニル系樹脂層形成工程と、基材シート材料10sに複数の貫通開口部30を形成し基材シート10とする貫通開口部形成工程と、第1塩化ビニル系樹脂層14の表面に絵柄インキ層20を形成する絵柄インキ層形成工程とを有し、多孔化粧シート1は複数の貫通開口部30を有する多孔化粧シートの製造方法である。
繊維シート準備工程は、ガラス繊維シート材料15sを市場などから入手し準備する(図9(a))。
次に塩化ビニル系樹脂層形成工程として、ガラス繊維シート材料15sを塩化ビニルプラスチゾル(塩化ビニル系樹脂)に浸漬し、塩化ビニルプラスチゾルを積層すると共にその一部を含浸後、加熱により樹脂を硬化させ、第1塩化ビニル系樹脂層材料14sおよび第2塩化ビニル系樹脂層材料16sを形成し基材シート材料10sとする(図9(b))。
上記において塩化ビニル系樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ第1塩化ビニル系樹脂層材料14sおよび第2塩化ビニル系樹脂層材料16sを形成する方法は、上記浸漬に限らず、真空状態を利用して積層すると共にその一部を含浸させる真空含浸法や、真空後に加圧を行う真空加圧含浸法など他の積層および含浸方法であっても良い。
次に貫通開口部形成工程として、基材シート材料10sに対し、例えば(熱)針突刺、ポンチ窄孔等の機械的窄孔加工、あるいは炭酸ガスレーザーによる窄孔加工などにより、複数の貫通開口部30を形成し基材シート10とする(図9(c))。
また全く異なる方法として、ガラス繊維シート材料15sあるいはポリエステル繊維シート材料215sとして繊維間の空隙が大きなものを選定し、塩化ビニル系樹脂層形成工程において塩化ビニルプラスチゾル(塩化ビニル系樹脂)に浸漬した後であっても、基材シート材料に貫通開口が残っている、すなわち貫通開口部が形成されているようにすることもできる。この方法であれば、そもそも貫通開口部形成工程が不要となるため、製造コストを低減することができ、また機械的加工によるバリの心配もない。また貫通開口部形成工程に起因する強度低下により膜天井としての要求性能が得られなくなるリスクを軽減することができる。
次に絵柄インキ層形成工程として、第1塩化ビニル系樹脂層14の表面に絵柄インキ層20を形成し、多孔化粧シート1を得る(図9(d))。基材シート10に形成された貫通開口部30は、絵柄インキ層20を形成後においても貫通開口として保たれており、すなわち多孔化粧シート1は複数の貫通開口部30を有する。
絵柄インキ層20を形成する方法は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、オフセット印刷法等の有版印刷法、インクジェット印刷法、各種転写印刷法等の無版印刷法等の各種印刷法が適用可能であるが、グラビア印刷法あるいはインクジェット印刷法が好ましく、とりわけグラビア印刷法が好ましい。高精細かつ階調表現の豊かな、すなわち高い意匠性を有する印刷が可能であり、また大量生産する場合には高速な印刷が可能であるため費用面で有利である。一方、インクジェット印刷法の場合には、絵柄インキ層20を形成しようとする面の平滑性が比較的悪くても適用でき、高精細な印刷が可能である。また段取り時間が短く機動性の高い印刷が可能であるため、少量生産に適している。インクジェット印刷法の一例としては、紫外線硬化型のインキを用い、EFI社製インクジェット印刷機 VUTEk GS5000rでの印刷を挙げることができる。
多孔化粧シート1の製造方法は上記一例に限定されるものではない。
上記第1実施形態に係る多孔化粧シート製造方法により得られた多孔化粧シート1についても、上記多孔化粧シート1について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法)
次に、第2実施形態に係る多孔化粧シート101の製造方法の一例について図10および図11を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る多孔化粧シート101の製造方法は、ガラス繊維シート材料15sを準備する繊維シート準備工程と、ガラス繊維シート材料15sを塩化ビニルゾルに含侵し、第1塩化ビニル系樹脂層材料14sおよび第2塩化ビニル系樹脂層材料16sを形成する塩化ビニル系樹脂層形成工程と、第1塩化ビニル系樹脂層材料14sの表面にアクリル系樹脂を含む材料を塗布し第1アクリル層材料12sを形成する、あるいは第1塩化ビニル系樹脂層材料14sおよび第2塩化ビニル系樹脂層材料16sの各表面にアクリル系樹脂を含む材料を塗布し第1アクリル層材料12sおよび第2アクリル層材料18sを形成するアクリル系樹脂層形成工程と、基材シート材料に複数の貫通開口部30を形成し基材シート10とする貫通開口部形成工程と、第1アクリル層12の表面に絵柄インキ層120を形成する絵柄インキ層形成工程とを有し、多孔化粧シート101は複数の貫通開口部30を有する多孔化粧シートの製造方法である。
