JP6920287B2 - 眼科用レンズの3次元性能を判定する方法と、これに関連する眼科用レンズの計算方法 - Google Patents

眼科用レンズの3次元性能を判定する方法と、これに関連する眼科用レンズの計算方法 Download PDF

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Description

本発明は一般に、視野改善に関し、より具体的には、眼科用レンズの3次元性能を判定する方法に関する。それはまた、眼科用レンズの計算方法にも関する。ある実施形態によれば、本発明は、眼科用累進付加レンズに関する。
眼科用レンズは、眼の正面で装用される矯正用レンズ又は非矯正用レンズである。矯正用レンズは主として、近視、遠視、乱視、及び老眼の治療に使用される。本発明によれば、眼科用レンズは「グラス」又は「眼鏡」と呼ばれ、顔のすぐ近くの、眼の正面において装用される。
眼科用累進付加レンズ(ophthalmic progressive addition lens)は、老眼及びその他の調節力障害の矯正に適した、よく知られたレンズであり、あらゆる距離又は少なくとも複数の距離において快適な視野を提供する。従来、眼鏡レンズは、要請を受けて、個々の装用者に固有の仕様に従って製造される。このような仕様とは一般に、眼科医又はアイケア専門医により作成された医学的処方を含む。老眼の装用者の場合、屈折力矯正の値は遠方視と近方視とで異なり、これは、近方視における調節が困難であることによる。それゆえ、処方は遠方視の度数と、遠方視と近方視との間の屈折力増大を表す加入屈折力を含む。加入屈折力は、処方加入屈折力ADDとして示される。
例えば眼科用累進付加レンズ等の眼科用レンズの性能は現在、ある装用者について、複数の視線方向で評価される。前記性能は、前記装用者のための、例えば眼科用累進付加レンズ等の眼科用レンズを選択するため、及び/又は、最適化計算方法により前記性能を考慮に入れた、例えば眼科用累進付加レンズ等の眼科用レンズを計算するために使用できる。
発明者らは、ある装用者のための眼科用レンズ、例えばある老眼の装用者のための眼科用累進付加レンズの性能を表現するための新しい手法を提供する必要性が依然としてあり、前記性能の使用がその装用者の視覚的快適さを向上させるのに適しているとの認識を持った。
それゆえ、発明が解決しようとする課題は、例えば眼科用累進付加レンズ等の眼科用レンズの性能を表現するための新しい手法を提供することによって装用者の視覚的快適さを向上させることである。
この目的のために、本発明の主旨は、ある処方及びある装用条件を有するある装用者のための、ある輪郭により画定される、例えば眼科用累進付加レンズ(ophthalmic progressive addition lens)等の眼科用レンズの3次元性能を判定するための、コンピュータ手段により実行される方法であり、前記3次元性能は複数の近接度における複数の視線方向(α,β)について判定され、方法は、
i.少なくとも1つの局所光学的評価基準を提供するステップと、
ii.ステップiの局所光学的評価基準の各局所光学的評価基準について、近接度の関数としての前記局所光学的評価基準の閾値を付与する閾値関数を提供するステップと、
iii.ステップiの局所光学的評価基準の各局所光学的評価基準について、前記局所光学的評価基準と、前記局所光学的評価基準について提供されたステップiiの閾値との間の条件を提供するステップと、
iv.ステップiの局所光学的評価基準とステップiiの閾値との間のステップiiiの条件が満たされるドメインを計算するステップと、
v.ステップivで計算されたドメインに従って眼科用累進付加レンズの3次元性能を判定するステップと、
を含む。
発明者らは、このような3次元性能が、例えばある老眼の装用者のための眼科用累進付加レンズ等の、ある装用者のための眼科用レンズの性能をよりよく表現するのに適していることを実証した。さらに、前記3次元性能が、有利なことに、ある装用者のための眼科用レンズを計算するために使用でき、その結果として得られたレンズが前記装用者にとって改善された視覚的快適さを提供できることも実証した。
本発明の枠組内で、局所光学的評価基準とは、3次元物体又は像空間の各点について定義できる光学的評価基準である。
本発明の枠組内で、ドメインとは、ステップivの特徴が満たされる視線方向と近接度に対応する点を含めた3次元ドメインである。あるドメインは、例えば(x,y,z)空間参照系によって、又は(α,β,ProxO)空間参照系によって、又は(α,β,ProxI)空間参照系によって定義でき、αは下降角(度)であり、βは方位角(度)であり、ProxOは物体近接度であり、ProxIは像近接度である。
本発明の方法により、例えば複数の視線方向と複数の視距離による、3Dでの眼科用レンズの性能を特徴付けることのできる3次元性能が提供される。このような3次元性能は、複数の視線方向によるが、各視線方向について1つの視距離のみによって評価される現在の眼科用レンズ性能とは異なる。
本発明の3次元性能を判定する方法の、組み合わせることのできる各種の実施形態によれば:
・ 近接度は物体近接度ProxOであり、他の実施形態によれば、近接度は像近接度ProxIである。
・ ステップiの局所光学的評価基準は、平均屈折力誤差、残留度数誤差、結果として得られる非点収差、視力低下、相対視力、プリズムによる光のフレ、眼球偏位、局所倍率、高次収差(HOA)、これらの評価基準の変形及び/又は組合せからなる群の中から選択され、ある実施形態によれば、ステップiの局所光学的評価基準は視力低下である。
・ ステップiの局所光学的評価基準とステップiiの閾値との間の条件は、前記局所光学的評価基準と前記閾値とが等しくないことである。
・ 眼科用レンズの3次元性能を判定するステップvは、ステップivのドメインの内部体積を計算することである。
・ ステップivの計算は装用者の両眼視で行われ、他の実施形態によれば、ステップivの計算は装用者の単眼視で行われる。
・ 方法は、データを計算して、端末に表示し、ステップvの3次元性能のグラフ表現を提供する別のステップを含む。
・ ステップiiの閾値関数は、固視点位置、視線方向、視覚的作業、照明状態、年齢、性別、被験者の視力からなるパラメータ群の中から選択される1つ又は複数のパラメータの関数である。
・ 眼鏡レンズは眼科用累進付加レンズである。
