JP2013525851A - 視野角に依存する処方データを用いて眼鏡レンズを計算する方法 - Google Patents

視野角に依存する処方データを用いて眼鏡レンズを計算する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、特に、眼鏡レンズを計算または最適化するためにコンピュータで実施される方法であって、
少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関する眼鏡着用者の処方または屈折データ
【数1】

および
【数2】

を取得するステップであって、データが、球面屈折力Sph、非点収差の大きさCyl、および非点収差軸Axisに関連するデータを備える、ステップと、
物体距離モデルA1(x,y)を特定するステップであって、A1が、物体距離を示し、(x,y)が、予め定められたまたは予め定められ得る視認方向における眼鏡レンズの視認スポットまたは視認点を示す、ステップと、
処方のパワーベクトル
【数3】

の、物体距離A1への依存性を表す関数PRef=f(Al)を特定するステップと、
複数の視認点(x,y)における処方のパワーベクトルPRefの構成要素を、物体距離モデルA1(x,y)および得られた処方データ
【数4】

および
【数5】

に基づいて決定するステップと、
複数の視認点(x,y)における処方のパワーベクトルPRefの決定された構成要素を考慮して、眼鏡レンズの少なくとも1つの表面を計算または最適化するステップと、を備える、方法に関する。

Description

本発明は、眼鏡レンズを計算または最適化するための方法、対応する製造方法、並びに、対応するデバイス、記憶媒体およびコンピュータプログラム製品に関する。
DE 103 13 275 A1は、個々の眼鏡レンズを計算するための方法を記載している。個々の眼鏡レンズは、以下の形式の目的関数を最小化することによって最適化または計算される。
ここでAおよびBは、非点収差、屈折力、歪み、両眼不均衡、非点収差および屈折力の勾配、歪または変形などの、最適化されるべき眼鏡レンズ特性を表しており、またgaおよびgbは、各特性の重みを表している。DE 103 13 275において、目標仕様を絶対値としては設定せず、処方(prescription)からの偏差として、または許容可能な誤差または収差として設定することが有利であることが見出された。このことは、目標仕様が処方(Sph,Cyl,Axis,Pr,B)から独立したものであり、かつ、目標仕様が個々の処方に対して変更される必要がない限りにおいて有利である。
EP 0 677 177は、眼鏡レンズおよび対応する最適化方法を記載しており、ここで、眼鏡レンズの合計非点収差は、斜め入射の非点収差を考慮することを生じさせるものであるが、合計非点収差は、主線に沿ってほぼ一定であり、または、生理学的要求に応じて大きさおよびシリンダー軸(乱視軸)の両方に関して可変である。特に、下転の際の乱視のシリンダー軸の変化が、リスティングの法則に従って考慮され得る。
さらに、生理学的な理由のために、近方視力のために測定される個々の非点収差が、遠方視力のために測定される個々の非点収差とは異なり得ることが知られている(例えば、K. Krauseのテキストブック"Methoden der Refraktionsbestimmung", 1985, 頁158〜161参照)。また、眼鏡レンズの適切な設計によって、この差異を考慮することも知られている。EP 1 660 928およびUS 7,249,850はそれぞれ、眼鏡レンズを最適化するための方法であって、近方範囲および遠方範囲における様々な非点収差屈折力が考慮される、方法を記載している。
本発明の課題は、眼鏡レンズ、好ましくはプログレッシブ眼鏡レンズを計算または最適化するための改善された方法であって、眼鏡レンズが、より良い手段で眼鏡着用者の個々の要求に適合する、方法を提供することである。特に、本発明の課題は、所定の遠方範囲のための屈折データ(処方データ)および所定の近方範囲のための屈折データ(処方データ)に関して、プログレッシブ眼鏡レンズを計算または最適化するための改善された方法を提供することである。
本発明の一側面によれば、この課題は、請求項1で示される特徴を有する、眼鏡レンズを計算または最適化するためにコンピュータで実施される方法、請求項12で示される特徴を有する、眼鏡レンズを計算または最適化するためのデバイス、請求項13で示される特徴を有するコンピュータプログラム製品、請求項14で示される特徴を有する記憶媒体、請求項15で示される特徴を有する、眼鏡レンズを製造するための方法、請求項16で示される特徴を有する、眼鏡レンズを製造するためのデバイス、および、請求項17に示される特徴を有する、眼鏡レンズの使用によって解決される。好ましい形態は、従属請求項の主題である。
本発明の一側面によれば、眼鏡レンズを計算または最適化するためにコンピュータで実施される方法が提供され、当該方法は、以下のステップを備えている。
少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関する眼鏡着用者の処方または屈折データ
および
を取得するステップ、
物体距離モデル(物体分離−距離モデル)A1(x,y)を特定するステップであって、A1が、物体距離を示し、(x,y)が、予め定められたまたは予め定められ得る視認方向における眼鏡レンズの視認スポットまたは視認点を示す、ステップ、
物体距離A1への処方の依存性を特定するモデルを特定するステップ;
物体距離モデルA1(x,y)および得られた処方または屈折データ
および
に基づいて複数の視認点(x,y)における処方を決定するステップ、
複数の視認点(x,y)において決定された処方を考慮して眼鏡レンズの少なくとも1つの表面を計算または最適化するステップ。
ここで、
は、第1物体距離A1のための処方または屈折データを示しており、
は、第2物体距離A1のための処方または屈折データを示している。
屈折能測定において、EPC(“アイ・ケアの施術者”、すなわち、眼鏡技師、検眼医または眼科医)が、光屈折値(球面または球面屈折力(Sph)、非点収差/シリンダーのシリンダーまたは大きさ(Cyl)、長い、通常は無限の距離のためのシリンダー軸または非点収差軸(AxisまたはA)を決定する。プログレッシブ眼鏡レンズのため、加入度数(Add)がさらに、第2の近方距離(例えばDIN58208による)のために決定されてもよい。このようにして、眼鏡レンズ製造者へ送られる処方データV(Sph,Cyl,A,Add)=(Sph,Cyl,Axis,Add)が決定される。任意には、ECPによってプリズム処方(Pr,B)がさらに決定され、そして眼鏡レンズ製造者へ送られてもよい。
