以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動作業機の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。電動作業機は、モータを有する。
実施形態においては、モータの回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、モータの回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称し、モータの回転軸AXを周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。また、径方向において、モータの回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、モータの回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。
[第1実施形態]
<電動作業機>
図1は、本実施形態に係る電動作業機1を示す側面図である。本実施形態において、電動作業機1は、電動工具の一種である震動ドライバドリルである。図1に示すように、電動作業機1は、グリップハウジング2と、本体ハウジング3と、出力軸6と、バッテリ装着部7とを備える。
グリップハウジング2は、作業者に握られる。グリップハウジング2は、本体ハウジング3の下部から下方に突出する。グリップハウジング2は、合成樹脂製である。
本体ハウジング3は、グリップハウジング2の上方に配置される。本体ハウジング3は、モータ8及び動力伝達機構10を収容する。本体ハウジング3は、モータハウジング4と、ギヤハウジング5とを含む。ギヤハウジング5は、モータハウジング4の前方に配置される。出力軸6は、ギヤハウジング5から前方に突出する。
モータハウジング4は、モータ8を収容する。モータハウジング4は、筒状である。モータ8は、モータハウジング4の内部空間に配置される。モータハウジング4は、グリップハウジング2と一体である。モータハウジング4は、合成樹脂製である。モータハウジング4の後部にリヤカバー9が配置される。リヤカバー9は、モータハウジング4の後部の開口を覆う。リヤカバー9は、合成樹脂製である。
モータハウジング4は、吸気口3Aを有する。リヤカバー9は、排気口3Bを有する。排気口3Bは、吸気口3Aの後方に設けられる。吸気口3Aは、本体ハウジング3の内部空間と外部空間とを接続する。排気口3Bは、本体ハウジング3の内部空間と外部空間とを接続する。吸気口3Aは、モータハウジング4の左部及び右部のそれぞれに設けられる。排気口3Bは、リヤカバー9の左部及び右部のそれぞれに設けられる。ファン21がリヤカバー9に収容される。ファン21の回転により、本体ハウジング3の外部空間の空気は、吸気口3Aを介して本体ハウジング3の内部空間に流入する。本体ハウジング3の内部空間に流入した空気は、モータ8を冷却する。本体ハウジング3の内部空間の空気は、排気口3Bを介して本体ハウジング3の外部空間に流出する。
ギヤハウジング5は、複数のギヤを含む動力伝達機構10を収容する。ギヤハウジング5は、筒状である。動力伝達機構10は、ギヤハウジング5の内部空間に配置される。ギヤハウジング5は、アルミニウム製である。
出力軸6は、先端工具を取り付け可能である。ドリルのような先端工具が出力軸6に装着される。出力軸6は、モータ8が発生する動力により回転するスピンドルと、先端工具を把持可能なチャックとを含む。
バッテリパック11は、バッテリ装着部7に接続される。バッテリ装着部7は、グリップハウジング2の下部に設けられる。バッテリパック11は、バッテリ装着部7に着脱可能である。バッテリパック11は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック11は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部7に装着されることにより、バッテリパック11は、電動作業機1に電力を供給することができる。
モータ8は、出力軸6を回転させるための動力を発生する。モータ8は、バッテリパック11から供給される電力に基づいて駆動する。動力伝達機構10は、モータ8で発生した動力を出力軸6に伝達する。出力軸6は、動力伝達機構10を介してモータ8から伝達された動力に基づいて回転する。
モータ8は、ブラシレスモータである。モータ8は、ステータ20と、ステータ20に対して回転可能なロータ19とを有する。本実施形態において、モータ8は、筒状のステータ20と、ステータ20の内側に配置されるロータ19とを有するインナロータ型モータである。ロータ19は、軸方向に延伸するロータシャフト19Sを有する。ロータ19は、回転軸AXを中心に回転可能である。実施形態において、軸方向と前後方向とは一致する。
ファン21は、ロータシャフト19Sに固定される。ファン21は、ステータ20よりも後方に配置される。ロータシャフト19Sが回転することにより、ファン21が回転する。
電動作業機1は、トリガスイッチ12と、正逆切換レバー13と、速度切換レバー14と、モードチェンジリング15と、チェンジリング16と、ライト17と、コントローラ18とを備える。
トリガスイッチ12は、グリップハウジング2に配置される。トリガスイッチ12は、グリップハウジング2の前部の上部から前方に突出する。トリガスイッチ12は、作業者に操作される。作業者は、グリップハウジング2を左右の一方の手で握った状態で、指でトリガスイッチ12を操作することができる。トリガスイッチ12が操作されることにより、バッテリパック11からモータ8に電力が供給され、モータ8が駆動する。トリガスイッチ12が操作されることにより、モータ8の駆動と停止とが切り換えられる。
正逆切換レバー13は、グリップハウジング2の上部に設けられる。正逆切換レバー13は、作業者に操作される。正逆切換レバー13が操作されることにより、モータ8の回転方向が切り換えられる。作業者は、正逆切換レバー13を操作して、モータ8の回転方向を、正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えることができる。モータ8の回転方向が切り換えられることにより、出力軸6の回転方向が切り換えられる。
速度切換レバー14は、本体ハウジング3の上部に設けられる。速度切換レバー14は、作業者に操作される。速度切換レバー14が操作されることにより、出力軸6の回転速度が切り換えられる。作業者は、速度切換レバー14を操作して、出力軸6の回転速度を、第1速度及び第1速度よりも高い第2速度の一方から他方に切り換えることができる。
モードチェンジリング15は、ギヤハウジング5の前方に配置される。モードチェンジリング15は、作業者に操作される。モードチェンジリング15が操作されることにより、電動作業機1の作業モードが切り換えられる。
電動作業機1の作業モードは、出力軸6が前後方向に振動する震動モードと、出力軸6が前後方向に振動しない非震動モードとを含む。非震動モードは、出力軸6に作用する回転負荷に関わらず出力軸6に動力が伝達されるドリルモードと、出力軸6に作用する回転負荷に基づいて出力軸6に伝達される動力が遮断されるクラッチモードとを含む。
チェンジリング16は、モードチェンジリング15の前方に配置される。チェンジリング16は、作業者に操作される。クラッチモードにおいて、チェンジリング16が操作されることにより、出力軸6に伝達される動力を遮断する解放値が設定される。解放値は、出力軸6に作用する回転負荷に係る値である。出力軸6に作用する回転負荷が解放値に到達したときに、出力軸6に伝達される動力が遮断される。
ライト17は、グリップハウジング2の前部の上部に設けられる。ライト17は、電動作業機1の前方を照明する照明光を射出する。ライト17は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。
コントローラ18は、電動作業機1を制御する制御信号を出力する。コントローラ18は、モータ8に供給される駆動電流を制御する。コントローラ18は、グリップハウジング2に収容される。コントローラ18は、グリップハウジング2の内部空間の下部に配置される。
<ステータ>
次に、本実施形態に係るステータ20について説明する。図2は、本実施形態に係るステータ20を示す前方からの斜視図である。図3は、本実施形態に係るステータ20を示す後方からの斜視図である。図4は、本実施形態に係るステータ20を示す前方からの分解斜視図である。図5は、本実施形態に係るステータ20を示す後方からの分解斜視図である。図6は、本実施形態に係る前インシュレータ33を示す前方からの分解斜視図である。図7は、本実施形態に係る前インシュレータ33を示す後方からの分解斜視図である。
ステータ20は、ステータコア32と、前インシュレータ33と、後インシュレータ34と、コイル35と、センサ回路基板36と、ヒュージング端子51A,51B,51Cと、端子ユニット76とを備える。
ステータコア32は、積層された複数の鋼板を含む。ステータコア32は、筒状である。ステータコア32は、複数のティース37を有する。本実施形態において、ティース37は、6つ設けられる。ティース37は、ステータコア32の内面から径方向内側に突出する。複数のティース37は、周方向に等間隔で配置される。隣り合うティース37の間にスロット38が形成される。
前インシュレータ33及び後インシュレータ34のそれぞれは、ステータコア32に支持される。前インシュレータ33及び後インシュレータ34のそれぞれは、合成樹脂により形成される。前インシュレータ33は、ステータコア32の前部に配置される。後インシュレータ34は、ステータコア32の後部に配置される。
前インシュレータ33は、リング部39と、複数の絶縁リブ40と、複数の嵌合リブ41と、ねじボス42と、位置決めピン43と、連結板44と、位置決め突起48と、溝49と、凹部50とを有する。
リング部39は、前インシュレータ33のベース部として機能する。リング部39の外径は、ステータコア32の外径と実質的に等しい。
絶縁リブ40は、リング部39の内面に設けられる。絶縁リブ40は、リング部39の内面から径方向内側に突出する。複数の絶縁リブ40は、周方向に等間隔で配置される。本実施形態において、絶縁リブ40は、6つ設けられる。前インシュレータ33がステータコア32に支持された状態で、絶縁リブ40は、ティース37の前部に接続される。
嵌合リブ41は、リング部39の後面に設けられる。嵌合リブ41は、リング部39の後面から後方に突出する。複数の嵌合リブ41は、周方向に等間隔で配置される。本実施形態において、嵌合リブ41は、6つ設けられる。嵌合リブ41は、スロット38の前方からスロット38に嵌まる。嵌合リブ41がスロット38に嵌まることにより、前インシュレータ33とステータコア32とが接続される。
