JP2001021846A - 眼鏡用累進焦点レンズ及びその製造方法並びに眼鏡用累進焦点レンズを用いた眼鏡 - Google Patents

眼鏡用累進焦点レンズ及びその製造方法並びに眼鏡用累進焦点レンズを用いた眼鏡

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JP2001021846A
JP2001021846A JP11194813A JP19481399A JP2001021846A JP 2001021846 A JP2001021846 A JP 2001021846A JP 11194813 A JP11194813 A JP 11194813A JP 19481399 A JP19481399 A JP 19481399A JP 2001021846 A JP2001021846 A JP 2001021846A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近用視における乱視の矯正を適正に行い、疲
労を低減することができる眼鏡用累進焦点レンズを提供
する。 【解決手段】 屈折力の相違する遠用領域及び近用領域
と、両領域間で屈折力が累進的に変化する累進領域を設
定した累進屈折面21と、着用者の遠用乱視度数に基づ
いて設定された遠用乱視矯正屈折面22と、着用者の近
用乱視度数に基づいて設定された近用乱視矯正屈折面2
3とを合成する。合成した最終合成屈折面を表す座標デ
ータに基づいてレンズ加工装置によりレンズ裏面17を
研磨加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡用累進焦点レ
ンズ及びその製造方法並びに眼鏡用累進焦点レンズを用
いた眼鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例え
ば、老齢者は眼球の水晶体を調整する筋力が衰え易く、
近距離の結像能力が減退し、これを補うため近視用眼鏡
(老眼鏡)を用いる。しかし、近視専用の眼鏡は、必要
のない場合に外すか、遠視用の眼鏡に掛け替えられる。
この掛け替えの煩わしさを解消するため、単一の眼鏡を
遠近両用に用いるための眼鏡用累進焦点レンズがある。
【0003】この眼鏡用累進焦点レンズは、レンズの上
側部に遠用領域を、下側部に近用領域を設け、遠用領域
と近用領域の中間に中用領域として累進領域を設けてい
る。さらに、詳述すると、眼鏡用累進焦点レンズ11A
は、図16に示すようにレンズ11Aの幾何中心O1の
近傍を通る主注視線12上であって、前記幾何中心O1
の近傍に位置する遠用中心O2を通る第1水平線L1よ
り上方の領域を球面又は球面に近い遠用領域13として
いる。又、前記主注視線12上の幾何中心O1よりも下
方の近用中心O3を通る第2水平線L2より下方の領域
を近用領域14とし、両線L1,L2の中間を累進領域
15としている。
【0004】ところで、上記の眼鏡用累進焦点レンズ1
1Aには、乱視を矯正するための円柱屈折力を付与した
ものもあり、この一例として再公表特許(国際公開番号
WO97/ 19382)に示すものが提案されている。
図17に示すようにこのレンズ11Aは物体側のレンズ
表面16を球面とし、眼球側のレンズ裏面17に対し累
進屈折面にトーリック面を合成した複合屈折面18を形
成している。即ち、レンズ裏面17は、この裏面が乱視
度数を伴わない所定の屈折特性を発揮することのみを目
的として設定されたオリジナル累進屈折面と、前記レン
ズ裏面17が所望の乱視矯正特性を発揮することのみを
目的として設定されたオリジナルトーリック面が合成さ
れた複合屈折面18となっている。
【0005】上記従来の眼鏡用累進焦点レンズは、眼鏡
として使用した場合に、遠用視により得られた乱視度の
一つの測定データに基づいてオリジナルトーリック面が
設定されているので、遠用視のときには問題は生じな
い。しかし、読書などの近用視の場合に、乱視の矯正が
適正に行われないという問題があることが分かった。
【0006】遠用視と近用視では、一般に乱視度の大き
さが異なり、その理由として二つの要因が考えられる。
第1要因としては、近用視において光線が斜め下方から
レンズ11Aに入射するためである。
【0007】第2要因としては、眼球の構造により実際
の近用視において遠用視と異なる乱視度が生じることが
考えられる。例えば老齢者の水晶体は硬化しているの
で、近用視においては水晶体が斜めになる。このため、
近用視の際に眼球の構造に起因する乱視が発生すること
が分かった。即ち、老視の原因には毛様体と水晶体の劣
化が挙げられ、主原因は水晶体の劣化と考えられる。劣
化していない水晶体は、毛様体が伸びたときに強い凸レ
ンズになって近用視に適した状態になる。老視者の場合
は、図18に示すように、毛様体31が伸びても水晶体
32の形が変化し難いので、近くが見にくくなり、この
とき水晶体32が斜めになり、乱視が起きると推測され
る。
【0008】近用の乱視を適正に矯正することは、近用
視における眼の疲労を低減する効果があると考えられる
が、従来は遠用視と近用視との乱視度数に基づいて乱視
矯正をそれぞれ行う眼鏡用累進焦点レンズは提案されて
おらず、近用視における眼の疲労を低減することができ
ないという問題があった。又、近用の乱視矯正を優先す
ると、今度は遠用乱視の度が合わなくなるという問題が
生じる。
【0009】なお、乱視度の調査の結果、遠用視と近用
視で乱視度の差が0.25デォプター以上変化する人が
半数以上あることが分かった。第1要因で述べたよう
に、累進焦点レンズの近用領域において光が斜めに透過
すると、乱視と同様の現象が発生する。この疑似乱視を
矯正するために従来、累進屈折面にわざと乱視を付与し
たものが提案されている。このレンズとして特公平2ー
39768号公報、特開平8ー220489号公報、あ
るいは特許第2576054号公報に示すものが提案さ
れている。これらの累進焦点レンズの要旨とするところ
は、斜め透過光による非点収差の発生のみをキャンセル
するように構成されている。
【0010】上記特開平8−220489号公報の記載
によれば、光束がレンズ面に対して斜めに入射する場
合、その光束の通過するレンズ面上の点が、いわゆる臍
状点であっても、透過光束に非点収差が生じる。球面は
いたる所が臍状点である曲面であり、光束が垂直に入射
する場合は、非点収差は生じないが、レンズの光軸外の
物を見る場合のように斜めに光束が入射する時は非点収
差が生じる。ある曲面上の1点を光束が通過する時に生
じる非点収差の量は、曲面の最大曲率G1の大きさと最
小曲率G2の大きさと、光束の入射角度と方向から決ま
る。この時、物体側のレンズ表面と眼球側のレンズ裏面
でそれぞれ生じる非点収差がちょうどキャンセルされる
組合せになっていれば残存収差は発生しない。
【0011】レンズ表面の光線入射角αとレンズ裏面の
光線射出角βがある特定の関係を満たしている時、レン
ズ表面で生じた非点収差とレンズ裏面で生じた非点収差
が打ち消し合う。従って、曲率の組合せが同じであって
も、レンズ表面の傾きなどにより、光束の入射角が変わ
った場合には、非点収差がキャンセルされずに残る。つ
まり、最適曲率の球面の組み合わせであっても、光束の
入射角が単焦点レンズと異なる場合には、非点収差が発
生し、像のボケが生じることになる。
【0012】一般に、累進眼鏡レンズの形態としては、
近用領域が光軸から離れた所に位置することが多く、近
用領域を透過する光束は、累進面に対し斜めに入射す
る。このことから、従来の累進面形状では、近用領域に
非点収差が発生し、明視域を狭くしている。これを解決
するため、後者の従来の技術では、レンズ表面に光束が
斜め入射するために発生する非点収差を、累進面に曲率
差ΔGを持たせることにより補正しようとするものであ
る。
【0013】従って、前述した後者の従来例において
は、第2要因の対策は全く無く、着用者に応じた乱視矯
正機能を持たないものであって、近用視における眼の疲
労を低減することができなかった。
【0014】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものであって、その目的
は、近用視における乱視の矯正を適正に行い、疲労を低
減することができる眼鏡用累進焦点レンズ及びその製造
方法並びに眼鏡用累進焦点レンズを用いた眼鏡を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、屈折力の相違する遠用領域
及び近用領域と、両領域間で屈折力が累進的に変化する
累進領域を備えた眼鏡用累進焦点レンズにおいて、遠用
領域の乱視度数と近用領域の乱視度数を眼鏡着用者の測
定遠用乱視度数と測定近用乱視度数に基づいて個別に設
定している。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、物体側のレンズ表面が球面であり、眼球側のレンズ
裏面が累進屈折面と、遠用及び近用の乱視矯正屈折面と
の合成屈折面である。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1におい
て、物体側のレンズ表面が累進屈折面と、遠用及び近用
の乱視矯正屈折面の合成屈折面であり、眼球側のレンズ
裏面が球面である。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1におい
て、物体側のレンズ表面が累進屈折面又は遠用及び近用
の乱視矯正屈折面であり、眼球側のレンズ裏面が遠用及
び近用の乱視矯正屈折面又は累進屈折面である。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項2〜4のい
ずれか一項において、前記遠用乱視矯正屈折面は、測定
遠用乱視度数に基づいて設定され、前記近用乱視矯正屈
折面は、測定近用乱視度数に基づいて設定され、遠近両
乱視矯正屈折面は曲面により滑らかに接続されている。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項5におい
て、前記遠用乱視矯正屈折面は測定遠用乱視度数に基づ
いてレンズ裏面の遠用領域、累進領域及び近用領域のう
ち少なくとも遠用領域を対象として設定され、近用乱視
矯正屈折面は測定近用乱視度数に基づいて近用領域、累
進領域及び遠用領域のうち少なくとも近用領域を対象と
して設定されたものである。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項6におい
て、前記近用乱視矯正屈折面は最強主経面と最弱主経面
とに分けてそれぞれ目標度数に設定された二つの屈折面
を合成したものである。
【0022】請求項8記載の発明は、請求項7におい
て、前記最強主経面又は最弱主経面のいずれか一方の屈
折面は、前記累進屈折面(21)の形状を表す関数をf
p(x,y)とすると、該関数fp(x,y)に第1補
正係数(k1)を乗ずることにより該累進屈折面(2
1)に対し目標水平度数(Dh)となるように設定され
た仮想の水平度数矯正屈折面(24H)である。
【0023】請求項9記載の発明は、請求項8におい
て、前記最強主経面又は最弱主経面の他方の屈折面は、
