JP2021147472A - 共重合体、レジスト組成物、及びパターンが形成された基板の製造方法 - Google Patents

共重合体、レジスト組成物、及びパターンが形成された基板の製造方法 Download PDF

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ひかる 星
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Abstract

【課題】ラフネスが良好で、ドライエッチング耐性にも優れるレジスト用樹脂を提供する。【解決手段】下記式で代表される構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位からなる共重合体。【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト用樹脂として好適な共重合体、この共重合体を含むレジスト組成物、及びこのレジスト組成物を用いたパターンが形成された基板の製造方法に関する。
半導体素子や液晶素子の製造における微細加工の分野においては、リソグラフィー技術によりシリコン基板等の基板にパターンを形成することが行われている。近年、リソグラフィー技術の進歩により、急速にパターン寸法の微細化が進んでいる。
その微細化の手法としては、一般に、基板上に設けられたレジスト膜をパターニングする際に該レジスト膜に照射する照射光を短波長化する手法が用いられている。具体的には、従来のg線(波長438nm)、i線(波長365nm)に代表される紫外線から、DUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が変化してきている。より具体的には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)によるリソグラフィー技術が開発され、さらに、電子線リソグラフィー技術や、波長13.5nm近傍の極端紫外光(Extreme Ultra Violet light:EUV光)を用いるEUVリソグラフィー技術についても研究されている。
このような短波長の照射光や電子線に対応できる高解像度のレジスト組成物として、酸脱離性基を有するレジスト用樹脂と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物が多く用いられる。酸脱離性基とは酸の作用により開裂する結合を有する基であり、前記結合の開裂により酸脱離性基の一部又は全部が樹脂から脱離する基である。
また、基板上にレジスト膜を形成し、露光、現像してレジストパターンを形成した後、レジストパターンをマスクとしてドライエッチングする際に、熱によってレジストパターンが軟化するとレジストパターンをマスクとして形成される微細パターンの精度が悪くなるおそれがある。このため、レジストパターンの形成に用いるレジスト用樹脂が熱で軟化しにくく、ドライエッチング耐性に優れることが求められる。
特許文献1には、特定の構造を有する単量体単位を含有させることによってラフネスを向上させたレジスト用樹脂が記載されている。
特開2016−188385号公報
しかしながら、特許文献1に記載のレジスト用樹脂では、ラフネスは向上するが、エッチング耐性が不十分であった。そのため、ラフネスとエッチング耐性が両立できるレジスト用樹脂を開発することが求められる。
本発明はラフネスが良好で、形成されるレジストパターン形状が良好であり、レジストパターンをマスクにしてドライエッチングを行う際のドライエッチング耐性も良好である共重合体、及びこれを用いたレジスト用組成物と、パターンが形成された基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、特定の2種類の構成単位を含む共重合体が、レジスト用樹脂としてラフネスが良好であると共に、良好なドライエッチング耐性を示すことを見出した。
本発明の要旨は以下の[1]〜[3]である。
[1] 下記式(1)で表される構成単位と、下記式(2)で表される構成単位とを有する共重合体。
Figure 2021147472
(式(1)中、Rは、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子を表す。
Aは、単結合、*−A−O−、*−A−CO−O−、*−A−CO−O−A−CO−O−、又は*−A−O−CO−A−O−を表す。*は−O−との結合手を表す。Aは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。A中にAを2個有する場合、2個のAは同一であってもよく異なるものであってもよい。)
Figure 2021147472
(式(2)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。
21、R22、R23はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基を表し、R21〜R23のうちの少なくとも2つは直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はシクロアルキル基である。
は、炭素数1〜20の、置換もしくは無置換の2価の鎖式炭化水素基、炭素数1〜20の、置換もしくは無置換の、ヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、又は単結合を表す。
は、炭素数1〜12の2価の鎖式炭化水素基を表す。
は、(R212223)C−が結合している炭素原子とともに炭素数3〜10のヘテロ原子を有していてもよい環式炭化水素基を形成する原子団を表す。
nは0〜3の整数である。
nが2以上の場合、複数の−Z−C(=O)−O−は同一であってもよく異なるものであってもよい。)
[2] [1]に記載の共重合体と、酸発生剤と、溶媒とを含有するレジスト組成物。
[3] [2]に記載のレジスト組成物を、基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
本発明によれば、レジストパターンをマスクにしてドライエッチングを行う際のドライエッチング耐性が良好であり、基板のドライエッチング加工を行って形成されたパターンの表面ラフネスが抑制されるレジスト用共重合体、及びこれを用いたレジスト用組成物が得られる。
本発明のパターンが形成された基板の製造方法によれば、本発明のレジスト組成物を用いて、微細パターンであっても精度よく形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
本明細書において、「構成単位」は「単量体の重合反応により形成される原子団」を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。
本明細書において、式(1)で表される構造単位を「構造単位(1)」と記し、式(2)で表される構成単位を「構成単位(2)」と記す。
[共重合体]
本発明の共重合体は、構成単位(1)及び構成単位(2)を有するレジスト用樹脂として好適な共重合体(以下、「共重合体(A)」ともいう。)である。構成単位(1)は特定のラクトン基を有する構成単位である。構成単位(2)は特定の酸脱離性基を有する構成単位である。
<構成単位(1)>
構成単位(1)は下記式(1)で表される。構成単位(1)は、特定のラクトン基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物等の原料単量体(以下、「単量体(1)」という。)のエチレン性二重結合が開裂して形成される構成単位である。
