JP2021146679A - 樹脂粉末、立体造形用樹脂粉末、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 - Google Patents

樹脂粉末、立体造形用樹脂粉末、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性に優れる樹脂粉末の提供。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を含有し、融点が150℃以上であり、JIS K 7210に準じて測定したメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であり、粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が、1.35以下である樹脂粉末である。平均円形度が、0.975以上である態様、前記ポリオレフィン系樹脂が、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂である態様などが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂粉末、立体造形用樹脂粉末、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置に関する。
古くから樹脂粉末は、様々な分野で活用されている。例えば、立体造形物を造形するための造形材料として樹脂粉末を使用することが知られている。立体造形物を造形するために用いられる樹脂粉末としては、例えば、特許文献1に記載の樹脂粉末が知られている。
本発明は、流動性に優れる樹脂粉末を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の樹脂粉末は、ポリオレフィン系樹脂を含有し、融点が150℃以上であり、JIS K 7210に準じて測定したメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であり、粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が、1.35以下である。
本発明によると、流動性に優れる樹脂粉末を提供することができる。
図1Aは、粒子の円形度の測定方法を説明する概略図である。 図1Bは、粒子の円形度の測定方法を説明する概略図である。 図2は、本発明の立体造形物の製造方法に用いられる立体造形物の製造装置の一例を示す概略説明図である。 図3Aは、平滑な表面を有する粉末層を形成する工程の一例を示す概略図である。 図3Bは、平滑な表面を有する粉末層を形成する工程の一例を示す概略図である。 図3Cは、立体造形用液体材料を滴下する工程の一例を示す概略図である。 図3Dは、造形用粉末貯蔵槽に新たに樹脂粉末層が形成される工程の一例を示す概略図である。 図3Eは、造形用粉末貯蔵槽に新たに樹脂粉末層が形成される工程の一例を示す概略図である。 図3Fは、再び立体造形用液体材料を滴下する工程の一例を示す概略図である。
(樹脂粉末)
本発明の樹脂粒子は、ポリオレフィン系樹脂を含有し、融点が150℃以上であり、JIS K 7210に準じて測定したメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50以下であり、粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が、1.35以下であり、更に必要に応じて、外添剤、その他の材料を含有する。
本発明者らは、従来の技術における以下の問題点について検討したところ、以下の知見を得た。
従来の樹脂粒子では帯電性が高いため、樹脂粒子を接触させて取り扱う部材への付着が多く、樹脂粒子を用いて製造する際に、樹脂粒子を適切に取り扱うことが難しくなり、その結果、樹脂粒子を用いる製品に対する所望の性状を満たすことができなくなる場合があるという問題があった。
本発明の樹脂粉末は、帯電しやすいポリオレフィン系樹脂を用いた場合においても、所定の融点、所定のMFR特性、及び所定の粒度分布を有することにより、流動性に優れる樹脂粉末とすることができることを見出した。
本発明の樹脂粉末は、立体造形、電子機器、自動車、プロトタイプや強度試験用の試作品、表面収縮剤、スペーサー、滑剤、塗料、砥石、添加剤、二次電池セパレーター、食品、化粧品、衣服、精密機器、半導体、航空宇宙、医療等の分野において用いられる材料や金属代替材料として用いることもできる。以下に樹脂粉末として立体造形に用いられる立体造形用樹脂粉末について詳細に説明する。
<ポリオレフィン系樹脂>
前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン骨格を有するモノマーの重合により得られる重合体である。ポリオレフィンは炭化酸素の2重結合を有する樹脂である。
前記ポリオレフィン系樹脂は、安価でかつ機械特性に優れるために構造材料として幅広い分野で使用されているため幅広い用途、特に、立体造形用途でも検討が多くで検討がなされている。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ポリプロピレンは、汎用されている樹脂の中でも、最高の耐熱性を有し、さらに他の樹脂と比較して強度が高く、耐薬品性に優れ、比重が小さく水に浮かべることができ、吸湿性が無いといった特長を有している。前記ポリプロピレンは、工業的に製造が可能であり、文具、紙幣、自動車部品、包装材料、繊維製品、プラスチック部品、種々の容器、実験器具など幅広い用途を持っている。
前記ポリプロピレン樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダム共重合プロピレン、ブロックポリプロピレンなどが挙げられる。
前記ホモポリプロピレンとしては、例えば、プロピレンの単独重合体などが挙げられる。
前記ランダム共重合プロピレンとしては、例えば、エチレンとプロピレンとの共重合体などが挙げられる。
前記ブロックポリプロピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレンにエチレン−プロピレン−ターポリマー(合成ゴム)を重合したブロック共重合ポリプロピレンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してよい。
これらの中でも、ゴム弾性を有し、自動車の外装用部品にも用いられるブロック共重合ポリプロピレン樹脂は、立体造形用としての用途に好ましい。また、前記ブロック共重合ポリプロピレン樹脂であると、例えば、立体造形物の製造に用いる場合においては、耐熱性や強度に優れる立体造形物を得ることができる。
なお、立体造形物の耐熱性は、荷重たわみ温度で評価することができる。
前記荷重たわみ温度は、合成樹脂の耐熱性を評価する試験法の1つであり、試験法規格に決められた荷重を与えた状態で、試料の温度を上げていき、たわみの大きさが一定の値になる温度を示す。試験法は ASTM D648、JIS 7191などで定められている。
また、立体造形物の強度は、ISO 527に準じた引張試験により測定及び評価することができる。
−融点−
前記樹脂粉末の融点は、150℃以上であり、155℃以上170℃以下が好ましく、160℃以上168℃以下がより好ましい。前記樹脂粉末の融点が、150℃以上であると、例えば、立体造形物の製造に用いる場合においては、耐熱性に優れる立体造形物を製造することができる。
