JP6488596B2 - リソグラフィー用共重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法及びパターンが形成された基板の製造方法 - Google Patents

リソグラフィー用共重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法及びパターンが形成された基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リソグラフィー用共重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法及びパターンが形成された基板の製造方法に関する。
近年、半導体素子、液晶素子等の製造工程において、リソグラフィーによるパターン形成の微細化が急速に進んでいる。微細化の手法としては、例えば、照射光の短波長化が挙げられる。ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられる化学増幅型レジスト用共重合体は、波長193nmの光に対して透明な(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が注目されている。
ところで、(メタ)アクリル酸エステルの共重合体は、ラジカル重合法で重合されるのが一般的である。一般に、2種以上の単量体を共重合する場合、各単量体間の共重合反応性比が異なるため、重合初期と重合終期とで生成する共重合体の単量体単位の組成比が異なる。その結果、得られる共重合体は、組成比にばらつきができてしまう。
共重合体の単量体単位の組成比にばらつきがあると、溶媒への溶解性が低くなりやすく、レジスト組成物を調製する際に、溶媒に溶解させるのに長時間を要したり、不溶分が発生することで製造工程数が増加したりする等、レジスト組成物の調製に支障を来たす場合がある。また、得られるレジスト組成物の感度が不十分となりやすい。
前記課題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、高感度のレジストを得るために、単量体溶液と重合開始剤溶液とを重合反応系内に供給し、重合反応開始から単量体溶液の供給終了までの間の重合反応系内において、未反応の単量体組成比の標準偏差を2以内とする共重合体の製造方法が提案されている。
一方、重合過程で生成する微量の高分子量成分も、溶媒への溶解性が低くなりやすく、得られるレジスト組成物の感度が不十分となりやすい。
前記課題を解決する方法として、例えば、特許文献2には、高分子量成分の生成を抑えるために、単量体溶液と重合開始剤溶液とを各々独立した貯槽に保持し、単量体溶液よりも重合開始剤溶液を先に重合反応系内に供給する共重合体の製造方法が提案されている。
特開2010−202699号公報 特開2004−269855号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で提案されている方法でも、共重合体の溶媒への溶解性が不十分であり、リソグラフィー性能が改善されない場合がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、高分子量成分の割合が少なく、現像液への溶解性が均一で、レジスト組成物に用いたときの感度を向上できるリソグラフィー用共重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法及びパターンが形成された基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、酸脱離性基を含む単量体(a)、酸脱離性基を含まない単量体(b)及び重合開始剤(c)を反応器内に供給して重合体を生成する、リソグラフィー用共重合体の製造方法であって、
重合開始から重合終了までの重合反応期間の初期5%の重合反応期間に、重合開始剤(c)の全供給量の5〜30質量%を反応器内に供給して製造され、得られる共重合体が下記条件を満たすものである、リソグラフィー用共重合体の製造方法に関する。
(条件)ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により得られる溶出曲線において、リソグラフィー用共重合体に係るピークを示す溶離液を体積が均等になるように溶出順に分割した5個のフラクションのうち、最も先に溶出された1番目のフラクションに含まれる共重合体を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率をN(v1)モル%とし、前記5個のフラクションの合計に含まれる共重合体を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率をNaveモル%としたとき、N(v1)/Naveが、1.01〜1.20である。
また、本発明は、前記リソグラフィー用共重合体の製造方法で得られた共重合体と、活性エネルギー線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを混合する工程を含む、レジスト組成物の製造方法に関する。
更に、本発明は、前記レジスト組成物の製造方法で得られたレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法に関する。
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法によれば、高分子量成分の割合が少なく、現像液への溶解性が均一で、レジスト組成物に用いたときの感度を向上できるリソグラフィー用共重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法及びパターンが形成された基板の製造方法を提供できる。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により得られる溶出曲線の説明図である。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシ又はメタクリロイルオキシを意味する。
本明細書において、共重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で求めた値である。
<酸脱離性基を含む単量体(a)>
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法は、酸脱離性基を含む単量体(a)を、酸脱離性基を含まない単量体(b)と共重合する。
酸脱離性基を含む単量体(a)は、酸脱離性基及び重合性官能基を有する化合物であればよく、公知の単量体が挙げられる。
酸脱離性基は、酸により開裂する結合を有する基であり、前記結合の開裂により酸脱離性基の一部又は全部が共重合体の主鎖から脱離する基である。酸脱離性基を含む単量体単位(A)を含む共重合体は、レジスト組成物において、酸成分と反応してアルカリ性溶液(現像液)に可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
重合性官能基は、重合反応により共重合鎖を形成する基であり、重合効率に優れることから、エチレン性二重結合が好ましい。
酸脱離性基を含む単量体(a)としては、例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基及び酸脱離性基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらの酸脱離性基を含む単量体(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭素数6〜20の脂環式炭化水素基及び酸脱離性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル;炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは、置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基又はオキセパニル基を表す。)が直接又は連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
炭素数6〜20の脂環式炭化水素基及び酸脱離性基を有する(メタ)アクリル酸エステルの脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
これらの酸脱離性基を含む単量体(a)の中でも、レジストの感度や解像度に優れることから、下記単量体(a1)、下記単量体(a2)、下記単量体(a3)、下記単量体(a4)が好ましく、波長250nm以下の光で露光するレジストパターン形成を可能とすることから、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、イソプロピルアダマンチル(メタ)アクリレート、1−(1’−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロオクチル(メタ)アクリレートがより好ましく、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、イソプロピルアダマンチルメタクリレート、1−エチルシクロヘキシルメタクリレート、1−エチルシクロペンチルメタクリレートが更に好ましい。
単量体(a1)、単量体(a2)、単量体(a3)、単量体(a4)における各アルファベットが表すものを、以下に示す。
31、R32、R33、R34は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
、R、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
331、R332、R333、R334は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
、X、X、Xは、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立に0〜4を表す。n1、n2、n3又はn4が2以上の場合、1つの単量体中にX、X、X又はXは、複数存在する。複数存在するX、X、X又はXは、同一であってもよく、異なってもよい。