ねじボス42は、リング部39の前面に設けられる。ねじボス42は、3つ設けられる。3つのねじボス42は、周方向に等間隔で配置される。ねじボス42は、ねじ97によるセンサ回路基板36と前インシュレータ33との固定に使用される。
位置決めピン43は、リング部39の前面から前方に突出する。位置決めピン43は、2つ設けられる。位置決めピン43は、センサ回路基板36と前インシュレータ33との位置決めに使用される。
連結板44は、リング部39の下部から下方に突出する。連結板44は、端子ユニット76と連結される。連結板44に、3つの連結片46A,46B,46Cが設けられる。連結片46A,46B,46Cは、左右方向に配置される。連結片46A,46B,46Cは、仕切リブ45により仕切られる。連結片46A,46B,46Cのそれぞれに、前後方向に貫通する貫通孔が形成される。貫通孔のそれぞれにナット47が配置される。ナット47は、ねじ96による連結板44と端子ユニット76との固定に使用される。
位置決め突起48は、連結板44の前面から前方に突出するように設けられる。位置決め突起48は、2つ設けられる。位置決め突起48は、ヒュージング端子51A,51Cと前インシュレータ33との位置決めに使用される。
溝49は、連結板44の右面及び左面のそれぞれに設けられる。溝49は、前後方向に延伸するように設けられる。後述するヒュージング端子51A,51Cの横爪64が溝49に配置される。
凹部50は、リング部39の右面及び左面のそれぞれに設けられる。凹部50は、モータハウジング4と前インシュレータ33との位置決めに使用される。
後インシュレータ34は、リング部71と、複数の絶縁リブ72と、複数の嵌合リブ73とを有する。
リング部71は、後インシュレータ34のベース部として機能する。リング部71の外径は、ステータコア32の外径と実質的に等しい。
絶縁リブ72は、リング部71の内面に設けられる。絶縁リブ72は、リング部71の内面から径方向内側に突出する。複数の絶縁リブ72は、周方向に等間隔で配置される。本実施形態において、絶縁リブ72は、6つ設けられる。後インシュレータ34がステータコア32に支持された状態で、絶縁リブ72は、ティース37の後部に接続される。
嵌合リブ73は、リング部71の前面に設けられる。嵌合リブ73は、リング部71の前面から前方に突出する。複数の嵌合リブ73は、周方向に等間隔で配置される。本実施形態において、嵌合リブ73は、6つ設けられる。嵌合リブ73は、スロット38の後方からスロット38に嵌まる。嵌合リブ73がスロット38に嵌まることにより、後インシュレータ34とステータコア32とが接続される。
コイル35は、前インシュレータ33及び後インシュレータ34を介して複数のティース37のそれぞれに巻かれる。本実施形態において、コイル35は、6つ設けられる。後述するように、6つのコイル35は、U相、V相、W相として接続される。U相、V相、W相のそれぞれに一対のコイル35が割り当てられる。
一対のU相のコイル35は、径方向に対向して配置される。一対のV相のコイル35は、径方向に対向して配置される。一対のW相のコイル35は、径方向に対向して配置される。周方向において、U相のコイル35の一方の隣にV相のコイル35が配置され、V相のコイル35の一方の隣にW相のコイル35が配置される。
周方向に隣り合うU相のコイル35とV相のコイル35とは、渡り線L1を介して接続される。周方向に隣り合うV相のコイル35とW相のコイル35とは、渡り線L1を介して接続される。周方向に隣り合うW相のコイル35とU相のコイル35とは、渡り線L1を介して接続される。
渡り線L1は、前インシュレータ33に支持される。本実施形態において、前インシュレータ33は、渡り線L1をガイドする前ガイドリブ74を有する。前ガイドリブ74は、リング部39の前面から前方に突出する。前ガイドリブ74は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。渡り線L1の少なくとも一部は、前ガイドリブ74よりも径方向外側に配置される。渡り線L1は、リング部39及び前ガイドリブ74に支持される。
一対のU相のコイル35は、渡り線L2を介して接続される。一対のV相のコイル35は、渡り線L2を介して接続される。一対のW相のコイル35は、渡り線L2を介して接続される。
渡り線L2は、後インシュレータ34に支持される。本実施形態において、後インシュレータ34は、渡り線L2をガイドする後ガイドリブ75を有する。後ガイドリブ75は、リング部71の後面から後方に突出する。後ガイドリブ75は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。渡り線L2の少なくとも一部は、後ガイドリブ75よりも径方向外側に配置される。渡り線L2は、リング部71及び後ガイドリブ75に支持される。
本実施形態において、後ガイドリブ75は、周方向に間隔をあけて3つ設けられる。回転軸AXと直交する面内において、後ガイドリブ75は、円弧状である。渡り線L2の少なくとも一部は、後ガイドリブ75の外周面350に支持される。渡り線L2の少なくとも一部は、リング部71の後面である支持面340に支持される。
センサ回路基板36は、前インシュレータ33に取り付けられる。センサ回路基板36は、円板部85と、円板部85に支持される複数の回転検出素子92と、円板部85に支持される接続部93とを有する。
円板部85の中央部に貫通孔86が形成される。円板部85の周縁部に、3つのねじ止め片87と、2つの位置決め片89とが設けられる。ねじ止め片87及び位置決め片89のそれぞれは、円板部85の周縁部から径方向外側に突出する。3つのねじ止め片87のそれぞれに、透孔88が形成される。2つの位置決め片89のそれぞれに、透孔90が形成される。また、円板部85の下部に、接続片91が設けられる。接続片91は、円板部85の下部から下方に突出する。
回転検出素子92は、ロータ19の回転を検出する。本実施形態において、回転検出素子92は、3つ設けられる。回転検出素子92は、円板部85の後面に配置される。
接続部93は、接続片91の前面に配置される。回転検出素子92は、接続部93を介して、信号線94と接続される。本実施形態において、信号線94は、6本設けられる。回転検出素子92の検出信号は、接続部93及び信号線94を介して、コントローラ18に出力される。
ヒュージング端子51A,51B,51Cは、渡り線L1を介してコイル35に接続される。ヒュージング端子51A,51B,51Cは、前インシュレータ33に設けられる。コイル35は、渡り線L1、ヒュージング端子51A,51B,51C、及び端子ユニット76を介して、電源線(不図示)と接続される。バッテリパック11からの駆動電流は、コントローラ18、電源線、端子ユニット76、ヒュージング端子51A,51B,51C、及び渡り線L1を介して、コイル35に供給される。
ヒュージング端子51Aは、ヒュージング端子51Bよりも右方に配置される。ヒュージング端子51Cは、ヒュージング端子51Bよりも左方に配置される。
ヒュージング端子51A,51Cは、渡り線L1に接続されるヒュージング部52と、ヒュージング部52から下方に延伸する延設部53と、延設部53の下部に設けられる下爪63と、延設部53の下部に設けられる横爪64とを有する。
ヒュージング部52は、リング部39よりも前方に配置される。ヒュージング部52は、折返し部を介して挟持片54と接続される。また、ヒュージング部52の周方向の一方の端部に支持片55が接続され、ヒュージング部52の周方向の他方の端部に支持片56が接続される。ヒュージング部52は、支持片56を介して延設部53と結ばれる。挟持片54は、ヒュージング部52よりも径方向外側に配置される。ヒュージング部52の後端部と挟持片54の後端部とが折返し部を介して接続される。ヒュージング端子51A,51Cにおいて、渡り線L1は、ヒュージング部52と挟持片54との間に挟まれる。
延設部53は、リング部39よりも前方に配置される。延設部53は、支持片56を介してヒュージング部52と結ばれる。延設部53は、円弧状である。延設部53の一部に曲折部59が設けられる。曲折部59は、前方に突出するように折り曲げられる。曲折部59に貫通孔60が設けられる。曲折部59は、ねじボス42の前面に対向する。延設部53の下部は、連結片46A,46Cの前面に対向する。
支持片55は、リング部39に設けられた保持突起57に保持される。支持片56は、リング部39に設けられた挟持突起58に保持される。
下爪63の少なくとも一部は、連結片46A,46Cの下面に対向するように配置される。また、下爪63の少なくとも一部は、連結片46A,46Cの後面に対向するように配置される。すなわち、下爪63は、連結片46A,46Cに掛けられる。
横爪64の少なくとも一部は、連結板44の溝49に配置される。横爪64の少なくとも一部は、連結片46A,46Cの後面に対向するように配置される。すなわち、横爪64は、連結片46A,46Cに掛けられる。
ヒュージング端子51Bは、渡り線L1に接続されるヒュージング部65と、ヒュージング部65から下方に延伸する延設部66と、延設部66の下部に接続される下爪70とを有する。
ヒュージング部65は、リング部39よりも前方に配置される。ヒュージング部65は、折返し部を介して挟持片67と接続される。挟持片67は、ヒュージング部65よりも径方向外側に配置される。ヒュージング部65の後端部と挟持片67の後端部とが折返し部を介して接続される。ヒュージング端子51Bにおいて、渡り線L1は、ヒュージング部65と挟持片67との間に挟まれる。
延設部66は、リング部39よりも前方に配置される。延設部66は、連結片46Bの前面に対向する。
ヒュージング部65は、リング部39に設けられた保持部68に保持される。
下爪70の少なくとも一部は、連結片46Bの下面に対向するように配置される。また、下爪70の少なくとも一部は、連結片46Bの後面に対向するように配置される。すなわち、下爪70は、連結片46Bに掛けられる。
延設部53の下部に、ねじ96が配置される透孔61が設けられる。また、延設部53の下部に、位置決め突起48が配置される角孔62が設けられる。延設部66に、ねじ96が配置される透孔69が設けられる。
端子ユニット76は、ねじ96により連結板44に連結される。電源線(不図示)は、端子ユニット76を介して、ヒュージング端子51A,51B,51Cに接続される。
端子ユニット76は、左右方向に配置される3つのリード線側端子77A,77B,77Cを有する。3つのリード線側端子77A,77B,77Cは、3つのヒュージング端子51A,51B,51Cに対応する。3つのリード線側端子77A,77B,77Cは、樹脂部82により一体成形される。