Figure 2021147472
(式(1)中、Rは、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子を表す。
Aは、単結合、*−A−O−、*−A−CO−O−、*−A−CO−O−A−CO−O−、又は*−A−O−CO−A−O−を表す。*は−O−との結合手を表す。Aは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。A中にAを2個有する場合、2個のAは同一であってもよく異なるものであってもよい。)
の炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基などの直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは、メチル基及びエチル基である。
のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
のハロゲン原子を有するアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルクロロメチル基、ペルブロモメチル基及びペルヨードメチル基などが挙げられる。
以上の具体例の中でも、Rは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、合成の容易さからメチル基であることがより好ましい。
は、単結合、*−A−O−、*−A−CO−O−、*−A−CO−O−A−CO−O−又は*−A−O−CO−A−O−を表し、Aは、炭素数1〜6のアルカンジイル基である。
該アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基及びヘキサン−1,6−ジイル基などの直鎖状アルカンジイル基や、直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基など)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基などの分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
以上の具体例の中でも、Aは、単結合又は*−A−CO−O−であることが好ましく、単結合、−CH−CO−O−又は−C−CO−O−であることがより好ましい。
構造単位(1)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2021147472
Figure 2021147472
Figure 2021147472
上記の具体例の中でも、構成単位(1)としては、重合性等の観点から、以下に示す構成単位が好ましい。
Figure 2021147472
共重合体(A)中の構成単位(1)は1種でもよく2種以上でもよい。構成単位(1)以外の構成単位とのバランスの点から、共重合体(A)中の構成単位(1)は2種以下が好ましい。
共重合体(A)の全構成単位に対する構成単位(1)の含有割合は15モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましい。上記下限値以上であると、レジスト溶媒に用いられる有機溶媒への溶解性の向上効果に優れる。
一方、レジスト性能のバランスの点で、共重合体(A)中の全構成単位に対する構成単位(1)の含有割合は80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。
なお、共重合体(A)の全構成単位に対する各構成単位の含有割合は、通常、共重合体(A)を製造する際に、各々の構成単位を共重合体(A)に導入するために用いる原料単量体の全原料単量体に対する使用割合に相当する。
<構成単位(2)>
構成単位(2)は下記式(2)で表される。構成単位(2)は、ジ又はトリアルキル置換のメチル基を有する、ヘテロ原子を有していてもよい環式炭化水素基を側鎖として有する(メタ)アクリル酸エステル化合物である単量体(以下、「単量体(2)」という。)のエチレン性二重結合が開裂して形成される構成単位である。
Figure 2021147472
(式(2)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。
21、R22、R23はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基を表し、R21〜R23のうちの少なくとも2つは直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はシクロアルキル基である。
は、炭素数1〜20の、置換もしくは無置換の2価の鎖式炭化水素基、炭素数1〜20の、置換もしくは無置換の、ヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、又は単結合を表す。
は、炭素数1〜12の2価の鎖式炭化水素基を表す。
は、(R212223)C−が結合している炭素原子とともに炭素数3〜10のヘテロ原子を有していてもよい環式炭化水素基を形成する原子団を表す。
nは0〜3の整数である。
nが2以上の場合、複数の−Z−C(=O)−O−は同一であってもよく異なるものであってもよい。)
11は水素原子又はメチル基である。R11は水素原子、メチル基のいずれでもよいが、合成の容易さから、好ましくはメチル基である。
21、R22、R23はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基を表し、R21〜R23のうちの少なくとも2つは直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はシクロアルキル基である。
21〜R23のアルキル基としては、炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基である。
21〜R23のシクロアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜4がより好ましい。
21〜R23のうちの2以上の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、或いは分岐状のアルキル基の2以上の分岐鎖が互いに結合してヘテロ原子を有していてもよい環を形成する場合、該環は、単環に限らず、2環以上の縮合環であってもよく、橋かけ環であってもよい。該環としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アダマンタン、テトラヒドロピラン、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
は、炭素数1〜20の、置換もしくは無置換の2価の鎖式炭化水素基、炭素数1〜20の、置換もしくは無置換の、ヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、又は単結合を表すが、好ましくは単結合であり、特に好ましくは単結合である。
は、炭素数1〜12の2価の鎖式炭化水素基又は単結合を表すが、好ましくは単結合である。
このZを含む−Z−C(=O)−O−の数を表す
nは0〜3の整数であるが、好ましくは0〜1であり、感度の観点から特に0(−Z−C(=O)−O−は含まれない)であることが好ましい。
