JP2021146704A - 射出成形機及びステータス決定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】捨てショットの回数を最適化することに貢献する情報を提供すること。【解決手段】射出成形機は、その始動時に射出成形機においてモニター値を取得する取得部と、モニター値のセットに基づいて、射出成形機が量産状態にあるか否かを示すステータスを決定するステータス決定部を含む。【選択図】図2

Description

本開示は、射出成形機及びステータス決定装置に関する。
特許文献1は、成形品の品質が安定するまでの成形サイクルの回数を推定することを開示する。成形品の品質が安定するのに必要な成形サイクル数は、加熱シリンダ内に残留している樹脂量を一回の成形サイクルで射出される樹脂量で除算して得られる(同文献の請求項1参照)。成形品の品質が安定するのに必要な成形サイクル数の実施によって、射出成形機の停止時から加熱シリンダに残存していた樹脂の全てが加熱シリンダから排出される。特許文献1は、これを理由として、その後には十分な品質の成形品が射出成形機において製造されると推定している(同文献の段落0009参照)。
特許文献2は、量産成形時において成形品の品質予測の精度を高めることを開示する。具体的には、同文献の要約に記載のように、モニタ値が管理範囲から外れた時、品質予測関数を修正することを開示する。
特開2018−111297号公報 特開2006−281662号公報
射出成形機により製造される成形品の品質は、射出成形機の始動時に安定しないことが知られている。従って、射出成形機に関する種々の要因(例えば、射出されるべき樹脂の温度、金型の温度変化サイクル)が安定化するまで成形品が不良品として廃棄されている。
射出成形機の稼働中にリアルタイムで成形品の品質を確認することは手間である。従って、成形品が不良品として廃棄される成形サイクル(以下、捨てショットと呼ぶ)の回数を予め設定しておく場合がある。しかしながら、捨てショットの回数を大きく設定する場合、成形品に不良品が混入するおそれを低減することができるが、廃棄される成形品の中の良品の数が増加し、資源及びエネルギーの無駄となり、また材料コストが高くなってしまう。捨てショットの回数を小さく設定する場合、廃棄されない成形品の中の不良品の数が増加し、その後の検査工程の負担が増加してしまう。
本願発明者は、上述の非限定の例示の課題に照らして、捨てショットの回数を最適化することに貢献する情報を提供する意義を新たに見出した。
本開示の一態様に係る射出成形機は、少なくとも射出成形機の始動時に前記射出成形機においてモニター値を取得する取得部と、前記モニター値のセットに基づいて、前記射出成形機が量産状態にあるか否かを示すステータスを決定するステータス決定部を含む。
本開示の一態様によれば、捨てショットの回数を最適化することに貢献する情報を提供することができる。
本開示の一態様に係る射出成形機の概略的な構成を示す図である。 射出成形機の動作を示す概略的なフローチャートである。 ステータス決定部の一例を示す概略的なブロック図である。 ステータス決定部に含まれるニューラルネットワークを示す模式図である。 量産準備ステータスから量産ステータスへの切替タイミングを示す非限定のタイミングチャートである。 射出成形機の動作を示す概略的なフローチャートである。 ニューラルネットワークの出力が演算される形態を示す概略的なブロック図である。 指標決定部の一例を示す概略的なブロック図である。 図7及び図8に示した実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 モニター値が演算される形態を示す概略的なブロック図である。 演算値がニューラルネットワークに入力されることを示す模式図である。 前回の指標値がニューラルネットワークに入力されることを示す模式図である。 再帰型ニューラルネットワークを示す模式図である。
以下、図1乃至図13を参照しつつ、本発明の非限定の実施形態及び特徴について説明する。当業者は、過剰説明を要せず、各実施形態及び/又は各特徴を組み合わせることができ、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている。各特徴は、本明細書に開示された射出成形機にのみ有効であるものではなく、本明細書に開示されていない他の様々な射出成形機にも通用する普遍的な特徴として理解される。
図1に示すように、射出成形機1は、共通又は異なるベース4上に実装された型締装置2及び射出装置3を有する。射出成形機1は、型締装置2と射出装置3の協調的な動作に基づいて成形品を連続的に製造する。型締装置2は、型閉、型締、及び型開のループを繰り返すように構成される。射出装置3は、計量工程、充填工程、及び保圧工程のループを繰り返すように構成される。型締装置2に対して金型装置5が取り付けられる。金型装置5の具体的な構成は、射出成形品の形状、大きさ、及び個数によって決定される。金型装置5は、2プレート式又は3プレート式であり得る。幾つかの形態では、金型装置5は、1以上の固定金型51及び1以上の可動金型52を有する。