リード線側端子77A,77B,77Cは、先端部78と、中間部80と、基端部81とを有する。中間部80は、前後方向に延伸する。先端部78は、中間部80の前端部から上方に延伸する。先端部78に透孔79が形成される。基端部81は、中間部80の後端部から下方に延伸する。電源線は、基端部81に接続される。電源線と基端部81とは、はんだ付け又は溶接により接続される。
樹脂部82は、リード線側端子77A,77B,77Cの中間部80を連結するように設けられる。樹脂部82は、先端部78との間で連結板44を挟む受け片83を有する。先端部78と受け片83との間に、ヒュージング端子51A,51B,51Cの延設部53,66及び連結板44が配置される。
次に、ステータ20の組立方法について説明する。嵌合リブ41がステータコア32の前方からスロット38に嵌められることにより、ステータコア32と前インシュレータ33とが接続される。嵌合リブ73がステータコア32の後方からスロット38に嵌められることにより、ステータコア32と後インシュレータ34とが接続される。前インシュレータ33及び後インシュレータ34を介して複数のティース37のそれぞれにコイル35が巻かれる。
前インシュレータ33において、連結片46A,46B,46Cの貫通孔のそれぞれに、ナット47が配置される。
ヒュージング端子51A,51Cの支持片55が保持突起57に保持され、支持片56が挟持突起58に保持される。また、位置決め突起48が角孔62に挿入され、延設部53の曲折部59とねじボス42とが位置決めされる。また、下爪63及び横爪64が連結片46A,46Cに掛けられる。これにより、貫通孔60とねじボス42のねじ孔とが一致し、透孔61とナット47とが一致する。
また、中央のヒュージング端子51Bのヒュージング部65が保持部68に保持され、下爪70が連結片46Bに掛けられる。これにより、透孔69とナット47とが一致する。
次に、渡り線L1とヒュージング端子51A,51B,51Cとが接続される。ヒュージング端子51A,51Cにおいて、渡り線L1がヒュージング部52と挟持片54との間に配置される。渡り線L1は、ヒュージング部52によりヒュージングされる。また、ヒュージング端子51Bにおいて、渡り線L1がヒュージング部65と挟持片67との間に配置される。渡り線L1は、ヒュージング部65によりヒュージングされる。
次に、端子ユニット76と連結板44とが固定される。リード線側端子77A,77B,77Cの先端部78と受け片83との間に、連結板44及び延設部53,66が配置されることにより、透孔79と透孔61,69とナット47とが一致する。透孔79と透孔61,69とナット47とが一致した状態で、ねじ96がナット47に結合される。これにより、端子ユニット76と連結板44とが固定され、リード線側端子77A,77B,77Cとヒュージング端子51A,51B,51Cとが電気的に接続される。
次に、センサ回路基板36と前インシュレータ33とが固定される。透孔90に位置決めピン43が挿入されることにより、センサ回路基板36と前インシュレータ33とが位置決めされる。透孔90に位置決めピン43が挿入されることにより、透孔88とねじボス42とが一致する。透孔88とねじボス42とが一致した状態で、ねじ97がねじボス42のねじ孔に結合される。これにより、センサ回路基板36と前インシュレータ33とが固定される。ヒュージング端子51A,51Cの曲折部59は、ねじ止め片87とねじボス42とに挟まれる。
<コイル>
図8は、本実施形態に係るステータ20を模式的に示す図である。図8の(A)は、ステータ20を前方(前インシュレータ33側)から見た図に相当する。図8の(B)は、ステータ20を後方(後インシュレータ34側)から見た図に相当する。図9は、本実施形態に係るコイル35の結線状態を模式的に示す図である。
図8及び図9に示すように、6つのコイル35は、U(U−V)相、V(V−W)相、W(W−U)相として接続される。U相、V相、W相のそれぞれに一対のコイル35が割り当てられる。
6つのコイル35は、U相に割り当てられた一対のU相コイル35Uと、V相に割り当てられた一対のV相コイル35Vと、W相に割り当てられた一対のW相コイル35Wとを含む。
一対のU相コイル35U1とU相コイル35U2とは、径方向に対向して配置される。一対のV相コイル35V1とV相コイル35V2とは、径方向に対向して配置される。一対のW相コイル35W1とW相コイル35W2とは、径方向に対向して配置される。周方向において、U相コイル35U1の一方の隣にV相コイル35V1が配置され、V相コイル35V1の一方の隣にW相コイル35W1が配置され、W相コイル35W1の一方の隣にU相コイル35U2が配置され、U相コイル35U2の一方の隣にV相コイル35V2が配置され、V相コイル35V2の一方の隣にW相コイル35W2が配置される。
一対のU相コイル35Uは、渡り線L2Uを介して接続される。一対のV相コイル35Vは、渡り線L2Vを介して接続される。一対のW相コイル35Wは、渡り線L2Wを介して接続される。渡り線L2U、渡り線L2V、及び渡り線L2Wは、後インシュレータ34に支持される。
ヒュージング端子51Aは、周方向に隣り合うU相コイル35U2とV相コイル35V2とを繋ぐ渡り線L1Aに接続される。ヒュージング端子51Bは、周方向に隣り合うV相コイル35V1とW相コイル35W1とを繋ぐ渡り線L1Bに接続される。ヒュージング端子51Cは、周方向に隣り合うW相コイル35W2とU相コイル35U1とを繋ぐ渡り線L1Cに接続される。渡り線L1A、渡り線L1B、及び渡り線L1Cは、前インシュレータ33に支持される。
複数のコイル35は、1本のワイヤ100を巻くことにより形成される。ワイヤ100は、銅線と、銅線の表面を覆う絶縁膜とを有する。絶縁膜として、ポリエルテル樹脂膜及びポリアミド樹脂膜が例示される。
図8に示すように、ワイヤ100は、巻き始め部分SWから第1ティース37Aに巻き始められる。第1ティース37Aにワイヤ100が巻かれることにより、U相コイル35U1が形成される。
第1ティース37Aにおいてワイヤ100が巻き終わり、第1ティース37AにU相コイル35U1が形成された後、後インシュレータ34においてワイヤ100が渡り線L2Uとして引き回される。渡り線L2Uは、第1ティース37Aから第1ティース37Aに対向する第4ティース37Dに向かって引き回される。渡り線L2Uが引き回された後、ワイヤ100が第4ティース37Dに巻き始められる。第4ティース37Dにワイヤが巻かれることにより、U相コイル35U2が形成される。
第4ティース37Dにおいてワイヤ100が巻き終わり、第4ティース37DにU相コイル35U2が形成された後、前インシュレータ33においてワイヤ100が渡り線L1Aとして引き回される。渡り線L1Aは、第4ティース37Dから第4ティース37Dの隣の第5ティース37Eに向かって引き回される。渡り線L1Aが引き回された後、ワイヤ100が第5ティース37Eに巻き始められる。第5ティース37Eにワイヤ100が巻かれることにより、V相コイル35V2が形成される。
第5ティース37Eにおいてワイヤ100が巻き終わり、第5ティース37EにV相コイル35V2が形成された後、後インシュレータ34においてワイヤ100が渡り線L2Vとして引き回される。渡り線L2Vは、第5ティース37Eから第5ティース37Eに対向する第2ティース37Bに向かって引き回される。渡り線L2Vが引き回された後、ワイヤ100が第2ティース37Bに巻き始められる。第2ティース37Bにワイヤ100が巻かれることにより、V相コイル35V1が形成される。
第2ティース37Bにおいてワイヤ100が巻き終わり、第2ティース37BにV相コイル35V1が形成された後、前インシュレータ33においてワイヤ100が渡り線L1Bとして引き回される。渡り線L1Bは、第2ティース37Bから第2ティース37Bの隣の第3ティース37Cに向かって引き回される。渡り線L1Bが引き回された後、ワイヤ100が第3ティース37Cに巻き始められる。第3ティース37Cにワイヤ100が巻かれることにより、W相コイル35W1が形成される。
第3ティース37Cにおいてワイヤ100が巻き終わり、第3ティース37CにW相コイル35W1が形成された後、後インシュレータ34においてワイヤ100が渡り線L2Wとして引き回される。渡り線L2Wは、第3ティース37Cから第3ティース37Cに対向する第6ティース37Fに向かって引き回される。渡り線L2Wが引き回された後、ワイヤ100が第6ティース37Fに巻き始められる。第6ティース37Fにワイヤ100が巻かれることにより、W相コイル35W2が形成される。
第6ティース37Fにおいてワイヤ100が巻き終わり、第6ティース37FにW相コイル35W2が形成された後、前インシュレータ33においてワイヤ100が渡り線L1Cとして第6ティース37Fから第6ティース37Fの隣の第1ティース37Aに向かって引き回される。第6ティース37Fから第1ティース37Aに向かって引き回されたワイヤ100が巻き終わり部分EWとなる。
図9に示すように、一対のU相コイル35U(35U1,25U2)と一対のV相コイル35V(35V1,35V2)と一対のW相コイル35W(35W1,35W2)とは、デルタ結線される。
ヒュージング端子51AにU相駆動電流が入力され、一対のU相コイル35Uのうち、一方のU相コイル35U2がN極に励磁された場合、他方のU相コイル35U1はS極に励磁される。V相コイル35V2はS極に励磁され、V相コイル35V1はN極に励磁される。
ヒュージング端子51BにV相駆動電流が入力され、一対のV相コイル35Vのうち、一方のV相コイル35V1がN極に励磁された場合、他方のV相コイル35V2はS極に励磁される。W相コイル35W1はS極に励磁され、W相コイル35W2はN極に励磁される。
ヒュージング端子51CにW相駆動電流が入力され、一対のW相コイル35Wのうち、一方のW相コイル35W2がN極に励磁された場合、他方のW相コイル35W1はS極に励磁される。U相コイル35U1はS極に励磁され、U相コイル35U2はN極に励磁される。
上述のように、ティース37にワイヤ100が巻かれることにより、コイル35が形成される。以下の説明において、渡り線L2Uを形成するワイヤ100を適宜、第1ワイヤ101、と称し、渡り線L2Vを形成するワイヤ100を適宜、第2ワイヤ102、と称し、渡り線L2Wを形成するワイヤ100を適宜、第3ワイヤ103、と称する。
第1ワイヤ101は、U相を構成する一組(第1組)のU相コイル35Uを繋ぐ。第2ワイヤ102は、V相を構成する一組(第2組)のV相コイル35Vを繋ぐ。第3ワイヤ103は、W相を構成する一組(第3組)のW相コイル35Wを繋ぐ。
ワイヤ100が第1ティース37Aにおいて巻き終わると、渡り線L2Uとして後インシュレータ34を第4ティース37Dまで引き回され、第4ティース37Dに巻き始められる。渡り線L2Uを形成する第1ワイヤ101のうち、第1ティース37Aに近い端部は、第1ワイヤ101の巻き終わり部分ECであり、第4ティース37Dに近い端部は、第1ワイヤ101の巻き始め部分SCである。
