JP2021153047A - レドックスフロー電池用電解質膜、およびレドックスフロー電池 - Google Patents

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貴 小西
一直 松井
Kazunao Matsui
一直 松井
瑛子 吉岡
Eiko Yoshioka
瑛子 吉岡
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大輔 尾形
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大輔 出原
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Abstract

【課題】長期時間使用した場合においても高い電力効率と膜強度を維持可能なレドックスフロー電池用電解質膜を提供する。【解決手段】第1層の少なくとも片面に第2層が積層されているレドックスフロー電池用電解質膜であって、第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数の比が0.50以上0.80以下であるレドックスフロー電池用電解質膜。該電解質膜を用いて構成されてなるレドックスフロー電池。【選択図】なし

Description

本発明は、レドックスフロー電池用電解質膜、およびレドックスフロー電池に関するものである。
レドックスフロー電池とは、電気を蓄電及び放電するものであり、電気使用量の平準化のために使用される大型の定置用電池として注目を浴びている。レドックスフロー電池は、正極と正極活物質を含む正極電解液(正極セル)と、負極と負極活物質を含む負極電解液(負極セル)とを、隔膜で隔離した構造をしており、両活物質の酸化還元反応を利用して充放電を行う。該両活物質を含む電解液を、タンクから電解槽に流通させることで大容量化することができ、大型化に適している。電解液に含まれる活物質としては、例えば、鉄−クロム系、クロム−臭素系、亜鉛−臭素系や、電荷の違いを利用するバナジウム系などが用いられている。特に、バナジウム系二次電池は起電力が高く、バナジウムイオンの電極反応が速く、副反応である水素発生量が少なく、出力が高い等の利点を有するため、開発が本格的に進められている。
また、隔膜については、両極の活物質を含む電解液が混ざらないように工夫されている。しかしながら、従来の隔膜には、酸化されやすいこと、電気抵抗が充分に低くないこと等の問題点がある。電池の電流効率を上げるために、両極のセル電解液に含まれるそれぞれの活物質の透過を可能な限り防ぐことが要求されるが、一方で電荷を運ぶプロトンは充分透過しやすいという、イオン選択透過性に優れた隔膜が要求される。バナジウム型レドックスフロー電池では、負極セルにおけるバナジウムの2価(V2+)/3価(V3+)と、正極セルにおけるバナジウムの4価(V4+)/5価(V5+)の酸化還元反応を利用している。このように、正極セルと負極セルの電解液が同種の金属イオン種であるため、隔膜を透して電解液が混合されても、電気的プロセスによって再生可能であり、他の金属種に比べて大きな問題にはなり難い。しかし活物質が透過すると、蓄電された電荷が無駄になり電流効率が低下するため、活物質は透過しないほうが望ましい。
このような、レドックスフロー電池に用いられる高分子電解質膜として、米デュポン社製の“ナフィオン”(登録商標)に代表されるフッ素系高分子電解質膜を用いた膜を使用した例が報告されている。しかしながら、フッ素系高分子電解質膜は、本質的にバナジウムイオン透過が大きい。そのため、活物質であるバナジウムイオンが膜を通して他極へ透過することによる電流効率が低下するという課題があった。また、フッ素系高分子電解質膜は、破断強度が低いゴムのような材料のため、膜が変形しやすく機械耐久性が弱いという課題があった。また、当該課題を解決するために電解質膜を厚くすると、プロトン伝導度低下にともないレドックスフロー電池の抵抗が増加する問題もあった。
このような課題に対し、特許文献1ではフッ素系高分子電解質膜に替えて、薄膜であっても優れたバナジウムイオンバリア性と高い機械耐久性を有する炭化水素系高分子電解質膜が提案されている。
特許文献2では電解質膜と触媒層を非伝導性フッ素系ポリマーと伝導性フッ素系ポリマーからなる接着性促進層を配置し、プレスすることで、ポリマー電解質膜(PEM)と触媒層との間の物理的及び電気的な接触性を高めた触媒層付き電解質膜が提案されている。
特許文献3では、第一の層と第二の層からなるイオン伝導性膜において、第一の層がペルフルオロスルホン酸ポリマーを含み、第二の層がスルホン化炭化水素ポリマーを含むことで燃料電池における水素クロスオーバーを低減する電解質膜が提案されている。
特開2016−216826号公報 特表2008−512844号公報 特表2018−502629号公報
しかしながら、特許文献1に記載の炭化水素系高分子電解質膜は、耐酸化性が不十分であり、レドックスフロー電池では高電位の正極と電解質膜が直接接するため長時間駆動させた場合に、活物質のみならず電解質膜から直接電子が引き剥かれ、分子量が低下するため機械耐久性が低下するという問題があった。また炭化水素膜は機械特性が強い反面、変形しにくく、電解質膜と電極との接触面積が少なくなり、界面抵抗が増大するため、電圧効率(電力効率)が低下するという問題があった。
特許文献2に記載の電解質膜は、電極と電解質膜の接着向上のためにプレスするため、レドックスフロー電池に適用した場合、電解質膜と電極が直接接する部分が生じ、レドックスフロー電池のように電極が高電位になる場合に電解質膜から直接電子が引き剥かれ、分子量が低下するため機械耐久性が低下するという問題があった。また電極と電解質膜の接着性は優れるが、電解質膜と接着促進層間の接着性が不十分であり、レドックスフロー電池に適用した場合、剥離による電圧効率(電力効率)の低下が生じる。
特許文献3に記載の電解質膜は、総厚さ5μm〜50μmのうち第二の層である炭化水素系電解質膜の厚みが2μm以下であり、この電解質膜をレドックスフロー電池に適用した場合、バナジウムイオン透過性の増大に伴う電流効率(電力効率)の低下、および機械耐久性が低下するという課題があった。
本発明は、長期時間使用した場合においても高い電力効率と膜強度を維持可能なレドックスフロー電池用電解質膜を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は次の構成を有する。すなわち、
第1層の少なくとも片面に第2層が積層されているレドックスフロー電池用電解質膜であって、第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数の比が0.50以上0.80以下であるレドックスフロー電池用電解質膜、である。
本発明のレドックスフロー電池は次の構成を有する。すなわち、
上記電解質膜を用いて構成されてなるレドックスフロー電池、である。