以下、型締装置2及び射出装置3の構成及び動作についてより詳しく述べる。型締装置2は、固定プラテン21、可動プラテン22、トグル機構23、トグルサポート24、複数のタイバー25、型締モータ26、及び型厚調整機構27を有する。型締モータ26で生成される駆動力がトグル機構23に伝達し、タイバー25に沿って可動プラテン22が動かされる。これにより、固定プラテン21の対向面と可動プラテン22の対向面の間隔が変更可能である。固定プラテン21と可動プラテン22の間隔が大きい時、固定プラテン21と可動プラテン22の間の空間に金型装置5を導入することができる。固定プラテン21と可動プラテン22の間の空間に金型装置5が導入された状態で、固定金型51を固定プラテン21に取り付け、また可動金型52を可動プラテン22に取り付けることができる。固定金型51を固定プラテン21に取り付けた後、可動金型52を可動プラテン22に取り付けても良く、反対に、可動金型52を可動プラテン22に取り付けた後、固定金型51を固定プラテン21に取り付けても良い。
型締装置2に対して金型装置5が取り付けられた状態において、上述と同様に可動プラテン22が動かされ、これにより、金型装置5の型閉、型締、及び型開が行われる。型閉は、固定金型51の対向面と可動金型52の対向面が接触して固定金型51のキャビティー部分と可動金型52のキャビティー部分が空間的に連通した状態である。型締は、射出装置3から材料の射出圧に耐えるべく、可動金型52が固定金型51により強く押し付けられた状態である。型開は、固定金型51の対向面と可動金型52の対向面が接触せず、両者の間に間隔が空けられた状態である。
型締装置2は、金型装置5から成形品を排出するためのエジェクタ装置28を含む。エジェクタ装置28は、例えば、可動プラテン22の後方に取り付けられる。エジェクタ装置28は、エジェクタロッドと、エジェクタロッドに対して動力を供給するエジェクタモータを含む。エジェクタモータで生成される回転トルクがボールねじにより直線力に変換され、エジェクタロッドに伝達する。エジェクタロッドを前進させると、これにより金型装置5のエジェクタプレートが押される。エジェクタピンにより可動金型52の成形品が押され、金型装置5から排出される。射出成形機1は、型開に同調してエジェクタ装置を作動させる。
トグル機構23は、型締モータ26からの駆動力を受けるクロスヘッド23a、トグルサポート24と可動プラテン22の間で回転自在に結合した第1及び第2リンク23b,23c、クロスヘッド23aと第1リンク23bの間を結合する第3リンク23dを有する。型締モータ26で生成される回転力は、ボールねじといった変換装置によって直線力に変換され、クロスヘッド23aに付与される。例えば、型締モータ26の出力軸の正回転に応じてクロスヘッド23aが固定プラテン21に向けて直進し、第1リンク23bと第2リンク23cのなす角が大きくなり、可動プラテン22が固定プラテン21に向けて直進する。可動プラテン22に対して可動金型52が取り付けられていれば可動金型52も直進する。型締モータ26の出力軸の逆回転に応じてクロスヘッド23aが固定プラテン21から離間する方向に動かされ、第1リンク23bと第2リンク23cのなす角が小さくなり、可動プラテン22が固定プラテン21から離れる方向に直進する。可動プラテン22に対して可動金型52が取り付けられていれば可動金型52も同方向に直進する。なお、型締装置2において可動プラテン22及びそこに取り付けられた可動金型52が固定プラテン21及びそこに取り付けられた固定金型51に向けて移動する方向を前方と定義し、この反対方向を後方と定義することもできる。
トグル機構23は、型締モータ26の駆動力を増幅して可動プラテン22に伝達する。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク23bと第2リンク23cとのなす角に応じて変化する。なす角とクロスヘッド23aの位置が相関する。従って、なす角をクロスヘッド23aの位置から求めることができる。トグル機構23を採用せず、可動プラテン22の移動のために油圧シリンダーを採用する形態も想定される。
型厚調整機構27は、固定プラテン21に対するトグルサポート24の位置(両者の前後間隔、言わば、型厚)を調整するように構成される。型厚調整機構27は、型厚調整モータ27aを含む。型厚調整モータ27aで生成される回転力が、タイバー25の後端部のねじ軸に螺合したナットに伝達し、タイバー25沿いのトグルサポート24の位置が変更され、固定プラテン21に対するトグルサポート24の位置(即ち、両者の間隔)が変更される。型厚調整モータ27aの回転力は、ベルト及び歯車といった伝達要素を介して(又は直接的に)ナットに伝達される。
射出装置3は、型締装置2に取り付けられた金型装置5に対して溶融樹脂材料を供給する。射出装置は、インラインスクリュー式又はプリプラ式であり得る。本明細書では、射出装置がインラインスクリュー式であるものとして説明するが、これに限られるべきものではない。射出装置3は、シリンダー31、スクリュー32、ヒーター33、計量モータ34、射出モータ35、移動モータ36、ガイドレール37、第1可動サポート38、及び第2可動サポート39を有する。
シリンダー31は、スクリュー32を収容する金属製の筒材であり、シリンダー胴部31aとノズル部31bを有する。シリンダー胴部31aは、スクリュー32を収容する。ノズル部31bは、シリンダー胴部31aの流路径に比べて小さい流路径を持つ直線流路を有し、またシリンダー胴部31aから供給される溶融プラスチック材料を吐出する吐出口を有する。シリンダー胴部31aは、ホッパー31fから供給されるプラスチック材料、例えば、ペレットを受け入れる材料供給口31cを有する。ペレットは、シリンダー胴部31aを介してヒーター33から伝達する熱に応じて溶融し、またスクリュー32の回転に応じて前側、即ち、ノズル部31bに向けて搬送される。なお、後述の説明から分かるように、充填時のスクリュー32の移動方向が前側であり、計量時のスクリュー32の移動方向が後側である。