前記融点の測定としては、DSC(示差走査熱量計:TA−60S:島津製作所社製)
を用いた以下の方法が挙げられる。
具体的にはサンプルの温度変化に応じてどのような熱的挙動を示すかを検出する測定法である。条件の詳細はJIS K−7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法に準じて測定される。
主な熱挙動には、発熱、吸熱と比熱の変化がある。発熱や吸熱が起きただけならば、ベースラインの変化は起きない。これに対して、比熱の変化が起こるとベースラインの変化が起きる。
前記融点の測定の条件としては、昇温速度:10℃/min、窒素雰囲気下、サンプル量5±0.5mgをアルミ製のパンに計量する。200℃まで昇温したのち、0℃まで冷却し、さらに同一の条件で200℃まで昇温する。このときの1回目の測定時の吸熱ピークを融点(Tm)とする。
融点では吸熱ピークが観測され、厳密にはベースラインのシフトは起きない。
−メルトマスフローレート(MFR)−
前記メルトマスフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準じて測定したものを意味する。メルトマスフローレート(MFR)は、樹脂の溶融時の流動性を示す数値で、数値が小さいほど流動性が低いことを示す。 具体的には、前記メルトマスフローレート(MFR)は、測定装置としてメルトインデックサ G−02(東洋精機株式会社製)を用いて、シリンダー(加熱筒)内の温度をJIS K 7210に準じて測定して、JIS K 7210の附属書Bの表B.1に記載される材料に対応する規格番号を参照して設定した。例えば、ポリプロピレン(PP)は、K 6921−1を参照し、温度230℃に設定した。またメルトマスフローレート(MFR)は、溶融させた試料に、荷重5kgをかけオリフィスより押出す試料の吐出量(標線間)を10分間あたりの重量(単位:g/10分)に換算して測定し。
前記樹脂粉末のメルトマスフローレート(MFR)としては、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であり、0.50(g/10min)以上7.00(g/10min)以下がより好ましく、1.00(g/10min)以上6.00(g/10min)以下が好ましく、3.00(g/10min)以上5.00(g/10min)以下がさらに好ましい。前記樹脂粉末のメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であると、例えば、立体造形物の製造に用いる場合においては、十分に溶解させることができ、強度、表面性、耐熱性に優れる立体造形物を得ることができる。
前記樹脂粉末のメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であると、加工安定性に優れている。前記樹脂粉末の粘度が低すぎると、例えば、溶融混練方式を用いた場合に十分なせん断力がかからず添加物を分散することができない。また、粉砕方式であれば、過粉砕により微粉が多く発生するため、前記樹脂粉末の流動性が低下する。一方、前記樹脂粉末の粘度が高すぎると、溶融混練で混練できず、粉砕方式では粉砕しにくいため、生産性が低下する。
−粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)−
前記樹脂粉末の粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)は、粒子の大きさの分布を示す指標で、粒度分布Dv/Dnはレーザー回折・散乱法(マイクロトラック法、装置名:MT3000II、マイクロトラック社製)により、測定される値を意味する。本発明において、粒度分布の測定に用いるMT3000IIでは、測定時の設定として測定する樹脂粉末(試料)に応じて屈折率を選択する必要がある。本発明においては、ポリエチレンでは透過モードで測定し、屈折率を1.53、ポリプロピレンでは屈折率を1.48とし、乾式モード(溶媒:空気)とした測定値を用いる。
前記樹脂粉末の粒度分布としては、1.35以下であり、1.35以下が好ましく、1.25以下がより好ましい。前記樹脂粉末の粒度分布が、1.35以下であると、流動性に優れる樹脂粉末とすることができる。また、例えば、立体造形物の製造に用いる場合においては、積層時に前記樹脂粉末を密に充填することができ、造形時の充填率を向上させ、製造する立体造形物の強度を向上させることができる。また、前記樹脂粉末の粒度分布が、1.35以下であると、流動性を向上させることができるため、結果として、リコート性を向上させることができる。
−−体積平均粒径Dv−−
前記樹脂粉末の体積平均粒径Dvとしては、20μm以上100μm以下が好ましく、30μm以上70μm以下がより好ましい。前記樹脂粉末の体積平均粒径Dvが、20μm以上100μm以下であると、前記樹脂粉末が帯電によって凝集することを抑制し流動性を向上させることができる。また、前記樹脂粉末の体積平均粒径Dvが、20μm以上100μm以下であると、例えば、前記樹脂粉末を立体造形物の製造に用いる場合においては、流動性に優れるため、粉末床積層方式において樹脂粉末を平滑に整地しやすくなる。さらに、前記樹脂粉末の体積平均粒径Dvが、20μm以上100μm以下であると、例えば、積層時に樹脂粉末を密に充填することができ、造形時の充填率を向上させ、製造する立体造形物の強度を向上させることができる。
前記体積平均粒径Dvは、前記粒度分布の測定と同様の方法及び装置により測定することができる。
−平均円形度−
前記平均円形度は、前記樹脂粉末の円形度を測定し、その算術平均した値を用いることができる。平均円形度は、真円であれば1であり、円の形状が崩れる程小さな値を示す。
前記平均円形度としては、0.975以上が好ましく、0.980以上がより好ましい。前記平均円形度が、0.975以上であると、例えば、立体造形物の製造に用いる場合においては、積層時に樹脂粉末を密に充填することができ、造形時の充填率を向上させ、製造する立体造形物の強度を向上させることができる。
円形度を簡易的に求める方法としては、例えば、湿式フロー式粒子径・形状分析装置(装置名:FPIA−3000、シスメックス株式会社製)を用いて測定することにより、数値化することができる。
前記湿式フロー式粒子径・形状分析装置は、ガラスセル中を流れる懸濁液中の粒子画像をCCDで高速撮像し、個々の粒子画像をリアルタイムに解析することができ、このような粒子を撮影し、画像解析を行う装置が、本発明の平均円形度を求める上で有効である。前記粒子の測定カウント数としては、特に制限はないが、1,000以上が好ましく、3,000以上がより好ましい。
具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100mL〜150mL中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1mL〜0.5mL加え、更に測定試料を0.1g〜0.5g程度加える。その後、この測定試料が分散した懸濁液を、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理し、分散液濃度が3,000個/μL〜1万個/μLとなるようにしたものを湿式フロー式粒子径・形状分析装置にセットして、測定試料の形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図1Aに示す測定試料の投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図1Bに示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とする。