は、(R212223)C−が結合している炭素原子とともに炭素数3〜10のヘテロ原子を有していてもよい環式炭化水素基を形成する原子団を表す。
このZで形成される環は単環であってもよく、2環以上の縮合環であってもよく、橋かけ環であってもよい。該環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、テトラヒドロピラン、チアンが挙げられる。
構成単位(2)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2021147472
Figure 2021147472
上記の具体例の中でも、構成単位(2)としては、脱離しやすい等の観点から、以下に示す構成単位が好ましい。
Figure 2021147472
共重合体(A)中の構成単位(2)は1種でもよく2種以上でもよい。構成単位(2)以外の構成単位とのバランスの点から、構成単位(2)は2種以下が好ましい。
レジスト性能のバランスの点で、共重合体(A)中の全構成単位に対する構成単位(2)の含有割合は15モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましい。
また、構成単位(2)は、共重合体(A)が後述の他の酸脱離性基を有する構成単位を含む場合、構成単位(2)として他の酸脱離性基を有する構成単位との合計で、構成単位(1)に対して20モル%以上、特に30モル%以上、とりわけ40モル%以上で、60モル%以下含まれることが好ましい。
<その他の構成単位>
共重合体(A)は、構成単位(1)及び構成単位(2)以外の他の構成単位の1種以上を含むことが好ましく、他の構成単位の1〜5種を含むことがより好ましい。
他の構成単位としては、化学増幅型レジスト組成物において公知の構成単位を用いることができる。例えば、構成単位(1)に該当しない、他のラクトン基を有する構成単位、構成単位(2)に該当しない他の酸脱離性基を有する構成単位、親水性基を有する構成単位が挙げられる。
(他のラクトン基を有する構成単位)
共重合体(A)は、他の構成単位として、構成単位(1)に該当しない、他のラクトン基を有する構成単位の1種以上を有してもよい。
他のラクトン基に含まれる他のラクトン骨格とは、−O−C(=O)−を有する環を含む単環又は多環の原子団を意味する。ここで、−O−C(=O)−を有する環は、−C(=O)−O−C(=O)−を有する環でもよい。
ラクトン骨格は、4〜20員環が好ましく、5〜10員環がより好ましい。
ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に芳香族又は非芳香族の、炭化水素環又は複素環が縮合していてもよい。
他のラクトン基を有する構成単位を共重合体(A)に導入するために用いられるラクトン骨格を有する単量体としては、ラクトン基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。特に、基板等への密着性に優れる点から、置換又は無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、及び置換又は無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体の具体例としては、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、(メタ)アクリル酸パントイルラクトン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、8−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、9−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、等が挙げられる。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体(A)が他のラクトン基を有する構成単位を含む場合、その含有割合は、基板密着性の観点から、全構成単位に対して20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、感度及び解像度の点から、全構成単位に対して70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
(他の酸脱離性基を有する構成単位)
共重合体(A)は、他の構成単位として、構成単位(2)に該当しない、他の酸脱離性基を有する構成単位の1種以上を有してもよい。
他の酸脱離性基を有する構成単位を共重合体(A)に導入するために用いられる酸脱離性基を有する単量体は、酸脱離性基及び重合性多重結合を有する化合物であればよく、公知のものを使用できる。
酸脱離性基を有する単量体の具体例として、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸脱離性基を有している(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
該(メタ)アクリル酸エステルは、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、又は、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を表す。)が直接又は連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルを含む。
このような(メタ)アクリル酸エステルであれば、エステルの酸素原子が第3級炭素原子に結合しているため、酸発生剤より発生した酸により分解、脱離してカルボキシル基が生成するのでアルカリ現像の際、現像液に可溶となる。
他の酸脱離性基を有する単量体の好ましい例として、例えば、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−(1’−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、イソプロピルシクロメチル(メタ)アクリレート、イソプロピルアダマンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、1−エチルシクロヘキシルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、1−エチルシクロペンチルメタクリレート、イソプロピルシクロメチルメタクリレート、イソプロピルアダマンチルメタクリレートがより好ましい。
酸脱離性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体(A)が他の酸脱離性基を有する構成単位を含む場合、その含有割合は、前述の通り、構成単位(2)との合計が、構成単位(1)に対して20モル%以上、特に30モル%以上で、とりわけ40モル%以上、60モル%以下であることが好ましい。
(親水性基を有する構成単位)
共重合体(A)は、他の構成単位として、親水性基を有する構成単位の1種以上を有してもよい。
本明細書における「親水性基」とは、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基及びアミノ基の少なくとも1種である。これらの親水性基は、例えば、−C(CF−OHのように、フッ素基等を含む連結基を含むものであってもよい。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用共重合体は、親水性基としてヒドロキシ基又はシアノ基を有することが好ましい。