スクリュー32は、軸部と軸部の外周に螺旋状に設けられたフライトを有し、その回転に応じて固体及び溶融状態の樹脂材料をシリンダー31の前側に搬送する。スクリュー32は、計量モータ34からの回転力を受けて回転することができる。例えば、計量モータ34の出力軸とスクリュー32がベルトを介して機械的に連結される。また、スクリュー32は、射出モータ35からの駆動力を受けて静止中のシリンダー31内において前側(ノズル部31bに接近する側)及び後側(ノズル部31bから離れる側)に動くことができる。例えば、射出モータ35の出力軸がボールねじのねじ軸にベルトを介して連結される。ボールねじのナットに対して第1可動サポート38が固定される。第1可動サポート38に対してスクリュー32が回転可能に取り付けられる。同様、第1可動サポート38に対して計量モータ34の本体部に固定される。射出モータ35の作動に応じて第1可動サポート38が移動し、スクリュー32及び計量モータ34が移動する。第1可動サポート38は、ベース4に固定されたガイドレール37上に移動可能に実装される。型締装置2に向かう方向を前方とし、型締装置2から離れる方向を後方と呼ぶことができる。
シリンダー31は、移動モータ36からの駆動力を受けて型締装置2に向けて前進し、また型締装置2から離れるように後退する。例えば、移動モータ36の出力軸がボールねじのねじ軸に連結される。ボールねじのナットに対して弾性部材(例えば、ばね)を介して第2可動サポート39が結合される。第2可動サポート39に対してシリンダー31がその後端部で固定される。移動モータ36の作動に応じて第2可動サポート39及びシリンダー31が移動する。第2可動サポート39は、ベース4に固定されたガイドレール37上に移動可能に実装される。なお、各モータにはエンコーダといった計器が組み込まれ得る。エンコーダの出力信号に基づいてモータがフィードバック制御される。
スクリュー32の先端(前端)には逆流防止リング(不図示)が取り付けられる。逆流防止リングは、スクリュー32がシリンダー31内においてノズル部31b側に動かされる時、貯留空間31eに貯留した溶融プラスチック材料が逆流することを抑制する。
ヒーター33は、シリンダー31の外周に取り付けられ、例えば、フィードバック制御された通電により発熱する。ヒーター33は、シリンダー胴部31a及び/又はノズル部31bの外周に任意の態様で取り付けられる。
射出装置3の動作の概要について述べれば、ヒーター33からシリンダー31に対して熱を与え、ホッパー31fを介してシリンダー胴部31a内に供給されるペレットが溶融される。計量モータ34からの回転力に応じてシリンダー胴部31a内でスクリュー32が回転し、スクリュー32の螺旋状の溝に沿ってプラスチック材料が前側に送られ、この過程でプラスチック材料が徐々に溶融される。スクリュー32の前側に溶融プラスチック材料が供給されるに応じてスクリュー32が後退され、溶融プラスチック材料が貯留空間31eに貯留される(「計量工程」と呼ばれる)。スクリュー32の回転数は、計量モータ34のエンコーダを用いて検出する。計量工程では、スクリュー32の急激な後退を制限すべく、射出モータ35を駆動してスクリュー32に対して設定背圧を加えてよい。スクリュー32に対する背圧は、例えば圧力検出器を用いて検出する。スクリュー32が計量完了位置まで後退し、スクリュー32の前方の貯留空間31eに所定量の溶融プラスチック材料が蓄積され、計量工程が完了する。
計量工程に続いて、射出モータ35からの駆動力に応じてスクリュー32がノズル部31bに向けて充填開始位置から充填完了位置まで動き、貯留空間31eに貯留された溶融プラスチック材料がノズル部31bの吐出口を介して金型装置5内に供給される(「充填工程」と呼ばれる)。スクリュー32の位置や速度は、例えば射出モータ35のエンコーダを用いて検出する。スクリュー32の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切替(所謂、V/P切替)が行われる。V/P切替が行われる位置をV/P切替位置とも呼ぶ。スクリュー32の設定速度は、スクリュー32の位置や時間などに応じて変更されてもよい。
充填工程においてスクリュー32の位置が設定位置に達した時、その設定位置にスクリュー32を一時停止させ、その後にV/P切替を行ってもよい。V/P切替の直前において、スクリュー32の停止の代わりに、スクリュー32の微速前進または微速後退が行われてもよい。また、スクリュー32の位置を検出するスクリュー位置検出器、およびスクリュー32の速度を検出するスクリュー速度検出器は、射出モータ35のエンコーダに限定されず、他の種類の検出器を使用できる。