すなわち、上記第1実施形態に係る多孔化粧シート1の製造方法に対し、アクリル系樹脂層形成工程が追加されている。
まず繊維シート準備工程(図10(a))を行い、次に塩化ビニル系樹脂層形成工程(図10(b))を行う点、およびその内容は、上記第1実施形態に係る多孔化粧シート1の製造方法と同様である。
塩化ビニル系樹脂層形成工程の次以降の工程は、下記2つの場合がある。1つ目は、先にアクリル系樹脂層形成工程を行い、後から貫通開口部形成工程を行う場合(「後開口の場合」と呼ぶことがある)である。2つ目は、先に貫通開口部形成工程を行い、後からアクリル系樹脂層形成工程を行う場合(「先開口の場合」と呼ぶことがある)である。いずれの場合であっても、その後に絵柄インキ層形成工程を行う。
まず後開口の場合、すなわち先にアクリル系樹脂層形成工程を行い、後から貫通開口部形成工程を行う場合について説明する。
後開口の場合におけるアクリル系樹脂層形成工程は、第1塩化ビニル系樹脂層材料14sおよび第2塩化ビニル系樹脂層材料16sの各表面にアクリル系樹脂を含む材料を塗布し第1アクリル層材料12sおよび第2アクリル層材料18sを形成し、基材シート材料110sを得る工程である(図10(c−1))。
次に貫通開口部形成工程を行う。後開口の場合における貫通開口部形成工程は、上記基材シート材料110sに対し、例えば(熱)針突刺、ポンチ窄孔等の機械的窄孔加工、あるいは炭酸ガスレーザーによる窄孔加工などにより、複数の貫通開口部30を形成し基材シート110とする工程である(図11(d))。
次に先開口の場合、すなわち先に貫通開口部形成工程を行い、後からアクリル系樹脂層形成工程を行う場合について説明する。
先開口の場合における貫通開口部形成工程は、塩化ビニル系樹脂層形成工程によって得られた、第2塩化ビニル系樹脂層材料16sと、ガラス繊維シート材料15sと、第1塩化ビニル系樹脂層材料14sとの積層体(図10(b))に対し、例えば(熱)針突刺、ポンチ窄孔等の機械的窄孔加工、あるいは炭酸ガスレーザーによる窄孔加工などにより、複数の貫通開口部30を形成する工程である(図11(c−2))。
次にアクリル系樹脂層形成工程を行う。先開口の場合におけるアクリル系樹脂層形成工程は、上記複数の貫通開口部30を形成された第2塩化ビニル系樹脂層材料16sと、ガラス繊維シート材料15sと、第1塩化ビニル系樹脂層材料14sとの積層体(図11(c−2))における第1塩化ビニル系樹脂層材料14sおよび第2塩化ビニル系樹脂層材料16sの各表面にアクリル系樹脂を含む材料を塗布し第1アクリル層材料12sおよび第2アクリル層材料18sを形成し、基材シート110とする工程である(図11(d))。
後開口、先開口のいずれの場合においても、第2アクリル層18(第2アクリル層材料18s)については必ずしも形成しないでも良い。
後開口、先開口のいずれの場合においても、アクリル系樹脂層形成工程における第1アクリル層12および第2アクリル層18は、通常はコーティング法あるいは印刷法、好ましくはコーティング法により形成される。
塗工厚が5μmを超えるような場合は各種印刷法では、例えばグラビア印刷法では塗工厚が安定しない、インクジェット印刷法においては全ベタ柄を印刷するため効率が悪い、など適当ではない。そのため塗工厚が5μmを超えるような場合は、全ベタ柄の厚塗りに適したコーティング法が好ましい。コーティング法においては、各種コーターを用いることができる。塗工厚が5μm以下の場合であれば例えばグラビア印刷法を用いても良い。
最後に絵柄インキ層形成工程として、第1アクリル層12の表面に絵柄インキ層20を形成し、多孔化粧シート101を得る(図11(e))。基材シート110に形成された貫通開口部30は、絵柄インキ層20を形成後においても貫通開口として保たれており、すなわち多孔化粧シート101は複数の貫通開口部30を有する。
絵柄インキ層20を形成する方法は、第1実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法と同様である。
多孔化粧シート101の製造方法は上記一例に限定されるものではない。