本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は、さらに第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出される凝着力に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出される凝着力の比が2.0以上2.7以下であることが好ましい。
本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は、さらに前記ばね定数の比が0.50以上0.60以下であることが好ましい。
本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は、さらに凝着力の比が2.3以上2.7以下であることが好ましい。
本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は、前記第2層の厚みが第1層の厚みの1%以上30%以下であることが好ましい。
本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は、前記第1層がランダム共重合体である炭化水素系高分子電解質を主成分とすることが好ましい。
本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は、前記第1層がイオン性基を有するポリエーテルケトン系ポリマーを主成分とすることが好ましい。
本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は、前記第2層がフッ素系高分子電解質およびポリフッ化ビニリデンを主成分とすることが好ましい。
本発明のレドックスフロー電池用電解質膜は、示差走査熱量(DSC)測定での3rd runにおける最も低い結晶融解ピーク(Tm)が175℃未満であることが好ましい。
本発明のレドックスフロー電池は、電極の圧縮率が20%以上70%未満であることが好ましい。
本発明の電解質膜は、変形しやすい部分と、機械強度が強い部分を有するため、電極−電解質膜間の接触面積が増え、さらに膜の機械強度を両立することで、レドックスフロー電池を長期時間使用した場合においても高い電力効率と膜強度を維持可能とする。
フォースカーブの例である。
以下、本発明の、積層電解質膜について詳細に説明する。
〔第1層〕
本発明の第1層は、主たる電解質層であるためマクロな膜物性を決定する層である。変形しにくく、プロトン電導性が高く、バナジウム透過性が低い材料を選択することができる。
このような材料の一例としては、後述する炭化水素系高分子電解質膜を好ましく用いることができる。
〔第2層〕
本発明の第2層は、第1層の少なくとも片面に積層されており、電極と直接接する層を示す。第2層は変形しやすく、耐酸化性に強い材料を選択することができる。変形しやすい材料を積層することでセル組み時に膜と電極を圧縮した際に、電極との接触面積が増え、活物質と電子およびプロトンの移動をスムーズにすることにより電圧効率を上昇させることを可能とする。また正極と直接接する面は耐酸化性に強い材料を用いることで長時間運転した場合も膜の劣化防止が期待できる。
また第2層は第1層の両面に積層されていても良く、さらに電極との接触面積が増え、活物質と電子およびプロトンの移動をスムーズにすることにより電圧効率を上昇させることを可能とする。
第2層に使用する材料の一例としては、後述するフッ素系高分子電解質およびポリフッ化ビニリデンを主成分とする膜を好ましく用いることができる。
第2層の組成としては、フッ素系高分子電解質は10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。フッ素系高分子電解質割合がこの好ましい範囲であると膜抵抗を適正な値に制御できる。フッ素系高分子電解質は30質量%以上であることがさらに好ましい。フッ素系高分子電解質は90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。フッ素系高分子電解質割合がこの好ましい範囲であると第1層との接着性を良好にすることができる。かかる好ましい範囲とすることで、密着性とイオン伝導性が両立され、電力効率と耐久性の両立に効果がある。
本発明は炭化水素系高分子電解質からなる第1層を主たる電解質層とすることで、高い電流効率、機械強度を実現する。そのため、第2層の膜厚割合としては、第1層の厚みの30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。また、第2層の膜厚割合としては、第1層の厚みの1%以上が好ましく、5%以上がさらに好ましく10%以上が最も好ましい。第2層の膜厚割合下限がこの好ましい範囲であると、電極と接する部分の割合が適度で、電圧効率の低下を防ぐことができる。
このように変形しにくい主たる第1層の少なくとも片側に第2層に変形しやすい材料を積層することで、膜のマクロな物性としては変形しにくいが、局所的には変形しやすい部分ができるため、長期時間使用した場合においても高い電力効率と膜強度を維持可能とすることができる。
〔ばね定数比、凝着力比〕
本発明の電解質膜は、第1層の少なくとも片面に第2層が積層されているレドックスフロー電池用電解質膜であって、第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数の比が0.50以上0.80以下であるレドックスフロー電池用電解質膜である。
ばね定数が小さいということは、同じ力を加えた時に変形しやすいということを意味しており、第1層に対する第2層のばね定数比が小さいということは、第1層に対して第2層の方が変形しやすい膜であるということを意味している。
第2層を変形しやすくすることでセル組み時に膜と電極を圧縮した際に、電極との接触面積が増え、活物質と電子およびプロトンの移動をスムーズにすることにより電圧効率を上昇させることを可能とする。
第1層に対する第2層のばね定数比が0.50を下回ると正極の一部が第1層までおよぶ場合があり、膜の耐酸化性が低下する傾向にある。一方、0.80を上回ると電極との十分な接触面積が得られなくなり、電圧効率が低下する傾向にある。
第1層に対する第2層のばね定数比は0.50以上0.60以下であることがより好ましい。
さらに第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出される凝着力に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出される凝着力の比が2.0以上2.7以下であることが好ましい。
凝着力はAFMの探針を接触した後、引き離す際に働く力を示しており、凝着力が大きいということは、フロー電池のような流圧により電極が動きやすい電池においても電極との接触面積を長時間維持し、活物質と電子およびプロトンの移動をスムーズにすることにより電圧効率を安定させることを可能とする。
凝着力の比が2.0以上であると、電極と膜間に電解液が入り込み難く十分な接触面積が得られ、電圧効率が低下するのを有効に防ぐことができる。また凝着力の比が2.7以下であると、電解液の染み込みが良好で、プロトン伝導性が高く保たれ、電圧効率が低下するのを有効に防ぐことができる。