ワイヤ100が第5ティース37Eにおいて巻き終わると、渡り線L2Vとして後インシュレータ34を第2ティース37Bまで引き回され、第2ティース37Bに巻き始められる。渡り線L2Vを形成する第2ワイヤ102のうち、第5ティース37Eに近い端部は、第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECであり、第2ティース37Bに近い端部は、第2ワイヤ102の巻き始め部分SCである。
ワイヤ100が第3ティース37Cにおいて巻き終わると、渡り線L2Wとして後インシュレータ34を第6ティース37Fまで引き回され、第6ティース37Fに巻き始められる。渡り線L2Wを形成する第3ワイヤ103のうち、第3ティース37Cに近い端部は、第3ワイヤ103の巻き終わり部分ECであり、第6ティース37Fに近い端部は、第3ワイヤ103の巻き始め部分SCである。
第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の少なくとも一部とは、周方向において同じ範囲100Aに配置される。範囲100Aは、後インシュレータ34に規定される。第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の少なくとも一部とは、後インシュレータ34の範囲100Aにおいて重複する。範囲100Aにおいて、第2ワイヤ102は、第1ワイヤ101を覆うように配置される。第1ワイヤ101は、後インシュレータ34に支持され、第2ワイヤ102は、第1ワイヤ101を介して後インシュレータ34に支持される。
本実施形態において、範囲100Aは、周方向において第5ティース37Eと第4ティース37Dとを含むように規定される。
第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の少なくとも一部とは、周方向において同じ範囲100Bに配置される。範囲100Bは、後インシュレータ34に規定される。第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の少なくとも一部とは、後インシュレータ34の範囲100Bにおいて重複する。範囲100Bにおいて、第3ワイヤ103は、第2ワイヤ102を覆うように配置される。第2ワイヤ102は、後インシュレータ34に支持され、第3ワイヤ103は、第2ワイヤ102を介して後インシュレータ34に支持される。
本実施形態において、範囲100Bは、周方向において第3ティース37Cと第2ティース37Bとを含むように規定される。
範囲100Aの少なくとも一部において、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とは、接触不可能に配置される。範囲100Bの少なくとも一部において、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とは、接触不可能に配置される。
範囲100Aの少なくとも一部において、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とは、相対移動不可能に配置される。範囲100Bの少なくとも一部において、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とは、相対移動不可能に配置される。
範囲100Aにおいて、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとが、接触不可能に配置される。範囲100Aにおいて、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとが、相対移動不可能に配置される。
範囲100Bにおいて、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとが、接触不可能に配置される。範囲100Bにおいて、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとが、相対移動不可能に配置される。
第2ワイヤ102の特定部分102Pは、第1ワイヤ101を覆うように配置された第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECを含む。第3ワイヤ103の特定部分103Pは、第2ワイヤ102を覆うように配置された第3ワイヤ103の巻き終わり部分ECを含む。
図10は、本実施形態に係るステータ20を示す後方からの平面図である。図10に示すように、ステータ20は、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとを離した状態で後インシュレータ34に固定する接着剤105を有する。また、ステータ20は、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとを離した状態で後インシュレータ34に固定する接着剤105を有する。すなわち、接着剤105は、第1ワイヤ101と、第1ワイヤ101を覆うように配置された第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECとが離れるように、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とに塗布される。接着剤105は、第2ワイヤ102と、第2ワイヤ102を覆うように配置された第3ワイヤ103の巻き終わり部分ECとが離れるように、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とに塗布される。
図11は、本実施形態に係るステータ20の一部を拡大した図である。図11は、範囲100Bにおいて接着剤105により固定された第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とを示す。第2ワイヤ102は、後インシュレータ34に接触するように配置される。第2ワイヤ102の少なくとも一部は、リング部71の支持面340に接触する。第2ワイヤ102の少なくとも一部は、後ガイドリブ75の外周面350に接触する。範囲100Bにおいて、第3ワイヤ103は、第2ワイヤ102を覆うように配置される。第3ワイヤ103の少なくとも一部は、後ガイドリブ75の外周面350に接触する。本実施形態において、第3ワイヤ103は、第2ワイヤ102の後方を引き回される。すなわち、第3ワイヤ103は、第2ワイヤ102よりも支持面340から離れた位置において引き回される。
図11に示すように、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとは離れている。接着剤105の少なくとも一部は、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとの間に配置される。接着剤105の少なくとも一部は、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとの間に入り込んだ状態で硬化する。接着剤105は、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとを離す中間部材として機能する。
また、接着剤105は、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとを相対移動不可能に固定する。接着剤105は、第2ワイヤ102及び第3ワイヤ103と後インシュレータ34と相対移動不可能に固定する。
接着剤105は、紫外線硬化性である。すなわち、接着剤105は、紫外光を照射されることにより硬化する。
同様に、範囲100Aにおいて、第2ワイヤ102は、第1ワイヤ101を覆うように配置される。第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとは離れている。接着剤105の少なくとも一部は、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとの間に配置される。接着剤105は、第1ワイヤ101及び第2ワイヤ102と後インシュレータ34と相対移動不可能に固定する。
範囲100Bにおいて、接着剤105は、第2ワイヤ102の一部及び第3ワイヤ103の一部のみに塗布される。すなわち、範囲100Bにおいて、接着剤105は、第2ワイヤ102を覆うように配置された第3ワイヤ103の巻き終わり部分ECである特定部分103P、及び特定部分103Pに覆われた第2ワイヤ102の一部のみに塗布される。範囲100Bにおいて、第3ワイヤ103の巻き始め部分SCには、接着剤105は塗布されない。また、巻き終わり部分ECと巻き始め部分SCとの間の第3ワイヤ103の中間部分にも、接着剤105は塗布されない。第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の巻き始め部分SCとは、接触可能に配置される。第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の巻き始め部分SCとは、相対移動可能に配置される。
同様に、範囲100Aにおいて、接着剤105は、第1ワイヤ101の一部及び第2ワイヤ102の一部のみに塗布される。すなわち、範囲100Aにおいて、接着剤105は、第1ワイヤ101を覆うように配置された第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECである特定部分102P、及び特定部分102Pに覆われた第1ワイヤ101の一部のみに塗布される。範囲100Aにおいて、第2ワイヤ102の巻き始め部分SCには、接着剤105は塗布されない。また、巻き終わり部分ECと巻き始め部分SCとの間の第2ワイヤ102の中間部分にも、接着剤105は塗布されない。第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の巻き始め部分SCとは、接触可能に配置される。第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の巻き始め部分SCとは、相対移動可能に配置される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の少なくとも一部とが周方向において同じ範囲100Aに配置される場合において、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とは、範囲100Aの少なくとも一部において接触不可能に配置される。そのため、例えばモータ8が振動しても、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とが擦れ合うことが抑制される。したがって、第1ワイヤ101の表面及び第2ワイヤ102の表面のそれぞれの劣化が抑制される。第1ワイヤ101の表面及び第2ワイヤ102の表面のそれぞれの劣化が抑制されるので、レアショート(layer short)の発生が抑制される。範囲100Bについても同様である。
