JP2021152327A - 作業機の油圧システム - Google Patents
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Description
特許文献1の油圧システムは、低速(1速)と高速(2速)とに切り換え可能なHSTモータと、HSTモータを1速又は2速に切換可能な油圧切換弁と、油圧切換弁を切り換える方向切換弁とを備えている。また、油圧システムは、走行レバーの操作によって斜板の角度が変更可能で且つ斜板の角度に応じてHSTモータへの作動油の供給量を変化させることができるHSTポンプを備えている。
作業機の油圧システムは、作動油によって作動する油圧アクチュエータと、制御信号に基づいて前記油圧アクチュエータを操作可能な第2作動部と、前記制御信号と前記油圧アクチュエータの動作に関するアクチュエータ情報を取得可能な第2取得部と、前記第2取得部が取得した制御信号と前記アクチュエータ情報との関係を記憶する第2記憶部と、前記第2記憶部に記憶された前記関係に基づいて前記第2作動部を制御する第2制御部とを有する制御装置と、前記第2取得部及び前記第2記憶部が作動する設定モードと前記第2制御部が作動する制御モードとを切換可能な第2切換装置と、を備えている。
作業機の油圧システムは、前記油圧アクチュエータの速度を検出する第5測定装置を備え、前記第2取得部は、前記設定モードにおいて前記第2作動部へ出力された制御信号と、前記アクチュエータ情報として前記第5測定装置が検出した前記油圧アクチュエータの速度とを取得する。
[第1実施形態]
作業機の全体の構成について説明する。図7、8は、作業機1の一例としてトラックローダを示している。作業機はトラックローダに限定されず、例えば、トラクタ、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ、バックホー等であってもよい。尚、本実施形態において、作業機1の運転席に着座した運転者の前側(図7に示す矢印Fが指す方向)を前方、運転者の後側(図7に示す矢印Rが指す方向)を後方、運転者の左側(図7の紙面に向かって手前側)を左方、運転者の右側(図7の紙面に向かって奥側)を右方として説明する。
作業装置3は、ブーム22Lと、ブーム22Rと、ブーム22L及びブーム22Rの先端に装着したバケット23(作業具)とを備える。ブーム22Lは、機体2の左側に配置されている。ブーム22Rは、機体2の右側に配置されている。ブーム22Lとブーム22Rとは、ブーム22Lとブーム22Rの間に設けられた連結体(図示せず)によって相互に連結されている。ブーム22L及びブーム22Rは、それぞれ第1リフトリンク24及び第2リフトリンク25に支持されている。ブーム22L及びブーム22Rの基部側と機体2の後下部との間には、複動式油圧シリンダからなるブームシリンダ26がブーム22L及びブーム22Rに対応して設けられている。ブームシリンダ26を同時に伸縮させることによりブーム22L及びブーム22Rが同時に上下に揺動動作する。ブーム22L及びブーム22Rの先端側には、それぞれ装着ブラケット27が、横軸回りに回動自在に枢支連結され、装着ブラケット27にバケット23の背面側が取り付けられている。
バケット23は装着ブラケット27に着脱自在である。装着ブラケット27は、バケット23を取り外せば、各種のアタッチメント(油圧アクチュエータを有する油圧駆動式の作業具)を取り付けることができ、掘削以外の各種の作業(又は他の掘削作業)を行えるように構成されている。
図1は、作業機の走行系の油圧システムを示す図である。
図1に示すように、油圧システムは、第1油圧ポンプP1と第2油圧ポンプP2とを有している。第1油圧ポンプP1は、ブームシリンダ26、バケットシリンダ28又はブーム22の先端側に取り付けられるアタッチメントの油圧アクチュエータを駆動するために使用される。第2油圧ポンプP2(パイロットポンプ、チャージポンプ)は、主として制御圧又は信号圧としての作動油の圧力を供給するために使用される。以降、説明の便宜上、制御圧又は信号圧としての作動油のことを「パイロット油」、パイロット油の圧力のことを「パイロット圧」という。