、Zは、それぞれ独立に−O−、−S−、−NH−又は−(CH−を表す。kは、1〜6の整数を表す。
qは、0又は1を表す。
rは、0〜3の整数を表す。
<酸脱離性基を含まない単量体(b)>
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法は、酸脱離性基を含まない単量体(b)を、酸脱離性基を含む単量体(a)と共重合する。
酸脱離性基を含まない単量体(b)は、用途や要求性能に応じて適宜選択すればよく、リソグラフィー用共重合体の分野における公知の単量体が挙げられる。
酸脱離性基を含まない単量体(b)として、例えば、極性基を含む単量体等が挙げられる。これらの酸脱離性基を含まない単量体(b)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの酸脱離性基を含まない単量体(b)の中でも、レジストの感度や解像度に優れることから、極性基を含む単量体が好ましい。
<極性基を含む単量体(b’)>
極性基を含む単量体(b’)は、極性基及び重合性官能基を有する化合物であればよく、公知の単量体が挙げられる。
極性基は、極性を有する官能基又は極性を有する原子団を有する基であり、例えば、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、カルボニル基等の親水性基;フッ素原子を含む基;硫黄原子を含む基;ラクトン骨格を含む基;アセタール構造を含む基;エーテル結合を含む基等が挙げられる。
極性基を含む単量体(b’)としては、例えば、ラクトン骨格を含む単量体、アセタール構造を含む単量体、エーテル結合を含む単量体、親水性基を含む単量体等が挙げられる。これらの極性基を含む単量体(b’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの極性基を含む単量体(b’)の中でも、波長250nm以下の光で露光するレジストパターン形成を可能とすることから、ラクトン骨格を含む単量体、親水性基を含む単量体が好ましい。
<ラクトン骨格を含む単量体(b1)>
ラクトン骨格を含む単量体(b1)は、ラクトン骨格及び重合性官能基を有する化合物であればよく、公知の単量体が挙げられる。
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環のラクトン骨格等が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族又は芳香族の炭素環又は複素環が縮合していてもよい。
ラクトン骨格を含む単量体(b1)としては、例えば、置換又は無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換又は無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらのラクトン骨格を含む単量体(b1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのラクトン骨格を含む単量体(b1)の中でも、基板等への密着性に優れることから、置換又は無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換又は無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
ラクトン骨格を含む単量体(b1)の具体例としては、例えば、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、(メタ)アクリル酸パントイルラクトン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、8−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、9−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン等が挙げられる。また、類似構造を持つ単量体として、(メタ)アクリロイルオキシこはく酸無水物等も挙げられる。これらのラクトン骨格を含む単量体(b1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのラクトン骨格を含む単量体(b1)の中でも、基板等への密着性に優れることから、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、8−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オンが好ましく、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンがより好ましい。
<親水性基を含む単量体(b2)>
親水性基を含む単量体(b2)は、親水性基及び重合性官能基を有する化合物であればよく、公知の単量体が挙げられる。
本明細書において、親水性基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アミノ基及びカルボキシル基の少なくとも1種である。これらの親水性基は、例えば、−C(CF−OHのように、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものであってもよい。
これらの親水性基の中でも、波長250nm以下の光で露光するレジストパターン形成を可能とすることから、ヒドロキシル基、シアノ基が好ましい。
親水性基を含む単量体(b2)としては、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル;ヒドロキシル基の水素がアルキル基で置換された(メタ)アクリ酸エステル;環式炭化水素基を有する単量体(例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−1−イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸−2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−2−エチル−2−アダマンチル等。)が置換基としてヒドロキシル基、カルボキシル基等の親水性基を有する(メタ)アクリ酸エステル等が挙げられる。これらの親水性基を含む単量体(b2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
親水性基を含む単量体(b2)の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシアダマンチル、2−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらの親水性基を含む単量体(b2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの親水性基を含む単量体(b2)の中でも、基板等への密着性に優れることから、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシアダマンチル、2−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましく、メタクリル酸−3−ヒドロキシアダマンチル、2−シアノメチル−2−アダマンチルメタクリレートがより好ましい。
<重合開始剤(c)>
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法は、重合開始剤(c)を供給し、酸脱離性基を含む単量体(a)と酸脱離性基を含まない単量体(b)とを共重合する。
重合開始剤(c)は、脱離性基を含む単量体(a)と酸脱離性基を含まない単量体(b)とが共重合されればよく、公知の重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤(c)としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤(c)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの重合開始剤(c)の中でも、溶液重合に適していることから、熱重合開始剤が好ましい。
熱重合開始剤は、効率的にラジカルが発生することから、10時間半減期温度が重合温度以下のものが好ましく、10時間半減期温度が50〜70℃のものがより好ましい。重合温度については、後述する。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物等が挙げられる。これらの熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの熱重合開始剤の中でも、重合効率に優れることから、アゾ化合物が好ましい。
重合開始剤(c)は、市販品から入手可能である。重合開始剤(c)の市販品としては、例えば、V601(和光純薬工業(株)製、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート)、V65(和光純薬工業(株)製、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))等が挙げられる。
<重合条件>
重合温度は、脱離性基を含む単量体(a)、酸脱離性基を含まない単量体(b)、重合開始剤(c)の種類等によって適宜設定できるが、重合効率に優れることから、重合開始剤(c)の10時間半減期温度以上が好ましく、50〜150℃がより好ましい。
重合方法は、脱離性基を含む単量体(a)と酸脱離性基を含まない単量体(b)とが共重合されればよく、公知の重合方法が挙げられる。
重合方法としては、例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられる。
これらの重合方法の中でも、重合制御が容易であることから、溶液重合が好ましい。
溶液重合の溶媒は、得られるリソグラフィー用共重合体が溶解していればよく、公知の溶媒が挙げられる。
