JP2021147445A - 研磨材及び研磨組成物 - Google Patents

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晶久 正野
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秀一 遠藤
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崇音 竹石
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Abstract

【課題】低コストで加工材の表面に残留する砥粒を従来よりも除去しやすい研磨材を提供する。【解決手段】ゼオライト以外の材料からなる砥粒と、ゼオライト粒子からなる砥粒と、を含むことを特徴とする研磨材。【選択図】図1

Description

本発明は、砥粒としてのゼオライトとゼオライト以外の砥粒とを含む研磨材及び研磨組成物に関し、より具体的には、ガラス基板またはガラス質のプリズムやレンズ面を持つ光学部品、金属、セラミックス、結晶材料、プラスチック等へ研磨を行う砥粒としてのゼオライトとゼオライト以外の砥粒とを含む研磨材及び研磨組成物に関する。
光学レンズ等の光学部品に使用されるガラスの研磨には、一般的に、粗ずり(粗加工)工程、精研削(砂かけまたはスムージング)工程、及び研磨工程、並びにその後の洗浄工程が含まれる。洗浄工程の後は、一般的に、検査及びコーティングが行われる。
研磨工程で用いられる砥粒(研磨材)としては、従来、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化第二鉄、シリカ、酸化クロム、酸化アルミニウム等の酸化物が用いられている。洗浄工程は、研磨後に加工材(研磨処理材)に残留する砥粒を除去するために行われる。
洗浄手段には主に3種類あり、界面活性剤、超音波、ジェット、またはスプレーを用いる分離手段、アルカリ性、酸性、電解水、またはナノバブルを用いる溶解手段、及び紫外光、レーザー、またはプラズマを用いる分解手段が挙げられる(特許文献1)。
光学部品に限らず、金属材料、セラミックス、結晶材料、プラスチック等の被研磨材においても、同様の洗浄工程が必要である。
特開2009−231350号公報
しかしながら、上記洗浄手段は、洗浄時間が長くかかるためコストがかかり、且つ加工材(研磨処理材)から砥粒を除去しきれずに加工材の表面に砥粒が残留することがあり、加工材の信頼性も問題となっている。
したがって、洗浄コストを低減でき、且つ加工材の表面に残留する砥粒を従来よりも除去しやすい研磨材が求められている。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ゼオライト以外の材料からなる砥粒と、ゼオライト粒子からなる砥粒と、を含むことを特徴とする研磨材。
(2)前記ゼオライト粒子のアスペクト比は1.5以下であることを特徴とする、上記(1)に記載の研磨材。
(3)前記ゼオライト粒子は、前記ゼオライト粒子の全体に対して、13質量%以上の酸化アルミニウムを含むことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の研磨材。
(4)前記ゼオライト粒子は、0.1μm〜2.0μmの粒径D50を有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の研磨材。
(5)前記ゼオライト粒子のD50が、前記ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50以下であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の研磨材。
(6)前記ゼオライト粒子のD90が、前記ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD90以下であることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の研磨材。
(7)前記ゼオライト粒子のD90が、前記ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50以下であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の研磨材。
(8)前記研磨材に含まれる前記ゼオライト以外の材料の含有割合は、質量比で、前記ゼオライトに対して2〜6倍であることを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の研磨材。
(9)前記ゼオライト以外の材料は酸化物であることを特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の研磨材。
(10)前記酸化物は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化第二鉄、酸化ケイ素、酸化クロム、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも一種であることを特徴とする、上記(9)に記載の研磨材。