第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出される凝着力に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出される凝着力の比が2.0以上2.7以下であることが好ましく、2.3以上2.7以下であることがさらに好ましい。
上記凝着力の比が上記好ましい範囲であると、電極との接触が十分で電圧効率に優れ、一方、第1層に耐酸化性が低い材料を使用していた場合であっても長時間運転した場合の膜の劣化が起きにくい。
本発明におけるばね定数比と凝着力比は、例えばAFM(Bruker Corporation製Dimension Icon)を用い、PeakForce QNMモードにて測定を実施できる。得られたフォースカーブから付属の解析ソフト「NanoScope Analysis V1.40」を用いて求めることができる。
具体的にはまず電解質膜の第1層の測定面が上面に来るように両面テープを用いて試料台に固定した。この時、電解質膜は膜のみの状態であってもよいし、下部に支持基材などの異なる層を含む状態であっても測定に大きな影響はない。次いでPeakForce QNMモードのマニュアルに従い、カンチレバーの反り感度、バネ定数、先端曲率の校正を行った後、下記の条件にて測定を実施し、図1に示すようなフォースカーブを得る。図1において[1]のようにカンチレバーを下降(もしくは試料を上昇)することでカンチレバーと試料が接触し、[2]のように一定の傾きの正の力を受ける。この[2]の傾きをバネ定数とする。その後、ある一定の高さになった所でカンチレバーを上昇(もしくは試料を下降)することで[3]に示すように試料とカンチレバー間の力が次第に小さくなった後、負の力を受け、元の力に戻る。この時の負の力のピークと元の力との差を凝着力とする。なお、バネ定数および先端曲率は個々のカンチレバーによってバラつきを有するが、測定に影響しない範囲として、バネ定数0.3(N/m)以上0.5(N/m)以下、先端曲率半径15(nm)以下の条件を満たすカンチレバーを採用し、測定に使用する。得られたフォースカーブから異物を除く10点を任意に選び、それぞれのばね定数と凝着力を求めた後、測定点10点のばね定数の平均値、および凝着力の平均値を求め、これを第1層のばね定数と凝着力とする。
測定条件は下記に示す。
測定装置 :Bruker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
測定モード : PeakForce QNM(フォースカーブ法)
カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST−AIR
(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
測定範囲 : 5(μm)四方
分解能 : 512×512
カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
最大押し込み荷重 : 10(nN)。
次に第1層の測定と同様に、電解質膜の第2層の測定面が上面に来るように両面テープを用いて試料台に固定し、同様にフォースカーブを測定し、ばね定数の平均値と凝着力の平均値を求める。
第2層におけるばね定数の平均値を第1層におけるばね定数の平均値で除することでばね定数の比を求める。
また第2層における凝着力の平均値を第1層における凝着力の平均値で除することで凝着力の比を求める。
本発明の電解質膜は、第1層の両面に第2層が積層されているレドックスフロー電池用電解質膜であっても良い。この場合は、片面の第2層のみを除去させた後に、残りの 第2層と第1層を測定し、ばね定数の比、および凝着力の比を求める。
第2層を除去する方法は、例えば第2層のみを除去可能な薬液を用いたウェットエッチングや、プラズマ方式を用いたドライエッチング装置などを用いることで選択的に除去することができる。
〔炭化水素系高分子電解質膜〕
炭化水素系高分子電解質とは、イオン性基を有する炭化水素系ポリマーである。イオン性基を有する炭化水素系ポリマーとは、炭化水素を主構成単位とする主鎖を有するとともに、当該主鎖または側鎖にイオン性基が付与されたポリマーであって、当該主鎖または側鎖が実質的にフッ素化されていないものを指す。なお、ここで、実質的にフッ素化されていない、とは、当該主鎖または側鎖のごく一部にフッ素化された部分を有するポリマーを排除するものではない趣旨であり、具体的には、フッ素原子の含有率がポリマーの数平均分子量あたり5%未満の炭化水素系ポリマーも含まれる。
炭化水素系高分子電解質を構成する炭化水素系ポリマーとしては、特に芳香族炭化水素系ポリマーが好ましい。芳香族炭化水素系ポリマーとは、主鎖に芳香環を有する炭化水素骨格からなるポリマーであり、具体例としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリアリーレンエーテル系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリアリーレンケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレンホスフィンホキシド、ポリエーテルホスフィンホキシド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミドスルホンから選択される構造を芳香環とともに主鎖に有するポリマーが挙げられる。なお、ここでいうポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等は、その分子鎖にスルホン結合、エーテル結合、ケトン結合を有している構造の総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含む。炭化水素骨格は、これらの構造のうち複数の構造を有していてもよい。これらのなかでも、特にポリエーテルケトン構造を主鎖に有するポリマーが機械強度と耐薬品性の観点から最も好ましい。
高分子電解質のイオン性基は、プロトン交換能を有するイオン性基であればよい。このようなイオン性基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、カルボン酸基が好ましく用いられる。イオン性基はポリマー中に2種類以上含むことができる。中でも、高プロトン伝導度の点から、ポリマーは少なくともスルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基を有することがより好ましく、原料コストの点からスルホン酸基を有することが最も好ましい。
〔フッ素系高分子電解質〕