上記第2実施形態に係る多孔化粧シート製造方法により得られた多孔化粧シート101についても、上記多孔化粧シート101について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法)
次に、第3実施形態に係る多孔化粧シート201の製造方法の一例を説明する。
第3実施形態に係る多孔化粧シート201の製造方法は、第1実施形態に係る多孔化粧シート1の製造方法と工程としては同様である。
第1実施形態と異なる点は、繊維シート準備工程において最初に準備するのがガラス繊維シート材料15sではなく、ポリエステル繊維シート材料215sである点である。そのため塩化ビニル系樹脂層形成工程においては、ガラス繊維シート材料15sに替えポリエステル繊維シート材料215sを塩化ビニルプラスチゾル(塩化ビニル系樹脂)に浸漬し、以降は第1実施形態に係る多孔化粧シート1の製造方法と同様である。
多孔化粧シート201の製造方法は上記一例に限定されるものではない。
上記第3実施形態に係る多孔化粧シート製造方法により得られた多孔化粧シート201についても、上記多孔化粧シート201について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法)
次に、第4実施形態に係る多孔化粧シート301の製造方法の一例を説明する。
第4実施形態に係る多孔化粧シート301の製造方法は、第2実施形態に係る多孔化粧シート101の製造方法と工程としては同様である。
第2実施形態と異なる点は、繊維シート準備工程において最初に準備するのがガラス繊維シート材料15sではなく、ポリエステル繊維シート材料215sである点である。そのため塩化ビニル系樹脂層形成工程においては、ガラス繊維シート材料15sに替えポリエステル繊維シート材料215sを塩化ビニルプラスチゾル(塩化ビニル系樹脂)に浸漬し、以降は、後開口、先開口が選択的である点も含め第2実施形態に係る多孔化粧シート101の製造方法と同様である。
すなわち、第4実施形態に係る多孔化粧シート301の製造方法と第2実施形態に係る多孔化粧シート101の製造方法との差異は、第3実施形態に係る多孔化粧シート201の製造方法と第1実施形態に係る多孔化粧シート1の製造方法との差異と同様である。
多孔化粧シート301の製造方法は上記一例に限定されるものではない。
上記第4実施形態に係る多孔化粧シート製造方法により得られた多孔化粧シート301についても、上記多孔化粧シート301について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法)
次に、第5実施形態に係る多孔化粧シート401の製造方法の一例を説明する。
第5実施形態に係る多孔化粧シート401の製造方法は、ガラス繊維シート材料15sを準備する繊維シート準備工程と、ガラス繊維シート材料15sをポリオレフィンゾルに含侵し、第1ポリオレフィン樹脂層材料414sおよび第2ポリオレフィン樹脂層材料416sを形成し基材シート材料410sとするポリオレフィン樹脂層形成工程と、基材シート材料410sに複数の貫通開口部30を形成し基材シート410とする貫通開口部形成工程と、第1ポリオレフィン樹脂層414の表面に絵柄インキ層20を形成する絵柄インキ層形成工程とを有し、多孔化粧シート401は複数の貫通開口部30を有する多孔化粧シートの製造方法である。
第1実施形態と異なる点は、第1実施形態における塩化ビニル系樹脂層形成工程が、第5実施形態においてはポリオレフィン樹脂層形成工程に置き換わっている点である。
ポリオレフィン樹脂層形成工程は、一例として、上記準備したガラス繊維シート材料15sをポリエチレンプラスチゾル(ポリオレフィン樹脂)に浸漬し、ポリエチレンプラスチゾルを積層すると共にその一部を含浸後、加熱により樹脂を硬化させ、第1ポリオレフィン樹脂層414および第2ポリオレフィン樹脂層416を形成する工程である。上記においてポリオレフィン樹脂を積層すると共にその一部を含浸させ第1ポリオレフィン樹脂層414および第2ポリオレフィン樹脂層416を形成する方法は、上記浸漬に限らず、真空状態を利用して積層すると共にその一部を含浸させる真空含浸法や、真空後に加圧を行う真空加圧含浸法など他の積層および含浸方法であっても良い。
多孔化粧シート401の製造方法は上記一例に限定されるものではない。
上記第5実施形態に係る多孔化粧シート製造方法により得られた多孔化粧シート401についても、上記多孔化粧シート401について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法)
次に、第6実施形態に係る多孔化粧シート501の製造方法の一例を説明する。