親水性基を有する構成単位を共重合体(A)に導入するために用いられる親水性基を有する単量体としては、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル;単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体;環式炭化水素基を有する単量体(例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル等)であって、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有するものが挙げられる。
親水性基を有する単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−又は3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、基板等に対する密着性の点から、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−又は3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
これらの中でも、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−又は3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチルメタクリレートがより好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体(A)が親水性基を有する構成単位を含む場合、その含有割合は、レジストパターン矩形性の点から、全構成単位中に5モル%以上30モル%以下、特に25モル%以下が好ましい。
<重量平均分子量>
共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000が好ましく、3,000〜50,000がより好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましい。
また、共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜2.0、特に1.3〜1.8が好ましい。
ここで、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算値として求められるものであり、その分析条件の詳細は後掲の実施例の項に記載の通りである。
本発明の共重合体(A)は、ドライエッチング耐性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が高いことが好ましく、本発明の共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は137℃以上、特に140℃以上であることが好ましい。本発明によれば、共重合体(A)に構成単位(2)を導入することで、このような高いガラス転移温度(Tg)を達成することができる。本発明の共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)の上限には特に制限はないが、通常200℃以下である。
共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は後掲の実施例の項に記載する方法で測定される。
[共重合体(A)の製造方法]
共重合体(A)は、例えば、重合溶媒の存在下で、重合開始剤を使用し、各構成単位を導入するための単量体をラジカル重合させる溶液重合法で製造できる。
一般に、共重合体は分子量分布を持つため、溶媒への溶解性が均一ではなく、レジスト組成物に用いた場合に現像液への溶解性が不十分となりやすい成分が存在する。
酸脱離性基を含む構成単位を有する共重合体において、現像液等の溶媒への溶解性は(i)共重合体の分子量と、(ii)共重合体鎖中の酸脱離性基を有する構成単位(酸によって結合が開裂して溶解性が増す成分)の量とに依存する。
(i)については、共重合組成における酸脱離性基を有する構成単位の比率が同じである場合、共重合体の分子量が大きいほど溶媒への溶解速度は遅くなり、逆に分子量が小さいほど溶媒への溶解速度は速くなる。
(ii)については、酸脱離性基は、酸によって結合が開裂しない状態では共重合体鎖のレジスト溶媒やネガ型現像液等の有機溶媒への溶解速度向上に寄与し、酸によって結合が開裂することにより共重合体鎖のポジ型現像液等のアルカリ水溶液への溶解速度が格段に増す。したがって、同じ分子量の共重合体鎖では、酸脱離性基を有する構成単位の比率が高いほど現像液への溶解速度は速くなり、逆に酸脱離性基を有する構成単位の比率が低いほど現像液への溶解速度は遅くなる。
このようなことから、共重合体(A)の製造に当っては、重合反応初期の酸脱離性基を有する単量体の添加量を多くすることで、高分子量側に酸脱離性基が適度に多く存在するようにし、共重合体鎖の分子量が大きいことによる溶媒への溶解速度の低下を、酸脱離性基を有する構成単位の比率が高いことによる溶解速度の上昇で補い、溶媒への溶解性の向上、溶解速度の均一性の向上を図ることが好ましい。
このような方法として、後述の本発明の共重合体(A)の好適な製造方法が挙げられ、この方法で本発明の共重合体(A)を製造することにより、この共重合体(A)をレジスト組成物に用いた場合に、現像液への溶解性及び溶解速度の均一性に優れ、高感度なレジスト組成物を得ることができる。
<重合開始剤>
本発明の共重合体(A)の製造で用いる重合開始剤は、熱により分解して効率的にラジカルを発生するものが好ましく、10時間半減期温度が重合温度条以下であるものを用いることが好ましい。好ましい重合温度は50〜150℃であり、重合開始剤としては10時間半減期温度が50〜70℃のものを用いることが好ましい。また、重合開始剤が効率的に分解するためには、重合開始剤の10時間半減期温度と重合温度との差が10℃以上であることが好ましい。
重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物;が挙げられるが、アゾ化合物が好ましい。特に、溶媒への溶解性に優れ、溶液重合に好適に用いることができる点でジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましい。重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらは市販品から入手可能である。例えばジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名)、10時間半減期温度66℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、V65(商品名)、10時間半減期温度51℃)等を好適に用いることができる。
重合開始剤の使用量は特に限定されない。好ましい使用量は後述の通りである。
<溶媒>
本発明の共重合体(A)の製造には、重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、例えば、下記のものが挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(例えばジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)等