目標垂直度数(Dv)となるように関数により設定され
た垂直度数矯正屈折面(24V)であって、該屈折面
(24V)は、前記仮想の水平度数矯正屈折面(24
H)の設定の際に変化した垂直方向の変化度数(Δd)
をキャンセルするように設定されている請求項10記載
の発明は、請求項5又は6において、前記合成乱視矯正
屈折面は、遠用乱視矯正屈折面の乱視軸の傾斜角と、近
用乱視矯正屈折面の乱視軸の傾斜角とをそれぞれ設定し
て合成されたものである。
【0024】請求項11記載の発明は、請求項5又は6
において、前記遠用乱視矯正屈折面の形状は、トーリッ
ク面の座標ftf(x,y)で表され、トーリック面の
最大曲率半径をr1又はr2、最小曲率半径をr2又は
r1とすると、前記座標ftf(x,y)は、 ftf(x,y)=r1−√{〔r1−r2+√(r2
2 −y2 )〕2−x2} 上式により設定されたものであり、近用乱視矯正屈折面
の形状は、トーリック面の座標ftn(x,y)で表さ
れ、トーリック面の最大曲率半径をr1′又はr2′、
最小曲率半径をr2′又はr1′とすると、前記座標f
tn(x,y)は、 ftn(x,y)=r1′−√{〔r1′−r2′+√
(r2′2 −y2 )〕2−x2 } 上式により設定されたものであり、前記遠用乱視矯正屈
折面と近用乱視矯正屈折面とは曲面により滑らかに接続
されている。
【0025】請求項12記載の発明は、請求項5又は6
において、前記遠用乱視矯正屈折面の形状は、トーリッ
ク面の座標ftf(x,y)で表され、トーリック面の
最大曲率半径をr1又はr2、最小曲率半径をr2又は
r1、トーリック面の曲率をCx=1/r1、Cy=1
/r2とすると、 ftf(x,y)=(Cx・x2 +Cy・y2 )/〔1+
√(1−Cx2 ・x2+Cy2 ・y2 )〕 上式により設定されたものであり、近用乱視矯正屈折面
の形状は、トーリック面の座標ftn(x,y)で表さ
れ、トーリック面の最大曲率半径をr1′又はr2′、
最小曲率半径をr2′又はr1′、トーリック面の曲率
をCx=1/r1′、Cy=1/r2′とすると、 ftn(x,y)=(Cx・x2 +Cy・y2 )/〔1+
√(1−Cx2 ・x2+Cy2 ・y2 )〕 上式により設定されたものであり、前記遠用乱視矯正屈
折面と近用乱視矯正屈折面とは曲面により滑らかに接続
されている。
【0026】請求項13記載の発明は、請求項9におい
て、レンズ裏面の幾何中心を通る光軸方向、つまりz軸
方向とレンズ裏面の交点を頂点位置とし、該頂点位置を
通る水平方向をx軸方向、垂直方向をy軸方向とする
と、前記垂直度数矯正屈折面(24V)の形状は、遠用
領域ではz軸方向の座標値がxによらない一次関数 fvf(y)=h・y+i で表される平面(24Va)と、近用領域と対応してy
軸方向に関するz軸方向の座標値が目標度数に設定さ
れ、かつxによらない二次関数 fvn(y)=e・y2 +f・y+g で表される曲面(24Vb)と、累進領域と対応してy
軸方向に関するz軸方向の座標値が前記平面(24V
a)と曲面(24Vb)とを滑らかに接続し、かつxに
よらない三次関数 fvm(y)=a・y3 +b・y2 +c・y+d で表される曲面(24Vc)とにより設定されている。
【0027】請求項14記載の発明は、請求項13にお
いて、前記垂直度数矯正屈折面(24V)の形状は、前
記仮想の水平度数矯正屈折面(24H)の設定の際に変
化した垂直方向の変化度数(Δd)と近用乱視における
目標垂直度数とに基づいて仮の垂直度数矯正屈折面(2
4V′)を表す関数fvf(y)′、fvn(y)′、
fvm(y)′を設定し、これらの関数に第2補正係数
k2を乗ずる第2漸近行程を行うことにより、最終的に
目標垂直度数となるように設定されたものである。
【0028】請求項15記載の発明は、請求項6におい
て、前記近用乱視矯正屈折面の近用度数は遠用度数に度
数加算要素を加算したものとして設定され、この度数加
算要素は、累進屈折面を表す関数に第1補正係数k1を
乗じて設定された加入度に対し、斜め特殊乱視面の度数
を加算して設定されるものであり、該斜め特殊乱視面は
斜め横方向の度数が全域に亘ってゼロに設定され、前記
斜め横方向と直交する斜め縦方向の度数が目標度数に設
定されたものである。
【0029】請求項16記載の発明は、請求項15にお
いて、前記度数加算要素は、さらに垂直特殊乱視面の度
数を加算して設定されたものであり、該垂直特殊乱視面
は水平のx軸方向の度数が全域に亘ってゼロに設定さ
れ、垂直のy軸方向の度数が目標垂直度数に設定された
ものである。
【0030】請求項17記載の発明は、屈折力の相違す
る遠用領域及び近用領域と、両領域間で屈折力が累進的
に変化する累進領域を備えた眼鏡用累進焦点レンズの製
造方法であって、眼球側のレンズ裏面又は物体側のレン
ズ表面に予め設定された球面に対し、遠用領域及び近用
領域における乱視度数を伴わない所定の視力補正特性を
発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累
進屈折面とを合成する第1行程と、前記レンズ裏面又は
レンズ表面のうち遠用領域が所定の乱視矯正特性を発揮
することのみを目的としてオリジナル遠用乱視矯正屈折
面を求める第2行程と、前記レンズ裏面又はレンズ表面
のうち近用領域が所定の乱視矯正特性を発揮することの
みを目的としてオリジナル近用乱視矯正屈折面を求める
第3の行程と、眼鏡用累進焦点レンズのレンズ裏面又は
レンズ表面を、前記球面、オリジナル累進屈折面、オリ
ジナル遠用乱視矯正屈折面及びオリジナル近用乱視矯正
屈折面から合成する第4の行程とを有し、前記最終的に
合成された合成屈折面の座標データに基づいてレンズ加
工装置によりレンズの表面又は裏面を加工することを特
徴とするものである。
【0031】請求項18記載の発明は、請求項17にお
いて、前記第1行程は、レンズ表面を所定曲率の球面に
設定し、レンズ裏面側の球面を表す式fs(x,y)
と、該球面の頂点位置からオリジナル累進屈折面に至る
光軸と平行なz 軸方向の距離を表す関数fp(x,y)
とを合成したサグ量Zを表す次の式により行われ、 Z=fs(x,y)+fp(x,y) レンズ裏面の球面のベースカーブの曲率半径をrとする
と、前記球面を表す式fs(x,y)は、 fs(x,y)=r−√(r2 −x2 −y2 ) で求められるものである。
【0032】請求項19記載の発明、請求項18におい
て、前記オリジナル遠用乱視矯正屈折面は、トーリック
面の座標ftf(x,y)で表され、トーリック面の最
大曲率半径をr1又はr2、最小曲率半径をr2又はr
1とすると、前記座標ftf(x,y)は、 ftf(x,y)=r1−√{〔r1−r2+√(r2
2 −y2 )〕2 −x2 } により求められ、前記オリジナル近用乱視矯正屈折面
は、トーリック面の座標ftn(x,y)で表され、ト
ーリック面の最大曲率半径をr1′又はr2′、最小曲
率半径をr2′又はr1′とすると、前記座標ftn
(x,y)は、 ftn(x,y)=r1′−√{〔r1′−r2′+√
(r2′2 −y2 )〕2−x2 }により求められるもの
である。
【0033】請求項20記載の発明は、請求項19にお
いて、前記オリジナル累進屈折面の形状を設定する前記
関数fp(x,y)には、前記オリジナル遠用乱視矯正
屈折面を表す関数ftf(x,y)が加算され、 S1=fp(x,y)+ftf(x,y) 上記式の関数fp(x,y)に第1補正係数k1を乗じ
た次式 S2=k1・fp(x,y)+ftf(x,y) において、第1補正係数k1を複数段階に変化させるこ
とにより、近用領域における水平(x軸)方向のみの度
数を目標水平度数(Dh)に接近する第1漸近行程によ
り仮想の水平度数矯正屈折面(24H)が設定され、一
方、近用領域における垂直(y軸)方向のみの度数は、
前記第1漸近行程において、第1補正係数k1に応じて
垂直方向に変化した度数(Δd)と近用乱視矯正屈折面
(23)の垂直度数とに基づいて、仮の垂直度数矯正屈
折面(24V′)を表す三つの切断関数により仮に設定
され、 fvf(y)′=h・y+i=定数=0・・・(h′) fvm(y)′=a・y3 +b・y2 +c・y+d・・・(i′) fvn(y)′=e・y2 +f・y+g・・・(j′) 但し、(h′)は遠用領域と対応して平面を表し、
(j′)は近用領域と対応して曲面を表し、(i′)は
累進領域と対応して前記平面と曲面を滑らかに接続する
曲面を表し、上記式(i′)、(j′)に第2補正係数
k2を乗じた次式 fvm(y)=k2(a・y3 +b・y2 +c・y+d)・・・(i) fvn(y)=k2(e・y2 +f・y+g)・・・(j) において、第2補正係数k2を複数段階に変化させるこ
とにより、近用領域における垂直(y軸)方向のみの度
数を目標垂直度数(Dv)に接近する第2漸近行程によ
り目標とする垂直度数矯正屈折面(24V)が設定さ
れ、上記の垂直度数矯正屈折面(24V)と、前記第1
漸近行程により求められた仮想の水平度数矯正屈折面
(24H)とを合成して近用乱視矯正屈折面(23)を
設定するものである。
【0034】請求項21記載の発明は、請求項20にお
いて、二次関数で表される前記垂直度数矯正屈折面は、
遠用領域と対応して垂直方向の度数がゼロの一次関数で
表される平面と、累進領域と対応して前記平面と上記二
次関数で表される曲面とを滑らかに接続する三次関数で
表される曲面により接続されている。
【0035】請求項22記載の発明は、請求項1〜16
のいずれかに記載の眼鏡用累進焦点レンズを所定形状に
カットして眼鏡用フレームに装着したものである。請求
項23記載の発明は、請求項22において、左右のレン
ズの主注視線上に設定される近用領域の二つの中心の距
離を、同じく左右のレンズの主注視線上に設定される遠
用領域の二つの中心の距離と無関係に個別に設定したも
のである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の眼鏡用累進焦点
レンズ及びその製造方法並びに眼鏡用累進焦点レンズを
用いた眼鏡を具体化した一実施形態を図1〜図13を用
いて説明する。
【0037】この実施形態の眼鏡用累進焦点レンズ11
において、前提となる構成は従来の項で述べたものと同
様である。即ち、図2に示すようにレンズ11の幾何中
心O1の近傍を通る主注視線12上であって、前記幾何
中心O1の近傍に位置する遠用中心O2を通る第1水平
線L1より上方の領域を球面又は球面に近い遠用領域1
3としている。又、前記主注視線12上の幾何中心O1
よりも下方の近用中心O3を通る第2水平線L2より下
方の領域を近用領域14とし、両線L1,L2の中間を
累進領域15としている。
【0038】図3に示すように、累進焦点レンズ11の
物体側のレンズ表面16は、所定の曲率半径の球面に成
形されており、この実施形態ではレンズ表面16に新た
に屈折面の加工が施されることはない。
【0039】一方、眼球側のレンズ裏面17には各種の
屈折面を合成した最終合成屈折面Seの形状に加工さ
れ、該最終合成屈折面Seとレンズ表面16の球面(曲
率)とにより決定される遠用度数と近用度数(ディオプ
ター、以下単にdptという)によって遠用視と近用視
が適正に行われる。このとき、遠用視と近用視のそれぞ