<外添剤>
前記外添剤としては、高温(約100℃以上)での流動性を確保することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂微粒子、無機微粒子などが挙げられる。前記外添剤を樹脂粉末の表面に有することにより、流動性が向上するため、扱う部材などへの付着が抑制され、取り扱い性を向上させることができる。
ここで、前記微粒子としては、個数平均粒径Dnが、0.001μm以上2.0μm以下のものを意味する。
前記外添剤の個数平均粒径Dnとしては、0.1μm以上2.0μm以下が好ましい。
前記外添剤の個数平均粒径Dnが、0.1μm以上2.0μm以下であると、高温(約100℃以上)での流動性を向上させることができる。
また、前記外添剤の個数平均粒径Dnが、例えば、立体造形物の製造に用いる場合においては、積層時に密に充填することができ、造形時の充填率を向上させ、製造する立体造形物の強度を向上させることができる。
また、前記外添剤の個数平均粒径Dnが、例えば、立体造形物の製造に用いる場合においては、リコーターなどの樹脂粉末を取り扱う部材への付着などが低減し、リコート性(取り扱い性)を向上させることができる。
前記樹脂微粒子としては、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、これらの樹脂を含む共重合樹脂などが挙げられる。
前記無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛などの無機酸化物などが挙げられる。
また、前記外添剤としては、滑剤のような作用のものもあれば、粒子間の凝集を防ぐ凝集防止剤のような作用のものもある。
前記滑剤のような作用のものとしては、例えば、表面エネルギーを低下させるシリコンオイル処理やHMDS処理などの表面処理などが挙げられる。
前記凝集防止剤のような作用のものとしては、例えば、粒径の大きい樹脂粒子などが挙げられる。
前記外添剤としては、適宜表面処理を行ったものを使用してもよい。前記表面処理としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理などの疎水化処理、アミン処理、荷電を目的とするフッ素処理などが挙げられる。
前記樹脂粉末に外添剤を添加する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、前記樹脂粉末と前記外添剤を混合装置にて混合する方法が挙げられる。
前記混合装置としては、例えば、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
前記混合の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、撹拌速度:30m/s、5分間撹拌混合する方法などが挙げられる。
<その他の材料>
その他の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電防止剤、強化剤、難燃化剤、可塑剤、安定化剤、酸化防止剤、結晶核剤などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらは、前記ポリオレフィン系樹脂と混合し、前記樹脂粉末に内在させてもよいし、前記樹脂粉末の表面に付着させてもよい。
前記帯電防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非水溶性の帯電防止剤などが挙げられる。
前記非水溶性の帯電防止剤としては、例えば、高分子型の帯電防止剤、低分子型の帯電防止剤などが挙げられる。
前記高分子型の帯電防止剤としては、例えば、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックとのブロック共重合体)(ADEKA、AS−301E)、ポリオレフィン−ポリエチレンオキサイドブロック共重合体(商品名:ペレスタット303」、製造会社名:三洋化成工業株式会社)、ポリエーテルエステルアミド(商品名:ぺレクトロンAS、製造会社名:三洋化成工業株式会社)などが挙げられる。
前記低分子型の帯電防止剤としては、例えば、ホウ素系錯体(日本カーリット株式会社製、LR−147)、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレンなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリオレフィン−ポリエチレンオキサイドブロック共重合型の帯電防止剤が好ましい。前記帯電防止剤が、ポリオレフィン−ポリエチレンオキサイドブロック共重合型の帯電防止剤であると、ポリオレフィン基と馴染みやすく、単体の樹脂粉末の粒子中に分散しやすいうえに、親水基が帯電機能を有すとともに、外向きに配向するため好ましい。
またこれらの帯電防止剤は抵抗調整機能が高いだけでなく、加工時にブリードしにくく粒子表面露出しにくいため、常温や高温で外部環境による流動性に影響を与えにくい特徴がある。
前記帯電防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記強化剤とは、主に強度を高めるために添加され、フィラー又は充填材として含有される。例えば、ガラスフィラーやガラスビーズ、カーボンファイバー、アルミボール、国際公開第2008/057844号パンフレットに記載のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいし、樹脂粉末(粒子)中に含まれていてもよい。本発明の樹脂粉末としては、適度に乾燥しているのが好ましく、真空乾燥機やシリカゲルを入れることにより使用前に乾燥させてもよい。
<<難燃化剤>>
前記難燃化剤としては、例えば、金属化合物、窒素化合物などが挙げられる。
前記金属化合物としては、例えば、アンチモン化合物、金属水酸化物などが挙げられる。
前記窒素化合物としては、例えば、メラミンシアヌレートなどが挙げられる。
<<可塑剤>>
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステルなどが挙げられる。
<<安定化剤>>
前記安定化剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
<<酸化防止剤>>
前記酸化防止剤としては、例えば、金属不活性化剤であるヒドラジド系やアミド系、ラジカル捕捉剤であるフェノール系(ヒンダードフェノール系)やアミン系、過酸化物分解剤であるホスフェート系や硫黄系、紫外線吸収剤であるトリアジン系などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、ラジカル捕捉剤と過酸化物分解剤とを組み合わせて用いると有効であることが知られており、本発明においても特に有効である。
前記酸化防止剤の含有量としては、樹脂粉末全量に対して、0.05質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上2質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、樹脂粉末全量に対して、0.05質量%以上5質量%以下であると、樹脂粉末の熱劣化を防止する効果が得られ、例えば、立体造形物の製造に用いる場合においては、造形に使用した樹脂粉末を再利用することが可能になる。また、熱による変色を防止する効果も得られる。