他の態様において、本発明はまた、プロセッサにとってアクセス可能であり、そのプロセッサにより実行されると、そのプロセッサに3次元性能を判定する上述の方法のステップを実行させる1つ又は複数の保存された命令シーケンスを含むコンピュータプログラム製品も提供する。本発明はまた、前記コンピュータプログラム製品の1つ又は複数の命令シーケンスを担持するコンピュータ読取可能媒体も提供する。
また別の態様において、本発明はまた、ある処方とある装用条件を有する装用者のための、ある輪郭により画定される、例えば眼科用累進付加レンズ等の眼科用レンズの、コンピュータ手段により実行される計算方法も提供し、前記方法は、3次元性能ドメインの関数として定義される3次元性能標的ドメインを提供し、前記3次元性能標的を使ってその装用者のための眼科用レンズを計算するステップを含む。ある実施形態によれば、ドメインは、3次元性能を判定する上述の方法のステップi〜ivによって判定される。
さらに別の態様において、本発明はまた、ある処方とある装用条件を有する装用者のための、ある輪郭により画定される眼科用レンズの、コンピュータ手段により実行される計算方法も提供し、前記方法は、3次元性能の関数として定義される3次元性能標的を提供し、その3次元性能は前記装用者に関する測定された性能であり、前記3次元性能標的を使用してその装用者のための眼科用レンズを計算するステップを含む。
本発明の眼科用レンズを計算する方法の、組み合わせることのできる各種の実施形態によれば:
・ 3次元性能標的は3次元性能と等しい。
・ 眼科用レンズの計算方法は、複数の標的を取り入れる最適化ステップを含み、前記標的は少なくとも装用者の処方と3次元性能標的を含む。
・ ステップiの局所光学的評価基準は装用者の視力低下であり、複数の視線方向と複数の近接度について平均屈折力PPO、結果的として得られる非点収差モジュールASRを計算することにより、視力低下モデルにより前記視力低下が計算される。
また他の態様において、本発明はまた、プロセッサにとってアクセス可能であり、そのプロセッサにより実行されると、そのプロセッサに眼科用レンズを計算する上述の方法のステップを実行させる1つ又は複数の保存された命令シーケンスを含むコンピュータプログラム製品も提供する。本発明はまた、前記コンピュータプログラム製品の1つ又は複数の命令シーケンスを担持するコンピュータ読取可能媒体も提供する。
明確な別段の記載がなされていないかぎり、以下の説明から明らかなように、明細書全体を通じて、「演算する」、「計算する」、「生成する」、又はその他の用語を用いた説明は、コンピュータ若しくは演算システム又は同様の電子演算装置の、演算システムのレジスタ及び/又はメモリ内の電子的等の物理的数量で表現されるデータを操作し、及び/又は演算システムのメモリ、レジスタ、又はその他の情報保存、転送、若しくは表示装置内で物理的数量として同様に表現されるその他のデータに変換する動作及び/又はプロセスを意味することがわかる。
本発明の実施形態は、本明細書の中の動作を実行するための装置を含んでいてもよい。この装置は、特に所望の目的のために構成されていてもよく、又はコンピュータ内に保存されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティベートされ、又は再構成される汎用コンピュータ若しくはデジタルシグナルプロセレッサ(DSP)を含んでいてもよい。このようなコンピュータプログラムはコンピュータ読取可能記憶媒体に記憶されていてもよく、これは例えば、フロッピディスク、光ディスク、CD−ROM、磁気光ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード等のあらゆる種類のディスク、又は電子的命令を保存するのに適し、コンピュータシステムバスに連結できるその他のあらゆる種類の媒体であるが、これらに限定されない。
本明細書に記されているプロセスとディスプレイは、本来的に何れの特定のコンピュータ又はその他の装置にも関係しない。各種の汎用システムを本明細書中の教示によるプログラムと共に使用してよく、又は所望の方法を実行するためにより専門化された装置を構成することが好都合であると判明するかもしれない。様々なこれらのシステムのための所望の構造は、以下の説明から明らかとなるであろう。それに加えて、本発明の実施形態は、何れの特定のプログラミング言語に関しても説明されていない。本明細書で説明されている発明の教示を実行するために、様々なプログラミング言語が使用されてもよいことがわかるであろう。
本発明の特徴と本発明自体は、その構造とその動作の両方について、付属の説明と併せて下記のような付属の非限定的な図面と例を見ることにより最もよく理解されるであろう。
単眼視を考えた時の、眼とレンズの光学系と眼の回旋点からのレイトレーシングを図式的に示す。 単眼視を考えた時の、眼とレンズの光学系と眼の回旋点からのレイトレーシングを図式的に示す。 眼科用累積付加レンズの視野領域を示す。 処方加入屈折力の関数としての客観的調節力の変化モデルを示す。 近接度の関数としての視力低下の閾値関数の変化モデルを示す。 本発明により眼科用累積付加レンズの3次元性能を判定するために使用可能なレイトレーシングの例を図式的に示す。 眼科用累積付加レンズの光学特性を示す。 眼科用累積付加レンズの光学特性を示す。 図7及び8の眼科用累積付加レンズの3次元特徴を示しており、前記特徴は本発明により判定される3次元性能を含む。 図7及び8の眼科用累積付加レンズの3次元特徴を示しており、前記特徴は本発明により判定される3次元性能を含む。 図7及び8の眼科用累積付加レンズの3次元特徴を示しており、前記特徴は本発明により判定される3次元性能を含む。 本発明の眼科用累進付加レンズの計算方法により得られる眼科用累進付加レンズの光学特性を示す。 本発明の眼科用累進付加レンズの計算方法により得られる眼科用累進付加レンズの光学特性を示す。 図12及び13の眼科用累進付加レンズの3次元特徴を示す。 図12及び13の眼科用累進付加レンズの3次元特徴を示す。 図12及び13の眼科用累進付加レンズの3次元特徴を示す。
当業者であれば、図中の要素は簡素で明瞭になるように描かれており、必ずしも正確な縮尺によっているわけではないことがわかる。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態をよりよく理解できるようにするために、他の要素に関して誇張されているかもしれない。
図中、以下の参照記号は次のものに対応する:
・ MERは経線である。
・ NVGDは近方視視線方向である。