れの乱視を矯正できる構成となっている。
【0040】図1の符号11aは、光の屈折率が一定
(例えば1.500)のガラス又は合成樹脂材よりなる
レンズ母材であって、レンズ表面16とレンズ裏面17
は例えばそれぞれ異なる曲率の球面に成形されている。
なお、レンズ裏面17は球面でなくてもよく、レンズの
加工によって削られる体積を低減し得るような曲率の曲
面に設定されていてもよい。
【0041】この実施形態ではレンズ母材11aの幾何
中心01を通る光軸、つまりZ軸とレンズ裏面17の所
定ベースカーブの球面との交点をレンズの頂点位置Pと
し、該頂点位置Pを通り光軸(Z軸)に直交する第1直
線(水平方向)をx軸、頂点位置Pを通り、x軸及び光
軸に直交する第2直線(垂直方向)をy軸、x,y軸を
通る平面をxy平面と定義する。
【0042】そこで、レンズ裏面17における前述した
最終合成屈折面Seを構成する各要素について、その概
要を図1により説明する。上記レンズ裏面17の球面に
反映されるオリジナル累進屈折面21は、眼鏡着用者の
乱視度数を伴わない測定遠用度数と測定近用度数に基づ
いて、予め設定されたものである。このオリジナル累進
屈折面21は、遠用領域及び近用領域における乱視度数
を伴わない所定の視力補正特性を発揮することのみを目
的とするものであって、遠用屈折面21aと近用屈折面
21bが累進屈折面21cにより滑らかに連続した累進
曲面を表している。なお、図1ではオリジナル累進屈折
面21はイメージのみを単純化して示したものである。
この図示方法は以下の屈折面22,23,24H,24
V,24V′等についても同様である。
【0043】同じくレンズ裏面17の球面に反映される
遠用乱視矯正屈折面22は、眼鏡着用者の測定遠用乱視
度数に基づいて、予め設定されている。この屈折面22
は正乱視矯正用のものにおいては、図1に示すように最
大曲率半径r1の主経面がx軸方向に、最小曲率半径r
2の主経面がy軸方向に指向したトーリック面となって
いる。
【0044】レンズ裏面17の球面に反映される近用乱
視矯正屈折面23は、眼鏡着用者の測定近用乱視度数に
基づいて予め仮想設定され、遠用乱視矯正屈折面22と
同様に最大曲率半径r1′の主経面がx軸方向に、最小
曲率半径r2′の主経面がy軸方向に指向したトーリッ
ク面となっている。
【0045】この実施形態では仮想設定した近用乱視矯
正屈折面23の他の屈折面への合成行程を理解し易くす
るために、近用乱視矯正屈折面23を最大曲率半径r
1′の主経面のみを目標の度数に設定する行程と、最小
曲率半径r2′の主経面のみを目標の度数に設定する行
程とに分けて考察する。
【0046】近用領域における最大曲率半径r1′の主
経面を目標度数に設定する行程は、正乱視では水平なx
軸方向のみを考慮して水平度数を変更することにより行
われる。この実施形態では前記オリジナル累進屈折面2
1を表す関数fp(x,y)に第1補正係数k1を乗算
する後述の第1漸近行程により近用水平度数が目標水平
度数に設定される。第1漸近行程により近用領域におけ
るy軸(垂直)方向の垂直度数も変化するので、この変
化量Δdは次に述べる垂直度数矯正屈折面24Vの設定
過程において補正される。第1漸近行程で得られた近用
領域における水平度数矯正屈折面24Hは、前記垂直度
数の変化量Δdを除いた水平度数のみの矯正屈折面とし
て図1に仮想表示されている。
【0047】前述した最小曲率半径r2′の主経面のみ
を目標度数に設定する行程は、正乱視においては図1に
示すように主経面の方向が垂直なy軸方向を指向し、垂
直度数矯正屈折面24Vとして把握することができる。
この垂直度数矯正屈折面24Vは、垂直なy軸方向のみ
を考慮した矯正用のものであって、z座標はy座標によ
って定まる。
【0048】上記の垂直度数矯正屈折面24Vは、三つ
の面により形成されている。即ち、垂直度数矯正屈折面
24Vの形状は、遠用領域ではz軸方向の座標値がxに
よらない一次関数fvf(y)=h・y+iで表される
平面24Vaとなっている。又、近用領域では、y軸方
向に関するz軸方向の座標値が目標度数に設定され、か
つxによらない二次関数 fvn(y)=e・y2 +f・y+g で表される曲面24Vbとなっている。さらに、累進領
域では、y軸方向に関するz軸方向の座標値が前記平面
24Vaと曲面24Vbとを滑らかに接続し、かつxに
よらない三次関数 fvm(y)=a・y3 +b・y2 +c・y+d で表される曲面24Vcとなっている。
【0049】次に、前記各屈折面21,22,24H,
24Vを求める行程、第1漸近行程、屈折面24Vを最
終屈折面とする第2漸近行程、各屈折面の合成行程等を
遠用及び近用共に正乱視の場合について、図1、4を中
心に説明する。 (1−1)レンズ裏面17の球面にオリジナル累進屈折
面21を合成する第1行程 累進屈折面21の形状は、眼鏡着用者の視力測定データ
に基づいて、遠用領域及び近用領域における乱視度数を
伴わない所定の視力補正特性を発揮することのみを目的
として求められる。この屈折面21は乱視矯正を行わな
いので、オリジナル累進屈折面21と言う。レンズ裏面
17の球面に前記オリジナル累進屈折面21を合成する
第1行程においては、次の関数が用いられる。(図4の
ステップST1参照) Z=fs(x,y)+fp(x,y) 上記関数において、記号Zは前記頂点位置P(z=
0)、つまりxy平面からオリジナル累進屈折面21に
至る距離、即ちサグ量である。
【0050】上記のfs(x,y)はレンズ裏面17の
球面を表す関数であり、以下の式により求められる。 fs(x,y)=r−√(r2 −x2 −y2 ) 但し、rは図3に示すレンズ裏面17におけるZ軸上の
点P0を中心とする球面のベースカーブの曲率半径であ
る。
【0051】fp(x,y)はレンズ裏面17の球面か
らのZ方向の変位を表すオリジナル累進屈折面21の関
数であり、乱視度数を伴わない所定の視力補正特性を発
揮するように眼鏡着用者に適した式に設定される。この
関数fp(x,y)については例えば、特開平03−4
6616号公報、特公昭47−9626号公報、あるい
は特公平06−80447号公報等に記載されている
が、この実施形態では詳しい説明を省略する。
【0052】従って、球面に対し前記オリジナル累進屈
折面21を合成した屈折面の形状(サグ量Z)は、以下
の式(a)で求められる。 Z=r−√(r2 −x2 −y2 )+fp(x,y)・・・(a) (1−2)オリジナル遠用乱視矯正屈折面22を求める
第2行程 このオリジナル遠用乱視矯正屈折面22は眼鏡着用者の
測定乱視度数に基づいて、遠用領域、近用領域及び累進
領域が所定の遠用乱視矯正特性を発揮することのみを目
的として求められるものである。(図4のステップST
2参照)一般に、乱視(矯正屈折)面を表す方法とし
て、トーリック面を用いる。屈折面22を形成するトー
リック面は図1に示すように曲率半径r2の円弧(母
円)の中心Cを通らない直線y−y′を軸として回転さ
せたときにできる曲面で、「タイヤ型」と「タル型」の
二種類がある。
【0053】前記曲率半径r1とr2を主曲率半径と呼
び、一方が最大の値で他方が最小の値をとる。この主曲
率半径r1,r2による主経面の面屈折力は最強度と最
弱度の度数となり、その差が乱視度数である。乱視の矯
正用レンズの場合、度数(パワー)が方向別に異なり、
最小パワーはS度数で最大パワーは(S+C)度数とな
る。なお、レンズの平均度数は簡易的に「S+C/2」
で表される。
【0054】トーリック面である前記オリジナル遠用乱
視矯正屈折面22の座標は主曲率半径をr1,r2とす
ると、以下の関数で表される。 ftf(x,y)=r1−√[〔r1−r2+√(r22 −y2 )〕2 −x2 ] ・・・(b) 上記式(b)において、主曲率半径r1,r2の最大、
最小関係が入れ替わると、トーリック面は「タイヤ型」
と「タル型」との間で入れ替わる。
【0055】乱視面の表現にはトーリック面以外の方法
として、トーリック面に非球面の考え方を応用した「非
トーリック面」や、特願平8−518047号公報に開
示された乱視面の座標を表す式がある。この式では、曲
率をCx=1/r1、Cy=1/r2とし、前記屈折面
22の座標を、次式(c)で表している。
【0056】 ftf(x,y)=(Cx・x2 +Cy・y2 )/〔1+√(1−Cx2 ・x2 +Cy2 ・y2 )〕・・・(c) (1−3)前記オリジナル近用乱視矯正屈折面23を求
める第3の行程 近用乱視矯正屈折面23は、前述した遠用乱視の場合と
同様にトーリック面の座標ftn(x,y)で表され、
トーリック面の最大曲率半径をr1′、最小曲率半径を
r2′とすると、前記座標ftn(x,y)は、 ftn(x,y)=r1′−√{〔r1′−r2′+√(r2′2 −y2 )〕2 −x2 }・・・(b′) 上式(b′)により求められる。(図4のステップST
3参照)近用乱視矯正屈折面23の形状は、トーリック
面の座標ftn(x,y)で表され、トーリック面の曲
率をCx=1/r1′、Cy=1/r2′とすると、 ftn(x,y)=(Cx・x2 +Cy・y2 )/〔1+√(1−Cx2 ・x2 +Cy2 ・y2 )〕・・・(c′) 上式(c′)により設定することができる。 (1−4)オリジナル累進屈折面21とオリジナル遠用
乱視矯正屈折面22の合成 両屈折面21,22の合成は座標の加減算を意味し、第
1合成屈折面S1の座標は、 S1=fp(x,y)+ftf(x,y) ・・・(d) 上式(d)により求められる。
【0057】前述した(1−1)の式(a)及び(1−
2)の式(b)から明らかなように、第1合成屈折面S
1は次式(e)により求められる。(図4のステップS
T4参照) S1=fp(x,y)+r1−√[(r1−r2+√(r22 −y2 ))2 − x2]…(e) 前述した式(e)は互いに直交する乱視軸(主経面)が
x軸とy軸に一致したときに適用されるものであり、正
乱視の場合を示す。乱視者の何割かは斜乱視であり、主
経面(主曲率半径r1,r2)の方向が斜めになってい
るレンズを必要とする。この場合には、x,y軸に対す
る乱視軸の傾斜角度をθとして、x,yの座標変換を行
う。
【0058】 x′=x・cosθ−y・sinθ y′=x・sinθ+y・cosθ 遠用乱視矯正屈折面22の式ftf(x,y)は、変換
後のx′,y′座標を代入すれば良く、第1合成屈折面
S1′は、次式(f)で求められる。
【0059】 S1′=fp(x,y)+ftf(x′,y′) =fp(x,y)+r1 −√[(r1−r2+√(r22 −y′2 ))2 −x′2]…(f) なお、前述した式(c)を用いて遠用乱視矯正屈折面2
2とオリジナル累進屈折面21の合成を行う場合も前述
した式(d)(e)(f)と同様である。 (1−5)前記第1合成屈折面S1又はS1′に対し測
定近用乱視度数のうちの目標水平度数を設定して第2合
成屈折面S2又はS2′を求める第1漸近行程(図4の
ステップST5参照)。
【0060】第1合成屈折面S1′を構成するオリジナ
ル累進屈折面21の近用領域の度数を変更することによ
り目標とする近用水平度数を以下に述べるように新たに
設定することができる。
【0061】ところで、遠用領域では、屈折面の座標を