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と記すこともある。)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記すこともある。)、γ−ブチロラクトン(以下「γBL」と記すこともある。)等
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等
脂肪族炭化水素:ヘキサン等
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等
重合溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、重合反応終了時の反応器内の液(重合反応溶液)の固形分濃度が20〜40質量%程度となる量が好ましい。
[好適な製造方法]
以下に本発明の共重合体(A)の好適な製造方法について説明する。
なお、以下において単量体とは、構成単位(1)を共重合体(A)に導入するための単量体(1)と、構成単位(2)を共重合体(A)に導入するための単量体(2)と、必要に応じて用いられるその他の構成単位を導入するための単量体であり、本発明の共重合体(A)の製造には単量体(1)と単量体(2)を含む少なくとも2種以上の単量体を用いる。
本好適形態の共重合体(A)の製造方法は、反応器内に重合開始剤及び2種以上の単量体を供給し、共重合体(A)を得る重合工程を有する。例えば単量体α1〜αnを重合して、構成単位α’1〜α’nからなる共重合体(A)を得る。構成単位α’1〜α’nは、単量体α1〜αnからそれぞれ導かれる構成単位を表す。nは2以上の整数を表す。単量体α1〜αnには、酸脱離性基を含む少なくとも1種の単量体(構成単位(2)を導入するための単量体(2)を含む)と、酸脱離性基を含まない少なくとも1種の単量体(構成単位(1)を導入するための単量体(1)を含む)が含まれる。
本好適形態において、該重合工程はラジカル重合法で行われ、単量体及び重合開始剤を反応器内に滴下しながら、該反応器内で重合を行う滴下重合法を用いる。
すなわち、反応器内に単量体及び重合開始剤を滴下しながら、該反応器内で2種以上の単量体α1〜αnを重合して、構成単位α’1〜α’nからなる共重合体(A)を得る重合工程を有する。
本好適形態では、単量体を含有する溶液Sa(aは1〜d、dは1以上の整数)、及び単量体を含有する溶液Tb(bは1〜e、eは1以上の整数)を用いる。溶液Sa、Tbは溶媒を含有することが好ましい。
<溶液Sa>
溶液Sa(単に「Sa」ということもある。)は、溶液S1、S2、…Sd(dは1以上の整数)の総称である。溶液Saとして、1つの溶液のみ(S1のみ)を用いてもよく、2つ以上の溶液(S1、S2…Sd)を用いてもよい。dの上限値は特に限定されないが、多いと操作が煩雑になるため実質的には5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
溶液Saとして2つ以上の溶液を用いる場合、溶液Saにおける単量体の含有比率(第1の組成、単位:モル%)は、S1〜Sdの合計における単量体の組成を意味する。
溶液S1〜Sdのそれぞれにおける単量体の組成は、互いに同じでもよく、異なっていてもよく、いずれも目標組成とは異なる。第1の組成は、単量体α1〜αnのうち、酸脱離性基を含む単量体の比率が第2の組成(モル%)より多い組成である。溶液Saにおける単量体の含有比率(第1の組成)は、共重合体(A)における目標組成と、重合に用いられる各単量体の反応性とを加味して予め設計された組成であることが好ましい。第1の組成の設計方法は後述する。
溶液Saは、予め反応器内に仕込んでおいてもよく、滴下等により反応器に徐々に供給してもよく、これらを組み合わせてもよい。
<溶液Tb>
溶液Tb(単に「Tb」ということもある。)は、溶液T1、T2、…Te(eは1以上の整数)の総称である。溶液Tbとして、1つの溶液のみ(T1のみ)を用いてもよく、2つ以上の溶液(T1、T2…Te)を用いてもよい。eの上限値は特に限定されないが、多いと操作が煩雑になるため実質的には4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
溶液Tbにおける単量体の組成(第2の組成、単位:モル%)は、目的とする共重合体(A)における構成単位α’1〜α’nの含有比率(共重合組成、単位:モル%)を表す目標組成(単位:モル%)と同じである。
溶液Tbとして2つ以上の溶液を用いる場合、溶液Tbの第2の組成とは、T1〜Teそれぞれにおける単量体の組成を意味する。すなわち、T1〜Teにおける各単量体の組成はいずれも目標組成と同じである。
例えば、共重合体(A)が、単量体x、y、zを共重合させて得られる3元系の共重合体であって、目標組成がx’:y’:z’であるとき、第2の組成x:y:zはx’:y’:z’と同じにする。
なお本好適形態において、所期の効果を得るうえで、第2の組成(モル%)は目標組成(モル%)と同一又は同一に近い組成であることが好ましい。第2の組成(モル%)は目標組成(モル%)と同一であることが最も好ましいが、該目標組成に対して±10%の範囲内、好ましくは±5%の範囲内の誤差であれば許容される。すなわち該誤差範囲であれば、第2の組成と目標組成とが同一又は同一に近い組成であるものとする。
溶液Tbは滴下により反応器に供給する。
<重合開始剤>
重合開始剤は滴下により反応器に供給する。溶液Tbに重合開始剤を含有させてもよい。溶液Saを滴下する場合は、該溶液Saに重合開始剤を含有させてもよい。滴下する2以上の溶液(Sa及び/又はTb)に、重合開始剤を含有させてもよい。溶液Sa、溶液Tbとは別に、重合開始剤を含有する溶液(重合開始剤溶液)を滴下してもよい。これらを組み合わせてもよい。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類に応じて、また得ようとする共重合体(A)の重量平均分子量の目標値に応じて設定される。例えば、反応器に供給される単量体の合計の100モル%に対して、重合開始剤の使用量は1〜25モル%の範囲が好ましく、1.5〜20モル%の範囲がより好ましい。
<溶液Saにおける単量体の含有量>
重合工程で使用される単量体の合計量(全単量体供給量)は、溶液Sa、Tbに含まれる単量体の総和であり、得ようとする共重合体(A)の量に応じて設定される。
また該全単量体供給量のうち、溶液Saに含まれる単量体の合計量が占める比率が少なすぎると、溶液Saを用いることによる所期の効果が充分に得られず、多すぎると重合工程の初期に生成される共重合体の分子量が高くなりすぎる。したがって、全単量体供給量に対して、溶液Saに含まれる単量体の合計量は3〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
<溶液Sa、溶液Tbの供給>
重合工程において、反応器内に重合開始剤を滴下したときに、該反応器内に溶液Saが存在していることが必要である。したがって、反応器内に重合開始剤を滴下する前又は重合開始剤の滴下開始と同時に、該反応器内に溶液Saを供給開始する。