(11)前記ゼオライトに金属イオンが吸着していることを特徴とする、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の研磨材。
(12)前記金属イオンが、マンガンイオン、鉄イオン、クロムイオン、コバルトイオン、及びニッケルイオンからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、上記(11)に記載の研磨材。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の研磨材と液体とを含む研磨組成物。
(14)前記液体が水または水溶液であることを特徴とする、上記(13)に記載の研磨組成物。
(15)前記研磨材に含まれる前記ゼオライト以外の材料と前記ゼオライトは、前記液体中で同符号のゼータ電位を有することを特徴とする、上記(13)または(14)に記載の研磨組成物。
本発明によれば、低コストで加工材の表面に残留する砥粒を従来よりも除去しやすい研磨材を提供することができる。
図1は、酸化セリウム砥粒とゼオライト粒子からなる砥粒とを含む研磨組成物でガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、研磨後及び流水洗浄後の研磨面の顕微鏡写真である。 図2は、酸化ジルコニウム砥粒とゼオライト粒子からなる砥粒とを含む研磨組成物でガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、研磨後及び流水洗浄後の研磨面の顕微鏡写真である。 図3は、ゼオライト粒子を含まず砥粒として酸化セリウムのみを含む研磨組成物でガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、研磨後及び流水洗浄後の研磨面の顕微鏡写真である。 図4は、ゼオライト粒子を含まず砥粒として酸化ジルコニウムのみを含む研磨組成物でガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、研磨後及び流水洗浄後の研磨面の顕微鏡写真である。 図5は、アスペクト比が1.5超のゼオライトの走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 図6は、アスペクト比が1.5以下のゼオライトの走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 図7は、酸化セリウム砥粒とアスペクト比が1.5超のゼオライト粒子からなる砥粒とを含む研磨組成物で研磨、流水洗浄、及びエアによる水分除去後のガラス基板の表面写真である。 図8は、酸化セリウム砥粒と酸化アルミニウム含有量が13質量%未満のゼオライト粒子からなる砥粒とを含む研磨組成物で研磨、流水洗浄、及びエアによる水分除去後のガラス基板の表面写真である。
以下、本発明の実施形態を、より具体的な例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨に反しない限り、以下の記載に限定されない。
本発明は、ゼオライト以外の材料からなる砥粒と、ゼオライト粒子からなる砥粒と、を含むことを特徴とする研磨材を対象とする。
本研磨材を用いて研磨することにより、洗浄手段が簡易になり低コスト化を図れ、且つ砥粒の残留が少ないか残留がないきれいな研磨面を得ることができる。本研磨材による研磨後は、流水で洗い流すだけでよいというのも低コスト及び研磨面の高品質に寄与する。
本研磨材はゼオライトからなる砥粒を含んでいるので、研磨後の砥粒の残留が少ない研磨面を得ることができる。ゼオライト粒子は、天然ゼオライトまたは合成ゼオライトであることができ、好ましくは天然ゼオライトである。ゼオライト粒子は、好ましくは国産の天然ゼオライトである。ゼオライト粒子は、好ましくは、結晶性シリカを含むクリノプチロライト型の天然ゼオライトである。日本国内において天然ゼオライトは豊富に産出され、より安価で安定して供給できる国産の砥粒として使用できる。
更に、ゼオライト粒子は、より好ましくは、山形県板谷産のイタヤ・ゼオライト(天然ゼオライト)である。イタヤ・ゼオライトは約7000万tの埋蔵量を有し、約3000年にわたり採掘が可能である。イタヤ・ゼオライトはアルミニウム複合酸化物の含有量が多く、砥粒やゼオライト粒子自身の残留がより少ない研磨処理面を得ることができる。本明細書において、アルミニウム複合酸化物の含有量は、原子吸光測光法で測定されるAlの定量値に基づく酸化アルミニウム含有量として示す。
研磨材に含まれるゼオライト以外の材料からなる砥粒は、従来研磨において用いられている既存の砥粒であることができる。従来、研磨において用いられている既存の砥粒は、研磨後に研磨面から洗浄除去されにくく、洗浄除去するために上記の特別な洗浄手段が必要となることがあった。また、研磨に用いられる既存の砥粒は、研磨後から時間が経過することで研磨面への付着が強くなる。砥粒が研磨面に付着して残留すると、研磨処理材の信頼性低下の原因になり得る。
