JP2021150136A - 蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極体の極板に皴が生じるのを抑制することができる蓄電素子を提供する。【解決手段】極板が巻回された電極体400と、電極体400の巻回軸方向の一端部(電極体端部410)に接続される集電体500(第一集電体)と、を備える蓄電素子10であって、電極体400は、電極体本体部430と、当該一端部において、巻回軸Aを挟む位置に電極体本体部430から突出して配置され、極板が有する複数の極板端部413をそれぞれ有する第一極板端部群411及び第二極板端部群412を有し、第一極板端部群411は、集電体500に接合される複数の極板端部413である第一端部群411aと、集電体500に接合されない複数の極板端部413である第二端部群411bと、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、電極体と、電極体に接続される集電体とを備える蓄電素子に関する。
従来、極板が巻回された電極体と、電極体の巻回軸方向の端部に接続される集電体と、を備える蓄電素子が広く知られている。例えば、特許文献1には、捲回電極体(電極体)の端部において、巻回された極板が圧縮されて端子部材(集電体)が接合され、端子接合部が形成された電池(蓄電素子)が開示されている。
特開2014−32936号公報
上記従来の蓄電素子では、電極体の極板に皴が生じるおそれがある。例えば、上記特許文献1に開示された蓄電素子では、電極体の端部の全ての極板が束ねられて圧縮され、集電体が接合されて端子接合部が形成されている。しかしながら、本願発明者は、このような構成では、蓄電素子の充放電に伴って電極体が膨張収縮を行うことで、極板における端子接合部及びその周辺に皴が生じるおそれがあることを見出した。極板に皴が生じると、極板の厚さが厚くなり、蓄電素子に生じる反力が増加するという問題がある。当該反力が増加すると、極板の破断、または、蓄電素子をモジュール化した場合のモジュール枠の破損等につながるおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電極体の極板に皴が生じるのを抑制することができる蓄電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、極板が巻回された電極体と、前記電極体の巻回軸方向の一端部に接続される第一集電体と、を備える蓄電素子であって、前記電極体は、電極体本体部と、前記一端部において、巻回軸を挟む位置に前記電極体本体部から突出して配置され、前記極板が有する複数の極板端部をそれぞれ有する第一極板端部群及び第二極板端部群を有し、前記第一極板端部群は、前記第一集電体に接合される複数の極板端部である第一端部群と、前記第一集電体に接合されない複数の極板端部である第二端部群と、を有する。
これによれば、蓄電素子において、電極体は、一端部における巻回軸を挟む位置に第一極板端部群及び第二極板端部群を有し、第一極板端部群は、第一集電体に接合される複数の極板端部である第一端部群と、第一集電体に接合されない複数の極板端部である第二端部群と、を有している。このように、第一極板端部群が有する全ての極板端部に第一集電体を接合するのではなく、第一端部群には第一集電体を接合し、第二端部群には第一集電体を接合しない。これにより、第一集電体に接合する極板端部の数を減らすことができるため、極板に皴が生じるのを抑制することができる。
また、前記第二極板端部群は、前記第一集電体に接合される複数の極板端部である第三端部群と、前記第一集電体に接合されない複数の極板端部である第四端部群と、を有し、前記第三端部群は、前記第一端部群よりも、前記巻回軸の近くに配置されることにしてもよい。
これによれば、電極体において、第二極板端部群は、第一集電体に接合される第三端部群と、第一集電体に接合されない第四端部群と、を有しており、第三端部群は、第一端部群よりも巻回軸の近くに配置されている。このように、極板の同一周内の2箇所に第一集電体が接合されている場合には極板に皴が生じやすいため、第二極板端部群が有する第一集電体に接合される第三端部群を、第一極板端部群が有する第一集電体に接合される第一端部群よりも、巻回軸の近くに配置する。つまり、第一端部群及び第三端部群が極板の異なる周に位置するように、第一端部群及び第三端部群を、巻回軸からの距離が異なる位置に配置する。これにより、極板に皴が生じるのを抑制することができる。
また、前記第三端部群が有する極板端部の数は、前記第一端部群が有する極板端部の数よりも少ないことにしてもよい。
これによれば、電極体において、第三端部群が有する極板端部の数は、第一端部群が有する極板端部の数よりも少なく構成されている。このように、電極体の巻回軸の近くの第三端部群の方が第一端部群よりも皴が生じやすいため、第三端部群の極板端部の数を第一端部群の極板端部の数よりも少なくする。これにより、皴が生じやすい第三端部群に皴が生じるのを抑制することができるため、極板全体として皴が生じるのを抑制することができる。
また、前記第三端部群は、前記第一端部群よりも、前記第一集電体との接合面積が小さいことにしてもよい。
これによれば、電極体において、第三端部群は、第一端部群よりも第一集電体との接合面積が小さく構成されている。このように、電極体の巻回軸の近くの第三端部群の方が第一端部群よりも皴が生じやすいため、第一集電体との接合面積を、第三端部群の方が第一端部群よりも小さくする。これにより、皴が生じやすい第三端部群に皴が生じるのを抑制することができるため、極板全体として皴が生じるのを抑制することができる。
また、さらに、前記電極体の巻回軸方向の他端部に接続される第二集電体を備え、前記電極体は、前記他端部において、前記第一極板端部群に対応する位置に、前記電極体本体部から突出して配置される第三極板端部群を有し、前記第三極板端部群は、前記第二集電体に接合される複数の極板端部である第五端部群と、前記第二集電体に接合されない複数の極板端部である第六端部群と、を有し、前記第五端部群は、前記第二端部群に対応する位置に配置され、前記第六端部群は、前記第一端部群に対応する位置に配置されることにしてもよい。
これによれば、電極体は、他端部における第一極板端部群に対応する位置に第三極板端部群を有し、第三極板端部群は、第二端部群に対応する位置に第二集電体に接合される第五端部群を有し、第一端部群に対応する位置に第二集電体に接合されない第六端部群を有している。このように、電極体の両端部に集電体が接合されると極板に皴が生じやすいため、第三極板端部群における第二集電体に接合される第五端部群を、第一極板端部群における第一集電体に接合されない第二端部群に対応する位置に配置する。また、第三極板端部群における第二集電体に接合されない第六端部群を、第一極板端部群における第一集電体に接合される第一端部群に対応する位置に配置する。つまり、電極体の一端部を第一集電体に接合しない場合には、他端部を第二集電体に接合し、電極体の一端部を第一集電体に接合する場合には、他端部を第二集電体に接合しない構成とする。これにより、極板に皴が生じるのを抑制することができる。