なお、第2走行油圧ポンプ66Bは、第1走行油圧ポンプ66Aと同様の構成である。第2走行油圧ポンプ66Bの斜版の角度を変更すると、作動油の吐出方向や吐出量が変わり、これによって第2走行モータ80Bの回転出力を変更する。
切換弁45は、例えば、第1位置45aと第2位置45bとに切り換え可能な二位置切換弁であって、第1油圧切換弁90A及び第2油圧切換弁90Bを切り換える弁である。切換弁45を第1位置45aに切り換えると、第1油圧切換弁90A及び第2油圧切換弁90Bは、第1位置90aとなる。切換弁45を第2位置45bにすると、第1油圧切換弁90A及び第2油圧切換弁90Bは、中立位置90cを経て第2位置90bに切り換わる。つまり、切換弁45を切り換えることにより、第1走行モータ80A及び第2走行モータ80Bを、1速又は2速に切り換えることができる。
例えば、制御装置60には、第1走行油圧ポンプ66A及び第2走行油圧ポンプ66Bのそれぞれの斜板の角度(斜板角という)を検出する第1測定装置67が接続されている。設定モード60aでは、角度情報として、第1測定装置67が検出した第1走行油圧ポンプ66A及び第2走行油圧ポンプ66Bのそれぞれの斜板角を取得する。また、設定モード60aでは、制御信号として、制御装置60から第1作動部50(レギュレータ50A、レギュレータ50B)のそれぞれに出力した出力電流(電流)を取得する。
以下、設定モード及び制御モードについて、制御装置60の構成と共に説明する。
第1取得部62は、設定モード60aである場合に作動可能である。第1切換装置61によって設定モード60aに設定された場合、図2に示すように、制御装置60は、レギュレータ50Aに出力する電流(出力電流)を最小値から最大値まで変化させる。第1取得部62は、制御装置60からレギュレータ50Aに出力した出力電流と、第1測定装置67で検出された第1走行油圧ポンプ66Aの斜板角との関係である第1増加関係を取得する。また、第1記憶部63は、第1取得部62が取得したレギュレータ50Aへの出力電流と、第1走行油圧ポンプ66Aの斜板角と第1増加関係を記憶する。
以上のように、設定モード60aでは、制御装置60の第1取得部62及び第1記憶部63によって、制御装置60からレギュレータ50A、50Bへ出力した出力電流と、走行系の油圧ポンプ(第1走行油圧ポンプ66A、第2走行油圧ポンプ66B)の斜板角との関係(第1増加関係、第1減少関係、第2増加関係、第2減少関係)を把握することができる。
[第2実施形態]
図4は、作業機の作業系の油圧システムを示す図である。作業系の油圧システムは、第1実施形態の作業機に適用可能である。
バケット切換弁20Bは、バケット23を制御する油圧シリンダ(バケットシリンダ)28を制御する弁である。バケット切換弁20Bは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。
第1油圧ポンプP1と複数の切換弁20(ブーム切換弁20A、バケット切換弁20B、予備切換弁20C)とは、吐出油路51により接続されている。複数の切換弁20と、油圧アクチュエータ26、28、30は、それぞれ供排油路により接続されている。供排油路は、供排油路100a、100b、100cを含んでいる。供排油路100aは、油圧アクチュエータ26とブーム切換弁20Aとを接続する。供排油路100bは、油圧アクチュエータ28とバケット切換弁20Bとを接続する。供排油路100cは、油圧アクチュエータ30と予備切換弁20Cとを接続する。
比例弁103は、ブーム切換弁20Aを制御する比例弁103Aと、バケット切換弁20Bを制御する比例弁103Bと、予備切換弁20Cを制御する比例弁103Cとを含んでいる。比例弁103A、比例弁103B及び比例弁103Cと、第2油圧ポンプP2とは、油路105により接続されている。
したがって、比例弁103A、比例弁103B及び比例弁103Cの開度を変更すれば、ブーム切換弁20Aの受圧部31a、31b、バケット切換弁20Bの受圧部32a、32b、予備切換弁20Cの受圧部33a、33bのいずれかに作用するパイロット圧を変更することができる。その結果、比例弁103A、比例弁103B及び比例弁103Cによって、ブーム切換弁20A、バケット切換弁20B及び予備切換弁20Cのいずれかの切換を行うことができる。