現代の個々の眼鏡レンズ(例えばローデンストック社の“Impression FreeSign”)のために、ECPは、処方値に加えて、ノルムからずれている物体距離を特定することもできる。ここで物体距離が、屈折能測定において使用され、そして眼鏡レンズ製造者へ送られている。
眼鏡レンズ製造者は、得られた処方データを考慮して、眼鏡レンズを計算または最適化する。通常は、眼鏡レンズは、得られた処方データSph,Cyl,Axis,Addが眼鏡レンズの基準点(近用部基準点および/または遠用部基準点)において達成されるよう、計算または最適化される。ここで、処方または処方値は、最適化プロセスにおける1つの固定値(または複数の固定値)として特定されている。
遠方範囲のための処方に加えて、また任意にはプログレッシブ眼鏡レンズのための加入度数に加えて、1つの物体距離よりも多くの物体距離に関して、好ましくは遠方距離(例えば無限遠)および近方距離に関して、眼鏡着用者の視野の欠損を補正するのに必要な光屈折力の処方を考慮することが有利であり得る。例えば、補正の目的のために必要とされる非点収差屈折力(シリンダー、軸線)は、視野角に依存して変化し得る。この理由は、調節の際の、アイレンズ、眼球全体の変形または瞳孔径の変化であるかもしれない。
本発明の一側面によれば、処方を、固定値としては特定せず、最適化プロセスにおける物体距離A1のモデルとして特定することが提案される。モデルは、数学的なモデル、例えば、物体距離への処方の依存性を表す関数の形式であってもよい。このことは、最適化プロセスにおいて、視野角または視野方向に依存した処方データを、単純かつ効率的な方法で統合することを可能にし、そして、このようにして計算された眼鏡レンズ、特に個々のプログレッシブ眼鏡レンズの著しく改善された画像形成特性を生じさせる。
好ましくは、物体距離は、予め定められた視認方向(Dにおいて測定される)における眼鏡レンズの前面からの物体分離−距離または物体の分離−距離の逆数となっている。モデルが特定され計算が実施される座標系は、前面の座標系、後面の座標系、または、任意の適切な座標系であってもよい。例えば、座標系は、最適化されるべき眼鏡レンズの物体側または眼側の表面における座標系であってもよく、この場合、座標の原点は、例えば、(未加工の丸味を帯びた)眼鏡レンズの幾何学的中心に、または、眼鏡レンズの心取り点またはフィッティングポイントに一致する。鉛直方向の軸(“y”)および水平方向の軸(“x”)は、幾何学的中心または心取り点またはフィッティングポイントにおける眼鏡レンズの眼側のまたは物体側の表面各々に対する接平面に存在している。鉛直方向は、好ましくは、眼鏡レンズの着用位置における鉛直方向に関連しており、ここで、眼鏡レンズは、例えば、平均的な着用位置(例えばDIN58208パート2において定義されているような位置)、または、個々の着用位置に配置されている。好ましくは、眼鏡レンズは、個々の着用位置に配置されている。当然、その他の適切な座標系における全てのモデルを示すこと、および、選択された座標系において引き続き全ての計算を実施することが可能である。
物体距離モデル(物体分離−距離モデル)は、視認点(x,y)に関連した物体距離を表す適切な関数A1(x,y)によって特定され得る。標準化された物体距離モデルは、例えばDIN58208パート2に示されている(図6参照)。しかしながら、物体距離モデルは、この標準化された物体距離モデルから逸脱し得る。適切な物体距離モデルが、以下に詳細に説明される。
処方は、補正目的のために必要とされる光屈折力(球面の、非点収差および/またはプリズム屈折力)のタプルによって説明され得る。処方を、数学的にベクトルによって説明することも可能であり、ベクトルの構成要素は、個々の処方パラメータ(球面度数、乱視度数、軸線など)または個々の処方パラメータにおける特定された機能に対応している。処方値、または言い換えれば、必要とされる球面の、非点収差および/またはプリズム屈折力は、主観的な方法によって(例えばECPによって)、または客観的な方法によって(例えば誤差測定器によって)決定され得る。
処方データは、少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関して必要とされる球面屈折力Sph、乱視度数Cyl、軸線Axis、プリズムPrおよび/またはプリズムベースBに関連するデータを備えることができる。特に、処方データは、少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関して必要とされる球面屈折力Sph、必要とされる非点収差の大きさすなわち乱視度数Cyl、および、必要とされるシリンダー軸または非点収差軸すなわち軸線Axisに関連するデータを備えている。従って、眼鏡レンズの計算または最適化における調節の際、アイレンズまたは眼球全体の変形、および/または瞳孔径の変化を考慮することができる。
さらに、または代替として、少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1に関するプリズム屈折力(プリズム,ベース)を考慮することも可能である。
好ましい形態によれば、処方は、ベクトル
によって表される。
ここで、
である。
処方のパワーベクトルの構成要素のための各物体距離A1またはA1に関して、以下の式が当てはまる。
上記の式において、
が、第1物体距離A1に関して得られた処方データ/屈折データを示しており、また、
が、第2物体距離A1に関して得られた処方データ/屈折データを示している。
処方の物体距離A1への依存性を特定するモデルの仕様は、パワーベクトルPRefまたはパワーベクトルの構成要素における物体距離A1への依存性を表す関数PRef=f(Al)の仕様を備えている。視認点(x,y)における処方を決定することは、物体距離モデルA1(x,y)および得られた処方データ
および
に基づいてパワーベクトルPRef(x,y)またはパワーベクトルPRefの構成要素を決定することを備えている。
パワーベクトルPRefを用いて、処方値および眼鏡レンズの値をベクトル的に、単純な手法で(例えばクロスリシンダー法によって)加算することが可能である。ベクトルPRefを、プリズムPrおよびプリズムベースBに拡張することも可能である。
さらなる利点は、眼の生理学的な特性、特に眼が異なる物体距離を見る際の乱視の生理学的な特性の改善された考慮という点である。このことは、特に、処方の非点収差のシリンダー軸が、物体距離または視認方向に関して変化する場合に当てはまる。
処方における物体距離への依存性のモデル、または、処方のパワーベクトルにおける物体距離への依存性のモデルは、線形モデルであってもよく、または非線形モデルであってもよい。例えば、処方のパワーベクトルPRefまたはその構成要素は、数17に示すように物体距離A1の二次関数であってもよく、または、数18に示すように物体距離A1の線形関数であってもよい。