溶液重合の溶媒としては、例えば、鎖状エーテル(例えば、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等。)、環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等。)等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。これらの溶液重合の溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶液重合の濃度は、重合効率に優れることから、溶液100質量%中、得られるリソグラフィー用共重合体が20〜40%であることが好ましい。
<重合開始剤(c)の供給>
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法は、重合開始から重合終了までの重合反応期間の初期5%の重合反応期間に、重合開始剤(c)の全供給量の5〜30質量%を反応器内に供給する。
本明細書において、重合反応期間は、重合開始から重合終了までの期間を表す。
本明細書において、重合開始は、反応器へ重合開始剤(c)の供給が開始された時点を表す。
本明細書において、重合終了は、重合反応へ停止操作の実施が開始された時点を表す。
重合反応への停止操作としては、例えば、反応器への加熱を停止する操作、反応器を冷却する操作、反応器へ酸素又はラジカ捕捉剤を添加する操作等が挙げられる。
重合反応期間の初期5%の重合反応期間の重合開始剤(c)の供給量は、全供給量100質量%中、5〜30質量%であり、10〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。
重合反応期間の初期5%の重合反応期間の重合開始剤(c)の供給量が5質量%以上であると、高分子量成分の生成を抑制することができる。重合反応期間の初期5%の重合反応期間の重合開始剤(c)の供給量が30質量%以下であると、所望の分子量や分子量分布を有するリソグラフィー用共重合体を得ることができる。
重合開始剤(c)の全供給量は、重合開始剤(c)の種類や得ようとするリソグラフィー用共重合体の重量平均分子量に応じて適宜設定できるが、所望の分子量や分子量分布を有するリソグラフィー用共重合体を得ることができることから、単量体の全供給量100モル%に対して、1〜25モル%が好ましく、1.5〜20モル%がより好ましい。
<連鎖移動剤(d)の供給>
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法は、必要に応じて、連鎖移動剤(d)を反応器内に供給してもよい。連鎖移動剤(d)を供給することで、所望の分子量や分子量分布を有するリソグラフィー用共重合体を得ることができる。
連鎖移動剤(d)としては、例えば、下記連鎖移動剤(d1)、〜(d9)等のチオカルボニル化合物等が挙げられる。これらの連鎖移動剤(d)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの連鎖移動剤(d)の中でも、入手が容易で、重合制御性と反応性とに優れることから、下記連鎖移動剤(d1)〜(d9)が好ましく、下記連鎖移動剤(d3)、下記連鎖移動剤(d4)がより好ましい。
連鎖移動剤(d1)、〜(d9)における各アルファベットが表すものを、以下に示す。
Arは、芳香族基又は置換芳香族基を表す。置換基は、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、CORaで示されるカルボニル含有基、スルホニル基又はトリフルオロメチル基を表す、Raは、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はアリーロキシ基を表す。
一分子中にArが複数存在するとき、複数存在するArは、同一であってもよく、異なってもよい。
連鎖移動剤(d)の全供給量は、連鎖移動剤(d)の種類や得ようとするリソグラフィー用共重合体の重量平均分子量に応じて適宜設定できるが、所望の分子量や分子量分布を有するリソグラフィー用共重合体を得ることができることから、単量体の全供給量100モル%に対して、0.001〜20モル%が好ましく、0.01〜10モル%がより好ましい。
<リソグラフィー用共重合体>
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法で得られるリソグラフィー用共重合体は、N(v1)/Naveが1.01〜1.20である。
本明細書において、N(v1)は、GPCにより得られる溶出曲線において、リソグラフィー用共重合体に係るピークを示す溶離液を体積が均等になるように溶出順に分割した5個のフラクションのうち、最も先に溶出された1番目のフラクションに含まれる共重合体を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率(モル%)を表す。
本明細書において、Naveは、GPCにより得られる溶出曲線において、リソグラフィー用共重合体に係るピークを示す溶離液を体積が均等になるように溶出順に分割した5個のフラクションの合計に含まれる共重合体を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率(モル%)を表す。
図1は、GPCにより得られる溶出曲線の説明図である。
横軸は、カラムから流出して検出器を通過する溶離液の累積値で表される溶出体積V(溶出速度×溶出時間)を表す。
縦軸は、検出器を通過する際に検出される信号強度を表す。
一般に、GPCを用いて共重合体の分子量分布を測定する場合、溶出体積Vが増大するにしたがって、検出器を通過する溶離液中の共重合体の分子量の対数が単調に減少する。即ち、分子量が高いほど、カラムからの溶出が早い。また、信号強度は、検出器を通過する溶離液中の共重合体の存在量に比例する。
溶出曲線のピークは、溶出曲線における信号強度のピークスタート(図1中のPsで示す点)からピークエンド(図1中のPeで示す点)までを表す。ピークスタートPsとピークエンドPeを結ぶ線をベースラインBとする。
フラクションは、溶出曲線のピークを示す溶離液を、溶離液の体積が均等になるように溶出順に5個に分割したものそれぞれを表す。即ち、図1の破線で示すように、ピークスタートPsからピークエンドPeまでの溶離液の体積を均等に5個に分割(図1中のV1〜V6のように分割)し、溶離液の溶出順に、1番目のフラクションをフラクション1(図1中のV1〜V2の間)、2番目のフラクションをフラクション2(図1中のV2〜V3の間)、3番目のフラクションをフラクション3(図1中のV3〜V4の間)、4番目のフラクションをフラクション4(図1中のV4〜V5の間)、5番目のフラクションをフラクション5(図1中のV5〜V6の間)とする。
1番目のフラクション(フラクション1)に含まれる共重合体を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率N(v1)は、フラクション1に該当する溶離液を分取し、H−NMR(核磁気共鳴)により測定することで算出することができる。N(v1)は、フラクション1における平均値である。酸脱離性基を含む単量体単位(A)が2種以上存在する場合は、共重合組成におけるそれらの比率の合計をN(v1)とする。
フラクション2〜フラクション5に含まれる共重合体を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率N(v2)〜N(v5)は、フラクション1と同様に、それぞれ算出することができる。
GPCにおいて、分子量が高いほどカラムからの溶出が早いため、フラクション1〜5のうちフラクション1に含まれる共重合体の重量平均分子量が最も高い。
5個のフラクション(フラクション1〜フラクション5)の合計に含まれる共重合体を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率Naveは、共重合全体における平均値である。酸脱離性基を含む単量体単位(A)が2種以上存在する場合は、共重合組成におけるそれらの比率の合計をNaveとする。
N(v1)/Naveは1.01〜1.20であり、1.01〜1.09が好ましい。
N(v1)/Naveが1.01〜1.20であるということは、共重合組成における酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率が、分子量が高いフラクション1に含まれる共重合体において、共重合全体よりもやや高くなっていることを意味する。
一般に、共重合体は分子量分布を有するため、溶媒への溶解性が均一でなく、レジスト組成物に用いた場合に現像液への溶解性が不十分となりやすい成分が存在する。
酸脱離性基を含む単量体単位(A)を含む共重合体において、現像液等の溶媒への溶解性は、共重合体の分子量及び共重合体鎖中の酸脱離性基を含む単量体単位(A)(酸により結合が開裂して溶解性が増す成分)の量に依存する。
共重合体の分子量については、共重合体における酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率が同じである場合、共重合体の分子量が高いほど溶媒への溶解速度は遅くなり、共重合体の分子量が低いほど溶媒への溶解速度は速くなる。
共重合体鎖中の酸脱離性基を含む単量体単位(A)の量については、酸脱離性基は、酸によって結合が開裂しない状態では共重合体鎖のレジスト溶媒やネガ型現像液等の有機溶剤への溶解速度が向上し、酸によって結合が開裂することにより共重合体鎖のポジ型現像液等のアルカリ性水溶液への溶解速度が向上する。したがって、共重合体の分子量が同じ場合、酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率が高いほど現像液への溶解速度は速くなり、酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率が低いほど現像液への溶解速度は遅くなる。
N(v1)/Naveが1.01以上であるリソグラフィー用共重合体は、フラクション1〜5のうち、分子量が高いフラクション1に含まれる共重合体の分子鎖に酸脱離性基を含む単量体単位(A)が多く含まれている。
したがって、共重合体のうちの高分子量体において、分子量が高いことによる溶解速度の遅さが、酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率が高いことによる溶解速度の速さによって補われ、共重合体の高分子量体の溶解性が選択的に向上する。その結果、共重合体の全体としての溶媒への溶解性が向上する。