<<結晶核剤>>
前記結晶核剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(樹脂粉末の製造方法)
本発明の樹脂粉末の製造方法は、本発明の樹脂粉末の製造方法であって、溶融混錬法を用いる工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の樹脂粉末の製造方法に用いる材料としては、本発明の樹脂粉末と同様である。
前記溶融混練法の工程を説明する。
まず、前記ポリオレフィン系樹脂と、水溶性樹脂と、を混合したのち、押出混練機で混練したのち、圧延冷却し、粗粉砕する。得られた粗粉砕物を水で洗浄し、水溶性樹脂だけ洗い流して、必要な樹脂を取り出す。
前記水溶性樹脂は水に溶解するだけでなく、高温で混錬する際にも一定の粘度が必要である。
前記水溶性樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア(尿素)樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂と、前記水溶性樹脂とを混合する手段としては、例えば、ミキサーなどが挙げられる。前記ミキサーとしては、混合できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、高速撹拌可能な装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、メカノハイブリッドなどが挙げられる。
前記押出混練機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一軸混錬機、二軸混練機、二本ロール、三本ロールなどが挙げられるが、小粒径化や狭分布化のためには高分散の可能な装置を選択する必要がある。
より高い分散が可能な装置としては、例えば、日本コークス工業株式会社製のニーデックス混錬機などが挙げられる。
混錬した混合物は、後処理のために、圧延冷却したのち、粗粉砕する。
前記圧延冷却機としては、例えば、日本コークス工業株式会社製のドラム式冷却機などが挙げられる。
前記粗粉砕機としては、得られた混練物をチップの大きさが2mm程度に粗粉砕されれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばロートプレックス、ハンマーミル、フェザーミル、カッターミルなどが挙げられる。
次に、得られた粗粉砕物を水で洗浄する。
その後、前記水溶性樹脂と、ポリオレフィン系樹脂粒子をろ過で固液分離し、ろ紙上のサンプルを回収、48時間、流動床により乾燥して樹脂粉末を得ることができる。
本発明の樹脂粉末の製造方法により、得られる粒子の平均円形度を0.975以上とすることができ、より少ない工程で粒度分布の狭い(粒度分布が1.35以下)樹脂粉末を得ることができる。
(立体造形用樹脂粉末)
本発明の立体造形用樹脂粉末は、ポリオレフィン系樹脂を含有し、融点が150℃以上であり、JIS K 7210に準じて測定した、融点よりも50℃高い温度におけるメルトフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)(g/10min)以下であり、粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が、1.35以下であり、更に必要に応じて外添剤、その他の成分を含む。
本発明の立体造形用樹脂粉末は、本発明の樹脂粉末と同様である。
本発明の前記立体造形用樹脂粉末は、SLS法やSMS法について使用できるが、適切な粒度、粒度分布、熱移動特性、溶融粘度、嵩密度、流動性、溶融温度、及び再結晶温度のようなパラメーターについて適切なバランスを示す特性を呈している。
本発明の立体造形用樹脂粉末は、PBF方式によるレーザー焼結法、例えば、SLS(選択式レーザー焼結)方式又はSMS(選択式マスク焼結)方式を利用する三次元品を形成するのに有用である。
本発明の立体造形用樹脂粉末を用いることにより、流動性及び取り扱い性(リコート性)に優れ、寸法精度や強度が高く、更に表面性(オレンジピール性)に優れた立体造形物を得ることができる。
(立体造形用樹脂粉末の製造方法)
本発明の立体造形用樹脂粉末の製造方法は、本発明の樹脂粉末の製造方法と同様である。
(立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成工程と、前記形成された層の選択された領域内の前記立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着工程と、を繰り返し、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造装置は、本発明の立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成手段と、前記形成された層の選択された領域内の前記立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記立体造形用樹脂粉末としては、本発明の樹脂粉末を用いることもできる。
前記立体造形用樹脂粉末は、粉末積層方式の立体造形物製造装置すべてに使用することができ、有効である。粉末積層方式の立体造形物製造装置は、粉末の層を形成した後、選択された領域の立体造形用樹脂粉末同士を接着させる手段が異なり、一般にSLS方式やSMS方式に代表される電磁照射手段と、バインダージェット方式に代表される液体吐出手段が挙げられる。本発明の立体造形用樹脂粉末は、これらのいずれにも適用することができ、粉末を積層する手段を含む立体造形装置すべてに有効である。
なお、前記接着とは、一の物質と他の物質との界面で接した状態を維持することを意味する。
前記粉末接着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電磁波を照射する手段などが挙げられる。
前記電磁波の照射を用いるSLS方式やSMS方式等の立体造形物の製造装置において、電磁波の照射に用いられる電磁照射源としては、例えば、紫外線、可視光線、赤外線等を照射するレーザーのほか、マイクロ波、放電、電子ビーム、放射加熱器、LEDランプ等、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
また、前記立体造形用樹脂粉末を選択的に接着させる方法として電磁波の照射を用いる場合、効率的に吸収させたり、あるいは吸収を妨げたりする方法もあり、例えば、吸収剤や抑制剤を前記立体造形用樹脂粉末に含有させる方法も可能である。
前記立体造形用樹脂粉末を用いて、レーザー焼結により形成される立体造形物は、滑らかであり、最小オレンジピール以下を呈する十分な解像度を示す表面を形成できる。
ここで、前記オレンジピールとは、一般にPBFでのレーザー焼結により形成される立体造形物の表面上に不適切な粗面、又は空孔やゆがみのような表面欠陥の存在を意味する。
前記空孔は、例えば、美観を損なうだけでなく、機械強度にも著しく影響を及ぼすことがある。
さらに、前記立体造形用樹脂粉末を使用し、レーザー焼結により形成される立体造形物としては、焼結中から焼結後の冷却時の間に、発生する相変化による反りや歪み、発煙したりするような不適切なプロセス特性を示さないことが好ましい。