第6実施形態に係る多孔化粧シート501の製造方法は、ガラス繊維シート材料15sを準備する繊維シート準備工程と、ガラス繊維シート材料15sをポリオレフィンゾルに含侵し、第1ポリオレフィン樹脂層材料414sおよび第2ポリオレフィン樹脂層材料416sを形成し基材シート材料410sとするポリオレフィン樹脂層形成工程と、第1ポリオレフィン樹脂層材料414sの表面にアクリル系樹脂を含む材料を塗布し第1アクリル層材料12sを形成する、あるいは第1ポリオレフィン樹脂層材料414sおよび第2ポリオレフィン樹脂層材料416sの各表面にアクリル系樹脂を含む材料を塗布し第1アクリル層材料12sおよび第2アクリル層材料18sを形成するアクリル系樹脂層形成工程と、基材シート材料に複数の貫通開口部30を形成し基材シート10とする貫通開口部形成工程と、第1アクリル層12の表面に絵柄インキ層120を形成する絵柄インキ層形成工程とを有し、多孔化粧シート101は複数の貫通開口部30を有する多孔化粧シートの製造方法である。
第2実施形態と異なる点は、第2実施形態における塩化ビニル系樹脂層形成工程が、第6実施形態においてはポリオレフィン樹脂層形成工程に置き換わっている点である。第2実施形態に係る多孔化粧シート101の製造方法における塩化ビニル系樹脂層形成工程をポリオレフィン樹脂層形成工程に置き換えれば、第6実施形態に係る多孔化粧シート501の製造方法は、後開口、先開口が選択的である点も含め第2実施形態に係る多孔化粧シート101の製造方法と同様である。
多孔化粧シート501の製造方法は上記一例に限定されるものではない。
上記第6実施形態に係る多孔化粧シート製造方法により得られた多孔化粧シート501についても、上記多孔化粧シート501について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法)
次に、第7実施形態に係る多孔化粧シート601の製造方法の一例を説明する。
第7実施形態に係る多孔化粧シート601の製造方法は、第5実施形態に係る多孔化粧シート401の製造方法と工程としては同様である。
第5実施形態と異なる点は、繊維シート準備工程において最初に準備するのがガラス繊維シート材料15sではなく、ポリエステル繊維シート材料215sである点である。そのため塩化ビニル系樹脂層形成工程においては、ガラス繊維シート材料15sに替えポリエステル繊維シート材料215sを塩化ビニルプラスチゾル(塩化ビニル系樹脂)に浸漬し、以降は第5実施形態に係る多孔化粧シート1の製造方法と同様である。
多孔化粧シート601の製造方法は上記一例に限定されるものではない。
上記第7実施形態に係る多孔化粧シート製造方法により得られた多孔化粧シート601についても、上記多孔化粧シート601について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(第8実施形態に係る多孔化粧シートの製造方法)
次に、第8実施形態に係る多孔化粧シート701の製造方法の一例を説明する。
第8実施形態に係る多孔化粧シート701の製造方法は、第6実施形態に係る多孔化粧シート501の製造方法と工程としては同様である。
第6実施形態と異なる点は、繊維シート準備工程において最初に入手するのがガラス繊維シート材料15sではなく、ポリエステル繊維シート材料215sである点である。
そのためポリオレフィン樹脂層形成工程においては、ガラス繊維シート材料15sに替えポリエステル繊維シート材料215sをポリエチレンプラスチゾル(ポリオレフィン樹脂)に浸漬し、以降は、後開口、先開口が選択的である点も含め第6実施形態に係る多孔化粧シート501の製造方法と同様である。
すなわち、第8実施形態に係る多孔化粧シート701の製造方法と第6実施形態に係る多孔化粧シート501の製造方法との差異は、第7実施形態に係る多孔化粧シート601の製造方法と第5実施形態に係る多孔化粧シート401の製造方法との差異と同様である。
多孔化粧シート701の製造方法は上記一例に限定されるものではない。
上記第8実施形態に係る多孔化粧シート製造方法により得られた多孔化粧シート701についても、上記多孔化粧シート701について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
以下本発明に係る実施例、比較例、およびその評価結果について説明する。
(実施例)
