JP2021148979A - 累進屈折力レンズおよびその設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】近方視に適切な乱視度数および乱視軸を自由に設定可能とする技術を提供する。【解決手段】遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面と、遠用部、近用部および中間部に一様に付加される曲率分布であって、遠用部においてCFおよびAxFを実現する、大きさの異なる2つの主曲率の組α(k1α,k2α)の曲率分布と、組αの曲率分布とは別の、大きさの異なる2つの主曲率の組β(k1β,k2β)の曲率分布であって所定の方向に主曲率差の絶対値(|k1β−k2β|)が増加する曲率分布と、が合わさった状態で、遠用部においてCFおよびAxFが実現され且つ近用部においてCNおよびAxNが実現される累進屈折力レンズおよびその関連技術を提供する。【選択図】図5

Description

本発明は、累進屈折力レンズおよびその設計方法に関する。
特許文献1には、2つの異なる物体距離(遠用部、近用部)における乱視度数および乱視軸を設定するための手法が記載されている(例えば請求項1)。
特表2013−525851号公報
特許文献1の手法は、2つの異なる物体距離における球面度数、乱視度数および乱視軸を設定し、球面度数、乱視度数および乱視軸が物体距離の関数として決定される(特許文献1の[0095])。但し、特許文献1には、種々の数式を累進屈折力レンズの面に展開させる具体的手法の開示は無い。
本発明の一実施例は、近方視に適切な乱視度数および乱視軸を自由に設定可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
近方距離を見る近方視のための近用処方値を有する下方の近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見る遠方視のための遠用処方値を有する上方の遠用部と、遠用部と近用部との間を繋ぐように度数が変化する中間部と、を備え、
遠用部において、遠方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、且つ、近用部において、近方視に要する近用処方値であるところの、球面度数S(=S+加入度数ADD)、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、
はCとは異なる値、AxはAxとは異なる値、またはその両方であり、
遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面と、
遠用部、近用部および中間部に一様に付加される曲率分布であって、遠用部においてCおよびAxを実現する、大きさの異なる2つの主曲率の組α(k1α,k2α)の曲率分布と、
組αの曲率分布とは別の、大きさの異なる2つの主曲率の組β(k1β,k2β)の曲率分布であって所定の方向に主曲率差の絶対値(|k1β−k2β|)が増加する曲率分布と、
が合わさった状態で、遠用部においてCおよびAxが実現され且つ近用部においてCおよびAxが実現される、累進屈折力レンズである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
組βは、一つの乱視軸Axβを有し、球面度数ゼロDから球面度数Sβに増加し、且つ、乱視度数ゼロDから乱視度数Cβに増加する分布を有し、
β、CβおよびAxβは、以下の手順により決定される。
[手順1]
近用部の近用処方値から遠用部の遠用処方値をベクトル減算し、球面度数Sβ1、乱視度数Cβ1および乱視軸Axβ1を算出する。
[手順2]
(1)乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲外の場合、乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態へとSβ1およびCβ1を変換して変換後球面度数Sβ2および変換後乱視度数Cβ2を算出し、Sβ2をSβに設定し、Cβ2をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定する。
(2)乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲内の場合、Sβ1をSβに設定し、Cβ1をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定する。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の態様であって、
近方距離を見る近方視のための近用処方値を有する下方の近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見る遠方視のための遠用処方値を有する上方の遠用部と、遠用部と近用部との間を繋ぐように度数が変化する中間部と、を備え、
遠用部において遠方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、且つ、近用部において近方視に要する近用処方値であるところの、球面度数S(=S+加入度数ADD)、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、
はCとは異なる値、AxはAxとは異なる値、またはその両方である累進屈折力レンズの設計方法であって、
遠用部においてCおよびAxを実現する、大きさの異なる2つの主曲率の組α(k1α,k2α)の曲率分布を、遠用部、近用部および中間部に一様に付加する組α付加工程と、
組αの曲率分布とは別の、大きさの異なる2つの主曲率の組β(k1β,k2β)の曲率分布であって、所定の方向に主曲率差の絶対値(|k1β−k2β|)が増加する曲率分布を付加する組β付加工程と、
を有し、
組βは、遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面に対する組α付加工程および組β付加工程の後に、遠用部においてCおよびAxを実現可能な分布であり且つ近用部においてCおよびAxを実現可能な曲率分布を有する、累進屈折力レンズの設計方法である。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の態様であって、