なお、本発明は、このような蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える電極体(及び集電体(第一集電体、第二集電体))としても実現することができる。
本発明における蓄電素子によれば、電極体の極板に皴が生じるのを抑制することができる。
実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。 実施の形態に係る電極体の電極体端部の構成を示す側面図である。 実施の形態に係る電極体の電極体端部と集電体の電極接続部との接続構成を示す断面図である。 実施の形態の変形例1に係る電極体の電極体端部と集電体の電極接続部との接続構成を示す断面図である。 実施の形態の変形例2に係る電極体の電極体端部と集電体の電極接続部との接続構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(及びその変形例)に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
また、以下の説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対(正極側及び負極側)の電極端子の並び方向、一対(正極側及び負極側)の集電体の並び方向、電極体の巻回軸方向、または、容器の短側面の対向方向を、X軸方向と定義する。容器の長側面の対向方向、または、容器の厚さ方向を、Y軸方向と定義する。容器の容器本体と蓋体との並び方向、電極端子と集電体との並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
(実施の形態)
[1 蓄電素子10の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電素子10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子10は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。また、蓄電素子10は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよいし、一次電池であってもよい。また、本実施の形態では、直方体形状(角形)の蓄電素子10を図示しているが、蓄電素子10の形状は、直方体形状には限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、円柱形状、長円柱形状等であってもよい。また、蓄電素子10は、ラミネート型の蓄電素子であってもよい。
図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、一対(正極側及び負極側)の電極端子200及び300と、を備えており、図2に示すように、容器100の内方には、電極体400と、一対(正極側及び負極側)の集電体500及び600と、が収容されている。また、容器100と電極端子200及び300との間、並びに、容器100と集電体500及び600との間には、電気的絶縁性及び気密性を高めるためにガスケット等が配置されており、容器100の内部には電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。なお、上記の構成要素の他、電極体400の側方または下方等に配置されるスペーサ、電極体400等を包み込む絶縁フィルム等が配置されていてもよい。
容器100は、開口が形成された容器本体110と、容器本体110の当該開口を閉塞する蓋体120とを有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。このような構成により、容器100は、電極体400等を容器本体110の内部に収容後、容器本体110と蓋体120とが溶接等接合されることにより、内部を密封することができる構造となっている。容器100(容器本体110及び蓋体120)の材質は特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属であるのが好ましい。
容器本体110は、容器100の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Z軸プラス方向側に開口が形成されている。つまり、容器本体110は、Y軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平面状の長側面を有し、X軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平面状の短側面を有し、Z軸マイナス方向側に矩形状かつ平面状の底面を有している。蓋体120は、容器100の蓋部を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体110のZ軸プラス方向にX軸方向に延設されて配置されている。蓋体120には、容器100の内圧が上昇したときに容器100内部のガスを排出するガス排出弁121が配置されている。なお、容器100には、容器100内部に電解液を注入するための注液部が設けられていてもよい。
電極端子200及び300は、集電体500及び600を介して、電極体400に電気的に接続される矩形状かつ平板状の端子部材(正極端子及び負極端子)である。つまり、電極端子200及び300は、電極体400に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体400に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。電極端子200及び300は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。また、電極端子200及び300は、かしめ等によって、集電体500及び600に接続(接合)され、かつ、蓋体120に取り付けられている。本実施の形態では、電極端子200は正極端子であり、電極端子300は負極端子であるが、電極端子300が正極端子であり、電極端子200が負極端子であってもよい。