ここで、aおよびbは、少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1に関して得られる処方データSph,Cyl,Axisの関数として計算される定数である。
以下の式が当てはまる。
上述の前提に基づいて、上記の関数における定数aおよびbを、従ってPRef(x,y)を、一意的に決定/定義することが可能である。
ベクトルPRefの依存性はまた、以下の非線形モデルに従って表され得る。
ここで、a,bおよびcは、少なくとも3つの異なる物体距離A1,A1およびAlに関して得られる処方データSph,Cyl,Axisの関数として計算される定数である。
以下の式が当てはまる。
上述の前提に基づいて、上記の関数における定数aおよびbおよびcを、従ってPRef(x,y)を、一意的に決定/定義することが可能である。
好ましくは、パワーベクトルPRefの2つの構成要素JRef およびJRef 45によって広がる二次元ベクトル空間において、座標(JRef (Al),JRef 45(Al))を有する第1の点から座標(JRef (Al),JRef 45(Al))を有する第2の点への遷移が、第1の点と第2の点との間の最短接続に沿って生じる。
さらに好ましくは、パワーベクトルPRefの3つの構成要素MRef,JRef およびJRef 45によって広がる三次元ベクトル空間において、座標(MRef(Al),JRef (Al),JRef 45(Al))を有する第1の点から座標(MRef(Al),JRef (Al),JRef 45(Al))を有する第2の点への遷移が、第1の点と第2の点との間の最短接続に沿って生じる。
上記の例において、遠方範囲から近方範囲への遷移、または一般には第1物体距離から第2物体距離への遷移は、パワーベクトルの2つの構成要素(JRef ,JRef 45)によって広がる二次元ベクトル空間において、または特に好ましくは、パワーベクトルPRefの3つの構成要素MRef,JRef およびJRef 45によって広がる三次元ベクトル空間において、最短接続に沿って生じる。例えば、本発明の好ましい形態によれば、軸JRef およびJRef 45を有するデカルト座標系において、第1物体距離A1に対応する、座標(JRef (A1),JRef 45(A1))を有する第1の点から、第2物体距離A1に対応する、座標(JRef (A1),JRef 45(A1))を有する第2の点への直線的な遷移が存在する。第1物体距離は、遠方範囲(例えば無限遠)のための物体距離であってもよく、また第2物体距離は、近方範囲(例えば読書距離)のための物体距離であってもよい。
このようにして、眼の生理学的な特性、特に乱視が異なる物体距離を見るときの乱視の生理学的な特性を、改善された方法で考慮することができる。パワーベクトルの利用は、特に上述の最短接続に沿った遷移の利用は、(物体距離の関数として)計算される処方の任意の中間値に関して、2つの初期の処方(例えば、遠方範囲および近方範囲のために測定された屈折)からの、(計算される値の)距離の合計が、最小かつ一定のものとなる、ということをさらに確実にする。
眼鏡レンズの計算または最適化は、通常、形式Z(実際の値−目標値)からなる目的関数Zの最小化によって実施される。好ましくは、眼鏡レンズの少なくとも1つの表面の計算または最適化は、以下の目的関数の最小化を備えている。
ここで、i,i=1...Nは、ith(i番目の)視認点(x,y)を表し、
K(Ref,Ast)は、眼鏡レンズのith(i番目の)視認点における屈折誤差Refおよび非点収差誤差Astを表し、
S(Ref,Ast)は、眼鏡レンズのith(i番目の)視認点における屈折誤差Refおよび非点収差誤差Astの目標値を表している。
屈折誤差は、眼鏡レンズにおける屈折力と、処方による屈折力との差を表している。非点収差誤差または非点収差偏差は、眼鏡レンズにおける非点収差と、処方による非点収差との差を表している。好ましくは、これらの値は、着用位置における値となっている。すなわち、眼鏡のレンズ−眼の系を考慮している。
さらに、個々の誤差(すなわち、屈折誤差および非点収差誤差)の重みが、目的関数において考慮され得る。特に、誤差の各々は、場所に依存した方法で、視認点iを介して重み付けされ得る。
好ましくは、眼鏡レンズを計算または最適化する方法は、物体距離A1の関数としての調節の振幅Akkのための調節モデルを特定するステップをさらに備えている。ここで、屈折誤差および非点収差誤差が以下のようにして計算され得る。
ここで、
となっている。
SphBG,CylBG,AxisBGは、球面度数SphBG,非点収差AstBG,および非点収差軸AxisBGをそれぞれ表している。プリズム構成要素が同様に与えられる場合、それらは、好ましくは、非点収差の場合と同様に、独立した調節となっている。
ここで、Akkは、角膜頂点球における眼の調節の振幅、または、所望の補正を得るための、眼における必要とされる調節の振幅を表している。角膜頂点球は、眼球の回転中心を中心点として有する眼鏡レンズの後面の頂点を通る球として定義される。
調節の振幅Akkは、物体距離の線形関数であってもよい。
上記で説明されたように、物体距離モデルは、視認点(x、y)に関連する物体距離を表す適切な関数A1(x,y)によって特定され得る。標準化された物体距離モデルは、例えば、DIN58208パート2(図6参照)において示されている。しかしながら、物体距離モデルは、この標準化された物体距離モデルから逸脱し得る。
通常、物体距離は、鉛直方向のy座標に強く依存しており、水平方向のx座標にはあまり強く依存しない。
好ましくは、鉛直方向のy座標への物体距離A1(y)の依存性は、線形関数または二重漸近線関数(double asymptote function)によって表される。
線形モデルにおいて、線形関数の係数は、基準点(例えば近用部基準点および遠用部基準点)における物体距離に関して予め定められた前提によって一意的に決定され得る。y座標への物体距離の依存性を、二重漸近線関数
などの非線形関数によって示すまたは特定することも可能である。
水平方向のx座標への依存性に関して、同様に自由度がある。最も単純なケースにおいて、水平方向の部分(セクション)において物体距離が一定である(すなわち、y=定数である)という1つのモデルが特定される。
若しくは、水平方向の座標xへの物体距離A1(x)の依存性が、レンズ中心または主線からの距離の線形関数または二次関数(例えばバラボリック関数)によって表わされ得る。好ましくは、y=定数である水平方向の部分において、物体距離A1(x)は、レンズ中心または主線からの距離が増加するにつれて、遠方範囲において減少し、近方範囲において増加する。