組α付加工程および組β付加工程の前に、
乱視矯正用の度数を備える前の遠用部、近用部および中間部を有する基本累進面を準備する準備工程と、
近用部の近用処方値から遠用部の遠用処方値をベクトル減算し、球面度数Sβ1、乱視度数Cβ1および乱視軸Axβ1を算出する算出工程と、
を有し、
乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲外の場合、乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態へとSβ1およびCβ1を変換する変換工程を行い、変換後球面度数Sβ2および変換後乱視度数Cβ2を算出し、Sβ2をSβに設定し、Cβ2をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定し、
乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲内の場合、Sβ1をSβに設定し、Cβ1をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定し、
一つの乱視軸Axβを有し、球面度数ゼロDから球面度数Sβに増加し、且つ、乱視度数ゼロDから乱視度数Cβに増加するような曲率分布を有する組βを得る組β取得工程を行った後、基本累進面に対し、組α付加工程および組β付加工程を行う。
本発明の第5の態様は、第3または第4の態様に記載の態様であって、
組β付加工程の後に、組α付加工程を行う。
上記の態様に対して組み合わせ可能な本発明の他の態様は以下の通りである。
上記累進屈折力レンズと、
少なくとも、遠方視に要する球面度数S、遠方視に要する乱視度数C、Cの乱視軸Ax、加入度数ADD、近方視に要する乱視度数C、およびCの乱視軸Axが記録された記録手段と、
を備えた、累進屈折力レンズセットが挙げられる。
の絶対値は2.00D以下(より好適には未満)であり、Axは0度以上45度以下、より好適には30度以下(更に好適には30度未満)である。
非点収差βは遠用部には付加されず、中間部および近用部に付加される。
非点収差βの分布の少なくとも一部において、乱視度数の増加方向に向かって非点収差が一次関数的に増加する。
非点収差βの分布の等高線は互いに平行であり且つ乱視度数の増加方向と垂直な方向に延びる直線である。
算出工程においては、以下の作業を行うのが好ましい。
・遠方視に要する遠用処方値を4方向断面度数D1〜D4に分解する。
・近方視に要する近用処方値を4方向断面度数D1〜D4に分解する。
・近方視4方向断面度数から遠方視4方向断面度数を差し引いたD1〜D4を得る。
・D1〜D4を逆にS、C、Axへと変換し、Sβ1、Cβ1、Axβ1を得る。
β2とSβ1との間で差分が生じた場合、組βがもたらす度数変化により該差分を埋める調整を行うことで、最終的に処方値通りの度数を得る。
球面度数ゼロDから球面度数Sβに増加する分布の好適例は、測定点Fの位置において球面度数ゼロDとし、測定点Nの位置において球面度数Sβとした平均屈折力βの分布である。
乱視度数ゼロDから乱視度数Cβに増加する分布の好適例は、測定点Fの位置において乱視度数ゼロDとし、測定点Nの位置において乱視度数Cβとした非点収差βの分布である。
鉛直上方から鉛直下方に向けて屈折力を増加させる平均屈折力分布を用意する。非点収差分布も同様に用意する。そして、乱視軸Axβを実現するよう、光学中心OCを中心に両分布を回転させる。こうして、非点収差βの分布を得る。
また、本発明の一態様の累進屈折力レンズは、非点収差という表現を使用すると以下の通りである。
「近方距離を見る近方視のための近用処方値を有する下方の近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見る遠方視のための遠用処方値を有する上方の遠用部と、遠用部と近用部との間を繋ぐように度数が変化する中間部と、を備え、
遠用部において、遠方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、且つ、近用部において、近方視に要する近用処方値であるところの、球面度数S(=S+加入度数ADD)、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、
はCとは異なる値、AxはAxとは異なる値、またはその両方であり、
遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面と、
遠用部においてCおよびAxを実現する非点収差であって、遠用部、近用部および中間部に一様に付加される非点収差αと、
非点収差αとは別の非点収差であって、所定の方向に非点収差が増加する分布を有する非点収差βと、
が合わさった状態で、遠用部においてCおよびAxが実現され且つ近用部においてCおよびAxが実現される、累進屈折力レンズ。」
本発明の一実施例によれば、近方視に適切な乱視度数および乱視軸を自由に設定可能とする技術を提供できる。
図1は、累進屈折力レンズを説明するための概略図である。 図2は、本明細書における乱視軸と乱視度数の増減方向との関係を説明する図である。 図3は、本発明の一態様および実施例1に係る累進屈折力レンズの設計方法を説明するためのフローチャートである。 図4は、判定工程および変換工程の技術的意義を説明するための図である。 図5は、実施例1における累進屈折力レンズの設計方法の説明図である。 図6は、非点収差βの分布を用意することに焦点を当てた、実施例1における累進屈折力レンズの設計方法の説明図である。 図7は、実施例1において得られた累進屈折力レンズが遠用処方値および近用処方値を実現していることを示す説明図である。
<定義>
図1は、累進屈折力レンズを説明するための概略図である。
本明細書においては、「〜」は所定数値以上且つ所定数値以下を指す。
本発明の一態様の累進屈折力レンズは、物体側の面と眼球側の面とを有する。「物体側の面」とは、累進屈折力レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に物体側に位置する表面であり、「眼球側の面」とは、その反対、すなわち累進屈折力レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に位置する表面である。
