JP2021150595A - リニアソレノイド及び電磁比例弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力を低減することができるリニアソレノイド及び当該リニアソレノイドを備える電磁比例弁を提供する。【解決手段】本発明に係るリニアソレノイドは、通電により磁界を発生させるソレノイドコイル(2)と、ソレノイドコイルへの通電により発生した磁界が供給される固定コア(3)と、固定コアに対して相対変位可能であり、ソレノイドコイルへの通電により発生した磁界が供給され、ソレノイドコイルへ流れる電流量に応じた磁気吸引力により第1方向に移動する第1可動コア(41)と、ソレノイドコイルへの通電により発生した磁界が供給されて磁化可能であり、第1可動コアとの接触状態において通電停止時に残留磁化による磁気吸引力により第1可動コアとの接触状態を保持する第2可動コア(42)と、第1方向とは反対の方向であり第2可動コアから第1可動コアに向かう第2方向に、第1可動コアを付勢する付勢部材(5)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、リニアソレノイド及び当該リニアソレノイドを備える電磁比例弁に関する。
従来、この種のリニアソレノイドとしては、例えば、特許文献1(特開2019−2436号公報)に開示されたものが知られている。
特許文献1には電磁比例弁が開示され、当該電磁比例弁は、リニアソレノイドとスプールとを備える。上述のリニアソレノイドは、1つの固定コアと、1つの可動コアと、固定コアの外側に設けられて通電によって可動コアを軸方向に吸引する磁気吸引力を発生させるソレノイドコイルと、を有する。更に、可動コアとスプールとは、ソレノイドコイルへの通電によって軸方向に摺動させられるように構成されている。
特開2019−2436号公報
特許文献1のリニアソレノイドは、消費電力を低減させるという観点において、未だ改善の余地がある。
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、消費電力を低減することができるリニアソレノイド及び当該リニアソレノイドを備える電磁比例弁を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係るリニアソレノイドは、
通電によって磁界を発生させるソレノイドコイルと、
前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給される固定コアと、
前記固定コアに対して相対変位可能であって、前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給され、前記ソレノイドコイルへ流れる電流量に応じて発生する磁気吸引力によって第1方向に移動する第1可動コアと、
前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給されることで磁化可能であり、前記第1可動コアとの接触状態において通電停止のときに、残留磁化による磁気吸引力によって前記第1可動コアとの接触状態を保持する第2可動コアと、
前記第1方向とは反対の方向であって前記第2可動コアから前記第1可動コアに向かう第2方向に、前記第1可動コアを付勢する付勢部材と、
を備える。
本発明に係るリニアソレノイドによれば、消費電力を低減することができる。
本発明の実施形態に係るリニアソレノイド及び電磁比例弁の一例を示す概略断面図。 第1可動コア41と、出力部材8と、スプール9と、弁体9aと、弁体9bとが変位する様子を示す概略断面図。 第1可動コア41を可動範囲内で最も移動させ、電磁比例弁の弁が最も開いている様子を示す概略断面図。 第2可動コア42が更に変位して、第1可動コア41と第2可動コア42とが接触した様子を示す概略断面図。 磁性材料を外部磁界の中に置いた時の磁化の強さを表すBHカーブを示す図。 図1に示すリニアソレノイドの変形例を示す概略断面図。
本発明の実施形態に係るリニアソレノイドは、
通電によって磁界を発生させるソレノイドコイルと、
前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給される固定コアと、
前記固定コアに対して相対変位可能であって、前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給され、前記ソレノイドコイルへ流れる電流量に応じて発生する磁気吸引力によって第1方向に移動する第1可動コアと、