一方、分子量が高いフラクション1に含まれる共重合体の分子鎖に酸脱離性基を含む単量体単位(A)が過剰に多く含まれた場合には、共重合体の高分子量体の溶媒への溶解速度が速くなり過ぎるため、共重合体の全体としての溶媒への溶解性が不均一となる傾向がある。
N(v1)/Naveが1.20以下であるリソグラフィー用共重合体は、分子量が高いラクション1に含まれる共重合体の分子鎖に酸脱離性基を含む単量体単位(A)が過剰に多く含まれることによる、溶媒への溶解性の不均一化を抑制することができ、共重合体の全体としての溶媒への溶解性が向上する。
本発明の製造方法により得られるリソグラフィー用共重合体の重量平均分子量は、1000〜100000が好ましく、3000〜30000がより好ましい。リソグラフィー用共重合体の重量平均分子量が1000以上であると、塗膜性能に優れる。また、リソグラフィー用共重合体の重量平均分子量が100000以下であると、塗膜形成時に用いられる溶媒やアルカリ性現像液への溶解性に優れる。
リソグラフィー用共重合体の分子量分布は、リソグラフィー性能に優れることから、1.0〜3.0が好ましく、1.05〜2.5がより好ましく、1.1〜1.7が更に好ましい。
リソグラフィー用共重合体中の酸脱離性基を含む単量体単位(A)の含有率は、レジストの感度や解像度に優れることから、リソグラフィー用共重合体を構成する全単量体単位100モル%中、20〜60モル%が好ましく、25〜55モル%がより好ましく、35〜50モル%が更に好ましい。
リソグラフィー用共重合体中の酸脱離性基を含まない単量体単位(B)の含有率は、レジストの感度や解像度に優れることから、リソグラフィー用共重合体を構成する全単量体単位100モル%中、40〜80モル%が好ましく、45〜75モル%がより好ましく、50〜65モル%が更に好ましい。
リソグラフィー用共重合体にラクトン骨格を含む単量体単位(B1)を含む場合、リソグラフィー用共重合体中のラクトン骨格を含む単量体単位(B1)の含有率は、基板等への密着性に優れることから、リソグラフィー用共重合体を構成する全単量体単位100モル%中、20〜60モル%が好ましく、25〜55モル%がより好ましく、35〜50モル%が更に好ましい。
リソグラフィー用共重合体に親水性基を含む単量体単位(B2)を含む場合、リソグラフィー用共重合体中の親水性基を含む単量体単位(B2)の含有率は、レジストパターンの矩形性に優れることから、5〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましく、15〜20モル%が更に好ましい。
<溶液の供給>
前述のようなリソグラフィー用共重合体を得るためには、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、反応器内への単量体等の供給口として、溶液Sa、溶液Tb、重合開始剤(c)溶液等を供給することができる供給口を有することが好ましい。供給口は、単数でもよく、複数でもよい。
溶液Saは、単量体及び溶媒を含む溶液である。溶液Saは、単量体、溶媒以外にも、重合開始剤(c)、連鎖移動剤(d)を含んでもよい。
aは、1〜dを表す。
dは、1以上の整数を表す。
溶液Tbは、単量体及び溶媒を含む溶液である。溶液Tbは、単量体、溶媒以外にも、重合開始剤(c)、連鎖移動剤(d)を含んでもよい。
bは、1〜eを表す。
eは、1以上の整数を表す。
<溶液Saの供給>
溶液Sa(以下、単に「Sa」と表すこともある。)は、1種の溶液のみ(S1のみ)でもよく、2種以上の溶液(S1、S2、・・・、Sd)でもよい。
溶液Saとして2種以上の溶液を用いる場合、溶液Saの単量体組成比(モル%)は、溶液S1〜溶液Sdを合計した単量体組成比(モル%)となる。
dは、2〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。dが2以上であると、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができる。また、dが5以下であると、重合工程の煩雑さを抑制することができる。
溶液S1〜溶液Sdの各単量体組成比は、互いに同一でもよく、異なってもよい。また、溶液S1〜溶液Sdの各単量体組成比は、得ようとするリソグラフィー用共重合体を構成するための単量体組成比(以下、「目標組成比」という。)と同一でもよく、異なってもよい。
溶液Saの単量体組成比は、目標組成比と各単量体の反応性とを加味して設計されることが好ましい。
溶液Saは、予め反応器内に供給しておいてもよく、滴下等により反応器内に徐々に供給してもよく、これらの供給方法を併用してもよい。
溶液Saは、分子量が高いフラクション1に含まれる共重合体の分子鎖に酸脱離性基を含む単量体単位(A)が多く含ませることができることから、重合工程の初期に、全量を反応器内に供給することが好ましい。具体的には、溶液Saの全量を反応器内に供給する期間は、単量体供給期間の初期20%以内が好ましく、単量体供給期間の初期15%以内がより好ましく、単量体供給期間の初期10%以内が更に好ましい。
また、溶液Saは、単量体供給期間の初期0%に、全量を反応器内に供給してもよい。即ち、重合開始前に、溶液Saの全量を反応器内に供給してもよい。
尚、単量体供給期間は、重合開始から単量体供給終了までの期間表す。
<溶液Tbの供給>
溶液Tb(以下、単に「Tb」と表すこともある。)は、1種の溶液のみ(T1のみ)でもよく、2種以上の溶液(T1、T2、・・・、Te)でもよい。
溶液Tbとして2種以上の溶液を用いる場合、溶液Tbの単量体組成比(モル%)は、溶液T1〜溶液Teを合計した単量体組成比(モル%)となる。
eは、2〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。eが2以上であると、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができる。また、eが5以下であると、重合工程の煩雑さを抑制することができる。
溶液T1〜溶液Teの各単量体組成比は、互いに同一でもよく、異なってもよいが、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、互いに同一であることが好ましい。また、溶液T1〜溶液Teの各単量体組成比は、目標組成比と同一でもよく、異なってもよいが、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、目標組成比と同一であることが好ましい。
溶液Tbの単量体組成比は、所望のリソグラフィー用共重合体組成に近づけることができることから、目標組成比に対して10%以内の誤差であることが好ましく、目標組成比に対して5%以内の誤差であることがより好ましく、目標組成比と同一に設計されることが更に好ましい。
溶液Tbは、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、滴下により反応器内に徐々に供給することが好ましい。
溶液Saと溶液Tbの量比は、所望のリソグラフィー用共重合体組成に近づけることができることから、単量体全量100モル%中、溶液Saが0.1〜50モル%、溶液Tbが50〜99.9モル%が好ましく、溶液Saが0.3〜40モル%、溶液Tbが60〜99.7モル%がより好ましく、溶液Saが0.5〜30モル%、溶液Tbが70〜99.5モル%が更に好ましい。
<重合開始剤(c)の供給>
重合開始剤(c)は、高分子量成分の生成を抑制することができることから、滴下により反応器内に徐々に供給することが好ましい。
重合開始剤(c)は、溶液Saに含ませてもよく、溶液Tbに含ませてもよく、溶液Saや溶液Tbとは別に調整した重合開始剤(c)溶液に含ませてもよく、これらを併用してもよい。
重合開始剤(c)を溶液Saや溶液Tbとは別に調整した重合開始剤(c)溶液に含ませる場合、重合開始剤(c)溶液の供給は、溶液Tbの供給終了まで行ってもよく、溶液Tbの供給終了前に完了させてもよいが、高分子量成分の生成を抑制することができることから、溶液Tbの供給終了前に完了させることが好ましい。
前述のようなリソグラフィー用共重合体を得るためには、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、重合工程(X)、重合工程(Y)又は重合工程(Z)とすることが好ましい。
<重合工程>
以下、重合工程(X)について説明する。
溶液Saの全量を予め反応器内に供給する。次いで、反応器内を所定の重合温度まで加熱し、反応器内に重合開始剤(c)を含む溶液Tbを滴下して供給する。その際、重合開始剤(c)は、溶液Tbに含ませず、溶液Tbと重合開始剤溶液とを並行して反応器内に供給してもよい。溶液Tbと重合開始剤溶液は、同時に供給を開始するか、重合開始剤溶液を先に供給を開始する。
重合工程(X)において、重合開始剤溶液の供給開始から溶液Tbの供給開始までの期間は、高分子量成分の生成を抑制することができることから、0〜10分が好ましく、0〜3分がより好ましく、0分が更に好ましい。
重合工程(X)において、溶液Tbと重合開始剤溶液との供給速度は、所望の分子量や分子量分布を有するリソグラフィー用共重合体を得ることができることから、一定であることが好ましい。
重合工程(X)において、重合開始剤溶液の供給は、高分子量成分の生成を抑制することができることから、溶液Tbの供給よりも先に完了させることが好ましい。
以下、重合工程(Y)について説明する。
溶媒のみを予め反応器内に供給する。次いで、反応器内を所定の重合温度まで加熱し、反応器内に溶液Saと重合開始剤(c)を含む溶液Tbとを滴下して供給する。その際、溶液Saに、重合開始剤(c)を含ませてもよい。溶液Saと溶液Tbとは、同時に供給を開始するか、溶液Saを先に供給を開始する。
重合工程(Y)において、溶液Saの供給開始から溶液Tbの供給開始までの期間は、高分子量成分の生成を抑制することができることから、0〜10分が好ましく、0〜3分がより好ましく、0分が更に好ましい。
重合工程(Y)において、溶液Saと溶液Tbとの供給速度は、所望の分子量や分子量分布を有するリソグラフィー用共重合体を得ることができることから、一定であることが好ましい。
重合工程(Y)において、溶液Saの供給は、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、溶液Tbの供給よりも先に完了させることが好ましい。