眼鏡レンズを計算または最適化するための上述の方法は、単焦点レンズおよびプログレッシブ眼鏡レンズの両方に適用され得る。好ましくは、最適化される眼鏡レンズは、プログレッシブ眼鏡レンズとなっている。眼鏡レンズの計算/最適化は、好ましくは、眼鏡レンズの平均または個々のパラメータ(顔形角、広角、瞳孔間距離、角膜頂点間距離など)、および/または、着用者の眼の正面における眼鏡レンズの着用位置を考慮して、眼鏡レンズの着用位置において実施される。
第2の側面によれば、本発明の好ましい形態による眼鏡レンズを計算または最適化するためにコンピュータで実施される方法を実施するよう適合された、眼鏡レンズを計算または最適化するためのデバイスが提案される。
眼鏡レンズを計算または最適化するためのデバイスは、
少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関して眼鏡着用者の処方または屈折データ
および
を得るよう適合された処方データ取得手段と、
物体距離モデル(物体分離−距離モデル)A1(x,y)を特定するよう適合された物体距離モデル(物体分離−距離モデル)特定手段であって、A1が、物体距離を示し、(x,y)が、予め定められたまたは予め定められ得る視認方向における眼鏡レンズの視認スポットまたは視認点を示す、物体距離モデル特定手段と、
物体距離A1への処方の依存性を表すモデルを特定するよう適合された処方モデル特定手段と、
物体距離モデルA1(x,y)および得られた処方データ
および
に基づいて視認点(x,y)における処方を決定するよう適合された処方決定手段と、
視認点(x,y)において決定された処方を考慮して眼鏡レンズの少なくとも1つの表面を計算または最適化するよう適合された計算または最適化手段と、を備えている。
本発明の好ましい形態によれば、眼鏡レンズを計算または最適化するデバイスは、
少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関して眼鏡着用者の処方または屈折データ
および
を得るよう適合された処方データ取得手段であって、処方データが、少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関して、球面屈折力Sph、非点収差の大きさCyl、および非点収差軸Axisに関連するデータを備える、処方データ取得手段と、
物体距離モデル(物体分離−距離モデル)A1(x,y)を特定するよう適合された物体距離モデル(物体分離−距離モデル)特定手段であって、A1が、物体距離を示し、(x,y)が、予め定められたまたは予め定められ得る視認方向における眼鏡レンズの視認スポットまたは視認点を示す、物体距離モデル特定手段と、
処方のパワーベクトル
の、物体距離A1への依存性を表す関数PRef=f(A1)を特定するよう適合された処方モデル特定手段であって、ここで、
である、処方モデル特定手段と、
物体距離モデルA1(x,y)および得られた処方データ
および
に基づいて複数の視認点(x,y)における処方のパワーベクトルPRefの構成要素を決定するよう適合された処方決定手段と、
複数の視認点(x,y)における処方のパワーベクトルPRefの決定された構成要素を考慮して眼鏡レンズの少なくとも1つの表面を計算または最適化するよう適合された計算または最適化手段と、を備えている。
眼鏡レンズの第2の表面は、予め定められた、または予め定め得る表面であってもよく、例えば、単純な球面であってもよく、または、回転に対して対称的な非球面であってもよい。当然、決定された、視野角または視野方向に依存した処方を考慮して、眼鏡レンズの両方の表面を最適化することも可能である。
最適化または計算手段および処方決定手段は、適切に構成またはプログラムされたコンピュータ、専門化されたハードウェアおよび/またはコンピュータネットワークまたはコンピュータシステムなどによって実施され得る。同一のコンピュータまたは同一のコンピュータシステムが、複数の視認点(x,y)における処方の計算または決定、および、決定された処方を考慮した眼鏡レンズの計算または最適化の両方を実施するよう構成またはプログラムされていてもよい。当然、別個のコンピュータまたはコンピュータシステムにおいて眼鏡レンズの計算または最適化が実施されてもよい。
最適化または計算手段、処方決定手段、物体距離モデル特定手段、処方モデル特定手段、処方データ取得手段は、適切なインタフェースを介して、対応する記憶装置と通信可能となっていてもよく、特に、記憶装置に保存されたデータを読み出すことおよび/または変更することが可能となっていてもよい。処方データ取得手段は、ユーザーが対応するデータを入力および/または変更することを可能にする、好ましくは対話式のグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)をさらに備えることができる。すべての計算は、好ましくは、リアルタイムで実施される。
本発明のさらなる側面は、コンピュータプログラム製品、および、その中にコンピュータプログラムが保存された記憶媒体に関する。ここで、コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品は、コンピュータ上でロードされて実行されるときに眼鏡レンズを計算または最適化する方法を実施するよう適合されている。
本発明のさらなる側面は、眼鏡レンズを製造するための方法であって、
眼鏡レンズを計算または最適化するための方法の形態に従って眼鏡レンズを計算または最適化することと、
そのようにして計算または最適化された眼鏡レンズを製造することと、を備える方法に関する。
特に、眼鏡レンズの計算または最適化は、眼鏡レンズを計算または最適化するための方法の一例に従って計算または最適化された眼鏡レンズの表面データを提供することをさらに備えている。上述のように、眼鏡レンズの2つの表面のうちの1つ(例えば前面)は、予め定められた表面であってもよく、例えば、球面または回転に対して対称的な非球面であってもよい。その他の表面(例えば後面)は、視認方向または視野角に依存した処方を考慮して最適化または計算される。
本発明のさらなる側面によれば、眼鏡レンズを製造するための装置が提案され、当該装置は、
眼鏡レンズを計算または最適化するための方法の好ましい形態に従って眼鏡レンズを計算または最適化するよう適合された計算または最適化手段と、
眼鏡レンズを完成させるよう適合された処理手段と、を備えている。
特に、眼鏡レンズを製造するための装置は、眼鏡レンズを計算または最適化するための方法の一例に従って計算または最適化された眼鏡レンズの表面データを提供するよう適合された表面データ提供手段を備えている。