本発明者は、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とが範囲100Aにおいて重複している場合において、摩耗により劣化し易い部分は、第1ワイヤ101を覆うように配置された第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECである第2ワイヤ102の特定部分102Pであることを見出した。すなわち、範囲100Aにおいて、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とが激しく擦れ合う部分は、第1ワイヤ101が先に後インシュレータ34に引き回されている状態で、コイル35を巻き終わった第2ワイヤ102が第1ワイヤ101を覆う部分であることを見出した。第2ワイヤ102の特定部分102Pが摩耗により劣化し易い理由として、第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECは、別のワイヤ100によって後インシュレータ34に押し付けられないので、動き易いためと推測される。範囲100Bにおいても同様であり、第3ワイヤ103の特定部分103Pが摩耗により劣化し易い理由として、第3ワイヤ103の巻き終わり部分ECは、別のワイヤ100によって後インシュレータ34に押し付けられないので、動き易いためと推測される。例えば、図11の矢印R1で示すように、第3ワイヤ103の特定部分103Pは、前後方向に移動する可能性がある。本実施形態においては、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとが接触不可能に配置されることにより、第1ワイヤ101の表面及び第2ワイヤ102の表面のそれぞれの劣化が効果的に抑制される。範囲100Bについても同様であり、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとが接触不可能に配置されることにより、第1ワイヤ101の表面及び第2ワイヤ102の表面のそれぞれの劣化が効果的に抑制される。また、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとが接着剤105に固定されるので、図11の矢印R1で示したように、第2ワイヤ102を覆うように配置された第3ワイヤ103の巻き終わり部分ECである特定部分103Pが前後方向に移動することが抑制される。
また、本発明者は、第2ワイヤ102の特定部分102P以外の部分においては、摩耗による劣化があまり生じないことを見出した。すなわち、第2ワイヤ102の巻き始め部分SCにおいては、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102との擦れ合いがあまり生じないことを見出した。第2ワイヤ102の特定部分102P以外の部分が劣化し難い理由として、第2ワイヤ102の巻き始め部分SCは、巻かれたコイル35に締め付けられるので、動き難くなるためと推測される。したがって、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の巻き始め部分SCとは、接触可能に配置されてもよい。第3ワイヤ103の特定部分103Pについても同様である。
また、本発明者は、第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECであっても第3ワイヤ103に覆わる部分においては、摩耗による劣化があまり生じないことを見出した。第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECであっても第3ワイヤ103に覆わる部分が劣化し難い理由として、第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECは、第3ワイヤ103によって後インシュレータ34に押し付けられるので、動き難くなるためと推測される。したがって、第3ワイヤ103と、第3ワイヤ103に覆われる第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECとは、接触可能に配置されてもよい。
範囲100Aにおいて、接着剤105は、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとを離した状態で、第1ワイヤ101及び第2ワイヤ102を後インシュレータ34に固定する。これにより、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとは、簡易な構成で離れることができる。また、接着剤105の少なくとも一部が第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとの間に配置されることにより、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとの接触は十分に抑制される。範囲100Bについても同様である。
範囲100Aにおいて、接着剤105は、第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECのみに塗布され、第2ワイヤ102の巻き始め部分SC及び第2ワイヤ102の中間部分には塗布されない。これにより、高価な接着剤105の浪費が抑制される。また、接着剤105の塗布に要する作業時間が短縮される。範囲100Bについても同様である。
接着剤105は、紫外線硬化性である。したがって、ワイヤ100に接着剤105を塗布した後、接着剤105に紫外光を照射するだけで、接着剤105を短時間で硬化させることができる。
<他の実施形態>
なお、上述の実施形態において、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとは離れていることとした。第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとは接触してもよい。第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとが接触した状態で、接着剤105により固定されることにより、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとは相対移動不可能になる。第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとが相対移動不可能になることにより、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とは擦れ合わないので、第1ワイヤ101の表面及び第2ワイヤ102の表面の劣化が抑制される。また、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとが接着剤105により相対移動不可能に固定された場合、第1ワイヤ101及び第2ワイヤ102は、後インシュレータ34に固定されなくてもよい。第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとの固定についても同様である。
なお、接着剤105は、熱硬化性でもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図12は、本実施形態に係るステータ20の一部を拡大した図である。図12に示すように、ステータ20は、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとの間に配置される絶縁性の中間部材106を備える。中間部材106は、後インシュレータ34に固定されている。中間部材106により、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとは接触不可能である。範囲100Bにおいて、中間部材106は、第3ワイヤ103の特定部分103P(巻き終わり部分EC)のみに配置され、第3ワイヤ103の巻き始め部分SC及び中間部分には配置されない。
中間部材106は、ゴムにより形成される。これにより、中間部材106に接触する第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面の劣化が抑制される。なお、中間部材106は、合成樹脂により形成されてもよい。
なお、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102の特定部分102Pとの間に中間部材106が配置されてもよい。
なお、中間部材106は、後インシュレータ34に固定されなくてもよい。
以上説明したように、本実施形態においても、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとは接触不可能である。そのため、例えばモータ8が振動しても、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とが擦れ合うことが抑制される。したがって、第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面のそれぞれの劣化が抑制される。第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面のそれぞれの劣化が抑制されるので、レアショート(layer short)の発生が抑制される。範囲100Aについても同様である。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図13は、本実施形態に係るステータ20の一部を示す斜視図である。図13に示すように、後インシュレータ34は、第2ワイヤ102を支持する第1支持面341と、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとを離した状態で第3ワイヤ103を支持する第2支持面342とを有する。第1支持面341及び第2支持面342のそれぞれは、回転軸AXと直交する平面である。第1支持面341及び第2支持面342のそれぞれは、後方を向く。
第1支持面341と第2支持面342とは、軸方向において異なる位置に配置される。また、第1支持面341と第2支持面342とは、径方向において異なる位置に配置される。図13に示す例において、第2支持面342は、第1支持面341よりも後方に配置される。第1支持面341は、第2支持面342よりも径方向外側に配置される。すなわち、第1支持面341と第2支持面342との間に段差が形成される。