以下、重合工程(Z)について説明する。
溶液Saの一部を予め反応器内に供給する。次いで、反応器内を所定の重合温度まで加熱し、反応器内に溶液Saの残部と重合開始剤(c)を含む溶液Tbを滴下して供給する。その際、溶液Saの残部に、重合開始剤(c)を含ませてもよい。溶液Saの残部と溶液Tbとは、同時に供給を開始するか、溶液Saの残部を先に供給を開始する。
重合工程(Z)において、溶液Saの残部の供給開始から溶液Tbの供給開始までの期間は、高分子量成分の生成を抑制することができることから、0〜10分が好ましく、0〜3分がより好ましく、0分が更に好ましい。
重合工程(Z)において、溶液Saの残部と溶液Tbとの供給速度は、所望の分子量や分子量分布を有するリソグラフィー用共重合体を得ることができることから、一定であることが好ましい。
重合工程(Z)において、溶液Saの残部の供給は、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、溶液Tbの供給よりも先に完了させることが好ましい。
重合工程(X)、重合工程(Y)、重合工程(Z)の完了後、必要に応じて、反応器内を重合温度に保持する保持工程、反応器内の温度を下げる冷却工程、精製工程等を実施してもよい。
これらの重合工程の中でも、より所望の分子量や分子量分布を有するリソグラフィー用共重合体を得ることができ、より所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、重合工程(Z)が好ましい。
<溶液Saの調製>
以下、溶液Saの単量体組成比(モル%)の設定方法について説明する。
まず、溶媒のみを入れた反応器内を所定の重合温度まで加熱し、目標組成比α’1:α’2:・・・:α’n(モル%)と同じ組成の単量体混合物と溶媒と重合開始剤とを含む溶液を反応器内に一定の供給速度で滴下して供給する。滴下開始からの経過時間がt1〜tmのときに生成した単量体単位の組成比P1:P2:・・・:Pn(モル%)を算出する。
このとき、P1:P2:・・・:Pnは、t1〜tmのときの未反応の単量体組成比α1:α2:・・・:αn(モル%)から差し引くことで算出できる。
nは、2以上の整数を表す。
mは、2以上の整数を表す。
次いで、P1:P2:・・・:Pnが一定又は一定に近い状態(以下、「安定状態」という。)となる時間帯tk−1からtkまでの間を見つける。tk−1からtkまでの単量体の転化率をP’1:P’2:・・・:P’n(モル%)を算出する。
通常、経過時間と溶液中の未反応の単量体の組成比との関係を調べると、未反応の単量体の組成比は、重合反応期間の初期に変動し、その後、徐々に変動が小さくなり、一定又は一定に近い状態となる。また、未反応の単量体の組成比は、供給する溶液の全てを供給した後、再度変動する。
kは、2以上の整数を表す。
次いで、滴下開始からの経過時間tkにおける単量体の転化率P’1:P’2:・・・:P’nから、目標組成比α’1:α’2:・・・:α’nを得るためのファクターF1、F2、・・・、Fnを算出する。ファクターは、それぞれ、F1=P1/P’1、F2=P2/P’2、・・・、Fn=Pn/P’nにより算出できる。
次いで、F1、F2、・・・、Fnの関数であるG1、G2、・・・、Gnと、目標組成比α’1:α’2:・・・:α’nとを用いて、理想溶液S’aの組成比(モル%)を算出する。目標組成比α’1:α’2:・・・:α’nにおけるS’aの組成比を、S’a1、S’a2、・・・、S’anとするとき、以下の式で算出する。
S’a1=(α’1/G1)/(α’1/G1+α’2/G2+・・・+α’n/Gn)×100
S’a2=(α’2/G2)/(α’1/G1+α’2/G2+・・・+α’n/Gn)×100
S’an=(α’n/Gn)/(α’1/G1+α’2/G2+・・・+α’n/Gn)×100
このとき、ファクターFiの関数Giの値は、以下の式とすることで、N(v1)/Naveが、1.01〜1.20となる。
酸脱離性基を含む単量体(a)の場合 :Gi=Fi/3
酸脱離性基を含む単量体(a)以外の場合:Gi=Fi
iは、1以上n以下の整数を表す。
溶液Saの単量体組成比(モル%)各値は、所望のリソグラフィー用共重合体組成に制御することができることから、上記で算出される理想溶液S’aの組成比(モル%)の各値の0.75〜1.25倍が好ましく、0.8〜1.2倍がより好ましく、0.9〜1.1倍が更に好ましい。
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法で得られるリソグラフィー用共重合体は、高分子量側に酸脱離性基を含む単量体単位(A)が適度に多く存在するため、共重合体の分子量が高いことによる溶媒への溶解速度の低下が、酸脱離性基を含む単量体単位(A)の組成分布が高いことによる溶解速度の上昇で補われ、溶媒への溶解性が向上し、溶解速度の均一性が向上する。
したがって、本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法で得られるリソグラフィー用共重合体を化学増幅型レジスト組成物に用いた場合、現像液への溶解性及び溶解速度の均一性が向上し、高感度な化学増幅型レジスト組成物を得ることができる。
また、本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法で得られるリソグラフィー用共重合体は、高分子量成分の生成が抑制されており、マイクロゲルの生成等を抑制することができることから、レジスト組成物に用いた場合、レジスト溶媒への溶解性に優れ、感度に優れたレジスト膜を形成できる。
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法で得られるリソグラフィー用共重合体は、高分子量成分の割合が少なく、現像液への溶解性が均一で、レジスト組成物に用いたときの感度を向上できることから、レジスト膜の形成に用いられるレジスト用共重合体だけでなく、例えば、レジスト膜の上層に形成される反射防止膜(TARC)又はレジスト膜の下層に形成される反射防止膜(BARC)の形成に用いられる反射防止膜用共重合体、ギャップフィル膜の形成に用いられるギャップフィル膜用共重合体、トップコート膜の形成に用いられるトップコート膜用共重合体等に好適に用いることができる。
反射防止膜用共重合体は、吸光性基を含む単量体単位と共に、レジスト膜との混合を避けるため、硬化剤等と反応して硬化可能なアミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、エポキシ基等の反応性官能基を含む単量体単位を含むことが好ましい。
吸光性基は、レジスト組成物中の感光成分が感度を有する波長領域の光に対して高い吸収性能を有する基であり、例えば、フェノール性水酸基、アントラセン環、ナフタレン環、ベンゼン環、キノリン環、キノキサリン環、チアゾール環等の環構造(任意の置換基を有していてもよい。)を有する基等が挙げられる。これらの吸光性基の中でも、照射光としてKrFレーザ光が用いられる場合、アントラセン環、任意の置換基を有するアントラセン環が好ましく、照射光としてArFレーザ光が用いられる場合、ベンゼン環、任意の置換基を有するベンゼン環が好ましい。
任意の置換基としては、例えば、アルコール性水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
吸光性基を含む単量体としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
特に、吸光性基として、保護された又は保護されていないフェノール性水酸基を有する反射防止膜用重合体が、良好な現像性・高解像性の観点から好ましい。
<レジスト組成物の製造方法>
本発明のレジスト組成物の製造方法は、本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法で得られた共重合体と、活性エネルギー線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」という。)とを混合する工程を含むことが好ましい。
本発明のレジスト組成物の製造方法は、リソグラフィー用共重合体と光酸発生剤とを、レジスト溶媒に溶解して混合することが好ましい。
レジスト溶媒としては、例えば、前述した溶液重合の溶媒等が挙げられる。
レジスト組成物は、リソグラフィー用共重合体と光酸発生剤とをレジスト溶媒に溶解した溶液でもよく、その後に濾過した濾液でもよく、リソグラフィー用共重合体と光酸発生剤とをレジスト溶媒に溶解して濃縮した濃縮液でもよく、その後に濾過した濾液でもよい。このようなレジスト組成物が、化学増幅型レジスト組成物である。
<光酸発生剤>
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物として用いることができる化合物であればよく、公知の光酸発生剤が挙げられる。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。これらの光酸発生剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤の含有量は、リソグラフィー用共重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
<窒素化合物>
レジスト組成物には、リソグラフィー用共重合体、光酸発生剤、レジスト溶媒以外にも、必要に応じて、窒素化合物を含んでもよい。レジスト組成物中に窒素化合物を含むことにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。即ち、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなる。また、半導体素子の量産ライン等では、レジスト膜に光を照射し、次いでベーク(PEB)した後、次の現像処理までの間に数時間放置されることがあるが、そのような放置(経時)によるレジストパターンの断面形状の劣化の発生が抑制される。
窒素化合物としては、例えば、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物等のアミン化合物等が挙げられる。これらの窒素化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの窒素化合物の中でも、アミン化合物が好ましく、第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンがより好ましい。