前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給されることで磁化可能であり、前記第1可動コアとの接触状態において通電停止のときに、残留磁化による磁気吸引力によって前記第1可動コアとの接触状態を保持する第2可動コアと、
前記第1方向とは反対の方向であって前記第2可動コアから前記第1可動コアに向かう第2方向に、前記第1可動コアを付勢する付勢部材と、
を備える。
この構成によれば、ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界は、固定コアと第1可動コアと第2可動コアとに供給され、供給された磁界によってソレノイドコイルへ流れる電流量に応じて磁気吸引力が発生する。上述の磁気吸引力によって、第1可動コアは、第1可動コアから第2可動コアに向かう第1方向に移動することができる。また、上述の磁界が供給されることで第2可動コアは、磁化可能である。第2可動コアは、第1可動コアとの接触状態において磁化した後に通電停止によって残留磁化を有する。この残留磁化による磁気吸引力によって第1可動コアと第2可動コアとの接触状態を保持するため、第1可動コアと第2可動コアとが接触しているときに消費電力を低減することができる。
また、前記第2可動コアと前記固定コアとの間には弾性部材が配置され、前記弾性部材は、前記第2可動コアを前記第1方向に付勢してもよい。この構成によれば、弾性部材による付勢力が第2可動コアに働く磁気吸引力を上回るときに、第2可動コアを第1方向に移動させることができる。
また、前記第1可動コアと前記第2可動コアとは、前記ソレノイドコイルに流れる電流量に比例して位置が調整されてもよい。この構成によれば、第1可動コアと第2可動コアとの位置を容易に調整することができる。
また、前記第2可動コアの残留磁化による磁気吸引力は、前記第2可動コアが磁化するときの前記ソレノイドコイルへの通電の方向とは逆方向への通電によって低減してもよい。この構成によれば、ソレノイドコアへの通電停止のときに第2可動コアが有する残留磁化を逆方向への通電によって低減し、当該残留磁化による磁気吸引力を低減することができる。これにより、例えば、低減した磁気吸引力の大きさを、第2可動コアと固定コアとの間に配置された弾性部材による付勢力が上回る場合には、第1可動コアと第2可動コアとの接触状態を解消することができる。
また、前記固定コアは、第1固定コアと第2固定コアとに分割され、前記第1固定コアと前記第2固定コアの間で磁束を通すために前記第1固定コアと前記第2固定コアとに接続されるヨークを備えてもよい。更に、前記ヨークは、前記ソレノイドコイルと前記第1可動コアと前記第2可動コアとを収容するケースの一部を構成してもよい。この構成によれば、ヨークとケースとを別々に設ける必要なく、磁気吸引力を向上させることができる。
また、前記第1可動コアは、軟質磁性材料で構成され、前記第2可動コアは、半硬質磁性材料で構成されてもよい。この構成によれば、磁界によって励磁されても材料中に磁束密度が実用上ほぼ残留しない軟質磁性材料で構成される第1可動コアと、磁界によって励磁されると材料中に磁束密度が一時的に残留する半硬質磁性材料で構成される第2可動コアとは、ソレノイドコイルへ流れる電流量に応じた磁気吸引力によって移動する。また、ソレノイドコイルへの通電停止のときに、半硬質磁性材料で構成される第2可動コアは、残留磁化を有し、当該残留磁化に応じた磁気吸引力によって、第1可動コアとの接触状態を保持することができる。これにより、第1可動コアと第2可動コアとは、ソレノイドコイルへ流れる電流量に比例して位置を調整することができ、第1可動コアと第2可動コアとが接触しているときに消費電力を低減することができる。
また、前記第1可動コアは、保磁力が800[A/m]未満である軟質磁性材料で構成され、前記第2可動コアは、保磁力が800[A/m]以上20000[A/m]以下であって、残留磁束密度が1.0[T]以上1.8[T]以下である半硬質磁性材料で構成されてもよい。この構成によれば、第1可動コアと第2可動コアとは、ソレノイドコイルへ流れる電流量に比例して位置を調整することができ、第1可動コアと第2可動コアとが接触しているときに消費電力を低減することができる。
また、電磁比例弁は、前記のいずれか1つのリニアソレノイドと、当該リニアソレノイドによって駆動されるバルブ機構とを備えてもよい。この構成によれば、リニアソレノイドの第1可動コアと第2可動コアとが接触しているときに消費電力を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