例えば、制御装置110には、第3測定装置114が接続されている。第3測定装置114は、第2パイロット油路104(油路104A、油路104B、油路104C)に作用した作動油の圧力を取得する。即ち、第3測定装置114は、油路104A、油路104B、油路104Cのそれぞれに作用するパイロット圧を検出する。したがって、第3測定装置114は、ブーム切換弁20Aの受圧部、バケット切換弁20Bの受圧部、予備切換弁20Cの受圧部のいずれかに作用するパイロット圧を検出することができる。
設定モード110aでは、パイロット圧と、第2作動部102へ出力した電流との関係を記憶する。制御モード110bでは、第3測定装置114が検出したパイロット圧と、第2作動部102(比例弁103A、比例弁103B、比例弁103C)への電流との関係に基づいて、比例弁103A、比例弁103B、比例弁103Cを制御する。
なお、図5に示すように、切換弁20は、一方側の受圧部31a、32a、33aと他方側の受圧部31b、32b、33bを含んでいるが、説明の便宜上、一方側の受圧部31a、32a、33aに連通する比例弁103A、103B、103Cの動作について説明し、他方側の受圧部31b、32b、33bに連通する比例弁103A、103B、103Cの動作については、一方側の受圧部31a、32a、33aに連通する比例弁103A、103B、103Cと同様であるため説明を省略する。
第2取得部121は、設定モード110aである場合に作動可能である。第2切換装置111によって設定モード110aに設定された場合、制御装置110は、比例弁103Aに出力する電流(出力電流)を最小値から最大値まで変化させる。第2取得部121は、制御装置110から比例弁103Aに出力した出力電流と、第3測定装置114で検出された油路104Aのパイロット圧との関係である第3増加関係を取得する。また、第2記憶部122は、第3増加関係を記憶する。
制御装置110における比例弁103B又は比例弁103Cに対する動作に対しては、上述した比例弁103Aを「比例弁103B」又は「比例弁103C」に読み替え、油路104Aを「油路104B」又は「油路104C」に読み替えればよい。
第2制御部123は、操作部材125が操作された場合、当該操作部材125の操作量に基づいて、比例弁103A、比例弁103B、比例弁103Cに電流を出力する。操作部材125の操作量と、第2制御部123(制御装置110)から出力する電流との関係は予め設定されている。例えば、操作部材125の操作量が小さい場合は、第2制御部123から出力する電流は小さく、操作部材125の操作量が大きい場合は、第2制御部123から出力する電流は大きい。
操作部材125は、比例弁103A(ブーム22L及びブーム22R)を操作するブーム操作部材125aと、比例弁103B(バケット23)を操作するバケット操作部材125bと、比例弁103C(予備アタッチメント)を操作する予備操作部材125cとを含んでいる。
また、図6Bに示すように、制御装置110には、作業系の油圧アクチュエータ(油圧アクチュエータ26、28、30)の速度(アクチュエータ速度)を検出する第5測定装置130を接続してもよい。
第2取得部121は、設定モード110aである場合、比例弁103A、103B、103Cに出力された出力電流と、アクチュエータ情報として第5測定装置130が検出した角速度を取得する。第2記憶部122は、出力電流と角速度との関係を記憶する。第2制御部123は、制御モード110bにおいて、出力電流と角速度との関係に基づいて制御を行う。つまり、図6Cに示す変形例では、上述したパイロット圧を角速度に読み替えればよい。
上述した油圧切換弁(第1油圧切換弁90A、第2油圧切換弁90B)は、中立位置90cが存在していたが、これに代え、油圧切換弁は中立位置が存在しない弁、即ち、第1位置90aと第2位置90bとに切換可能な弁であってもよい。