合成するだけで容易に目標の度数を出すことができ、遠
用領域上方や側方の度数が正確に「累進屈折面+乱視矯
正屈折面」になっていなくても、大きな問題はない。し
かし、二つの屈折面を単純に合成する方法においては、
近用領域の水平度数が目標の水平度数からずれてしまう
ので、それを正確に出すため第1漸近行程をとってい
る。
【0062】この第1漸近行程では、まず、前述した単
純合成された第1合成屈折面S1′における近用度数を
計算する。この計算は単純な合成面のカーブを求めるシ
ミュレーション計算でもよく、実際に眼に入射する光線
のシミュレーション計算でもよい。眼鏡着用者の検眼方
法として普通の球面レンズを使用する方法を想定すれ
ば、前者の方が望ましい。検眼に用いた球面レンズは、
単純な表と裏の面カーブの差によって度数が出ているか
らである。
【0063】前述のように求めた第1合成屈折面S1′
の近用水平度数と、目標とする近用水平度数、つまり実
際に設定したい近用水平度数の差を一致させて第2合成
屈折面S2′を求める第1漸近行程が次のように行われ
る。
【0064】この第1漸近行程には、第1合成屈折面S
1′の式(f)において、オリジナル累進屈折面21を
表す関数fp(x、y)に第1補正係数k1を乗ずる次
式(g′)が用いられる。
【0065】 S2′=k1・fp(x,y)+ftf(x′,y′) =k1・fp(x,y)+r1 −√[(r1−r2+√(r22 −y′2 ))2 −x′2]…(g′) なお、この項において正乱視における第2合成屈折面S
2は、以下の式で表される。
【0066】 S2=k1・fp(x,y)+ftf(x,y) =k1・fp(x,y)+r1 −√[(r1−r2+√(r22 −y2 ))2 −x2]…(g) 上記式(g)又は前記式(g′)の計算は一回の行程で
は目標とする近用水平度数にならないので、前記第1補
正係数k1を段階的に変化させるシミュレーションをし
て、目標の近用水平度数とのズレを求める。これを繰り
返して目標の近用水平度数に近づけていく。最初は、こ
の第1補正係数k1=1と考え、それを1よりも大きく
したり小さくしたりして近用領域の水平度数を目標近用
水平度数に近づける。
【0067】この第1漸近行程において、k1・fp
(x,y)により設定された水平度数矯正屈折面24H
は、前述したように図1に仮想表示されている。第1漸
近行程において、水平度数のみを変化させることはでき
ず、垂直方向の度数も第1補正係数k1に応じて変化す
る。この垂直度数の変化量Δd(dpt)は第1補正係
数k1が確定すれば、k1・fp(x,y)から求めら
れるので、この変化量Δd及び測定近用乱視度数のうち
の垂直度数に基づいて、次に述べる仮の垂直度数矯正屈
折面24V′が設定される。(ステップST6参照) (2−1)仮の垂直度数矯正屈折面24V′の設定行程
(図4のステップST6参照) ここで、仮の矯正屈折面24V′を設定する理由につい
て説明すると、前述した変化量Δd{k1・fp(x,
y)から求められる}及び測定近用乱視度数のうちの垂
直度数が明らかであるので、それらに基づいて目標垂直
度数となる垂直度数矯正屈折面24Vが一回の設定作業
で理論的には設定できる筈である。しかし、実際には目
標垂直度数とならないことが多いので、仮の垂直度数矯
正屈折面24V′を設定する。
【0068】仮の垂直度数矯正屈折面24V′を表す関
数fv(y)′は、x軸方向の座標に無関係でyのみに
影響される関数である。関数fv(y)′は遠用領域の
fvf(y)′、累進領域のfvm(y)′、近用領域
のfvn(y)′の3式に分けられる。y座標の値によ
って遠・中・近を判定する。例えば、「y>2(幾何中
心から2mm上)の領域を遠用領域」、「y<−12
(幾何中心から12mm下)の領域を近用領域」と設定
している。遠用度数測定位置が幾何中心O1よりも8m
m上ならば、境界は3mm±2mmが望ましい。5mm
よりも大きく設定すると、遠用度数測定位置で度数の誤
差を発生する。逆に1mmよりも小さい値や負の値に設
定すると、垂直度数矯正屈折面24V′の遠用領域から
近用領域にかけての変形、つまりうねりが急激になって
しまう。
【0069】遠用領域から近用領域の累進領域にかけて
の形状変化は、スプライン関数で表現される。ここでは
「遠用領域fvf(y)′・平面=一次式」、「累進領
域fvm(y)′・3次式」、及び「近用領域fvn
(y)′・2次式」が滑らかにつながっているような関
数が必要となる。「滑らかにつながる」とは、形状的に
つながっている他に折れ曲がらないこと、カーブ(曲
率)が不連続に変化しないことを意味する。カーブが不
連続に変化すると、ある点の度数が不連続に変化する。
【0070】スプライン関数の特性を利用して遠用領域
と近用領域を滑らかに接続するが、このスプライン関数
の簡単な例として「切断べき関数」を例示する。「切断
べき関数」とは、以下に例示するようにべき乗で表現さ
れた別々の多項式に設定したものである。
【0071】遠用領域の関数fvf(y)′は、遠用領
域のカーブ又は度数に影響を与えないために、x座標の
値が定数で、y座標の値によらず fvf(y)′=h・y+i=定数 上記の一次式で表される平面24Va′とする。この実
施形態では説明を簡略化するために、上式において、
h,iを0として、 fvf(y)′=0・・・(h′) とする。
【0072】累進領域の関数fvm(y)′の最も簡単
な表現方法は三次式である。即ち、x軸方向の座標値を
定数とし、y軸方向に関するz軸方向の座標値が前記平
面24Va′と次に述べる曲面24Vb′とを滑らかに
接続する曲面24Vc′を表す三次関数式(i′)とな
る。
【0073】 fvm(y)′=a・y3 +b・y2 +c・y+d・・・(i′) 近用領域の関数fvn(y)′の最も簡単な表現方法は
二次式である。即ち、x軸方向の座標値を定数とし、y
軸方向に関するz軸方向の座標値が目標度数に仮に設定
された曲面24Vb′を表す次式(j′)である。
【0074】 fvn(y)′=e・y2 +f・y+g・・・(j′) ところで、累進領域の形状にとって肝要なことは、遠用
領域から累進領域にかけて垂直度数が不連続に変化しな
いことである。
【0075】以下に、この条件を列記する。 ・面の度数(=カーブ)は面形状のyによる2階微分値
に比例し、換言すれば「2階微分値が不連続でない(連
続である)」ということになる。
【0076】・遠用領域ではfvf(y)′=0のた
め、これをyで2階微分した値もfvf”(y)′=0
である。 ・累進領域の関数fvm(y)′もy=2のときは同様
に2階微分値もfvm”(2)′=0である。
【0077】・屈折面は滑らかに変化しなければならな
いので、1階微分値もfvm’(2)′=0である。
又、形状そのものが不連続になってはならないので、f
vm(2)′=0である。
【0078】・近用領域の入口、つまりyの値が−12
のとき、累進領域の関数fvm(y)′の2階微分値f
vm”(−12)′を目標値に設定するためには、近用
領域の関数fvn(y)′の2階微分値fvn”(−1
2)′が、前記2階微分値fvm”(−12)′と等し
くなるようにする必要がある。
【0079】なお、y=−12としたのは、近用度数測
定位置を幾何中心O1の12mm下に想定したためであ
る。又、垂直方向の度数のズレからと、「もとの曲率」
から「あるべき曲率」を決定する。その後に「もとの曲
率」と「あるべき曲率」の値をもとに、2階微分値の目
標値を決定することができる。
【0080】・近用領域の入り口では、fvm’(−1
2)′=fvn’(−12)′、fvm(−12)′=
fvn(−12)′という条件も成立する必要がある。 ・前述した近用領域の関数fvn(y)′における2次
係数eに関して、 e≒0.5×度数変化量/(素材屈折率−1) という近似式が成り立つ。
【0081】この近似式の度数変化量は、dpt(=m
-1)単位である。他の式ではmmを用いている関係で単
位を揃えて、 e≒0.5×度数変化量×0.001/(素材屈折率−
1) とする。
【0082】以上の各条件を満たすようにして、前記関
数(h′)、(i′)及び(j′)に基づいて仮の垂直
度数矯正屈折面24V′を設定することができる。前述
した関数fvm(y)′、fvn(y)′の式
(i′)、(j′)における各係数a,b,c,d,
e,f,gの設定は例えば以下のように行われる。
【0083】垂直度数の変化量Δd=0.03dpt、
素材屈折率=1.500とすると、前述した近似式、 e≒0.5×度数変化量×0.001/(素材屈折率−
1) から、eは次のように求められる。
【0084】e≒0.5×0.03×0.001×
(1.5−1.0)≒0.0000075 又、累進領域を規定する第1水平線L1、第2水平線L
2のy座標の値を、2mm、−12mmとすると、前述
したfvm(y)′を表す(i′)、fvn(y)′を
表す(j′)式から以下の各等式が成立する。なお、符
号「’」は一階微分値、「”」は二階微分値を表す。
【0085】 fvm (2)′=0→8a+4b+2c+d=0 fvm’(2)′=0→12a+4b+c=0 fvm”(2)′=0→12a+2b=0 fvm (-12 )′=fvn (-12 )′ →-1728a+144b-12c+d =144e-12f+g fvm'(-12 )=fvn '(-12 ) →432a-24b+c=-24e+f fvm”(-12 )=fvn”(-12 ) →−72a+2b=2e これらの式から、a,b,c,d,f,gを求めると、
以下のようになる。
【0086】 a=−0.0000001786 b=0.0000010714 c=−0.0000021429 d=0.0000014286 f=0.0000750000 g=0.0003100000 なお、このようにして設定された仮の垂直度数矯正屈折
面24V′を表す式も完全ではないことは、前述した通
りである。実際にはシミュレーションによる漸近補正を
次項(2−2)のように行ってより正確な垂直度数矯正
屈折面24Vを設定する。 (2−2)仮の垂直度数矯正屈折面24V′に基づいて
目標とする垂直度数矯正屈折面24Vを設定する第2漸
近行程(図4のステップST7参照) 前述したステップST6において計算により求めた三次
関数fvm(y)′及び二次関数fvn(y)′を用い
ても、前記垂直度数の変化量Δd(例えば0.03dp
t)は必ずしも完全に補正できない。このため、前述し
た三次関数fvm(y)′及び二次関数fvn(y)′
に第2補正係数k2を乗じた次式(i)、(j)により
補正が行われる。
【0087】 fvm(y)=k2・fvm(y)′ =k2(a・y3 +b・y2 +c・y+d)…(i) fvn(y)=k2・fvn(y)′ =k2(e・y2 +f・y+g)…(j) 上記式(i)又は(j)の計算は一回の行程では目標と
する近用垂直度数にならないので、第2補正係数k2を
段階的に変化させるシミュレーションをして、目標の近
用垂直度数とのズレを求める。これを繰り返して目標の
近用垂直度数に近づけていく。最初は、この第2補正係
数k2=1と考え、それを1よりも大きくしたり小さく
したりして近用領域の垂直度数を目標近用垂直度数に近
づける。 (2−3)最終合成屈折面Seの合成(図4のステップ