また、本発明の立体造形用樹脂粉末を用いることにより、寸法精度や強度が高く、さらに表面性(オレンジピール性)に優れた立体造形物を得ることができる。
さらに、リサイクル性に優れ、余剰粉を繰り返し使用しても、立体造形物の寸法精度や強度の低下を抑制することができる。
本発明において用いられるリサイクル粉末としては、下記の試験方法のリサイクル方法に従って試験した時、PBF方式の製作機(株式会社リコー製、AM S5500P)中にて、リサイクル粉末を少なくとも1回、より好ましくは5回、より好ましくは7回、特に好ましくは少なくとも10回試験を行った後も、強度低下を示さない、ISO(国際標準化機構)3167 Type1A 150mm長さ多目的犬骨様試験標本を形成することができる。
次に、立体造形物の製造装置の一例について、図2を用いて説明する。図2は、立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。図2に示すように、粉末の供給槽5に粉末を貯蔵し、使用量に応じて、ローラ4を用いてレーザー走査スペース6に供給する。供給槽5は、ヒーター3により温度を調節されていることが好ましい。電磁照射源1から出力したレーザーを反射鏡2を用いて、レーザー走査スペース6に照射する。前記レーザーによる熱により、粉末を焼結して立体造形物を得ることができる。
前記供給槽5の温度としては、粉末の融点より10℃以上低いことが好ましい。
前記レーザー走査スペースにおける部品床温度としては、粉末の融点より5℃以上低温であることが好ましい。
レーザー出力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10ワット以上150ワット以下が好ましい。
別の実施態様においては、選択的マスク焼結(selective mask sintering:SMS)技術を使用して、本発明における立体造形物を製造することができる。前記SMSプロセスについては、例えば、米国特許第6,531,086号明細書に記載されているものを好適に用いることができる。
前記SMSプロセスとしては、遮蔽マスクを使用して選択的に赤外放射を遮断し、粉末層の一部に選択的に照射する。本発明の立体造形用樹脂粉末から立体造形物を製造するためにSMSプロセスを使用する場合、前記立体造形用樹脂粉末の赤外吸収特性を増強させる材料を含有させることが可能であり、有効である。例えば、前記立体造形用樹脂粉末に1種以上の熱吸収剤及び/又は暗色物質(カーボンファイバー、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、もしくはカーボンファイバー、セルロースナノファイバー等)を含有することができる。
更に別の実施態様においては、本発明の立体造形用樹脂粉末を用い、前述のバインダージェット方式の立体造形装置を使用して、立体造形物を製造することができる。この方法は、本発明の立体造形用樹脂粉末からなる層を形成する層形成工程と、形成された層の選択された領域に液体を吐出し乾燥させて、立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着工程と、を繰り返し、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記立体造形物の製造装置は、本発明の立体造形用樹脂粉末からなる層を形成する層形成手段と、前記形成された層の選択された領域に液体を吐出する手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を含む。前記液体を吐出する手段としては、得られる立体造形物の寸法精度や造形速度の観点から、インクジェットの方法を用いることが好ましい。
図3に、バインダージェット方式のプロセス概略図の一例を示す。図3に示される立体造形物製造装置は、造形用粉末貯蔵槽11と供給用粉末貯蔵槽12とを有し、これらの粉末貯蔵槽は、それぞれ上下に移動可能なステージ13を有し、該ステージ13上に本発明の立体造形用樹脂粉末を載置し、前記立体造形用樹脂粉末からなる層を形成する。造形用粉末貯蔵槽11の上には、前記粉末貯蔵槽内の前記立体造形用樹脂粉末に向けて立体造形用液体材料16を吐出する立体造形用液体材料供給手段15を有し、更に、供給用粉末貯蔵槽12から造形用粉末貯蔵槽11に立体造形用樹脂粉末を供給すると共に、造形用粉末貯蔵槽11の立体造形用樹脂粉末(層)表面を均すことが可能な層形成手段14(以下、均し機構、リコーターとも称する)を有する。
図3A及び図3Bは、供給用粉末貯蔵槽12から造形用粉末貯蔵槽11に立体造形用樹脂粉末を供給するとともに、平滑な表面を有する樹脂粉末層を形成する工程を示す。造形用粉末貯蔵槽11及び供給用粉末貯蔵槽12の各ステージ13を制御し、所望の層厚になるようにギャップを調整し、前記層形成手段14を供給用粉末貯蔵槽12から造形用粉末貯蔵槽11に移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽11に樹脂粉末層が形成される。
図3Cは、造形用粉末貯蔵槽11の樹脂粉末層上に前記立体造形用液体材料供給手段15を用いて、立体造形用液体材料16を滴下する工程を示す。この時、樹脂粉末層上に立体造形用液体材料16を滴下する位置は、立体造形物を幾層もの平面にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
図3D及び図3Eは、供給用粉末貯蔵槽12のステージ13を上昇させ、造形用粉末貯蔵槽11のステージ13を降下させ、所望の層厚になるようにギャップを制御し、再び前記層形成手段14を供給用粉末貯蔵槽12から造形用粉末貯蔵槽11に移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽11に新たに樹脂粉末層が形成される。
図3Fは、再び造形用粉末貯蔵槽11の樹脂粉末層上に立体造形用液体材料供給手段15を用いて、立体造形用液体材料16を滴下する工程である。これらの一連の工程を繰り返し、必要に応じて乾燥させ、立体造形用液体材料が付着していない立体造形用樹脂粉末(余剰粉)を除去することによって、立体造形物を得ることができる。
立体造形用樹脂粉末同士を接着させるためには、接着剤を含むことが好ましい。前記接着剤は、吐出する液体に溶解した状態で含有させてもよいし、前期立体造形用樹脂粉末に接着剤粒子として混在させてもよい。前記接着剤は、吐出する液体に溶解することが好ましく、例えば、吐出する液体が水を主成分とするものであれば、前記接着剤は水溶性であることが好ましい。
前記水溶性の接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコールが立体造形物の強度や寸法精度を高める上で、より好ましく用いられる。
本発明の立体造形用樹脂粉末は、流動性が高く、その結果、得られる立体造形物の表面性を向上することができ、これらの効果は電磁照射を用いる方法に限定されるものではなく、バインダージェット方式を始めとする粉末積層方式を採用したすべての立体造形装置において、有効である。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン樹脂であるPB370A(サンアロマー株式会社製、MFR:1(g/10min)、融点:168℃)100質量部と、帯電防止剤としてポリオレフィン−ポリエチレンオキサイドブロック共重合型帯電防止剤ぺレクトロンPVL(三洋化成工業株式会社製)5質量部と、をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、撹拌速度:30m/s、5分間、撹拌混合した後、水溶性樹脂としてポリエチレンオキサイド(アルコックスE−75、明成化学工業株式会社製)400質量部を添加し、さらに5分間混合してサンプルを得た。なお、MFRは、JIS K 7210に準じて230℃において測定した結果を示す。