上述した実施形態では、設定モード60aにおいて、第1作動弁50の開度を最小から最大に変更した場合の角度情報と制御情報との関係を求めていたが、これに代えて、操作部材65の操作量を最小から最大に変更した場合の角度情報と制御情報との関係であってもよい。
上述した実施形態では、制御モード60bにおいて、設定モード60aで設定された角度情報と制御情報とに基づいて制御を行っていたが、これに代え、設定モード60aで設定された角度情報と制御情報との関係(第1増加関係、第1減少関係、第2増加関係、第2減少関係)を補正して制御を行ってもよい。例えば、第1作動弁50の開度が所定値である場合の角度情報(斜板角、パイロット圧)が予め定められた値になるように、所定値と電流との関係(第1増加関係、第1減少関係、第2増加関係、第2減少関係)を補正する。このようにすれば、第1作動弁50の個体差に関係なく、走行系の油圧ポンプの吐出量を一定にすることができる。
20 切換弁
50 第1作動部
60 制御装置
60a 設定モード
60b 制御モード
61 第1切換装置
62 第1取得部
63 第1記憶部
64 第1制御部
77 第1パイロット油路
100 給排油路
102 第2作動部
103A、103B、103C 比例弁
104 第2パイロット油路
110 制御装置
110a 設定モード
110b 制御モード
111 第2切換装置
114 第3測定装置
115 第4測定装置
121 第2取得部
122 第2記憶部
123 第2制御部
130 第5測定装置
131 第6測定装置
Claims (5)
- 作動油によって作動する油圧アクチュエータと、
制御信号に基づいて前記油圧アクチュエータを操作可能な第2作動部と、
前記制御信号と前記油圧アクチュエータの動作に関するアクチュエータ情報を取得可能な第2取得部と、前記第2取得部が取得した制御信号と前記アクチュエータ情報との関係を記憶する第2記憶部と、前記第2記憶部に記憶された前記関係に基づいて前記第2作動部を制御する第2制御部とを有する制御装置と、
前記第2取得部及び前記第2記憶部が作動する設定モードと前記第2制御部が作動する制御モードとを切換可能な第2切換装置と、
を備えている作業機の油圧システム。 - 前記油圧アクチュエータに作用する作動油の流量を制御する切換弁を備え、
前記第2作動部は、前記切換弁の作動を制御する比例弁と、前記切換弁と前記比例弁とを接続する第2パイロット油路とを含み、
前記第2取得部は、前記設定モードにおいて前記比例弁へ出力された制御信号と、前記アクチュエータ情報として、前記第2パイロット油路に作用した作動油の圧力とを取得する請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 前記油圧アクチュエータに作用する作動油の流量を制御する切換弁と、
前記切換弁と前記油圧アクチュエータとを接続する供排油路と、
前記供排油路に流れる作動油の流量を検出する第4測定装置と、
を備え、
前記第2取得部は、前記設定モードにおいて前記第2作動部へ出力された制御信号と、前記アクチュエータ情報として前記第4測定装置が検出した作動油の流量とを取得する請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 前記油圧アクチュエータの速度を検出する第5測定装置を備え、
前記第2取得部は、前記設定モードにおいて前記第2作動部へ出力された制御信号と、前記アクチュエータ情報として前記第5測定装置が検出した前記油圧アクチュエータの速度とを取得する請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 前記油圧アクチュエータを回動自在に支持するピンの角速度を検出する第6測定装置を備え、
前記第2取得部は、前記設定モードにおいて前記第2作動部へ出力された制御信号と、前記アクチュエータ情報として前記第6測定装置が検出した前記ピンの角速度とを取得する請求項1に記載の作業機の油圧システム。
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