累進屈折力レンズは、レンズの図中上側部分に設けられた遠方の物体を見るための屈折力を有する部分、すなわち遠方視に用いる屈折力を有する遠用部と、レンズの図中下側部分に設けられた近方の物体を見るための屈折力を有する部分、すなわち近方視に用いる屈折力を有する近用部、および遠用部から近用部の間に設けられる中間部を、領域として有し、遠用部から近用部の間で屈折力が徐々に変化するレンズである。
主に中間部に存在する、屈折力が徐々に変化する領域を累進帯という。累進帯長は、屈折力の変化が始まる累進開始点と終了する累進終了点との間の距離として定義される。
遠用部は、累進屈折力レンズの、上記累進開始点および累進開始点の上方の領域である。近用部は、一般的には累進終了点およびその下方を含む、累進屈折力レンズの領域である。中間部は、遠用部と近用部との間の領域であり、屈折力が累進的に変化する領域である。
遠用部では、屈折力が略一定である。遠用部に配置された遠用部測定基準点Fには球面度数S(遠用度数)、乱視度数Cが設定される。CがゼロD以外の場合は、乱視軸Axが設定される。
図2は、本明細書における乱視軸と乱視度数の増減方向との関係を説明する図である。
本明細書における乱視軸は0〜180度の範囲で設定する。但し、180度は0度と同じとする。本明細書における乱視軸および乱視軸の垂直方向である乱視度数の増減方向は、光学中心OCを通過し且つ装用者から見て耳側の水平方向の直線を0度に設定し、反時計回り方向を正の方向として角度で規定する。
なお、乱視度数の増減方向は、例えば後掲の具体例だと150度としているが、正確には150度は乱視度数の減少方向であり、その正反対の−30度が乱視度数の増加方向である。150度および−30度をまとめて増減方向とも称する。
プリズム度数Δ等の他のパラメータが設定されてもよいが、本発明の一態様においては該他のパラメータの記載を省略する。
近用部では、近距離物体を見るために屈折力が略一定である。近用部に配置された近用部測定基準点Nには、近用度数として、球面度数Sに加入度数ADDを加えた度数が設定される。本発明の一態様においては、近方視に適切な乱視度数Cが設定される。CがゼロD以外の場合は、乱視軸Axが設定される。なお、球面度数S(=S+加入度数ADD)、乱視度数Cおよび乱視軸Axをまとめて近用処方値と称する。本明細書においては、説明の便宜上、近用処方値は加入度数ADDを含む。
中間部では、徐々に屈折力が変化している。遠方の物体を見る屈折力と近方にある物体を見る屈折力との差を加入度数ADDとする。
なお、遠用部は、近方距離よりも遠くの距離を見るための領域であれば特に限定は無い。例えば、無限遠ではなく所定距離(1m程度)を見るための領域であってもよい。このような領域を備えた眼鏡レンズとしては、中間距離(1m〜40cm)ないし近方距離(40cm〜10cm)の物体距離に対応する中近(intermediate-near)レンズ、該近方距離内にて対応する近近(near-near)レンズが挙げられる。なお、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axをまとめて遠用処方値と称する。
本明細書においては、CはCとは異なる値、AxはAxとは異なる値、またはその両方を例示する。つまり、遠用処方値における乱視に関する内容と、近用処方値における乱視に関する内容とが完全同一ではない場合を例示する。
非点収差は、累進屈折力レンズ上の所定の箇所での最大屈折力から最小屈折力を差し引いた値とする。
本明細書では、非点収差を、大きさの異なる2つの主曲率の組の曲率とも表現可能である。「大きさの異なる2つの主曲率の組」とは、最大屈折力方向と最小屈折力方向からなる組である。
本発明の一態様における主注視線とは、その名の通り、装用者が累進屈折力レンズを装用して天地の天の方向(以降、上方とする。)から地の方向(以降、下方とする。)へと視線を移した際に、累進屈折力レンズにおいて視線が通過する部分が集まって形成される線を指す。この主注視線は、累進屈折力レンズを設計する際の基礎となる。
子午線とは、累進屈折力レンズに設けられる2つの隠しマークの位置を結ぶ水平線に対して直交し、2つの隠しマークの位置の中点を通る垂直方向の線をいう。子午線は、本願各図に示す分布図のy軸に相当する。
本明細書でいうy方向は、子午線に沿った方向であり、垂直方向である。装用状態でのレンズ上方を+y方向とし、レンズ下方を−y方向とする。x方向は、子午線に直交する方向であり、水平方向である。装用者と対向してみたときにレンズ右方を+x方向とし、レンズ左方を−x方向とする。
遠用度数測定点は、装用者情報の処方データに記載される球面屈折力および円柱屈折力を累進屈折力レンズに与える点をいう。球面屈折力はいわゆる球面度数Sを指し、円柱屈折力はいわゆる乱視度数Cを指す。遠用部測定点(以降、単に測定点F、点Fともいう。)は、例えば、子午線上に位置し、2つの隠しマークM1,M2の位置を結ぶ水平線から遠用部の側に、8.0mm離間した位置にある点である。
フィッティングポイントまたはアイポイント(代表してFP)は、累進屈折力レンズを装用した際に、真正面に向いたときに視線が通る位置である。一般的には、測定点Fよりも数mm下方の位置に配置される。屈折力の変化は、このFPから下方にて発生させる。累進力の変化が開始する点を累進開始点とも呼ぶ。本発明の一態様においてはFPの更に下方の幾何中心GCと累進開始点とを一致させており、プリズム参照点とも一致させている。
近用度数測定点Nは、装用者情報の処方データに記載される球面屈折力に対して加入度数ADDが付加された状態の点をいい、レンズ上方から下方に向けて見たときに最初に球面屈折力+ADDが実現される点をいう。近用部測定点(以降、単に測定点N、点Nともいう。)も、主注視線上に位置する。
本明細書における「基本累進面」は、乱視度数が設定されていない状態の遠用部、近用部および中間部を備えた物体側の面または眼球側の面を指す。
基本累進面においては、上方の遠用部および下方の近用部は比較的広く、中間部は比較的狭く、主注視線上の非点収差は比較的低く抑えられる。例えば、該非点収差は0.25D未満に抑えられる。言い方を変えると、これらの特徴を有する面は基本累進面とみなせる。