眼鏡レンズを完成させるための処理手段は、決定された最適化仕様に従ってブランクを直接的に機械加工するためのCNCマシンを備えることができる。若しくは、眼鏡レンズは、鋳造方法によって製造されてもよい。好ましくは、完成された眼鏡レンズは、単純な球面または回転に対して対称的な非球面と、本発明に従って計算された設計仕様および眼鏡着用者の個々のパラメータに基づいて最適化された(例えば非球面またはプログレッシブな)表面と、を有している。好ましくは、単純な球面または回転に対して対称的な非球面は、眼鏡レンズの前面(すなわち、物体側の表面)となっている。当然、計算された設計に基づいて最適化された表面を、眼鏡レンズの前面として配置することも可能である。
また、プログレッシブ眼鏡レンズを製造するための装置は、眼鏡着用者の個々のデータを得るための取得手段をさらに備えることもできる。取得手段は、特に、グラフィカルユーザーインタフェースを備えることができる。
本発明のさらなる側面によれば、眼鏡着用者の視野の欠損を補正するため、特定の眼鏡着用者の眼の正面における、眼鏡着用者の予め定められた眼鏡レンズの平均的な着用位置または個々の着用位置での、上述の製造方法に従って製造された眼鏡レンズの使用が提案される。
本発明の好ましい形態が、図を参照して例示的な方法で以下に説明される。
本発明の一形態に従って個々の眼鏡レンズを最適化するための例示的な方法のフローチャート。 従来通りに最適化された個々のプログレッシブ眼鏡レンズの一例。 本発明の好ましい一側面に従って最適化された個々のプログレッシブ眼鏡レンズの一例。 先行技術による比較例および本発明による一例における、距離の関数としての処方に応じた球面度数。 先行技術による比較例および本発明による一例における、距離の関数としての処方に応じた乱視度数。 先行技術による比較例および本発明による一例における、距離の関数としての処方に応じたシリンダー軸。 先行技術による比較例および本発明による一例における、距離の関数としての処方に応じた等価球面(屈折力)。 先行技術による比較例および本発明による一例における、屈折1から屈折2へのベクトル(J,J45)の遷移。 従来の方法によって最適化された比較例による眼鏡レンズにおける視力の等値線。 図9に示される眼鏡レンズの視覚範囲を示す図。 本発明による方法の一例によって最適化された眼鏡レンズにおける視力の等値線。 図11に示される眼鏡レンズの視覚範囲を示す図。
座標軸は、最適化されるべき(プログレッシブな)後面における上述の座標系となっている。図において、遠用部基準点Bおよび近用部基準点Bがそれぞれ円で描かれている。
図1は、本発明の一形態による個々のプログレッシブ眼鏡レンズを最適化するための方法の一例におけるフローチャートを示している。方法は、単焦点レンズにも同様に適用され得る。
送信された処方データ10(例えば、V(Sph,Cyl,A,Add)=(Sph,Cyl,Axis,Add))、および、任意に送信されるDIN(DIN58208)に従う物体距離または距離から、角膜頂点球における調節の振幅AkkのためのモデルAkk=f(A1)が、物体距離A1(物体分離−距離の逆数)の関数として決定される。これは、好ましくは、Akk=f(A1)=a+b*A1という線形モデルとなっている。
例えば、ECPは、物体距離A1=A1=0.00D(無限遠)における距離処方Sph=+1.00Dと、物体距離A1=A1=−2.50D(40cm)における加入度数Add=2.00Dと、を決定する。定義により、物体距離A1=0.00Dにおける遠方範囲の調節AkkもまたAkk=0.00Dである。物体距離A1=−2.50Dにおける近方範囲の調節Akkは、Akk=Add−A1=0.50Dである。Akk=f(A1)=a+b*A1を用いる線形モデルが特定または設定される場合、係数aおよびbが、単純な方法で決定され得る。この場合、a=0.00Dであり、b=−0.2である。
また、調節の振幅のための非線形なモデルが、物体距離の関数として特定または設定されてもよい。
次に、物体距離モデル(または物体距離関数)が特定され、ここでは、物体距離A1=f(x,y)が、視認点(x,y)の各々で決定される。ここで、座標
を有する遠用部基準点Bにおける物体距離
が、屈折距離
における物体距離Alに対応し、かつ、座標
を有する近用部基準点Bにおける物体距離
が、屈折距離
における物体距離Alに対応している、ということが特に好ましい。
通常、物体距離は、鉛直方向のy座標に強く依存しており、水平方向のx座標にはあまり強く依存しない。鉛直方向のy座標への物体距離の依存性は、例えば線形関数によって表され得る。この場合、係数は、基準点のための2つの示されている前提によって一意的に決定される。二重漸近線関数
などの非線形関数によってy座標への物体距離の依存性を特定することも可能である。ここで、2つの係数、通常は係数bおよびaは、基準点のための2つの示されている前提によって決定される。その他の係数には自由度があり、このため、眼鏡レンズの設計が変更され得る。
x座標への依存性に関して、同様に自由度がある。最も単純なケースにおいて、選択は、水平方向の部分(セクション)において物体距離が一定となるように、または例えば、レンズ中心からの距離が増加するにつれて物体距離が遠方範囲においては減少し近方範囲においては増加するように、なされ得る。
視認スポット(x,y)/視認点(x,y)の各々のため、非点収差誤差Astおよび屈折誤差Refのための目標値S(Ref,Ast)(目標値20)が定義される。
予め定められたまたは予め定められ得る視認点(x,y)の各々のため、次のステップにおいて、2次の画像形成特性SphBG,CylBG,AxisBGが、物体距離Al(x,y)を考慮して、適切な計算アルゴリズム、例えば波面トレーシング法によって計算される(ステップ30)。
調節の振幅のために定義される関数(例えば定義された調節モデル)により、調節Akk(A1(x,y))が、物体距離A1(x,y)の各々のために同様に計算され得る。各視認点(x,y)においてこのようにして計算された調節の値は、視認点(x,y)において計算された2次の画像形成特性に追加される(ステップ40)。
眼鏡レンズの2次の画像形成特性における、結果として生じる値(SphBG+Akk,AstBG,AxisBG)は、眼鏡レンズの値BG(Sph,Cyl,Axis)を表している。
次のステップにおいて、眼鏡レンズの値BG(Sph,Cyl,Axis)が、処方の値V(Sph,Cyl,Axis)と組み合わされ、そして、この組合せに基づいて、屈折誤差Refおよび非点収差誤差Astが計算される。
好ましくは、この目的のため、差異
が、ベクトルP(以下においてパワーベクトルとも称される)を用いて形成される。ここで、パワーベクトルPは以下のように定義される。
従って、以下の式が当てはまる。
パワーベクトルPを用いることにより、処方の値および眼鏡レンズの値をベクトル的に(例えばクロスシリンダー法によって)加算することが可能である。パワーベクトルPDifの構成要素
から、非点収差誤差Astおよび屈折誤差Refが以下のように計算され得る。
屈折誤差Refおよび非点収差誤差Astの計算は、全ての視認点(x,y)(全ての視認スポット(x,y))において繰り返される(ステップ60)。