窒素化合物の含有量は、リソグラフィー用共重合体100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましい。
<酸化合物>
レジスト組成物には、リソグラフィー用共重合体、光酸発生剤、窒素化合物、レジスト溶媒以外にも、必要に応じて、有機カルボン酸、リンのオキソ酸又はその誘導体(以下、「酸化合物」という。)を含んでもよい。レジスト組成物中に酸化合物を含むことにより、窒素化合物の配合による感度劣化を抑えることができ、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。これらの有機カルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リンのオキソ酸又はその誘導体としては、例えば、リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体、ホスフィン酸又はその誘導体等が挙げられる。これらのリンのオキソ酸又はその誘導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化合物の含有量は、リソグラフィー用共重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
<各種添加剤>
レジスト組成物には、リソグラフィー用共重合体、光酸発生剤、窒素化合物、酸化合物、レジスト溶媒以外にも、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでもよい。
各種添加剤は、リソグラフィー用共重合体の分野における公知の添加剤を用いることができる。
各種添加剤の含有量は、その特性に応じて、適宜決めればよい。
<レジスト組成物の用途>
本発明のレジスト組成物の製造方法で得られたレジスト組成物は、レジスト溶媒への溶解性に優れ、感度に優れたレジスト膜を形成できることから、パターンが形成された基板に好適に用いることができる。
<パターンが形成された基板の製造方法>
本発明のパターンが形成された基板の製造方法は、本発明のレジスト組成物の製造方法で得られたレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むことが好ましい。
レジスト組成物を被加工基板上に塗布する方法としては、例えば、所望のパターンを形成しようとするシリコンウエハー等の基板の被加工面上に、レジスト組成物をスピンコート等により塗布し、レジスト組成物が塗布された基板を、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥することにより、基板上にレジスト膜を形成する方法等が挙げられる。
250nm以下の波長の光での露光は、基板上のレジスト膜に対して、フォトマスクを介して露光を行い潜像を形成することが好ましい。
露光光としては、250nm以下の波長の光であればよく、例えば、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV光、電子線等が挙げられる。これらの露光光の中でも、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV光が好ましく、ArFエキシマレーザーがより好ましい。
レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間には、純水、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
<現像>
露光後、現像処理を行うことにより、パターンが形成される。
現像処理方法としては、例えば、基板上のレジスト膜の一部を溶解させ、基板を純水等で適宜洗浄処理(リンス処理)する方法等が挙げられる。
現像方式は、ポジ型、ネガ型のいずれでもよい。
ポジ型の場合は、露光された領域のレジスト膜が溶解する。
ネガ型の場合は、露光された領域以外のレジスト膜が溶解する。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
<現像液>
ポジ型現像を行う場合、現像液として、アルカリ性現像液を用いることが好ましく、アルカリ性水溶液を用いることがより好ましい。
ポジ型現像に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第2級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩;ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性化合物の水溶液等が挙げられる。これらのポジ型現像に用いるアルカリ性水溶液は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポジ型現像の後に行う洗浄処理の洗浄液は、純水でもよく、純水に界面活性剤を適量添加したものでもよい。
ネガ型現像を行う場合、現像液として、有機溶剤を用いることが好ましい。
ネガ型現像に用いる有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらのネガ型現像に用いる有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
得られた現像後の基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストのある部分を強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、パターンが形成された基板が得られる。
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法で得られたリソグラフィー用共重合体は、高分子量成分の割合が少なく、現像液への溶解性が均一で、レジスト組成物に用いたときの感度を向上できる。そのため、レジスト組成物を調製する際のレジスト溶媒へのリソグラフィー用共重合体の溶解を容易にかつ良好に行うことができる。
本発明のレジスト組成物の製造方法により得られたレジスト組成物は、アルカリ現像液に対する優れた溶解性が得られることから、感度がし向上、レジスト組成物中の不溶分が少ないことから、パターン形成において不溶分に起因する欠陥が生じにくい。また、本発明のレジスト組成物の製造方法により得られたレジスト組成物は、高感度及び高解像度のレジスト組成物の使用が要求される、波長250nm以下の露光光(例えば、波長193nmのArFエキシマレーザーによる照射光)を用いるフォトリソグラフィー又は電子線リソグラフィーにおいて、パターン形成に好適に用いることができる。
尚、波長250nm以下の露光光を用いるフォトリソグラフィーに用いられるレジスト組成物を製造する場合には、リソグラフィー用共重合体が露光光の波長において透明であるように、単量体を適宜選択して用いることが好ましい。
ポジ型のレジスト組成物の場合は、アルカリ性現像液に対する優れた溶解性が得られることから、感度が向上し、レジスト組成物中の不溶分が少ないことから、パターン形成において不溶分に起因する欠陥が生じにくい。
ネガ型のレジスト組成物の場合は、有機溶剤に対する優れた溶解性が得られることから、感度が向上し、レジスト組成物中の不溶分が少ないことから、パターン形成において不溶分に起因する欠陥が生じにくい。
本発明のパターンが形成された基板の製造方法により得られたパターンが形成された基板は、以上のことから、欠陥が少なく、高精度の微細なパターンを有する。
このような欠陥が少なく、高精度の微細なパターンを有する基板は、IC等の半導体製造工程;パソコン、タブレット等の集積回路;液晶ディスプレイ等に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と下記実施例の値または実施例同士の値との組合せで規定される範囲であってもよい。
(重量平均分子量・分子量分布の測定)
共重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、下記のGPC条件1で、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で求めた。
[GPC条件1]
装置 :高速GPC装置「HLC−8220GPC」(東ソー(株)製)
分離カラム:「Shodex GPC K−805L」(昭和電工(株)製)を3本直列に連結したもの
測定温度 :40℃
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流量 :1mL/分
注入量 :0.1mL
検出器 :示差屈折計「ATAGO RX−5000α」((株)アタゴ製)
試料 :共重合体そのものの場合、共重合体約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液;重合反応溶液の場合、サンプリングした重合反応溶液の約30mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液
尚、検量線は、標準ポリスチレンの約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記のGPC条件1で分離カラムに注入し、溶出時間と分子量の関係から作製した。標準ポリスチレンは、下記の標準ポリスチレン(いずれも東ソー(株)製)を用いた。
「F−80」(Mw=706000)
「F−20」(Mw=190000)
「F−4」(Mw=37900)
「F−1」(Mw=10200)
「A−2500」(Mw=2630)
「A−500」(Mw=682、578、474、370、260の混合物)
(単量体の定量)
重合反応溶液中に残存する未反応の単量体量は、以下の方法で求めた。
反応器内の重合反応溶液を0.5g採取し、これをアセトニトリルで希釈し、メスフラスコを用いて全量を50mLとした。この希釈液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、高速液体クロマトグラフ「HPLC−8020」(東ソー(株)製)を用いて、希釈液中の未反応単量体量を、単量体ごとに求めた。