また反応器内に溶液Tbを滴下したときに、該反応器内に溶液Saが存在していることが必要である。したがって、反応器内に溶液Saを供給開始した後又は溶液Saの供給開始と同時に、該反応器内に溶液Tbを滴下開始する。溶液Tbの滴下開始は、前記重合開始剤の滴下開始と同時又は前記重合開始剤の滴下開始より後であることが好ましい。
重合開始剤の滴下開始と溶液Tbの滴下開始は同時であることが好ましい。溶液Tbの滴下終了よりも前に、溶液Saの供給を終了する。
溶液Tbの滴下は、連続的でもよく、断続的でもよく、滴下速度が変化してもよい。生成される共重合体(A)の組成及び分子量をより安定させるためには、連続的に、一定速度で滴下することが好ましい。
溶液Saを滴下により供給する場合、連続的でもよく、断続的でもよく、滴下速度が変化してもよい。生成される共重合体(A)の組成及び分子量をより安定させるためには、連続的に、一定速度で滴下することが好ましい。
溶液Saは、重合工程の初期に、その全量を供給することが好ましい。具体的には、重合開始剤の滴下開始から溶液Tbの滴下終了までを基準時間とするとき、該基準時間の20%が経過する以前に、溶液Saの供給を終了することが好ましい。例えば基準時間が4時間である場合は、重合開始剤の滴下開始から48分経過する以前に、溶液Saの全量を反応器内に供給することが好ましい。
溶液Saの供給終了は、基準時間の15%以前が好ましく、10%以前がより好ましい。
また基準時間の0%の時点で溶液Saの全量が供給されていてもよい。すなわち重合開始剤の滴下開始前に、反応器内に溶液Saの全量を仕込んでおいてもよい。
<重合開始剤の供給速度>
重合工程における重合開始剤の滴下は、溶液Tbの滴下終了時まで行ってもよく、その前に終了してもよい。溶液Tbの滴下終了時まで行うことが好ましい。重合の初期から後期にかけて、各瞬間に生成する分子量は緩やかに減少することが好ましい。反応器内で重合開始剤から発生するラジカルのモル濃度の、反応器内の単量体モル濃度に対する割合が、重合初期から後期にかけて緩やかに増加するように開始剤を供給すると、重合の初期から後期にかけて生成する共重合体の分子量が緩やかに減少する。
例えば重合開始剤の滴下開始から溶液Tbの滴下終了までの基準時間が4時間である場合、全重合工程で生成する共重合体の質量平均分子量を100%とすると、重合開始剤の滴下開始後30分以内に生成する共重合体の質量平均分子量は101〜200%であることが好ましく、102〜150%であることがより好ましく、103〜130%がさらに好ましい。
<重合工程の好ましい態様>
重合工程の好ましい態様としては、以下の(A)、(B)、(C)が挙げられる。
(A) 予め反応器内に、単量体α1〜αnを第1の組成で含有する溶液Saの全量(S1)を仕込んでおき、反応器内を所定の重合温度まで加熱した後、該反応器内に、単量体α1〜αnを第2の組成で含有するとともに、重合開始剤を含む溶液Tbを滴下する。Tbと並行して、重合開始剤の一部を含む重合開始剤溶液を滴下しても良い。重合開始剤溶液と溶液Tbは同時に滴下開始するか、又は重合開始剤溶液を先に滴下開始する。好ましくは同時に滴下開始する。重合開始剤溶液の滴下開始から溶液Tbの滴下開始までの時間は0〜10分が好ましい。
滴下速度はそれぞれ一定であることが好ましい。重合開始剤溶液は溶液Tbよりも先に滴下を終了する。
(B) 反応器内に溶媒のみを仕込み、所定の重合温度まで加熱した後、単量体α1〜αnを第1の組成で含有する溶液Saと、単量体α1〜αnを第2の組成で含有するとともに、重合開始剤を含む溶液Tbをそれぞれ滴下する。Saには重合開始剤の一部を含有させてもよい。両液は同時に滴下開始するか、又は溶液Saを先に滴下開始する。溶液Saの滴下開始から溶液Tbの滴下開始までの時間は0〜10分が好ましい。
滴下速度はそれぞれ一定であることが好ましい。溶液Tbよりも溶液Saの方が先に滴下を終了する。
(C) 予め反応器内に、溶液Saの一部を仕込んでおき、反応器内を所定の重合温度まで加熱した後、該反応器内に、溶液Saの残部と、単量体α1〜αnを第2の組成で含有するとともに、重合開始剤を含む溶液Tbをそれぞれ滴下する。溶液Saの残部には重合開始剤の一部が含まれていてもよい。溶液Saの残部と溶液Tbは同時に滴下開始するか、又は溶液Saの残部を先に滴下開始する。好ましくは同時に滴下開始する。溶液Saの残部の滴下開始から溶液Tbの滴下開始までの時間は0〜10分が好ましい。
滴下速度はそれぞれ一定であることが好ましい。溶液Saの残部は溶液Tbよりも先に滴下を終了する。
いずれの場合も、溶液Tbの滴下終了後、必要に応じて、反応器内を重合温度に保持する保持工程、冷却工程、精製工程等を適宜行うことができる。
[レジスト組成物]
本発明のレジスト組成物は、共重合体(A)と、酸発生剤と、溶媒とを含有するものであり、共重合体(A)と酸発生剤を溶媒に溶解して調製される。
<共重合体(A)>
本発明のレジスト組成物における共重合体(A)の含有量は、特に限定されないが、溶媒を除くレジスト組成物の全固形分に対して、70〜99.9質量%含まれることが好ましい。共重合体(A)の含有量が上記上限以下であれば、酸発生剤等、必要な添加剤の必要量を含むことができ、上記下限以上であれば、レジスト膜の形成効率に優れる。
なお、本発明のレジスト組成物中に、共重合体(A)は1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
<溶媒>
溶媒としては、共重合体(A)の製造に用いられる上記重合溶媒と同様のものを用いることができ、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などが挙げられる。これらの溶媒は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒の含有量は、形成するレジスト膜の厚みにもよるが、共重合体(A)100質量部に対して100〜10,000質量部の範囲が好ましい。
<酸発生剤>
本発明のレジスト組成物が化学増幅型レジスト組成物である場合、酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」という。)が用いられる。
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物において公知の光酸発生剤の中から任意に選択できる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
レジスト組成物における光酸発生剤の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
<含窒素化合物>
本発明のレジスト組成物は、含窒素化合物を含んでいてもよい。含窒素化合物を含むことにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。すなわち、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなる。また半導体素子の量産ライン等では、レジスト膜に光を照射し、次いでベーク(PEB)した後、次の現像処理までの間に数時間放置されることがあるが、そのような放置(経時)によるレジストパターンの断面形状の劣化の発生がより抑制される。
含窒素化合物としては、アミンが好ましく、第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンがより好ましい。
レジスト組成物における含窒素化合物の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましい。