《実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係るリニアソレノイド及び電磁比例弁の一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、電磁比例弁10は、リニアソレノイド1とバルブ機構80とを備える。リニアソレノイド1は、ソレノイドコイル2と、第1固定コア31と、第2固定コア32と、第1可動コア41と、第2可動コア42と、付勢部材5と、弾性部材6と、ヨーク7と、出力部材8とを有する。
ソレノイドコイル2は、長手軸20の回りに螺旋状に巻回された導電ワイヤを有し、内周部と外周部とを有する筒状である。ソレノイドコイル2への通電によって、磁界が発生する。
第1固定コア31は、断面L字状の環状部材であり、円筒部とフランジ部とを有する。第2固定コア32も断面L字状の環状部材であり、第1固定コア31とは別の円筒部とフランジ部とを有する。第1固定コア31と第2固定コア32の各円筒部は、ソレノイドコイル2の内側に長手軸20と略平行になるように配置される。第1固定コア31と第2固定コア32の各フランジ部は、長手軸20と略直交する方向に配置される。
第1可動コア41は、外周部を有する。第1可動コア41の外周部は、第1固定コア31及び第2固定コア32の内周部と摺動する。第1可動コア41は、第1可動コア41から第2可動コア42に向かう第1方向21又は、第1方向21とは反対に第2可動コア42から第1可動コア41に向かう第2方向22に移動可能である。また、第1可動コア41には、例えば、シャフト形状である出力部材8が接続される。
第2可動コア42は、第1固定コア31及び第2固定コア32とは別の円筒部とフランジ部とを有する。第2可動コア42は、長手軸20に沿って第1可動コア41に対向するように配置される。第2可動コアの円筒部は、ソレノイドコイル2の内側に長手軸20と略平行になるように配置される。第2可動コアのフランジ部は、長手軸20と略直交する方向に配置される。第2可動コア42は、円筒部が第2固定コア32の内周部と摺動するように第1方向21又は第2方向22に移動可能である。
付勢部材5は、例えば、圧縮コイルスプリングなどで構成され、後述するスリーブ81の内部に配置され、第1方向21又は第2方向22に移動可能であるスプール9と出力部材8とを介して第1可動コア41を付勢する付勢力を発生する。
弾性部材6は、例えば、圧縮コイルスプリングなどで構成され、第2固定コア32と第2可動コア42との間に配置され、第2可動コア42を第1方向21に付勢する付勢力を発生する。
ヨーク7は、例えば、軟磁性材料などで構成され、ソレノイドコイル2と第1可動コア41と、第2可動コアとを収容するケースの一部を構成している。ヨーク7は、ソレノイドコイル2の外側で第1固定コア31と第2固定コア32とに接続され、第1固定コア31と第2固定コア32との間の磁束を通過させる。そのため、第1固定コア31と、第2固定コア32と、第1可動コア41と、ヨーク7とを経由する磁気回路が構成される。
バルブ機構80は、スリーブ81と、入力ポート81aと、出力ポート81bと、スプール9と、弁体9aと、弁体9bとを有する。
スリーブ81は、筒状であって、側部には開口部である入力ポート81aと出力ポート81bとが配置される。入力ポート81aは圧力源に接続され、出力ポート81bは油圧機構に接続される。
スプール9は、例えば、シャフト形状であって、スリーブ81の内側に配置されている。弁体9aと弁体9bとは、スリーブ81の内径と略同一の外径寸法を有し、スリーブ81の内側に配置されている。スプール9と弁体9aと弁体9bとは、一体となって長手軸20に沿って移動可能である。
第1可動コア41が第1方向21に移動すると、出力部材8とスプール9とを介して、弁体9aと弁体9bとが第1方向21に移動する。特に弁体9aは、第1方向21に移動することで、入力ポート81aの開度を増加させる。一方、第1可動コア41が第2方向22に移動すると、出力部材8とスプール9とを介して、弁体9aと弁体9bとが第2方向22に移動する。特に弁体9aは、第2方向22に移動することで、入力ポート81aの開度を減少させる。ソレノイドコイル2への通電停止のときに弁体9aは、入力ポート81aを閉塞する位置にある。
次に、バルブ機構80の開放動作を説明する。ソレノイドコイル2への通電によって磁界が発生すると、発生した磁界は、第1固定コア31と、第2固定コア32と、第1可動コア41と、第2可動コア42と、ヨーク7に供給される。発生した磁界によって、ソレノイドコイル2へ流れる電流量に応じて磁気吸引力が発生する。上述の磁気吸引力は、第1可動コア41を第1方向21へ付勢し、第2可動コア42を第2方向22へ付勢する。しかしながら、図1において第2可動コア42は、弾性部材6が生じる付勢力によって静止している。
図2は、第1可動コア41と、出力部材8と、スプール9と、弁体9aと、弁体9bとが変位する様子を示す概略断面図である。