充填工程に続いて、スクリュー32の前側移動に応じてスクリュー32の前方のプラスチック材料の保持圧が設定圧に維持され、残存するプラスチック材料が金型装置5に押し出される(「保圧工程」と呼ばれる)。金型装置5内での冷却収縮による不足分のプラスチック材料を補充できる。保持圧は、例えば圧力検出器を用いて検出する。保持圧の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間に応じて変更されてもよい。保圧工程では金型装置5内のキャビティーのプラスチック材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティーの入口が固化したプラスチック材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティーからのプラスチック材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティーのプラスチック材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮のため、冷却工程中に次の成形サイクルの計量工程が開始されても良い。
保圧工程に続いて、上述の計量工程が行われる。
射出成形機1は、型締装置2及び/又は射出装置3を制御するための制御システムが格納された制御盤7(図1参照)を有する。制御盤7に格納される制御システムは、型締モータ26、エジェクタモータ、計量モータ34、及び射出モータ35をシーケンス制御する。制御システムは、型締モータ26の制御に基づいて、型閉、型締、及び型開を行う。制御システムは、計量モータ34及び射出モータ35の制御に基づいて、計量、充填、保圧を行う。制御システムは、エジェクタモータの制御に基づいて金型装置5の可動金型52から成形品を突き出すことができる。制御システムは、移動モータ36の制御に基づいてシリンダー31を適切な位置に位置付けることができる。制御システムは、上述の制御に加えて、ヒーター33及び金型装置5の温調も制御することができる。
例えば、一回の成形サイクルにおいて、計量工程、型閉工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、型開工程、および突き出し工程がこの順で行われる。ここで述べた順番は、各工程の開始時間の早い順である。充填工程、保圧工程、および冷却工程は、型締工程の開始から型締工程の終了までの間に行われる。型締工程の終了は型開工程の開始と一致する。尚、成形サイクル時間の短縮のため、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型開工程中に開始されてもよい。
射出成形機1は、複数のセンサーを含む。センサーは、例えば、エンコーダ、接触/近接センサー、歪センサー、圧力センサー、距離計、イメージセンサー、及びトルクセンサーから選択される1以上のものである。エンコーダの例は、ロータリーエンコーダ又はリニアエンコーダである。インクリメント型又はアブソリュート型のいずれか又は両方が採用され得る。典型的には、エンコーダは、型締モータ26、型厚調整モータ27a、計量モータ34、射出モータ35、移動モータ36といった電動モータの回転量を検出する。型締モータ26の回転量を計測するエンコーダの出力信号が制御部に伝達され、可動金型52の位置が高精度に制御され、型閉、型締、及び型開の状態変化が達成される。型厚調整モータ27aの回転量を計測するエンコーダの出力信号が制御部に伝達され、固定プラテン21に対するトグルサポート24の位置(即ち、両者の間隔)が調整される。計量モータ34の回転量を計測するエンコーダの出力信号が制御部に伝達され、スクリュー32の回転量が高精度に制御される(即ち、計量工程が高精度に制御される)。射出モータ35の回転量を計測するエンコーダの出力信号が制御部に伝達され、シリンダー31内におけるスクリュー32の位置が高精度に制御される(即ち、充填及び保圧工程が高精度に制御される)。
センサーは、温度センサー、接触/近接センサー、歪センサー、圧力センサー、距離計、イメージセンサー、トルクセンサー及びこれ以外の種類のセンサーといった複数の種類のセンサーを含み得る。温度センサーは、射出成形機1の構成要素(例えば、金型装置5、固定プラテン21、シリンダー31(そのノズル部31b)等)の温度を測定するために用いられる。成形品の品質に対して影響すると見込まれる射出成形機1の構成要素の温度を測定することが有利である。接触/近接センサーは、射出成形機1の構成要素、例えば、金型装置5やシリンダー31が目標位置/姿勢にあるか否かを判定するために用いることができる。接触センサーは、釦式スイッチ、歪ゲージが例示される。近接センサーは、例えば、変位物の接近によって誘起される電磁誘導に応じた誘導電流を検出するセンサーであるが、この原理の種類に限られない。歪センサーは、射出成形機1の構成要素、例えば、タイバー25の歪を検出し、型締力を検出するために用いることができる。距離計は、接触/近接センサーの追加又は代替として、射出成形機1の構成要素、例えば、金型装置5やシリンダー31が目標位置/姿勢にあるか否かを判定するために用いることができる。距離計は、例えば、光学式であり、TOF(Time Of FLight)に基づいて光学的に対象物までの距離を測定するが、この原理に限られない。イメージセンサーは、射出成形機1の状態判定用の画像を取得することに用いることができる。イメージセンサーは、CCD,CMOS又はこれら以外の種類の任意の画像取得装置である。イメージセンサーは、画像処理回路を含むことができる。トルクセンサーは、型締モータや型厚調整モータといった電動モータのトルクを計測する。トルクセンサーは、例えば、型締モータの出力軸とボールねじのねじ軸の間に設けられる。