・ FVGDは遠方視視線方向である。
・ FCGDはフィッティングポイント視線方向である。
以下の定義は、本発明の枠組内で使用される用語を定義するために提供される。
定義
以下の定義は、本発明の枠組内で使用される用語を定義するために提供される。
「装用者の処方」という用語は、「処方データ」とも呼ばれ、当業界で知られている。処方データとは、装用者について取得された少なくとも一方の眼、好ましくは各眼に関する、その装用者の各眼の屈折異常を矯正するのに適した処方球面度数SPH、及び/又は処方乱視度数CYL、及び処方軸度AXISと、適当であれば、その眼の各々の老眼を矯正するのに適した処方加入度数ADDを示す1つ又は複数のデータを指す。
「眼科用レンズ」という用語は、装用者の顔で支持されることが意図されるあらゆる種類の既知のレンズを意味すると理解するものとする。この用語は、非矯正用レンズ、累進付加レンズ等の矯正レンズ、単焦点、職業用、又は多焦点レンズを指すことができる。この用語はまた、例えば色、フォトクロミズム、偏光フィルタ、エレクトロクロミズム、反射防止特性、傷防止特性等、少なくとも1つの付加価値を提供できる前記眼科用レンズを指すことができる。レンズはまた、情報グラス用のレンズであってもよく、この場合、レンズは眼の正面に情報を表示するための手段を含む。
本発明の眼科用レンズは対として、レンズペア(左眼LE、右眼RE)を形成してもよい。
「累進眼科用付加レンズ(ophthalmic progressive addition lens)」は当業界で知られている。これらは、老眼の装用者にとって、すべての距離で快適な視野を提供する。
「視線方向」は2つの角度(α,β)により特定され、前記角度は一般に「CRE」と呼ばれる眼の回旋点を中心とする参照軸に関して測定される。より正確には、図1は、視線方向を定義するために使用されるパラメータα及びβを説明するこのような系の斜視図を示している。図2は、装用者の頭部の前後軸に平行で、パラメータβが0と等しいときに眼の回旋点を通る垂直面内の図である。眼の回旋点はCREと表示されている。図2において一点鎖線で示される軸CRE−F’は、眼の回旋点を通り、装用者の正面へと延びる水平軸であり、すなわち、軸CRE−F’は主視線方向に対応する。レンズは、軸CRE−F’がレンズの前面を、一般的にレンズ上にあり、眼鏡士がフレームにレンズを位置決めできるようにするためのフィッティングポイントと呼ばれる点において切断するように眼の正面に置かれ、中心が合わされる。レンズの後面と軸CRE−F’の交点は点Oである。眼の回旋点CREを中心とする半径q’=O−CREの頂点球は、レンズの後面と水平軸のある点で交差する。25.5mmの半径q’の値は通常の値に対応し、レンズ装用時に満足できる結果を提供する。半径q’のその他の値が選択されてもよい。図1の実線で示されるある視線方向は、CREの周囲の回転における眼の位置と、頂点球の点J(図2参照)に対応し、角度βは軸CRE−F’と、軸CRE−F’を含む水平面上に直線CRE−Jを投射したものとの間に形成される角度であり、この角度は図1の略図に示されている。角度αは、軸CRE−Jと、軸CRE−F’を含む水平面上に直線CRE−Jを投射したものとの間に形成される角度であり、この角度は図1及び2の略図に示されている。それゆえ、ある視線での視野は頂点球の点Jに、又は2つの数値(α,β)に対応する。下降視線角度の値がプラス方向に大きいほど視線は下がり、値がマイナス方向に大きいほど視線は上がる。ある視線方向において、物体空間内の、ある物体距離にある点Mの像は、最小及び最大距離JS及びJTに対応する2点S及びT間に形成され、これらは矢状及び接線方向の局所焦点距離となるであろう。物体空間内の無限遠のある点の像は、点F’に形成される。距離Dは、レンズの後方前額面(the reat frontal plane)に対応する。Iは、光線が物体空間内の点Mの像までの経路上でレンズの前面(眼と反対)と交差する点である。物体空間内の異なる物体距離にある点M’及びM’’の別の像を考えることもできる。
各視線方向(α,β)について、平均屈折力PPO(α,β)、非点収差のモジュールAST(α,β)、及びこの非点収差の軸AXE(α,β)、並びに結果として得られる(残留又は不要とも呼ばれる)非点収差のモジュールASR(α,β)が定義される。
「非点収差」とは、レンズにより生成される非点収差、又は処方非点収差(装用者非点収差)とレンズにより生成される非点収差との間の差に対応する残留非点収差(結果としての非点収差)を指し、何れの場合も振幅又は振幅と軸の両方に関する。
「エルゴラマ」は、各視線方向に物体点の通常の距離を関連付ける関数である。典型的に、主視線方向に沿った遠方視において、物体点は無限遠にある。近方視において、基本的に鼻側に向かって絶対値で35°程度の角度α及び5°程度の角度βに対応する近方視では、物体距離は30〜50cm程度である。エルゴラマの定義と考えられるものに関して、より詳しくは、米国特許第6,318,859号を考慮してもよい。この文献には、エルゴラマ、その定義、及びそのモデル化方法が記載されている。本発明の方法に関して、点は無限遠にあっても、そうでなくてもよい。エルゴラマは、装用者の屈折異常の関数であってもよい。これらの要素を使用して、各視線方向への装用者の光学度数と非点収差を定義することが可能である。エルゴラマにより与えられる物体距離のある物体点Mは、ある視線方向(α,β)について考慮される。物体近接度ProxOは、物体空間内の対応する光線上の点Mについて、点Mと頂点球の点Jとの間の距離MJの逆数と定義される:
ProxO=1/MJ
これによって、頂点球のすべての点に関して、薄レンズ近似内の物体近接度を計算でき、これはエルゴラマの決定に使用される。実際のレンズの場合、物体近接度は、対応する光線上の、物体点とレンズ前面との間の距離の逆数と考えることができる。
同じ視線方向(α,β)について、ある物体近接度を有する点Mの像は、それぞれ最小及び最大焦点距離(これらは矢状及び接線方向の焦点距離となるであろう)に対応する2点S及びT間に形成される。量ProxIは点Mの像近接度と呼ばれる:
Figure 0006920287
したがって、薄レンズの場合の類推により、ある視線方向とある物体近接度について、すなわち対応する光線上の物体空間のある点について、光学度数PPOを像近接度と物体近接度の和として定義することができる。
PPO=ProxO+ProxI
光学度数は屈折力とも呼ばれる。