電極体400は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等からなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成された極板である。負極板は、銅または銅合金等からなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成された極板である。正極板及び負極板に使用される集電箔としては、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金など、適宜公知の材料を用いることもできる。セパレータは、例えば、樹脂からなる長尺帯状の微多孔性のシートである。
正極板の正極活物質層に用いられる正極活物質、及び、負極板の負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。正極活物質としては、例えば、LiMPO、LiMSiO、LiMBO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種または2種以上の遷移金属元素)等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、LiMnやLiMn1.5Ni0.5等のスピネル型リチウムマンガン酸化物、LiMO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種または2種以上の遷移金属元素)等のリチウム遷移金属酸化物等を用いることができる。負極活物質としては、例えば、リチウム金属、リチウム合金(リチウム−ケイ素、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−錫、リチウム−アルミニウム−錫、リチウム−ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、ケイ素酸化物、金属酸化物、リチウム金属酸化物(LiTi12等)、ポリリン酸化合物、あるいは、一般にコンバージョン負極と呼ばれる、CoやFeP等の、遷移金属と第14族乃至第16族元素との化合物などが挙げられる。
電極体400は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成されている。具体的には、電極体400は、正極板と負極板との間にセパレータが配置され巻回されて形成されている。さらに具体的には、電極体400は、正極板と負極板とが、セパレータを介して、巻回軸方向に互いにずらして巻回されている。巻回軸とは、正極板及び負極板等を巻回する際の中心軸となる仮想的な軸であり、本実施の形態では、電極体400の中心を通る、X軸方向に平行な直線である。巻回軸方向とは、巻回軸が延びる方向であり、本実施の形態では、X軸方向である。そして、正極板及び負極板は、それぞれのずらされた方向の端部に、活物質が形成(塗工)されず基材層が露出した部分(活物質層非形成部)を有している。
これにより、図2に示すように、電極体400は、一方の端部に、正極板の活物質層非形成部が積層された正極側の電極体端部410を有し、他方の端部に、負極板の活物質層非形成部が積層された負極側の電極体端部420を有している。つまり、電極体400は、電極体本体部430と、電極体本体部430からX軸方向両側に突出した一対(正極側及び負極側)の電極体端部410及び420と、を有している。電極体端部410及び420の構成のさらに詳細な説明については、後述する。
電極体本体部430は、電極体400の本体を構成する部位であり、具体的には、電極体400のうちの電極体端部410及び420以外の部位である。つまり、電極体本体部430は、正極板及び負極板の活物質層が形成(塗工)された部分とセパレータとが巻回されて形成された長円形状の部位(活物質層形成部)である。これにより、電極体本体部430は、中央部分にY軸方向に並ぶ一対の電極体平坦部431を有し、一対の電極体平坦部431のZ軸方向両側に一対の電極体湾曲部432を有することとなる。電極体平坦部431は、上記巻回軸をY軸方向で挟む位置に配置される、XZ平面に平行に広がる矩形状の平坦部(直方体形状の平坦部分)であり、一対の電極体湾曲部432の端部同士を繋ぐ。電極体湾曲部432は、上記巻回軸をZ軸方向で挟む位置に配置され、X軸方向から見てZ軸方向に突出するように半円形状に湾曲し、X軸方向に延設された湾曲部(半円柱形状の湾曲部分)である。
集電体500及び600は、電極体400のX軸方向両側に配置され、電極端子200及び300と電極体400とを電気的に接続する導電性と剛性とを備えた集電部材(正極集電体及び負極集電体)である。集電体500及び600は、一対の電極端子200及び300と、電極体400の一対の電極体端部410及び420とに接続(接合)される。つまり、集電体500は、電極体400の巻回軸方向の一端部(X軸プラス方向の端部である電極体端部410)に接続され、集電体600は、電極体400の巻回軸方向の他端部(X軸マイナス方向の端部である電極体端部420)に接続される。
具体的には、集電体500及び600は、容器本体110から蓋体120に亘って、容器本体110及び蓋体120に沿って屈曲状態で配置される板状部材である。また、集電体500及び600は、蓋体120に固定的に接続(接合)される。この構成により、電極体400が、集電体500及び600によって蓋体120から吊り下げられた状態で保持(支持)され、振動や衝撃等による揺れが抑制される。集電体500及び600の材質は特に限定されないが、例えば、正極側の集電体500は、電極体400の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等で形成され、負極側の集電体600は、電極体400の負極基材層と同様、銅または銅合金等で形成されている。
さらに具体的には、集電体500は、端子接続部510と、Y軸方向に並ぶ2つの電極接続部520(521、522)と、端子接続部510及び2つの電極接続部520の間に配置される中間部530と、を有している。中間部530は、端子接続部510のX軸プラス方向端部からZ軸マイナス方向に向けて延設された矩形状かつ平板状の部位であり、Z軸マイナス方向側の部位のY軸方向両端部に2つの電極接続部520が接続されている。これにより、中間部530は、端子接続部510と2つの電極接続部520とを繋いでいる。
端子接続部510は、集電体500の電極端子200側(上側、Z軸プラス方向側)に配置される平板状の部位であり、電極端子200に電気的及び機械的に接続(接合)される。具体的には、図2に示すように、電極端子200は、Z軸マイナス方向に延びる円柱状の端子軸部210(リベット部)を有している。端子軸部210は、蓋体120の貫通孔122、及び、集電体500の端子接続部510の貫通孔511等に挿入されて、かしめられる。これにより、電極端子200が、集電体500とともに、蓋体120に固定される。なお、電極端子200と端子接続部510とを接続(接合)する手法は、かしめ接合には限定されず、超音波接合、レーザ溶接若しくは抵抗溶接等の溶接、または、ねじ締結等のかしめ以外の機械的接合等が用いられてもよい。