開口径約1mm、開口率約10%であるポリエステル繊維シートに軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾルを積層すると共にその一部を含浸させ、さらにアクリル層を両面に塗布し、実施例に係る基材シートを得た。該基材シートにおいては、開口径は100〜500μm、開口率は2.3%、表側表面の算術平均粗さRaは7.8μmであった。該基材シートの表面に対し、樹脂成分がアクリル樹脂であり、顔料が、C:銅フタロシアニン、M:Pigment Red122、Y:Pigment Yellow11、K:カーボンブラック、ホワイト:酸化チタンである紫外線硬化型のインキを用い、EFI社製インクジェット印刷機 VUTEk GS5000rにてインクジェット印刷を行い、実施例に係る多孔化粧シートを得た。
(比較例1)
実施例に係るポリエステル繊維シートに代えて、開口径約3mm、開口率約45%であるガラス繊維シートを用い、その他は実施例と同じようにして比較例1に係る基材シートを得た。該基材シートにおいては、開口径は2000〜2300μm、開口率は36%、表側表面の算術平均粗さRaは48.8μmであった。該基材シートの表面に対し、実施例と同様のインキ、印刷機を用いてインクジェット印刷を行い、比較例1に係る多孔化粧シートを得た。
(比較例2)
比較例1に係るガラス繊維シートに代えて、開口径約3mm、開口率約55%であるガラス繊維シートを用い、その他は実施例と同じようにして比較例2に係る基材シートを得た。該基材シートにおいては、開口径は2000〜2300μm、開口率は46%、表側表面の算術平均粗さRaは48.8μmであった。該基材シートの表面に対し、実施例と同様のインキ、印刷機を用いてインクジェット印刷を行い、比較例2に係る多孔化粧シートを得た。
(比較例3)
比較例1に係るガラス繊維シートに代えて、開口径約1mm、開口率約15%であるガラス繊維シートを用い、その他は実施例と同じようにして比較例3に係る基材シートを得た。該基材シートにおいては、開口径は500〜700μm、開口率は7%、表側表面の算術平均粗さRaは11.7μmであった。該基材シートの表面に対し、樹脂成分がアクリル樹脂であるインキを用いてグラビア印刷を行い、比較例3に係る多孔化粧シートを得た。
(比較例4)
比較例1に係るガラス繊維シートに代えて、開口径約2mm、開口率約20%であるガラス繊維シートを用い、その他は実施例と同じようにして比較例4に係る基材シートを得た。該基材シートにおいては、開口径は600〜800μm、開口率は9%、表側表面の算術平均粗さRaは41.9μmであった。該基材シートの表面に対し、比較例3と同様のインキ、印刷機を用いてグラビア印刷を行い、比較例4に係る多孔化粧シートを得た。
(比較例5)
比較例1に係るガラス繊維シートと同様(開口径約3mm、開口率約45%)のガラス繊維シートに、軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾルを積層すると共にその一部を含浸させるまでは比較例1と同様であるが、その両面へのアクリル層の塗布は行わずに比較例5に係る基材シートとした。該基材シートにおいては、開口径は2000〜2300μm、開口率は36%、表側表面の算術平均粗さRaは48.8μmであり、いずれも比較例1に係る基材シートと同様であった。該基材シートの表面に対し、比較例3と同様のインキ、印刷機を用いてグラビア印刷を行い、比較例5に係る多孔化粧シートを得た。
(比較例6)
実施例に係るポリエステル繊維シートと同様(開口径約1mm、開口率約10%)のポリエステル繊維シートに、軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾルを積層すると共にその一部を含浸させるまでは実施例と同様であるが、その両面へのアクリル層の塗布は行わずに比較例6に係る基材シートとした。該基材シートにおいては、開口径は100〜500μm、開口率は2.3%、表側表面の算術平均粗さRaは7.8μmであり、いずれも実施例に係る基材シートと同様であった。該基材シートの表面に対し、実施例と同様のインキ、印刷機を用いてインクジェット印刷を行い、比較例6に係る多孔化粧シートを得た。
(評価1:インキ被覆率)
各基材シートに対する印刷適性を評価するために、印刷後の各多孔化粧シートにおけるインキ被覆率を確認した。ここでは測定領域における、貫通開口部が設けられていない部分(枠体部)の面積に対する、絵柄インキ層が形成されている領域の面積の比率をインキ被覆率とし、評価においては、90%以上を○、80%以上90%未満を△、80%未満を×とした。
(評価2:インキ密着性)