ST8参照) 以上のようにして設定された垂直度数矯正屈折面24V
の形状を表す切断べき関数fvf(y)、fvm
(y)、fvn(y)を、前述した第2合成屈折面S
2′に合成することにより、最終合成屈折面Seを次式
(k)により求める。
【0088】 Se=S2′+fv(y)=S2′+〔fvf(y)、fvm(y)、fvn (y)〕 ・・・(k) (2−4)レンズ母材の加工工程(図4のステップST
9参照) 図4のステップST9において、最終合成屈折面Seに
基づいてレンズ母材11aの裏面の球面の加工を行うこ
とにより累進焦点レンズが製造される。
【0089】上記のレンズ母材11aの裏面の加工は、
レンズ加工装置における数値制御装置の記録媒体に予め
記録した最終合成屈折面Seの座標データにより加工刃
が自動制御されることにより行われる。 (3)遠用領域は正乱視で、近用領域の乱視軸が傾斜し
た斜乱視の場合における最終合成屈折面Se′を求める
行程について 前述した(2−1)〜(2−4)項では、遠用領域が斜
乱視で、近用領域が正乱視の場合について説明したが、
(3)項ではそれが逆の場合である。 (3−1)第1方法(図5〜図7参照) 近用領域の最終合成屈折面Se′の度数は、次のa〜d
の要素を合成したものである。
【0090】a 遠用領域の乱視度数 b 第1漸近行程に用いたk1・fp(x,y)により
設定された加入度 c 垂直特殊乱視面 d 斜め特殊乱視面 上記のうち、aは遠用乱視度数によって決定される。b
〜dの三要素を度数加算要素と定義し、この度数加算要
素を、一般的な乱視度数(S度数とC度数の組み合わ
せ)として決定するための方法を以下に説明する。
【0091】図5に示すように、遠用度数の球面要素と
してのS度数をDfb、球面要素と円筒要素を合成した
S+C度数をDfcとすると、DfbとDfcの方向は
直交する。近用度数のS度数をDnb、S+C度数をD
ncとすると、DnbとDncの方向も直交する。度数
加算要素のS度数をDxb、S+C度数をDxcとする
と、DxbとDxcの方向も直交する。
【0092】次に、前述したS+C度数を、「球面要素
+円筒要素」に分解する。遠用の円筒要素をDf1とす
ると、 Dfc=Dfb+Df1 となる。
【0093】又、度数加算要素の円筒要素をDx1とす
ると、 Dxc=Dxb+Dx1 となる。
【0094】さらに、遠用度数に度数加算要素を加えた
度数は、球面要素(Dfb+Dxb)に、円筒要素(D
f1+Dx1)を加えたものである。一般に、球面要素
の合成(Dfb+Dxb)は単純な度数の足し算で求め
られ、「球面要素+円筒要素」の合成も容易である。円
筒面の軸方向は「球面度数+円筒度数」の足し算で求め
られる。円筒面の軸と垂直な方向は、球面度数と同じ度
数である。
【0095】しかし、円筒要素同士の合成(Df1+D
x1)はやや複雑なので、以下に一般的な方法を示す。
図6に示すように、屈折力D1 の第1円筒面Aの軸と屈
折力D2 の第2円筒面Bの軸とが任意の角γをなしてい
るときに、これを両円筒面A,Bの軸が90度をなして
いる1枚のレンズに換算することができる。但し、この
場合に第1円筒面Aの屈折力をD1 ′、第2円筒面Bの
屈折力をD2 ′とし、又、D1 ′の第1円筒面Aの軸
と、D1 の第2円筒面Bの軸とのなす角をαとする。す
ると、合成面におけるD1 ′,D2 ′,αは次の四つの
式から計算することができる。なお、下記の一番目の式
は「R」を定義したものである。
【0096】 R2 =D12 +D22 +2D1・D2 ・cos2γ D1 ′=(D1 +D2 +R)/2 D2 ′=(D1 +D2 −R)/2 sin2α=D1 ・sin2γ/R この実施形態においては、上記各式を逆用して、目的の
乱視度数を得るためにどのような円筒要素が必要となる
かを計算する。
【0097】次に、度数加算要素の設定方法について説
明する。球面要素の合計Ds1は、 Ds1=Dfb+Dxb で示され、遠用の円筒要素Df1は、 Df1=Dfc−Dfb で示され、度数加算要素の円筒要素Dx1は Dx1=Dxc−Dxb で示され、Df1とDx1のなす角γxとすると、上記
の各式から次の各式が成り立つ。なお、下記の一番目の
式は「R1」を定義したものである。
【0098】 R12 =Df12+Dx12+2Df1・Dx1・cos2γx Dnb =(Df1+Dx1+R1) /2+Ds1 Dnb は近用度数のS度数 Dnc =(Df1+Dx1-R1) /2+Ds1 Dnc は近用度数のS+C度数 sin2α1 =Df1 ・sin2γx /R1 α1はDfb とDnb のなす角であって、 遠用と近用の乱視軸から求める。
【0099】上述の各式を満足するDx1,Dxb,γ
xを求める。次に、図7に基づいて、特殊乱視面の設定
方法について説明する。前述した計算式により求めた度
数加算の要素Dx1,Dxb,γxをさらに分析する。
この実施形態では、これらの度数加算の要素を以下に示
す要素に分解する。
【0100】 ・垂直特殊乱視面の円筒要素 Dv1 ・斜め特殊乱視面の円筒要素 Dl1 ・球面度数として加算する要素 Ds2 又、垂直特殊乱視面と斜め特殊乱視面のなす角度とし
て、γx=45度と定めている。
【0101】γx=45度と定めた理由は、乱視軸が4
5度を越えると、斜め特殊乱視面の影響が遠用領域に影
響する。このため、45度以下が望ましいが、これをあ
まり小さくすると問題である。即ち、γx=1度と仮定
すると、この状態で合成乱視軸を45度にするには、垂
直特殊乱視面と斜め(傾き1度)特殊乱視面の値を、そ
れぞれプラス、マイナスの符号を変えて極めて大きな数
値に設定する必要があり、実際の加工には適さない。
又、円筒面の合成は一種の近似計算であるため、各乱視
の値を極端に大きくすると、近似誤差が大きくなる。従
って、γx=35〜45度の範囲で選択するのが望まし
い。
【0102】さて、α2をDv1とDxcのなす角とす
ると、前述した各要素Dv1、Dl1、Ds2、Dx
b、Dx1などの間には次の各式が成立する。なお、下
記の一番目の式は「R2」を定義したものである。
【0103】R22 =Dv12 + Dl12 Dxb =(Dv1 +Dl1 +R2)/2+Ds2 Dxb は前述した方法で求められている。
【0104】Dxc =(Dv1 +Dl1 −R2)/2+Ds2 Dxc =Dxb+Dx1 で、Dx1 は前述した方法で求められてい
る。 sin2α2 =Dv1 /R2 α2(=γx)は度数加算要素の傾き角で既知である。
【0105】これらの式を満足するように図7に示され
た垂直特殊乱視面のDv1、斜め特殊乱視面のDl1、
球面度数として加算する要素Ds2を求めることができ
る。以上のようにして、近用領域における度数加算要素
が設定され、最終合成屈折面Se′を設定することがで
きる。即ち、Se′=係数k1倍した累進面+遠用乱視
面+垂直特殊乱視面+斜め特殊乱視面なお、最終合成屈
折面Se′は、近似的に求めた値である。実際は、この
ようにして計算された合成面Se′を元にシミュレーシ
ョンを行い、近用の発現度数を計算する。その度数と、
目標とする近用度数の差を0に近づけるべくさらに別の
合成要素を求め、特殊乱視面を更新する。これはフィー
ドバック計算であり、累進面の式に乗ずる第1補正係数
k1を漸次変更して加入度を目標に近づける漸近方法と
同様である。 (3−2)第2方法(図5、6及び図8〜10参照) この第2方法により得られる近用領域の最終合成屈折面
Se″は、次のa,b,cの要素を合成したものであ
る。
【0106】a 遠用領域の乱視度数 b 第1漸近行程に用いたk1・fp(x,y)により
設定された加入度 c 斜め特殊乱視面 上記のうち、aは遠用乱視度数によって決定される。
b,cの二要素を度数加算要素と定義し、この度数加算
要素を、一般的な乱視度数(S度数とC度数の組み合わ
せ)として決定するための方法を以下に説明する。
【0107】図5及び図6を参照して展開された第1方
法におけるDx1,Dxb,γxを求めるための理論
は、第2方法においても同様であるため、説明を省略す
る。そこで、図8〜10に基づいて、特殊乱視面の設定
方法について説明する。
【0108】前述した計算式により求めた度数加算要素
は、斜め特殊乱視面と球面度数からなっている。球面度
数Dxbは、オリジナル累進屈折面によってもたらされ
る加入度である。オリジナル累進面による加入度を目標
とする値に設定するには、累進面屈折面を表す関数fp
(x,y)に乗ずる第1補正係数k1を調整すればよ
い。
【0109】図8に示すように、 度数加算要素=斜め特殊乱視面+球面度数 とした場合には、斜め特殊乱視面は、円筒屈折力Dx
l、傾き角度γxとして設定される。
【0110】以上のようにして、近用領域における度数
加算要素が設定され、最終合成屈折面Se″を設定する
ことができる。即ち、 Se″=第1補正係数k1倍した累進面+遠用乱視面+
斜め特殊乱視面 ここで、乱視軸が図8に示すように大きく傾斜しない場
合には、それほど問題はない。しかし、図9に示すよう
に、乱視軸が45度を越えると、斜め特殊乱視面の影響
が遠用領域に影響する。これを解決するため図10に示
すように円筒面の軸を入れ換えると遠用領域への影響を
低減することができる。
【0111】なお、最終合成屈折面Se″も、近似的に
求めた値である。実際は、このようにして計算された合
成屈折面Se″を元にシミュレーションを行い、近用の
発現度数を計算する。その度数と、目標とする近用度数
の差を0に近づけるべく、さらに別の合成要素を求め、
特殊乱視面を更新する。これはフィードバック計算であ
り、累進面の式に乗ずる第1補正係数を漸次変更して加
入度を目標に近づける第1漸近行程と同様である。
【0112】上記の漸近方法に代えて、特殊乱視面を例
えば初回の合成で乱視軸が充分目標に近づかなければ、
特殊乱視面をさらに傾ける等の設定をして合成する方法
も考えられる。この方法は合成が一回で済むのでよい。
又、初回の合成で乱視値が充分目標に近づかなければ、
特殊乱視面の乱視の大きさを変更して、漸近法により目
標に近づけていくようにしてもよい。
【0113】この第2方法により得られる近用領域の最
終合成屈折面Se″は、乱視軸を入れ換えると、度数加
算要素の球面度数成分が増加し、オリジナル累進屈折面
に乗ずる第1補正係数k1が増加し、面全体の非点収差
や歪曲の点で不利となる。しかし、第1方法よりも行程
が簡便である。 (4)遠用PDと近用PDを独立して設定する方法につ
いて ところで、累進焦点レンズを用いた眼鏡は、遠用領域を
使用して遠くを適正に見ることができるように、測定さ
れた左右の眼球の中心の距離(PD;頂間距離)に合わ
せて図2に示すレンズの遠用中心O2,O2の距離、つ
まり遠用PDが設定される。そして、読書等において近
用領域を使用して近くを適正に見ることができるよう
に、近用中心O3,O3の距離、つまり近用PDが前記
遠用PDよりも所定距離だけ短く設定される。
【0114】図2に示すように、左右のレンズ11,1
1の遠用PDは、測定された左右の眼球中心の距離と同
じに設定される。又、近用PDは眼鏡着用者によって異
なる。これは図11に示すように、近点Wと眼球との間
の距離が個々の眼鏡着用者によって異なるためである。