フッ素系高分子電解質とは、パーフルオロカーボンを主構成単位とする主鎖を有するとともに、当該主鎖または側鎖にイオン性基が付与されたポリマーである。このようなフッ素系高分子電解質としては、例えば、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)が挙げられる。中でも、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位と、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンの繰り返し単位とを有する共重合体が好ましい。このような共重合体の市販品としては、“ナフィオン”(登録商標)(デュポン社製)、“アクイヴィオン”(登録商標)(ソルベイ社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、トリフルオロスチレン等をベースポリマーとする樹脂などが挙げられる。耐熱性、化学的安定性などの発電性能上の観点からは、パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーから構成されるフッ素系高分子電解質が特に好ましい。
〔ポリフッ化ビニリデン〕
ポリフッ化ビニリデンとは、フッ化ビニリデンの単独重合体(すなわち、純粋なポリフッ化ビニリデン)のほか、フッ化ビニリデンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体も含むものとする。フッ化ビニリデンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、トリフロロエチレン、トリクロロエチレンあるいはフッ化ビニル等の一種類又は二種類以上を用いることができる。このようなポリフッ化ビニリデン系樹脂は、乳化重合または懸濁重合により得ることが可能である。
また、第2層で使用するポリフッ化ビニリデンとしては、共重合体であり、最も低い結晶融解ピークが150℃未満に現れる低融点のものを用いることが好ましい。低融点のものを用いることでさらに電極との接触面積が増え、レドックスフロー電池の電圧効率を上昇させることができる。ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量は30万以下が好ましく、10万以下がより好ましく、5万以下がさらに好ましい。
本発明の電解質膜は、示差走査熱量(DSC)測定での3rd runにおける最も低い結晶融解ピーク(Tm)が175℃未満であることが好ましい。より好ましくは160℃未満であり、さらに好ましくは150℃未満であり、さらに好ましくは140℃未満であり、最も好ましくは135℃未満である。上記好ましい範囲の場合、1層目と2層目が剥離することを有効に防止することができる。上記範囲内に電解質膜を設計するためには、2層目の非イオン伝導性のフッ素化ポリマーとして、融点175℃未満の結晶性のフッ素化ポリマーを使用すれば良い。なお、本発明においては融点がより低い方が1層目と2層目の密着性が向上する傾向があるため、ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーを用いることで層間の密着性が強固になる可能性があるためより好ましい。
〔電解質膜の製造方法〕
本発明の電解質膜の製造方法においては、第1工程として、炭化水素系高分子電解質からなる第1層を形成する。
第1層の形成方法の一例として、炭化水素系高分子電解質に含まれるイオン性基がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の陽イオンと塩を形成している状態で、電解質膜層を形成する工程と、イオン性基と塩を形成しているアルカリ金属またはアルカリ土類金属の陽イオンをプロトンと交換する工程とを、この順に有することにより第1層を形成できる。以下、この形成方法について説明する。なお、イオン性基がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の陽イオンと塩を形成している状態にある高分子電解質を、以下、「塩型の高分子電解質」と表記する。
第1層の形成方法においては、塩型の高分子電解質からなる電解質層を形成した後に、イオン性基と塩を形成しているアルカリ金属またはアルカリ土類金属の陽イオンをプロトンと交換する工程を有する。この工程は、高分子電解質材料を酸性水溶液と接触させる工程であることが好ましい。また、当該接触は、複合層を酸性水溶液に浸漬する工程であることがより好ましい。この工程においては、酸性水溶液中のプロトンがイオン性基とイオン結合している陽イオンと置換されるとともに、残留している水溶性の不純物や、残存モノマー、溶媒、残存塩などが同時に除去される。酸性水溶液は特に限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸、クエン酸などを用いることが好ましい。酸性水溶液の温度や濃度等も適宜決定すべきであるが、生産性の観点から0℃以上80℃以下の温度で、3質量%以上、30質量%以下の硫酸水溶液を使用することが好ましい。
また、第2層の形成方法の一例として、形成した第1層上にフッ素系高分子電解質とポリフッ化ビニリデンからなる電解質層を形成する。乾燥後も積層電解質膜内に製膜溶媒が残存する場合は純水や温水により水洗することが好ましい。
第1層を形成する際に使用する溶媒は、ポリマー種によって適宜選択することができる。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホントリアミド等の非プロトン性極性溶媒、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられる。また、これらの溶媒を二種以上の混合した混合溶媒を用いてもよい。
また、粘度調整のため、メタノール、エタノール、1‐プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、パークロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ヘキサフルオロイソプロピルアルコールなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ化炭化水素系溶媒、水などの各種低沸点溶剤を溶媒に混合することもできる。
第2層を形成する際に使用する溶媒としては、第1層と第2層の界面近傍に相互侵入領域を形成し、接着性を向上させる観点から。第1層成分を溶解可能な溶媒が好ましい。そのため、炭化水素系高分子電解質と相性のよい、非プロトン性極性溶媒を用いることが好ましく、第1層製膜時に使用した溶媒を用いることがさらに好ましい。
界面近傍の相互侵入領域とは、第1層成分のみで形成される層と、第2層成分のみで形成される層に挟まれ、かつ少なくとも炭化水素系高分子電解質と、ポリフッ化ビニリデンおよびフッ素系高分子電解質から選ばれる少なくとも一種を含む領域である。
使用する塩型の高分子電解質溶液の濃度は、3〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。溶液粘度が上記好ましい範囲であると溶液の滞留性が良好で、液流れが生じない。一方、電解質膜の表面平滑性も良好である。
第1層、第2層を形成時に使用する高分子電解質溶液を流延塗布する方法としては、ナイフコート、ダイレクトロールコート、マイヤーバーコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、スプレーコート、刷毛塗り、ディップコート、ダイコート、バキュームダイコート、カーテンコート、フローコート、スピンコート、スクリーン印刷、インクジェットコートなどの手法が適用できる。