次のステップにおいて(ステップ70)、目的関数Z(目標値−目標値)が計算される。ここでは、予め決定された屈折誤差Refおよび非点収差誤差Astの値と、屈折誤差Refおよび非点収差誤差Astの目標値と、が考慮される。この目的のため、全ての視認スポット/視認点に対して、対応する目標値S(Ref,Ast)からの、予め決定された屈折誤差Refの偏差および予め決定された非点収差誤差Astの偏差が計算される。
例示的な目的関数において、差異の二乗が、誤差二乗和に加算されてもよい。
ここで、K(Ref,Ast)は、眼鏡レンズの屈折誤差および非点収差誤差を表し、
S(Ref,Ast)は、屈折誤差および非点収差誤差の目標値を表し、
i,i=1...Nは、ith(i番目の)視認点を表している。
次のステップ(ステップ80)において、目的関数Zが評価される。誤差二乗和が所定の固定の閾値よりも下の場合、最適化が終了する(ステップ100)。さもなくば、眼鏡レンズの表面が、適切な最適化アルゴリズムを用いて変更され(ステップ90)、そして、トレーシングが再開される(言い換えれば、ステップ30から80が再び実施される)。
上述のように、1つの加入度数を決定することのみでは十分ではなく、近方範囲に関しても球面度数、乱視度数および軸線Sph,Cyl,Axisを完全に決定することが必要とされる場合がある。この理由は、調節の際、アイレンズの変形、眼球全体または調節の際の瞳孔径の変化であるかもしれない。本発明の一側面によれば、処方を固定値としては特定せず、最適化プロセスにおける物体距離A1の関数として特定することが提案される。
遠方範囲における処方が物体距離A1=A1=0.00Dにおいて
であり、近方範囲における処方が物体距離A1=A1=−2.50Dにおいて
である場合、2つのパワーベクトルPV1=PdistanceおよびPV2=Pnearがそれらから形成され得る。
異なる処方を考慮するため、パワーベクトルPRefのモデルが、物体距離A1の関数として形成(または定義または特定)されることができ、好ましくは線形モデルとなっている。
ここで、遠方範囲および近方範囲のための処方の係数ベクトルaおよびbは、容易に決定され得る。この場合、Pdistance=(1.50;0.47;0.17)*Dであり、Pnear=(3.25;0.25;0.00)*Dであり、a=Pdistanceであり、b=(−0.7;−0.1;−0.068)である。
加入度数は、別個にも計算され得る。この例において加入度数Addが2.00Dである場合、Pnear=(1.25;0.25;0.00)*Dである。
しかしながら、物体距離A1への処方またはパワーベクトルPRefの依存性を、非線形モデルによって表すことも可能である。一般に、PRef=f(A1)が当てはまる。
上記で説明された方法を用いて、処方が、任意の物体距離および視認方向において計算され得る。プログレッシブ眼鏡レンズが、視認方向に依存した処方を考慮して最適化される。
図2は、固定された処方値Sph,Ast,Axis,Addを考慮して最適化された個々のプログレッシブ眼鏡レンズの着用位置における非点収差の分布を示している。眼鏡レンズ製造業者に送られ、そして眼鏡レンズの最適化において考慮された屈折または処方データは、遠方範囲に関する球面度数Sph=0.0D,Cyl=0.0Dおよびシリンダー軸Axis=0°、および、加入度数Add=1.5Dである。このようにして計算された眼鏡レンズは、近用部基準点において、SphBG=+1.5D,CylBG=0.0DおよびAxisBG=0°という値を有している。
しかしながら、より正確な屈折能測定は、眼鏡着用者が、シリンダー軸
を有する0.25Dの近用部乱視度数
を必要とすることを示している。この、遠方範囲に関する屈折または処方値に加えて加入度数のみが考慮されるという、従来通りに最適化された眼鏡レンズにおいて、0.125Dの加入度数および0.25Dの補正シリンダーが、近方範囲において欠けている。
図3は、視認方向に依存した処方値を考慮する、図1に示される方法を用いて最適化された個々のプログレッシブ眼鏡レンズの着用位置における非点収差の分布を示している。眼鏡レンズの最適化において考慮された、遠方範囲に関する屈折または処方データは、図1に示される例における屈折または処方データに対応している。すなわち、遠方範囲(0.0Dの遠方範囲、すなわち無限遠における屈折能測定の物体距離A1)に関して、球面度数
であり、乱視度数
であり、シリンダー軸
である。また、処方された加入度数Addは1.5Dである。
さらに、屈折能測定によって決定された、シリンダー軸
を有する0.25Dの近用部乱視度数
が、眼鏡レンズの最適化において考慮された。このようにして最適化された眼鏡レンズは、近用部基準点において、SphBG=+1.5D,CylBG=+0.25D,ABG=90°という値を有している。これらの値は、屈折能測定によって決定される近方範囲のための値に対応している。十分な補正が、近用部分において、主視認線HBLに沿って達成される。この眼鏡レンズの加入度数は、図2に示される眼鏡レンズの加入度数よりも0.125D高い。
上記で説明されるように、(パワーベクトルによって表される)処方が、複数の視認点(x,y)において、遠方範囲および近方範囲に関して得られる処方値と、処方のために特定されるモデルとに基づいて、物体距離の関数として決定される。従って、処方は、視認方向の関数である。
図4乃至8は、先行技術による比較例および本発明による一形態における、処方の様々な構成要素(度数,乱視度数、軸線など)の、物体距離への依存性を示している。特に、図4乃至8は、遠方範囲と近方範囲との間での、以下のものの遷移を示している。
−処方に従う球面屈折力(図4)、
−処方に従う非点収差の大きさ(または乱視度数)(図5)、
−処方に従うシリンダー軸(図6)、
−等価球面(M)(図7)、および、
−シリンダー屈折力(J0,J45)(図8)。
比較例において、処方に従う非点収差の大きさおよびシリンダー軸は、別個に特定され、そして、例えばEP1660928/US7,249,850に記載されているように、下転(インフラダクション)の関数としてモデル化される。このようにして、非点収差/シリンダーの大きさおよびシリンダー軸の両方のための、遠方範囲から近方範囲への別個の遷移が、それぞれ下転または視野角の関数として存在している。処方値の球面度数(Sph)、乱視度数(Cyl)および軸線は、遠方範囲と近方範囲との間での最短接続に従い、このため、各図において直線によって描かれる(図4乃至6参照)。
しかしながら、加算および減算が、構成要素の球面度数(Sph)、乱視度数(Cyl)および軸線によっては実施されず、構成要素
および
を有するパワーベクトル
によって実施される。本発明の好ましい形態によれば、遠方範囲から近方範囲への遷移は、常に、2つの構成要素(J,J45)に基づいて広がる二次元ベクトル空間において、または特に好ましくは、パワーベクトル