なお、累進屈折力レンズが両面累進方式を採用する場合は、両面の平均屈折力分布および面非点収差を合わせた状態のものを基本累進面とする。
本明細書における「近方視に要する乱視度数Cおよび乱視軸Axを実現する」とは、測定点Nにて度数測定を行ったときに乱視度数Cおよび乱視軸Axが検出されることを指す。
同様に、本明細書における「遠方視に要する乱視度数Cおよび乱視軸Axを実現する」とは、測定点Fにて度数測定を行ったときに乱視度数Cおよび乱視軸Axが検出されることを指す。
主注視線は、点Fと点Nとを繋いだ直線と仮定してもよい。
測定点F、フィッティングポイントまたはアイポイントFP、測定点Nは、レンズ製造業者が発行するリマークチャート(Remark chart)またはセントレーションチャート(Centration chart)を参照することにより、位置の特定は可能となる。
なお、上記水平方向は、フレームへの枠入れのための2つのアライメント基準マーク(いわゆる隠しマークM1,M2)を結ぶ水平基準線の方向と一致する。この水平基準線は、累進屈折力レンズ(枠入れ加工前の丸レンズ)の上方頂点と下方頂点との中間において水平に延びる線である。また、本発明の一態様においては、当該2つの隠しマークM1,M2を結ぶ水平基準線の中心を主注視線が通過するように隠しマークM1,M2を配置する例について述べる。
ちなみに、装用者情報の処方データは、累進屈折力レンズのレンズ袋に記載されている。つまり、レンズ袋があれば、装用者情報の処方データに基づいた累進屈折力レンズの物としての特定が可能である。そして、累進屈折力レンズはレンズ袋とセットになっていることが通常である。そのため、レンズ袋が付属した累進屈折力レンズも本発明の技術的思想が反映されているし、レンズ袋と累進屈折力レンズとのセットについても同様である。
なお、レンズ袋を含む概念として記録手段(以降、仕様書を例示)という表現を採用する。仕様書には、少なくとも、遠方視に要する球面度数S、遠方視に要する乱視度数C、加入度数ADD、近方視に要する乱視度数Cおよび乱視軸Axが記載されていればよい。これらのパラメータは、一つの仕様書に記載されてもよいし、複数の仕様書に分けて記載されてもよい。
<本発明の一態様の累進屈折力レンズの設計方法>
図3は、本発明の一態様に係る累進屈折力レンズの設計方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の一態様は以下の通りである。
「遠用部においてCおよびAxを実現する、大きさの異なる2つの主曲率の組α(k1α,k2α)の曲率分布を、遠用部、近用部および中間部に一様に付加する組α付加工程と、
組αの曲率分布とは別の、大きさの異なる2つの主曲率の組β(k1β,k2β)の曲率分布であってを付加する組β付加工程と、
を有し、
組βは、遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面に対する組α付加工程および組β付加工程の後に、遠用部においてCおよびAxを実現可能な分布であり且つ近用部においてCおよびAxを実現可能な曲率分布を有する、累進屈折力レンズの設計方法。」
つまり、本発明の一態様は、組α付加工程と組β付加工程とを行うことが特徴の一つである。
以降、説明の便宜上、主曲率の組を非点収差で表す。
組αは、大きさの異なる2つの主曲率の組(k1α,k2α)の曲率分布を有する。
組βは、大きさの異なる2つの主曲率の組(k1β,k2β)の曲率分布を有する。
組α付加工程は非点収差α付加工程のことを指し、組β付加工程は非点収差β付加工程のことを指す。
非点収差α付加工程では、遠方視に要する乱視度数Cおよび乱視軸Axを実現する分布を有する非点収差αを、遠用部のみならず近用部および中間部に付加する。言い換えると、累進屈折力レンズの少なくとも一方の面において光学機能を奏する部分全体を含むように、一様の分布を有する非点収差αを付加する。具体的には、非点収差αを付加するのは、製造誤差の影響を受けやすい累進屈折力レンズの周縁部以外であってもよいが、該周縁部を含んでも構わない。
「一様の分布」とは、非点収差分布において一の乱視度数Cおよび一の乱視軸Axを有することを指す。この非点収差αは、従来の乱視矯正のための非点収差であり、乱視矯正面としての公知の非点収差分布を採用してもよい。
非点収差β付加工程では、非点収差αとは別の非点収差であって、所定の方向に非点収差が増加する分布を有する非点収差βを付加する。
「非点収差αとは別の非点収差」とは、非点収差αとは別に用意された非点収差のことを指す。基本累進面上において、非点収差αと非点収差βとを合わせた後においては、非点収差αを差し引き、最初に設定した基本累進面を更に差し引いた後に残存する非点収差分布が非点収差βである。
非点収差の増加の具体的な態様については、後掲の<本発明の一態様の累進屈折力レンズの設計方法の好適例および変形例>および実施例の項目にて述べる。
上記基本累進面、上記非点収差αおよび上記非点収差βが合わさることにより、遠用部において遠用処方値(すなわちS、CおよびAx)が実現され且つ近用部において近用処方値(すなわちS、CおよびAx)が実現される。言い方を変えると、そのような非点収差βであれば限定は無い。また、そのような非点収差βを実現可能であれば、曲率分布において主曲率差の絶対値(|k1β−k2β|)が増加する方向には限定は無い。なお、「主曲率差の該絶対値が所定の方向(一例としては一方向)に増加する」とは、乱視軸Axβが所定の値を有する(一例としては一つの値のみ存在する)ことを意味する。本発明の一態様においては、2つの主曲率がとる方向のうち累進屈折力レンズの上方から下方に向かう方向(斜め方向含む。遠用部から近用部に向かう方向ともいう。)に該絶対値が増加する場合を例示する。
本発明の一態様により、近方視に適切な乱視度数および乱視軸を自由に設定可能とする技術を提供できる。
<本発明の一態様の累進屈折力レンズの設計方法の好適例および変形例>
本発明の技術的範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