第1支持面341は、リング部71の後面である。後ガイドリブ75は、第1支持面341の径方向内側の端部と第2支持面342の径方向外側の端部とを結ぶ第1外周面343と、第2支持面342の径方向内側の端部と後ガイドリブ75の後端部とを結ぶ第2外周面344とを有する。第2外周面344は、第1外周面343よりも後方に配置される。第2外周面344は、第1外周面343よりも径方向内側に配置される。第1外周面343及び第2外周面344のそれぞれは、回転軸AXと平行である。第1外周面343及び第2外周面344のそれぞれは、径方向外側を向く。第2ワイヤ102は、第1支持面341及び第1外周面343に支持される。第3ワイヤ103は、第2支持面342及び第2外周面344に支持される。
以上説明したように、本実施形態においても、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとは接触不可能である。そのため、例えばモータ8が振動しても、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とが擦れ合うことが抑制される。したがって、第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面のそれぞれの劣化が抑制される。第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面のそれぞれの劣化が抑制されるので、レアショート(layer short)の発生が抑制される。範囲100Aについても同様である。
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図14は、本実施形態に係るステータ20の一部を示す斜視図である。図14に示すように、後インシュレータ34は、第2ワイヤ102を支持する第1支持面341と、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとを離した状態で第3ワイヤ103を支持する第2支持面342とを有する。
第1支持面341と第2支持面342とは、軸方向において異なる位置に配置される。また、第1支持面341と第2支持面342とは、径方向において同じ位置に配置される。図14に示す例において、第2支持面342は、第1支持面341よりも後方に配置される。
第1支持面341は、リング部71の後面である。後ガイドリブ75の外周面351に中間リブ345が設けられる。中間リブ345は、後ガイドリブ75の外周面351の軸方向中間部から径方向外側に突出する。第2支持面342は、中間リブ345の後面である。
以上説明したように、本実施形態においても、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとは接触不可能である。そのため、例えばモータ8が振動しても、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とが擦れ合うことが抑制される。したがって、第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面のそれぞれの劣化が抑制される。第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面のそれぞれの劣化が抑制されるので、レアショート(layer short)の発生が抑制される。範囲100Aについても同様である。
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図15は、本実施形態に係るステータ20の一部を示す斜視図である。図15に示すように、後インシュレータ34は、第2ワイヤ102を支持する第1支持面341と、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとを離した状態で第3ワイヤ103を支持する第2支持面342とを有する。
第1支持面341と第2支持面342とは、軸方向において異なる位置に配置される。また、第1支持面341と第2支持面342とは、径方向において同じ位置に配置される。図15に示す例において、第2支持面342は、第1支持面341よりも後方に配置される。
第1支持面341は、周方向において間隔をあけて配置される。第2支持面342は、周方向において間隔をあけて配置される。回転軸AXと直交する面内において、第1支持面341と第2支持面342とは、重複しないように配置される。
後ガイドリブ75の外周面351に分割リブ346が設けられる。分割リブ346は、後ガイドリブ75の外周面351の軸方向中間部から径方向外側に突出する。分割リブ346は、周方向に間隔をあけて設けられる。第2支持面342は、複数の分割リブ346のそれぞれに設けられる。第2支持面342は、分割リブ346の後面である。
ステータコア32の後面に分割リブ347が設けられる。分割リブ347は、ステータコア32の後面から後方に突出する。分割リブ347は、周方向に間隔をあけて設けられる。第1支持面341は、複数の分割リブ347のそれぞれに設けられる。第1支持面341は、分割リブ347の後面である。
以上説明したように、本実施形態においても、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103の特定部分103Pとは接触不可能である。そのため、例えばモータ8が振動しても、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とが擦れ合うことが抑制される。したがって、第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面のそれぞれの劣化が抑制される。第2ワイヤ102の表面及び第3ワイヤ103の表面のそれぞれの劣化が抑制されるので、レアショート(layer short)の発生が抑制される。また、本実施形態においては、隣り合う分割リブ347の間において、ステータコア32の後面が露出する。これにより、ステータコア32の放熱効果が向上する。また、後インシュレータ34が金型を用いて製造される場合、本実施形態の構造によれば、後インシュレータ34を円滑に製造することができる。範囲100Aについても同様である。
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図16は、本実施形態に係るステータ20を示す後方からの平面図である。上述の実施形態と同様、後インシュレータ34は、ワイヤ100(第1ワイヤ101、第2ワイヤ102、第3ワイヤ103)をガイドする後ガイドリブ75を有する。
上述の実施形態と同様、後インシュレータ34において、周方向の一部に範囲100Aが規定され、周方向の一部に範囲100Bが規定される。また、後インシュレータ34において、周方向の一部に範囲100Cが規定される。
上述の実施形態と同様、範囲100Aにおいて、第1ワイヤ101と第2ワイヤ102とは重複し、範囲100Bにおいて、第2ワイヤ102と第3ワイヤ103とは重複する。範囲100Cにおいて、第3ワイヤ103と第1ワイヤ101とは重複する。
実施形態において、ワイヤ100の巻き終わり部分ECとして、別のワイヤ100を覆うように配置された第1状態の巻き終わり部分EC1と、別のワイヤ100に覆われるように配置された第2状態の巻き終わり部分EC2とが存在する。
範囲100Aにおいて、第2ワイヤ102の巻き終わり部分ECは、第1ワイヤ101を覆うように配置された第1状態の巻き終わり部分EC1である。
範囲100Bにおいて、第3ワイヤ103の巻き終わり部分ECは、第2ワイヤ102を覆うように配置された第1状態の巻き終わり部分EC1である。
範囲100Cにおいて、第1ワイヤ101の巻き終わり部分ECは、第3ワイヤ103に覆われるように配置された第2状態の巻き終わり部分EC2である。
後ガイドリブ75は、第1状態の巻き終わり部分EC1を支持する第1ガイドリブ751と、第2状態の巻き終わり部分EC2を支持する第2ガイドリブ752とを含む。第1ガイドリブ751は、範囲100A及び範囲100Bのそれぞれに配置される。第2ガイドリブ752は、範囲100Cに配置される。
周方向において、第1ガイドリブ751は、一対の端部751A,751Bを有する。端部751Aは、端部751Bよりも巻き終わり部分EC1に近い。周方向において、第2ガイドリブ752は、一対の端部752A,752Bを有する。端部752Aは、端部752Bよりも巻き終わり部分EC2に近い。
周方向において、第1状態の巻き終わり部分EC1と第1状態の巻き終わり部分EC1に近い第1ガイドリブ751の一方の端部751Aとの距離D1は、第2状態の巻き終わり部分EC2と第2状態の巻き終わり部分EC2に近い第2ガイドリブ752の一方の端部752Aとの距離D2よりも長い。
すなわち、コイル35と対向する第1ガイドリブ751の領域は、コイル35と対向する第2ガイドリブ752の領域よりも小さい。
範囲100Aにおいて、第2ワイヤ102の巻き終わり部分EC1は、大きく屈曲することなく、第1ガイドリブ751に支持される。同様に、範囲100Bにおいて、第3ワイヤ103の巻き終わり部分EC1は、大きく屈曲することなく、第1ガイドリブ751に支持される。一方、範囲100Cにおいて、第1ワイヤ101の巻き終わり部分EC2は、大きく屈曲した後、第2ガイドリブ752に支持される。すなわち、本実施形態においては、第1状態の巻き終わり部分EC1の屈曲角度は、第2状態の巻き終わり部分EC2の屈曲角度よりも小さい。
上述の実施形態で説明した特定部分102P及び特定部分103Pは、第1状態の巻き終わり部分EC1を含む。上述したように、第1状態の巻き終わり部分EC1(特定部分102P及び特定部分103P)は、摩耗により劣化する可能性が高い。本実施形態においては、第1状態の巻き終わり部分EC1の屈曲角度が第2状態の巻き終わり部分EC2の屈曲角度よりも小さいので、第1状態の巻き終わり部分ECが他のワイヤ100と擦れ合っても、絶縁膜が剥がれることが抑制される。
[第7実施形態]
第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
<電動作業機>
図17は、本実施形態に係る電動作業機301を示す斜視図である。本実施形態において、電動作業機301は、園芸工具の一種であるチェーンソーである。
電動作業機301は、ハウジング302と、ハンドガード303と、グリップ部304と、バッテリ装着部305と、トリガスイッチ306と、トリガロックレバー307と、ガイドバー308と、ソーチェーン309とを備える。
ハウジング302は、合成樹脂により形成される。ハウジング302は、モータ収容部310と、バッテリ保持部311と、リヤグリップ部312とを有する。