これに対して、ゼオライト以外の材料からなる砥粒と、ゼオライト粒子からなる砥粒と、を含む研磨材で研磨を行うと、加工材の研磨面に残留する砥粒が少なくまたは実質的に無く、従来の洗浄手段が不要となり、コストを低減することができる。また、本研磨材は、研磨機械に付着する砥粒の除去にも効果があり、研磨機械の汚れも抑制することができる。
ゼオライト成分は、アルミノケイ酸塩化合物であり、結晶構造中に空隙を有する。ケイ素とアルミニウムの複合酸化物が結晶構造を作り、4価イオンのケイ素の位置に3価イオンのアルミニウムが入ると+1価分の電荷が不足するので、電荷補償のため、自由な陽イオンが結晶構造の中に取り込まれる。このイオンがまた別のイオンと代わり得るため、ゼオライトはイオン交換性を有する。
ゼオライトはこのような高い陽イオン交換容量を有するため、例えば、土壌へ肥料と共にゼオライトを投入することで、土の保肥力が向上する機能を有する。
また、ゼオライトは多孔質物質であり、溶液中のマンガンイオン、鉄イオン、クロムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン等の金属イオンを吸着し、脱臭する、あるいは水分を吸収したり、放出したりする機能を有する。このような機能を有するゼオライトは、吸着材料、イオン交換材料、有機溶媒の脱水、湿度調節材、土壌改良材、放射性汚染水の浄化、有害重金属イオンの除去等として用いられる。
ゼオライト粒子は化学的な修飾が可能であり、且つ中性のため、作業環境の安全の担保が可能となる。
本発明に用いられるゼオライト粒子のアスペクト比は、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下、さらに好ましくは1.3以下である。ゼオライト粒子が前記好ましいアスペクト比を有することにより、加工材の研磨面、特にガラス基板またはガラス質のプリズムやレンズ面を持つ光学部品へのキズをより抑制することができる。ゼオライト粒子が上記好ましいアスペクト比を有することにより、研磨面の仕上げ面粗さも向上することができる。
本発明に用いられるゼオライト粒子は、ゼオライト砥粒の全体に対して、好ましくは13質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは17質量%以上の酸化アルミニウムを含む。ゼオライトに含まれる酸化アルミニウムの成分割合が前記好ましい範囲であることにより、陽イオン交換能が高まり、洗浄性をより高めることができ、また、研磨面への砥粒の再付着をより防止することができ、酸化セリウム等の既存の砥粒の残留がないか極めて少ない研磨処理面を得ることができる。ゼオライト粒子に含まれる酸化アルミニウム含有量は、原子吸光測光法で測定されるAlの定量値に基づいてAl23換算した値である。
ゼオライト粒子の体積累積分布の中央値D50は、0.1μm〜2.0μmが好ましい。ゼオライト粒子のD50が前記好ましい範囲内であることにより、研磨面におけるキズの発生をより安定して防止することができ、洗浄後の研磨面の仕上げ面粗さもより向上することができる。
ゼオライト粒子からなる砥粒のD50は、より好ましくは、ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50よりも小さく、さらに好ましくは、ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50の80%以下である。研磨面の仕上がりには、ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50が主に寄与する。ゼオライト粒子からなる砥粒のD50と、ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50とが上記好ましい関係にあることにより、加工材の研磨面、特にガラス基板またはガラス質のプリズムやレンズ面を持つ光学部品へのキズの発生をより安定して抑制することができ、洗浄後の研磨面の仕上げ面粗さもより向上することができる。
ゼオライト粒子からなる砥粒のD90は、好ましくは、ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD90以下である。ゼオライト粒子からなる砥粒のD90がゼオライト以外の材料からなる砥粒のD90以下であることにより、大きなキズの発生をより安定して防止することができ、洗浄後の研磨面の仕上げ面粗さの低下もより抑制することができる。
ゼオライト粒子からなる砥粒のD90は、好ましくは、ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50以下である。ゼオライト粒子からなる砥粒のD90が、研磨面の仕上がりに主に寄与するゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50以下であることにより、キズの発生をさらに安定して防止することができ、洗浄後の研磨面の仕上げ面粗さの低下もさらに抑制することができる。