各多孔化粧シートにおけるインキ密着性を以下の方法で確認した。多孔化粧シートにおける絵柄インキ層表面に対し、セロハンテープを貼り付け、90°方向の強剥離を1度行い、インキの剥離(取られ)が確認できないものを○、インキの剥離(取られ)が確認できたものを×とした。
(評価3:裏面汚染性)
各多孔化粧シートについて絵柄インキ層形成工程(印刷工程)における生産適性を評価するために、印刷後の各多孔化粧シートの裏面における貫通開口群を通過したインキの付着の有無を確認した。各多孔化粧シートの裏面において、絵柄インキ層が確認できないものを○、絵柄インキ層が確認できたものを×とした。
(評価4:弾性率評価)
評価に係る各多孔化粧シートに対し、多孔化粧シートを15cm×1cmに切出し、その長尺方向が伸び方向となる様に伸び計にセットして、チャック間距離100mm、速度50mm/minで0.25kNに達するまで引っ張ることにより弾性率を測定した。評価基準は以下の通りとした。弾性率17GPa以下:〇、弾性率が17GPaを超える:×。
(評価結果)
上記実施例、比較例に係る各条件、および上記評価1〜4に係る各結果を一覧にした表を図12に示す。実施例、比較例に係る各条件と、各評価結果とを比較すると、以下のことが確認される。
まず、評価2に係るインキ密着性の結果に注目すると、アクリル層が存在しない形態である比較例5および比較例6のみ×、アクリル層が存在する実施例、および比較例1〜4はいずれも○となっている。この結果から、アクリル系インキを用いた絵柄インキ層の密着性に関し、アクリル層は大きな効果を発揮していることが確認された。アクリル層が存在する形態においては、算術平均粗さRaが48.8μm(比較例1、2)の様に粗い場合や、また開口率が46%(比較例2)と高く印刷面積が少ない場合の様に、一般的に密着性において不利と考えられる条件であっても、良好な密着力が得られることが確認できた。
また、アクリル層が存在すれば、貫通開口部の開口径の2.3mm以下である多孔化粧シートについて、インキの密着性が良好であることが確認された。
また、アクリル層が存在すれば、貫通開口部の開口率が46%以下である多孔化粧シートについて、インキの密着性が良好であることが確認された。このことからインキの密着性の観点からは、貫通開口部の開口率は40%以下であることが好ましいということができる。
一方アクリル層が存在しない形態おいては、算術平均粗さRaが7.8μmの様に比較的平滑な場合や、また開口率が2.3%(いずれも比較例6)と低く印刷面積が十分である場合の様に、一般的に密着性において有利と考えられる条件であっても、十分な密着力が得られないことが確認された。以上から、アクリル系インキを用いた絵柄インキ層の形成におけるアクリル層の有用性が確認された。
上記の通り、アクリル層の有無は、それ以外のパラメーターの影響が分かり難くなる程の効果を奏する様である。そのため、評価1および評価3については、アクリル層が存在する形態のみに注目し、アクリル層の存在しない形態(比較例5、6)は評価対象から除外して考察する。
次に、評価1に係る印刷適性、すなわちインキ被覆率に注目すると、実施例のみ○、比較例3は△、その他(比較例1、2、4)は×となっている。上記結果は、印刷方式(インクジェット印刷、グラビア印刷)やその他のパラメーターとの相関は見られないが、算術平均粗さRaとの相関が見て取れる。すなわち、算術平均粗さRaについて、7.8μmで○、11.7μmで△、41.9μm以上で×となっている。このことから、アクリル層が存在する形態であっても、インキ被覆率すなわち印刷適性の観点からは算術平均粗さRaが10μm以下であることが好ましいことが確認された。
次に、評価3に係る生産適性、すなわち貫通開口群を通過したインキの付着による裏面汚染の有無に注目すると、比較例2のみ×で、それ以外は○となっている。上記結果は、印刷方式(インクジェット印刷、グラビア印刷)やその他のパラメーターとの相関は見られないが、開口率との相関が見て取れる。すなわち、開口率について、46%で×、36%以下で○となっている。このことから、アクリル層が存在する形態であっても、裏面汚染の有無すなわち生産適性の観点からは開口率が40%以下であることが好ましいことが確認された。