異なる目的のために同一の種類のセンサーが用いられることも想定される。例えば、歪ゲージは、歪の有無に加えて、歪量の計測にも用いることができる。従って、歪ゲージは、接触センサーとして用いることもでき、また歪センサーとして用いることもできる。同様、距離計は、距離の計測に限らず、対象物の有無も検出することができる。同様、イメージセンサーは、様々な目的のために利用することができる。例えば、制御部は、マスター画像と取得画像の比較に基づいて射出成形機1の現在の状態が意図された状態になっているか判断することができる。取得画像に対する二値化処理、エッジ抽出処理、特徴点抽出処理といった様々な画像処理技術を活用することができる。
本実施形態においては、射出成形機1は、射出成形機1の始動時に射出成形機1においてモニター値を取得する取得部と、モニター値のセット(例えば、2種類以上のモニター値)に基づいて射出成形機1が量産状態にあるか否かを示すステータスを決定するステータス決定部を含む。成形品の良品率が許容値に届かない始動期間と成形品の良品率が許容値である量産期間の境界に関する情報を得ることができ、射出成形機1の利便性が高められる。具体的には、射出成形機1の始動期間を必要以上に長く確保することにより生じる捨てショットを抑制することができ、資源の節約と材料コストの低減を図ることができる。
射出成形機1の始動時、連続して行われる複数回の成形サイクルにおける成形品の良品率は低い。他方、射出成形機1が始動期間から脱して量産期間に移行すると、成形品の良品率が許容値になる。射出成形機1が量産状態にあることを示すステータスの決定に応じて、射出成形機1に関連の機構(例えば、射出成形機1の下流側の機構(例えば、金型装置5から成形品を取り出す機構、成形品を選択的に廃棄する機構))、又は射出成形機1のユーザーは、任意のタイミングで成形品の取り扱いを変更することができる。例えば、射出成形機1が量産状態にあることを示すステータスの決定を受け、成形品を選択的に廃棄する機構(例えば、ロボットアーム)が稼働を停止する。言うまでも無く、この工程は、シーケンス処理に組み込み可能である。
射出成形機1は、モニター値を取得する取得部と、ステータス決定部60と、ステータス報知部70を含む。モニター値を取得する取得部は、射出成形機1に設けられた複数のセンサーを含む(例えば、上述又は後述の2種以上のセンサー)。センサーの検出値(出力)がそのまま又は処理されてモニター値として用いられる。幾つかの場合、センサーの検出値がアナログ又はデジタル処理される。ステータス決定部60は、射出成形機1の始動時に射出成形機1で取得されたモニター値のセットに基づいて射出成形機1が量産状態にあるか否かを示すステータスを決定する。ステータス決定部60は、射出成形機1が量産状態にないことを示すステータス(以下、量産準備ステータス)と射出成形機1が量産状態にあることを示すステータス(以下、量産ステータス)のいずれかを決定する。ステータス決定部60は、ステータスの決定のため、射出成形機1(例えば、型締装置2、射出装置3、ベース4、及び金型装置5)から適切なモニター値を取得する。幾つかの場合、モニター値は、射出成形機1により製造される成形品の品質(重量及び成形不良の有無)に密接に関連したものである。例えば、モニター値として、金型装置5の温度、シリンダー31の温度、シリンダー31内の溶融樹脂の温度、射出装置3による樹脂の射出圧、金型装置5又はタイバー25の歪の度合いが挙げられる。
ステータス決定部60は、射出成形機1の始動時に上述のステータスを任意の方法で決定することができる。ステータスの決定のため、様々な種類のアルゴリズムを用いることができる。幾つかの場合、成形品の品質を予測するアルゴリズムが用いられる。ステータス決定部60は、今回の成形サイクルで製造される成形品の品質を(予測値として)示す指標を決定し、この予測された指標の評価(例えば、閾値との比較)に基づいてステータス(量産準備ステータス又は量産ステータス)を決定する。成形品の品質を示す予測値を精度良く求めるため、予め機械学習(例えば、回帰型機械学習)により構築されたニューラルネットワーク(Neural Network:NN)を用いることができるが、必ずしもこの限りではない。プログラム制御されるコンピューター、マイコン、ASICといった態様でステータス決定部60が具現化され得る。
ステータス決定部60で決定されたステータスは、ステータス報知部70により射出成形機1の外部(例えば、射出成形機1のユーザー、射出成形機1の下流側の機構)に報知され得る。射出成形機1の始動時、オペレーターは、ステータス報知部70から報知されたステータスを認知し、捨てショットを継続するか否か決定することができる。ステータス報知部70による報知の形態は、音、光、画像又はこれらの組み合わせで有り得る。射出成形機1の制御部のディスプレイ又はスピーカーが、ステータス報知部70を兼務することができる。ステータス決定部60で決定されたステータスを示す信号を他の機構(例えば、成形品を選択的に廃棄する機構(例えば、ロボットアーム))にオン・オフ制御信号として供給しても良い。