得られたサンプルを、二軸押出混練機(TEM−18SS、東芝機械株式会社製)を用いて溶融混錬した。このときの混練条件は先端のヘッド温度を200℃、スクリュー回転数を500rpmとした。
溶融混錬したサンプルを圧延冷却したのち、カッターミルにて粗粉砕し、粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、イオン交換水を用いて洗浄し、ポリエチレンオキサイドのみを取り除き、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂粉末1を得た。
得られたブロック共重合ポリプロピレン樹脂粉末1 100質量部と、外添剤として樹脂微粒子のスチレンアクリル共重合樹脂(架橋アクリル単分散粒子、MX−150、綜研化学株式会社製、個数平均粒径:0.8μm)1質量部と、をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、撹拌速度:30m/s、5分間、撹拌混合して樹脂粉末1を得た。
(実施例2)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をBC4BSW(日本ポリプロ株式会社製、MFR:5.5、融点:167℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末2を得た。
(実施例3)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をPC480(サンアロマー株式会社製、MFR:3.1(g/10min)、融点:168℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末3を得た。
(実施例4)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をBC6C(日本ポリプロ株式会社製、MFR:4.3(g/10min)、融点153℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末4を得た。
(実施例5)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をE702MG(プライムポリマー株式会社製、MFR:1.8、融点:174℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末5を得た。
(実施例6)
実施例3において、混練条件の先端のヘッド温度を180℃、スクリュー回転数を300rpmに変更した以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末6を得た。
(実施例7)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をPB222A(サンアロマー株式会社製、MFR:2.4、融点:150℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末7を得た。
(実施例8)
実施例3において、水溶性樹脂の添加量を800質量部、混練条件の先端のヘッド温度を220℃、スクリュー回転数を600rpmに変更した以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末8を得た。
(実施例9)
実施例3において、水溶性樹脂の添加量を600質量部、混練条件の先端のヘッド温度を210℃、スクリュー回転数を550rpmに変更した以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末9を得た。
(実施例10)
実施例3において、水溶性樹脂の添加量を300質量部、混練条件の先端のヘッド温度を190℃、スクリュー回転数を400rpmに変更した以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末10を得た。
(実施例11)
実施例3において、水溶性樹脂の添加量を250質量部、混練条件の先端のヘッド温度を180℃、スクリュー回転数を300rpmに変更した以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末11を得た。
(実施例12)
実施例3において、外添剤を添加しなかった以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末12を得た。
(実施例13)
実施例3において、外添剤をスチレンアクリル共重合樹脂粒子(01−00−501、コアフロント社製、個数平均粒径:0.05μm)に変更した以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末13を得た。
(実施例14)
実施例3において、外添剤をスチレンアクリル共重合樹脂粒子(テクポリマーSSX−102、綜研化学株式会社製、個数平均粒径:2.3μm)に変更した以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末14を得た。
(実施例15)
実施例3において、樹脂を水溶性樹脂を入れずに実施例1の混練条件で混錬、粗粉砕し、この粗粉砕物をジャケットを液体窒素で冷却可能なリンレックスミル(ホソカワミクロン化粧品株式会社製)にて微粉砕し、目開き75μmのメッシュを通過させてポリプロピレン樹脂粒子を得た。当粒子をさらに球形化表面改質機ファカルティF−430S(ホソカワミクロン化粧品株式会社製)にて、粉砕ローター回転数5800rpm、分級ローター回転数7000rpm、処理時間90秒で球形化処理をした以外は、実施例3と同様にして、樹脂粉末15を得た。
(実施例16)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をVB170(日本ポリプロ株式会社製、MFR:0.5、融点:167℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末16を得た。
(実施例17)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をFB3B(日本ポリプロ株式会社製、MFR:7、融点:166℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末17を得た。
(実施例18)
実施例3において、混練条件の先端のヘッド温度を180℃、スクリュー回転数を300rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末18を得た。
(比較例1)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をE−333GV(プライムポリマー株式会社製、MFR:=3.1、融点:143℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末19を得た。