モータ収容部310は、モータ8Bを収容する。バッテリ保持部311は、モータ収容部310の後端部に接続される。バッテリ保持部311は、バッテリパック11が装着されるバッテリ装着部305を有する。バッテリ保持部311は、コントローラを収容する。リヤグリップ部312は、バッテリ保持部311の後端部に接続される。トリガスイッチ306及びトリガロックレバー307は、リヤグリップ部312に配置される。トリガロックレバー307が操作されることにより、トリガスイッチ306の操作が許可される。
ガイドバー308は、ハウジング302から前方に延伸する。ガイドバー308は、前後方向に長い板状の部材である。ソーチェーン309は、連結された複数のカッタを含む。ソーチェーン309は、ガイドバー308の周縁部に配置される。トリガスイッチ306が操作されると、モータ8Bが駆動する。モータ8Bとソーチェーン309とは、スプロケットを含む動力伝達機構(不図示)を介して連結される。モータ8Bの駆動により、ソーチェーン309がガイドバー308の周縁部を移動する。
グリップ部304は、合成樹脂により形成される。グリップ部304は、使用者に握られる。グリップ部304は、パイプ状の部材である。グリップ部304は、バッテリ保持部311に繋がる。グリップ部304の左端部は、バッテリ保持部311の左側面に接続される。グリップ部304の右端部は、バッテリ保持部311の右側面に接続される。
<ステータ>
図18は、本実施形態に係るステータ20Bを示す右方からの斜視図である。図19は、本実施形態に係るステータ20Bを示す右方からの分解斜視図である。
モータ8Bは、ステータ20Bを有する。ステータ20Bは、ステータコアアッセンブリ110と、コイル112と、端子ユニット114と、センサ基板116と、基板押さえ部材118とを有する。
ステータコアアッセンブリ110は、ステータコア120と、インシュレータ122とを有する。
ステータコア120は、積層された複数の鋼板を含む。ステータコア120は、筒状である。ステータコア120は、複数のティース130を有する。ティース130は、ステータコア120の内面から径方向内側に突出する。複数のティース130は、周方向に等間隔で配置される。本実施形態において、ティース130は、12個設けられる。隣り合うティース130の間にスロットが形成される。また、ステータコア120の外面に外溝131が形成される。外溝131は、軸方向(左右方向)に延伸する。外溝131は、複数設けられる。本実施形態において、外溝131は、周方向に間隔をあけて3つ設けられる。
インシュレータ122は、ステータコア120に支持される。インシュレータ122は、合成樹脂により形成される。本実施形態において、インシュレータ122は、ティース被覆部132と、円筒部133と、壁部134と、接続部ガード136と、ヒュージング端子保持部140とを有する。
ティース被覆部132は、ティース130の表面の少なくとも一部を覆う。壁部134の少なくとも一部は、ティース130から軸方向に突出する。ティース被覆部132の一部に溝135が形成される。溝135は、周方向に延伸する。コイル112を形成するワイヤの少なくとも一部は、溝135に配置される。
円筒部133は、複数のティース被覆部132を繋ぐ。円筒部133の一部は、ステータコア120よりも右方に突出する。円筒部133は、複数のねじボス部138を有する。複数のねじボス部138は、周方向に間隔をあけて配置される。本実施形態において、ねじボス部138は、5つ設けられる。
接続部ガード136は、円筒部133の下部から径方向外側に突出する。接続部ガード136は、後述するステータ側接続部187及び電源線側接続部190を保護する。
ヒュージング端子保持部140は、後述するヒュージング端子180を保持する。ヒュージング端子保持部140は、円筒部133の外面に設けられる。ヒュージング端子保持部140は、複数設けられる。本実施形態において、ヒュージング端子保持部140は、6つ設けられる。複数のヒュージング端子保持部140は、周方向に等間隔で配置される。
ヒュージング端子保持部140は、周方向に配置された第1突体142と第2突体144とを含む。第1突体142及び第2突体144は、円筒部133よりも右方に突出する。第1突体142は、内側突出部と、外側突出部とを有する。外側突出部は、内側突出部よりも径方向外側に配置される。内側突出部は、外側突出部よりも右方に突出する。同様に、第2突体144は、内側突出部と、外側突出部とを有する。
第2突体144の内側突出部は、周方向に延伸する延設部145を含む。延設部145は、突端部146を有する。円筒部133において、突端部146に隣接する位置に凹み147が形成される。
本実施形態においては、ステータコア120とインシュレータ122とが一体成形されることにより、ステータコアアッセンブリ110が形成される。ステータコア120とインシュレータ122とは、例えばインサート射出成形により一体成形される。インサート射出成形とは、金型にステータコア120を配置した状態で、インシュレータ122となる合成樹脂を射出する成形方法をいう。
コイル112は、ステータコアアッセンブリ110のティース被覆部132に巻かれる。すなわち、コイル112は、インシュレータ122を介してステータコア120の複数のティース130のそれぞれに巻かれる。コイル112は、複数設けられる。本実施形態において、コイル112は、12個設けられる。
図20は、本実施形態に係るコイル112の結線状態を模式的に示す図である。図20に示すように、コイル112は、12個設けられる。12個のコイル112のそれぞれから、延長端末ワイヤ149が突出する。ヒュージング端子180は、延長端末ワイヤ149と接続される。ヒュージング端子180は、延長端末ワイヤ149を介してコイル112と接続される。本実施形態において、ヒュージング端子180は、6つ設けられる。
第1のヒュージング端子180は、コイル112Bの延長端末ワイヤ149とコイル112Cの延長端末ワイヤ149とに接続される。コイル112Bとコイル112Cとは隣り合う。
第2のヒュージング端子180は、コイル112Dの延長端末ワイヤ149とコイル112Eの延長端末ワイヤ149とに接続される。コイル112Dとコイル112Eとは隣り合う。
第3のヒュージング端子180は、コイル112Fの延長端末ワイヤ149とコイル112Gの延長端末ワイヤ149とに接続される。コイル112Fとコイル112Gとは隣り合う。
第4のヒュージング端子180は、コイル112Hの延長端末ワイヤ149とコイル112Iの延長端末ワイヤ149とに接続される。コイル112Hとコイル112Iとは隣り合う。
第5のヒュージング端子180は、コイル112Jの延長端末ワイヤ149とコイル112Kの延長端末ワイヤ149とに接続される。コイル112Jとコイル112Kとは隣り合う。
第6のヒュージング端子180は、コイル112Lの延長端末ワイヤ149とコイル112Aの延長端末ワイヤ149とに接続される。コイル112Lとコイル112Aとは隣り合う。
コイル112Aとコイル112Dとは、第1の渡り線148を介して接続される。コイル112Cとコイル112Fとは、第2の渡り線148を介して接続される。コイル112Eとコイル112Hとは、第3の渡り線148を介して接続される。コイル112Gとコイル112Jとは、第4の渡り線148を介して接続される。コイル112Iとコイル112Lとは、第5の渡り線148を介して接続される。コイル112Kとコイル112Bとは、第6の渡り線148を介して接続される。
図21は、本実施形態に係る端子ユニット114を示す斜視図である。端子ユニット114は、端子ユニット本体150と、第1板金部材152aと、第2板金部材152bと、第3板金部材152cとを有する。
端子ユニット本体150は、合成樹脂により形成される。端子ユニット本体150は、円環状である。端子ユニット本体150は、径方向外側に突出する接続部ベース160を有する。接続部ベース160は、前後方向に配置される3つのコップ部164を有する。3つのコップ部164は、隔壁162で仕切られる。コップ部164は、ねじボス166を有する。
また、端子ユニット本体150は、複数のねじ孔部168と、複数のピン部170と、ねじボス部172と、突起部174と、リブ176と、逃げ部178と、凸部179とを有する。
ねじ孔部168は、端子ユニット本体150の周縁部に設けられる。ねじ孔部168は、周方向に間隔をあけて設けられる。本実施形態において、ねじ孔部168は、5個設けられる。
ピン部170は、端子ユニット本体150の外面から左方に突出する。ピン部170は、周方向に等間隔で設けられる。本実施形態において、ピン部170は、3個設けられる。ピン部170は、ステータコア120の外溝131に配置される。
第1板金部材152a、第2板金部材152b、及び第3板金部材152cのそれぞれは、金属により形成される。
第1板金部材152aは、円弧状である。第1板金部材152aは、ヒュージング端子180と、接続片182と、突片184とを有する。ヒュージング端子180は、第1板金部材152aの先端部に設けられる。ヒュージング端子180は、折返し部を含む。接続片182は、第1板金部材152aの基端部に設けられる。突片184は、径方向外側に突出する。
第2板金部材152bは、円弧状である。第1板金部材152aと同様、第2板金部材152bは、ヒュージング端子180と、接続片182と、突片184とを有する。
第3板金部材152cは、円弧状である。第1板金部材152a及び第2板金部材152bと同様、第3板金部材152cは、ヒュージング端子180と、接続片182と、突片184とを有する。
本実施形態においては、端子ユニット本体150と第1板金部材152aと第2板金部材152bと第3板金部材152cとが一体成形されることにより、端子ユニット114が形成される。一体成形するとき、凸部179と突片184とが位置合わせされる。
第1板金部材152a、第2板金部材152b、及び第3板金部材152cのそれぞれのヒュージング端子180と接続片182とは、端子ユニット本体150から突出する。接続片182は、ねじボス166を覆うように配置される。接続部ベース160、ねじボス166、及び接続片182は、ステータ側接続部187を形成する。
端子ユニット114は、インシュレータ122に接続される。端子ユニット114とインシュレータ122とを接続する場合、ねじ孔部168とねじボス部138とが位置合わせされた後、ねじボス部138のねじ孔にねじ188が結合される。これにより、端子ユニット114がインシュレータ122に接続される。端子ユニット114のピン部170の先端部がステータコア120の外溝131に入ることにより、端子ユニット114がステータコアアッセンブリ110に位置決めされる。