同じ表記法により、非点収差ASTは各視線方向について、及びある物体近接度について、
Figure 0006920287
と定義される。この定義は、レンズにより作られる光線ビームの非点収差に対応する。結果として得られる非点収差ASRは、レンズを通した各視線方向について、この視線方向での実際の非点収差の値ASTと同じレンズのために処方された非点収差との間の差として定義される。残留非点収差(結果として得られる非点収差)ASRは、より正確には、実際のデータ(AST、AXE)と処方データ(CYL、AXIS)との間のベクトル差のモジュールに対応する。
レンズの特性が光学的な種類である場合、これは上述のエルゴラマ−眼−レンズ系に関する。簡素化するために、説明文では「レンズ」という用語が使用されるが、これは「エルゴラマ−眼−レンズ系」と理解しなければならない。光学的数値は、視線方向について表現できる。エルゴラマ−眼−レンズ系の判定に適した条件は、本発明の枠組内では「装用時条件」と呼ばれる。
以下の説明文において、「上」、「下」、「水平」、「垂直」、「上方」、「下方」、又は相対位置を示すその他の単語が使用されるかもしれない。これらの用語は、レンズの装用状態で理解されるものとする。特に、レンズの「上側」部分は、マイナスの下降角度α<0°に対応し、レンズの「下側」部分は、プラスの下降角度α>0°に対応する。
「遠方視視線方向」はFVGDと呼ばれ、あるレンズについて、遠方視(遠見)基準点に対応する視野視線方向、それゆえ(αFV、βFV)として定義され、平均屈折力は遠方視の平均処方度数と実質的に等しく、平均処方度数はSPH+(CYL/2)と等しい。本開示内で、遠方視は遠見とも呼ばれる。
「近方視視線方向」はNVGDと呼ばれ、あるレンズについて、近方視(読書)基準点に対応する視野視線方向、それゆえ(αNV、βNV)として定義され、光学度数は遠方視の処方度数プラス処方加入度数ADDと実質的に等しい。
「フィッティングポイント視線方向」はFCGDと呼ばれ、あるレンズについて、フィッティングポイント基準点に対応する視野視線方向、それゆえ(αFC、βFC)と定義される。
累進レンズの「経線」はML(α,β)と呼ばれ、レンズの上から下に定義され、通常は、人が物体点を明瞭に見ることのできるフィッティングポイントを通過する線である。前記経線は、結果として得られる非点収差のモジュールASRを(α,β)ドメインにわたって再区分することに基づいて定義され、結果として得られる非点収差の値の2つの中央等高線の中心に対応し、その値は0.25ディオプトリと等しい。
「眼科用レンズの3次元性能」とは、前記レンズの、局所光学的評価基準に従って表現される空間3次元パラメータを定量化する特徴を意味し、例えばこのような3次元性能は体積である。
「局所光学的評価基準」とは、空間の各点について定義でき、3次元物体空間内又は3次元像空間内で表現できる光学的評価基準である。ある実施形態によれば、光学的評価基準は(x,y,z)座標系において定義される。他の実施形態によれば、光学的評価基準は(α,β,ProxO)座標系内又は(α,β,ProxI)座標系内で定義される。局所評価基準は、中央視野内又は周辺視野内で定義できる。局所評価基準を周辺視野で定義する場合、眼の瞳孔の中心がレイトレーシングのための原点として定義される。
「平均屈折力エラー」はPE_Pと呼ばれ、次式による、物体空間内のある点(α,β,ProxO)におけるレンズによりもたらされる実際の加入屈折力と近接度との間の屈平均屈折力の差として定義される:
PE_P(α,β,ProxO)=PPO(α,β,ProxO)−PPO(FV)−ProxO
式中、PPO(FV)は、無限遠にある物体に関する、遠方視視線方向に対応するレンズの平均屈折力である。
「残留度数エラー」はRPE_Pと呼ばれ、物体空間(α,β,ProxO)のある点における平均屈折力エラーと装用者の客観的調節力から得られる平均屈折力として定義され、残留度数エラー計算の実施形態の例については後述する。
「相対視力」はAC%_Pと呼ばれ、物体空間(α,β,ProxO)のある点における、視力モデルによる平均屈折力エラーPE_P及び結果として得られる非点収非点収差ASRの関数の結果と定義され、相対視力計算の実施形態の例については後述する。
「視力低下」はACU_Pと呼ばれ、次式による、物体空間(α,β,ProxO)のある点における相対視力の関数として定義される:
ACU_P(α,β,ProxO)=−log(AC%_P(α,β,ProxO)/100)
式中、「log」は底10の対数である。
「プリズムによる光のフレ」は、物体空間内で、レンズのプリズムの数量により導入される入射瞳の中心から発せられる光線の角度偏差により定義され、前記定義を説明する図とそれに対応する説明文は、特許文献、国際公開第2010/043704 A1号パンフレットにあり、これを参照によって本願に援用する。
「眼球偏位」とは、レンズを加えることによって、眼が同じ物体に焦点のあったままにするために眼球が回旋する事実を説明する。角度は度数で測定でき、前記定義を例示する図とそれに対応する解説は、特許文献、国際公開第2010/043704 A1号パンフレットにあり、これを参照によって本願に援用する。
「局所倍率」とは、レンズを用いずに見える、ある(α,β,ProxO)点の周囲でセンタリングされる物体の見掛けの角度の大きさ(又は立体角)と、レンズを通じて見える前記物体の見掛けの角度の大きさ(又は立体角)との比として定義される。
「高次収差(HOA)」は、当業者の間でよく知られた収差であり、例えばゼルニケ近似多項式による波面解析の枠組内で表現される3次以上の収差に対応する。このような解析は例えば、米国光学会(OSA:Optical Society of America)により眼球波面収差を説明するために推奨されているが、その他の多項式、例えばテイラー級数やスプラインも、波面を数学的に説明するために使用できる。(α,β,ProxO)点における局所光学的評価基準は、相応に計算できる。
図3は、眼科用累進付加レンズ30の視野領域を示し、前記レンズはレンズの上側部分にある遠方視(遠見)領域32と、レンズの下側部分にある近方視領域36と、遠方視領域32と近方視領域36との間にある中間領域34と、を含む。経線は38で示される。
第一の実施例
ある処方及びある装用条件を有するある装用者のための、ある輪郭により画定される眼科用累進付加レンズの3次元性能を判定するための、コンピュータ手段により実行される方法の実施形態に関する第一の実施例を挙げるが、この方法は、