図2を参照して、射出成形機1の動作について述べる。まず、射出成形機1が稼働を開始し(s1)、初回の成形サイクルが行われる(s2)。初回の成形サイクルの間、モニター値が取得部(例えば、2種以上のセンサー)により取得され、ステータス決定部60に伝送される。ステータス決定部60は、射出成形機1の取得部からモニター値を得る(s3)。次に、ステータス決定部60は、量産準備ステータスとして現ステータスを決定する(s4)。例えば、ステータス決定部60は、初回の成形サイクルで製造される成形品の品質を(予測値として)示す指標を決定し、この予測された指標の評価(例えば、閾値との比較)に基づいて量産準備ステータスとして現ステータスを決定する。次に、ステータス報知部70は、決定された量産準備ステータスを報知し(s5)、次の成形サイクルが行われる。Z(Zは2以上の自然数)回目以降の成形サイクルにおいて、ステータス決定部60は、量産ステータスとして現ステータスを決定する。例えば、ステータス決定部60は、Z回目の成形サイクルで製造される成形品の品質を(予測値として)示す指標を決定し、この予測された指標の評価(例えば、閾値との比較)に基づいて量産ステータスとして現ステータスを決定する。続いて、ステータス報知部70は、量産ステータスを報知する(s6)。繰り返すが、指標の決定のため、予め機械学習(例えば、回帰型機械学習)による構築されたニューラルネットワークが用いられ得るが、これに限られない。
図3を参照してステータス決定部60の非限定の例について説明する。ステータス決定部60は、指標決定部62と指標評価部64を含む。指標決定部62は、成形サイクル毎に、モニター値のセットに基づいて指標を決定する。指標は、複数の成形サイクルにおける成形品の品質(例えば、良品率)に関する指標であり得る。すなわち、指標は、今回の成形サイクルにおける成形品の品質のみではなく、その前に行われた成形サイクルにおける成形品の品質にも基づいて決定され得る。典型的には、指標は、今回実行した成形サイクルを含むN(Nは、2以上の自然数を示す)回分の連続して行われた成形サイクルにおける成形品の品質に関する指標であり得る。
一回の成形サイクルにおいて多数の成形品が成形される場合、一回の成形サイクルの良品率は、良品数を成形品の総数で除算して求めることができる。所定数の成形サイクルについて、個別の成形サイクルの良品率を演算(平均、加算、積分)することにより、複数の成形サイクルにおける成形品の品質に関する指標が求められる。一回の成形サイクルにおいて一つの成形品が成形される場合、良品数を成形サイクル数で除算し、これにより、複数の成形サイクルにおける成形品の品質に関する指標が求められる。指標は、モニター値に基づいて射出成形機1により決定されるため、射出成形機1の成形サイクルの進行に追随して成形サイクルの品質を監視する手間が省かれる。
指標評価部64は、上述のように決定された指標を評価し、量産準備ステータス又は量産ステータスのいずれかとして現ステータスを決定する。典型的には、指標評価部64は、上述のように決定された指標と閾値を比較してステータスを決定する判定部であるが、これに限られない。指標評価部64は、事前に準備された又はユーザーにより任意に選択可能な評価関数を利用することができる。
ステータス決定部60は、図4に示すようなニューラルネットワークを含むことができ、取得部により取得されるモニター値の例として、射出圧、歪、温度が入力される。射出圧は、シリンダー31内の圧力センサーでモニタリング可能である。射出圧の追加又は代替として、金型装置5の型内圧力をモニタリングすることができる。例えば、金型装置5の型内圧力が金型装置5に設けられた圧力センサーでモニタリングされる。歪は、タイバー25又は金型装置5に取り付けられた歪センサーでモニタリング可能である。温度は、シリンダー又は金型装置5に取り付けられた温度センサーでモニタリング可能である。幾つかの場合、金型装置5の型内圧力と金型装置5の温度がモニタリングされ、金型装置5内における樹脂の密度状態が観測(推定)される。金型装置5の歪をモニタリングすることにより、成形キャビティーの微笑な寸法変化を捕らえることができる。
モニター値は、(時間と共に変動し得る)センサーの出力値(又はその演算値)、ある期間におけるセンサー出力値(又はその演算値)の平均値、成形サイクルにおける特定のタイミングにおいて取得されるセンサーの出力値(又は演算値)であり得る。ニューラルネットワークの入力は、ニューラルネットワークで処理され、ニューラルネットワークから出力値が出力される。指標に関する予測精度を高めるため、入力の種類、入力層のノードの数、中間層の数、中間層のノード数、出力層のノードの数、重み係数、バイアスを変更することもできる。
ニューラルネットワークは、N(Nは、2以上の自然数を示す)回目の成形サイクルで得られたモニター値のセットに基づくニューラルネットワークの出力が、N回目の成形サイクルで得られた成形品の評価に加えて、N−M(Mは、1以上の自然数であり、Nよりも小さい)回目の成形サイクルで得られた成形品の評価も反映するように構築され得る。これにより、射出成形機1が量産状態に到達していると言えるか否かの確度が高められ得る。教師データとして設定されるニューラルネットワークの出力値は、今回の成形サイクルにおける成形品の品質のみを表すものではなく、今回の成形サイクルを含む複数の成形サイクルにおける成形品の品質を表すように決定される。
教師データの準備についてより具体的に述べると、まず、射出成形機1のある成形サイクルにおいて、モニター値のセットを取得する。次に、この成形サイクルで成形された成形品の品質と既に行われた1以上の成形サイクル(例えば、前回、又は、前々回)における成形品の品質に基づいて指標を決定する。このようにしてモニター値セットと、このモニター値のセットが入力される時のニューラルネットワークの出力となるべき指標の組み合わせを用意できる。この手順を繰り返すことにより十分なデータ量の教師データを用意することができ、ニューラルネットワークを適切に構築することができる。今回の成形サイクルで得られたモニター値のセットをニューラルネットワークに入力してニューラルネットワークから出力される出力値(指標値)は、既に行われた過去の成形サイクルの成形品の品質評価も反映している。これは、ニューラルネットワークの出力値が良品率に関連付けられ、ニューラルネットワークの出力値の評価によって量産準備ステータス(良品率が低い)と量産ステータス(ある程度の良品率が確保されている)の判別が可能となることを意味する。