従って、遠用PDに無関係に近用PDを自由に設定する
のが望ましく、この最も簡単な方法は、図12に示すよ
うに遠用中心O2を中心として累進面を回転させること
である。即ち、 x′=x・cosθ−y・sinθ y′=x・sinθ+y・cosθ という座標変換をして、累進面を表す式をfp(x′,
y′)で計算すれば良い。この方法によると、回転によ
って近用度数測定位置が左右だけでなく、上下にも動い
てしまう。しかし、上下動はわずかなので無視するか累
進面にかける第1補正係数k1で調整する。例えば、近
用の眼球中心(EP)が上方に移動することは、加入の
入り方が大きくなることに相当するので第1補正係数k
1を小さくして調整する。
【0115】上記の回転法では非点収差や歪曲の分布も
回転してしまうので、図13に示すように、累進領域と
近用領域の累進面の座標だけを水平方向にスライドさせ
る方法が考えられる。このためには累進領域と近用領域
においてx座標の適当な変換を行う。
【0116】x′=x+Δx(y) 上式は水平方向のズレを表すが、方法はいろいろ考えら
れる。厳密な面の連続性を考慮すると、遠用領域と累進
領域の境界、及び累進領域と近用領域の境界において1
階微分値が連続的に変化するような方式が望ましい。こ
れは、垂直度数矯正屈折面24Vを生成する際に連続性
について考慮した理論と同様である。
【0117】Δx(y)とは、yの値によってΔxの値
を定める関数である。この関数の最も単純な形態は1次
式である。ただし、1次式では「遠用領域と累進領域の
境界」及び「累進領域と近用領域の境界」において変化
の仕方が不連続になる(折れ曲がる)。連続的に変位さ
せるには、それぞれの境界において徐々に変位量を変化
させればよい。この方法としてスプライン関数(その中
で最も簡単なものが切断べき関数)がある。具体的な例
として、ここでは、さらに単純な方法を示す。
【0118】累進領域の長さを15mmとし、この15
mmの間に1mmスライドさせる方法をとる。 Δx(y)=a・y3 +b・y2 +c・y+d 上式の係数a,b,c,dを求めれば良い。
【0119】Δx( 0)=0 遠用領域と累進領
域の境界で変位が0mm Δx(15)=1 累進領域と近用領域の境界で変
位が1mm Δx′( 0)=0 用領域と累進領域の境界で傾
きが0 Δx′(15)=0 累進領域と近用領域の境界で
傾きが0 よりd=0、よりc=0、とよりa=2/15
3 、b=−1/152 となる。
【0120】以上詳述したように本実施形態によれば、
次のような作用、効果を得ることができる。 (1)前記実施形態では、遠用領域の乱視度数と近用領
域の乱視度数を眼鏡着用者の測定遠用乱視度数と測定近
用乱視度数に基づいて個別に設定したので、近用視にお
ける乱視の矯正を適正に行い、疲労を低減することがで
きる。
【0121】(2)前記実施形態では、近用乱視矯正屈
折面23をX軸方向成分とy軸方向成分に分割して設定
したので、両方向の度数をそれぞれ単独で目標度数に適
正に設定することができる。
【0122】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・物体側のレンズ表面を累進屈折面と、遠用及び近用の
乱視矯正屈折面の合成屈折面とし、眼球側のレンズ裏面
を球面としてもよい。
【0123】・物体側のレンズ表面を累進屈折面又は遠
用及び近用の乱視矯正屈折面とし、眼球側のレンズ裏面
を遠用及び近用の乱視矯正屈折面又は累進屈折面として
もよい。
【0124】・前記遠用及び近用の乱視矯正屈折面を、
測定遠用乱視度数に基づいて設定された遠用乱視矯正屈
折面と、測定近用乱視度数に基づいて設定された近用乱
視矯正屈折面とを合成した合成屈折面としてもよい。
【0125】・前記遠用乱視矯正屈折面を、測定遠用乱
視度数に基づいてレンズ裏面の遠用領域、累進領域及び
近用領域のうち少なくとも遠用領域を対象として設定
し、近用乱視矯正屈折面を、測定近用乱視度数に基づい
て近用領域、累進領域及び遠用領域のうち少なくとも近
用領域を対象として設定してもよい。
【0126】・前記近用乱視矯正屈折面を、最強主経面
と最弱主経面とに分けてそれぞれ目標度数に設定された
二つの屈折面を合成して形成するようにしてもよい。以
下、この発明の実施例1,2,3を説明する。なお、実
施例1,2,3では、レンズの表面を累進面とし、裏面
を乱視面としている。
【0127】
【実施例1】この実施例1においては、四人の眼鏡着用
者(A,B,C,D)の右(R)眼と左(L)眼におけ
る遠用乱視、近用乱視及び遠近PDの臨床データを上げ
る。表1を用いて実施例1を説明する。
【0128】
【表1】 表1の眼鏡着用者AのR眼の例は、遠用度数は75度方
向では+1.50dptとそれを直交する165度方向
では−0.25dpt(S+Cの値)になっている。
又、平均すれば遠視であるが、165度方向は弱い近視
になっていることが分かる。近用度数は75度方向では
+3.75dpt、165度方向では+2.50dpt
である。このように、遠用と近用の乱視をそれぞれ検査
すると、C度数の値と軸に差があることがわかる。本願
発明の技術的思想を利用すれば、この差に対応すること
ができる。
【0129】なお、左右眼の近用S度数あるいは平均度
数の差に対応することもできる。以下に、その考え方を
示す。左右眼の近用度数は、着用者によって一致するこ
ともあれば異なることもある。しかし、従来の累進レン
ズの処方では、多くの場合左右眼の加入度を等しく設定
している。実際に必要な加入度が左右で若干異なること
が珍しくないが、遠用から近用にかけて左右の像倍率変
化が異なると物が見にくいので、殆どの場合左右で加入
度を同じに設定している。
【0130】表1の着用者AのR眼では、遠用平均度数
+0.625、近用平均度数+3.125であるから、
加入は2.500dptである。
【0131】同じ着用者AのL眼では、遠用平均度数+
0.250、近用平均度数+2.875であるから、加
入は2.625dptである。左右で加入度に差がある
ので、本願発明の技術的思想を応用すると、この差に対
応もできる。しかし、対応の方法は種々考えられるの
で、ここでは、いくつかの例を示す。 (1)平均度数の差はわずかであるため、無視する。 (2)充分な加入を得るために、加入度が大きいほうに
合わせる。R眼の近用はS+3.75ではなく、S+
3.875にする。 (3)加入度が大きいと、揺れ・歪みの点で不利なの
で、加入度が小さいほうに合わせる。L眼の近用はS+
3.75ではなく、S+3.625にする。 (4)効き眼に合わせる。
【0132】例えば、右眼が効き眼ならば、(3)と同
じになる。これらの調整は、累進面を表現する関数にか
ける第1補正係数を変化することで実現できる。加入度
を0.25dptステップで累進面をセミ加工していた
レンズの前記累進面を、受注してからさらに加工するの
で、このような細かい調整が可能となる。
【0133】
【実施例2】この実施例2では、加入度を設定する具体
例を示す。これを表2を用いて説明する。
【0134】
【表2】 初期設計においては、遠用度数−0.00dpt、近用
度数+2.00dptになるように設計したレンズの光
学シュミレーションを行う。このとき、レンズの裏面が
4.00のカーブの球面であるとする。素材屈折率が
1.500のとき、4.00カーブは、曲率半径(1.
500−1.000)/4.00=0.125m=12
5mmの球面を意味する。
【0135】なお、度数は以下の公式で計算する。 度数(dpt)=表カーブ/〔1−表カーブ・中心厚
(mm)・0.001/屈折率)−裏カーブ〕 表面が3.97カーブ、裏面が4.00カーブ、中心厚
が3mm、レンズ素材の屈折率が1.500とすると、
度数は−0.00dptになる。中心厚の効果を計算に
入れない簡便式では、表面及び裏面とも4.00カーブ
でレンズの度数が−0.00dptとなる。
【0136】次に、レンズの裏面を単純に2.00カー
ブ浅くする。遠用度数+2.00dpt、近用度数+
4.00dptにするべく設計したレンズの光学シミュ
レーションを行う。ここでレンズ表面は累進面であり、
裏面は2.00カーブの球面である。すると、遠用度数
は+2.00dptにならない。この理由は、図14に
示すように、裏カーブを浅くする関係で中心厚がおよそ
2mm厚くなるためである。レンズの度数は厚さによっ
て変化するので、その結果わずかに度数が+側にシフト
する。計算例では+2.02dptとなった。
【0137】レンズの表面が3.97カーブ、裏面が
2.00カーブ、中心厚が5mm、レンズ素材の屈折率
が1.500とすると、度数は+2.02dptにな
る。このときの近用度数は、光学シミュレーションによ
って計算できる。この計算のためには、近用度数測定点
における表面のカーブ(微視的領域の断面を円に近似し
て、その曲率半径を計算)を求め、その位置でのレンズ
の厚さを求める。かくして、表カーブ・裏カーブ・厚さ
より局部的なレンズの度数を計算する。近用水平度数は
+4.05dptで、近用垂直度数は+4.08dpt
になった。近用領域で+0.03dptの乱視が発生し
た理由は、図15に示すようにレンズ表面と裏面のなす
角が変わったためである。
【0138】次に、遠用度数を調整する方法について説
明する。遠用度数を目標通りに+2.00dptにする
ために、裏面のカーブを深くして2.02カーブにす
る。それに伴って近用の度数は、水平+4.03dp
t、垂直+4.06dptにそれぞれ変化する。このと
きのレンズ中心厚の変化はわずかであるため、度数に影
響はしない。
【0139】次に、加入度を調整する方法について説明
する。オリジナル累進屈折面を表す関数に乗ずる第1補
正係数k1を調整することによって、水平又は垂直の度
数のいずれかをねらい通りに+4.00dptに設定す
ることができる。ここでは水平度数+4.03dptを
ねらい通りの+4.00dptに調整する。初期設計状
態では第1補正係数k1=1.00であると考えれば、
+2.03dpt→+2.00dptに調整するには第
1補正係数k1を0.985(=2.00/2.03)
にすれば良い。その結果、表2に示すように、近用垂直
度数は+4.03dptになった。
【0140】さらに、近用垂直度数を目標の+4.00
dptに調整するには、垂直特殊乱視面を用いて近用領
域の余分な垂直度数をキャンセルすれば良い。なお、こ
のキャンセルの具体例は
【実施例3】における「垂直特殊乱視面の設定」の項か
ら「計算結果」の項に記載している。
【0141】
【実施例3】この実施例3は、遠用・近用共に乱視があ
る場合に近用度数を設定するものである。これを表3を
用いて説明する。
【0142】
【表3】 (1)改善の考え方と実施例3 遠用度数 S+1.00 C+1.00 軸180度(水平+1.00 垂直+2.00 ) 近用度数 S+3.00 C+1.50 軸180度(水平+3.00 垂直+4.50 ) ・初期設計状態 遠用度数−0.00dpt、近用度数+2.00dpt
になるように設計したレンズの光学シミュレーション このときの裏カーブを4.00カーブとする。
【0143】表カーブは3.97カーブである。 ・裏面をトーリック面にする。水平方向を単純に+1.