i.1つの局所光学的評価基準を提供するステップと、
ii.ステップiの局所光学的評価基準について、前記局所光学的評価基準の複数の閾値を与える閾値関数を提供するステップと、
iii.ステップiの局所光学的評価基準について、前記局所光学的評価基準と、前記局所光学的評価基準について提供されたステップiiの閾値との間の条件を提供するステップと、
iv.ステップiの局所光学的評価基準とステップiiの閾値との間のステップiiiの条件が満たされるドメインを計算するステップと、
v.ステップivで計算されたドメインに従って眼科用累進付加レンズの3次元性能を判定するステップと、
を含む。
前記実施例において、
・ ステップiの局所光学的評価基準は視力低下である。
・ ステップiの局所光学的評価基準とステップiiの閾値との間の条件は、視力低下と閾値とが等しくないことである。
・ 眼科用累進付加レンズの3次元性能を判定するステップvは、ステップivのドメインの内部体積を計算することである。
・ ステップivの計算は、装用者の単眼視で行われる。
・ ステップiiの閾値関数は、被検者の視力の関数である。
・ 前記方法は、データを計算し、端末に表示して、ステップvの3次元性能のグラフ表現を提供する別のステップを含んでいてもよい。
前記実施例において、図4に示される処方加入度数の関数として主観的調節力の変化モデルと、図5に示される近接度の関数としての視力低下の閾値関数の変化モデルが使用される。
前述の定義により、装用者のある処方及び所ある装用条件について、物体空間内のある点(α,β,ProxO)で、以下の特徴が判定される:
・ 視線方向(α,β)及び近接度ProxOに関する平均屈折力であるPPO(α,β,ProxO)
・ ある視線方向(α,β)及び近接度ProxOに関する残留非点収差であるASR(α,β,ProxO)
・ ある近接度ProxOにおけるある視線方向(α,β)に関する平均屈折力エラーであり、次式、PE_P(α,β,ProxO)=PPO(α,β,ProxO)−PPO(FV)−ProxOにより判定される平均屈折力エラーであるPE_P(α,β,ProxO)
・ 装用者の客観的調節力であり、図4のモデルによる、曲線40で示されるようなその処方加入度数ADDの関数の結果として判定されるOA_P(ADD)。客観的調節力OA_P(ADD)は、装用者の調節能力を表し、前記能力は装用者の年齢及び/又は装用者の処方加入度数の関数である(装用者の年齢と装用者の処方加入度数は創刊していると考えることのできる2つの特徴であり、装用者の処方加入度数は装用者の年齢に応じて増大)。この例において、客観的調節力は次式により計算される:
・ ADD≦2Dの場合、OA_P(ADD)=min(3,a0−a1.ADD+a2.ADD
・ ADD>2Dの場合、OA_P(ADD)=0
・ ただし、a0=3.9D;a1=3.8;a2=0.9D−1
・ ある近接度ProxOにおける視線方向(α,β)に関する残留度数エラーであり、次式により判定されるRPE_P(α,β,ProxO):
〇 PE_P(α,β,ProxO)<0の場合、RPE_P(α,β,ProxO)=max((−PE_P(α,β,ProxO)−OA_P(ADD)),0)
〇 PE_P(α,β,ProxO)≧0の場合、RPE_P(α,β,ProxO)=PE_P(α,β,ProxO)
〇 前記残留度数エラーは、装用者の調節能力を考慮するように定義され、実際には、PE_P(α,β,ProxO)<0の場合、装用者は残留度数エラーを補償するように調節できるが、その主観的調節力に限定され、PE_P(α,β,ProxO)≧0の場合、装用者は残留度数エラーを補償するように調節できない。
・ ある近接度ProxOにおけるある視線方向(α,β)に関する残留非点収差エラーであり、装用者がレンズの残留非点収差を補償できないために同じ視線方向(α,β)のすべての近接度についてASR(α,β,ProxO)と等しいRAE_P(α,β,ProxO)
・ ある近接度ProxOにおけるある視線方向(α,β)に関する相対視力であり、次式により判定されるAC%_P(α,β,ProxO):
AC%_P(α,β,ProxO)=100−63×RPE_P(α,β,ProxO)−44.3×RAE_P(α,β,ProxO)+7.2×RPE_P(α,β,ProxO)+19.5×RPE_P(α,β,ProxO).RAE_P(α,β,ProxO)+RAE_P(α,β,ProxO)
・ ある近接度ProxOにおけるある視線方向(α,β)に関する視力低下であり、装用者の最大視力が10/10等しいと考えたとき、次式、ACU_P(α,β,ProxO)=−log(AC%_P(α,β,ProxO)/100)により判定されるACU_P(α,β,ProxO)=−Log(AC%_P/100)であり、ACU_P(α,β,ProxO)はlogMARで表現される。
眼科用累進屈折力の3次元性能は、複数の近接度ProxOにおける複数の視線方向(α、β)に関する視力低下を、この複数の近接度ProxOの関数としての複数の閾値を提供する閾値関数を鑑み、考慮することによって判定される。方法のステップivのドメインは、視力低下が閾値関数の閾値と等しいかそれ以下の場合の(α,β,ProxO)点を含む3次元ドメインであり、眼科用累進付加レンズの3次元性能は前記ドメインの内部体積である。
結果として得られる閾値関数の曲線50が図5に示され、視力低下閾値を近接度の関数として定義する:ProxO≦1.5の場合、視力低下閾値は0.2と等しく、ProxO>2の場合、視力低下閾値は0.1と等しく、それらの間の近接度において、視力低下閾値は、前記2つの視力低下閾値を結ぶ直線傾斜の補間によって判定される。
さらに、3次元性能を判定するために考慮されるすべての視線方向(α,β)は、ある輪郭により限定される表面と交差しなければならない。ある実施形態によれば、輪郭は、フレームのない眼科用レンズを考慮するときには眼科用レンズの周辺であり、他の実施形態によれば、輪郭は眼科用レンズが眼科用フレームに取り付けられる場合に、前記眼鏡フレームの円の内周である。ある実施形態によれば、輪郭は円形である。
眼科用累進屈折力の3次元性能を判定する第一の実施形態によれば、3次元ドメインは以下のステップを実行することによって判定される。
図1の(x,y,z)座標系において定義される初期体積が考慮され、
− xは−2000mm〜+2000mmの間にある。
− yは−2000mm〜+2000mmの間にある。