指標の決定に際しては、重量、外観、形状、寸法といった2以上の観点から成形品の品質を評価することができる。成形品の外観については、熟練者による検査を必要とする場合がある。成形品の重量についても、一つの成形品を重量計に載せる等の作業が必要である。成形品の形状、寸法についても同様の手間がある。
あるモニター値のセットをニューラルネットワークに入力した時の出力値が意図した値(指標値)から許容できない程度に外れる場合、ニューラルネットワークの出力値が許容範囲内の値になるまでニューラルネットワークのパラメーターの変更が繰り返される。このパラメーターの変更の繰り返しによってニューラルネットワークが適切に構築される。このような作業は、通常、コンピューター上でプログラムにより実行される。
ニューラルネットワークの出力層にステップ関数が用いられる場合、指標として2値信号が出力される。この場合、ニューラルネットワークの入力層と中間層が、指標決定部62として機能し、ニューラルネットワークの出力層が、指標評価部64として機能する。0は、量産準備ステータスを示し、1は、量産ステータスを示す。
上述のように学習により構築されたニューラルネットワークを用いる場合、ある成形サイクルで取得したモニター値のセットから指標が得られる。指標評価部64は、ニューラルネットワークで生成された指標を閾値と比較して量産準備ステータス又は量産ステータスとして現ステータスを決定する。
図5及び図6を参照して量産準備ステータスから量産ステータスにステータスが切り替わることについて説明する。時刻t1の時、初回の成形サイクルが行われ(s12)、モニター値が取得され(s13)、ニューラルネットワークが実行される(s14)。ニューラルネットワークの出力NN1=10であり、閾値未満である。なお、閾値=17である。従って、指標評価部64は、指標が条件を満たさないと評価する(s15)。次に、この評価結果を受けて、ステータス報知部70は、量産準備ステータスを、例えば、射出成形機1のオペレーターに報知する(s16)。図5において、NN1〜NN11は、ニューラルネットワークの出力の識別値である。各ニューラルネットワークの出力に割り当てられたボックス内の数字(例えば、10,7,10,13,9,14,16,18,15,18,16)は、ニューラルネットワークの出力値である。ニューラルネットワークの出力値が指標値に等しいが、これに限られず、ニューラルネットワークの出力値を演算した演算値を評価のために用いても良い。
時刻t2〜t6については図5から見てとれるとおりである。時刻t8の時、8回目の成形サイクルが行われ、ニューラルネットワークの出力NN8=18となる。指標評価部64は、ニューラルネットワークの出力NN8(=18)が閾値(=17)よりも大きいため、指標が条件を満足すると評価する(s15)。次に、この評価結果を受けて、ステータス報知部70は、量産ステータスを、例えば、射出成形機1のオペレーターに報知する(s17)。これによりステータス決定に関するフローが終了する。
教師データとしてモニター値のセットに対応付けられる指標の値を調整することにより切替タイミングを時間軸において調整(早め、又は遅く)することができる。図5に示す場合、切替タイミング後、ニューラルネットワークから出力される出力値(指標)は、閾値未満となる場合が含まれるが、これ自体、許容される。すなわち、切替タイミング後、仮に不良品が成形されるとしても、その後の検査工程で除去可能である。切替タイミング前と比べれば、切替タイミング後のほうが良品率が高いため、検査工程の負担が軽減されていることに変わりない。
上述の実施形態においては、既に行われた過去の成形サイクルの成形品の品質評価がニューラルネットワークに組み込まれている。しかしながら、既に行われた過去の成形サイクルの成形品の品質評価からニューラルネットワークを切り離す形態も想定される。具体的には、教師データとして、ある成形サイクルで取得したモニター値のセットと、その成形サイクルで成形された成形品の品質に関する指標の組み合わせが用意される。この場合においても、複数の成形サイクルにおけるニューラルネットワークの出力値を演算(例えば、平均又は加算又は積分)することにより上述のものと同様の性質を有する指標値を決定することができる。
図7に示すように、モニター値のセットがニューラルネットワーク62aに入力される。演算処理部62bは、(例えば、連続して行われる)複数回の成形サイクルで得られるニューラルネットワーク62aの出力を演算する(例えば、平均又は加算又は積分)。演算値は、今回の成形サイクルにおける成形品の品質評価に加えて、既に行われた過去の成形サイクルの成形品の品質評価も反映し、射出成形機1が量産状態にあるか否かを示すステータスを適切に決定することが促進される。指標評価部64とステータス報知部70の動作は、上述のものと同様であり、重畳説明は省略する。