この測定において、分離カラムは「Inertsil ODS−2」(ジーエルサイエンス(株)製)を1本用い、移動相は水/アセトニトリルのグラジエント系、流量0.8mL/min、検出器は紫外・可視吸光光度計「UV−8020」(東ソー(株)製)、検出波長220nm、測定温度40℃、注入量4μLで測定した。
尚、分離カラムである「Inertsil ODS−2」は、シリカゲル粒径5μm、カラム内径4.6mm×カラム長さ450mmのものを用いた。
また、移動相のグラジエント条件は、A液を水、B液をアセトニトリルとし、下記の通りとした。未反応単量体量を定量するために、濃度の異なる3種類の各単量体溶液を標準液として用いた。
測定時間0〜3分 :A液/B液=90体積%/10体積%
測定時間3〜24分 :A液/B液=90体積%/10体積%から50体積%/50体積%まで
測定時間24〜36.5分:A液/B液=50体積%/50体積%から0体積%/100体積%まで
測定時間36.5〜44分:A液/B液=0体積%/100体積%
(共重合体のGPCによる分割)
共重合体の分割は、下記のGPC条件2で、GPCにより行った。各フラクションの溶液から溶媒を留去して固形物を得ることにより、各フラクションに含まれる共重合体を得た。
[GPC条件2]
装置 :分取型液体クロマトグラフ「LC−9105」(日本分析工業(株)製)
分離カラム:「JAIGEL−2H」(日本分析工業(株)製)と「JAIGEL−3H」(日本分析工業(株)製)を直列に連結したもの
測定温度 :40℃
溶離液 :THF
流量 :3.5mL/分
注入量 :10mL
検出器 :示差屈折計「ATAGO RX−5000α」((株)アタゴ製)
試料 :共重合体の約1gを10mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液
分取方法 :溶出曲線において、共重合体に係るピークを示す溶離液を体積が均等になるように溶出順に5分割して、5個のフラクションを分取した。
(共重合組成の測定)
上記共重合体のGPCによる分割で分取した5個のフラクションにおける各共重合組成を、以下の方法で測定した。
5個の各フラクションから溶媒を留去し、得られた固形物の約5質量部を重ジメチルスルホキシドの約95質量部に溶解して試料溶液を調製した。この試料溶液をNMRチューブに入れ、H−NMR(日本電子(株)製、共鳴周波数270MHz)を用いて分析した。各単量体単位に由来するシグナルの積分強度比から、共重合体の共重合組成を算出した。
(共重合体の溶解性の評価)
共重合体20質量部とプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート80質量部とを混合し、25℃に保ちながら撹拌を行い、目視で完全溶解を判断したのち、得られた溶液を2分割して、一方の溶液にヘプタン55.5質量部を、もう一方の溶液にメタノール6.96質量部を添加した後15分攪拌し、室温での濁度を測定した。濁度計は、「Orbeco−Hellige TB200」(Orbeco Hellige社製)を用いた。
ヘプタン添加時の濁度が小さいほど炭化水素等の低極性溶剤への溶解性に優れ、メタノール添加時の濁度が小さいほどアルコール等の高極性溶剤への溶解性に優れる。また、一般に、濁度が10NTUを超えると目視で濁っていると判断される。
(レジスト組成物の感度の評価)
レジスト組成物を厚さ6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間のプリベーク(PAB)を行い、厚さ300nmのレジスト膜を形成した。次いで、ArFエキシマレーザー露光装置「VUVES−4500」(リソテックジャパン(株)製)を用い、露光量を変えながら10mm×10mmの面積の18ショットを露光した。次いで、110℃、60秒間のポストベーク(PEB)を行った後、レジスト現像アナライザー「RDA−806」(リソテックジャパン(株)製)を用い、23.5℃、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で65秒間現像した。各露光量のレジスト膜について、現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
得られたレジスト膜厚の経時変化のデータを基に、露光量(mJ/cm)の対数と、初期膜厚に対する30秒間現像した時点での残存膜厚の比率(%)(以下、残膜率という。)との関係をプロットして、露光量−残膜率曲線作成した。この曲線に基づいて、残膜率0%とするための必要露光量(Eth)の値を求めた。すなわち、露光量−残膜率曲線が、残膜率0%の直線と交わる点における露光量(mJ/cm)をEthとして求めた。
Ethの値は、感度を表し、この値が小さいほど、感度が高いことを示す。
<参考例:溶液Saの調製>
単量体は、酸脱離性基を含む単量体(a)として、1−エチルシクロヘキシルメタクリレート(以下、「単量体(1)」という。)を、ラクトン骨格を含む単量体(b1)として、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(以下、「単量体(2)」という。)を、親水性基を含む単量体(b2)として、メタクリル酸−3−ヒドロキシアダマンチル(以下、「単量体(3)」という。)を用いた。
目標組成比は、α’1(単量体(1)):α’2(単量体(2)):α’3(単量体(3))=40:40:20(モル%)とした。
重合開始剤(c)は、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(商品名「V601」、和光純薬工業(株)製)を用いた。
重量平均分子量の目標値は、10000とした。
重合温度は、80℃とした。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサー、滴下漏斗及び温度計を備えたフラスコ(反応器)内を窒素雰囲気下にし、乳酸エチル67.8質量部を供給した。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に加熱した。
次いで、下記化合物を混合した溶液を、滴下漏斗により4時間かけて一定の滴下速度でフラスコ内に滴下し、更にフラスコ内の温度を80℃で3時間保持した。
単量体(1)32.93質量部(40モル%)
単量体(2)28.56質量部(40モル%)
単量体(3)19.82質量部(20モル%)
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート2.415質量部(単量体の全供給量に対して2.5モル%)
乳酸エチル122.0質量部
その後、25℃まで冷却し、反応を停止させた。
上記混合溶液の滴下開始から0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間後に、それぞれフラスコ内の溶液を0.5gサンプリングし、フラスコ内に残存する未反応の単量体組成比α1:α2:α3(モル%)を算出した。表1に、滴下開始から2時間後及び3時間後のフラスコ内に残存する未反応の単量体組成比α1:α2:α3(モル%)を示す。
表1に示すフラスコ内に残存する未反応の単量体組成比α1:α2:α3(モル%)から、生成した単量体単位の組成比P1:P2:P3(モル%)を算出した。表2に、滴下開始から2時間後及び3時間後の生成した単量体単位の組成比P1:P2:P3(モル%)を示す。
滴下開始から2時間後〜3時間後において、生成した単量体単位の組成比P1:P2:P3が安定状態となった。滴下開始から3時間後の単量体の転化率P’1:P’2:P’3(モル%)を算出したところ、38.47:41.05:20.48であった。
滴下開始から3時間後の単量体の転化率P’1:P’2:P’3=38.47:41.05:20.48から、目標組成比α’1:α’2:α’3=40:40:20を得るためのファクターF1、F2、F3を算出した。
F1=P1/P’1=1.27
F2=P2/P’2=0.76
F3=P3/P’3=1.22
F1、F2、F3の関数であるG1、G2、G3と、目標組成比α’1:α’2:α’3=40:40:20、とを用いて、理想溶液S’aの組成比S’a1:S’a2:S’a3(モル%)を算出した。
S’a1=(α’1/G1)/(α’1/G1+α’2/G2+α’3/G3)×100=76.7
S’a2=(α’2/G2)/(α’1/G1+α’2/G2+α’3/G3)×100=15.3
S’an=(α’n/Gn)/(α’1/G1+α’2/G2+α’3/G3)×100=8.0
ファクターF1、F2、F3の関数G1、G2、G3の値は、以下の値を用いた。
G1=F1/3=0.25
G2=F2=1.27
G3=F3=1.22
<実施例1>
単量体種類、目標組成比、重合開始剤種類、重量平均分子量の目標値、重合温度は、参考例と同じとした。
溶液S1を参考例で算出した溶液Saとし、溶液T1を目標組成比と同じとし、重合工程(Z)によりリソグラフィー用共重合体を得た。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個及び温度計を備えたフラスコ(反応器)内を窒素雰囲気下にし、溶液S1を供給した。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に加熱した。
次いで、別個の滴下漏斗より、下記溶液T1と重合開始剤(c)溶液の供給を同時に開始し、溶液T1を4時間かけて、重合開始剤(c)溶液を20分かけて、一定の滴下速度でフラスコ内に滴下し、更に溶液T1の供給終了後からフラスコ内の温度を80℃で3時間保持した。
その後、溶液T1の滴下開始から7時間後に、25℃まで冷却し、反応を停止させた。
初期5%の重合反応期間に供給した重合開始剤(c)は、重合開始剤(c)の全供給量の27質量%であった。
溶液S1、溶液T1、重合開始剤(c)溶液は、以下の混合溶液を用いた。
(溶液S1)
単量体(1)9.42質量部(76.7モル%)
単量体(2)1.69質量部(15.3モル%)
単量体(3)1.21質量部(8.0モル%)
乳酸エチル99.3質量部
(溶液T1)
単量体(1)34.30質量部(40モル%)
単量体(2)29.75質量部(40モル%)
単量体(3)20.65質量部(20モル%)
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート2.119質量部(溶液S1及び溶液T1中の単量体の全供給量に対して1.84モル%)