(比較例2)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をE701G(プライムポリマー株式会社製、MFR:0.5、融点:166℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末20を得た。
(比較例3)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をBC2E(プライムポリマー株式会社製、MFR:9.1、融点:158℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末21を得た。
(比較例4)
実施例1において、混練条件の先端のヘッド温度を170℃、スクリュー回転数を200rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末22を得た。
(比較例5)
実施例1において、ポリプロピレン樹脂をポリアミド樹脂(PA12、UBESTA3020U、宇部興産株式会社製、MFR:4.8、融点:174℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粉末23を得た。
次に、得られた樹脂粉末1〜23について、以下のようにして「体積平均粒径(Dv)」、「粒度分布(Dv/Dn)」、「平均円形度」を測定した。結果を表1に示す。
[体積平均粒径(Dv)及び粒度分布(Dv/Dn)]
得られた樹脂粉末の体積平均粒径(Dv)(μm)は、粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、microtrac MT3000II)を用いて、樹脂粉末ごとの粒子屈折率を使用し、溶媒は使用せず乾式(大気)法にて測定した。なお、樹脂粉末ごとの粒子屈折率は、ポリプロピレンでは屈折率を1.48とし、ポリアアミドでは屈折率を1.53とした。
得られた樹脂粉末の、個数平均粒径(Dn)(μm)は、粒度分布測定装置(シスメックス製F−PIA3000)を用いて測定した。
また、得られた体積平均粒径(Dv)(μm)及び個数平均粒径(Dn)(μm)から体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)を算出した。結果を表1に表す。
[平均円形度]
平均円形度は、樹脂粉末を100mLのビーカーに100mg入れ、界面活性剤(BN2060、テイカ社製)と馴染ませた後、70mLのイオン交換水を入れ、超音波洗浄機で1分間撹拌して測定用サンプルを調製した。
調製した測定用サンプルを、以下の条件で測定し、平均円形度を測定した。
−平均円形度の測定条件−
・湿式フロー式粒子径・形状分析装置(装置名:FPIA−3000、シスメックス株式会社製)
次に、得られた樹脂粉末1〜23を用いて、下記条件により立体造形物1〜23を製造した。
−立体造形物の製造−
得られた樹脂粉末を27℃、湿度80%RH環境にて1週間保管した。1週間保管後の樹脂粉末を用いて、SLS方式の立体造形装置(株式会社リコー製、AM S5500P)を使用し、立体造形物の製造を行った。
造形条件は、粉末層の平均厚みを0.1mm、レーザー出力を10ワット以上150ワット以下、レーザー走査スペースを0.1mm、床温度を樹脂の融点より−3℃に設定した。
なお立体造形物として造形する試験片は、引っ張り試験標本を中心部にY軸方向に長辺が向くように、引っ張り試験標本の長手方向に5個造形した。
各々の造形物層の間隔は5mmとした。
引張り試験標本サンプルは、ISO(国際標準化機構)3167 Type1A 150mm長さ多目的犬骨様試験標本(標本は、長さ80mm、厚さ4mm、幅10mmの中心部分を有する)を作成した。
下記のようにして、「リコート性」、「荷重たわみ温度」、「表面性(オレンジピール性)」、及び「引張強度」について評価を行った。結果を下記表2に示す。
<リコート性>
SLS方式の立体造形装置(株式会社リコー製、AM S5500P)を使用し、流動性の評価として、得られた粉末がどの程度リコーターに付着や飛散したかどうかを示すリコート性を官能評価した。評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
2:リコーター付着や飛散が見られないもの
1:リコーターへの付着や飛散が一部もみられるが造形できるもの
0:リコーター付着や飛散により造形できないもの
<荷重たわみ温度>
HDT試験機(東洋精機製作所製:3M−2)を用いて得られた立体造形物を測定した。測定条件はサンプルをフラットワイズに設置し、JIS 7191に準拠した条件で評価した。評価としては、測定値は5つのサンプルの平均値用いた。なお、評価が「1」以上であれば実使用上問題ない範囲である。
[測定条件]
・応力0.45MPa
・標準たわみ量:0.34
・試験開始温度:30℃
・冷却温度:30℃
・昇温速度120℃/h
・ウォームアップ時間:5min
[評価基準]
3:110℃以上
2:100℃以上110℃未満
1:90℃以上100℃未満
0:90℃未満
<表面性(オレンジピール性)>
得られた立体造形物の表面を目視観察、光学顕微鏡観察及び官能試験を行った。官能試験はサンプルを手で触り、その触感から表面性、特に滑らかさについて評価を行った。これらの結果を総合し、下記評価基準に基づいて、表面性(オレンジピール性)の評価を行った。なお、評価が「1」以上であれば実使用上問題ない範囲である。
[評価基準]
3:表面が非常に滑らかで、気になる凹凸や粗面が殆ど認められない
2:表面の滑らかさに問題はなく、表面の凹凸や粗面は許容できる
1:表面に滑らかさはなく、凹凸や粗面が目視で認識できる
0:表面が引っかかり、表面の凹凸やゆがみ等の欠陥が多数認められる
<引張強度>
得られた立体造形物について、ISO 527に準じた引張試験(株式会社島津製作所製、AGS−5kN)を使用して実施した。なお、引張試験における試験速度は、50mm/分間とした。
引張強度試験はn=5で実施し、測定された引張最大点応力を「引張強度」、引張最大点ひずみを「引張ひずみ」とした。また評価基準は下記に示す通りとした。なお、評価が「1」以上であれば実使用上問題ない範囲である。
[評価基準]
3:引張強度が50N/mm以上
2:引張強度が3N/mm以上50N/mm未満
1:引張強度が20N/mm以上35N/mm未満
0:引張強度が20N/mm未満
<総合評価>
全ての評価において、下記評価基準に基づき総合評価を行った。なお、評価が「1」以上であれば実使用上問題ない範囲である。
[評価基準]
3:すべての項目が2以上で1以下が含まれないもの
2:すべての項目が1以上で3がふくまれるもの。
1:すべての項目が1以上で3が含まれないもの。
0:いずれかの項目に0が含まれるもの
Figure 2021146679
Figure 2021146679
実施例の結果から、比較例は全てリコート性が悪く、流動性が優れていない評価となった。さらに、比較例1の樹脂粉末は、樹脂の融点が低いため耐熱性が得られなかった。比較例2の樹脂粉末は、粘度が高いため造形物の表面性が悪く引張強度が低かった。比較例3の樹脂粉末は、粘度が低いため耐熱性が低かった。比較例4の樹脂粉末は、粒度分布がブロードなため、充填率が低く造形強度が低かった。一方、実施例の樹脂粉末においては、リコート性が良く、総合評価からも良好な流動性を示す評価が得られた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> ポリオレフィン系樹脂を含有し、