00dpt浅くして、3.00カーブにする。
【0144】垂直方向を単純に+2.00dpt浅くし
て、2.00カーブにする。このとき、レンズの中心厚
が3mmから5mmに増す。 度数(dpt)=表カーブ/(1/表カーブ・中心厚
(mm)・0.001/屈折率)−裏カーブ 上記の公式から遠用度数は、水平方向 +1.02dp
t になる。
【0145】垂直方向 +2.02dpt になる。光
学シミュレーションから近用度数は、水平方向 +3.
04dpt になる。
【0146】垂直方向 +4.08dpt になる。 ・遠用度数を調整 遠用水平度数を目標通りに+1.00dptにするため
に、裏面のカーブを深くして3.02カーブにする。
【0147】遠用垂直度数を目標通りに+2.00dp
tにするために、裏面のカーブを深くして2.02カー
ブにする。これにともなって近用度数は、水平方向 +
3.02dpt になる。
【0148】垂直方向 +4.06dpt になる。 ・加入を調整 累進面を表す関数に乗ずる第1補正係数k1を調整す
る。
【0149】近用水平度数を+3.00dptに調整す
ると、近用垂直度数は+4.04dptになる。 ・垂直特殊乱視面の設定 さらに、近用垂直度数を+4.50dptに調整するた
めに、垂直特殊乱視面を用いて近用領域の余分な垂直度
数をキャンセルする。以下、垂直特殊乱視面の具体的な
計算例を提示する。 ・遠用、累進、近用の式 遠用領域 fvf(y)′=0 累進領域 fvm(y)′=a・y3 +b・y2 +c・
y+d 近用領域 fvn(y)′=e・y2 +f・y+g ・条件 fvf”=0 fvm”(2)′=0 fvm’(2)′=0 fvm(2)′=0 fvm”(−12)′=fvn”(−12)′ fvm’(−12)′=fvn’(−12)′ fvm(−12)′=fvn(−12)′ e=0.5・度数変化量×0.001/(素材屈折率−
1) ・代入した式 fvm(2)′=0→8a+4b+2c+d=0 fvm’(2)′=0→12a+4b+c=0 fvm”(2)′=0→12a+2b=0 fvm (-12 )′=fvn (-12 )′→-1728a+144b-12c+d
=144e-12f+g fvm'(-12 )′=fvn ' (-12 )′→432a-24b+c=-24e
+f fvm"(-12 )′=fvn"(-12 )′→−72a+2b=2
e ・計算結果 e=0.5×0.46×0.001×(1.5−1.
0)=0.0001150000 a=−0.0000027381 b= 0.0000164286 c=−0.0000328571 d= 0.0000219048 f= 0.0011500000 g= 0.0047533333 なお、レンズの光学シュミレーションを行った結果に基
づいて、フィードバックを行う動作を繰り返して第2補
正係数k2の最終的な値を設定する。
【0150】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。請求項1〜15に記載
の眼鏡用累進焦点レンズの発明によれば、近用視におけ
る乱視の矯正を適正に行い、疲労を低減することができ
る。
【0151】請求項2に記載の発明は、合成屈折面の加
工がレンズ裏面のみで済み、加工を容易に行うことがで
きる。請求項3に記載の発明は、合成屈折面の加工がレ
ンズ表面のみで済み、加工を容易に行うことができる。
【0152】請求項4に記載の発明は、表面又は裏面に
累進屈折面を予め加工したレンズを用意しておくことに
より、遠用及び近用の乱視矯正面を後加工により容易に
形成することができる。
【0153】請求項5に記載の発明は、遠用と近用の乱
視矯正屈折面が合成されているので、レンズの加工を容
易に行うことができる。請求項7に記載の発明は、近用
乱視矯正屈折面の設定を容易に行うことができる。
【0154】請求項8に記載の発明は、累進屈折面の形
状を表す関数を利用して近用乱視の目標水平度数の設定
を適正に行うことができる。請求項9に記載の発明は、
垂直度数矯正屈折面の関数により垂直度数の設定を容易
に行うことができる。
【0155】請求項10に記載の発明は、遠用及び近用
の乱視矯正を適正に行うことができる。請求項11に記
載の発明は、遠用及び近用の乱視矯正屈折面の形状の設
定をトーリック面の座標式を用いて適正に行うことがで
きる。
【0156】請求項12に記載の発明は、遠用及び近用
の乱視矯正屈折面の形状の設定を座標を表す関数を用い
て適正に行うことができる。請求項13に記載の発明
は、近用乱視の垂直度数矯正屈折面の形状の設定を関数
を用いて適正に行うことができる。
【0157】請求項14に記載の発明は、第2漸近行程
を行うことにより、最終的に目標垂直度数となる近用乱
視の垂直度数矯正屈折面の形状を適正に設定することが
できる。
【0158】請求項15に記載の発明は、斜め特殊乱視
面により近用乱視矯正屈折面の近用度数の設定を適正に
行うことができる。請求項16に記載の発明は、垂直特
殊乱視面により近用乱視矯正屈折面の近用度数の設定を
適正に行うことができる。
【0159】請求項17〜21に記載の眼鏡用累進焦点
レンズの製造方法の発明によれば、近用視における乱視
の矯正を適正に行い、疲労を低減する眼鏡用累進焦点レ
ンズを容易に製造することができる。
【0160】請求項18に記載の発明は、オリジナル累
進屈折面の形状を表す座標の設定を適正に行うことがで
きる。請求項19に記載の発明は、オリジナル遠用乱視
矯正屈折面及びオリジナル近用乱視矯正屈折面の設定を
適正に行うことができる。
【0161】請求項20に記載の発明は、近用乱視矯正
屈折面を適正に設定することができる。請求項21に記
載の発明は、垂直度数矯正屈折面を適正に設定すること
ができる。
【0162】請求項22に記載の眼鏡用累進焦点レンズ
を備えた眼鏡の発明によれば、近用視における乱視の矯
正を適正に行い、疲労を低減することができる。請求項
23に記載の発明は、遠用PDと近用PDを適正に設定
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の眼鏡用累進焦点レンズの最終合成屈
折面を分解して模式的に示す斜視図。
【図2】左右一対の累進焦点レンズの正面図。
【図3】累進焦点レンズの縦断面図。
【図4】最終合成屈折面を求めるフローチャート。
【図5】近用度数、遠用度数及び度数加算要素の関係を
示す説明図。
【図6】 第1及び第2円筒面の合成方法を示す説明
図。
【図7】 度数加算要素、垂直特殊乱視面、斜め特殊乱
視面及び球面度数の関係を表す説明図。
【図8】 度数加算要素、斜め特殊乱視面及び球面度数
の関係を表す説明図。
【図9】 度数加算要素、斜め特殊乱視面及び球面度数
の関係を表す説明図。
【図10】 度数加算要素、斜め特殊乱視面及び球面度
数の関係を表す説明図。
【図11】 近用PDを示す略体平断面図。
【図12】 近用PDを変更する方法を示すレンズの正
面図。
【図13】 近用PDを変更する方法を示すレンズの正
面図。
【図14】 実施例2における累進焦点レンズの断面
図。
【図15】 実施例2における累進焦点レンズの断面
図。
【図16】 従来の累進焦点レンズの正面図。
【図17】 従来の累進焦点レンズの断面図。
【図18】 乱視の発生する要因を示す説明図。
【符号の説明】
11…眼鏡用累進焦点レンズ、11a…レンズ母材、1
2…主注視線、13…遠用領域、14…近用領域、15
…累進領域、16…物体側のレンズ表面、17…眼球側
のレンズ裏面、21…オリジナル累進屈折面、21a…
遠用屈折面、21b…近用屈折面、21c…累進屈折
面、22…遠用乱視矯正屈折面、23…近用乱視矯正屈
折面、24H…仮想の水平度数矯正屈折面、24V′…
仮の垂直度数矯正屈折面、24V…目標とする垂直度数
矯正屈折面、24Va′…平面、24Vb′,24V
c′…曲面、S1,S1′…第1合成屈折面、S2,S
2′…第2合成屈折面、Se,Se,′Se″…最終合
成屈折面。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折力の相違する遠用領域及び近用領域
    と、両領域間で屈折力が累進的に変化する累進領域を備
    えた眼鏡用累進焦点レンズにおいて、 遠用領域の乱視度数と近用領域の乱視度数を眼鏡着用者
    の測定遠用乱視度数と測定近用乱視度数に基づいて個別
    に設定した眼鏡用累進焦点レンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、物体側のレンズ表面
    が球面であり、眼球側のレンズ裏面が累進屈折面と、遠
    用及び近用の乱視矯正屈折面との合成屈折面である眼鏡
    用累進焦点レンズ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、物体側のレンズ表面
    が累進屈折面と、遠用及び近用の乱視矯正屈折面の合成
    屈折面であり、眼球側のレンズ裏面が球面である眼鏡用
    累進焦点レンズ。
  4. 【請求項4】 請求項1において、物体側のレンズ表面
    が累進屈折面又は遠用及び近用の乱視矯正屈折面であ
    り、眼球側のレンズ裏面が遠用及び近用の乱視矯正屈折
    面又は累進屈折面である眼鏡用累進焦点レンズ。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか一項において、
    前記遠用乱視矯正屈折面は、測定遠用乱視度数に基づい
    て設定され、前記近用乱視矯正屈折面は、測定近用乱視
    度数に基づいて設定され、遠近両乱視矯正屈折面は曲面
    により滑らかに接続されている眼鏡用累進焦点レンズ。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記遠用乱視矯正屈
    折面は測定遠用乱視度数に基づいてレンズ裏面の遠用領
    域、累進領域及び近用領域のうち少なくとも遠用領域を
    対象として設定され、近用乱視矯正屈折面は測定近用乱
    視度数に基づいて近用領域、累進領域及び遠用領域のう
    ち少なくとも近用領域を対象として設定されたものであ
    る眼鏡用累進焦点レンズ。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記近用乱視矯正屈
    折面は最強主経面と最弱主経面とに分けてそれぞれ目標
    度数に設定された二つの屈折面を合成したものである眼
    鏡用累進焦点レンズ。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記最強主経面又は
    最弱主経面のいずれか一方の屈折面は、前記累進屈折面
    (21)の形状を表す関数をfp(x,y)とすると、
    該関数fp(x,y)に第1補正係数(k1)を乗ずる
    ことにより該累進屈折面(21)に対し目標水平度数
    (Dh)となるように設定された仮想の水平度数矯正屈
    折面(24H)である眼鏡用累進焦点レンズ。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記最強主経面又は
    最弱主経面の他方の屈折面は、目標垂直度数(Dv)と
    なるように関数により設定された垂直度数矯正屈折面
    (24V)であって、該屈折面(24V)は、前記仮想
    の水平度数矯正屈折面(24H)の設定の際に変化した