電極接続部520は、集電体500の電極体400側(下側、Z軸マイナス方向側)に配置される部位であり、電極体400に電気的及び機械的に接続(接合)される。具体的には、電極接続部520は、Z軸方向に延びる長尺状の部位であり、電極体400の電極体端部410のうちのY軸方向に並ぶ2つの平坦な部位に、2つの電極接続部520がそれぞれ溶接される。以下、2つの電極接続部520のうちの、Y軸マイナス方向側の電極接続部520を電極接続部521とも称し、Y軸プラス方向側の電極接続部520を電極接続部522とも称する。なお、電極体端部410と電極接続部520とを接続(接合)する手法は、超音波接合、レーザ溶接若しくは抵抗溶接等、どのような溶接が用いられてもよいし、かしめ接合やねじ締結等の機械的接合等が用いられてもよい。電極体端部410と電極接続部520とを接続(接合)する構成のさらに詳細な説明については、後述する。
集電体600についても、集電体500と同様に、端子接続部610と、Y軸方向に並ぶ2つの電極接続部620(621、622)と、端子接続部610及び2つの電極接続部620の間に配置される中間部630と、を有している。なお、集電体600は、集電体500をZ軸方向まわりに180°回転させたものと同様の構成を有しているため、詳細な説明は省略する。ここで、集電体500は、第一集電体の一例であり、集電体600は、第二集電体の一例である。なお、本実施の形態では、集電体500が正極集電体であり、集電体600が負極集電体であるが、集電体600が正極集電体であり、集電体500が負極集電体であってもよい。つまり、本実施の形態では、第一集電体が正極集電体であり、第二集電体が負極集電体であるが、第二集電体が正極集電体であり、第一集電体が負極集電体であってもよい。
[2 電極体400の電極体端部410及び420の構成の説明]
次に、電極体400の電極体端部410及び420の構成、並びに、電極体端部410及び420と集電体500及び600の電極接続部520(521、522)及び620(621、622)との接続構成について、さらに詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る電極体400の電極体端部410及び420の構成を示す側面図である。具体的には、図3の(a)は、電極体400をX軸プラス方向から見た場合の電極体端部410の構成を示す側面図であり、図3の(b)は、電極体400をX軸マイナス方向から見た場合の電極体端部420の構成を示す側面図である。図4は、本実施の形態に係る電極体400の電極体端部410及び420と集電体500及び600の電極接続部520(521、522)及び620(621、622)との接続構成を示す断面図である。具体的には、図4は、電極体端部410及び420に電極接続部520及び620を接続した状態において、電極体本体部430の電極体平坦部431の中央部の位置を、XY平面に平行な面で切断した場合の構成を示す断面図である。
図3の(a)に示すように、電極体端部410は、第一極板端部群411と、第二極板端部群412とを有している。第一極板端部群411及び第二極板端部群412は、巻回軸Aを挟む位置に電極体本体部430から突出して配置され、極板が有する複数の極板端部413をそれぞれ有する部位である。本実施の形態では、極板端部413は、電極体本体部430の電極体平坦部431のZ軸方向中央部からX軸プラス方向に突出する、正極板のX軸プラス方向の端部(活物質層非形成部)である。つまり、第一極板端部群411は、一対の電極体平坦部431のうちのY軸マイナス方向側の電極体平坦部431のZ軸方向中央部からX軸プラス方向に突出して配置された複数の極板端部413を有している。第二極板端部群412は、Y軸プラス方向側の電極体平坦部431のZ軸方向中央部からX軸プラス方向に突出して配置された複数の極板端部413を有している。言い換えれば、第一極板端部群411及び第二極板端部群412は、電極体端部410が有する複数の極板端部413を2等分することにより形成されている。
第一極板端部群411は、第一端部群411aと、第二端部群411bとを有している。第一端部群411aは、第一極板端部群411が有する複数の極板端部413を2等分した場合のY軸マイナス方向側の部分であり、第二端部群411bは、当該2等分した場合のY軸プラス方向側の部分である。また、第二極板端部群412は、第三端部群412aと、第四端部群412bとを有している。第三端部群412aは、第二極板端部群412が有する複数の極板端部413を2等分した場合の、Y軸マイナス方向側の部分であり、第四端部群412bは、Y軸プラス方向側の部分である。
このように、第一端部群411a及び第四端部群412bは、電極体端部410の外側に配置され、第二端部群411b及び第三端部群412aは、電極体端部410の内側に配置される。電極体端部410は、極板が巻回されているため、第一端部群411a及び第四端部群412bは、外側の同じ周回の極板端部413を有し、第二端部群411b及び第三端部群412aは、内側の同じ周回の極板端部413を有している。言い換えれば、第一端部群411a及び第四端部群412bは、第二端部群411b及び第三端部群412aと同じ周回の極板端部413を有していない。または、第一端部群411a及び第四端部群412bと、第二端部群411b及び第三端部群412aとは、巻回軸Aからの距離が異なる、とも言える。具体的には、第二端部群411b及び第三端部群412aは、第一端部群411a及び第四端部群412bよりも、巻回軸Aの近くに配置されている。
また、図3の(b)に示すように、電極体端部420は、第三極板端部群421と、第四極板端部群422とを有している。第三極板端部群421及び第四極板端部群422は、巻回軸Aを挟む位置に電極体本体部430から突出して配置され、極板が有する複数の極板端部423をそれぞれ有する部位である。本実施の形態では、極板端部423は、電極体本体部430の電極体平坦部431のZ軸方向中央部からX軸マイナス方向に突出する、負極板のX軸マイナス方向の端部(活物質層非形成部)である。つまり、第三極板端部群421は、一対の電極体平坦部431のうちのY軸マイナス方向側の電極体平坦部431のZ軸方向中央部からX軸マイナス方向に突出して配置された複数の極板端部423を有している。第四極板端部群422は、Y軸プラス方向側の電極体平坦部431のZ軸方向中央部からX軸マイナス方向に突出して配置された複数の極板端部423を有している。