融点が150℃以上であり、
JIS K 7210に準じて測定したメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であり、
粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が、1.35以下である、ことを特徴とする樹脂粉末である。
<2> 平均円形度が、0.975以上である、前記<1>に記載の樹脂粉末である。
<3> 前記ポリオレフィン系樹脂が、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂である、前記<1>から前記<2>のいずれかに記載の樹脂粉末である。
<4> 前記体積平均粒径Dvが、20μm以上100μm以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の樹脂粉末である。
<5> 前記融点が、155℃以上170℃以下である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の樹脂粉末である。
<6> 表面に樹脂微粒子を含有する、前記<1>から<5>のいずれかに記載の樹脂粉末である。
<7> 前記樹脂微粒子の個数平均粒径Dnが、0.1μm以上2.0μm以下である、前記<6>に記載の樹脂粉末である。
<8> ポリオレフィン系樹脂を含有し、
融点が150℃以上であり、
JIS K 7210に準じて測定したメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であり、
粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が、1.35以下である、ことを特徴とする立体造形用樹脂粉末である。
<9> 平均円形度が、0.975以上である、前記<8>に記載の立体造形用樹脂粉末である。
<10> 前記ポリオレフィン系樹脂が、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂である、前記<8>から<9>のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末である。
<11> 前記体積平均粒径Dvが、20μm以上100μm以下である、前記<8>から<10>のいずれかにに記載の立体造形用樹脂粉末である。
<12> 前記融点が、155℃以上170℃以下である、前記<8>から<11>のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末である。
<13> 表面に樹脂微粒子を含有する、前記<8>から<12>のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末である。
<14> 前記樹脂微粒子の個数平均粒径が、0.1μm以上2.0μm以下である、前記<13>に記載の立体造形用樹脂粉末である。
<15> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の樹脂粉末の製造方法であって、
溶融混錬法を用いる工程を含む、ことを特徴とする樹脂粉末の製造方法である。
<16> 前記<8>から<14>のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成工程と、
前記層の選択された領域内の前記立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着工程と、を繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<17> 前記<8>から<14>のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成手段と、
前記層の選択された領域内の前記立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着手段と、を繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造装置である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の樹脂粉末、前記<8>から<14>のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末、前記<15>に記載の樹脂粉末の製造方法、前記<16>に記載の立体造形物の製造方法、及び前記<17>に記載の立体造形物の製造装置は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2018−154116号公報

Claims (10)

  1. ポリオレフィン系樹脂を含有し、
    融点が150℃以上であり、
    JIS K 7210に準じて測定したメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であり、
    粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が、1.35以下である、ことを特徴とする樹脂粉末。
  2. 平均円形度が、0.975以上である、請求項1に記載の樹脂粉末。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂である、請求項1から2のいずれかに記載の樹脂粉末。
  4. 前記体積平均粒径Dvが、20μm以上100μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の樹脂粉末。
  5. 前記融点が、155℃以上170℃以下である、請求項1から4のいずれかに記載の樹脂粉末。
  6. 表面に樹脂微粒子を含有する、請求項1から5のいずれかに記載の樹脂粉末。
  7. 前記樹脂微粒子の個数平均粒径Dnが、0.1μm以上2.0μm以下である、請求項6に記載の樹脂粉末。
  8. ポリオレフィン系樹脂を含有し、
    融点が150℃以上であり、
    JIS K 7210に準じて測定したメルトマスフローレート(MFR)が、0.35(g/10min)以上8.50(g/10min)以下であり、
    粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が、1.35以下である、ことを特徴とする立体造形用樹脂粉末。
  9. 請求項8に記載の立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成工程と、
    前記層の選択された領域内の前記立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着工程と、を繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  10. 請求項8に記載の立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成手段と、
    前記層の選択された領域内の前記立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。

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