<有機カルボン酸、リンのオキソ酸又はその誘導体>
化学増幅型レジスト組成物は、有機カルボン酸、リンのオキソ酸又はその誘導体(以下、これらをまとめて「酸化合物」と記す。)を含んでいてもよい。酸化合物を含むことにより、含窒素化合物の配合による感度劣化を抑えることができ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。
有機カルボン酸としては、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。
リンのオキソ酸又はその誘導体としては、リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体、ホスフィン酸又はその誘導体等が挙げられる。
レジスト組成物における酸化合物の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
<その他の成分>
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。該添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも使用可能である。また、これら添加剤の量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
また、本発明のレジスト組成物は、必要に応じて共重合体(A)以外の樹脂を含有していてもよい。
〔パターンが形成された基板の製造方法〕
本発明のパターンが形成された基板の製造方法は、本発明のレジスト組成物を、基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む。
以下、本発明のパターンが形成された基板の製造方法の一例について説明する。
まず、所望の微細パターンを形成しようとするシリコンウエハー等の基板の被加工面上に、本発明のレジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、該レジスト組成物が塗布された基板を、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥することにより、基板上にレジスト膜を形成する。
次いで、レジスト膜に対して、フォトマスクを介して露光を行い潜像を形成する。露光光としては、250nm以下の波長の光が好ましい。例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV光が好ましく、ArFエキシマレーザーが特に好ましい。また、電子線を照射してもよい。
また、該レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間に、純水、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
露光後、現像処理を行うことにより、基板上のレジスト膜の一部を溶解させる。現像後、基板を純水等で適宜洗浄処理(リンス処理)する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
現像方法は、ポジ型、ネガ型のどちらでもよい。ポジ型の場合は、露光された領域の薄膜が溶解する。ネガ型の場合は、露光された領域以外の薄膜が溶解する。現像後は洗浄液で洗浄処理する。
現像方法は特に限定されないが、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用できる。
ポジ型現像を行う場合は、アルカリ現像液を使用することが好ましい。アルカリ現像液としてはアルカリ性水溶液が好適に用いられる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩;ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類;等の水溶液を使用することができる。
ポジ型現像の後に行う洗浄処理における洗浄液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
ネガ型現像を行う際には、有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液ともいう。)を使用することが好ましい。ネガ型現像を行う際に使用する有機系現像液としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;等を使用することができる。
レジストパターンが形成された基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。
エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、微細パターンが形成された基板が得られる。
本発明で用いる共重合体(A)は、溶媒への溶解性に優れ、レジスト組成物に用いたときに、現像液への溶解性が均一で、高い感度のレジスト膜を形成できる。
したがって、レジスト組成物を調製する際のレジスト溶媒への共重合体(A)の溶解を容易にかつ良好に行うことができる。
またポジ型のレジスト組成物の場合は、アルカリ現像液に対する優れた溶解性が得られ、感度の向上に寄与する。またレジスト組成物中の不溶分が少ないため、パターン形成において、該不溶分に起因する欠陥が生じにくい。
ネガ型のレジスト組成物の場合は、ネガ型現像液である有機溶剤に対する優れた溶解性が得られ、感度の向上に寄与する。またレジスト組成物中の不溶分が少ないため、パター
ン形成において、該不溶分に起因する欠陥が生じにくい。
したがって本発明のパターンが形成された基板の製造方法によれば、共重合体(A)を含む本発明のレジスト組成物を用いることによって、基板上に欠陥の少ない、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成できる。また、高感度及び高解像度のレジスト組成物の使用が要求される、波長250nm以下の露光光を用いるフォトリソグラフィー又は電子線リソグラフィー、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を使用するリソグラフィーによる、パターン形成にも好適に用いることができる。
なお、波長250nm以下の露光光を用いるフォトリソグラフィーに用いられるレジスト組成物を製造する場合には、共重合体(A)が該露光光の波長において透明であるように、共重合体(A)の構成単位を導入するための単量体を適宜選択して用いることが好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において「部」は、特に断りのない限り「質量部」を示す。
<重量平均分子量・数平均分子量の測定>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で求めた。溶剤には、テトラヒドロフランを使用した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
JIS K7121−1987「ガラス転移温度の求め方(2)補外ガラス転移開始温度」に従ってガラス転移温度(Tg)を測定した。
示差走査熱量測定(DSC)の測定条件は以下の通りである。
使用装置:METTLER TOLED DSC1(製品名、メトラー・トレド株式会社製)
窒素ガス流量:40mL/分
試料量:5mg
温度条件(評価):100℃から200℃まで2℃/分で昇温