ゼオライト粒子からなる砥粒のD100は、好ましくは、ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD100以下である。ゼオライト粒子からなる砥粒のD100がゼオライト以外の材料からなる砥粒のD100以下であることにより、大きなキズの発生をさらに安定して防止することができ、洗浄後の研磨面の仕上げ面粗さの低下もさらに抑制することができる。
ゼオライト粒子からなる砥粒のD100は、好ましくは、ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50以下である。ゼオライト粒子からなる砥粒のD100が、研磨面の仕上がりに主に寄与するゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50以下であることにより、キズの発生をさらに安定して防止することができ、洗浄後の研磨面の仕上げ面粗さの低下もさらに抑制することができる。
上記好ましいD50、D90、及びD100を有するゼオライト粒子は、例えば、天然ゼオライトを採掘後に粉砕・分級して得ることができる。粒度の小さい粉状のゼオライト粒子はそのままで使用してもよく、あるいは造粒して使用してもよい。
本研磨材に含まれるゼオライト以外の材料の含有割合は、好ましくは、質量比で、ゼオライトに対して2〜6倍である。ゼオライトの含有割合に対してゼオライト以外の材料の含有割合を上記好ましい範囲にすることによって、良好な研磨能率及び良好な洗浄性を両立することができる。
ゼオライト以外の材料からなる砥粒は、従来の研磨で用いられている既存の砥粒であることができる。ゼオライト以外の材料からなる砥粒を構成するゼオライト以外の材料は、好ましくは酸化物である。酸化物は、好ましくは、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化第二鉄、酸化ケイ素、酸化クロム、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも一種である。
好ましくは、ゼオライト粒子のゼオライトに金属イオンが吸着している。ゼオライト粒子は比重が小さいので研磨組成物(研磨スラリー)中で表面に浮く場合があるが、金属イオンが吸着する(注入される)ことによりゼオライト粒子の比重が高まり、本研磨材に含まれるゼオライト以外の材料からなる砥粒の比重に近くなり、加工域に存在するゼオライト以外の材料からなる砥粒とゼオライト粒子との割合を、設定した割合により近づけることができ、研磨能率及び洗浄性をさらに向上させることができる。また、ゼオライト以外の材料からなる砥粒とゼオライト粒子との割合を設定した割合により近づけることができるので、研磨組成物(研磨スラリー)を循環させて使用する場合に、ゼオライト以外の材料からなる砥粒の含有割合とゼオライト粒子からなる砥粒の含有割合との変動を抑制することができる。
金属イオンは、好ましくは、マンガンイオン、鉄イオン、クロムイオン、コバルトイオン、及びニッケルイオンからなる群から選択される少なくとも一種である。これらのイオンは、酸への溶解性が良く、ゼオライトへの吸着性に優れる点で好ましい。
ゼオライトは、キレート効果によって、金属イオンの再付着を抑制することから、本研磨材は金属研磨にも優れている。
本発明はまた、上記研磨材と液体とを含む研磨組成物(研磨スラリー)を対象とする。ゼオライト以外の材料からなる砥粒とゼオライト粒子からなる砥粒とを含む研磨材を液体中で遊離砥粒として含み、研磨組成物としてスラリー状で使用することができる。
研磨組成物に含まれる液体は、水または水溶液であることができ、好ましくは水である。水は、好ましくはイオン交換水である。
研磨組成物に含まれる液体中で、ゼオライト以外の材料からなる砥粒の材料とゼオライト粒子からなる砥粒の材料とが同符号のゼータ電位を有することが好ましい。ゼオライト以外の材料からなる砥粒の材料とゼオライト粒子からなる砥粒の材料とが同符号のゼータ電位を有することにより、研磨組成物中で、ゼオライト以外の材料からなる砥粒とゼオライト粒子からなる砥粒とが凝集することを抑制することができる。
例えば、酸化セリウムのゼータ電位の等電点は中性付近であり、ゼオライトの等電点は約3.5であるため、研磨組成物に含まれる液体のpHが8以上のアルカリである場合は、研磨に用いられるゼオライト以外の材料からなる砥粒とゼオライト粒子とが互いに同符号のゼータ電位を示し、ゼオライト以外の材料からなる砥粒とゼオライト粒子からなる砥粒とが凝集することを抑制することができる。研磨組成物はpH調整剤を含んでもよい。pH調整剤は、好ましくは塩酸または水酸化カリウムである。
研磨組成物は、ゼオライト以外の材料からなる砥粒とゼオライト粒子からなる砥粒と液体とを所定の割合で混合して得ることができる。研磨組成物は、ガラス基板、ガラス質のプリズムやレンズ面を持つ光学部品、金属、セラミックス、結晶材料、プラスチック等の研磨に適用することができる。研磨組成物は、特に、ガラス基板、ガラス質のプリズムやレンズ面を持つ光学部品の研磨に好適に適用することができる。