非点収差α付加工程と非点収差β付加工程とで順番の前後に限定は無いが、本発明の一態様においては先に非点収差β付加工程を行う場合を例示する。
非点収差α付加工程および非点収差β付加工程の前に、非点収差βを得る非点収差β取得工程を行うのがよい。なお、以下の各工程は、非点収差β取得工程の一具体例であるとともに、本発明の一態様の累進屈折力レンズの設計方法を構成する一具体例でもある。
本発明の一態様の累進屈折力レンズの設計方法は、
乱視矯正用の度数を備える前の遠用部、近用部および中間部を有する基本累進面を準備する準備工程と、
近用部の近用処方値から遠用部の遠用処方値をベクトル減算し、球面度数Sβ1、乱視度数Cβ1および乱視軸Axβ1を算出する算出工程と、
を有し、
乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲外の場合、乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態へとSβ1およびCβ1を変換する変換工程を行い、変換後球面度数Sβ2および変換後乱視度数Cβ2を算出し、Sβ2をSβに設定し、Cβ2をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定し、
乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲内の場合、Sβ1をSβに設定し、Cβ1をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定し、
一つの乱視軸Axβを有し、球面度数ゼロDから球面度数Sβに増加し、且つ、乱視度数ゼロDから乱視度数Cβに増加するような曲率分布を有する組βを得る組β取得工程を行った後、基本累進面に対し、組α付加工程および組β付加工程を行うのが好ましい。
準備工程では、装用者の遠用処方値および近用処方値に応じた基本累進面を準備する。基本累進面の説明は<定義>にて行ったため、ここでの説明を省略する。
算出工程では、近用部の近用処方値から遠用部の遠用処方値をベクトル減算し、球面度数Sβ1、乱視度数Cβ1および乱視軸Axβ1を算出するのが好ましい。以下、後掲の実施例1を利用して、実際のベクトル減算を示す。
遠方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axを、4方向断面度数D1〜D4に分解する。
近方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axも、4方向断面度数D1〜D4に分解する。
D1〜D4は以下の式で表される。
Figure 2021148979
仮に、Sが0.00D(ゼロD)、Cが−1.00D、乱視軸Axが180度だった場合、D1は0.00D(ゼロD)、D2は−0.50D、D3は−1.00D、D4は−0.50Dとなる。
仮に、Sが2.00D、Cが−1.00D、乱視軸Axが30度だった場合、D1は1.75D、D2は1.93D、D3は1.25D、D4は1.07Dとなる。
その場合、近用部に追加される度数D1〜D4は、D1=D1−D1=1.75D、D2=D2−D2=2.43D、D3=D3−D3=2.25D、D4=D4−D4=1.57Dとなる。
そして、D1〜D4を逆にS、C、Axへと変換する。その結果、球面度数Sβ1=2.50D、乱視度数Cβ1=−1.00Dおよび乱視軸Axβ1=60度となる。
つまり、算出工程においては、以下の作業を行うのが好ましい。
・遠方視に要する遠用処方値を4方向断面度数D1〜D4に分解する。
・近方視に要する近用処方値を4方向断面度数D1〜D4に分解する。
・近方視4方向断面度数から遠方視4方向断面度数を差し引いたD1〜D4を得る。
・D1〜D4を逆にS、C、Axへと変換し、Sβ1、Cβ1、Axβ1を得る。
なお、4方向断面度数の補間を用いたシミュレーションについては、特開2005−326294号公報の[請求項6][0014]の記載を採用してもよい。
乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲内か否かを判定する判定工程を採用するのが好ましい。その理由について説明する。
図4は、判定工程および変換工程の技術的意義を説明するための図である。図4(a)は基本累進面の平均屈折力分布であり、図4(b)は判定工程が無い場合であって乱視軸Axβ1が80度すなわち乱視度数の増減方向が170度の場合の平均屈折力分布であり、図4(c)は、判定工程の後に変換工程を行った後の平均屈折力分布である。
図4(a)の上側の十字は測定点Fであり、下側の十字は測定点Nである。仮に、乱視度数の増減方向が170度の場合、図4(b)に示すように、測定点Fと測定点Nとの間の屈折力差がほとんどなくなる。このまま、図4(b)に対応する非点収差を基本累進面に付加しても、最終的に得られるレンズは累進屈折力レンズの体を成さない。
乱視度数の増減方向Tが45〜135度の範囲外の場合であっても、乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態へとSβ1およびCβ1を変換する変換工程を行えばよい。変換工程により、変換後球面度数Sβ2および変換後乱視度数Cβ2を算出する。
変換工程において、乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態を想定すれば、図4(c)に示す状態となり、図4(b)に示す状況は回避できる。そのうえで、該状態へとSβ1およびCβ1を変換する。この変換は、Sβ2=Sβ1+Cβ1、Cβ2=−Cβ1で容易に行える。
β2とSβ1との間で差分が生じた場合、組βがもたらす平均屈折力分布における屈折力変化により該差分を埋める調整を行うことで、最終的に処方値通りの度数を得るのが好ましい。このことを鑑みると、非点収差βをもたらす、大きさの異なる2つの主曲率の組β(k1β,k2β)の曲率分布は、度数が累進的に変化する分布とも言える。
その一方、判定工程にて乱視度数の増減方向が45〜135度の範囲内の場合、Sβ1をSβに設定し、Cβ1をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定する。
以上の内容をまとめると、以下の(1)(2)のいずれかに従い、Axβ、Sβ、Cβを設定するのが好ましい。