溶媒の乾燥は、乾燥の方法は基材の加熱、熱風、赤外線ヒーター等の公知の方法が選択できる。乾燥温度は、高分子電解質の分解を考慮して200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、110℃以下がさらに好ましい。
電解質膜中には、機械的強度の向上およびイオン性基の熱安定性向上、耐水性向上、耐溶剤性向上、耐ラジカル性向上、塗液の塗工性の向上、保存安定性向上などの目的のために、架橋剤や通常の高分子化合物に使用される結晶化核剤、可塑剤、安定剤、離型剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、無機微粒子などの添加剤を、本発明の目的に反しない範囲で添加することができる。
本発明の電解質膜は、種々の用途に適用可能である。例えば、人工皮膚などの医療用途、ろ過用途、耐塩素性逆浸透膜などのイオン交換樹脂用途、各種構造材用途、電気化学用途、加湿膜、防曇膜、帯電防止膜、脱酸素膜、太陽電池用膜、ガスバリアー膜に適用可能である。中でも種々の電気化学用途により好ましく利用できる。電気化学用途としては、例えば、固体高分子形燃料電池、レドックスフロー電池、電気化学式水素ポンプ、水素精製装置、水電解装置、クロロアルカリ電解装置が挙げられるが、特にレドックスフロー電池に好ましく利用できる。
<レドックスフロー電池>
本実施形態に係るレドックスフロー電池は、炭素電極を含む正極を有する正極セル室と、炭素電極を含む負極を有する負極セル室と、前記正極セル室と前記負極セル室とを隔離分離させるレドックスフロー電池用電解質膜と、を含む電解槽を備え、前記レドックスフロー電池用電解質膜は、第1層の少なくとも片面に第2層が積層されているレドックスフロー電池用電解質膜であって、第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数の比が0.50以上0.80以下であるレドックスフロー電池用電解質膜である。
正極セル室は正極活物質を含む正極電解液を流通させ、前記負極セル室は負極活物質を含む負極電解液を流通させ、前記電解液中の前記正極活物質及び前記負極活物質の価数変化に基づき充放電が起こる。
本実施形態のレドックスフロー二次電池は、炭素電極からなる正極を含む正極セル室と、炭素電極からなる負極を含む負極セル室と、前記正極セル室と、前記負極セル室とを隔離分離させる、隔膜としての電解質膜と、を含む電解槽を有し、前記正極セル室は活物質を含む正極電解液を、前記負極セル室は活物質を含む負極電解液を含む。活物質を含む正極電解液及び負極電解液は、例えば、正極電解液タンク及び負極電解液タンクによって貯蔵され、ポンプ等によって各セル室に供給される。
本実施形態に係るレドックスフロー電池は、液透過性で多孔質の炭素電極(負極用、正極用)を隔膜の両側にそれぞれ配置し、押圧でそれらを挟み、隔膜で仕切られた一方を正極セル室、他方を負極セル室とし、スペーサーで両セル室の厚みを確保した構造を有するものとすることができる。押圧で挟む際に多孔質の炭素電極が圧縮されるが、この際に電解質膜も同時に変形することで電極との接触面積が増え、電極を流れる活物質と電子の移動、およびプロトンの移動をスムーズにすることにより電圧効率を向上させることを可能とする。
多孔質の炭素材料としては、公知の電極を利用できる。例えば炭素繊維を主体とするもの、例えば、不織布(カーボンフェルト)やペーパーが挙げられる。カーボンフェルト製の電極を利用すると、(1)電解液に水溶液を用いた場合において充電時に酸素発生電位になっても、酸素ガスが発生し難い、(2)表面積が大きい、(3)電解液の流通性に優れる、といった効果がある。中でも不織布(カーボンフェルト)と本発明の電解質膜を組み合わせることで前述した電圧効率を向上させる上で好ましい。
電極の圧縮率は20%以上70%未満であることが好ましい。電極の圧縮率が上記好ましい範囲であると、電極の空隙率が適度で活物質が電極に保持されるとともに電子伝導パスが適正な範囲に保たれ、電圧効率が向上する。
バナジウム型レドックスフロー電池において、正極セル室には、バナジウム4価(V4+)及び同5価(V5+)を含む硫酸電解液からなる正極電解液を、負極セル室には、バナジウム3価(V3+)及び同2価(V2+)を含む負極電解液を流通させることにより、電池の充電及び放電が行われる。このとき、充電時には、正極セル室においては、バナジウムイオンが電子を放出するためV4+がV5+に酸化され、負極セル室では外路を通じて戻って来た電子によりV3+がV2+に還元される。この酸化還元反応では、正極セル室ではプロトン(H)が過剰になり、隔膜は正極セル室の過剰なプロトンを選択的に負極室に移動させ電気的中性が保たれる。放電時には、この逆の反応が進む。
レドックスフロー電池の充放電における蓄電性能は、エネルギー効率によって判断することができる。低い内部抵抗と活物質の透過阻止の両方が達成された膜を用いたレドックスフロー電池では、活物質に蓄えられた電荷量が無駄なく取り出され、単位電荷量あたりの内部抵抗ロスも抑制されるため、最終的な電池の蓄電性能(エネルギー効率)が向上する。レドックスフロー電池の運転中、活物質が隔膜を通過すると、充電によって価数が変化したイオンが放電に寄与することができなくなるため、電流効率が減少する。本実施形態のレドックスフロー電池用隔膜を利用することで、活物質の透過が抑制されるため、高い電流効率での運転が可能となる。
一方、レドックスフロー電池の内部抵抗は膜のプロトン透過性に依存し、プロトン透過性が高い膜を利用することで、電池の内部抵抗が低減される。内部抵抗が低減されると、充電時には必要となる電圧が下がり、放電時にはより高電圧での運転が可能となる。
前述したとおり、本実施形態のレドックスフロー電池用隔膜は、内部抵抗を低く保ちながら活物質の透過抑制による高電流効率を達成しており、最終的に得られるレドックスフロー電池のエネルギー効率が高い。
バナジウム型レドックスフロー電池の場合、特に負極セル室のV2+が正極セル室に移動することが電流効率を低減させることが知られている。また正極セル室のV5+が正極セル室に移動することが炭化水素系の電解質膜の劣化を促進していることが知られている。そのため、負極側に変形しにくい第1層を設けることで、V2+の移動を抑制し、正極側に第2層が配置していることで劣化を抑制することが可能となる。このように構成されていることで、本実施形態のバナジウム型レドックスフロー電池は、高いエネルギー効率および耐久性を発揮する。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
評価方法
各物性の測定条件は次の通りである。
(1)ポリマーの分子量
ポリマー溶液の数平均分子量及び重量平均分子量をGPCにより測定した。紫外検出器と示差屈折計の一体型装置として東ソー(株)製HLC−8022GPCを、またGPCカラムとして東ソー(株)製TSK gel SuperHM−H(内径6.0mm、長さ15cm)2本を用い、N−メチル−2−ピロリドン溶媒(臭化リチウムを10mmol/L含有するN−メチル−2−ピロリドン溶媒)にて、流量0.2mL/minで測定し、標準ポリスチレン換算により数平均分子量及び重量平均分子量を求めた。