− zは−5000mm〜−200mmの間にある。
その他の初期体積を選択することができる。
前記初期体積は、例えばdx=dy=dz=10mmの体積区画(dx,dy,dz)で網目状にされ、それゆえ、初期体積における複数の平行六面体の体積が画定され、各平行六面体の体積の体積は、前記体積区画と等しい。
各平行六面体の体積について、レンズを通じたレイトレーシングにより、平行六面体の体積の中心と交差する視線方向(α,β)についてのPPO(α,β,ProxO)とASR(α,β,ProxO)及び前記体積の中心の近接度ProxOの値が計算され、次に、前述の等式により、初期体積の各平行六面体の体積についての前記近接度ProxOにおける視線方向(α,β)の視力低下ACU_P(α,β,ProxO)が計算される。
眼科用累進付加レンズの3次元性能は、平行六面体の体積の体積合計として定義され、計算された視力低下ACU_P(α,β,ProxO)は、平行六面体の体積の各々の近接度についての図5の閾値関数の閾値と等しいか、それ以下である。
ある実施形態によれば、平行六面体の体積の体積合計は、先行条件を満たす平行六面体の体積の離散合計として計算され、他の実施形態によれば、平行六面体の体積の体積合計は、(x,y,z)空間にわたる三重積分を考慮し、先行条件が満たされる(dx,dy,dz)による連続合計として計算される。
眼鏡用累積屈折力の3次元性能を判定するための第二の実施形態によれば、3次元ドメインは、以下のステップを実行することにより判定される。
図1の(α,β)座標系における立体角が考慮され、
− αは−30°〜+50°の間である。
− βは−40°〜+40°の間である。
前記立体角は、α角については角度区画dα、β角については角度区画dβで網目状にされ、例えばdα=dβ=1°であり、それゆえ、前記立体角内の複数の視線方向が定義される。
前記視線方向の各々について、レイトレーシングによりレンズを通した光線経路が計算され、光線が物体空間内の点Mの像までの経路上でレンズの前面(眼と反対)と交差する点Iと、物体空間内のレンズ外の(emerging)視線方向R(α,β)が判定される。レンズ外の(emerging)視線方向に沿った距離増分z、例えばdz=10mmが考慮され、dzだけ分離される連続位置に対応する視線方向(α,β)と近接度ProxOについてのPPO(α,β)とASR(α,β)が計算される。次に、立体角内の角度区画だけ分離される相応に定義された各角度と、各増分距離について、前記近接度ProxOにおける視線方向(α,β)に関する視力低下ACU_P(α,β,ProxO)が前述の式により計算される。
眼科用累進付加レンズの3次元性能は、計算された視力低下ACU_P(α,β,ProxO)が各(dα,dβ,dz)体積の近接度に関する図5の閾値関数の閾値と等しいかそれ未満である(dα,dβ,dz)体積の体積合計と定義される。
前記眼科用累進付加レンズの前記3次元性能を、計算された視力低下ACU_P(α,β,ProxO)が閾値関数の値と等しいかそれ未満である場合の体積として計算する例を以下に図6を参照しながら開示する。
図6は、図2に関して上で説明した単眼視を考えた場合であるが、複数の視線方向(α,β)及びそれに対応するレンズ外の(emerging)視線方向を考えた場合の、眼とレンズの光学系及び眼球回旋点からのレイトレーシングを図式的に示す。
点M(x,y,z)((x,y,z)座標系内にあり、球面座標系内の(α,β,ProxO)に対応する)が近接度ProxOにおける閾値関数の値と等しいか、それ未満である点として特定されるとき、対応するレンズ外の(emerging)視線方向R(α,β)が判定される。次に、ACU_Pが光線方向R(α,β)における閾値関数の値と等しい2点M’及びM’’が判定され、対応する座標M’(x’,y’,z’)及びM’’(x’’,y’’,z’’)が判定される。
レンズ外の(emerging)視線方向R1、R2、R3、R4が計算され、
・ R1は、角度座標(α+dα/2,β+dβ/2)を有する。
・ R2は、角度座標(α+dα/2,β+dβ/2)を有する。
・ R3は、角度座標(α+dα/2,β+dβ/2)を有する。
・ R4は、角度座標(α+dα/2,β+dβ/2)を有する。
前記レンズ外の(emerging)視線方向が網目状にされて、ACU_Pが対応する近接度ProxOにおける閾値関数の値と等しい場合の
・ M1’(x1’,y1’,z1’)とM1’’(x1’’,y1’’,z1’’)
・ M2’(x2’,y2’,z2’)とM2’’(x2’’,y2’’,z2’’)
・ M3’(x3’,y3’,z3’)とM3’’(x3’’,y3’’,z3’’)
・ M4’(x4’,y4’,z4’)とM4’’(x4’’,y4’’,z4’’)
が判定され、既知の幾何学的計算手段により、それに対応する体積が計算される。
ここで、上の第一の実施例で述べた本発明の方法により、眼科用累進付加レンズの3次元性能を実際に計算する例を示す。
前記眼科用累進付加レンズは、以下の処方特徴を満たすように設計されている:
− 処方球面度数SPH=0ディオプトリ
− 処方乱視度数CYL=0ディオプトリ
− 処方軸度AXIS=0°
− 処方加入度数ADD=2ディオプトリ
レンズの輪郭は視線方向の領域を確定し、前記輪郭は半径35mmの円である。
装用条件は以下のとおり:
・ 前傾角は−8°である。
・ そり角は0°である。
・ CROとレンズとの間の距離は25.5mmである。
計算は、図1について述べた際に上で説明した片眼の場合で実行される。
図7及び8は、右眼について計算された前記眼科用累進付加レンズの光学特性を示す。図7は、前記レンズについての、(α,β)ドメインにわたる平均屈折力再区分PPOを示す。曲線は、平均屈折力等高線を示し、異なる平均屈折力等高線の隣接する曲線間の増分は0.25ディオプトリである。図8は、前記レンズに関する(α,β)ドメインにわたる、結果として得られる非点収差モジュールの再区分を示す。曲線は、結果として得られる非点収差モジュールの等高線を示し、結果として得られる非点収差モジュールの異なる等高線の隣接する曲線間の増分は0.25ディオプトリである。
前記眼科用累進付加レンズの3次元性能は、図1の(x,y,z)座標系で定義される初期体積について計算されており、
− xは−500mm〜+500mmの間である。
− yは−500mm〜0mmの間である。
− zは700mm〜−400の間である。
計算において、体積区画(dx,dy,dz)はdx=dy=dz=10mmである。