第三極板端部群421は、第五端部群421aと、第六端部群421bとを有している。第五端部群421aは、第三極板端部群421が有する複数の極板端部423を2等分した場合の、Y軸プラス方向側の部分であり、第六端部群421bは、Y軸マイナス方向側の部分である。また、第四極板端部群422は、第七端部群422aと、第八端部群422bとを有している。第七端部群422aは、第四極板端部群422が有する複数の極板端部423を2等分した場合の、Y軸プラス方向側の部分であり、第八端部群422bは、Y軸マイナス方向側の部分である。
このように、第五端部群421a及び第八端部群422bは、電極体端部420の内側に配置され、第六端部群421b及び第七端部群422aは、電極体端部420の外側に配置される。電極体端部420は、極板が巻回されているため、第五端部群421a及び第八端部群422bは、内側の同じ周回の極板端部423を有し、第六端部群421b及び第七端部群422aは、外側の同じ周回の極板端部423を有している。言い換えれば、第五端部群421a及び第八端部群422bは、第六端部群421b及び第七端部群422aと同じ周回の極板端部423を有していない。または、第五端部群421a及び第八端部群422bと、第六端部群421b及び第七端部群422aとは、巻回軸Aからの距離が異なる、とも言える。具体的には、第五端部群421a及び第八端部群422bは、第六端部群421b及び第七端部群422aよりも、巻回軸Aの近くに配置されている。
以上のような構成により、図4に示すように、第三極板端部群421は、第一極板端部群411に対応する位置(X軸方向の反対側)に、電極体本体部430から突出して配置されている。そして、第五端部群421aは、第二端部群411bに対応する位置(X軸方向の反対側)に配置され、第六端部群421bは、第一端部群411aに対応する位置(X軸方向の反対側)に配置されている。また、第四極板端部群422は、第二極板端部群412に対応する位置(X軸方向の反対側)に、電極体本体部430から突出して配置されている。そして、第七端部群422aは、第四端部群412bに対応する位置(X軸方向の反対側)に配置され、第八端部群422bは、第三端部群412aに対応する位置(X軸方向の反対側)に配置されている。
つまり、第三極板端部群421が有する極板端部423は、第一極板端部群411が有する極板端部413とほぼ同数であり、第四極板端部群422が有する極板端部423は、第二極板端部群412が有する極板端部413とほぼ同数である。また、第五端部群421aが有する極板端部423は、第二端部群411bが有する極板端部413とほぼ同数であり、第六端部群421bが有する極板端部423は、第一端部群411aが有する極板端部413とほぼ同数である。さらに、第七端部群422aが有する極板端部423は、第四端部群412bが有する極板端部413とほぼ同数であり、第八端部群422bが有する極板端部423は、第三端部群412aが有する極板端部413とほぼ同数である。
そして、第一極板端部群411の第一端部群411aと、第二極板端部群412の第三端部群412aとに、集電体500の電極接続部520が接続(接合)される。具体的には、第一端部群411aが有する複数の極板端部413が束ねられ、電極接続部521が第一端部群411aをY軸方向で挟むように配置されて、溶接等により、電極接続部521が第一端部群411aに接合される。また、第三端部群412aが有する複数の極板端部413が束ねられ、電極接続部522が第三端部群412aをY軸方向で挟むように配置されて、溶接等により、電極接続部522が第三端部群412aに接合される。なお、第一極板端部群411の第二端部群411bと、第二極板端部群412の第四端部群412bとには、集電体500は接続(接合)されない。
このように、第一端部群411aは、集電体500(第一集電体)に接合される複数の極板端部413である。第二端部群411bは、集電体500(第一集電体)に接合されない複数の極板端部413である。第三端部群412aは、集電体500(第一集電体)に接合される複数の極板端部413である。第四端部群412bは、集電体500(第一集電体)に接合されない複数の極板端部413である。
また、第三極板端部群421の第五端部群421aと、第四極板端部群422の第七端部群422aとに、集電体600の電極接続部620が接続(接合)される。具体的には、第五端部群421aが有する複数の極板端部423が束ねられ、電極接続部622が第五端部群421aをY軸方向で挟むように配置されて、溶接等により、電極接続部622が第五端部群421aに接合される。また、第七端部群422aが有する複数の極板端部423が束ねられ、電極接続部621が第七端部群422aをY軸方向で挟むように配置されて、溶接等により、電極接続部621が第七端部群422aに接合される。なお、第三極板端部群421の第六端部群421bと、第四極板端部群422の第八端部群422bとには、集電体600は接続(接合)されない。
このように、第五端部群421aは、集電体600(第二集電体)に接合される複数の極板端部423である。第六端部群421bは、集電体600(第二集電体)に接合されない複数の極板端部423である。第七端部群422aは、集電体600(第二集電体)に接合される複数の極板端部423である。第八端部群422bは、集電体600(第二集電体)に接合されない複数の極板端部423である。
[3 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、電極体400は、一端部(電極体端部410)における巻回軸Aを挟む位置に、第一極板端部群411及び第二極板端部群412を有している。そして、第一極板端部群411は、集電体500(第一集電体)に接合される複数の極板端部413である第一端部群411aと、集電体500に接合されない複数の極板端部413である第二端部群411bと、を有している。このように、第一極板端部群411が有する全ての極板端部413に集電体500を接合するのではなく、第一端部群411aには集電体500を接合し、第二端部群411bには集電体500を接合しない。これにより、集電体500に接合する極板端部413の数を減らすことができるため、極板に皴が生じるのを抑制することができる。極板に皴が生じるのを抑制することができれば、極板の厚さが厚くなるのを抑制することができるため、蓄電素子10に生じる反力の増加を抑制することができる。当該反力の増加を抑制することができれば、極板の破断、及び、蓄電素子10をモジュール化した場合のモジュール枠の破損等を抑制することができる。第二極板端部群412についても同様である。電極体端部420における第三極板端部群421及び第四極板端部群422についても同様である。