図1と比べて、上述の磁気吸引力によって第1可動コア41が第1方向21に変位している。これは、第1可動コア41を第1方向21に付勢する磁気吸引力が、付勢部材5による付勢力を上回って第1可動コア41が第1方向に移動し、その後、上述の磁気吸引力と付勢部材5による付勢力とがつり合って、第1可動コア41が静止したものである。また、第1可動コア41に接続されている出力部材8を介して、スプール9と、弁体9aと、弁体9bとが、第1方向21に変位している。弁体9aが第1方向21に変位することで、バルブ機構80の弁が開放される。
一方、図2に示すように、第2可動コア42は第2方向22へ移動していない。これは、第2可動コア42を第2方向へ付勢する磁気吸引力の大きさが、弾性部材6における付勢力の大きさを下回り、ストッパー(図示せず)によって静止しているためである。
図3は、第1可動コア41を可動範囲内で最も移動させ、電磁比例弁の弁が最も開いている様子を示す概略断面図である。
図3に示すように、ソレノイドコイル2へ流れる電流量を増加させることで上述の磁気吸引力を増加させ、第1可動コア41を可動範囲内で最も変位させている。つまり、第1可動コア41に接続されている出力部材8を介して、スプール9と、弁体9aと、弁体9bとが、最も第1方向21へ移動している。このとき、弁体9aは、入力ポート81aの開口部を最も開いており、本実施形態において弁の開度が100%の状態である。
第1可動コア41は、図1の位置から図3の位置までの間でソレノイドコイル2へ流れる電流量に応じて位置を調整することができる。図1から図3に示すように、第1可動コア41の位置を保持するためには、ソレノイドコイル2へ流れる電流量をアナログ的に維持する必要がある。
図4は、第2可動コア42が更に変位して、第1可動コア41と第2可動コア42とが接触した様子を示す概略断面図である。
図3と比べて、第2可動コア42は、更にソレノイドコイル2へ流れる電流量を増加させて磁気吸引力を増加させることで、第2方向22に変位して、第1可動コア41と接触する。
第1可動コア41は、磁界によって励磁されても材料中に磁束密度が残留しない軟質磁性材料で構成される。第2可動コア42は、磁界によって励磁されると材料中に磁束密度が一時的に残留する半硬質磁性材料で構成される。第1可動コア41と第2可動コア42とが接触した後、ソレノイドコイル2への通電を停止すると、第2可動コア42は残留磁化を有し、当該残留磁化によって磁気吸引力が発生する。このとき、第2可動コア42が磁石の役割をしているため、ソレノイドコイル2への通電を停止しても、第1可動コア41と第2可動コア42とは接触した状態が維持される。
図5は、磁性材料を外部磁界の中に置いた時の磁化の強さを表すBHカーブを示すグラフである。
図5に示すグラフは、横軸が外部磁界Hであって、縦軸が磁束密度Bである。図5において、実線MHで示されるのは、硬質磁性材料が有する特性である。1点鎖線MDで示されるのは、軟質磁性材料が有する特性である。破線MAで示されるのは、半硬質磁性材料が有する特性である。ソレノイドコイル2へ流れる電流量が増加すると、外部磁界Hが増加する。硬質磁性材料と軟質磁性材料と半硬質磁性材料とは、ある一定以上の大きさの外部磁界Hの中に置かれると、同様の磁束密度を有する。
ソレノイドコイル2へ流れる電流量が減少して、外部磁界Hの大きさが通電停止時のH=0に近付くと、1点鎖線MDで表すように、軟質磁性材料が有する磁束密度は小さくなる。これに対して実線MHで表すように、硬質磁性材料が有する磁束密度は大きい状態を維持する。一方で、破線MAで表すように、半硬質磁性材料が有する磁束密度は、硬質磁性材料と軟質磁性材料の間の特性を有しており、軟質磁性材料が有する磁束密度と硬質磁性材料が有する磁束密度との間にある。このように、一度ソレノイドコイル2への通電よって磁化された後、通電停止状態において磁性材料が有する磁束密度のことを、残留磁束密度又は残留磁化という。図5において、外部磁界Hの大きさが通電停止時のH=0の場合、硬質磁性材料における残留磁束密度をBrHで表し、軟質磁性材料における残留磁束密度をBrDで表し、半硬質磁性材料における残留磁束密度をBrAで表す。例えば、半硬質磁性材料が有する残留磁束密度BrAは、1.0[T]以上1.8[T]以下であることが好ましい。
また、磁化された磁性体を磁化されていない状態に戻すために必要な反対向きの外部磁界の強さを保磁力という。図5において、硬質磁性材料における保磁力をHcHで表し、軟質磁性材料における保磁力をHcDで表し、半硬質磁性材料における保磁力をHcAで表す。上述の残留磁化と同様に、保磁力についても半硬質磁性材料が有する特性は、硬質磁性材料が有する特性と軟質磁性材料が有する特性との間にある。例えば、第1可動コア41を構成する軟質磁性材料が有する保持力HcDは、800[A/m]未満であることが好ましい。また、第2可動コア42を構成する半硬質磁性材料が有する保持力HcAは、800[A/m]以上20000[A/m]以下であることが好ましい。