の3つの構成要素(M,J,J45)に基づいて広がる三次元ベクトル空間において、最短接続に沿って生じる。
図8は、屈折1(第1物体距離Al、例えば遠方範囲における屈折)から屈折2(第2物体距離Al、例えば近方範囲における屈折)へのベクトル(JRef およびJRef 45)の遷移を示している。図8において、点P1およびP2はそれぞれ、以下の座標を有する点である。
P1=P1(JRef (A1),JRef 45(A1))
P2=P2(JRef (A1),JRef 45(A1))
本発明の好ましい形態によれば、遷移は、常に直線的なものとなっている。しかしながら、比較例において、遠方範囲から近方範囲への遷移は、直線的なものではなく、遠方範囲と近方範囲との間の最短接続に従わない。
遠方範囲から近方範囲を見る際に非点収差の大きさのみが変化し、一方でシリンダー軸が一定のままである場合、EP1660928/US7,249,850にから知られている(比較例の)方法および本発明の形態による方法は、同一の結果を提供する。しかしながら、非点収差のシリンダー軸の変化がさらに考慮される場合、2つのモデルの間には部分的に著しい差異が存在する。
EP1660928/US7,249,850による、および、本発明の形態による、物体関数または視認方向/視野角の関数としての処方の非点収差のためのモデルの間の最も大きな差異は、非点収差の大きさが一定のままでありかつシリンダー軸のみが変化する場合に生じる。このことは、以下の例によって示され得る。
遠方範囲および近方範囲に関して決定される処方値/屈折値は以下のとおりである。
遠用:乱視度数=2D,軸線=45°
近用:乱視度数=2D,軸線=135°
1.25Dの物体距離に関して、EP1660928/US7,249,850から知られているモデルによれば、乱視度数=2D,軸線=90°という処方の値が生じる。本発明の好ましい形態の方法によれば、1.25Dという物体距離に関して、乱視度数=0Dという値が生じる。
図9および図10は各々、遠方範囲に関する非点収差処方値を考慮する従来の方法によって最適化された、比較例による眼鏡レンズに関する視力の等値線および対応する視認ゾーンを示している。この場合、遠方範囲および近方範囲に関して決定される屈折値は、以下のとおりである。
遠用:球面度数=0.00D,乱視度数=3.50D,軸線=10°
近用:球面度数=1.25D,乱視度数=3.75D,軸線=16°
眼鏡レンズに関して対応して注文される値は、遠方範囲に関する非点収差を考慮するのみであり、従って、以下を読み込む。
遠用:球面度数=0.00D,乱視度数=3.50D,軸線=10°
加入度数=1.50D
遠方範囲に関する非点収差処方値を考慮する従来の方法によって最適化される眼鏡レンズの装用時屈折力は、以下のとおりである。
遠用:球面度数=0.00D,乱視度数=3.50D,軸線=10°
近用:球面度数=1.50D,乱視度数=3.50D,軸線=10°
図11および図12は各々、本発明の一形態による眼鏡レンズに関する視力の等値線および対応する視認ゾーンを示している。眼鏡レンズは、遠方範囲および近方範囲に関する非点収差処方値を考慮して最適化されている。この形態において、遠方範囲および近方範囲に関して決定される屈折値は、図9および図10に示される比較例におけるものと同一である。
遠用:球面度数=0.00D,乱視度数=3.50D,軸線=10°
近用:球面度数=1.25D,乱視度数=3.75D,軸線=16°
眼鏡レンズに関して対応して注文される値は、遠方範囲に関する非点収差、および、近方範囲に関する非点収差の両方を考慮しており、それらは、屈折能測定を用いて決定されたものである。
遠用:球面度数=0.00D,乱視度数=3.50D,軸線=10°
近用:球面度数=1.25D,乱視度数=3.75D,軸線=16°
遠方範囲および近方範囲に関する非点収差処方値を考慮する、本発明の好ましい方法によって最適化される眼鏡レンズの装用時屈折力は、以下のとおりである。
遠用:球面度数=0.00D,乱視度数=3.50D,軸線=10°
近用:球面度数=1.25D,乱視度数=3.75D,軸線=16°
図9および図10と図11および図12との比較は、本発明の形態による方法によって最適化された眼鏡レンズの、近用ゾーンにおける視力の明確な改善を示している。
Sph,Cyl,Axis,Add,Pr,B 処方データ(球面度数,乱視度数,軸線,加入度数,プリズム,ベース)
SphBG,CylBG,AxisBG 眼鏡レンズの(補正された)2次の画像形成特性
A1 物体距離
A1 遠方範囲における物体距離
A1 近方範囲における物体距離
Akk 調節
Akk 遠方範囲における調節
Akk 近方範囲における調節
(x,y) 予め定められたまたは予め定められ得る視認方向における視認スポットまたは視認点
Ref 屈折誤差
Ast 非点収差誤差
S(Ref,Ast) 非点収差誤差および屈折誤差に関する目標値
次に、物体距離モデル(または物体距離関数)が特定され、ここでは、物体距離A1=f(x,y)が、視認点(x,y)の各々で決定される。ここで、座標
を有する遠用部基準点Bにおける物体距離
が、屈折能測定
における物体距離Alに対応し、かつ、座標
を有する近用部基準点Bにおける物体距離
が、屈折能測定
における物体距離Alに対応している、ということが特に好ましい。

Claims (17)

  1. 眼鏡レンズを計算または最適化するためにコンピュータで実施される方法であって、
    少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関する眼鏡着用者の処方または屈折データ
    および
    を取得するステップであって、処方データが、少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1のための球面屈折力Sph、非点収差の大きさCyl、および非点収差軸Axisに関連するデータを備える、ステップと、
    物体距離モデルA1(x,y)を特定するステップであって、A1が、物体距離を示し、(x,y)が、予め定められたまたは予め定められ得る視認方向における眼鏡レンズの視認スポットまたは視認点を示す、ステップと、
    処方のパワーベクトル
    の、物体距離A1への依存性を表す関数PRef=f(Al)を特定するステップであって、ここで、
    である、ステップと、
    複数の視認点(x,y)における処方のパワーベクトルPRefの構成要素を、物体距離モデルA1(x,y)および得られた処方データ
    および
    に基づいて決定するステップと、
    複数の視認点(x,y)における処方のパワーベクトルPRefの決定された構成要素を考慮して、眼鏡レンズの少なくとも1つの表面を計算または最適化するステップと、を備える、方法。