また、電極体400において、第二極板端部群412は、集電体500に接合される第三端部群412aと、集電体500に接合されない第四端部群412bと、を有しており、第三端部群412aは、第一端部群411aよりも巻回軸Aの近くに配置されている。このように、極板の同一周内の2箇所に集電体500が接合されている場合には極板に皴が生じやすいため、第二極板端部群412が有する集電体500に接合される第三端部群412aを、第一極板端部群411が有する集電体500に接合される第一端部群411aよりも、巻回軸Aの近くに配置する。つまり、第一端部群411a及び第三端部群412aが極板の異なる周に位置するように、第一端部群411a及び第三端部群412aを、巻回軸Aからの距離が異なる位置に配置する。これにより、極板に皴が生じるのを抑制することができる。また、極板の異なる周に集電体500が接合されるため、集電性能を向上させることができる。さらに、極板の異なる周に集電体500を接合することで、極板に集電体500をより強固に固定することができるため、耐振動性及び耐衝撃性を向上させることができる。電極体端部420側(集電体600側)についても同様である。
また、電極体400は、他端部(電極体端部420)における第一極板端部群411に対応する位置に、第三極板端部群421を有している。そして、第三極板端部群421は、第二端部群411bに対応する位置に、集電体600(第二集電体)に接合される第五端部群421aを有し、第一端部群411aに対応する位置に、集電体600に接合されない第六端部群421bを有している。このように、電極体400の両端部に集電体500、600が接合されると極板に皴が生じやすいため、第三極板端部群421における集電体600に接合される第五端部群421aを、第一極板端部群411における集電体500に接合されない第二端部群411bに対応する位置に配置する。また、第三極板端部群421における集電体600に接合されない第六端部群421bを、第一極板端部群411における集電体500に接合される第一端部群411aに対応する位置に配置する。つまり、電極体400の一端部を集電体500に接合しない場合には、他端部を集電体600に接合し、電極体400の一端部を集電体500に接合する場合には、他端部を集電体600に接合しない構成とする。これにより、極板に皴が生じるのを抑制することができる。
[4 変形例の説明]
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。図5は、本実施の形態の変形例1に係る電極体400の電極体端部410及び420と集電体500及び600の電極接続部520(521A、522A)及び620(621A、622A)との接続構成を示す断面図である。なお、図5は、図4に対応する図である。
図5に示すように、本変形例における電極体端部410の第一極板端部群411は、上記実施の形態における電極体端部410の第一極板端部群411が有する第一端部群411a及び第二端部群411bに代えて、第一端部群411c及び第二端部群411dを有している。本変形例における第二極板端部群412は、上記実施の形態における第二極板端部群412が有する第三端部群412a及び第四端部群412bに代えて、第三端部群412c及び第四端部群412dを有している。本変形例における電極体端部420の第三極板端部群421は、上記実施の形態における電極体端部420の第三極板端部群421が有する第五端部群421a及び第六端部群421bに代えて、第五端部群421c及び第六端部群421dを有している。本変形例における第四極板端部群422は、上記実施の形態における第二極板端部群412が有する第七端部群422a及び第八端部群422bに代えて、第七端部群422c及び第八端部群422dを有している。
本変形例における集電体500は、上記実施の形態における集電体500が有する電極接続部521及び522に代えて、電極接続部521A及び522Aを有している。本変形例における集電体600は、上記実施の形態における集電体600が有する電極接続部621及び622に代えて、電極接続部621A及び622Aを有している。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第一端部群411c及び第二端部群411dは、第一極板端部群411が有する複数の極板端部413の枚数が第一端部群411cの方が第二端部群411dよりも多くなるように形成されている。第三端部群412c及び第四端部群412dは、第二極板端部群412が有する複数の極板端部413の枚数が第四端部群412dの方が第三端部群412cよりも多くなるように形成されている。本実施の形態では、第一端部群411cと第四端部群412dとが有する複数の極板端部413の枚数はほぼ同数であり、第二端部群411dと第三端部群412cとが有する複数の極板端部413の枚数はほぼ同数である。つまり、第三端部群412cが有する極板端部413の数は、第一端部群411cが有する極板端部413の数よりも少ない。同様に、第二端部群411dが有する極板端部413の数は、第四端部群412dが有する極板端部413の数よりも少ない。
これにより、集電体500の電極接続部521Aは、極板端部413の枚数が多い第一端部群411cをY軸方向で挟むように配置されて、溶接等により、電極接続部521Aが第一端部群411cに接合される。また、電極接続部522Aは、極板端部413の枚数が少ない第三端部群412cをY軸方向で挟むように配置されて、溶接等により、電極接続部522Aが第三端部群412cに接合される。
同様に、電極体端部420においても、第六端部群421dは第五端部群421cよりも極板端部423の枚数が多く、第七端部群422cは第八端部群422dよりも極板端部423の枚数が多くなるように形成されている。これにより、第五端部群421cが有する極板端部423の数は、第七端部群422cが有する極板端部413の数よりも少なく、第八端部群422dが有する極板端部423の数は、第六端部群421dが有する極板端部423の数よりも少ない。そして、集電体600の電極接続部621Aは、極板端部423の枚数が多い第七端部群422cをY軸方向で挟むように配置されて、溶接等により、電極接続部621Aが第七端部群422cに接合される。また、電極接続部622Aは、極板端部423の枚数が少ない第五端部群421cをY軸方向で挟むように配置されて、溶接等により、電極接続部622Aが第五端部群421cに接合される。