研磨組成物中に含まれるゼオライト以外の材料からなる砥粒とゼオライト粒子からなる砥粒との合計含有量は、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
研磨組成物は、上記の構成以外に、従来の研磨組成物に用いられている成分を含んでもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
(実施例1)
ゼオライト粒子からなる砥粒として、ゼオライト粒子A(天然ゼオライト、国産)を7.5g準備した。本例で用いたゼオライト粒子Aは、1.2〜1.5のアスペクト比を有し、13.97質量%の酸化アルミニウムを含有し、D50が0.9μm、D90が1.5μmを有していた。
アスペクト比は、ゼオライト粒子Aを倍率10000倍で観察した走査型電子顕微鏡(SEM)写真に基づいて7μm四方の観察視野範囲の全ての粒子について測定した。図6に、ゼオライト粒子AのSEM写真を示す。酸化アルミニウム含有量は、原子吸光測光法で測定した。D50及びD90は、湿式粒度分布測定機(レーザー回折式粒度分布測定装置、マスターサイザー3000E、Malvern Instruments製)で測定した。
ゼオライト以外の材料からなる砥粒として、D50が1.7μm、D90が3.6μmの酸化セリウム(SHOROX(登録商標) A−10、昭和電工株式会社製)を22.5g準備した。
970gのイオン交換水を容器に投入し、次いで準備した7.5gのゼオライト粒子A及び22.5gの酸化セリウムを容器に投入し、撹拌して、研磨組成物(研磨スラリー)を作製した。研磨組成物のpHは7.0であった。
片面研磨機(日本エンギス社製、EJ−380IN)及び多孔質ウレタン樹脂研磨パッド(九重電気株式会社、NFP05)を用いて、定盤回転数60rpm、工作物回転数60rpm、研磨圧力20kPaで、及びスラリー供給量25mL/分で、作製した研磨組成物を用いて、工作物としてのソーダガラス基板の研磨を30分間行い、次いで流水洗浄及びエアによる水分除去を行った。
図1に、ガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、研磨後及び流水洗浄後の研磨面の顕微鏡写真を示す。流水洗浄後は、砥粒の残留がなくキズもないきれいな研磨面が得られていた。
(実施例2)
酸化セリウム22.5gに代えて、D50が0.6μm、D90が1.9μmの酸化ジルコニウム(ZIROX K、ユニバーサルフォトニクス社製)22.5gを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で研磨組成物(研磨スラリー)を作製し、実施例1と同じ方法で、研磨、流水洗浄及びエアによる水分除去を行った。研磨組成物のpHは7.0であった。
図2に、ガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、研磨後及び流水洗浄後の研磨面の顕微鏡写真を示す。流水洗浄後は、砥粒の残留がなくキズもないきれいな研磨面が得られていた。
(実施例3)
ゼオライト粒子A30gに代えて、アスペクト比が1.2〜2.2のゼオライト粒子B(天然ゼオライト、国産)30gを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で研磨組成物(研磨スラリー)を作製し、実施例1と同じ方法で、研磨、流水洗浄及びエアによる水分除去を行った。本例で用いたゼオライト粒子Bは、13.97質量%の酸化アルミニウムを含有し、D50は0.8μm、D90は1.6μmであった。研磨組成物のpHは7.0であった。
図5に、ゼオライト粒子BのSEM写真を示す。図7に、ガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、エアによる水分除去後の研磨面の顕微鏡写真を示す。ややキズがみられたものの砥粒の残留が少なく、きれいな研磨面が得られていた。
(実施例4)
ゼオライト粒子A30gに代えて、酸化アルミニウムの含有量が10.07質量%のゼオライト粒子C(天然ゼオライト、カナダ産)30gを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で研磨組成物(研磨スラリー)を作製し、実施例1と同じ方法で、研磨、流水洗浄及びエアによる水分除去を行った。本例で用いたゼオライト粒子Cは、1.2〜2.5のアスペクト比を有し、D50は0.7μm、D90は3.8μmであった。研磨組成物のpHは7.0であった。
図8に、エアによる水分除去後のガラス基板の研磨面の光学顕微鏡写真を示す。研磨面には、ゼオライト粒子を含まずに従来の砥粒を含む研磨組成物による研磨を行った場合の図3及び図4に示すような砥粒の残留がみられなかったものの、若干の砥粒の残留がみられた。
表1に、実施例1及び実施例4で用いたゼオライト粒子A及びゼオライト粒子Cの組成を示す。ゼオライト粒子の組成は、ゼオライト粒子の乾燥時の組成であり、財団法人日本肥糧検定協会で測定した。
Figure 2021147445