    垂直方向の変化度数(Δd)をキャンセルするように設
    定されている眼鏡用累進焦点レンズ。
  10. 【請求項10】 請求項5又は6において、前記合成乱
    視矯正屈折面は、遠用乱視矯正屈折面の乱視軸の傾斜角
    と、近用乱視矯正屈折面の乱視軸の傾斜角とをそれぞれ
    設定して合成されたものである眼鏡用累進焦点レンズ。
  11. 【請求項11】 請求項5又は6において、前記遠用乱
    視矯正屈折面の形状は、トーリック面の座標ftf
    (x,y)で表され、トーリック面の最大曲率半径をr
    1又はr2、最小曲率半径をr2又はr1とすると、前
    記座標ftf(x,y)は、 ftf(x,y)=r1−√{〔r1−r2+√(r2
    2 −y2 )〕2−x2} 上式により設定されたものであり、 近用乱視矯正屈折面の形状は、トーリック面の座標ft
    n(x,y)で表され、トーリック面の最大曲率半径を
    r1′又はr2′、最小曲率半径をr2′又はr1′と
    すると、前記座標ftn(x,y)は、 ftn(x,y)=r1′−√{〔r1′−r2′+√
    (r2′2 −y2)〕2−x2 } 上式により設定されたものであり、 前記遠用乱視矯正屈折面と近用乱視矯正屈折面とは曲面
    により滑らかに接続されている眼鏡用累進焦点レンズ。
  12. 【請求項12】 請求項5又は6において、前記遠用乱
    視矯正屈折面の形状は、トーリック面の座標ftf
    (x,y)で表され、トーリック面の最大曲率半径をr
    1又はr2、最小曲率半径をr2又はr1、トーリック
    面の曲率をCx=1/r1、Cy=1/r2とすると、 ftf(x,y)=(Cx・x2 +Cy・y2 )/〔1+
    √(1−Cx2 ・x2+Cy2 ・y2 )〕 上式により設定されたものであり、 近用乱視矯正屈折面の形状は、トーリック面の座標ft
    n(x,y)で表され、トーリック面の最大曲率半径を
    r1′又はr2′、最小曲率半径をr2′又はr1′、
    トーリック面の曲率をCx=1/r1′、Cy=1/r
    2′とすると、 ftn(x,y)=(Cx・x2 +Cy・y2 )/〔1+
    √(1−Cx2 ・x2+Cy2 ・y2 )〕 上式により設定されたものであり、 前記遠用乱視矯正屈折面と近用乱視矯正屈折面とは曲面
    により滑らかに接続されている眼鏡用累進焦点レンズ。
  13. 【請求項13】 請求項9において、レンズ裏面の幾何
    中心を通る光軸方向、つまりz軸方向とレンズ裏面の交
    点を頂点位置とし、該頂点位置を通る水平方向をx軸方
    向、垂直方向をy軸方向とすると、前記垂直度数矯正屈
    折面(24V)の形状は、遠用領域ではz軸方向の座標
    値がxによらない一次関数 fvf(y)=h・y+i で表される平面(24Va)と、 近用領域と対応してy軸方向に関するz軸方向の座標値
    が目標度数に設定され、かつxによらない二次関数 fvn(y)=e・y2 +f・y+g で表される曲面(24Vb)と、 累進領域と対応してy軸方向に関するz軸方向の座標値
    が前記平面(24Va)と曲面(24Vb)とを滑らか
    に接続し、かつxによらない三次関数 fvm(y)=a・y3 +b・y2 +c・y+d で表される曲面(24Vc)とにより設定されている眼
    鏡用累進焦点レンズ。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記垂直度数矯
    正屈折面(24V)の形状は、前記仮想の水平度数矯正
    屈折面(24H)の設定の際に変化した垂直方向の変化
    度数(Δd)と近用乱視における目標垂直度数とに基づ
    いて仮の垂直度数矯正屈折面(24V′)を表す関数f
    vf(y)′、fvn(y)′、fvm(y)′を設定
    し、これらの関数に第2補正係数k2を乗ずる第2漸近
    行程を行うことにより、最終的に目標垂直度数となるよ
    うに設定されたものである眼鏡用累進焦点レンズ。
  15. 【請求項15】 請求項6において、前記近用乱視矯正
    屈折面の近用度数は遠用度数に度数加算要素を加算した
    ものとして設定され、この度数加算要素は、累進屈折面
    を表す関数に第1補正係数k1を乗じて設定された加入
    度に対し、斜め特殊乱視面の度数を加算して設定される
    ものであり、該斜め特殊乱視面は斜め横方向の度数が全
    域に亘ってゼロに設定され、前記斜め横方向と直交する
    斜め縦方向の度数が目標度数に設定されたものである眼
    鏡用累進焦点レンズ。
  16. 【請求項16】 請求項15において、前記度数加算要
    素は、さらに垂直特殊乱視面の度数を加算して設定され
    たものであり、該垂直特殊乱視面は水平のx軸方向の度
    数が全域に亘ってゼロに設定され、垂直のy軸方向の度
    数が目標垂直度数に設定されたものである眼鏡用累進焦
    点レンズ。
  17. 【請求項17】 屈折力の相違する遠用領域及び近用領
    域と、両領域間で屈折力が累進的に変化する累進領域を
    備えた眼鏡用累進焦点レンズの製造方法であって、 眼球側のレンズ裏面又は物体側のレンズ表面に予め設定
    された球面に対し、遠用領域及び近用領域における乱視
    度数を伴わない所定の視力補正特性を発揮することのみ
    を目的として設定されたオリジナル累進屈折面とを合成
    する第1行程と、 前記レンズ裏面又はレンズ表面のうち遠用領域が所定の
    乱視矯正特性を発揮することのみを目的としてオリジナ
    ル遠用乱視矯正屈折面を求める第2行程と、 前記レンズ裏面又はレンズ表面のうち近用領域が所定の
    乱視矯正特性を発揮することのみを目的としてオリジナ
    ル近用乱視矯正屈折面を求める第3の行程と、 眼鏡用累進焦点レンズのレンズ裏面又はレンズ表面を、
    前記球面、オリジナル累進屈折面、オリジナル遠用乱視
    矯正屈折面及びオリジナル近用乱視矯正屈折面から合成
    する第4の行程とを有し、前記最終的に合成された合成
    屈折面の座標データに基づいてレンズ加工装置によりレ
    ンズの表面又は裏面を加工することを特徴とする眼鏡用
    累進焦点レンズの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17において、前記第1行程
    は、レンズ表面を所定曲率の球面に設定し、レンズ裏面
    側の球面を表す式fs(x,y)と、該球面の頂点位置
    からオリジナル累進屈折面に至る光軸と平行なz 軸方向
    の距離を表す関数fp(x,y)とを合成したサグ量Z
    を表す次の式により行われ、 Z=fs(x,y)+fp(x,y) レンズ裏面の球面のベースカーブの曲率半径をrとする
    と、前記球面を表す式fs(x,y)は、 fs(x,y)=r−√(r2 −x2 −y2 ) で求められるものである眼鏡用累進焦点レンズの製造方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項18において、前記オリジナル
    遠用乱視矯正屈折面は、トーリック面の座標ftf
    (x,y)で表され、トーリック面の最大曲率半径をr
    1又はr2、最小曲率半径をr2又はr1とすると、前
    記座標ftf(x,y)は、 ftf(x,y)=r1−√{〔r1−r2+√(r2
    2 −y2 )〕2 −x2 } により求められ、 前記オリジナル近用乱視矯正屈折面は、トーリック面の
    座標ftn(x,y)で表され、トーリック面の最大曲
    率半径をr1′又はr2′、最小曲率半径をr2′又は
    r1′とすると、前記座標ftn(x,y)は、 ftn(x,y)=r1′−√{〔r1′−r2′+√
    (r2′2 −y2 )〕2−x2 }により求められる眼鏡
    用累進焦点レンズの製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19において、前記オリジナル
    累進屈折面の形状を設定する前記関数fp(x,y)に
    は、前記オリジナル遠用乱視矯正屈折面を表す関数ft
    f(x,y)が加算され、 S1=fp(x,y)+ftf(x,y) 上記式の関数fp(x,y)に第1補正係数k1を乗じ
    た次式 S2=k1・fp(x,y)+ftf(x,y) において、第1補正係数k1を複数段階に変化させるこ
    とにより、近用領域における水平(x軸)方向のみの度
    数を目標水平度数(Dh)に接近する第1漸近行程によ
    り仮想の水平度数矯正屈折面(24H)が設定され、 一方、近用領域における垂直(y軸)方向のみの度数
    は、前記第1漸近行程において、第1補正係数k1に応
    じて垂直方向に変化した度数(Δd)と近用乱視矯正屈
    折面(23)の垂直度数とに基づいて、仮の垂直度数矯
    正屈折面(24V′)を表す三つの切断関数により仮に
    設定され、 fvf(y)′=h・y+i=定数=0・・・(h′) fvm(y)′=a・y3 +b・y2 +c・y+d・・・(i′) fvn(y)′=e・y2 +f・y+g・・・(j′) 但し、(h′)は遠用領域と対応して平面を表し、
    (j′)は近用領域と対応して曲面を表し、(i′)は
    累進領域と対応して前記平面と曲面を滑らかに接続する
    曲面を表し、 上記式(i′)、(j′)に第2補正係数k2を乗じた
    次式 fvm(y)=k2(a・y3 +b・y2 +c・y+d)・・・(i) fvn(y)=k2(e・y2 +f・y+g)・・・(j) において、第2補正係数k2を複数段階に変化させるこ
    とにより、近用領域における垂直(y軸)方向のみの度
    数を目標垂直度数(Dv)に接近する第2漸近行程によ
    り目標とする垂直度数矯正屈折面(24V)が設定さ
    れ、 上記の垂直度数矯正屈折面(24V)と、前記第1漸近
    行程により求められた仮想の水平度数矯正屈折面(24
    H)とを合成して近用乱視矯正屈折面(23)を設定す
    る眼鏡用累進焦点レンズの製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項20において、二次関数で表さ
    れる前記垂直度数矯正屈折面は、遠用領域と対応して垂
    直方向の度数がゼロの一次関数で表される平面と、累進
    領域と対応して前記平面と上記二次関数で表される曲面
    とを滑らかに接続する三次関数で表される曲面により接
    続されている眼鏡用累進焦点レンズの製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜16のいずれかに記載の眼
    鏡用累進焦点レンズを所定形状にカットして眼鏡用フレ
    ームに装着したことを特徴とする眼鏡。
  23. 【請求項23】 請求項22において、左右のレンズの
    主注視線上に設定される近用領域の二つの中心の距離
    を、同じく左右のレンズの主注視線上に設定される遠用
    領域の二つの中心の距離と無関係に個別に設定した眼
    鏡。
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