以上のように、本変形例に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、電極体400において、第三端部群412cが有する極板端部413の数は、第一端部群411cが有する極板端部413の数よりも少なく構成されている。このように、電極体400の巻回軸Aの近くの第三端部群412cの方が第一端部群411cよりも皴が生じやすいため、第三端部群412cの極板端部413の数を第一端部群411cの極板端部413の数よりも少なくする。これにより、皴が生じやすい第三端部群412cに皴が生じるのを抑制することができるため、極板全体として皴が生じるのを抑制することができる。第五端部群421c及び第七端部群422cについても同様である。
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。図6は、本実施の形態の変形例2に係る電極体400の電極体端部410と集電体500の電極接続部520(521、522)との接続構成を示す断面図である。なお、図6は、図4の電極体端部410側の部分に対応する図である。
図6に示すように、本変形例では、第一端部群411aと電極接続部521とが接合されて、接合部710が形成され、第三端部群412aと電極接続部522とが接合されて、接合部720が形成されている。例えば、接合部710は、第一端部群411aと電極接続部521とが溶接によって溶融された円柱状の溶接部(溶融部)であり、接合部720は、第三端部群412aと電極接続部522とが溶接によって溶融された円柱状の溶接部(溶融部)である。
また、接合部720は、接合部710よりもX軸方向における幅が小さい。本変形例では、接合部720は、接合部710よりもZ軸方向における幅も小さい。つまり、接合部720は、接合部710よりもY軸方向から見た場合の面積が小さく、これにより、接合部720は、接合部710よりも体積が小さい。言い換えれば、接合部720は、接合部710よりも接合面積が小さい。接合面積とは、接合部における端部群と電極接続部との境界面の面積である。つまり、第三端部群412aは、第一端部群411aよりも、集電体500(第一集電体)との接合面積が小さい。
なお、接合部720が接合部710よりも接合面積が小さくなるのであれば、接合部710及び720の形状は円柱状には限定されない。つまり、接合部720は、接合部710よりも、X軸方向の幅が十分小さいのであればZ軸方向の幅が大きくてもよいし、Z軸方向の幅が十分小さいのであればX軸方向の幅が大きくてもよい。
また、上記実施の形態と同様に、接合部710及び720における接合の手法は、超音波接合、レーザ溶接若しくは抵抗溶接等、どのような溶接が用いられてもよいし、かしめ接合やねじ締結等の機械的接合等が用いられてもよい。溶接以外の手法が用いられる場合でも、接合面積とは、接合箇所における端部群と電極接続部との境界面の面積である。
また、電極体端部420側についても同様に、第五端部群421aと電極接続部622との接合部は、第七端部群422aと電極接続部621との接合部よりも、接合面積が小さく形成されている。つまり、第五端部群421aは、第七端部群422aよりも、集電体600(第二集電体)との接合面積が小さい。
以上のように、本変形例に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、電極体400において、第三端部群412aは、第一端部群411aよりも集電体500(第一集電体)との接合面積が小さく構成されている。このように、電極体400の巻回軸Aの近くの第三端部群412aの方が第一端部群411aよりも皴が生じやすいため、集電体500との接合面積を、第三端部群412aの方が第一端部群411aよりも小さくする。これにより、皴が生じやすい第三端部群412aに皴が生じるのを抑制することができるため、極板全体として皴が生じるのを抑制することができる。電極体端部420側についても同様である。
(その他の変形例)
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、この実施の形態及びその変形例に限定されない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であり、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、電極体400は、巻回軸が蓋体120に平行(X軸方向に平行)となるいわゆる縦巻きの巻回型電極体であることとした。しかし、電極体400は、巻回軸が蓋体120に垂直(Z軸方向に平行)となるいわゆる横巻きの巻回型電極体であってもよい。また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体400の断面形状として長円形状を図示しているが、楕円形状、または、多角形状等でもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体400の電極体端部410が有する複数の極板端部413を2等分して、第一極板端部群411及び第二極板端部群412を形成することとした。しかし、第一極板端部群411及び第二極板端部群412は、同数の極板端部413を有していなくてもよく、異なる数の極板端部413を有していてもよい。電極体端部420が有する第三極板端部群421及び第四極板端部群422についても同様である。また、第一極板端部群411が有する第一端部群及び第二端部群についても、同数の極板端部413を有していなくてもよく、異なる数の極板端部413を有していてもよい。第二極板端部群412、第三極板端部群421及び第四極板端部群422のそれぞれが有する2つの端部群についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体端部410は、2つの極板端部群(第一極板端部群411及び第二極板端部群412)しか有していないこととしたが、3つ以上の極板端部群を有していてもよい。電極体端部420についても同様である。また、それぞれの極板端部群は、2つの端部群(例えば、第一端部群及び第二端部群)しか有していないこととしたが、3つ以上の端部群を有していてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一極板端部群411は、電極体平坦部431のZ軸方向中央部から突出する部位であることとした。しかし、第一極板端部群411は、電極体平坦部431のZ軸方向端部から突出する部位であってもよいし、電極体湾曲部432から突出する部位であってもよい。