パルス幅・パルス高さ:15−30S・1K(温度変調DSCを使用)
試料容器:密封式アルミパン
比較試料:α−酸化アルミナ
実施例1及び比較例1では、以下の原料を用いて共重合体を合成した。
溶媒1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
溶媒2:γ−ブチロラクトン(γBL)
単量体1:2−(4−オキサ−5−オキソ−5−ホモアダマンチル)オキシ−2−オキソエチルメタクリレート(単量体(1))
単量体2:2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート(他の酸脱離性基を有する単量体)
単量体3:1−(1,1−ジメチルエチル)シクロペンチルメタクリレート(単量体(2))
単量体4:1−イソプロピルシクロペンチルメタクリレート(他の酸脱離性基を有する単量体)
重合開始剤1:ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))
[実施例1]
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA 59.1部と、γBL 10.4部と、下記の単量体を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
単量体1:3.45部
単量体2:2.30部
単量体3:5.67部
次いで、別個の滴下漏斗より、下記重合開始剤溶液と、下記単量体と重合開始剤の混合溶液の供給を同時に開始し、単量体と重合開始剤の混合溶液を6時間かけて、重合開始剤溶液を20分かけて、一定の滴下速度でフラスコ内に滴下し、単量体と重合開始剤の混合溶液の供給終了後からフラスコ内の温度を80℃で1時間保持した。
(重合開始剤溶液)
重合開始剤1:1.01部
PGMEA:10.2部
(単量体と重合開始剤の混合溶液)
単量体1:38.77部
単量体2:12.36部
単量体3:38.30部
PGMEA:98.1部
γBL:19.1部
重合開始剤1:3.04部
得られた反応溶液を約10倍量の、メタノール及び水の混合溶媒(メタノール/水=70/30容量比)に撹拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、再度、前記と同じ量のメタノール及び水の混合溶媒(メタノール/水=90/10容量比)へ投入し、撹拌しながら沈殿の洗浄を行った。洗浄後の沈殿を濾別し、共重合体湿粉を得た。この共重合体湿粉を減圧下40℃で約40時間乾燥して乾燥粉末状の共重合体(P1)を得た。
得られた共重合体(P1)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ガラス転移温度(Tg)の測定結果を表1に示す。
なお、この共重合体(P1)は、全構成単位中に、単量体1による構成単位(1)を50モル%、単量体2による構成単位を15モル%、単量体3による構成単位(2)を35モル%含むものである。
[比較例1]
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA 67.5部と、下記の単量体を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
単量体1:3.34部
単量体2:2.24部
単量体4:3.70部
次いで、別個の滴下漏斗より、下記重合開始剤溶液と、下記単量体と重合開始剤の混合溶液の供給を同時に開始し、単量体と重合開始剤の混合溶液を6時間かけて、重合開始剤溶液を20分かけて、一定の滴下速度でフラスコ内に滴下し、単量体と重合開始剤の混合溶液の供給終了後からフラスコ内の温度を80℃で1時間保持した。
(重合開始剤溶液)
重合開始剤1:1.01部
PGMEA:9.1部
(単量体と重合開始剤の混合溶液)
単量体1:37.63部
単量体2:10.06部
単量体4:24.98部
PGMEA:114.6部
重合開始剤1:3.04部
得られた反応溶液を約10倍量の、メタノール及び水の混合溶媒(メタノール/水=70/30容量比)に撹拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、再度、前記と同じ量のメタノール及び水の混合溶媒(メタノール/水=90/10容量比)へ投入し、撹拌しながら沈殿の洗浄を行った。洗浄後の沈殿を濾別し、共重合体湿粉を得た。この共重合体湿粉を減圧下40℃で約40時間乾燥して乾燥粉末状の共重合体(P2)を得た。
得られた共重合体(P2)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ガラス転移温度(Tg)の測定結果を表1に示す。
なお、この共重合体(P2)は、全構成単位中に、単量体1による構成単位(1)を50モル%、単量体2による構成単位を15モル%、単量体4による構成単位を35モル%含むものである。
Figure 2021147472
表1より、本発明に係る共重合体(P1)はTgが高く、レジスト組成物に用いた場合には、ドライエッチング耐性等に優れるレジスト材料として好適であることが分かる。

Claims (3)

  1. 下記式(1)で表される構成単位と、下記式(2)で表される構成単位とを有する共重合体。
    Figure 2021147472
    (式(1)中、Rは、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子を表す。
    Aは、単結合、*−A−O−、*−A−CO−O−、*−A−CO−O−A−CO−O−、又は*−A−O−CO−A−O−を表す。*は−O−との結合手を表す。Aは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。A中にAを2個有する場合、2個のAは同一であってもよく異なるものであってもよい。)
    Figure 2021147472
    (式(2)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。
    21、R22、R23はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基を表し、R21〜R23のうちの少なくとも2つは直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はシクロアルキル基である。
    は、炭素数1〜20の、置換もしくは無置換の2価の鎖式炭化水素基、炭素数1〜20の、置換もしくは無置換の、ヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、又は単結合を表す。
    は、炭素数1〜12の2価の鎖式炭化水素基を表す。
    は、(R212223)C−が結合している炭素原子とともに炭素数3〜10のヘテロ原子を有していてもよい環式炭化水素基を形成する原子団を表す。
    nは0〜3の整数である。
    nが2以上の場合、複数の−Z−C(=O)−O−は同一であってもよく異なるものであってもよい。)
  2. 請求項1に記載の共重合体と、酸発生剤と、溶媒とを含有するレジスト組成物。
  3. 請求項2に記載のレジスト組成物を、基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
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