(実施例5)
イオン交換水970gの代わりに、イオン交換水と水酸化カリウムとの混合溶液970gを用いて、研磨組成物のpHを9.0に調整したこと以外は、実施例1と同じ方法で研磨組成物(研磨スラリー)を作製し、実施例1と同じ方法で、研磨、流水洗浄及びエアによる水分除去を行った。
ゼオライト粒子とゼオライト以外の材料からなる砥粒である酸化セリウムとは、研磨組成物のイオン交換水と水酸化カリウムとの混合溶液中で互いに同符号のゼータ電位を有する関係にあった。そのため、研磨組成物中で、酸化セリウムとゼオライト粒子との凝集が抑制され、砥粒の残留がなくキズもない非常にきれいな研磨面が得られていた。
(比較例1)
ゼオライト粒子A30gを用いずに、D50が1.7μm、D90が3.6μmの酸化セリウム(SHOROX(登録商標) A−10、昭和電工株式会社製)を30gと970gのイオン交換水とを用いて、実施例1と同様の方法で研磨組成物(研磨スラリー)を作製した。
図3に、作製した研磨組成物でガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、研磨後及び流水洗浄後の研磨面の顕微鏡写真を示す。流水洗浄後においても、研磨面に砥粒の残留がみられた。
(比較例2)
ゼオライト粒子A30gを用いずに、D50が0.6μm、D90が1.9μmの酸化ジルコニウム(ZIROX K、ユニバーサルフォトニクス社製)を30gと970gのイオン交換水とを用いて、実施例1と同様の方法で研磨組成物(研磨スラリー)を作製した。
図4に、作製した研磨組成物でガラス基板を研磨、次いで流水洗浄を行ったときの、研磨後及び流水洗浄後の研磨面の顕微鏡写真を示す。流水洗浄後においても、研磨面に砥粒の残留がみられた。
表2に、各実施例及び比較例の構成を示す。
Figure 2021147445

Claims (15)

  1. ゼオライト以外の材料からなる砥粒と、ゼオライト粒子からなる砥粒と、を含むことを特徴とする研磨材。
  2. 前記ゼオライト粒子のアスペクト比は1.5以下であることを特徴とする、請求項1に記載の研磨材。
  3. 前記ゼオライト粒子は、前記ゼオライト粒子の全体に対して、13質量%以上の酸化アルミニウムを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の研磨材。
  4. 前記ゼオライト粒子は、0.1μm〜2.0μmの粒径D50を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨材。
  5. 前記ゼオライト粒子のD50が、前記ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨材。
  6. 前記ゼオライト粒子のD90が、前記ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD90以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨材。
  7. 前記ゼオライト粒子のD90が、前記ゼオライト以外の材料からなる砥粒のD50以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨材。
  8. 前記研磨材に含まれる前記ゼオライト以外の材料の含有割合は、質量比で、前記ゼオライトに対して2〜6倍であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の研磨材。
  9. 前記ゼオライト以外の材料は酸化物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨材。
  10. 前記酸化物は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化第二鉄、酸化ケイ素、酸化クロム、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項9に記載の研磨材。
  11. 前記ゼオライトに金属イオンが吸着していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の研磨材。
  12. 前記金属イオンが、マンガンイオン、鉄イオン、クロムイオン、コバルトイオン、及びニッケルイオンからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項11に記載の研磨材。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の研磨材と液体とを含む研磨組成物。
  14. 前記液体が水または水溶液であることを特徴とすることを特徴とする、請求項13に記載の研磨組成物。
  15. 前記研磨材に含まれる前記ゼオライト以外の材料と前記ゼオライトは、前記液体中で同符号のゼータ電位を有することを特徴とする、請求項13または14に記載の研磨組成物。
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