乳酸エチル118.8質量部
(重合開始剤(c)溶液)
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.530質量部(溶液S1及び溶液T1中の単量体の全供給量に対して0.48モル%)
乳酸エチルを8.3質量部
得られたフラスコ内の重合反応溶液を、約10倍量のメタノール及び水の混合溶媒(メタノール:水=80:20(体積比))に撹拌しながら滴下し、白色の固体が析出した。白色の固体を濾別し、再度、約10倍量のメタノール及び水の混合溶媒(メタノール:水=80:20(体積比))に撹拌しながら滴下し、白色の固体の洗浄を行った。洗浄後の白色の固体を濾別し、リソグラフィー用共重合体(1)の湿粉160質量部を得た。得られたリソグラフィー用共重合体(1)の湿粉の10質量部を、減圧下40℃で、約40時間乾燥させ、リソグラフィー用共重合体(1)を得た。
得られたリソグラフィー用共重合体(1)のMw、Mw/Mn、N(v1)〜N(v5)、Naveを表3に示す。また、得られたリソグラフィー用共重合体(1)の溶解性を、表4に示す。
上記リソグラフィー用共重合体(1)の湿粉の残りを、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート880質量部に溶解させ、孔径0.04μmのナイロン製フィルター(商品名「P−NYLON N66FILTER0.04M」、日本ポール(株)製)へ通液して濾過した。得られた溶液を、減圧下で加熱して、メタノール及び水を留去し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタートの一部を留去し、リソグラフィー用共重合体(1)の濃度が25質量%の溶液を得た。溶媒の留去の条件は、最高到達真空度0.7kPa、最高溶液温度65℃、留去時間8時間であった。
得られたリソグラフィー用共重合体(1)の濃度が25質量%の溶液200質量部、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレート1質量部及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート199質量部を混合し、孔径0.1μmのメンブレンフィルターへ通液して濾過し、レジスト組成物(1)を得た。
得られたレジスト組成物(1)の感度を、表3に示す。
<比較例1>
参考例と同様に、ファクター理想溶液S’aの組成比S’a1:S’a2:S’a3(モル%)を算出した。但し、酸脱離性基を含む単量体(a)の供給割合が一定となるようファクターF1=G1とした。
S’a1=(α’1/G1)/(α’1/G1+α’2/G2+α’3/G3)×100=52.4
S’a2=(α’2/G2)/(α’1/G1+α’2/G2+α’3/G3)×100=31.3
S’an=(α’n/Gn)/(α’1/G1+α’2/G2+α’3/G3)×100=16.3
溶液S1、溶液T1、重合開始剤(c)溶液は、以下の混合溶液を用いた。
(溶液S1)
単量体(1)7.68質量部(52.4モル%)
単量体(2)3.99質量部(31.3モル%)
単量体(3)2.88質量部(16.3モル%)
乳酸エチル99.3質量部
(溶液T1)
単量体(1)27.71質量部(40モル%)
単量体(2)24.03質量部(40モル%)
単量体(3)16.68質量部(20モル%)
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.690質量部(溶液S1及び溶液T1中の単量体の全供給量に対して0.70モル%)
乳酸エチル101.8質量部
(重合開始剤(c)溶液)
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート1.280質量部(溶液S1及び溶液T1中の単量体の全供給量に対して1.30モル%)
乳酸エチルを2.0質量部
用いる溶液を変更した以外は実施例1と同様に操作を行い、共重合体(2)、レジスト組成物(2)を得た。
初期5%の重合反応期間に供給した重合開始剤(c)は、重合開始剤(c)の全供給量の68質量%であった。
得られた共重合体(2)のMw、Mw/Mn、N(v1)〜N(v5)、Naveを表3に示す。また、得られた共重合体(2)の溶解性、得られたレジスト組成物(2)の感度を、表4に示す。
<比較例2>
溶液S1、溶液T1、重合開始剤(c)溶液は、以下の混合溶液を用いた。
(溶液S1)
単量体(1)12.89質量部(100モル%)
単量体(2)0質量部(0モル%)
単量体(3)0質量部(0モル%)
乳酸エチル100.7質量部
(溶液T1)
単量体(1)34.30質量部(40モル%)
単量体(2)29.75質量部(40モル%)
単量体(3)20.65質量部(20モル%)
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート1.997質量部(溶液S1及び溶液T1中の単量体の全供給量に対して1.73モル%)
乳酸エチル116.5質量部
(重合開始剤(c)溶液)
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.666質量部(溶液S1及び溶液T1中の単量体の全供給量に対して0.58モル%)
乳酸エチルを10.4質量部
用いる溶液を変更した以外は実施例1と同様に操作を行い、共重合体(3)、レジスト組成物(3)を得た。
初期5%の重合反応期間に供給した重合開始剤(c)は、重合開始剤(c)の全供給量の32質量%であった。
得られた共重合体(3)のMw、Mw/Mn、N(v1)〜N(v5)、Naveを表3に示す。また、得られた共重合体(3)の溶解性、得られたレジスト組成物(3)の感度を、表4に示す。
表3、表4から分かるように、実施例1で得られたリソグラフィー用共重合体(1)は、低極性溶剤であるヘプタン及び高極性溶剤であるメタノールの溶解性に優れ、リソグラフィー用共重合体(1)を用いたレジスト組成物(1)は、感度に優れた。
一方、N(v1)/Naveの値が小さい比較例1で得られた共重合体(2)は、低極性溶剤であるヘプタンの溶解性に劣り、共重合体(2)を用いたレジスト組成物(2)は、感度に劣った。また、初期5%の重合反応期間に供給した重合開始剤(c)が多い比較例2で得られた共重合体(3)は、高極性溶剤であるメタノールの溶解性に劣った。
本発明のパターンが形成された基板の製造方法により得られたパターンが形成された基板は、欠陥が少なく、高精度の微細なパターンを有する。このような欠陥が少なく、高精度の微細なパターンを有する基板は、IC等の半導体製造工程;パソコン、タブレット等の集積回路;液晶ディスプレイ等に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 酸脱離性基を含む単量体(a)、酸脱離性基を含まない単量体(b)及び重合開始剤(
    c)を反応器内に供給して重合体を生成する、分子量分布(Mw/Mn)が、1.1〜1
    .7であるリソグラフィー用共重合体の製造方法であって、
    前記酸脱離性基を含む単量体(a)はエチレン性二重結合を有し、前記酸脱離性基を含
    まない単量体(b)は極性基を含み、前記重合開始剤(c)は10時間半減期温度が50
    〜70℃である熱重合開始剤であり、かつ、
    合開始から重合終了までの重合反応期間の初期5%の重合反応期間に、重合開始剤(
    c)の全供給量の5〜30質量%を反応器内に供給して製造され、得られる共重合体が
    下記条件を満たすものである、リソグラフィー用共重合体の製造方法。
    (条件)ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により得られる溶出曲
    線において、リソグラフィー用共重合体に係るピークを示す溶離液を体積が均等になるよ
    うに溶出順に分割した5個のフラクションのうち、最も先に溶出された1番目のフラクシ
    ョンに含まれる共重合体を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(
    A)の比率をN(v1)モル%とし、前記5個のフラクションの合計に含まれる共重合体
    を構成する全単量体単位のうちの酸脱離性基を含む単量体単位(A)の比率をNaveモ
    ル%としたとき、N(v1)/Naveが、1.01〜1.20である。
  2. 前記N(v1)/Naveが、1.01〜1.09である、請求項1に記載のリソグラ
    フィー用共重合体の製造方法。
  3. 前記酸脱離性基を含む単量体(a)が、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基及び酸脱離
    性基を有する(メタ)アクリル酸エステルである、請求項1又は2に記載のリソグラフィ
    ー用共重合体の製造方法。
  4. 前記酸脱離性基を含まない単量体(b)が、ラクトン骨格を含む単量体(b1)を含む
    、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリソグラフィー用共重合体の製造方法。
  5. 前記酸脱離性基を含まない単量体(b)が、親水性基を含む単量体(b2)を含む、請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のリソグラフィー用共重合体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリソグラフィー用共重合体の製造方法で得られた
    共重合体と、活性エネルギー線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを混合する
    工程を含む、レジスト組成物の製造方法。
  7. 請求項6に記載のレジスト組成物の製造方法で得られたレジスト組成物を被加工基板上
    に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像す
    る工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
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