ヒュージング端子180は、延長端末ワイヤ149と接続される。ヒュージング端子180は、延長端末ワイヤ149を介してコイル112と接続される。ヒュージング端子180は、ヒュージング端子保持部140に保持される。延長端末ワイヤ149は、ヒュージング端子180に挟まれた状態で、ヒュージングされる。
端子ユニット114のステータ側接続部187は、電源線側接続部190と接続される。電源線側接続部190は、接続部ベース192と、顎部194と、端子板196と、電源線198とを有する。顎部194は、接続部ベース192から突出する。端子板196は、前後方向に3個設けられる。端子板196は、透孔を有する。電源線198は、端子板196に接続される。
端子板196とステータ側接続部187の接続片182とが接触した状態で、端子板196の透孔と接続片182の接続孔とにねじ200が挿入されることにより、ステータ側接続部187に電源線側接続部190とが接続される。ねじ200は、ねじボス166のねじ孔に結合される。顎部194と端子板196とは、端子ユニット114のコップ部164と接続片182とを挟むように配置される。
センサ基板116は、ロータの回転を検出して検出信号を出力する複数の回転検出素子(不図示)を有する。センサ基板116の周縁部に、3個のノッチ210と、1個のリブ受け212とが設けられる。ノッチ210は、端子ユニット本体150のねじボス部172に対応する。リブ受け212は、端子ユニット本体150のリブ176に対応する。回転検出素子の検出信号は、信号線(不図示)を介してコントローラに出力される。
センサ基板116は、ピン孔214を有する。ピン孔214は、端子ユニット本体150の突起部174に対応する。
センサ基板116は、端子ユニット114に接続される。センサ基板116と端子ユニット114とを接続する場合、ノッチ210に端子ユニット114のねじボス部172が挿入され、リブ受け212に端子ユニット114のリブ176が挿入される。また、センサ基板116のピン孔214に突起部174が挿入される。これにより、センサ基板116と端子ユニット114とが位置決めされる。
基板押さえ部材118は、センサ基板116を端子ユニット114に押さえ付ける。基板押さえ部材118は、合成樹脂により形成される。基板押さえ部材118は、円環状である。基板押さえ部材118は、ねじ孔部220と、リブ受け222と、ピン孔224と、ブリッジ部226とを有する。センサ基板116に接続される信号線は、ブリッジ部226を通過する。
基板押さえ部材118は、端子ユニット114に接続される。基板押さえ部材118と端子ユニット114とを接続する場合、基板押さえ部材118と端子ユニット114との間にセンサ基板116が配置された状態で、リブ受け222に端子ユニット114のリブ176が挿入され、ピン孔224に突起部174が挿入される。これにより、基板押さえ部材118と端子ユニット114とが位置決めされる。
基板押さえ部材118と端子ユニット114とが位置決めされた状態で、ねじ孔部220のねじ孔と端子ユニット114のねじボス部172のねじ孔とにねじ228が挿入されることにより、基板押さえ部材118が端子ユニット114に接続される。センサ基板116は、基板押さえ部材118と端子ユニット114とに挟まれる。センサ基板116は、端子ユニット114に固定される。
図22は、本実施形態に係るヒュージング端子180を示す拡大図である。図22に示すように、2本の延長端末ワイヤ149とヒュージング端子180とは、ヒュージング装置400により接続される。2本の延長端末ワイヤ149は、上述の実施形態で説明した第1ワイヤ101及び第2ワイヤ102に相当する。
ヒュージング端子180は、第1プレート部180Aと、折返し部180Cを介して第1プレート部180Aに接続される第2プレート部180Bとを有する。延長端末ワイヤ149は、第1プレート部180Aと第2プレート部180Bとの間に配置される。本実施形態において、第1プレート部180Aの内面と側面との境界に面取り部180Dが形成される。第2プレート部180Bの内面と側面との境界に面取り部180Dが形成される。第1プレート部180Aの内面と側面との境界が尖っていたり、第2プレート部180Bの内面と側面との境界が尖っていたりすると、延長端末ワイヤ149が第1プレート部180Aと第2プレート部180Bとで挟まれたとき、延長端末ワイヤ149に過度な応力が作用する可能性がある。本実施形態によれば、第1プレート部180A及び第2プレート部180Bのそれぞれが面取り部180Dを有するので、延長端末ワイヤ149が第1プレート部180Aと第2プレート部180Bとで挟まれたとき、延長端末ワイヤ149に過度な応力が作用することが抑制される。
ヒュージング装置400は、第1電極401と第2電極402とを有する。ヒュージング装置400は、延長端末ワイヤ149が第1プレート部180Aと第2プレート部180Bとの間に配置された状態で、第1プレート部180Aと第2プレート部180Bとが接近するように、第1電極401及び第2電極402でヒュージング端子180を押圧する。また、ヒュージング装置400は、第1電極401及び第2電極402でヒュージング端子180を押圧しながら、ヒュージング端子180を加熱する。これにより、延長端末ワイヤ149とヒュージング端子180とは、ヒュージングにより接続される。
第1電極401の幅及び第2電極402の幅は、ヒュージング端子180の幅よりも小さい。ヒュージング端子180の幅方向の端部が第1電極401及び第2電極402により押圧されると、延長端末ワイヤ149が第1プレート部180Aと第2プレート部180Bとで挟まれたとき、延長端末ワイヤ149に過度な応力が作用する可能性がある。本実施形態によれば、第1電極401の幅及び第2電極402の幅は、ヒュージング端子180の幅よりも小さいので、ヒュージング端子180の幅方向の端部が第1電極401及び第2電極402により押圧されることが抑制される。これにより、延長端末ワイヤ149が第1プレート部180Aと第2プレート部180Bとで挟まれたとき、延長端末ワイヤ149に過度な応力が作用することが抑制される。
図23は、本実施形態に係るステータ20Bを示す側面図である。図24は、本実施形態に係るステータ20Bの一部を示す拡大図である。2本の延長端末ワイヤ149は、上述の実施形態で説明した第1ワイヤ101及び第2ワイヤ102に相当する。図23に示すように、ヒュージング端子180と2本の延長端末ワイヤ149(第1ワイヤ及び第2ワイヤ)とインシュレータ122のヒュージング端子保持部140と端子ユニット本体150とは、接着剤105により固定される。
本実施形態において、モータ8Bは、複数のティース130を有するステータコア120と、ステータコア120に支持されるインシュレータ122と、インシュレータ122を介して複数のティース130のそれぞれに巻かれるコイル112と、ねじ188によりインシュレータ122に接続される端子ユニット本体150と、2本の延長端末ワイヤ149を介してコイル112に接続されるヒュージング端子180とを有する。端子ユニット114は、端子ユニット本体150と、端子ユニット本体150と一体成形される板金部材(第1板金部材152a,第2板金部材152b,第3板金部材152c)とを有する。ヒュージング端子180は、板金部材の先端部に設けられる。すなわち、ヒュージング端子180は、端子ユニット本体150に支持される。ヒュージング端子180は、端子ユニット本体150に支持された状態で、インシュレータ122のヒュージング端子保持部140に配置される。ヒュージング端子保持部140に配置されたヒュージング端子180と延長端末ワイヤ149とがヒュージング装置400により接続される。ヒュージング端子180と延長端末ワイヤ149とがヒュージングされた後、ヒュージング端子180と2本の延長端末ワイヤ149とインシュレータ122のヒュージング端子保持部140と端子ユニット本体150とが、接着剤105により固定される。
上述のように、ヒュージング端子180は、インシュレータ122とは別部材である端子ユニット本体150に支持される。モータ8Bの駆動により、インシュレータ122と端子ユニット本体150とが相対移動する可能性がある。インシュレータ122と端子ユニット本体150との相対移動により、延長端末ワイヤ149に過度な応力が集中し、延長端末ワイヤ149が切断される可能性がある。本実施形態によれば、ヒュージング端子180と延長端末ワイヤ149とインシュレータ122と端子ユニット本体150とが接着剤105で固定される。これより、延長端末ワイヤ149の切断が抑制される。
[第8実施形態]
第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図25は、本実施形態に係るステータ20Bの一部を示す拡大図である。本実施形態は、図24を参照して説明した実施形態の変形例である。図25に示すように、2本の延長端末ワイヤ149(第1ワイヤ及び第2ワイヤ)とインシュレータ122のヒュージング端子保持部140とが、接着剤105により固定される。本実施形態において、接着剤105は、延長端末ワイヤ149及びヒュージング端子保持部140に塗布される。接着剤105は、ヒュージング端子180に塗布されない。また、接着剤105は、端子ユニット本体150に塗布されない。本実施形態においても、延長端末ワイヤ149の切断が抑制される。
[第9実施形態]
第9実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図26は、本実施形態に係るステータ20Bの一部を示す拡大図である。本実施形態は、図24及び図25を参照して説明した実施形態の変形例である。図26に示すように、2本の延長端末ワイヤ149(第1ワイヤ及び第2ワイヤ)とインシュレータ122のヒュージング端子保持部140と端子ユニット本体150とが、接着剤105により固定される。本実施形態において、接着剤105は、延長端末ワイヤ149、ヒュージング端子保持部140、及び端子ユニット本体150に塗布される。接着剤105は、ヒュージング端子180に塗布されない。本実施形態においても、延長端末ワイヤ149の切断が抑制される。
[その他の実施形態]
なお、上述の実施形態において、電動作業機1は、電動工具の一種である震動ドライバドリルであることとした。電動工具は、震動ドライバドリルに限定されない。電動工具として、ドライバドリル、アングルドリル、インパクトドライバ、グラインダ、ハンマ、ハンマドリル、マルノコ、及びレシプロソーが例示される。
上述の実施形態において、電動作業機301は、園芸工具の一種であるチェーンソーであることとした。園芸工具は、チェーンソーに限定されない。園芸工具として、ヘッジトリマ、芝刈り機、草刈機、及びブロワが例示される。
上述の実施形態においては、電動作業機の電源としてバッテリ装着部に装着されるバッテリパック11が使用されることとした。電動作業機の電源として、商用電源(交流電源)が使用されてもよい。