(1)乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲外の場合、乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態へとSβ1およびCβ1を変換して変換後球面度数Sβ2および変換後乱視度数Cβ2を算出し、Sβ2をSβに設定し、Cβ2をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定する。
(2)乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲内の場合、Sβ1をSβに設定し、Cβ1をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定する。
β、Cβ、Axβによりもたらされる非点収差βは以下のように得るのが好ましい。
球面度数ゼロDから球面度数Sβに増加する分布の好適例は、測定点Fの位置において球面度数ゼロDとし、測定点Nの位置において球面度数Sβとした平均屈折力βの分布ある。
乱視度数ゼロDから乱視度数Cβに増加する分布の好適例は、測定点Fの位置において乱視度数ゼロDとし、測定点Nの位置において乱視度数Cβとした非点収差βの分布である。
まず、鉛直上方から鉛直下方に向けて屈折力を増加させる平均屈折力分布を用意する。非点収差分布も同様に用意する(後掲の図6(a))。そして、乱視軸Axβを実現するよう、光学中心OCを中心に両分布を回転させる(後掲の図6(b))。こうして、非点収差βの分布を得る。
非点収差βでは、一つの乱視軸Axβを有するのが好ましい。これは、図2に示すように、乱視軸Axβに垂直な方向Tに乱視度数(非点収差)が増減することを意味し、非点収差分布における等高線が、乱視度数の増減方向Tと垂直であり、乱視軸Axβと平行であることを意味する。つまり、非点収差βの分布において、非点収差αの分布と同様、乱視軸Axβは変化しないのが好ましい。
一つの乱視軸Axβを有し(すなわち一つの乱視度数の増減方向にて)、球面度数ゼロDから球面度数Sβに増加し、且つ、乱視度数ゼロDから乱視度数Cβに増加する分布を有する非点収差βを得る非点収差β取得工程を行うのが好ましい。その後、基本累進面に対し、非点収差α付加工程および非点収差β付加工程を行うのが好ましい。
その他の好適例および変形例は以下の通りである。
の絶対値は2.00D以下(より好適には未満)であり、Axは0度以上45度以下、より好適には30度以下(更に好適には30度未満)であるのが好ましい。
非点収差βは遠用部には付加されず、中間部および近用部に付加されるのが好ましい。
「非点収差は遠用部には付加しない」とは、少なくとも遠用部に存在するFPには非点収差は付加しないことを意味する。好適には、「非点収差は遠用部には付加しない」とは、少なくとも測定点FとFP(好適には更に下方のGC)との間には非点収差は付加しないことを意味する。
「中間部および近用部に非点収差を付加する」とは、中間部の少なくとも一部に非点収差を付加し、且つ、近用部の少なくとも一部に非点収差を付加することを意味する。
非点収差βの分布の少なくとも一部において、乱視度数の増加方向に向かって非点収差が一次関数的に増加するのが好ましい。なお、非点収差βの分布のうち測定点Fから測定点Nに至るまでの範囲では、非点収差が連続して増加するのが好ましい。それ以外の範囲での非点収差の増減には限定は無い。
後掲の実施例1が示すように、非点収差βの分布の等高線は互いに平行であり且つ乱視度数の増加方向と垂直な方向(すなわち乱視軸Axβと平行な方向)に延びる直線であるのが、基本累進面と非点収差αと非点収差βとを合わせたときに非点収差の制御が容易であり好ましい。また、その場合であっても、そうでない場合(等高線が直線ではない場合)であっても、非点収差βの分布において、最も急峻に非点収差が増加するのは上方から下方に向かう方向(斜め方向含む)であるのが好ましい。
<非点収差βの具体的な付加態様>
非点収差βの付加の具体的な態様の一例として、EP3457195A1公報(以降、「参考公報」と称する。)に記載の内容が挙げられる。本明細書では、参考公報の内容を全て参照可能である。
参考公報に記載の内容の一態様では、遠用部ではなく中間部および近用部に透過非点収差を付加し、近用部における明視域を拡大したり(水平屈折力>垂直屈折力、Embodiment 1)、スキュー歪みを低減したりする(垂直屈折力>水平屈折力、Embodiment 2)。
本発明の一態様においては、参考文献に記載のPattern 2と呼ばれる透過非点収差の付加態様を適用可能である。非点収差βに対してPattern 2の態様を乱視軸に垂直な方向に拡張したのが本発明の一態様である。
なお、参考公報には、近方視に適切な乱視度数および乱視軸を自由に設定することについては記載も示唆も無い。
<本発明の一態様の累進屈折力レンズ>
本発明の一態様の累進屈折力レンズの構成は以下の通りである。「近方距離を見る近方視のための近用処方値を有する下方の近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見る遠方視のための遠用処方値を有する上方の遠用部と、遠用部と近用部との間を繋ぐように度数が変化する中間部と、を備え、
遠用部において、遠方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、且つ、近用部において、近方視に要する近用処方値であるところの、球面度数S(=S+加入度数ADD)、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、
はCとは異なる値、AxはAxとは異なる値、またはその両方であり、
遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面と、
遠用部、近用部および中間部に一様に付加される曲率分布であって、遠用部においてCおよびAxを実現する、大きさの異なる2つの主曲率の組α(k1α,k2α)の曲率分布と、
組αの曲率分布とは別の、大きさの異なる2つの主曲率の組β(k1β,k2β)の曲率分布であって、所定の方向に主曲率差の絶対値(|k1β−k2β|)が増加する曲率分布と、