図8は、演算処理部62bの一例を示す概略的なブロック図である。演算処理部62bは、FIFO(First-In First Out)バッファーと演算部を含む。ニューラルネットワーク62aの出力値がFIFOバッファーに取り込まれる。演算部は、FIFOバッファーの複数の記憶値から演算値を求める(例えば、平均値又は加算値又は積分値)。FIFOバッファーは、バッファーの非限定の一例であり、他の種類のメモリーを用いることもできる。
図9は、図7及び図8に示した実施形態の動作を示す。図9に示すように、時間の進行に従い、ニューラルネットワーク62aの出力値が変動し、演算処理部62bにより算出される指標値(図9では加算値)も変化する。閾値=38である。従って、7回目の成形サイクルの後、量産準備ステータスから量産ステータスに切り替えられる。
上述のいずれの実施形態においても、モニター値を演算処理し、これにより得た演算値をニューラルネットワークに入力しても良い。図10に示す場合、モニター値がFIFOバッファーに保持され、演算部により演算される(例えば、平均又は加算又は積分)。図11に示すように、この演算により得られた演算値がニューラルネットワークに入力される。演算値は、今回の成形サイクルにおける射出成形機1の動作状態に加えて、既に行われた過去の成形サイクルにおける射出成形機1の動作状態も反映することになる。これは、射出成形機1が量産状態にあるか否かの判断の決定の精度を高めることに貢献し得る。
上述のいずれの実施形態においても、ニューラルネットワークを再帰型としても良い。例えば、図12に示すようにニューラルネットワークに前回の指標値を入力する。追加又は代替として、図13に示すように、前回のNN中間層の出力値を、今回のNN中間層における演算に利用することもできる。過去の成形サイクルにおけるニューラルネットワークの実行時の生成値(出力層の出力値又は中間層の出力値)が、今回の成形サイクルにおけるニューラルネットワークの実行における演算に取り込まれ、射出成形機1が量産状態にあるか否かを正しく決定することが促進される。
上述の開示を踏まえ、当業者は、各実施形態及び各特徴に対して様々な変更を加えることができる。指標の正確な予測のために様々なコンピューター基準のテクノロジー(アルゴリズム、AI(artificial intelligence)、機械学習、演算)が用いられ得る。射出成形機以外の他の種類の成形機(例えば、押出機)にも本開示の技術を流用可能である。射出成形機の始動は、射出成形機に電源が供給されていない状態から射出成形機1が稼働すること、及び(電源オン状態の)射出成形機が成形動作を一時的に停止している状態から成形動作を再開することも包含する。
60 ステータス決定部
62 指標決定部
64 指標評価部
70 ステータス報知部

Claims (10)

  1. 少なくとも射出成形機の始動時に前記射出成形機においてモニター値を取得する取得部と、前記モニター値のセットに基づいて、前記射出成形機が量産状態にあるか否かを示すステータスを決定するステータス決定部を備える射出成形機。
  2. 前記ステータス決定部は、少なくとも前記モニター値のセットに基づいて複数の成形サイクルにおける成形品の品質に関する指標を決定し、この指標の評価に基づいて前記ステータスを決定することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
  3. 前記指標は、今回実行した成形サイクルを含むN(Nは、2以上の自然数を示す)回分の連続して行われた成形サイクルにおける成形品の品質に関する指標であることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機。
  4. 前記ステータス決定部は、前記指標又は前記ステータスの決定のため予め機械学習により構築されたニューラルネットワークを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の射出成形機。
  5. 前記ニューラルネットワークは、N(Nは、2以上の自然数を示す)回目の成形サイクルで得られたモニター値のセットに基づく前記ニューラルネットワークの出力が、N回目の成形サイクルで得られた成形品の評価に加えて、N−M(Mは、1以上の自然数であり、Nよりも小さい)回目の成形サイクルで得られた成形品の評価も反映するように構築されることを特徴とする請求項4に記載の射出成形機。
  6. 前記ステータス決定部は、複数の成形サイクルにおける前記ニューラルネットワークの出力値に応じた指標値を演算するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の射出成形機。
  7. 前記ニューラルネットワークが再帰型であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の射出成形機。
  8. 前記射出成形機は、前記決定したステータスを報知するステータス報知部を更に含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の射出成形機。
  9. 少なくとも射出成形機の始動時に前記射出成形機で取得されたモニター値のセットに基づいて、前記射出成形機が量産状態にあるか否かを示すステータスを決定するように構成されたステータス決定装置。
  10. 少なくとも成形機の始動時に前記成形機においてモニター値を取得する取得部と、前記モニター値のセットに基づいて、前記成形機が量産状態にあるか否かを示すステータスを決定するステータス決定部を備える成形機。
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