第二極板端部群412、第三極板端部群421及び第四極板端部群422についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一極板端部群411において、集電体500に接合される第一端部群は、集電体500に接合されない第二端部群の外側に配置されることとしたが、第一端部群は第二端部群の内側に配置されてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第二極板端部群412において、集電体500に接合される第三端部群は、集電体500に接合されない第四端部群の内側に配置されることとしたが、第三端部群は第四端部群の外側に配置されてもよい。また、第三端部群は集電体500に接合されなくてもよいし、第四端部群は集電体500に接合されてもよい。第三極板端部群421及び第四極板端部群422についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体端部410において、第一端部群は、第三端部群と同じ周回の極板端部413を有していないこととしたが、第一端部群は、第三端部群と同じ周回の極板端部413を有していてもよい。第二端部群及び第四端部群についても同様である。電極体端部420についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体端部410において、第三端部群は、極板端部の数が、第一端部群と同数か第一端部群よりも少ないこととしたが、第三端部群は、極板端部の数が第一端部群よりも多くてもよい。電極体端部420についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体端部410において、第三端部群は、集電体500との接合面積が、第一端部群と同じか第一端部群よりも小さいこととしたが、第三端部群は、集電体500との接合面積が第一端部群よりも大きくてもよい。電極体端部420についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一極板端部群411及び第三極板端部群421は、X軸方向の反対側の対応する位置に配置されて同数の極板端部を有していることとしたが、異なる数の極板端部を有していてもよい。また、第一極板端部群411の第一端部群及び第三極板端部群421の第六端部群についても、異なる数の極板端部を有していてもよいし、第二端部群及び第五端部群についても、異なる数の極板端部を有していてもよい。第二極板端部群412及び第四極板端部群422についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、集電体500、600の電極接続部が、電極体400の電極体端部410、420の端部群をY軸方向で挟むように配置されて、電極接続部と端部群とが接合されることとした。しかし、電極接続部が端部群の一方側にのみ配置されて、電極接続部と端部群とが接合されることにしてもよい。この場合、電極接続部とで端部群を挟む位置に当て板が配置されてもよい。つまり、集電体500、600の形状は、特に限定されず、どのような形状を有していてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子は、1つの電極体400を備えていることとしたが、電極体400の個数は1つには限定されず、2つ以上設けられていてもよい。この場合、全ての電極体400が上述した構成を有しているのが好ましいが、いずれかの電極体400が上述した構成を有していなくてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
また、本発明は、このような蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える電極体400(及び集電体500、600(第一集電体、第二集電体))としても実現することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子等に適用できる。
10 蓄電素子
100 容器
200、300 電極端子
400 電極体
410、420 電極体端部
411 第一極板端部群
411a、411c 第一端部群
411b、411d 第二端部群
412 第二極板端部群
412a、412c 第三端部群
412b、412d 第四端部群
413、423 極板端部
421 第三極板端部群
421a、421c 第五端部群
421b、421d 第六端部群
422 第四極板端部群
422a、422c 第七端部群
422b、422d 第八端部群
430 電極体本体部
431 電極体平坦部
432 電極体湾曲部
500、600 集電体
520、521、521A、522、522A、620、621、621A、622、622A 電極接続部
710、720 接合部

Claims (5)

  1. 極板が巻回された電極体と、前記電極体の巻回軸方向の一端部に接続される第一集電体と、を備える蓄電素子であって、
    前記電極体は、
    電極体本体部と、
    前記一端部において、巻回軸を挟む位置に前記電極体本体部から突出して配置され、前記極板が有する複数の極板端部をそれぞれ有する第一極板端部群及び第二極板端部群を有し、
    前記第一極板端部群は、前記第一集電体に接合される複数の極板端部である第一端部群と、前記第一集電体に接合されない複数の極板端部である第二端部群と、を有する
    蓄電素子。
  2. 前記第二極板端部群は、前記第一集電体に接合される複数の極板端部である第三端部群と、前記第一集電体に接合されない複数の極板端部である第四端部群と、を有し、
    前記第三端部群は、前記第一端部群よりも、前記巻回軸の近くに配置される
    請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記第三端部群が有する極板端部の数は、前記第一端部群が有する極板端部の数よりも少ない
    請求項2に記載の蓄電素子。
  4. 前記第三端部群は、前記第一端部群よりも、前記第一集電体との接合面積が小さい
    請求項2または3に記載の蓄電素子。
  5. さらに、前記電極体の巻回軸方向の他端部に接続される第二集電体を備え、
    前記電極体は、前記他端部において、前記第一極板端部群に対応する位置に、前記電極体本体部から突出して配置される第三極板端部群を有し、
    前記第三極板端部群は、前記第二集電体に接合される複数の極板端部である第五端部群と、前記第二集電体に接合されない複数の極板端部である第六端部群と、を有し、
    前記第五端部群は、前記第二端部群に対応する位置に配置され、
    前記第六端部群は、前記第一端部群に対応する位置に配置される
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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