が合わさった状態で、遠用部においてCおよびAxが実現され且つ近用部においてCおよびAxが実現される、累進屈折力レンズ。」
また、本発明の一態様の累進屈折力レンズは、非点収差という表現を使用すると以下の通りである。
「近方距離を見る近方視のための近用処方値を有する下方の近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見る遠方視のための遠用処方値を有する上方の遠用部と、遠用部と近用部との間を繋ぐように度数が変化する中間部と、を備え、
遠用部において、遠方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、且つ、近用部において、近方視に要する近用処方値であるところの、球面度数S(=S+加入度数ADD)、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、
はCとは異なる値、AxはAxとは異なる値、またはその両方であり、
遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面と、
遠用部においてCおよびAxを実現する非点収差であって、遠用部、近用部および中間部に一様に付加される非点収差αと、
非点収差αとは別の非点収差であって、所定の方向に非点収差が増加する分布を有する非点収差βと、
が合わさった状態で、遠用部においてCおよびAxが実現され且つ近用部においてCおよびAxが実現される、累進屈折力レンズ。」
上記構成については、<本発明の一態様の累進屈折力レンズの設計方法>にて既に説明したため、再度の説明は省略する。また、累進屈折力レンズに対しても、<本発明の一態様の累進屈折力レンズの設計方法の好適例および変形例>の記載内容(特にSβ、CβおよびAxβの決定手順)は適用可能である。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろん本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図5は、実施例1における累進屈折力レンズの設計方法の説明図である。
上側の分布は平均屈折力分布であり、下側の分布は非点収差分布である。最左側は基本累進面の各分布を示し、その右側は非点収差β(下)とそれに伴う平均屈折力分布(上)を示し、最右側は非点収差α付加工程および非点収差β付加工程を行った後の各分布を示す。
実施例1では遠用処方値を以下のように設定する。
: 0.00D(ゼロD)
:−1.00D
Ax:180度
近用処方値を以下のように設定する。
: 2.00D(すなわちADD:2.00D)
:−1.00D
Ax:30度
近用部の近用処方値から遠用部の遠用処方値をベクトル減算する算出工程を行った結果、以下の通りとなる。
β1:2.50D
β1:−1.00D
Axβ1:60度
図6は、非点収差βの分布を用意することに焦点を当てた、実施例1における累進屈折力レンズの設計方法の説明図である。
図6(a)は、測定点Fにおいて非点収差がゼロD、測定点Nにおいて非点収差が1.00Dであり、鉛直上方から鉛直下方に向けて非点収差を増加させ、等高線を水平線とした分布である。
図6(b)は、乱視軸Axβを実現するよう光学中心OCを中心に図6(a)の分布を回転させた状態を示す図である。 図6(c)は、基本累進面の非点収差分布である。Sβ2とSβ1との間で差分を調整すべく、基本累進面でのADDは1.50Dに設定する。
図6(d)は、図6(c)に対する非点収差β付加工程後であって非点収差α付加工程前の非点収差分布である。
図6(e)は、図6(d)に対する非点収差α付加工程後の非点収差分布であり、図5の最右側の下図と同一である。
実施例1では、乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が150度であり、45〜135度の範囲外である(判定工程)。乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態へとSβ1およびCβ1を変換する変換工程を行った。この置き換え状態では、乱視軸は150度であり、乱視度数の増減方向は60度である。変換工程により、以下の値を得た。
β2:1.50D
β2:1.00D
β2をSβに設定し、Cβ2をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定した。つまり、実施例1での非点収差βの分布では、60度方向の逆方向である−120度方向(右上側から左下側)に向けて屈折力および非点収差が増加する。
なお、この−120度方向(上側から下側)に向けて非点収差が増加する様子(つまり乱視度数の増減方向は60度)を示したのが図6(b)である。この図6(b)は、鉛直下方に向けて非点収差を増加させた非点収差分布を、光学中心OCを中心に−30度傾けた分布である。
そして、一つの乱視軸Axβを有し、測定点Fでの球面度数ゼロDから測定点Nでの球面度数Sβに屈折力が増加し、且つ、測定点Fでの乱視度数ゼロDから測定点Nでの乱視度数Cβに非点収差が増加する、平均屈折力分布および非点収差分布を設定した。
非点収差αとして、Cが−1.00D、Axが30度である分布を用意した。レンズ全面において一様の非点収差分布であるため、図示は省略する。
基本累進面に対し、非点収差αおよび非点収差βを付加した結果が図5の最右側の各分布図である。
図7は、実施例1において得られた累進屈折力レンズが遠用処方値および近用処方値を実現していることを示す説明図である。
上側の分布は平均屈折力分布であり、下側の分布は非点収差分布である。最左側は実施例1において得られた累進屈折力レンズの各分布を示し、その右側は、実施例1において得られた累進屈折力レンズから遠用処方値を差し引いたときの各分布を示し、最右側は、実施例1において得られた累進屈折力レンズから近用処方値を差し引いたときの各分布を示す。
図7が示すように、実施例1において得られた累進屈折力レンズから遠用処方値を差し引いたとき、遠用部は、累進屈折力レンズの体をなし、基本累進面と同等程度に広く確保できていることがわかる。また、実施例1において得られた累進屈折力レンズから近用処方値を差し引いたとき、近用部は、累進屈折力レンズの体をなし、基本累進面と同等程度に広く確保できていることがわかる。