これらのデータに基づき、
・ 調査された総体積は159.7dm(立方デシメートル)と等しい。
・ 輪郭に従って視線方向が通過できる体積として定義される有効体積は159.3dmと等しい。
・ 視力低下ACU_P(α,β,ProxO)が各対応する近接度について図5の閾値関数の閾値と等しいかそれ未満である体積であり、前記眼科用累進付加レンズの3次元性能に対応する体積は、8.6dmと等しい。
前記体積は3次元、例えば(x,y,z)座標系で表現できる。本発明の方法は、データを計算して端末に表示し、前記体積のグラフ表現を提供するステップを含んでいてもよい。
図9〜11はそれぞれ、この例のレンズに関する総体積、有効体積、及び3次元性能である体積を示す。
第二の実施例
ある処方及びある装用条件を持つ装用者のための、ある輪郭により画定される眼科用累進付加レンズを計算するための本発明の方法の別の実施形態に関する第二の実施例を挙げるが、前記方法は、第一の実施例の方法により判定された3次元性能の関数として定義される3次元性能標的を提供し、前記3次元性能標的を使ってその装用者のための眼科用累進付加レンズを計算するステップを含む。
前記実施例において、
・ 3次元性能標的は3次元性能と等しい。
・ 眼科用累進付加レンズの計算方法は、複数の標的を取り入れる最適化ステップを含み、前記標的は少なくとも、装用者の処方と3次元性能標的を含む。
・ ステップiの局所光学的評価基準は装用者の視力低下であり、複数の視線方向と複数の近接度に関する平均屈折力PPO、結果として得られる非点収差モジュールASRを計算することによって、視力低下モデルにより視力低下が計算される。
発明者らは、その屈折力の特徴が図7及び8に対応する上述の眼科用累進屈折力レズの例の眼科用累進付加レンズを最適化ステップのための開始レンズとして使用し、以下の処方特徴:
− 処方球面度数SPH=0ディオプトリ
− 処方乱視度数CYL=0ディオプトリ
− 処方軸度AXIS=0°
− 処方加入度数ADD=2ディオプトリ
を満たし、3次元性能(実施例1の枠組内ですでに定義したもの)が標的として使用される新しい眼科用累進付加レンズを計算することを考えた。
装用条件、両眼挙動、及び輪郭は、前述の開始レンズのそれらと同じままである。
最適化ステップは、最適化アルゴリズムを使って実行できる。これの方法は当業者により、例えば出版物、“Application of optimization in computer−aided ophthalmic lens design”(P.Allione,F.Ahsbahs and G.Le Saux,in SPIE Vol.3737,EUROPTO Conference on Design and Engineering of Optical Systems,Berlin,May 1999)において知られており、同文献を参照によって本明細書に援用する。
3次元性能を最適化ステップの枠組内の標的として導入することにより、発明者らは、3次元性能の改善された眼科用累進付加レンズを計算することができた。
右眼について計算された、改善された眼科用累進付加レンズに対応する結果が図12〜16に示されており:
・ 図12及び13は改善された眼科用累進付加レンズの光学特性(それぞれ(α,β)ドメインにわたるPPO及びASR)に関し、前記図面は、各レンズの結果のグラフ表現が同じであることから、最適化ステップのための開始レンズの光学特性を示している図7及び8とそれぞれ比較できる。
・ 図14〜16はそれぞれ、改善された眼科用累進付加レンズに関する総体積、有効体積、及び3次元性能の体積を示し、前記図面は、各レンズの結果のグラフ表現が同じであることから、最適化ステップのための開始レンズの総体積、有効体積、及び3次元性能の体積を示している図9〜11とそれぞれ比較できる。
図7及び12は非常に似ていて、わずかな相違しかないことが明確にわかり、同じことが図8及び13にも当てはまり、これは、2枚のレンズが非常に似た屈折力特徴を有することを明確に示しており、共通の解析により、前記2枚のレンズはほぼ同じと考えることができる。
しかしながら、2枚の眼科用累進付加レンズの3次元性能に焦点を当てると相違は明らかである。
改善された眼科用累進付加レンズの計算された体積は以下のとおり:
・ 調査された総体積は159.7dm(立方デシメートル)と等ししい。
・ 輪郭に従って視線方向が通過できる体積として定義される有効体積は159.4dmと等しい。
・ 視力低下ACU_P(α,β,ProxO)が各対応する近接度に関する図5の閾値関数の閾値と等しいか、それ未満であり、前記眼科用累進付加レンズの3次元性能に対応する体積は、12.8dmと等しい。
前記眼科用累進付加レンズの3次元性能は、開始時点の眼科用累進付加レンズの1つと比較すると、約50%改善されていることが明確にわかる。
本発明の方法により、眼科用累進付加レンズの特徴を改善するための標的として有利に使用できる3次元性能を定義し、計算できる。
さらに、(x,y,z)座標系で定義される初期体積は、選択され視覚的作業に応じて選択できることを強調しなければならない。前述の例において、初期体積は中間視野の作業に関して選択され、この場合の視距離は400〜700mの間と考えられる。
複数の視覚的作業が定義でき、この場合、選択された作業に応じた視距離が考慮される。
また、同じ眼科用累進付加レンズを最適化するため、及びそれゆえ、最適化ステップの枠組内で選択された視覚的作業の各々のための標的を取り入れるために、複数の視覚的作業を考慮することも可能である。
他の例によれば、本発明は、ある処方及びある装用条件を有する装用者のための、ある輪郭により画定される眼科用レンズの、コンピュータ手段により実行される計算方法に関し、前記方法は、3次元性能の関数として定義される3次元性能標的を提供し、3次元性能は前記装用者について測定された性能であり、前記3次元性能標的を使って、その装用者のための眼科用レンズを計算するステップを含む。
前記装用者のための3次元性能は、複数の測定方法によって測定できる。
ある実施形態によれば、測定された3次元性能は、視覚的作業を実行する際の装用者の固視点を包含する視覚体積の測定の結果である。ある実施形態によれば、視覚的作業は近方視野を見ること、例えば読書である。他の実施形態によれば、視覚的作業は中間視野を見ること、例えばコンピュータスクリーンを見ることである。前記測定は、見ようとする物体の関数として、及び/又は装用者により行われている仕事の関数として、及び/又は装用者の姿勢の関数として行うことができる。見ようとする物体は、例えば新聞、タブレット、スマートフォン、コンピュータスクリーンとすることができる。装用者が行おうとする仕事は、例えば書くこと、ブラウジング、読書、ある物体を操作すること、とすることができる。装用者の姿勢は、例えば立っている、座っている、寝ている姿勢とすることができる。