(2)イオン交換容量(IEC)
中和滴定法により測定した。測定は3回実施し、その平均値を取った。
1)プロトン置換し、純水で十分に洗浄した測定試料の表面の水分を拭き取った後、100℃にて12h以上真空乾燥し、乾燥重量を求めた。
2)電解質に5質量%硫酸ナトリウム水溶液を50mL加え、12h静置してイオン交換した。
3)0.01mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて、生じた硫酸を滴定した。指示薬として市販の滴定用フェノールフタレイン溶液0.1w/v%を加え、薄い赤紫色になった点を終点とした。
4)IECは下記式により求めた。
IEC(meq/g)=〔水酸化ナトリウム水溶液の濃度(mmol/mL)×滴下量(mL)〕/試料の乾燥重量(g)。
(3)膜厚
(株)ミツトヨ製グラナイトコンパレータスタンドBSG−20にセットしたミツトヨ社製ID−C112型を用いて測定した。
膜厚は電解質膜を10cm各にカットし、MD方向で端から5cm、TD方向で端から1cm、3cm、5cm、7cm、9cmの箇所と、TD方向で端から5cm、MD方向で端から1cm、3cm、5cm、7cm、9cmの箇所をそれぞれで測定し、それら9点の平均値を求める。その平均値を電解質膜の膜厚と定義する。
(4)融点(Tm)
電解質膜を、JIS K 7121(1987)およびJIS K 7122(1987)に準じて、測定装置には日立ハイテクノロジー(株)製示差走査熱量測定装置“温度変調DSC7000X”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて測定した。得られた3rd runの結果において最も低い結晶融解ピーク温度を融点の値として採用した。
サンプル量:10mg
昇温、降温速度:10℃/min
測定モード:ランプモード
測定プログラム:
1st run:25℃〜120℃、60分ホールド
2nd run:120℃〜25℃ 10分ホールド
3rd run:25℃〜210℃ 0分ホールド
4th run:210℃〜25℃ 10分ホールド
(5)ばね定数比、凝着力比の測定
まずAFM(Bruker Corporation製 Dimension Icon)を用い、PeakForce QNMモードにて得られたフォースカーブから付属の解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」を用いて、PeakForceQNMモードのマニュアルに従い、カンチレバーの反り感度、バネ定数、先端曲率の校正を行った。なお、バネ定数0.4(N/m)のカンチレバーを用いた。
次に電解質膜の第1層の測定面が上面に来るように両面テープを用いて試料台に固定し、以下の測定条件によりフォースカーブの測定を行った。
測定装置 :Bruker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
測定モード : PeakForceQNM(フォースカーブ法)
カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST−AIR
(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
測定範囲 : 5(μm)四方
分解能 : 512×512
カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
最大押し込み荷重 : 10(nN)。
得られたフォースカーブから異物を除く10点を任意に選び、測定点10点のばね定数の平均値、および凝着力の平均値を求め、これを第1層のばね定数と凝着力とした。
次いで、電解質膜の第2層の測定面が上面に来るように両面テープを用いて試料台に固定し、第1層同様に測定して得られたフォースカーブから異物を除く10点を任意に選び、測定点10点のばね定数の平均値、および凝着力の平均値を求め、これを第2層のばね定数と凝着力とした。
第2層におけるばね定数の平均値を第1層におけるばね定数の平均値で除することでばね定数の比を求めた。
また第2層における凝着力の平均値を第1層における凝着力の平均値で除することで凝着力の比を求めた。
なお、第2層を有しない膜については、第1層の片面を測定した後、もう片方の面を第2層としてばね定数比と凝着力比を算出した。
(6)レドックスフロー電池充放電試験
実施例および比較例で製膜した電解質膜のそれぞれにつき、充放電試験を以下のように行った。
電解質膜を、カーボンフェルト(厚さ3.0mm)からなる2枚の炭素電極材料で
挟み込み、評価用セルを組み立てた。この評価用セルは、有効電極面積50cm2を有する小型のセルとしており、各極に電解液を供給するための配管を有している。各極の電解液は、セルに設けられた配管を通じて各電極を構成する炭素電極材料に供給され、この炭素電極材料内の空隙を通過することになる。
定電流密度で充放電を繰り返し、電解質膜性能のテストを行った。充放電時の電流密度は80mA/cmとした。充電時の上限電圧は1.55V、放電時の下限電圧は1.0Vとした。正極電解液には1.7mol/Lのオキシ硫酸バナジウムの4.3mol/L硫酸水溶液を用い、負極電解液には1.7mol/Lの硫酸バナジウムの4.3mol/L硫酸水溶液を用いた。電解液量は正負極ともに50mLとした。液流量は毎分40mLとし、35℃の恒温槽内で1,000サイクルまで試験を行った。ただし、1サイクル目の放電容量を基準とし、30%容量が低下した時点で電解液をタンクから抜き取り、新品に交換して試験を行った。
ここで、充放電テストにおいて、電極面積当たりの電流密度を80mA/cm(4,000mA)として、1.55Vまでの充電に要した電気量をQ1クーロン、1.0Vまでの定電流放電で取りだした電気量をQ2クーロンとした。また1.55Vまでの充電に要した電力量をW1とし、1.0Vまでの定電流放電で取りだした電気量をW2とした。
そして、これらQ1、Q2、およびW1、W2を用いて、下記式に基づき5サイクル目の電流効率、電力効率、電圧効率を初期性能として求めた。また1,000サイクル後の電力効率を求めた。
電流効率=Q2×100/Q1
電力効率=W2×100/W1
電圧効率=電力効率/電流効率
(7)引張強度測定
(6)において1,000サイクルまで試験を行った後、評価セル内の電解液を抜き取り、純水を1時間流して洗浄後、セルを解体し、電解質膜を取り出し、ドラフトチャンバー内で1晩乾燥させた。
乾燥後の高分子電解質膜を25℃、60%RHに24時間放置した後、装置にセットし、以下の条件にて引張強度測定を行った。引張強度は、試験回数5回の平均値で算出した。
測定装置:オートグラフAG−IS((株)島津製作所製)
荷重:100N
引張速度:10m m/min
試験片:幅5mm×長さ50mm
サンプル間距離:30mm
試験温度:23℃、相対湿度50%
試験数:n=5
合成例
[合成例1] ブロックコポリマーの合成
(下記一般式(G1)で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン(K−DHBP)の合成)