Claims (5)

  1. 近方距離を見る近方視のための近用処方値を有する下方の近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見る遠方視のための遠用処方値を有する上方の遠用部と、遠用部と近用部との間を繋ぐように度数が変化する中間部と、を備え、
    遠用部において、遠方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、且つ、近用部において、近方視に要する近用処方値であるところの、球面度数S(=S+加入度数ADD)、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、
    はCとは異なる値、AxはAxとは異なる値、またはその両方であり、
    遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面と、
    遠用部、近用部および中間部に一様に付加される曲率分布であって、遠用部においてCおよびAxを実現する、大きさの異なる2つの主曲率の組α(k1α,k2α)の曲率分布と、
    組αの曲率分布とは別の、大きさの異なる2つの主曲率の組β(k1β,k2β)の曲率分布であって所定の方向に主曲率差の絶対値(|k1β−k2β|)が増加する曲率分布と、
    が合わさった状態で、遠用部においてCおよびAxが実現され且つ近用部においてCおよびAxが実現される、累進屈折力レンズ。
  2. 組βは、一つの乱視軸Axβを有し、球面度数ゼロDから球面度数Sβに増加し、且つ、乱視度数ゼロDから乱視度数Cβに増加する分布を有し、
    β、CβおよびAxβは、以下の手順により決定される、請求項1に記載の累進屈折力レンズ。
    [手順1]
    近用部の近用処方値から遠用部の遠用処方値をベクトル減算し、球面度数Sβ1、乱視度数Cβ1および乱視軸Axβ1を算出する。
    [手順2]
    (1)乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲外の場合、乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態へとSβ1およびCβ1を変換して変換後球面度数Sβ2および変換後乱視度数Cβ2を算出し、Sβ2をSβに設定し、Cβ2をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定する。
    (2)乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲内の場合、Sβ1をSβに設定し、Cβ1をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定する。
  3. 近方距離を見る近方視のための近用処方値を有する下方の近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見る遠方視のための遠用処方値を有する上方の遠用部と、遠用部と近用部との間を繋ぐように度数が変化する中間部と、を備え、
    遠用部において遠方視に要する遠用処方値であるところの、球面度数S、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、且つ、近用部において近方視に要する近用処方値であるところの、球面度数S(=S+加入度数ADD)、乱視度数Cおよび乱視軸Axが設定され、
    はCとは異なる値、AxはAxとは異なる値、またはその両方である累進屈折力レンズの設計方法であって、
    遠用部においてCおよびAxを実現する、大きさの異なる2つの主曲率の組α(k1α,k2α)の曲率分布を、遠用部、近用部および中間部に一様に付加する組α付加工程と、
    組αの曲率分布とは別の、大きさの異なる2つの主曲率の組β(k1β,k2β)の曲率分布であって、所定の方向に主曲率差の絶対値(|k1β−k2β|)が増加する曲率分布を付加する組β付加工程と、
    を有し、
    組βは、遠用部、近用部および中間部に乱視度数が設定されていない基本累進面に対する組α付加工程および組β付加工程の後に、遠用部においてCおよびAxを実現可能な分布であり且つ近用部においてCおよびAxを実現可能な曲率分布を有する、累進屈折力レンズの設計方法。
  4. 組α付加工程および組β付加工程の前に、
    乱視矯正用の度数を備える前の遠用部、近用部および中間部を有する基本累進面を準備する準備工程と、
    近用部の近用処方値から遠用部の遠用処方値をベクトル減算し、球面度数Sβ1、乱視度数Cβ1および乱視軸Axβ1を算出する算出工程と、
    を有し、
    乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲外の場合、乱視軸Axβ1の値を乱視度数の増減方向Tの値に置き換えた状態へとSβ1およびCβ1を変換する変換工程を行い、変換後球面度数Sβ2および変換後乱視度数Cβ2を算出し、Sβ2をSβに設定し、Cβ2をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定し、
    乱視軸Axβ1から90度を減じて得られる乱視度数の増減方向T(但し0度未満の場合は180度を加えた値)が45〜135度の範囲内の場合、Sβ1をSβに設定し、Cβ1をCβに設定し、Axβ1をAxβに設定し、
    一つの乱視軸Axβを有し、球面度数ゼロDから球面度数Sβに増加し、且つ、乱視度数ゼロDから乱視度数Cβに増加するような曲率分布を有する組βを得る組β取得工程を行った後、基本累進面に対し、組α付加工程および組β付加工程を行う、請求項3に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  5. 組β付加工程の後に、組α付加工程を行う、請求項3または4に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
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