  2. パワーベクトルPRefは、物体距離A1の下記の線形関数であり、
    aおよびbは、少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1に関して得られる処方データSph,Cyl,Axisの関数として計算される定数である、請求項1に記載の方法。
  3. パワーベクトルPRefは、物体距離A1の非線形関数である、請求項1に記載の方法。
  4. パワーベクトルPRefの2つの構成要素JRef およびJRef 45によって広がる二次元ベクトル空間において、座標(JRef (Al),JRef 45(Al))を有する第1の点(P1)から座標(JRef (Al),JRef 45(Al))を有する第2の点(P2)への遷移が、第1の点(P1)と第2の点(P2)との間の最短接続に沿って生じる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. パワーベクトルPRefの3つの構成要素MRef,JRef およびJRef 45によって広がる三次元ベクトル空間において、座標(MRef(A1),JRef (A1),JRef 45(A1))を有する第1の点(P1)から座標(MRef(A1),JRef (Al),JRef 45(Al))を有する第2の点(P2)への遷移が、第1の点(P1)と第2の点(P2)との間の最短接続に沿って生じる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 眼鏡レンズの少なくとも1つの表面の計算または最適化が、下記の目的関数の最小化を備えており、
    i,i=1...Nは、i番目の視認点(x,y)を表し、
    K(Ref,Ast)は、眼鏡レンズのi番目の視認点における屈折誤差Refおよび非点収差誤差Astを表し、
    S(Ref,Ast)は、眼鏡レンズのi番目の視認点における屈折誤差Refおよび非点収差誤差Astの目標値を表している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 物体距離A1の関数としての調節の振幅Akkのための調節モデルを特定するステップをさらに備え、
    屈折誤差および非点収差誤差が下記の式によって計算され、
    ここで、
    であり、
    SphBG,CylBG,AxisBGは、着用位置における眼鏡レンズの球面度数SphBG,非点収差AstBG,および非点収差軸AxisBGをそれぞれ表している、請求項6に記載の方法。
  8. 調節の振幅Akkが、物体距離A1の線形関数である、請求項7に記載の方法。
  9. 鉛直方向のy座標への物体距離A1(y)の依存性が、線形関数または二重漸近線関数(double asymptote function)によって表される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 水平方向の座標xへの物体距離A1(x)の依存性が、レンズ中心または主線からの距離の線形関数または二次関数によって表わされる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 最適化される眼鏡レンズが、プログレッシブ眼鏡レンズである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 眼鏡レンズを計算または最適化するデバイスであって、
    少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1(A1≠A1)に関して眼鏡着用者の処方または屈折データ
    および
    を得るよう適合された処方データ取得手段であって、処方データが、少なくとも2つの異なる物体距離A1およびA1に関して、球面屈折力Sph、非点収差の大きさCyl、および非点収差軸Axisに関連するデータを備える、処方データ取得手段と、
    物体距離モデルA1(x,y)を特定するよう適合された物体距離モデル特定手段であって、A1が、物体距離を示し、(x,y)が、予め定められたまたは予め定められ得る視認方向における眼鏡レンズの視認スポットまたは視認点を示す、物体距離モデル特定手段と、
    処方のパワーベクトル
    の、物体距離A1への依存性を表す関数PRef=f(A1)を特定するよう適合された処方モデル特定手段であって、
    である、処方モデル特定手段と、
    物体距離モデルA1(x,y)および得られた処方データ
    および
    に基づいて複数の視認点(x,y)における処方のパワーベクトルPRefの構成要素を決定するよう適合された処方決定手段と、
    複数の視認点(x,y)における処方のパワーベクトルPRefの決定された構成要素を考慮して眼鏡レンズの少なくとも1つの表面を計算または最適化するよう適合された計算または最適化手段と、を備える、デバイス。
  13. コンピュータ上でロードされて実行されるときに、眼鏡レンズを計算または最適化するための請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法を実施するよう適合されている、コンピュータプログラム製品。
  14. コンピュータプログラムが保存された記憶媒体であって、
    コンピュータプログラムは、コンピュータ上でロードされて実行されるときに、眼鏡レンズを計算または最適化するための請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法を実施するよう適合されている、記憶媒体。
  15. 眼鏡レンズを製造するための方法であって、
    眼鏡レンズを計算または最適化するための請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法によって眼鏡レンズを計算または最適化することと、
    計算または最適化された眼鏡レンズを製造することと、を備えた、方法。
  16. 眼鏡レンズを製造するための装置であって、
    眼鏡レンズを計算または最適化するための請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法によって眼鏡レンズを計算または最適化するよう適合された計算または最適化手段と、
    眼鏡レンズを完成させるよう適合された処理手段と、を備える、装置。
  17. 眼鏡着用者の視野の欠損を補正するため、特定の眼鏡着用者の眼の正面における、眼鏡着用者の予め定められた眼鏡レンズの平均的な着用位置または個々の着用位置での、請求項15に記載の製造方法に従って製造された眼鏡レンズの使用。
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