Figure 2021153047
攪拌器、温度計及び留出管を備えた500mLフラスコに、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン49.5g、エチレングリコール134g、オルトギ酸トリメチル96.9g及びp−トルエンスルホン酸1水和物0.50gを仕込み溶解する。その後78〜82℃で2時間保温攪拌した。更に、内温を120℃まで徐々に昇温、ギ酸メチル、メタノール、オルトギ酸トリメチルの留出が完全に止まるまで加熱した。この反応液を室温まで冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を5%炭酸カリウム水溶液100mLで洗浄し分液後、溶媒を留去した。残留物にジクロロメタン80mLを加え結晶を析出させ、濾過し、乾燥して2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン52.0gを得た。
(下記一般式(G2)で表されるジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの合成)
Figure 2021153047
4,4’−ジフルオロベンゾフェノン109.1g(アルドリッチ試薬)を発煙硫酸(50%SO)150mL(和光純薬試薬)中、100℃で10h反応させた。その後、多量の水中に少しずつ投入し、NaOHで中和した後、食塩200gを加え合成物を沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、エタノール水溶液で再結晶し、上記一般式(G2)で示されるジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを得た。
(下記一般式(G3)で表されるイオン性基を含有しないオリゴマーa1’の合成)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1,000mL三口フラスコに、炭酸カリウム16.59g(アルドリッチ試薬、120mmol)、K−DHBP25.8g(100mmol)および4,4’−ジフルオロベンゾフェノン20.3g(アルドリッチ試薬、93mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中にて160℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のメタノールで再沈殿することで精製を行い、イオン性基を含有しないオリゴマーa1(末端ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は10,000であった。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム1.1g(アルドリッチ試薬、8mmol)、イオン性基を含有しない前記オリゴマーa1(末端ヒドロキシル基)を20.0g(2mmol)を入れ、窒素置換後、NMP100mL、シクロヘキサン30mL中にて100℃で脱水後、昇温してシクロヘキサン除去し、デカフルオロビフェニル4.0g(アルドリッチ試薬、12mmol)を入れ、105℃で1時間反応を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、下記式(G3)で示されるイオン性基を含有しないオリゴマーa1’(末端フルオロ基)を得た。数平均分子量は11,000であり、イオン性基を含有しないオリゴマーa1’の数平均分子量は、リンカー部位(分子量630)を差し引いた値10,400と求められた。
Figure 2021153047
(下記一般式(G4)で表されるイオン性基を含有するオリゴマーa2の合成)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1,000mL三口フラスコに、炭酸カリウム27.6g(アルドリッチ試薬、200mmol)、K−DHBP12.9g(50mmol)および4,4’−ビフェノール9.3g(アルドリッチ試薬、50mmol)、ジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン39.3g(93mmol)、および18−クラウン−6、17.9g(和光純薬82mmol)を入れ、窒素置換後、NMP300mL、トルエン100mL中にて170℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、下記式(G4)で示されるイオン性基を含有するオリゴマーa2(末端ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は16,000であった。
Figure 2021153047
(式(G4)において、Mは、NaまたはKを表す。)。
(イオン性基を含有するセグメント(A1)としてオリゴマーa2、イオン性基を含有しないセグメント(A2)としてオリゴマーa1、リンカー部位としてオクタフルオロビフェニレンを含有するブロックポリマーb1の合成)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム0.56g(アルドリッチ試薬、4mmol)、イオン性基を含有するオリゴマーa2(末端ヒドロキシル基)16g(1mmol)を入れ、窒素置換後、NMP100mL、シクロヘキサン30mL中にて100℃で脱水後、昇温してシクロヘキサン除去し、イオン性基を含有しないオリゴマーa1’(末端フルオロ基)11g(1mmol)を入れ、105℃で24時間反応を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、ブロックコポリマーb1を得た。重量平均分子量は34万であった。
ブロックコポリマーb1そのものを高分子電解質膜とし、10質量%硫酸水溶液に80℃で24時間浸漬してプロトン置換、脱保護反応した後に、大過剰量の純水に24時間浸漬して充分洗浄したときの、中和滴定から求めたイオン交換容量は2.12meq/gであった。
[合成例2] ランダムコポリマーの合成
(式(G1)で表されるモノマーと4,4’−ジフルオロベンゾフェノンと式(G2)で表されるモノマーからなるポリケタールケトンランダムコポリマーの合成)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム13.82g(アルドリッチ試薬、100mmol)、前記合成例1の中間生成物として得たK−DHBP20.66g(80mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン10.5g(アルドリッチ試薬、48mmol)、および前記合成例1の中間生成物として得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン13.5g(32mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(以下、NMP)100mL、トルエン50mL中で180℃で脱水後、昇温してトルエン除去、230℃で6時間重合を行った。多量の水で再沈殿することで精製を行い、ポリケタールケトンランダム共重合体を得た。重量平均分子量は25万であった。