次に、バルブ機構80の閉止動作について説明する。第2可動コア42が磁化するときのソレノイドコイル2への通電の方向とは逆方向への通電によって、第2可動コア42が有する残留磁化が低減する。上述の残留磁化が低減すると、第1可動コア41と第2可動コア42とを接触させている磁気吸引力が低下する。上述の磁気吸引力が低下すると、付勢部材5又は弾性部材6における付勢力によって、第1可動コア41と第2可動コア42との接触状態が解消される。
上述の接触状態が解消されると、例えば、本実施形態の図3に示すように第2可動コア42が弾性部材6における付勢力によって第1方向へ変位する。この後、ソレノイドコイル2へ流れる電流量を減少させると、第1可動コア41は、例えば、本実施形態の図2に示すような状態となり、バルブ機構80の弁の開度が低減する。更に電流量を減少させて通電停止状態になると磁気吸引力が発生しなくなり、第1可動コア41は、本実施形態の図1に示すような状態に戻る。
図6は、本発明の実施形態に係るリニアソレノイド及び電磁比例弁の他の例を示す概略断面図である。
図6に示すように、リニアソレノイド1は、図1に示す第1固定コア31と第2固定コア32とヨーク7とを一体化した固定コア3を備える。これにより、部品点数を削減することができる。
本実施形態に係るリニアソレノイドによれば、ソレノイドコイルへ2の通電によって発生した磁界は、固定コア3と第1可動コア41と第2可動コア42とに供給され、供給された磁界によってソレノイドコイルへ流れる電流量に応じて磁気吸引力が発生する。上述の磁気吸引力によって、第1可動コア41は、第1可動コア41から第2可動コア42に向かう第1方向21に移動することができる。また、上述の磁界が供給されることで第2可動コア42は、磁化可能である。第2可動コア42は、第1可動コア41との接触状態において磁化した後に通電停止によって残留磁化を有する。この残留磁化による磁気吸引力によって第1可動コア41と第2可動コア42との接触状態を保持するため、第1可動コア41と第2可動コア42とが接触しているときに消費電力を低減することができる。
また、本実施形態に係るリニアソレノイドによれば、弾性部材6による付勢力が第2可動コア42に働く磁気吸引力を上回るときに、第2可動コア42を第1方向21に移動させることができる。
また、本実施形態に係るリニアソレノイドによれば、第1可動コア41と第2可動コア42との位置を容易に調整することができる。
また、本実施形態に係るリニアソレノイドによれば、ソレノイドコイル2への通電停止のときに第2可動コア42が有する残留磁化を逆方向への通電によって低減し、当該残留磁化による磁気吸引力を低減することができる。これにより、例えば、低減した磁気吸引力の大きさを、第2可動コア42と固定コア3との間に配置された弾性部材6による付勢力が上回る場合には、第1可動コア41と第2可動コア42との接触状態を解消することができる。
また、本実施形態に係るリニアソレノイドによれば、ヨーク7とケースとを別々に設ける必要なく、磁気吸引力を向上させることができる。
また、本実施形態に係るリニアソレノイドによれば、磁界によって励磁されても材料中に磁束密度が残留しない軟質磁性材料で構成される第1可動コア41と、磁界によって励磁されると材料中に磁束密度が一時的に残留する半硬質磁性材料で構成される第2可動コア42とは、ソレノイドコイル2へ流れる電流量に応じた磁気吸引力によって移動する。また、ソレノイドコイル2への通電停止のときに、半硬質磁性材料で構成される第2可動コア42は、残留磁化を有し、当該残留磁化に応じた磁気吸引力によって、第1可動コア41との接触状態を保持することができる。これにより、第1可動コア41と第2可動コア42とは、ソレノイドコイル2へ流れる電流量に比例して位置を調整することができ、第1可動コア41と第2可動コア42とが接触しているときに消費電力を低減することができる。
また、本実施形態に係るリニアソレノイドによれば、第1可動コア41と第2可動コア42とは、ソレノイドコイル2へ流れる電流量に比例して位置を調整することができ、第1可動コア41と第2可動コア42とが接触しているときに消費電力を低減することができる。