固視点は、装用者の視線方向及び見ようとする物体の実際の位置を同時に判定することによって測定できる。
装用者の視線方向は、アイトラッキングにより測定できる。
見ようとする物体の実際の位置は、両眼測定を使って測定し、物体の距離を判定でき、これはまた、センサによる物体追跡によっても測定できる。
頭部追跡もまた実行できる。
身体及び/又は運動追跡もまた実行できる。
複数の前記追跡方法は、同時に実行できる。
以上、実施形態を利用して本発明を説明したが、これは全体としての発明的概念を限定することなく、特に、当業者の間で知られている様々な計算及び/又は製造方法を使って本発明による残留非点収差の管理を調整できる。
30 眼科用累進付加レンズ付加レンズ
32 遠方視(遠見)領域
34 中間領域
36 近方視領域
38 経線

Claims (15)

  1. ある処方及びある装用条件を有するある装用者のための、ある輪郭により画定される眼科用レンズの3次元性能を判定するための、コンピュータ手段により実行される方法において、前記3次元性能は複数の近接度における複数の視線方向(α,β)について判定され、
    i.3次元物体又は像空間の各点について定義できる光学的評価基準である少なくとも1つの局所光学的評価基準を提供するステップと、
    ii.ステップiの前記局所光学的評価基準の各局所光学的評価基準について、前記近接度の関数としての前記局所光学的評価基準の閾値を付与する閾値関数を提供するステップと、
    iii.ステップiの前記局所光学的評価基準の各局所光学的評価基準について、前記局所光学的評価基準と、前記局所光学的評価基準について提供されたステップiiの前記閾値との間の条件を提供するステップと、
    iv.ステップiの前記局所光学的評価基準とステップiiの前記閾値との間のステップiiiの前記条件が満たされる視線方向及び近接度に対応する点を含めた3次元ドメインを計算するステップと、
    v.ステップivで計算された前記3次元ドメインに従って前記眼科用レンズの前記3次元性能を判定するステップと、
    を含み、
    前記眼科用レンズの前記3次元性能を判定する前記ステップvは、ステップivの前記3次元ドメインの内部体積を計算することである、方法。
  2. ステップiの前記局所光学的評価基準は、平均屈折力誤差、残留度数誤差、残留非点収差、視力低下、相対視力、プリズムによる光のフレ、眼球偏位、局所倍率、及び高次収差(HOA)からなる群の中から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. ステップiの局所光学的評価基準とステップiiの閾値との間の前記条件は、前記局所光学的評価基準と前記閾値とが等しくないことである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップivの前記計算は前記装用者の両眼視で行われる、請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. 前記方法は、データを計算して、端末に表示し、ステップvの前記3次元性能のグラフ表現を提供するさらなるステップを含む、請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. ステップiiの閾値関数は、固視点位置、視線方向、視覚的作業、照明状態、年齢、性別、被験者の視力からなるパラメータ群の中から選択される1つ又は複数のパラメータの関数である、請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. プロセッサにとってアクセス可能であり、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに請求項1〜6の何れかに記載のステップを実行させる1つ又は複数の保存された命令シーケンスを含むコンピュータプログラム。
  8. 請求項7の前記コンピュータプログラムの1つ又は複数の命令シーケンスを担持するコンピュータ読取可能媒体。
  9. ある処方とある装用条件を有する装用者のための、ある輪郭により画定される眼科用レンズの、コンピュータ手段により実行される計算方法において、請求項1〜6の何れかに従って判定された前記3次元性能の関数として定義される3次元性能標的を提供し、前記3次元性能標的を使って前記装用者のための前記眼科用レンズを計算するステップを含む方法。
  10. ステップiの局所光学的評価基準は前記装用者の視力低下であり、複数の視線方向についての、及び複数の近接度についての、平均屈折力、残留非点収差が計算され、前記視力低下が視力低下モデルに従って計算される、請求項9に記載の方法。
  11. ある処方とある装用条件を有する装用者のための、ある輪郭により画定される眼科用レンズの、コンピュータ手段により実行される計算方法において、請求項1〜6の何れかに記載の前記ステップi〜ivによって判定された3次元ドメインの関数として定義される3次元性能標的ドメインを提供し、前記3次元ドメインは前記装用者に関する測定された性能ドメインであり、前記3次元性能標的ドメインを使用して前記装用者のための前記眼科用レンズを計算するステップを含む方法。
  12. 前記3次元性能標的ドメインは前記3次元ドメインと等しい、請求項11に記載の方法。
  13. 眼科用レンズの前記計算方法は、複数の標的を取り入れる最適化ステップを含み、前記標的は少なくとも前記装用者の前記処方と前記3次元性能標的を含む、請求項9又は10に記載の方法。
  14. プロセッサにとってアクセス可能であり、前記プロセッサにより実行されると、前記そのプロセッサに請求項9〜13の何れかに記載の前記ステップを実行させる1つ又は複数の保存された命令シーケンスを含むコンピュータプログラム。
  15. 請求項14に記載の前記コンピュータプログラムの1つ又は複数の命令シーケンスを担持するコンピュータ読取可能媒体。
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