ランダムコポリマーr1そのものを高分子電解質膜とし、10質量%硫酸水溶液に80℃で24時間浸漬してプロトン置換、脱保護反応した後に、大過剰量の純水に24時間浸漬して充分洗浄したときの、中和滴定から求めたイオン交換容量は1.51meq/gであった。
[実施例1]
合成例1にて得た20gのブロックコポリマーを80gのNMPに溶解、拌機で20,000rpm、1時間撹拌しポリマー濃度20質量%の透明な高分子電解質溶液を調整した。
得られた高分子電解質溶液を、ガラス繊維フィルターを用いて加圧ろ過後、アプリケーターを用い、高分子電解質溶液をPET基板上に流延塗布し、100℃にて4h乾燥し、フィルム状の重合体を得た。10質量%硫酸水溶液に80℃で24時間浸漬してプロトン置換、脱保護反応した後に、大過剰量の純水に24時間浸漬して充分洗浄し、室温乾燥することで、第1層(膜厚50μm)を得た。
得られた第1層の片面に、フッ素系高分子電解質として“Nafion”(登録商標)(市販のChemours社製D2020溶液をNMP置換して使用)とポリフッ化ビニリデンとして市販の(株)クレハ製“クレハKFポリマー”(登録商標)W#7305をNMPに溶解した高分子電解質溶液(固形分比率:フッ素系高分子電解質/ポリフッ化ビニリデン=60質量%/40質量%、固形分濃度10質量%)をバーコーターにて塗布、120℃にて2h乾燥することで層を形成し、大過剰量の純水に24時間浸漬して充分洗浄し、室温乾燥することで第2層を作製し、積層電解質膜(膜厚55μm)を得た。
[実施例2]
ブロックコポリマーの代わりに合成例2で得たランダムコポリマーを使用した以外は、実施例1と同様にして積層電解質膜(膜厚55μm)を得た。
[実施例4]
ポリフッ化ビニリデンとして市販の(株)クレハ製“クレハKFポリマー”(登録商標)W#7305の代わりに市販のアルケマ社製KYNAR2751を使用し、積層電解質膜(膜厚60μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして積層電解質膜を得た。
[実施例5]
高分子電解質溶液の固形分比率:フッ素系高分子電解質/ポリフッ化ビニリデン=40質量%/60質量%、としたこと以外は、実施例1と同様にして積層電解質膜(膜厚55μm)を得た。
[実施例6]
ポリフッ化ビニリデンとして市販の(株)クレハ製“クレハKFポリマー”(登録商標)W#7305の代わりに市販のアルケマ社製“KYNAR”(登録商標)2751を使用した以外は、実施例1と同様にして積層電解質膜(膜厚55μm)を得た。
[実施例7]
第1層の膜厚を35μmとし、積層電解質膜の総膜厚を40μmとしたこと以外は実施例6と同様にして積層電解質膜を得た。
[実施例8]
第1層の膜厚を25μmとし、積層電解質膜の総膜厚を30μmとしたこと以外は実施例6と同様にして積層電解質膜を得た。
[実施例9]
第1層の膜厚を35μmとし、積層電解質膜の総膜厚を37μmとしたこと以外は実施例6と同様にして積層電解質膜を得た。
[実施例10]
ポリフッ化ビニリデンとして市販のアルケマ社製“KYNAR”(登録商標)2751の代わりにSolvay社製“Aquivion”(登録商標)D79−25BSを使用した以外は、実施例7と同様にして積層電解質膜(膜厚40μm)を得た。
[実施例11]
高分子電解質溶液の固形分比率:フッ素系高分子電解質/ポリフッ化ビニリデン=30質量%/70質量%、としたこと以外は、実施例7と同様にして積層電解質膜(膜厚55μm)を得た。
[比較例1]
実施例2において、高分子電解質溶液を用いて第1層単層の電解質膜のみを得たこと以外は同様にして電解質膜(膜厚50μm)を得た。
[比較例2]
比較例1において、高分子電解質溶液の代わりに“Nafion”(登録商標)のNMP20質量%溶液(市販のChemours社製D2020溶液をNMP置換して使用)を使用して、単膜電解質膜(50μm)を得た。
[比較例3]
実施例1で用いた高分子電解質溶液の代わりに、“Nafion”(登録商標)溶液である市販のChemours社製D2020溶液と、ポリフッ化ビニリデン溶液である市販のアルケマ社製“KYNAR”(登録商標)LATEX RC−10,278と、水とIPAが質量比で1対1である溶媒を、質量比が2.3対1対4.3となるように混合することで作製した高分子電解質溶液を使用した以外は実施例1と同様にして積層電解質膜(55μm)を得た。
[比較例4]
実施例2において、第2層単層の電解質膜のみを得たこと以外は同様にして電解質膜(膜厚50μm)を得た。
各実施例、比較例で用いた高分子電解質膜の構成および膜物性、レドックスフロー電池評価の結果を表1に示す。
Figure 2021153047

Claims (11)

  1. 第1層の少なくとも片面に第2層が積層されているレドックスフロー電池用電解質膜であって、第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出されるばね定数の比が0.50以上0.80以下であるレドックスフロー電池用電解質膜。
  2. さらに第1層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出される凝着力に対する第2層におけるAFMでのフォースカーブ測定により算出される凝着力の比が2.0以上2.7以下である請求項1に記載のレドックスフロー電池用電解質膜。
  3. さらに前記ばね定数の比が0.50以上0.60以下である請求項1または2に記載のレドックスフロー電池用電解質膜。
  4. さらに凝着力の比が2.3以上2.7以下である請求項1から3のいずれかに記載のレドックスフロー電池用電解質膜。
  5. 前記第2層の厚みが第1層の厚みの1%以上30%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のレドックスフロー電池用電解質膜。
  6. 前記第1層がランダム共重合体である炭化水素系高分子電解質を主成分とする請求項1〜5のいずれかに記載のレドックスフロー電池用電解質膜。
  7. 前記第1層がイオン性基を有するポリエーテルケトン系ポリマーを主成分とする請求項1〜6のいずれかに記載のレドックスフロー電池用電解質膜。
  8. 前記第2層がフッ素系高分子電解質およびポリフッ化ビニリデンを主成分とする請求項1〜7のいずれかに記載のレドックスフロー電池用電解質膜。
  9. 示差走査熱量(DSC)測定での3rd runにおける最も低い結晶融解ピーク(Tm)が175℃未満である請求項1〜8のいずれかに記載のレドックスフロー電池用電解質膜。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の電解質膜を用いて構成されてなるレドックスフロー電池。
  11. 電極の圧縮率が20%以上70%未満である請求項10に記載のレドックスフロー電池。
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