次に、評価4に係る弾性率評価、すなわち膜天井用化粧シートとして天井に施工する際の施工性に注目すると、比較例3のみ×で、それ以外は○となっている。評価に係る多孔化粧シートはいずれも軟質塩化ビニル系樹脂を使用しているものの、多孔化粧シートの弾性率は、基材シートに係るガラス繊維シート15あるいはポリエステル繊維シート215に大きく依存すると考えられる。比較例3においてはポリエステル繊維シート215に比べ弾性率の高いガラス繊維シート15を使用しており、その中では開口率が最も低い15%であるため、軟質塩化ビニル系樹脂を使用しているにも関わらず弾性率が17GPaを超えたものと考えられる。ガラス繊維シート15を使用したものであっても開口率が20%(比較例4)以上では○となり、またポリエステル繊維シート215を使用したものであれば開口率が10%(実施例、比較例6)においても○であることから、上記考えを裏付けるとともに、軟質塩化ビニル系樹脂を使用することの有用性が確認された。
以上の通り本発明の各効果を確認することができた。
以上、本発明に係る多孔化粧シート、および多孔化粧シートの製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係る多孔化粧シートは、生産性および意匠性に優れ、吸音性能あるいは通風性能も備えるため、吸音化粧シートあるいは工事現場などでは通風性メッシュシートとして利用することができる。またガラス繊維またはポリエステル繊維、および塩化ビニル系樹脂またはポリオレフィン樹脂を主成分とするため、高い不燃性能を有する。そのため吸音性能を有する膜天井用シートや吊り天井用シート、ブラインドなどとして好適に利用することができる。
1、101、201、301、401、501、601、701 多孔化粧シート
10、110、210、310、410、510、610、710 基材シート
12 第1アクリル層
14 第1塩化ビニル系樹脂層
15 ガラス繊維シート
16 第2塩化ビニル系樹脂層
18 第2アクリル層
20、120 絵柄インキ層
30 貫通開口部
31 枠体部
215 ポリエステル繊維シート
414 第1ポリオレフィン樹脂層
416 第2ポリオレフィン樹脂層

Claims (8)

  1. 基材シートと絵柄インキ層を含む多孔化粧シートであって、
    前記多孔化粧シートは、前記多孔化粧シートを貫通する複数の貫通開口部を有し、
    前記貫通開口部は、複数の貫通開口部から構成される貫通開口群の開口率が0.4%以上40%以下であり、開口径の平均が0.1mm以上2.3mm以下である多孔化粧シート。
  2. 下記関係式で規定される、前記基材シートと前記絵柄インキ層との色差ΔE*が10以下である請求項1に記載の多孔化粧シート。
    ここで、JIS Z8729に規定するL***表色系における、基材シートの色をL* 1* 1* 1、絵柄インキ層の色をL* 2* 2* 2とすると、
    ΔE*=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
    ΔL*=L* 2−L* 1
    Δa*=a* 2−a* 1
    Δb*=b* 2−b* 1
  3. さらに下記関係式を満たす請求項2に記載の多孔化粧シート。
    −15≦L* 2−L* 1≦10
    −10≦C* 2−C* 1≦25
    * 1=((a* 12+(b* 121/2
    * 2=((a* 22+(b* 221/2
  4. 前記貫通開口部は、開口率が0.4%以上8%以下であり、開口径の平均が100μm以上500μm以下である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多孔化粧シート。
  5. 前記基材シートは、ガラス繊維またはポリエステル繊維、および塩化ビニル系樹脂またはポリオレフィン樹脂を含む請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多孔化粧シート。
  6. 前記基材シートは、その前記絵柄インキ層が積層される面側の最表面にアクリル系樹脂層を有し、
    前記絵柄インキ層は、アクリル系樹脂を含む請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の多孔化粧シート。
  7. 前記基材シートの前記絵柄インキ層が積層される面側の表面におけるJIS B 0601:2013に規定する算術平均粗さRaが10μm以下である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多孔化粧シート。
  8. 前記基材シートは、軟質塩化ビニル系樹脂または軟質ポリオレフィン樹脂を含む請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の多孔化粧シート。
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