また、本実施形態に係るリニアソレノイドを備える電磁比例弁によれば、上述の効果と同様にリニアソレノイドの第1可動コア41と第2可動コア42とが接触しているときに消費電力を低減することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、リニアソレノイド1の外形は、ソレノイドコイル2の長手軸20と略直交する断面において、円形、略円形、三角形、四角形、又は五角形以上の多角形形状を有する筒形状であってもよい。
また、前記では、電磁比例弁10の外形は、ソレノイドコイル2の長手軸20と略直交する断面において、円形、略円形、三角形、四角形、又は五角形以上の多角形形状を有する筒形状であってもよい。
また、前記では、付勢部材5は、油圧機構、又は磁気機構などによって構成されてもよい。
また、前記では、入力ポート81aが出力ポートであり、出力ポート81bが入力ポートであってもよい。
また、前記では、出力部材8は、軟質磁性材料又は非磁性材料で構成されることが好ましい。この構成によって、ソレノイドコイル2への通電が停止すれば出力部材8が有する残留磁化を低減することができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
以上のように、本発明に係るリニアソレノイド及び電磁比例弁は、可動コアの位置を連続的に変化させ、可動コアの位置を保持するときに消費電力を低減させることができるので、様々な用途に用いられるリニアソレノイド及び当該リニアソレノイドを備える電磁比例弁として有用である。
1 リニアソレノイド
10 電磁比例弁
2 ソレノイドコイル
20 長手軸
21 第1方向
22 第2方向
3 固定コア
31 第1固定コア
32 第2固定コア
41 第1可動コア
42 第2可動コア
5 付勢部材
6 弾性部材
7 ヨーク
8 出力部材
80 バルブ機構
81 スリーブ
81a 入力ポート
81b 出力ポート
9 スプール
9a 弁体
9b 弁体

Claims (8)

  1. 通電によって磁界を発生させるソレノイドコイルと、
    前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給される固定コアと、
    前記固定コアに対して相対変位可能であって、前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給され、前記ソレノイドコイルへ流れる電流量に応じて発生する磁気吸引力によって第1方向に移動する第1可動コアと、
    前記ソレノイドコイルへの通電によって発生した磁界が供給されることで磁化可能であり、前記第1可動コアとの接触状態において通電停止のときに、残留磁化による磁気吸引力によって前記第1可動コアとの接触状態を保持する第2可動コアと、
    前記第1方向とは反対の方向であって前記第2可動コアから前記第1可動コアに向かう第2方向に、前記第1可動コアを付勢する付勢部材と、
    を備える、リニアソレノイド。
  2. 前記第2可動コアと前記固定コアとの間には弾性部材が配置され、前記弾性部材は、前記第2可動コアを前記第1方向に付勢する、請求項1に記載のリニアソレノイド。
  3. 前記第1可動コアと前記第2可動コアとは、前記ソレノイドコイルに流れる電流量に比例して位置が調整される、請求項1又は2に記載のリニアソレノイド。
  4. 前記第2可動コアの残留磁化による磁気吸引力は、前記第2可動コアが磁化するときの前記ソレノイドコイルへの通電の方向とは逆方向への通電によって低減することができる、請求項1〜3のいずれか1つに記載のリニアソレノイド。
  5. 前記固定コアが、第1固定コアと第2固定コアとに分割され、前記第1固定コアと前記第2固定コアとの間で磁束を通すために前記第1固定コアと前記第2固定コアとに接続されるヨークを備え、前記ヨークは、前記ソレノイドコイルと前記第1可動コアと前記第2可動コアとを収容するケースの一部を構成する、請求項1〜4のいずれか1つに記載のリニアソレノイド。
  6. 前記第1可動コアは、軟質磁性材料で構成され、前記第2可動コアは、半硬質磁性材料で構成される、請求項1〜5のいずれか1つに記載のリニアソレノイド。
  7. 前記第1可動コアは、保磁力が800[A/m]未満である軟質磁性材料で構成され、前記第2可動コアは、保磁力が800[A/m]以上20000[A/m]以下であって、残留磁束密度が1.0[T]以上1.8[T]以下である半硬質磁性材料で構成される、請求項1〜6のいずれか1つに記載のリニアソレノイド。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のリニアソレノイドと、前記リニアソレノイドによって駆動されるバルブ機構とを備える、電磁比例弁。
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